令和2(ワ)33027 特許権侵害差止等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和4年2月25日 東京地方裁判所
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令和4年2月25日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和2年(ワ)第33027号特許権侵害差止等請求事件口頭弁論終結日令和3年12月24日判決 原告 X1原告 X2上記両名訴訟代理人弁護士高橋雄一郎上記両名訴訟代理人弁理士望月尚子 被告三共工業株式会社同訴訟代理人弁護士河部康弘藤沼光太同訴訟代理人弁理士本谷孝夫 主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告は、別紙被告ランドリーシステム目録記載の各ランドリーシステムを使用 してはならない。 2 被告は、原告らに対し、1800万円及びこれに対する令和3年1月10日から支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は、発明の名称を「有料自動機の制御システム」とする特許(特許第65 13856。請求項の数3。以下、「本件特許」といい、本件特許に係る特許権 を「本件特許権」という。)の特許権者である原告らが、被告が別紙被告ランドリーシステム目録記載の各ランドリーシステム(以下、併せて「被告ランドリーシステム」という。)を使用することが本件特許権を侵害するものであると主張して、被告に対し、被告 告らが、被告が別紙被告ランドリーシステム目録記載の各ランドリーシステム(以下、併せて「被告ランドリーシステム」という。)を使用することが本件特許権を侵害するものであると主張して、被告に対し、被告ランドリーシステムの使用の差止めを求めるとともに、不法行為に基づき、損害賠償金1800万円及びこれに対する訴状送達の日の翌 日である令和3年1月10日(不法行為後の日)から支払済みまで民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲の各証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実をいう。なお、証拠を摘示する場合には、特に記載のない限り、枝番を含むものとする。) ⑴ 当事者ア原告X1は、コインランドリーの運営、ポイントシステム及びランドリー機器その他ランドリー関連品の販売を業とする株式会社の代表取締役の地位にある者である。また、原告X2は、上記株式会社の取締役の地位にある者である。 イ被告は、コインランドリーの運営及びランドリー機器その他のランドリー関連品の販売を業とする株式会社である。 ⑵ 本件特許ア原告らは、以下の本件特許を有している(甲1。本件特許出願の願書に添付された明細書及び図面(甲2)を「本件明細書等」という。)。 特許番号:特許第6513856号発明の名称:有料自動機の制御システム原出願日:平成27年9月9日登録日:平成31年4月19日イ本件特許の特許請求の範囲の請求項1の記載内容は、次のとおりである (以下、請求項1に記載された発明を「本件発明」という。)。なお、下線 部は、令和2年3月31日付け訂正請求により、原告らに 許の特許請求の範囲の請求項1の記載内容は、次のとおりである (以下、請求項1に記載された発明を「本件発明」という。)。なお、下線 部は、令和2年3月31日付け訂正請求により、原告らにより訂正された部分である(甲1、乙1)。 「複数のランドリー装置の各々に対応して配置されるICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置と前記複数のランドリー装置の稼働状況に関する情報を集める管理サーバとからなるランドリー装置の制御シス テムであって、複数のランドリー装置の各々は、現金を投入する現金投入部、前記現金投入部への現金の投入を検知して現金投入の検知信号を出力する現金投入検知部、および、前記現金投入の検知信号の入力に応じてランドリー装置の動作を制御するランドリー装置制御部を有し、前記ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置は、前記ICカードリーダー/ライ タ部が読み取った情報に基づき前記検知信号と同じ信号を前記ランドリー装置制御部に送出し、接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を生成し、かつ出力し、前記ランドリー装置制御部は、対応して配置されているICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置より出力された前記現金投入の検知信号と同じ信号の入力に応じて前記 ランドリー装置を制御し、前記管理サーバは、前記ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置が出力した前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を用いて、前記複数のランドリー装置の各々が運転中か否かを示す運転情報を作成し、前記運転情報を前記管理サーバに電気通信回線を介して接続された表示装置を有する端末に提供することを特徴とす るランドリー装置の制御システム」ウ構成要件の分説 転情報を作成し、前記運転情報を前記管理サーバに電気通信回線を介して接続された表示装置を有する端末に提供することを特徴とす るランドリー装置の制御システム」ウ構成要件の分説本件発明を構成要件に分説すると、次のとおりとなる(以下、分説した構成要件をその符号に従い「構成要件A」などという。)。 [A]複数のランドリー装置の各々に対応して配置されるICカードリーダ ー/ライタ部と通信部とを有する装置と前記複数のランドリー装置の 稼働状況に関する情報を集める管理サーバとからなるランドリー装置の制御システムであって、[B]複数のランドリー装置の各々は、現金を投入する現金投入部、前記現金投入部への現金の投入を検知して現金投入の検知信号を出力する現金投入検知部、および、前記現金投入の検知信号の入力に応じてランド リー装置の動作を制御するランドリー装置制御部を有し、[C]前記ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置は、前記ICカードリーダー/ライタ部が読み取った情報に基づき前記検知信号と同じ信号を前記ランドリー装置制御部に送出し、接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を生成し、かつ出力 し、[D]前記ランドリー装置制御部は、対応して配置されているICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置より出力された前記現金投入の検知信号と同じ信号の入力に応じて前記ランドリー装置を制御し、[E] 前記管理サーバは、前記ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを 有する装置が出力した前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を用いて、前記複数のランドリー装置の各々が運転中か否かを示す運転情報を作成し、前記運転情報を前記管理サー 部と通信部とを 有する装置が出力した前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を用いて、前記複数のランドリー装置の各々が運転中か否かを示す運転情報を作成し、前記運転情報を前記管理サーバに電気通信回線を介して接続された表示装置を有する端末に提供することを特徴とするランドリー装置の制御システム エアクア株式会社は、令和元年11月8日、本件発明につき特許異議の申立てをし(異議2019-700891。以下「本件異議申立て」という。)、原告らは、令和2年3月31日付けで、本件発明の特許請求の範囲について、前記イの下線部のとおり、訂正を求める訂正請求をした(乙1)。 これに対し、特許庁は、令和2年7月8日、上記訂正請求を認めた上で、 本件異議申立ては成り立たない旨の決定(乙1。以下「本件異議決定」とい う。)をした。 ⑶ 被告の行為被告は、遅くとも平成30年頃から、被告ランドリーシステムを製造し、これを日本国内で販売し、又は販売の申出をしている。 ⑷ 被告ランドリーシステムの内容等(甲3~9、12) ア被告ランドリーシステムは、旭精工株式会社が提供するコインランドリーICシステムを取り入れたものである。 同システムは、発明の名称を「機器稼働状況管理システムおよび機器稼働状況管理方法」とする公開特許公報(特開2018-181037、公開日平成30年11月15日。甲9。以下「甲9公報」という。)に記載された 発明(以下「甲9発明」という。)に基づくものである(弁論の全趣旨)。 イ被告ランドリーシステムは、次に掲げる「システム構成図」のとおり、①複数のコイン式ランドリー装置(以下「ランドリー装置」という。)、②個々のランドリー装置に設置されるICカード 全趣旨)。 イ被告ランドリーシステムは、次に掲げる「システム構成図」のとおり、①複数のコイン式ランドリー装置(以下「ランドリー装置」という。)、②個々のランドリー装置に設置されるICカードリーダー、③ICカードリーダーと無線通信するICカード発行チャージ機、④ICカード発行チャージ機と インターネットを通じて接続される稼働状況WEBサーバーから構成される(甲4、甲9公報の段落【0021】)。 ウ被告ランドリーシステムのICカードリーダー(甲9公報の段落【00 31】、【図4】) 被告ランドリーシステムにおいて、個々のランドリー装置に設置されるICカードリーダ(端末装置)の構成は、次の【図4】のとおりであり、カード読取書込装置132、端末制御装置240、硬貨信号出力部245、硬貨信号入力部246及び無線通信装置260を備えている。 【図4】 エ料金支払時の状況(甲9公報の段落【0026】、【0029】、【0040】~【0045】、【0047】、【0048】、【図3】、【図4】)被告ランドリーシステムにおいては、顧客が硬貨により料金を支払った場合には、硬貨選別装置3が第1硬貨信号Sc1を出力する。出力された同信 号は、端末装置(ICカードリーダー)に備わった硬貨信号入力部246、硬貨信号出力部245を介し、再度、機器(ランドリー装置)に備わった料金収受部に入力される。 また、顧客がICカードにより料金を支払った場合には、硬貨信号出力部245は、主制御部242の指示に基づき、第1硬貨信号Sc1に相当する 第2硬 備わった料金収受部に入力される。 また、顧客がICカードにより料金を支払った場合には、硬貨信号出力部245は、主制御部242の指示に基づき、第1硬貨信号Sc1に相当する 第2硬貨信号Sc2を生成し、機器(ランドリー装置)に備わった料金収受 部210に出力する。 上記のいずれの場合においても、硬貨信号出力部245から出力された第1硬貨信号Sc1又は第2硬貨信号Sc2が料金収受部210に入力されると、料金収受部210は、それらの信号に基づき支払料金額を確定し、当該支払料金額を含む料金収受情報Dcrを主制御部202に出力すること となる。 主制御部202は、これを受けて、記憶装置204に記憶された稼働条件OCに従って駆動制御部206を制御することとなる。 【図3】 オ料金収受情報の送信(甲9公報の段落【0044】、【0049】)料金収受情報出力部258は、主制御部242から端末識別情報TID及び料金額CRが出力されると、当該端末識別情報TID及び料金額CRを含む料金収受情報CRI(以下「本件料金情報」という。)を無線通信装置260に出力する。そして、無線通信装置260は、主制御部242からの送 信指令に基づき、料金収受情報出力部258から出力された本件料金情報を 上位装置5に送信する。 カ上位装置における処理(甲9公報の段落【0104】~【0109】、【図13】)上位装置における処理のプロセスは【図13】のとおりであり、上位装置は、料金収受情報を受信すると、同情報に含まれた料金額CR及び端末識別 情報TIDに基づいて、予め設定された稼働可能時間Teoを特 位装置における処理のプロセスは【図13】のとおりであり、上位装置は、料金収受情報を受信すると、同情報に含まれた料金額CR及び端末識別 情報TIDに基づいて、予め設定された稼働可能時間Teoを特定し(S32)、経過時間の計時を開始する(S33)。 経過時間Teが稼働可能時間Teoとを比較し(S34)、経過時間Teが稼働可能時間Teo未満であると判定された場合には、当該端末は「稼働中」であると判定され(S34)、稼働残時間を算出する(S35)。他方 で、経過時間Teが稼働可能時間Teo以上であると判定された場合には、当該端末は「停止中」であると判定され、稼働可能時間として「0」を出力する(S38、39)。 そして、上位装置は、「稼働中」又は「停止中」という判定結果に加え、稼働残時間(「停止中」の場合は0)を端末識別情報に関連付けた稼働可能 情報をサーバ装置に送信する。 【図13】 キサーバ装置における処理(甲9公報の【0092】~【0094】、【0 110】、【0111】)サーバ装置は、上位装置から受信した稼働状況情報に基づいて機器稼働状況公開情報を作成し、公衆ネットワークに公開する。これにより、利用者は、店舗に実際に赴くことなく、コインランドリーが使用可能か否かを把握することが可能となる。 ⑸ 先行文献本件特許出願の原出願日(平成27年9月9日)より前に、以下の公刊物が存在していた。 ア発明の名称を「商品販売役務提供システム、商品販売役務提供ネットワーク運用システム、情報記録媒体及びその管理方法」とする公開特許公報(特 開 り前に、以下の公刊物が存在していた。 ア発明の名称を「商品販売役務提供システム、商品販売役務提供ネットワーク運用システム、情報記録媒体及びその管理方法」とする公開特許公報(特 開2001-147974、公開日平成13年5月29日。乙3。以下「乙 3公報」といい、同公報に記載された発明を「乙3発明」という。)イ発明の名称を「現金およびポイント併用型の有料自動機システム」とする公開特許公報(特開2006-202128、公開日平成18年8月3日。 乙20。以下「乙20公報」といい、同公報に記載された発明を「乙20発明」という。) ウ発明の名称を「ランドリーシステム」とする公開特許公報(特開2005-334151、公開日平成17年12月8日。乙21。以下「乙21公報」といい、同公報に記載された発明を「乙21発明」という。)エ発明の名称を「装置状況把握システム」とする公開特許公報(特開2005-202580、公開日平成17年7月28日。乙22。以下「乙22公 報」といい、同公報に記載された発明を「乙22発明」という。)オ発明の名称を「ランドリー機器稼働状況監視システム」とする公開特許公報(特開2007-249510、公開日平成19年9月27日。乙23。 以下「乙23公報」といい、同公報に記載された発明を「乙23発明」という。) カ発明の名称を「ランドリーシステム」とする公開特許公報(特開2005-339046、公開日平成17年12月8日。乙24。以下「乙24公報」といい、同公報に記載された発明を「乙24発明」という。)キハイアールアクアセールス株式会社が販売する以下の各製品についてのサービス技術資料又はカタログ ITラン 」といい、同公報に記載された発明を「乙24発明」という。)キハイアールアクアセールス株式会社が販売する以下の各製品についてのサービス技術資料又はカタログ ITランドリーシステム通信キット「HIT-330IF2」に関するサービス技術資料(平成24年7月頃作成。乙7。以下、同資料に記載された構成を有する同通信キットの実機を「乙7発明」という。) コイン式スニーカーウォッシャー「MCW-W6C」に関するサービス技術資料(平成24年1月頃作成。