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ホーム›裁判情報一覧›昭和31(ラ)56 執行吏の執行実施拒絶に対する異議申立の却下決定に対する即時抗告事件

昭和31(ラ)56 執行吏の執行実施拒絶に対する異議申立の却下決定に対する即時抗告事件

裁判所

昭和32年2月4日 札幌高等裁判所 棄却

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1,536 文字

主文 本件抗告を棄却する。抗告費用は抗告人の負担とする。理由 本件抗告の趣旨ならびに理由は別紙記載のとおりである。<要旨第一>およそ、民事訴訟法第七三三条民法第四一四条第二項の規定により第一審受訴裁判所がなしたいわゆる授権</要旨第一>決定において指定された債務者以外の第三者は、執行機関である第一審受訴裁判所の代替執行を補助する地位にあるものであつて、その執行の実施について補助的に行動するだけで独立の執行行為をするものでない。たとえ、指定された債務者以外の第三者がたまたま執行吏であつても、その理を異にするものでないのである。<要旨第二>そして、授権決定で債務者以外の第三者として指定された執行吏が代替執行の実施を拒否した場合、その処置</要旨第二>に対し、直接に民事訴訟法第五四四条第二項所定の執行方法に関する異議を申立てることは許されないものと解するのが相当である。けだし、同法条は、執行機関である執行吏が独立の執行行為に関してとつた違法不当の処置の是正を目的とするものであるからである。本件についてこれをみるに、抗告人が民事訴訟法第七三三条民法第四一四条第二項の規定に基ずき、同人と債務者A間の釧路地方裁判所昭和三〇年(ユ)第六号宅地建物(家屋収去土地明渡)調停事件の調停調書の執行力ある正本に基ずき、昭和三一年一月二七日同裁判所に対し、債務者の費用を以て、債務者の義務に属する右調書記載の建物の収去を債務者以外の第三者にさせることを債権者である抗告人に授権する旨の裁判を求めたところ、同裁判所は、昭和三一年四月二日抗告人は、その委任する釧路地方裁判所執行吏Bをして右調停調書に記載してあり建物を債務者の費用を以つて収去させることができる旨の決定を与え(授権決定)その決定はその頃確定 判所は、昭和三一年四月二日抗告人は、その委任する釧路地方裁判所執行吏Bをして右調停調書に記載してあり建物を債務者の費用を以つて収去させることができる旨の決定を与え(授権決定)その決定はその頃確定したこと、抗告人が昭和三一年一月一三日釧路地方裁判所執行吏Bに対し、右決定の趣旨にしたがつて前記建物を収去すべきことを委任したこと、右建物については、債務者Aが昭和二六年四月一〇日相続による所有権移転登記を経る以前の同年二月一五日、申立外Cにおいて、同人が右Aの被相続人亡Dとの間になした同月一一日の売買予約を原因として所有権移転請求権保全の仮登記をなし、ついで同三一年七月二一日所有権移転の本登記を経由したものであること、債務者Aから右趣旨の記載ある登記簿謄本等の提出を受けた執行吏Bは、右事実関係の下においては、前記建物を収去すべきでないとしてその実施を拒絶したこと、抗告人は執行吏の右実施の拒絶を失当として原裁判所に対し、民事訴訟法第五四四条第二項により本件異議を申立てたものであることは、いずれも本件記録に徴して明かである。 求権保全の仮登記をなし、ついで同三一年七月二一日所有権移転の本登記を経由したものであること、債務者Aから右趣旨の記載ある登記簿謄本等の提出を受けた執行吏Bは、右事実関係の下においては、前記建物を収去すべきでないとしてその実施を拒絶したこと、抗告人は執行吏の右実施の拒絶を失当として原裁判所に対し、民事訴訟法第五四四条第二項により本件異議を申立てたものであることは、いずれも本件記録に徴して明かである。されば、前段説示の理田からして、本件異議の申立は不適法のものとして却下を免れない。よつて、抗告理由の判断を省略し、民事訴訟法第四一四条、第三八四条、第九五条、第八九条により主文のとおり決定する。(裁判長裁判官猪股薫裁判官臼居直道裁判官安久津武人)

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