乙8。以下、同資料に記載された構成 を有する同コイン式スニーカーウォッシャーの実機を「乙8発明」という。) カードコントローラー「HIC-I63T」に関するサービス技術資料(平成24年6月頃作成。乙9。以下、同資料に記載された構成を有する同カードコントローラーの実機を「乙9発明」という。) IC+ITランドリーシステムに関するカタログ(平成24年1月頃作成。乙10。以下、同カタログに記載された構成を有する同ランドリーシ ステムの実機を「乙10発明」といい、乙7発明から乙10発明までを併せて「乙7~10発明」という。) 2 争点⑴ 被告ランドリーシステムの構成要件充足性(争点1)原告ら及び被告は、別紙「被告ランドリーシステムの構成」のとおり、被告 ランドリーシステムをそれぞれ特定しているところ、構成要件充足性について当事者間に争いがあるのは、構成要件B、C及びEである。 ア被告ランドリーシステムは、「現金投入の検知信号の入力に応じてランドリー装置の動作を制御するランドリー装置制御部」(構成要件B)を有するか(争点1-1) イ被告ランドリーシステムにおける料金収受情報が「接続され 金投入の検知信号の入力に応じてランドリー装置の動作を制御するランドリー装置制御部」(構成要件B)を有するか(争点1-1) イ被告ランドリーシステムにおける料金収受情報が「接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」(構成要件C及びE)に当たるか(争点1-2)ウ被告ランドリーシステムにおいては、「ICカードリーダー/ライタ部と通信部を有する装置」が「管理サーバ」に対し、「運転中であるか否かを示 す情報」(構成要件E)を送信しているか(争点1-3)⑵ 本件特許が特許無効審判により無効にされるべきものと認められるか(争点2)ア補正要件違反(争点2-1)イ乙3発明に基づく新規性の欠如(争点2-2) ウ乙3発明に基づく進歩性の欠如(争点2-3) エ乙7~10発明に基づく新規性の欠如(争点2-4)オ乙7発明等に基づく進歩性の欠如(争点2-5)⑶ 原告らの損害額(争点3)第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1(被告ランドリーシステムの構成要件充足性)について ⑴ 争点1-1(被告ランドリーシステムは、「現金投入の検知信号の入力に応じてランドリー装置の動作を制御するランドリー装置制御部」(構成要件B)を有するか)(原告らの主張)ア構成要件Bは「現金投入の検知信号の入力に応じてランドリー装置の動作 を制御する」というものであるから、文言どおり、ランドリー装置に現金投入の検知信号が入力されることや、その入力に「応じて」ランドリー装置の動作を制御することを規定したものと解すべきである。 イそして、被告ランドリーシステムにおいては、「ランドリー装置制御部」に当たる「ランドリー機器制御部」は、正にICカードリ 」ランドリー装置の動作を制御することを規定したものと解すべきである。 イそして、被告ランドリーシステムにおいては、「ランドリー装置制御部」に当たる「ランドリー機器制御部」は、正にICカードリーダーを経由して 入力された硬貨投入の硬貨信号の入力に応じて、コイン式ランドリー装置の動作を制御するものであるから、構成要件Bを充足する。 ウこれに対し、被告は、「前記現金投入の検知信号の入力に応じてランドリー装置の動作を制御する」(構成要件B)とは、現金投入検知部が生成した現金投入の検知信号が、「直接」ランドリー装置に伝達される場合に限られ る旨主張するものの、構成要件Bにつき、現金投入の探知信号が直接ランドリー装置に伝達されなければならないと読み込むことはできないから、被告の同主張は、構成要件を不当に限定解釈するものである。 確かに、本件明細書等においては、実施例として、現金投入探知部が生成した信号が直接ランドリー装置に入力される構成が記載されているものの、 本件発明の審査経緯や本件異議申立ての審理過程に照らしても、特許請求の 範囲を解釈するに当たって、同実施例を参照してこれに限定しなければならない事情は存在しない。また、現金投入の検知信号が現金投入探知部から直接ランドリー装置に伝達されなければ、本件発明の作用効果が生じないわけでもない。 (被告の主張) ア構成要件Bは、「前記現金投入の検知信号の入力に応じてランドリー装置の動作を制御するランドリー装置制御部」というものであり、現金投入の検知信号が、「直接」ランドリー装置制御部によるランドリー装置制御に用いられることを規定している。そもそも「入力」されていなければ、「応じ」ることはできない以上、「入力」の対象が「ランドリー装置制御部」以 号が、「直接」ランドリー装置制御部によるランドリー装置制御に用いられることを規定している。そもそも「入力」されていなければ、「応じ」ることはできない以上、「入力」の対象が「ランドリー装置制御部」以外に あると解釈するのは文言上不自然であるし、文言解釈を広げるべき積極的な理由も存在しない。 このような解釈は、本件明細書等(甲2)の【図1】において、現金投入探知部12からの矢印が、直接、有料自動機制御部10に向かっていることのほか、段落【0012】において「有料自動機制御部10は、現金投入探 知部12から出力されたコイン信号に基づいて有料自動機Lの動作を制御するものである。」と記載されていることからも明らかである。 【図1】 また、被告ランドリーシステムのように、ICカードリーダーが硬貨投入の検知信号及びICカードのマネー情報の両方を受け取り、それらを合算してランドリー装置を制御するのであれば、あえて構成要件Bと構成要件Dを書き分ける必要はないはずである。本件発明においては、構成要件Bとは別 に、構成要件Dにも「ランドリー装置を制御」することが記載されているが、これは、構成要件Bにおいては、ICカードリーダーを介さずに、現金投入の検知信号がランドリー装置を「直接」制御することが想定されているとともに、構成要件Dにおいては、それとは独立して、ICカードリーダーが「現金投入の検知信号と同じ信号」を用いてランドリー装置を制御することが想 定されているために他ならない。 イそして、被告ランドリーシステムにおいては、硬貨が投入された場合、甲9公報の段落【0029 の検知信号と同じ信号」を用いてランドリー装置を制御することが想 定されているために他ならない。 イそして、被告ランドリーシステムにおいては、硬貨が投入された場合、甲9公報の段落【0029】及び【図3】記載のとおり、まず、硬貨選別装置3は、第1硬貨信号Sc1を端末装置(ICカードリーダー)に送る。その後、端末装置が硬貨選別装置3からの信号に基づき、第1硬貨信号Sc1又 は第2硬貨信号Sc2を機器制御装置に送った上で、当該機器制御装置にお いてランドリー装置を制御することになる。 【図3】 このように、構成要件Bは、ランドリー装置制御部が直接、現金投入の検知信号に応じてランドリー装置を制御することを規定しているのに対し、被告ランドリーシステムでは、ランドリー機器制御部は、硬貨投入による硬貨信号を直接受け取ってランドリー装置を制御するのでなく、ICカードリー ダーを介して、いわば間接的にランドリー装置を制御するものである。 また、被告ランドリーシステムでは、現金とICカードの両方が使われる場合には、現金投入の検知信号を受け取ったICカードリーダーにおいて、硬貨とICカードの情報を合算し、「現金投入の検知信号」(構成要件B)ではなく、「現金投入の硬貨信号と同じ信号」(構成要件D)を出力し、ラ ンドリー装置を制御することになる。 したがって、被告ランドリーシステムは構成要件Bを充足しない。 ⑵ 争点1-2(被告ランドリーシステムにおける料金収受情報が「接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」(構成要件C及びE)に当たるか) (原告らの主張) ア被告ランドリーシステムにおい 金収受情報が「接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」(構成要件C及びE)に当たるか) (原告らの主張) ア被告ランドリーシステムにおいては、料金が支払われると、ICカードリーダーがランドリー装置の識別情報及び実際に支払われた料金額を含む料金収受情報を生成し、同情報をICカード発行チャージ機に送信した上で、同ICカード発信チャージ機において、同情報に基づき、稼働状況情報を生成することになる。 そして、そこで生成された稼働状況情報は、ランドリー装置の運転時間がウェブサイトにおいて実際よりも長めに表示されるように補正されてはいるものの、料金収受情報に基づき特定された稼働可能時間と、ICカード発行チャージ機に料金収受情報が入力された時点から起算した経過時間を対比するプロセスを経て生成されたものであり、複数のランドリー装置が稼働 中又は停止中の状態にあるという情報を含むものである。 そうすると、そのような稼働状況情報の生成のために用いられる「料金収受情報」が「運転中であるか否かを示す情報」に当たることは明らかである。 したがって、被告ランドリーシステムは、ICカードリーダーがそのような料金収受情報を生成している以上、構成要件Cを充足する。 イこれに対し、被告は、「ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」(構成要件C及びE)とは、ランドリー装置の動作を検知するセンサーと連動して出力される情報を意味する旨主張するが、いずれも理由がない。 被告は、本件明細書等の課題を解決する手段についての記載を根拠として、「ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」とは、ランドリ ー装置の動作を検知するセン れも理由がない。 被告は、本件明細書等の課題を解決する手段についての記載を根拠として、「ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」とは、ランドリ ー装置の動作を検知するセンサーと連動して出力される情報を意味する旨主張する。 しかしながら、特許発明の技術的範囲は、願書に添付した特許請求の範囲の記載に基づいて定められる必要があるところ(特許法70条)、課題を解決する手段についての記載のみに依拠して特許発明の技術的範囲を 定めることは許されない。そして、本件発明において、「ランドリー装置 が運転中であるか否かを示す情報」がセンサーと連動して出力される情報でなければ課題を解決することができないわけではない。 そして、本件明細書等において、「ICカードリーダー/ライタ部と通信部を有する装置」(構成要件A、C、D及びE)に相当するのは、ポイントカード装置であるところ、そのポイントカード装置に配置されている 動作状態監視部27についての本件明細書の記載は、「動作状態監視部27は、電流センサー13の検知信号に基づいて有料自動機Lの動作状態(運転中または空き)を監視し、結果を管理サーバ4に送信する」(段落【0020】)というものにすぎない。すなわち、本件明細書等では、センサーの検知信号を監視した結果として、運転中であるか否かを示す情報 を送信することが記載されているにすぎず、センサーの検知信号そのものを送信するとは一切記載されていない。 したがって、「接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」は、文言どおり、接続されているランドリー装置が運転中であるか否かを示すものであれば足りると解すべきである。 なお、被告は、出願の際に願書に添付 が運転中であるか否かを示す情報」は、文言どおり、接続されているランドリー装置が運転中であるか否かを示すものであれば足りると解すべきである。 なお、被告は、出願の際に願書に添付した特許請求の範囲の記載を指摘するが、特許法70条の「願書に添付した特許請求範囲の記載」とは、最終的に特許された特許請求の記載を意味するため、この点に関する被告の主張は失当である。 また、被告は、構成要件Cにおいて、「前記検知信号と同じ信号」とい う文言とは別に、「接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を生成し、かつ出力し」という文言が記載されていることを根拠に、単に料金を受け取ったという情報だけでは、「ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」には当たらない旨主張する。 しかしながら、構成要件Cに上記の文言が記載されているのは、「前記 検知信号と同じ信号」という記載のみでは、ポイントカードを利用した場 合の料金情報は含まれるものの、硬貨を用いた場合の料金情報が含まれなくなってしまうためのものにすぎない。 さらに、被告は、単に料金を受け取ったという情報だけでは、機器を手動で止めた場合などに、運転中ではないと判断することができないことから、「運転中であるか否かを示す情報」には当たらない旨主張する。 しかしながら、ランドリー装置の運転が手動で止められた場合であっても、ランドリー装置には電流は流れ続けるため、被告が主張するように電流センサーが検知した情報に基づく場合であっても、ランドリー装置は運転中であると判断されることになる以上、料金を受け取ったという情報に基づく場合と何ら変わらない。そして、甲9発明は、「機器が利用者によ って利用 情報に基づく場合であっても、ランドリー装置は運転中であると判断されることになる以上、料金を受け取ったという情報に基づく場合と何ら変わらない。そして、甲9発明は、「機器が利用者によ って利用されている(稼働中である)場合、次に機器の利用を希望する利用者は、その機器の稼働状況を確認するために、コインランドリー店舗に定期的に赴く必要がある。そのため、機器の稼働状況を利用者に通知することができるシステムが望まれている。」という解決課題に対応するものであるところ(甲9公報の【0002】)、利用者が一時的に機器の動作 を止めたような場合に、当該機器が運転中でないと判断することができなかったとしても、当該課題との関係では何らの問題もないはずである。 また、「運転中であるか否かを示す情報」は、「管理サーバ」において、「複数のランドリー装置の各々が運転中か否かを示す運転情報を作成」するための情報であるところ、運転中であることを示す情報も、文言上「運 転中であるか否かを示す情報」に含まれる上に、実際にも、運転中であることを示す情報は、「複数のランドリー装置の各々が運転中か否かを示す運転情報」の作成に資するから、被告の主張には理由がない。 ウ本件異議決定においても、「運転中であるか否かを示す情報」がランドリー装置の動作を検知するセンサーの検知信号を意味するという判断は一切 示されていないから、本件異議決定の記載に基づき、構成要件Cを限定解釈 することは許されない。 (被告の主張)ア本件明細書等の「課題を解決する手段」には、「有料自動機の動作を検知するセンサーとを含み、ポイントカード装置は、センサーの検知信号に基づいて有料自動機の動作状態を監視し」、「有料自動機の動作を検知するセンサー の検 解決する手段」には、「有料自動機の動作を検知するセンサーとを含み、ポイントカード装置は、センサーの検知信号に基づいて有料自動機の動作状態を監視し」、「有料自動機の動作を検知するセンサー の検知信号に基づいて有料自動機の動作状態が監視され」と記載されている(【0006】及び【0007】)。また、本件明細書等の「発明の効果」には、「有料自動機の動作を検知するセンサーとを含み、ポイントカード装置が、センサーの検知信号に基づいて有料自動機の動作状態を監視し」と記載されている(【0008】)。 以上のような本件明細書等の記載からすれば、本件発明の課題を解決する手段は、有料自動機の動作を検知するセンサーの検知信号によって有料自動機の動作を監視するというものであり、構成要件Cの「接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」とは、ランドリー装置の動作を検知するセンサーと連動して出力される情報を意味するというべき である。そうすると、「前記ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」が、「前記ICカードリーダー/ライタ部が読み取った情報に基づき前記検知信号と同じ信号を前記ランドリー装置制御部に送出し」たにすぎない場合、すなわち、料金を受け取った情報を生成、出力しただけの場合には、「前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を生成し、か つ出力し」たという要件を満たさないこととなる。 また、仮に、「接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」が、「料金を受け取ったという情報」を意味するのであれば、構成要件Cの記載としては、前段の「前記ICカードリーダー/ライタ部と通信部を有する装置は、前記ICカードリーダー/ライタ部が読み取った情報 に を受け取ったという情報」を意味するのであれば、構成要件Cの記載としては、前段の「前記ICカードリーダー/ライタ部と通信部を有する装置は、前記ICカードリーダー/ライタ部が読み取った情報 に基づき前記検知信号と同じ信号を前記ランドリー装置制御部に送出し」と いう記載だけで十分なはずである。しかしながら、実際には、同記載に続き、「接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を生成し、かつ出力し」とあえて記載されていることからも、単に料金を受け取ったという情報だけでは不十分であることが裏付けられる。 さらに、「料金を受け取ったという情報」に基づいても、当該料金の額と 経過時間を加味することで、ランドリー装置が運転中であると推測することはできるものの、ランドリー装置の動作を検知するセンサー信号に基づく場合とは異なり、実際に「運転中であるか否か」を判断することはできない。 そのため、例えば、料金を受け取った後に手動でランドリー装置の運転を止めたような場合であっても、運転中ではないという判断はできないことにな る。そうすると、ランドリー装置の動作を直接検知するセンサーの情報に基づくからこそ、「運転中であるか否かを示す」ということができるのであって、単に「料金を受け取ったという情報」だけでは、「運転中であるか否かを示す」ことはできない。 イこれに対し、被告ランドリーシステムの端末装置(ICカードリーダー) は、料金収受情報(硬貨が投入された、又は硬貨の代わりに電子マネーが消費されたという情報)を送出するのみであり、「接続されている前記コイン式ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」は生成していない。 すなわち、被告ランドリーシステムにおいては、①まず、I れたという情報)を送出するのみであり、「接続されている前記コイン式ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」は生成していない。 すなわち、被告ランドリーシステムにおいては、①まず、ICカードリーダーが、ICカード発行チャージ機に対し、料金収受情報を送出し、②次に、 ICカード発行チャージ機が、料金収受情報と料金収受情報を受け取った時間を組み合わせ、「何円の料金収受情報をいつ受け取った」という情報を生成した上で、その情報に基づき、ランドリー装置が何分後まで動作するのかを推測し、当該推測結果を稼働状況表示WEBサーバーに送出した後に、③稼働状況WEBサーバーが、インターネットを通じて同推測結果をユーザー に提供するという仕組みになっている。そして、上記②の推測過程において は、インターネット上では停止状態と表示されていたため利用者が洗濯物を回収に来たものの、実際には運転中であったというようなトラブルを避けるために、実際に運転されている時間よりも長い時間運転中であると表示するといった補正を行っている。 以上によれば、被告ランドリーシステムのICカードリーダーは、ランド リー装置の動作を検知するセンサーの検知信号を生成・出力などしていないし、被告ランドリー装置が運転中であるか否かにつき推測すらもしていない。 したがって、被告ランドリーシステムは構成要件Cを充足しない。 ウ原告らの主張に対する反論 原告らは、特許法70条に基づけば、特許発明の技術的範囲は、願書に 添付した特許請求の範囲の記載に基づいて定められなければならないから、課題を解決する手段の記載のみに依拠して特許発明の技術的範囲を定めることはできない旨主張する。 しかしながら、原告ら 添付した特許請求の範囲の記載に基づいて定められなければならないから、課題を解決する手段の記載のみに依拠して特許発明の技術的範囲を定めることはできない旨主張する。 しかしながら、原告らが「願書に添付した特許請求の範囲」には、前記有料自動機の動作を検知するセンサーとを含み、前記ポイントカード装置 は、前記センサーの検知信号に基づいて前記有料自動機の動作状態を監視し、結果を前記管理サーバへ送信する動作状態監視部を有するものであり、前記管理サーバは、前記動作状態監視部から送信された前記有料自動機の動作状態を表示する動作状態表示手段を有するものである有料自動機の制御システム。」と記載されている。したがって、原告らが主張するよう に、願書に添付した特許請求の範囲の記載に基づいて特許発明の技術的範囲を認定すると、「前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」とは、有料自動機の動作を検知するセンサーと連動して出力される情報を意味することになる。 また、原告らは、センサーと連動して出力される情報でなくとも、本件 発明の課題を解決することができる旨主張するものの、本件発明の特許請 求の範囲の記載には、有料自動機の動作を検知するセンサーについての言及が一切なく、発明の課題を解決できないから、願書に添付した明細書の記載および図面を考慮すべきことになる(特許法70条2項)。そうすると、「ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」とは、有料自動機の動作を検知するセンサーから得られた情報であると解すべきである。 エ本件異議決定(乙1)は、構成要件Cに係る進歩性を肯定するに当たって、「接続されているランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を生成」するという構成について、有料自動機の動 る。 エ本件異議決定(乙1)は、構成要件Cに係る進歩性を肯定するに当たって、「接続されているランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を生成」するという構成について、有料自動機の動作を検知する電流センサーの検知信号に基づいて有料自動機の動作状態を監視した結果の情報を生成することを意味するものと認定している。このことからも、「接続されているラン ドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」が、ランドリー装置の動作を検知するセンサーの検知信号を意味することは明らかである。 ⑶ 争点1-3(被告ランドリーシステムは、「ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」が「管理サーバ」に「運転中であるか否かを示す情報」を送信するか(構成要件E)) (原告らの主張)ア構成要件Eは、「前記ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置が出力した前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」というものであり、「前記ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」が「運転中であるか否かを示す情報」を出力することを規定しているも のの、同情報を管理サーバーに対し、「直接」送信することまでは規定していない。 したがって、被告ランドリーシステムにおいて、ICカードリーダーと稼働状況表示WEBサーバとの間にICカード発行チャージ機が介在していることによって、構成要件Eの充足性は妨げられるものではない。 イまた、被告ランドリーシステムにおいて、「前記ICカードリーダー/ラ イタ部と通信部とを有する装置」であるICカードリーダーが「前記ランドリー装置が運転中であるかを示す情報」を生成・出力していることは、前記⑵(原告らの主張)記載のとおりである。 ウ イタ部と通信部とを有する装置」であるICカードリーダーが「前記ランドリー装置が運転中であるかを示す情報」を生成・出力していることは、前記⑵(原告らの主張)記載のとおりである。 ウしたがって、被告ランドリーシステムは、構成要件Eを充足する。 (被告の主張) ア構成要件Eは、「前記ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置が出力した前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を用いて」というものであるが、前記⑵(被告の主張)記載のとおり、被告ランドリーシステムでは、ICカードリーダーは、「前記コイン式ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」を出力していない。 イまた、構成要件Eは、「ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」が「管理サーバ」に対し、直接、運転中であるか否かを示す情報を送出することを規定している。これに対し、被告ランドリーシステムでは、まず、ICカードリーダーが料金収受情報を出力した上で、ICカード発行チャージ機において、当該料金収受情報と当該料金収受情報を受け取った時 間を組み合わせて、ランドリー装置が運転中である否かを推測し、稼働状況webサーバーにおいて、その推測結果(より正確には、推測結果を補正した結果)を利用者に対して表示するのであって、ICカードリーダーと稼働状況表示webサーバとの間にICカードチャージ機が介在するという点において相違している。 ウしたがって、被告ランドリーシステムは構成要件Eを充足しない。 2 本件特許が特許無効審判により無効にされるべきものと認められるか(争点2)⑴ 争点2-1(補正要件違反)(被告の主張)ア本件発明の出願時における特許請求の範囲は、以下のとおり 本件特許が特許無効審判により無効にされるべきものと認められるか(争点2)⑴ 争点2-1(補正要件違反)(被告の主張)ア本件発明の出願時における特許請求の範囲は、以下のとおりであり、原告 らは、もともと有料自動機の動作を検知するセンサーが存在することを前提 としていた。 請求項1現金を投入する現金投入部、前記現金投入部への現金の投入を検知して検知信号を出力する現金投入検知部、および、前記検知信号に基づいて有料自動機の動作を制御する有料自動機制御部を有する有料自動機の制御 システムであって、前記現金投入検知部と前記有料自動機制御部との間に接続されるポイントカード装置と、前記ポイントカード装置と電気通信回線により接続される管理サーバと、前記有料自動機の動作を検知するセンサーとを含み、前記ポイントカード装置は、前記センサーの検知信号に基づいて前記有料自動機の動作状態を監視し、結果を前記管理サーバへ送信 する動作状態監視部を有するものであり、前記管理サーバは、前記動作状態監視部から送信された前記有料自動機の動作状態を表示する動作状態表示手段を有するものである有料自動機の制御システム。 請求項2前記センサーは、前記有料自動機の電源コードに接続された電流センサ ーである請求項1記載の有料自動機の制御システム。 イその後、原告らは、1回目の拒絶理由通知受領後の補正により、上記特許請求の範囲につき、有料自動機の動作を検知するセンサーを含まない内容に変更しておきながら、本件訴訟においては、有料自動機の動作を検知するセンサーを含まない被告ランドリーシステムについて本件特許権を侵害して いる旨主張している。仮に、有料自動機の動作を検知す に変更しておきながら、本件訴訟においては、有料自動機の動作を検知するセンサーを含まない被告ランドリーシステムについて本件特許権を侵害して いる旨主張している。仮に、有料自動機の動作を検知するセンサーを含まない被告ランドリーシステムが特許権侵害に当たるなら、本件発明の技術的範囲は、当初の特許請求の範囲よりも広いことになるが、その場合、原告らは、有料自動機の動作を検知するセンサーを含まない技術を追加したことになる。そうすると、上記補正は、「請求項の発明特定事項を上位概念化、削除 又は変更する補正は、新たな技術的事項を導入するものである場合には、許 されない」とする審査基準に反するものである。 したがって、原告らによる補正は、特許法第17条2第3項に反するものとして、無効である。 ウ本件発明の公開特許公報(乙19)には、出願時の明細書、特許請求の範囲及び図面が記載されている。同公開特許公報において、ランドリー装置の 動作確認手段が記載されているのは、特許請求の範囲(請求項1項及び2項)、課題を解決するための手段(段落【0006】及び【0007】)、発明の効果(段落【0008】)、発明を実施するための形態(段落【0012】、【0020】、【0021】、【0028】、【0038】)及び図面(【図1】)であるが、そのいずれにおいても、「ランドリー装置の動作を検知す るセンサー」以外の方法によって、ランドリー装置の動作を確認する方法についての記載や示唆は存在しない。 したがって、原告らによる補正は、「出願時の明細書、特許請求の範囲又は図面の範囲内」のものとはいえないから、特許法第17条2第3項に反するものとして、無効である。 (原告らの主張)ア本件特許の審 補正は、「出願時の明細書、特許請求の範囲又は図面の範囲内」のものとはいえないから、特許法第17条2第3項に反するものとして、無効である。 (原告らの主張)ア本件特許の審査段階においては、特許請求の範囲から電流センサーを削除する補正について、新たな技術的事項を導入するものとは判断されていない。 また、本件異議申立ての審理において訂正請求が認められていることからしても、異議審の合議体としては、電流センサーの限定のない本件発明が新た な技術的事項を導入するものではないと判断したことが裏付けられる。 したがって、原告らによる補正が特許法17条の2第3項に違反するものではなく、被告の主張は理由がない。 イまた、本件明細書等には、ポイントカード装置2の動作状態監視部27が有料自動機Lの動作状態につき電流センサー13を用いて監視し、その結果 を管理サーバ4へ送信することが記載されていることからすれば(段落【0 038】)、本件明細書等には、ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置が接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を生成し、出力するという技術思想が記載されているといえるから、新規事項を追加する補正は行われていない。 ⑵ 争点2-2(乙3発明に基づく新規性の欠如) (被告の主張)乙3発明は、以下のとおり、本件発明の構成要件を全て備えており、本件発明は乙3発明と同一であるから、新規性を欠き、特許無効審判により無効にされるべきものである。 ア構成要件A 乙3公報の段落【0055】には、「図5は、当該商品販売役務提供システム100を応用した実施例としてのコインランドリー支援システム200の構成例 である。 ア構成要件A 乙3公報の段落【0055】には、「図5は、当該商品販売役務提供システム100を応用した実施例としてのコインランドリー支援システム200の構成例を示すイメージ図である。」と記載されているように、乙3発明は、コインランドリー支援システムである。 そして、乙3発明は、複数の洗濯機の各々に「カードリードライト部とパ ソコンに通信アダプタなどを通して接続されるインターフェイスとを有するカードリードライター」が配置され、これと「複数の洗濯機の使用日時及び利用金額又は利用時間幅の情報」を集める「パソコン」が一体となってコインランドリー支援システムを構成するものである(乙3公報の段落【0059】、【0063】、【0090】、【0091】)。そうすると、これ らは、それぞれ、本件構成要件Aにおける「ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」、「稼働状況に関する情報」、「管理サーバ」に相当する。また、乙3発明においてもコインランドリーを制御している以上、「コインランドリー支援システム」は、構成要件Aにおける「コインランドリー制御システム」に相当する。 したがって、構成要件Aについて、本件発明と乙3発明は同一である。 イ構成要件B乙3発明においては、複数の洗濯機の各々に配置された「カードリードライターRA」に現金を投入する「現金投入口12」が備わっているところ、これは、構成要件Bにおける「現金投入部」に相当する(乙3公報の段落【0059】)。 また、乙3発明においては、利用者が「現金投入口12」に現金を投入した場合、「金銭登録部19」が、投入された金額に基づき金銭を計数して「CPU21」に通知するが( 059】)。 また、乙3発明においては、利用者が「現金投入口12」に現金を投入した場合、「金銭登録部19」が、投入された金額に基づき金銭を計数して「CPU21」に通知するが(乙3公報の段落【0096】)、「金銭を計数した情報」は、どれだけの現金が投入されたかという情報を電気信号としたものであり、構成要件Bにおける「現金投入の検知信号」に該当する。そして、 そのような電気信号を発する「金銭登録部19」は、構成要件Bにおける「現金投入探知部」と機能的に同一である。 さらに、洗濯機の動作を開始させることと洗濯機を制御することは同義であるから、乙3発明における「洗濯機の動作を開始させるCPU21」は、構成要件Bの「ランドリー装置の動作を制御するランドリー装置制御部」に 相当する。 したがって、構成要件Bについて、本件発明と乙3発明は同一である。 ウ構成要件C乙3発明における「カードリードライターRA」、「CPU21」がそれぞれ本件発明における「前記ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有 する装置」、「ランドリー装置制御部」に相当することは、前記ア記載のとおりである。 そして、乙3発明においては、「カードリードライターRA」が、「カードリード部18が読み取った利用料金を適正に引き落とせたという情報」を「CPU21」に送出するが(乙3公報の【図17】、段落【0145】)、 この情報は、要するに、カードからどれだけの料金を受領したのかを示す電 気信号であるから、構成要件Cにおける「前記検知信号と同じ信号」に相当する。 また、乙3発明においては、CPU21において、各々のコインランドリーカード10に記録された「「管理番号」、「利用金額 あるから、構成要件Cにおける「前記検知信号と同じ信号」に相当する。 また、乙3発明においては、CPU21において、各々のコインランドリーカード10に記録された「「管理番号」、「利用金額」、「登録残高」、「利用日」、「利用時間」、「環境コード」、「店舗コード」」の情報を生 成し、出力するが(乙3公報の段落【0104】)、これらの各情報は、ランドリー装置が運転中であるか否かを判定するために用いられるものであるから、構成要件Cにおける「接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」に相当する。 したがって、構成要件Cについて、本件発明と乙3発明は同一である。 エ構成要件D乙3発明では、「CPU21」は、「カードリードライター部」から「利用残金から利用料金を適正に引き落とせたという情報」を受信すると、洗濯機SA1に対し、起動命令を送信するところ(乙3公報の段落【0145】)、「CPU21」及び「カードリードライター部」は、それぞれ、構成要件D の「前記ランドリー装置制御部」及び「ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」に相当することは前記ア・イ記載のとおりである。 そして、「利用残金から利用料金を適正に引き落とせたという情報」は、要するに、カードからどれだけの料金を受領したのかを示す電気信号であるから、構成要件Dにおける「現金投入の探知信号と同じ信号」に相当する。 したがって、構成要件Dについて、本件発明と乙3発明は同一である。 オ構成要件E乙3発明においては、「カードリードライター部RA」は、各々のコインランドリーカード10毎に記録された「使用日時及び利用金額又は利用時間幅の情報」を生成し、「パソコ オ構成要件E乙3発明においては、「カードリードライター部RA」は、各々のコインランドリーカード10毎に記録された「使用日時及び利用金額又は利用時間幅の情報」を生成し、「パソコン20」に出力しているところ、これらが、 それぞれ、構成要件Eにおける「ICカードリーダ/ライタ部と通信部とを 有する装置」、「ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」、「管理サーバ」に相当することは、前記のア記載のとおりである。 その上で、乙3発明では、パソコン20が、上記の情報を用いて、「データ集計結果を通信モデム28を通して中央指揮パソコン40に通信するように通信制御」するが(乙3公報の段落【0234】)、「稼働実績情報の 集計例を中央指揮パソコン40のディスプレイ上に表示する」こともできる(乙3公報の段落【0253】)ことからすれば、「データ集計結果」には稼働実績情報も含まれるため、「データ集計結果」は、構成要件Eにおける「運転情報」に相当する。 そして、中央指揮パソコン40はパソコン20に電気通信を介して接続さ れているところ、そのディスプレイは、構成要件Eにおける「管理サーバに電気通信回線を介して接続された表示装置を有する端末」に相当する。 したがって、構成要件Eについて、本件発明と乙3発明は同一である。 (原告らの主張)乙3発明は、以下のとおり、本件発明の構成を備えておらず、本件発明 は、乙3発明とは同一ではないので、新規性の要件を充足する。 ア構成要件A被告は、乙3発明の「パソコン20」が構成要件Aの「前記複数のランドリー装置の稼働状況に関する情報を集める管理サーバ」に相当する旨主張するものの、両者は、機能及 ア構成要件A被告は、乙3発明の「パソコン20」が構成要件Aの「前記複数のランドリー装置の稼働状況に関する情報を集める管理サーバ」に相当する旨主張するものの、両者は、機能及びシステム内の位置付けのいずれにおいて も全く異なるものである。そして、乙3の実施例(乙3公報の【図22】)をみても、乙3発明には、「複数のランドリー装置の稼働状況に関する情報を集める管理サーバ」などは存在しない。 したがって、乙3発明は、構成要件Aに相当する構成を有しない。 【図22】 イ構成要件B乙3には、「この金銭登録機能は、提供装置Siに内蔵されてもよいし、別途設置されてもよい。」と記載されているところ(乙3公報の段落 【0204】)、提供装置Siは本件発明のランドリー装置に対応するものであるから、金銭登録機能自体は、ランドリー装置内に設けられるものであるということができる。 しかしながら、乙3発明では、金銭登録部で計数された金銭の情報は、カードリードライターRA1のCPU21に通知され、カードリードライ ターRA1のCPU21(乙3公報の段落【0090】、【0091】)において、乾燥機SB1に対する動作開始の信号が生成される。すなわち、金銭投入を検知して現金投入の検知信号を出力する部分は、ランドリー装置ではなく、本件発明における「ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」(乙3発明におけるカードリードライターRA1) 内に存在するものである。 そのため、乙3発明は、構成要件Bに相当する構成を有しない。 ウ構成要件D乙3発明 におけるカードリードライターRA1) 内に存在するものである。 そのため、乙3発明は、構成要件Bに相当する構成を有しない。 ウ構成要件D乙3発明では、前記イのとおり、金銭投入を検知して現金投入の検知信号を出力する部分は、本件発明の「ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」に相当する「カードリードライターRA1」内部に存 在するものである。そのため、ランドリー装置内部には、「現金投入部への現金の投入を検知して現金投入の検知信号を出力する現金投入探知部」(構成要件B)は存在せず、その結果、「前記現金投入の検知信号と同じ信号」(構成要件D)も存在しないことになる。 したがって、乙3発明は、構成要件Dに相当する構成を有しない。 エ構成要件E乙3発明には、前記ア記載のとおり、「管理サーバ」に相当する構成が存在しない。また、乙3発明の「稼働実績情報」は、当日、週間別、月間別に集計されるものであるところ、このような情報をもって「複数のランドリー装置の各々が運転中であるか否かを示す情報」に該当するというこ とはできない。 したがって、乙3発明は、構成要件Eに相当する構成を有しない。 ⑶ 争点2-3(乙3発明に基づく進歩性の欠如)(被告の主張)仮に本件発明が新規性を有するとしても、本件発明は、乙3発明及び文献 に示されるような周知技術に基づいて、出願時に当業者にとって容易に想到し得たことであるから、本件発明は進歩性を欠き、特許無効審判により無効にされるべきものである。 ア相違点本件発明と乙3発明とは、①乙3発明には、構成要件Dの構成が開示さ れていない点(相 明は進歩性を欠き、特許無効審判により無効にされるべきものである。 ア相違点本件発明と乙3発明とは、①乙3発明には、構成要件Dの構成が開示さ れていない点(相違点1)、②本件発明では、管理サーバに電気通信回線 を介して接続された表示装置を有する端末にリアルタイムの運転情報(当日、週間別、月間別の稼働実績情報ではないもの)が提供されるのに対し、乙3発明では、パソコン20に電気通信回線を介して接続された表示装置を有する端末にリアルタイムの運転情報が提供されない点(相違点2)において相違する。 イ相違点についての容易想到性 相違点1についてa 乙20公報の記載乙20公報の段落【0016】には、「ポイント利用処理部11は、ポイントカードCに記録されたポイントを利用するに際し、この利用する ポイントに応じて還元する現金の投入と同じ検知信号を生成し、送出するものである。このとき、送出される検知信号は、検知部3へ入力され、ランドリー装置コントローラ1により検知部3から送出される検知信号と同様に処理される。」と記載されており、相違点1である構成要件Dの構成が開示されている。 b 動機付けの存在乙3発明に構成要件Dが開示されていないのであれば、乙3発明には、「ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」が存在するにもかかわらず、同装置で読み取ったICカードからの情報を用いて、どのようにランドリー装置を制御するかという課題が解決されずに残 っていることになる。 そうすると、乙3発明に乙20発明を組み合わせ、ICカードの情報に基づき現金投入の検知信号と同じ信号を出力することによって、ラ という課題が解決されずに残 っていることになる。 そうすると、乙3発明に乙20発明を組み合わせ、ICカードの情報に基づき現金投入の検知信号と同じ信号を出力することによって、ランドリー装置を制御することについて動機付けが存在する。 相違点②について a 乙21公報の記載 乙21発明は、乙3発明と同様に、各店舗を実際に訪れることなくコインランドリーを管理することを可能とするシステムに関する技術である。 そして、乙21公報の段落【0025】には、「サーバー4から会員情報と異常情報とを受信したオーナーの携帯情報端末7の表示部7 1には、それらの会員情報および異常情報が表示され、オーナーは、表示部71を見ることにより、異常が生じた旨、および異常が生じたランドリー機器1の利用者(会員)を確認することができる(A8)。この場合、オーナーは、会員情報に含まれるEメールアドレスを用いて、通信網5を介してその利用者が所持する携帯情報端末8 (たとえば、携帯電話機)にアクセスし、Eメールにて、発生した異常の内容について説明するとともに、異常が発生したランドリー機器1から他のランドリー機器1に衣類を移動するようお願いする(A9)。」と記載されているように、乙21発明は、異常が発生した場合には、利用者が洗濯物を回収しに来るよりも前にその事実を知らせ るものであり、正にリアルタイムの運転情報を提供するものである。 したがって、乙21発明には、相違点2に係る技術が開示されているということができる。 b 乙22公報の記載乙22発明は、コインランドリーの顧客が店舗を訪れることなく、 自らの端末を使用してサーバにアクセス 技術が開示されているということができる。 b 乙22公報の記載乙22発明は、コインランドリーの顧客が店舗を訪れることなく、 自らの端末を使用してサーバにアクセスし、コインランドリーの稼働状況を把握するシステムに関する技術である(乙22公報の段落【0004】、【0005】)。 乙22公報には、「前記管理センタサーバ11は、ネットワーク13を介して、前記ランドリー店舗17のそれぞれに配設された店舗内サー バ15と通信可能に接続され、各ランドリー店舗17における装置・・・ の使用状況等を把握することができる。」(乙22公報の【0019】)、「前記顧客は顧客端末14を管理センタサーバ11に接続することによって、各ランドリー店舗17における装置・・・の使用状況を取得したり」(乙22公報の【0022】)と記載されているから、正に、管理サーバに電気通信回線を介して接続された表示装置を有する端末に リアルタイムの運転情報を提供するという、相違点2に係る技術が開示されているということができる。 c 乙23公報の記載乙23発明も、乙3発明と同様に、コインランドリーに設置されるランドリー機器の稼働状況を監視するシステムに関する技術である。 乙23公報には、「本発明によれば、コインランドリーに設置されたランドリー機器の稼働状況をそのランドリー機器の製造メーカーを問わず確実に把握して、ランドリー機器の稼働状況をWeb上に公開し、或いは利用者からのメールでの問い合わせに適切に対応することで、コインランドリーの利用者がコインランドリーに出向いてランド リー機器の稼働状況を直接確認しなくても済むランドリー機器稼働状況監視システムを提供することができる。」(乙2 切に対応することで、コインランドリーの利用者がコインランドリーに出向いてランド リー機器の稼働状況を直接確認しなくても済むランドリー機器稼働状況監視システムを提供することができる。」(乙23公報の段落【0008】)、「コインランドリー2をこれから利用しようとしている者は、このホームページに掲載されたランドリー機器20の稼働状況を見る」(乙23公報の段落【0031】)と記載されているから、 正に、管理サーバに電気通信回線を介して接続された表示装置を有する端末にリアルタイムの運転情報を提供するという、相違点2に係る技術が開示されているということができる。 d 乙24公報の記載乙24発明は、乙3発明と同様に、各機器の情報をサーバーに集め るランドリーシステムに関する技術である(乙24公報の段落【00 69】)。 乙24公報には、「選択されたランドリー店舗を表す信号を受信したサーバー4は、稼動状況管理部42に格納されているそのランドリー店舗のランドリー機器1の稼動状況を確認し、そのランドリー店舗に使用中でないランドリー機器1があるか否かの情報(空き情報) を、通信網5を介して携帯情報端末7に送信する(B7)。」と記載されており(乙24公報の【0069】)、正に、管理サーバに電気通信回線を介して接続された表示装置を有する端末にリアルタイムの運転情報を提供するという、相違点2に係る技術が開示されているということができる。 e 動機付けの存在以上のとおり、乙21発明、乙22発明、乙23発明及び乙24発明によれば、相違点2は周知技術であるということができるところ、これらの発明はいずれも、乙3発明と技術分野及び目的が共通している以上、 以上のとおり、乙21発明、乙22発明、乙23発明及び乙24発明によれば、相違点2は周知技術であるということができるところ、これらの発明はいずれも、乙3発明と技術分野及び目的が共通している以上、両者を組み合わせる動機付けが存在する。 (原告らの主張)被告は、乙3発明と本件発明の相違点として、構成要件D及びEに係る相違点のみを指摘しているが、実際には、構成要件A及びBに関しても相違点が存在する。すなわち、乙3発明には、構成要件Aの「複数のランドリー装置の稼働状況に関する情報を集める管理サーバ」に相当する構成は存在しない。また、 構成要件Bの「複数のランドリー装置の各々は、・・・前記現金投入部への現金の投入を検知して現金投入の検知信号を出力する現金投入検知部、および、前記現金投入の検知信号の入力に応じてランドリー装置の動作を制御するランドリー装置制御部」に相当する構成も存在しない。 被告は、これらの相違点に関する容易想到性について主張していないから、 本件発明が進歩性違反であり無効であるということはできない。 ⑷ 争点2-4(乙7~10発明に基づく新規性違反)(被告の主張)乙7~10発明は、一体の技術としてみるべきところ、これらの技術は、以下のとおり、本件発明の構成要件を全て備えており、本件発明はこれらの技術と同一であるから、新規性を欠き、特許無効審判により無効にされるべきもの である。 ア乙7~10発明の一体性アクアは、平成24年1月に、アクア通信キット(乙7発明)、アクアウォッシャー(乙8発明)、アクアカードコントローラ(乙9発明)及びアクアITシステム(乙10発明)の各製品を一体として販売しているところ、 これらは、 、アクア通信キット(乙7発明)、アクアウォッシャー(乙8発明)、アクアカードコントローラ(乙9発明)及びアクアITシステム(乙10発明)の各製品を一体として販売しているところ、 これらは、以下のとおり、一体として使用されることが予定されているものである。 したがって、これらを組み合わせた実機そのものが、一つの技術的思想を示した1個の引用発明として扱われるべきである。 アクア通信キットとアクアカードコントローラの一体性 アクア通信キットに係る乙7資料には、「1-2.コインランドリー店舗の設置例 ICカードシステム導入店舗」(乙7〔3頁〕)、「HIT-330IF2 ※HIC-I62T/I63Tの制御基板と共通部品です。」(乙7〔27頁〕)との記載が存在する。これらの記載によれば、アクア通信キット「HIT-330IF2」は、ICカード設置店で用い られるものであり、その制御基板は、アクアカードコントローラ「HIC-162T」(乙9発明)と共通である以上、アクア通信キット(乙7発明)とアクアカードコントローラ(乙9発明)は、接続が予定されているということができる。 アクアカードコントローラとカードリーダーの一体性 アクアカードコントローラに係る乙9資料には、「HIC-I63T」 が、その「カードコントローラ制御基板」の「CN5」を介して「カードリーダー」との接続を予定している旨の記載が存在する(乙9〔30頁〕)。 アクアカードコントローラとアクアウォッシャーの一体性アクアカードコントローラに係る乙9資料には、アクアカードコントローラを取り付ける対象として、アクアウォッシャーの型番である「MCW -W6C」が挙げられていることからすれば(乙9〔23頁〕 アクアカードコントローラに係る乙9資料には、アクアカードコントローラを取り付ける対象として、アクアウォッシャーの型番である「MCW -W6C」が挙げられていることからすれば(乙9〔23頁〕)、アクアカードコントローラ(乙9発明)にアクアウォッシャー(乙8発明)を取り付けることが予定されているということができる。 アクアITシステムとアクアウォッシャー等の一体性アクアITシステムに係る乙10資料には、①アクアITシステムの対 応機種として、アクアウォッシャー「MCW-W6C-6」が含まれている旨の記載や、②「各機器にはITランドリーユニット、ICカードユニットなどの周辺オプションが別途必要です。」との記載が存在すること(乙10〔最終頁〕)からも明らかなとおり、アクアITシステム(乙10発明)にアクア通信キット(乙7発明)やアクアウォッシャー(乙8発明)、 アクアカードコントローラ(乙9発明)を組み合せることが予定されているということができる。 イ乙7~10発明が本件発明の構成要件を充足すること 構成要件A乙7~10発明は、「複数の洗濯機」の各々に対応して「アクアカード コントローラ」が配置されるものであるところ、「複数の洗濯機」は、構成要件Aにおける「複数のランドリー装置」に相当する。 また、「アクアカードコントローラ」の内部に設置された「HIC―162T/163Tの制御基板」は、構成要件Aにおける「通信部」に相当するところ、この制御基板は、「カードリーダー」と接続されている(乙 9〔30頁〕)。そして、ここでいう「カードリーダー」は、「ICカー ドリーダーライターのセンサー部が汚れると、カード読み込み不良およびカード書き込み不良が発生するおそれ いる(乙 9〔30頁〕)。そして、ここでいう「カードリーダー」は、「ICカー ドリーダーライターのセンサー部が汚れると、カード読み込み不良およびカード書き込み不良が発生するおそれがあります。」という記載(乙9〔21頁〕)からも明らかなように、書込みの機能も当然有するものであるから、構成要件Aにおける「ICカードリード/ライタ部」に相当する。そうすると、乙7~10発明における「アクアカードコントローラ」は、構 成要件Aにおける「ICカードリード/ライタ部と通信部とを有する装置」に相当することになる。 さらに、乙7~10発明は、ハイアールアクアセールスの「webサービス」において、ユーザーに対し、ランドリー装置が空いているか否かについての情報を提供するものであるところ、この「webサービス」は、 構成要件Aにおける「管理サーバ」に相当する。 したがって、構成要件Aについて、本件発明と乙7~10発明は同一である。 構成要件B乙7~10発明を構成するアクアウォッシャー(乙8発明)には、「現 金を投入するコインボックス」が存在し、コインボックスへの現金の投入を検知して「現金投入のパルス信号」を出力するところ、乙7~10発明は、構成要件Bにおける「現金を投入する現金投入部」及び「現金投入部への現金の投入を検知して現金投入の検知信号を出力する現金投入探知部」を備えているということができる。 また、乙7~10発明の実機を実際に稼働させて行った確認試験(以下、単に「確認試験」という。)を通じて、アクアウォッシャー(乙8発明)が現金投入のパルス信号に応じて洗濯機を作動させていることが確認されているから(乙12)、乙7~10発明は、構成要件Bにおける「現金投入の検知信 」という。)を通じて、アクアウォッシャー(乙8発明)が現金投入のパルス信号に応じて洗濯機を作動させていることが確認されているから(乙12)、乙7~10発明は、構成要件Bにおける「現金投入の検知信号の入力に応じてランドリー装置の動作を制御するランド リー装置制御部」を備えているということができる。 したがって、構成要件Bについて、本件発明と乙7~10発明は同一である。 構成要件C乙7~10発明においては、「アクアカードコントローラ」が構成要件Cにおける「ICカードリード/ライタ部と通信部とを有する装置」に相 当することは、前記記載のとおりである。そして、「アクアカードコントローラ」が「現金投入のパルス信号と同じ信号」を洗濯機制御部に送出していることが確認試験を通じて確認されているところ(乙12)、これは、構成要件Cにおける「検知信号と同じ信号」に相当するということができる。 また、確認試験によれば、「アクアカードコントローラ」のモジュラージャックからLANケーブルのプラグを取り外すと稼働状況が表示されなくなり、再接続すると稼働状況が表示されることが確認されていることからすれば、「アクアカードコントローラ」が、少なくとも運転状況を推認させる何らかの情報をサーバに出力していることは明らかであり、「ア クアカードコントローラ」が構成要件Cにおける「前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を生成し、出力」しているということができる。 したがって、構成要件Bについて、本件発明と乙7~10発明は同一である。 構成要件D確認試験の結果によれば、乙7~10発明においては、「アクアカードコントローラ」が、「現金投入のパルス ついて、本件発明と乙7~10発明は同一である。 構成要件D確認試験の結果によれば、乙7~10発明においては、「アクアカードコントローラ」が、「現金投入のパルス信号と同じ信号」を洗濯機制御部に送出し、これにより、洗濯機制御部が洗濯機を制御しているところ、「現金投入のパルス信号と同じ信号」は構成要件Dにおける「現金投入の検知 信号と同じ信号」に相当するということができる。 また、「アクアカードコントローラ」が構成要件Dにおける「ICカードリード/ライタ部と通信部とを有する装置」に相当することは、前記記載のとおりである。 したがって、構成要件Dについて、本件発明と乙7~10発明は同一である。 構成要件E乙7~10発明では、まず、「アクアカードコントローラ」において、個々の洗濯機が運転中であるか否かを示す情報を「webサービス」に出力した上で、「webサービス」において、個々の洗濯機が「運転中か否かを示す運転情報」を作成し、当該運転情報を、「webサービスに電気 通信回線を介して接続されたディスプレイを有するモバイル通信端末」に提供している。 そして、「webサービス」及び「アクアカードコントローラ」が、それぞれ構成要件Eにおける「管理サーバ」及び「ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」に相当することは、前記記載のとおり である。 また、携帯電話、タブレット端末などの「ディスプレイを有するモバイル端末」は、構成要件Eにおける「表示装置を有する端末」に相当する。 したがって、構成要件Bについて、本件発明と乙7~10発明は同一である。 ウ乙8 レイを有するモバイル端末」は、構成要件Eにおける「表示装置を有する端末」に相当する。 したがって、構成要件Bについて、本件発明と乙7~10発明は同一である。 ウ乙8資料及び乙9資料の記載内容を認定するに当たって乙12を参照することの可否原告らは、乙12の確認試験の結果に基づき乙8資料及び乙9資料の記載内容を解釈することは許されない旨主張するものの、乙8資料及び乙9資料は、発明が記載された特許文献そのものではなく、製品についての説明書で あり、乙8発明や乙9発明の実機が具体的にどのような構成であるかを探る ための証拠の一つにすぎない。そして、乙12の確認試験の結果自体が本件発明の出願日より前に存在していなかったとしても、乙7~10発明の実機自体は出願日より前に存在している以上、その内容を参照することに何ら問題はない。 また、原告らは、乙12の確認試験の結果は外部からは把握できない内容 である以上、同結果を参照することはできない旨も主張するが、乙7~10発明の実機は本件発明の出願日以前から販売されており、誰でも購入可能な状態であった。そのため、実機を購入し、実験やリバースエンジニアリング等を通じてその内部構造を把握することができる以上、原告らの主張は理由がない。 さらに、原告らは、乙7~10発明が本件発明の出願日より以前に営業で使用されていたことにつき立証がない旨主張するが、洗っちゃお丁店に存在する実機のアクアウォッシャーは平成27年に、アクアカードコントローラは平成26年10月に、それぞれ製造されているところ(乙12)、仮に、現存する乙7~10発明の実機が本件発明の出願日より以前には公知でな かったとしても、同実機により、出願日以前のアクアウォ は平成26年10月に、それぞれ製造されているところ(乙12)、仮に、現存する乙7~10発明の実機が本件発明の出願日より以前には公知でな かったとしても、同実機により、出願日以前のアクアウォッシャー及びアクアカードコントローラの構成を立証できることには変わりはない。 (原告らの主張)ア乙7~10発明が本件発明の出願当時に存在していたとはいえないこと被告の主張する証拠(乙13、14、17及び18)を踏まえても、乙7 ~10発明により構成されるコインランドリーシステムが本件発明の出願日である平成27年9月9日より以前に営業に供されていたことは裏付けられていない。 イ相違点が存在すること乙7~10発明を一体の技術として捉えた場合であっても、本件発明と乙 7~10発明の間には相違点が存在することは、本件異議決定も認定してい るとおりである。 ウ乙8資料及び乙9資料の記載内容を認定するに当たって乙12を参照することの可否被告は、乙8資料及び乙9資料には記載されていない事項についても、確認試験の結果(乙12)に基づき、乙8発明及び乙9発明の構成として主張 している。しかしながら、乙8発明及び乙9発明の構成として乙8資料及び乙9資料から導き出せるのは、飽くまで、それらの資料に記載されている事項及び本件発明の出願時の技術常識に限られるところ、確認試験の結果(乙12)は特許発明の出願前には存在しなかったものであるから、そのような確認試験の結果を参照することは許されないというべきである。 また、仮に確認試験の結果(乙12)が出願前から存在していたとしても、その記載内容は、外部からは把握できない内部の装置間のデータ通信に関するものである。そのため、乙12を分解調査し また、仮に確認試験の結果(乙12)が出願前から存在していたとしても、その記載内容は、外部からは把握できない内部の装置間のデータ通信に関するものである。そのため、乙12を分解調査しなければ判明しないような事項を基礎として、乙8及び乙9の記載内容を確定することは相当ではない。 したがって、確認試験の結果(乙12)に基づき乙8資料及び乙9資料の 記載を解釈する原告らの主張は、理由がない。 ⑸ 争点2-4(乙7発明等に基づく進歩性欠如)(被告の主張)仮に乙7~10発明を一体としてみることができず、本件発明が新規性を有するとしても、本件発明は、乙7発明と、文献に示されるような周知技術に基 づいて、出願時に当業者にとって容易に想到し得たことであるから、本件発明は進歩性を欠き、特許無効審判により無効にされるべきものである。 ア相違点乙7発明は、①構成要件Bの構成が開示されていない点(相違点1)、②構成要件Cに相当する構成が開示されていない点(相違点2)、③構成 要件Dに相当する構成が開示されていない点(相違点3)において、本件 発明と相違する。 イ相違点についての容易想到性 相違点1について乙8発明(アクアウォッシャー)には、現金を投入するコインボックス(乙12:確認試験報告書の画像8)が存在し、現金の投入を検知してパ ルス信号を出力しているから(乙12の画像31)、「現金投入部」及び「現金投入検知部」が存在する。 また、乙8発明(アクアウォッシャー)は、現金投入に応じて洗濯機を動作させているから(乙12の確認試験①)、洗濯機を制御する洗濯機制御部、すなわち「ランドリー装置の動作を制御するランドリー装 また、乙8発明(アクアウォッシャー)は、現金投入に応じて洗濯機を動作させているから(乙12の確認試験①)、洗濯機を制御する洗濯機制御部、すなわち「ランドリー装置の動作を制御するランドリー装置制御部」 を有している。 したがって、乙8発明には、構成要件Bの構成が開示されている。 相違点2について乙9発明におけるアクアカードコントローラが、本件発明における「ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」に相当することは、 前記⑷(被告の主張)イ記載のとおりである。 そして、そのアクアカードコントローラが、カード使用時に現金投入のパルス信号と同じ信号、すなわち「検知信号と同じ信号」を洗濯機制御部に送出していることは、確認試験により確認されている(乙12の確認試験⑤)。 また、コインランドリー機器が「運転中であるか否かを示す情報」を生成し、出力していることについても、確認試験の結果により確認されている(乙12)。 したがって、乙8及び乙9には、構成要件Cの構成が記載されている。 相違点3について アクアカードコントローラが現金投入のパルス信号と同じ信号、すなわ ち「現金投入の検知信号と同じ信号」を洗濯機制御部に送出し、これにより洗濯機が制御されていることは、確認試験の結果により確認されている(乙12の確認試験④)。 したがって、乙9発明には、構成要件Dの構成が開示されている。 動機付けが存在すること 前記⑷(原告らの主張)ア記載のとおり、アクア通信キット(乙7発明)、アクアウォッシャー(乙8発明)、アクアカードコントローラ(乙9発明)及びアクアITシステム(乙10発明)は、一体として 前記⑷(原告らの主張)ア記載のとおり、アクア通信キット(乙7発明)、アクアウォッシャー(乙8発明)、アクアカードコントローラ(乙9発明)及びアクアITシステム(乙10発明)は、一体として使用されることが予定されている。 したがって、これらを組み合わせることについては、動機付けが存在す るというべきである。 ウ原告らは、乙8発明と乙9発明の接続関係が不明である旨主張するものの、乙12の接続図によれば、その具体的な接続関係は明らかとなっている。このように、乙8資料や乙9資料のような技術資料のみに基づき乙7~10発明の構成が明確になるわけではないからこそ、乙12の実験結果を参照する 必要があるといえる。 (原告らの主張)ア被告の主張は蒸し返しであること被告の主張する相違点2及び3は、本件異議決定(乙1)においても相違点として認定されていたものである。そして、本件異議決定は、本件訴訟に おいて被告が主張する相違点よりも少ない数の相違点を前提として、本件発明に進歩性がある旨判断しているところ、被告は、本件異議決定において既に判断済みの争点を蒸し返しているにすぎない。 イ相違点2は容易に想到し得ないものであること 被告の主張する相違点2は、より詳細にいえば、乙7発明においては、 具体的にどの構成において、「接続されている前記ランドリー装置が運転 中であるか否かを示す情報を生成し」ているのかが明らかではないという点にある。 そして、乙8資料及び乙9資料には、ランドリー装置のコインボックスから出ている配線が、通信キットを備えているハウジングクミタテ(本件発明における「ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」 に 8資料及び乙9資料には、ランドリー装置のコインボックスから出ている配線が、通信キットを備えているハウジングクミタテ(本件発明における「ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」 に相当する。)に接続され、かつ、そのハウジングクミタテから出ている配線がランドリー装置の制御基板に接続されるという構成については記載があるものの、それ以上に、実際にどのような信号がやり取りされるのかについては記載されていない。 また、上記制御基板においては、トルクモータ及びモーター、モーター 回転センサー等からの信号を基に、当該センサー等が接続された機器の動作状態を監視し、その監視結果を示す情報を生成して通信キットに出力しているものの、その通信キットにおいては、上記制御基板において生成された信号を入力信号として得た上で、それを単に出力しているだけである。 以上によれば、乙8資料及び乙9資料に基づき、本件発明における「I Cカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」に相当するハウジングクミタテが、「接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を生成し」ているという構成が開示されているということはできない。 なお、被告は、乙7発明を主引例、乙8発明及び乙9発明を副引例とし て容易想到性について主張しているが、副引例の解釈に当たって、乙8資料及び乙9資料には記載されていない事項についても、乙12号証に基づき、乙8発明及び乙9発明の構成として主張しているのであり、このような主張が失当であることは、前記⑷(原告らの主張)イ記載のとおりである。 ウ乙8発明と乙9発明の接続関係が不明であること 乙8資料及び乙9資料を照らし合わせると、ハウジングクミタテとランド ⑷(原告らの主張)イ記載のとおりである。 ウ乙8発明と乙9発明の接続関係が不明であること 乙8資料及び乙9資料を照らし合わせると、ハウジングクミタテとランドリー装置の制御基板との接続関係に整合しない点が存在する。すなわち、次の【図2】は、乙8資料(3頁)に記載されたアクアウォッシャーの電気回路図であるが、赤枠の内側にはITランドリー通信用コネクタを接続するためのピンが8本、オレンジ色の枠の内側にはコインボックスとの接続のため のピンが8本、合計16本のピンが存在する。 【図2】 これに対し、次の【図3】は、乙9資料(30頁)に記載されたカードコ ントローラの制御基板とカードリーダー及び機器制御基板との接続関係を示す図であるが、赤枠の内側は、カードコントローラの制御基板と機器制御基板を接続するためのピンが合計13本しか存在しないため、アクアウォッシャーの制御基板とカードコントローラの制御基板とでピンの数が整合せず、両者が具体的にどのように接続されているかは不明である。 【図3】 3 争点3(損害額)について(原告らの主張)被告の侵害行為により原告らが受けた損害は、1800万円を下らない。 (被告の主張)争う。 第3 当裁判所の判断 1 本件発明の内容⑴ 本件明細書等(甲2)には、次のとおりの記載があることが認められる。 ア技術分野「本発明は、コインランドリーや自動販売機等の有料 3 当裁判所の判断 1 本件発明の内容⑴ 本件明細書等(甲2)には、次のとおりの記載があることが認められる。 ア技術分野「本発明は、コインランドリーや自動販売機等の有料で動作する自動機を 現金およびポイントにより制御する有料自動機の制御システムに関する。」 (段落【0001】)イ背景技術「コインランドリーでは、洗濯機や乾燥機等のランドリー装置に備え付けのコイン投入機にコイン(硬貨)を投入することにより、これらのランドリー装置を動作させ、洗濯や乾燥等を行うことができる。また、近年では、例 えば、特許文献1に記載のように、電子マネーカードを使用して洗濯や乾燥を行うことができるコインランドリーシステムが知られている。」(段落【0002】)「また、特許文献2には、現金を投入して有料自動機を動作させることが可能であるとともに、その利用に応じたポイントをポイントカードに付与し、 この付与されたポイントを使用して有料自動機を動作させることが可能な現金およびポイント併用型の有料自動機システムが開示されている。この有料自動機システムは、現金の投入を検知することにより出力された検知信号に基づいて有料自動機の動作を制御するものであり、検知部から送出される検知信号とポイントカードに記録されるポイントを利用する際に送出され る検知信号とを同じにすることで、現金とポイントカードのポイントとを併用してランドリー装置を動作可能としている。また、この有料自動機システムでは、ポイントと還元金額との変換率は任意に設定することが可能となっている。」(段落【0003】)【特許文献1】特開2002-312847号公報 【特許文献2】特許第4420829 ントと還元金額との変換率は任意に設定することが可能となっている。」(段落【0003】)【特許文献1】特開2002-312847号公報 【特許文献2】特許第4420829号公報ウ発明が解決しようとする課題「本発明は、多数の有料自動機が複数箇所に分散して設置されている場合であっても各設置場所を巡回することなく有料自動機の動作状態を容易に確認することが可能な有料自動機の制御システムを提供することを目的と する。」(段落【0005】) エ課題を解決するための手段「本発明の有料自動機の制御システムは、現金を投入する現金投入部、現金投入部への現金の投入を検知して検知信号を出力する現金投入検知部、および、検知信号に基づいて有料自動機の動作を制御する有料自動機制御部を有する有料自動機の制御システムであって、現金投入検知部と有料自動機制 御部との間に接続されるポイントカード装置と、ポイントカード装置と電気通信回線により接続される管理サーバと、有料自動機の動作を検知するセンサーとを含み、ポイントカード装置は、センサーの検知信号に基づいて有料自動機の動作状態を監視し、結果を管理サーバへ送信する動作状態監視部を有するものであり、管理サーバは、動作状態監視部から送信された有料自動 機の動作状態を表示する動作状態表示手段を有するものである。」(段落【0006】)「これにより、有料自動機の動作を検知するセンサーの検知信号に基づいて有料自動機の動作状態が監視され、その結果が管理サーバへ送信され、管理サーバによりこの送信された有料自動機の動作状態が表示され る。」(段落【0007】)オ発明の効果「現金投入検知部と有料自動機 れ、その結果が管理サーバへ送信され、管理サーバによりこの送信された有料自動機の動作状態が表示され る。」(段落【0007】)オ発明の効果「現金投入検知部と有料自動機制御部との間に接続されるポイントカード装置と、ポイントカード装置と電気通信回線により接続される管理サーバと、有料自動機の動作を検知するセンサーとを含み、ポイントカード装 置が、センサーの検知信号に基づいて有料自動機の動作状態を監視し、結果を管理サーバへ送信する動作状態監視部を有するものであり、管理サーバが、動作状態監視部から送信された有料自動機の動作状態を表示する動作状態表示手段を有することにより、多数の有料自動機が複数箇所に分散して設置されている場合であっても各設置場所を巡回することなく有料自 動機の動作状態を容易に確認することが可能となる。」(段落【000 8】)カ発明を実施するための形態「図1において、本発明の実施の形態における有料自動機Lの制御システム1は、有料自動機Lの動作を制御する有料自動機制御部10と、現金を投入する現金投入部11と、現金投入部11への現金の投入を検知して 検知信号(以下、便宜上「コイン信号」と称すが、現金投入部11へ投入される現金はコイン(硬貨)のみならず、紙幣でも良い。)を出力する現金投入検知部12と、有料自動機制御部10と現金投入検知部12との間に接続されるポイントカード装置2と、ポイントカード装置2と電気通信回線3により接続される管理サーバ4と、管理サーバ4と電気通信回線3 より接続される管理用のコンピュータ(以下、「管理用PC」と称す。)5とを有する。有料自動機Lが複数存在する場合、ポイントカード装置2は有料自動機Lごとに設置される。」(段落【 気通信回線3 より接続される管理用のコンピュータ(以下、「管理用PC」と称す。)5とを有する。有料自動機Lが複数存在する場合、ポイントカード装置2は有料自動機Lごとに設置される。」(段落【0011】)【図1】 「有料自動機制御部10は、現金投入検知部12から出力されたコイン信 号に基づいて有料自動機Lの動作を制御するものである。本実施形態において、有料自動機Lは、洗濯機や乾燥機等のランドリー装置である。既存の有料自動機Lが、有料自動機制御部10、現金投入部11および現金投入検知部12を備えている場合には、有料自動機制御部10と現金投入検知部12との間にポイントカード装置2を接続する。また、有料自動機L の電源コードには、有料自動機Lの動作を検知するセンサーとしての電流センサー13を接続する。」(段落【0012】)「ポイントカード装置2は、現金投入検知部12から出力されたコイン信号に応じたポイントの付与率を記憶する設定値記憶部20と、ポイントカードCに対してデータの読み書きを行うカードリーダーライター部21 と、ポイントカードCへのポイントの加算処理を行うポイント加算処理部22と、ポイントカードCに記録されたポイントの利用を指示するポイント利用指示部23と、ポイントカードCに記録されたポイントの利用処理を行うポイント利用処理部24とを有する。」(段落【0013】)「また、ポイントカード装置2は、現金投入検知部12から出力された 現金投入の検知信号(コイン信号)の入力および有料自動機制御部10に対して現金投入と同じ検知信号、すなわちコイン信号の出力を行う現金投入信号入出力部30と、現金投入部11に対して現金投入の禁止信号を出力 入の検知信号(コイン信号)の入力および有料自動機制御部10に対して現金投入と同じ検知信号、すなわちコイン信号の出力を行う現金投入信号入出力部30と、現金投入部11に対して現金投入の禁止信号を出力する禁止信号出力部31と、現金投入信号入出力部30によりコイン信号を有料自動機制御部10へ送出する課金処理部25と、禁止信号出力部 31により現金投入部11への現金の投入禁止を設定する禁止処理部26と、有料自動機Lの動作状態を監視する動作状態監視部27と、各種情報表示を行う表示部28と、電気通信回線3により管理サーバ4と通信を行う通信部29とを有する。」(段落【0014】)「図3に示すように、ポイントカード装置2は、メイン基板32上に、 ポイント加算処理部22、ポイント利用処理部24、課金処理部25、禁 止処理部26および動作状態監視部27を構成する中央演算処理装置(CPU)33と、表示部28としての表示器34と、ポイント利用指示部23としての利用ボタン35と、カードリーダーライター部21としての非接触型ICカードリーダー/ライター36と、通信部29としての無線LANモジュール37と、現金投入信号入出力部30および禁止信号出力部 31を構成する入出力インターフェース(I/F)38とを有する。」(段落【0015】)「課金処理部25は、後述する管理サーバ4の課金指示手段41の指示に基づき、指定金額の現金の投入と同じ検知信号(コイン信号)を、現金投入信号入出力部30を通じて有料自動機制御部10へ送出する。禁止処 理部26は、後述する管理サーバ4の禁止指示手段42の指示に基づき、現金投入部11への現金の投入禁止を、禁止信号出力部31を通じて設定する。動作状態監視部27は、電流センサー13の検 禁止処 理部26は、後述する管理サーバ4の禁止指示手段42の指示に基づき、現金投入部11への現金の投入禁止を、禁止信号出力部31を通じて設定する。動作状態監視部27は、電流センサー13の検知信号に基づいて有料自動機Lの動作状態(運転中または空き)を監視し、結果を管理サーバ4へ送信する。」(段落【0020】) 「管理サーバ4は、図2に示すように、ポイントカード装置2を指定して、ポイントの付与率を指定するポイント付与率設定手段40と、ポイントカード装置2を指定して、指定金額の現金の投入と同じ検知信号(コイン信号)を送出することを指示する課金指示手段41と、ポイントカード装置2を指定して、現金の投入の禁止を指示する禁止指示手段42と、動 作状態監視部27から送信された有料自動機Lの動作状態を表示する動作状態表示手段43とを有する。」(段落【0021】)「また、管理サーバ4は、図6に示すリモート操作画面60を管理用PC5に提供する。リモート操作画面60には、店舗を指定する店舗指定欄(プルダウンメニュー)61と、店舗指定欄61により指定された店舗に 設置されている各有料自動機Lの機器番号を表示する機器番号表示欄62、 各有料自動機Lの機器名を表示する機器名表示欄63、各有料自動機Lの位置を表示する位置表示欄64、各有料自動機Lの状態を表示する第1の状態表示欄65、各有料自動機Lの課金操作を行う課金ボタン66、各有料自動機Lの故障設定を行う故障設定ボタン67や、各有料自動機Lの状態をアイコン表示する第2の状態表示欄68等とが設けられている。」(段 落【0024】)「なお、図6に示す第1の状態表示欄65および第2の状態表示欄68は、動作状態表示手段43により、各有料自 表示する第2の状態表示欄68等とが設けられている。」(段 落【0024】)「なお、図6に示す第1の状態表示欄65および第2の状態表示欄68は、動作状態表示手段43により、各有料自動機Lのポイントカード装置2の動作状態監視部27から送信された動作状態が表示されたものである。 第1の状態表示欄65には、動作状態が文字により表示される。第2 の状 態表示欄68には、動作状態が色分けされたアイコンにより表示される。」(段落【0028】)「利用者は、利用ボタン35の押下回数によって利用するポイントを指示することが可能である。そして、利用者がポイントカードCをポイントカード装置2のカードリーダーライター部21にかざすと、ポイントカー ド装置2のポイント利用処理部24はカードリーダーライター部21を通じてこの利用するポイントをポイントカードCから減算するとともに、利用するポイントに応じて還元する現金の投入と同じ検知信号を、現金投入信号入出力部30を通じて有料自動機制御部10へ送出する。」(段落【0033】) 「また、本実施形態における有料自動機Lの制御システム1では、管理サーバ4が、ポイントカード装置2を指定して、指定金額の現金の投入と同じ検知信号を送出することを指示する課金指示手段41を有し、ポイントカード装置2は、管理サーバ4の課金指示手段41の指示に基づき、指定金額の現金の投入と同じ検知信号を有料自動機制御部10へ送出する課 金処理部25を有するので、多数の有料自動機Lが複数箇所に分散して設 置されている場合であっても各設置場所を巡回することなく指定金額の現金を投入したように有料自動機を容易に動作させることが可能である。」(段落【0036】)「また、 散して設 置されている場合であっても各設置場所を巡回することなく指定金額の現金を投入したように有料自動機を容易に動作させることが可能である。」(段落【0036】)「また、本実施形態における有料自動機Lの制御システム1では、管理サーバ4が、ポイントカード装置2を指定して、現金の投入の禁止を指示 する禁止指示手段42を有するものであり、ポイントカード装置2が、管理サーバ4の禁止指示手段42の指示に基づき、現金投入部11への現金の投入禁止を設定する禁止処理部26を有するので、有料自動機Lが故障などした場合に、多数の有料自動機が複数箇所に分散して設置されている場合であっても各設置場所を巡回することなく現金の投入禁止を容易に設 定して、使用停止状態とすることが可能である。」(段落【0037】)「また、本実施形態における有料自動機Lの制御システム1では、ポイントカード装置2が、有料自動機Lの動作を検知する電流センサー13と、電流センサー13の検知信号に基づいて有料自動機Lの動作状態を監視し、結果を管理サーバ4へ送信する動作状態監視部27を有するもので あり、管理サーバ4が、動作状態監視部27から送信された有料自動機Lの動作状態を表示する動作状態表示手段43を有することにより、多数の有料自動機Lが複数箇所に分散して設置されている場合であっても各設置場所を巡回することなく有料自動機Lの動作状態を容易に確認することが可能である。」(段落【0038】) 「本発明の有料自動機の制御システムは、コインランドリーや自動販売機等の有料で動作する有料自動機を現金およびポイントにより制御するためのシステムとして有用である。」(段落【0039】)⑵ 本件発明の技術的特徴本件特許の 、コインランドリーや自動販売機等の有料で動作する有料自動機を現金およびポイントにより制御するためのシステムとして有用である。」(段落【0039】)⑵ 本件発明の技術的特徴本件特許の特許請求の範囲の記載及び上記⑴の記載内容によれば、本件発 明は、コインランドリー、自動販売機その他の有料自動機について、現金及 びポイントにより制御するためのシステムに関するものであり、多数の有料自動機が複数箇所に分散して設置されている場合であっても、それらの設置場所を実際に巡回することなく、個々の有料自動機の動作状態を容易に確認するための手段を提供することを課題とするものである。そして、本件発明は、このような課題を解決するために、請求項1記載の構成を備えることに よって、有料自動機に設置したポイントカード装置において当該有料自動機が運転中であるか否かを示す情報を管理サーバに送信し、管理サーバが個々の有料自動機の動作状態を表示することにより、個々の有料自動機の動作状態を容易に確認することができるという効果を実現するものであると認められる。 2 争点1-1(被告ランドリーシステムは、「現金投入の検知信号の入力に応じてランドリー装置の動作を制御するランドリー装置制御部(構成要件B)を有するか)について⑴ 被告ランドリーシステムの構成要件充足性前記前提事実によれば、被告ランドリーシステムは、顧客が硬貨により料 金を支払った場合、ランドリー装置に備わった硬貨選別装置3の効果受入信号発生部232が第1硬貨信号Sc1を出力すること、出力された同信号は、一旦、端末装置(ICカードリーダー)に備わった硬貨信号入力部及び硬貨信号出力部を介した上で、再度、端末装置(ランドリー装置)に戻り、料金収受部208に入力さ 1を出力すること、出力された同信号は、一旦、端末装置(ICカードリーダー)に備わった硬貨信号入力部及び硬貨信号出力部を介した上で、再度、端末装置(ランドリー装置)に戻り、料金収受部208に入力されること、これを受けて、料金収受部208は、 上記信号に基づき生成した料金収受情報Dcrを主制御部202に出力し、主制御部202は、記憶装置204に記憶された稼働状況に従って、駆動制御部206を制御すること、以上の事実が認められる(甲9公報の【図3】)。 上記認定事実によれば、被告ランドリーシステムは、機器制御装置におい て、現金が投入されたことを検知して出力される第1硬貨信号Sc1の入力 を受け、同信号に基づき、ランドリー装置を制御することが認められることからすると、上記信号に基づいてランドリー装置の動作を制御するものといえる。そうすると、構成要件Bの「現金投入の検知信号の入力に応じてランドリー装置の動作を制御する」との要件を充足するものと認めるのが相当である。 【甲9公報の図3】⑵ 被告の主張についてア被告は、被告ランドリーシステムにおいては、第1硬貨信号Sc1が一旦、ICカードリーダーを介した上で主制御部に出力されており、現金投入の検知信号が「直接」ランドリー装置の動作を制御するために用いられ るものではないから、構成要件Bを充足しないと主張する。 しかしながら、構成要件Bは「現金投入の検知信号の入力に応じてランドリー装置の動作を制御するランドリー装置制御部」と規定し、「検知信 号の入力に応じて」という文言を採用している。そして、証拠(乙5)及び弁論の全趣旨によれば、「応じて」という文言は、「相手の働きかけに対応じて行動を起こす」ことを意味するものであり、本件発明の特許請求 の入力に応じて」という文言を採用している。そして、証拠(乙5)及び弁論の全趣旨によれば、「応じて」という文言は、「相手の働きかけに対応じて行動を起こす」ことを意味するものであり、本件発明の特許請求の範囲及び本件明細書等には、検知信号が「直接」ランドリー装置制御部に出力される必要がある旨の記載はない。そうすると、構成要件Bについ て、「ランドリー装置制御部が、現金投入検知部から出力された現金投入の検知信号に基づいてランドリー装置を制御する」ことを意味するにすぎず、検知信号が直接ランドリー装置制御部に出力されることを意味するとまで解するのは相当ではない。 したがって、被告の主張は、採用することができない。 イ被告は、被告ランドリーシステムにおいては、現金とICカードの双方が使用された場合、ICカードリーダーにおいて、硬貨とICカードの情報を合算して「現金投入の検知信号と同じ信号」を出力し、ランドリー装置を制御しているのであって、「現金投入の検知信号の入力に応じて」ランドリー装置を制御しているわけではないから、構成要件Bを充足しない とも主張する。 しかしながら、被告ランドリーシステムにおいては現金を使用した場合には、機器制御装置は、硬貨が投入されたことを検知して出力される第1硬貨信号Sc1の入力を受け、ランドリー装置を制御するものであることは、上記において説示したとおりである。そして、現金とICカードの双 方が使用された場合であっても、ランドリー装置を制御するものは、第1硬貨信号Sc1を含む情報であるといえる。そうすると、被告ランドリーシステムは、「ランドリー装置制御部が、現金投入検知部から出力された現金投入の検知信号に基づいてランドリー装置を制御する」ものであるといえ、上記判断を左右するものとはいえない すると、被告ランドリーシステムは、「ランドリー装置制御部が、現金投入検知部から出力された現金投入の検知信号に基づいてランドリー装置を制御する」ものであるといえ、上記判断を左右するものとはいえない。 したがって、被告の主張は、採用することができない。 ウ被告は、本件明細書等の図1では、現金投入探知部12からの左向きの矢印が直接、有料自動機制御部10に向かっているのであるから、構成要件Bは、現金投入の検知信号が「直接」ランドリー装置の動作を制御することを規定するものであると主張する。 【図1】 しかしながら、本件明細書等には、ランドリー装置の機能に関し、「有料自動機制御部10は、現金投入検知部12から出力されたコイン信号に基づいて有料自動機Lの動作を制御するものである。」という記載(段落【0012】)がされていることが認められ、当該記載の内容に照らしても、検知信号の具体的な経路について特段の制限を設けるものとはいえ ず、上記図の意味するところが、現金投入探知部12からの検知信号が有料自動制御部10に「直接」出力されない構成を除外する趣旨であるとまで解するのは相当とはいえない。 したがって、被告の主張は、採用することができない。 エその他に、被告提出に係る準備書面及び証拠を改めて検討しても、被告 の主張は、構成要件Bにいう「応じて」の意義を正解するものとはいえ ず、前記判断を左右するものではない。被告の主張は、いずれも採用することができない。 ⑶ 以上によれば、被告ランドリーシステムは、構成要件Bを充足するものといえる。 3 争点1-2(被告ランドリーシステムにおける料金収受情報が「接続されて いる前 ることができない。 ⑶ 以上によれば、被告ランドリーシステムは、構成要件Bを充足するものといえる。 3 争点1-2(被告ランドリーシステムにおける料金収受情報が「接続されて いる前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」(構成要件C及びEに当たるか))について⑴ 「運転中であるか否かを示す情報」の意義について被告は、構成要件C及びEにいう「運転中であるか否かを示す情報」がランドリー装置の動作を検知するセンサーの検知信号に基づくものに限定され る旨主張する。 そこで検討するに、本件特許の構成要件には、そもそも「ランドリー装置の動作を検知するセンサー」という記載はなく、構成要件Eも、「前記管理サーバは、前記ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置が出力した前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を用いて、前記複数のラ ンドリー装置の各々が運転中か否かを示す運転情報を作成し」というものであり、「運転中であるか否かを示す情報」が、「ランドリー装置の動作を検知するセンサー」の検知信号に基づくものであると文言上限定するものではない。 そして、前記1⑴の本件明細書等の記載によっても、実施例等に限定されるとするような記載を認めることはできない。そうすると、構成要件C及びEにい う「運転中であるか否かを示す情報」は、ランドリー装置の動作を検知するセンサーの検知信号に基づくものに限定されるものと解するのは相当ではない。 これに対し、被告は、本件明細書等の「課題を解決するための手段」(段落【0006】、【0007】)や「発明の効果」(段落【0008】)の記載によれば、上記のような限定を付したものと解すべきである旨主張す る。 しかしながら、本件明細書等の (段落【0006】、【0007】)や「発明の効果」(段落【0008】)の記載によれば、上記のような限定を付したものと解すべきである旨主張す る。 しかしながら、本件明細書等の上記各記載は、個々のランドリー装置の設置場所に赴くことなく、それらの動作状態を確認するための一つの方法として、センサーの検知信号に基づきランドリー装置の動作状態を監視することを記載するにすぎず、上記各記載をもって、運転中であるか否かを示す情報が上記センサーの検知信号以外の情報に基づき生成されることを除外してい るものとまで解することはできない。したがって、被告の主張は、採用することができない。 その他に、被告提出に係る準備書面のその余の主張を証拠に照らして改めて検討しても、上記構成要件の記載及び本件明細書等の記載を踏まえると、上記判断を左右するものとはいえない。被告の主張は、いずれも採用するこ とができない。 ⑵ 被告ランドリーシステムの構成要件充足性ア前記前提事実によれば、被告ランドリーシステムにおける「ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」(構成要件C)に相当する端末装置は、本件料金情報を生成し、無線通信装置260を通じて上位装 置に対して本件料金情報を送信するところ、上位装置は、本件料金情報に基づき、予め設定された稼働可能時間を特定した上で経過時間の計測を開始し、経過時間が稼働可能時間を上回ったか否かを判定することにより、最終的に当該ランドリー装置が停止中であるか稼働中であるかを判断するものである。そうすると、本件料金情報は、端末識別情報TID及び料金 額CRから構成されるものであって、料金が投入された端末と投入された料金の額を特定するものにすぎず、本件料金情報のみに基づき、その時 る。そうすると、本件料金情報は、端末識別情報TID及び料金 額CRから構成されるものであって、料金が投入された端末と投入された料金の額を特定するものにすぎず、本件料金情報のみに基づき、その時点における当該ランドリー装置の稼働の有無につき判定することができないことは明らかである。 したがって、端末装置が生成する本件料金情報は、構成要件C及びEに いう「接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情 報」を充足するものと認めることはできない。 イこれに対し、原告らは、本件料金情報が稼働状況情報を生成するために用いられるものであるから、構成要件C及びEの「運転中であるか否かを示す情報」に当たる旨主張する。 しかしながら、構成要件Eは、「管理サーバは、前記ICカードリーダ ー/ライタ部と通信部とを有する装置が出力した前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を用いて、前記複数のランドリー装置の各々が運転中か否かを示す運転情報を作成し」と規定していることからすると、前記ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置が出力した情報は、その時点において、運転中であるか否かを示す情報であるもの と解するのが相当である。そうすると、本件料金情報の内容は、端末識別情報TID及び料金額CRであって、運転中であるか否かは、その後に上位装置によって初めて判定されるものであるから、端末識別情報TID及び料金額CRは、運転中であるか否かを示す情報とはいえないものと認めるのが相当である。 したがって、本件料金情報は、構成要件C及びEの「運転中であるか否かを示す情報」に該当しないと解するのが相当であり、原告らの主張は、上記判断を左右するものとはいえない。 以上によれば 。 したがって、本件料金情報は、構成要件C及びEの「運転中であるか否かを示す情報」に該当しないと解するのが相当であり、原告らの主張は、上記判断を左右するものとはいえない。 以上によれば、原告らの主張は、採用することができない。 ウその他に、原告ら提出に係る準備書面のその余の主張を証拠に照らして改 めて検討しても、原告らの主張は、構成要件が採用する文言その他上記において説示したところを踏まえると、前記判断を左右するものとはいえない。 原告らの主張は、いずれも採用することができない。 ⑶ 以上によれば、被告ランドリーシステムは、構成要件C及びEを充足するものとは認められない。 4 争点1-3(被告ランドリーシステムにおいては、「ICカードリーダー/ラ イタ部と通信部を有する装置」が「管理サーバ」に対し、「運転中であるか否かを「示す情報」(構成要件E)を送信しているか。)について前記2において判示したところを踏まえると、被告ランドリーシステムにおいては、構成要件Eにおける「ICカードリーダー/ライタ部と通信部を有する装置」に相当する端末装置が、「運転中であるか否かを示す情報」を生成している ものと認めることはできない。 したがって、被告ランドリーシステムは、構成要件Eを充足するものとは認められない。 5 争点2-1(補正要件違反)上記2及び3によれば、被告ランドリーシステムは構成要件を充足するもの とはいえず、原告らの請求は理由がないことになるが、本件事案に鑑み、本件特許の補正要件違反の有無についても判断する。 ⑴ 補正要件について特許法17条の2第3項は、特許請求の範囲等の補正については、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事 正要件違反の有無についても判断する。 ⑴ 補正要件について特許法17条の2第3項は、特許請求の範囲等の補正については、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内に おいてしなければならない旨規定するところ、ここでいう「最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項」とは、当業者によって、明細書、特許請求の範囲又は図面の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項を意味するものというべきである。そして、第三者に対する不測の損害の発生を防止し、特許権者と第三者との衡平を確保する見地からす れば、当該補正が、上記のようにして導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるときは、当該補正は「明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において」するものに当たるというべきである(知的財産高等裁判所平成18年(行ケ)第10563号同20年5月30日特別部判決参照)。 ⑵ 本件補正の内容 本件特許に係る特許出願当初の請求項1は、下記アのとおりであったところ、平成30年12月28日付けの拒絶理由通知を受けて原告らが提出した平成31年3月7日付け意見書に基づく補正(以下「本件補正」という。)により、下記のイのとおり変更された結果(甲12、13)、次のとおり、「有料自動機の動作を検知するセンサー」を構成から除外するなどの補正が されていることが認められる。 ア本件補正前の構成要件「現金を投入する現金投入部、前記現金投入部への現金の投入を検知して検知信号を出力する現金投入検知部、および、前記検知信号に基づいて有料自動機の動作を制御する有料自動機制御部を有する有料自動機の制御 システムであって、 前記現金投入部への現金の投入を検知して検知信号を出力する現金投入検知部、および、前記検知信号に基づいて有料自動機の動作を制御する有料自動機制御部を有する有料自動機の制御 システムであって、前記現金投入検知部と前記有料自動機制御部との間に接続されるポイントカード装置と、前記ポイントカード装置と電気通信回線により接続される管理サーバと、 前記有料自動機の動作を検知するセンサーとを含み、前記ポイントカード装置は、前記センサーの検知信号に基づいて前記有料自動機の動作状態を監視し、結果を前記管理サーバへ送信する動作状態監視部を有するものであり、前記管理サーバは、前記動作状態監視部から送信された前記有料自動機 の動作状態を表示する動作状態表示手段を有するものである有料自動機の制御システム。」イ本件補正後の構成要件「複数のランドリー装置の各々に対応して配置されるICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置と前記複数のランドリー装置の稼働 状況に関する情報を集める管理サーバとからなるランドリー装置の制御シ ステムであって、複数のランドリー装置の各々は、現金を投入する現金投入部、前記現金投入部への現金の投入を検知して現金投入の検知信号を出力する現金投入検知部、および、前記現金投入の検知信号の入力に応じてランドリー装置の動作を制御するランドリー装置制御部を有し、 前記ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置は、前記ICカードリーダー/ライタ部が読み取った情報に基づき前記検知信号と同じ信号を前記ランドリー装置制御部に送出し、接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を出力し、前記ランドリー装置 /ライタ部が読み取った情報に基づき前記検知信号と同じ信号を前記ランドリー装置制御部に送出し、接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を出力し、前記ランドリー装置制御部は、対応して配置されているICカードリー ダー/ライタ部と通信部とを有する装置より出力された前記現金投入の検知信号と同じ信号の入力に応じて前記ランドリー装置を制御し、前記管理サーバは、前記ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置が出力した前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を用いて、前記複数のランドリー装置の各々が運転中か否かを示す運転情 報を作成し、前記運転情報を前記管理サーバに電気通信回線を介して接続された表示装置を有する端末に提供することを特徴とするランドリー装置の制御システム。」ウ当初明細書の記載本件補正の前後を通じ、明細書の内容については変更はない。 当初明細書には、次の記載が存在する。 課題を解決するための手段「本発明の有料自動機の制御システムは、現金を投入する現金投入部、現金投入部への現金の投入を検知して検知信号を出力する現金投入検知部、および、検知信号に基づいて有料自動機の動作を制御する有料 自動機制御部を有する有料自動機の制御システムであって、現金投入検 知部と有料自動機制御部との間に接続されるポイントカード装置と、ポイントカード装置と電気通信回線により接続される管理サーバと、有料自動機の動作を検知するセンサーとを含み、ポイントカード装置は、センサーの検知信号に基づいて有料自動機の動作状態を監視し、結果を管理サーバへ送信する動作状態監視部を有するものであり、管理サーバ は、動作状態 検知するセンサーとを含み、ポイントカード装置は、センサーの検知信号に基づいて有料自動機の動作状態を監視し、結果を管理サーバへ送信する動作状態監視部を有するものであり、管理サーバ は、動作状態監視部から送信された有料自動機の動作状態を表示する動作状態表示手段を有するものである。」(段落【0006】)「これにより、有料自動機の動作を検知するセンサーの検知信号に基づいて有料自動機の動作状態が監視され、その結果が管理サーバへ送信され、管理サーバによりこの送信された有料自動機の動作状態が表示さ れる。」(段落【0007】) 発明の効果「現金投入検知部と有料自動機制御部との間に接続されるポイントカード装置と、ポイントカード装置と電気通信回線により接続される管理サーバと、有料自動機の動作を検知するセンサーとを含み、ポイントカ ード装置が、センサーの検知信号に基づいて有料自動機の動作状態を監視し、結果を管理サーバへ送信する動作状態監視部を有するものであり、管理サーバが、動作状態監視部から送信された有料自動機の動作状態を表示する動作状態表示手段を有することにより、多数の有料自動機が複数箇所に分散して設置されている場合であっても各設置場所を巡回 することなく有料自動機の動作状態を容易に確認することが可能となる。」(段落【0008】)発明を実施するための形態「有料自動機制御部10は、現金投入検知部12から出力されたコイン信号に基づいて有料自動機Lの動作を制御するものである。本実施形 態において、有料自動機Lは、洗濯機や乾燥機等のランドリー装置であ る。既存の有料自動機Lが、有料自動機制御部10、現金投入部11および現金投入検知部12を備えてい ある。本実施形 態において、有料自動機Lは、洗濯機や乾燥機等のランドリー装置であ る。既存の有料自動機Lが、有料自動機制御部10、現金投入部11および現金投入検知部12を備えている場合には、有料自動機制御部10と現金投入検知部12との間にポイントカード装置2を接続する。また、有料自動機Lの電源コードには、有料自動機Lの動作を検知するセンサーとしての電流センサー13を接続する。」(段落【0012】) 「課金処理部25は、後述する管理サーバ4の課金指示手段41の指示に基づき、指定金額の現金の投入と同じ検知信号(コイン信号)を、現金投入信号入出力部30を通じて有料自動機制御部10へ送出する。 禁止処理部26は、後述する管理サーバ4の禁止指示手段42の指示に基づき、現金投入部11への現金の投入禁止を、禁止信号出力部31を 通じて設定する。動作状態監視部27は、電流センサー13の検知信号に基づいて有料自動機Lの動作状態(運転中または空き)を監視し、結果を管理サーバ4へ送信する。」(段落【0020】)「管理サーバ4は、図2に示すように、ポイントカード装置2を指定して、ポイントの付与率を指定するポイント付与率設定手段40と、ポ イントカード装置2を指定して、指定金額の現金の投入と同じ検知信号(コイン信号)を送出することを指示する課金指示手段41と、ポイントカード装置2を指定して、現金の投入の禁止を指示する禁止指示手段42と、動作状態監視部27から送信された有料自動機Lの動作状態を表示する動作状態表示手段43とを有する。」(段落【0021】) 「また、本実施形態における有料自動機Lの制御システム1では、ポイントカード装置2が、有料自動機Lの動作を検知する電流センサー1 態表示手段43とを有する。」(段落【0021】) 「また、本実施形態における有料自動機Lの制御システム1では、ポイントカード装置2が、有料自動機Lの動作を検知する電流センサー13と、電流センサー13の検知信号に基づいて有料自動機Lの動作状態を監視し、結果を管理サーバ4へ送信する動作状態監視部27を有するものであり、管理サーバ4が、動作状態監視部27から送信された有料 自動機Lの動作状態を表示する動作状態表示手段43を有することによ り、多数の有料自動機Lが複数箇所に分散して設置されている場合であっても各設置場所を巡回することなく有料自動機Lの動作状態を容易に確認することが可能である。」(段落【0038】)⑶ 補正要件違反上記⑵によれば、本件特許の出願当初の請求項においては、本件発明の構成 として「有料自動機の動作を検知するセンサー」が含まれており、当該「センサーの検知信号に基づいて前記有料自動機の動作状態」についての監視結果を管理サーバへ送信することが規定されていた。ところが、本件補正により、「有料自動機の動作を検知するセンサー」が本件特許の構成から除外されるとともに、「ICカードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置」によって生成 された「接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報」を管理サーバに送信するという構成に変更されたことが認められる。このように、本件補正に補正された事項は、管理サーバに送信すべき情報が、有料自動機の動作を検知するセンサーの検知信号に基づくものに限られることはなく、当該センサーの検知信号以外の情報に基づくものであっても、これに含まれる というものと解するのが相当である。 これに対し、上記⑵の当初明細書等の記 号に基づくものに限られることはなく、当該センサーの検知信号以外の情報に基づくものであっても、これに含まれる というものと解するのが相当である。 これに対し、上記⑵の当初明細書等の記載内容によれば、有料自動機の動作を検知するセンサーの検知信号以外の情報に基づき、有料自動機が運転中であるか否かを判定したり、当該結果を推測したりする方法については、何ら開示されていないことが認められる。そして、当初明細書等の記載に接した当業者 において、出願時の技術常識に照らし、上記補正された事項が当初明細書等から自明である事項であるものと認めることはできない。 そうすると、本件補正は、当初明細書等に記載した事項との関係において新たな技術的事項を導入するものであると認めるのが相当であり、「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内」におい てするものということはできない。 したがって、本件補正は、特許法17条の2第3項に違反するものと認められる。 これに対し、原告らは、本件特許の審査段階において、本件補正が新たな技術的事項を導入するものと判断されておらず、本件異議申立ての審理においても訂正請求が認められているほか、当初明細書(【0038】)には、ICカ ードリーダー/ライタ部と通信部とを有する装置が接続されている前記ランドリー装置が運転中であるか否かを示す情報を生成し、出力するという技術内容が記載されている旨主張する。 しかしながら、本件補正により補正された事項が当初明細書等に記載されておらず、これが自明である事項ということもできないことは、上記において説 示したとおりである。そうすると、原告らの主張は、上記審査及び審理の経過を踏まえても、上記判断を左右する 等に記載されておらず、これが自明である事項ということもできないことは、上記において説 示したとおりである。そうすると、原告らの主張は、上記審査及び審理の経過を踏まえても、上記判断を左右するものとはいえない。また、原告らが指摘する上記当初明細書の内容は、上記⑵において認定したところによれば、電流センサーの検知信号に基づき有料自動機の動作状態を監視する構成のみを記載するものであり、センサーの検知信号によらずに動作状態を判定する構成を記 載するものではないから、原告らの主張は、上記認定と異なる前提に立って主張するものにすぎない。 したがって、原告らの主張は、いずれも採用することはできない。 ⑷ 以上によれば、本件特許は、特許無効審判により無効にされるべきものと認められることからすると、原告らは、被告に対しその権利を行使することがで きない。そうすると、原告らの請求は、その余の争点につき判断するまでもなく、理由がない。 3 結論よって、原告らの請求は理由がないから、いずれも棄却することとし、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第40部 裁判長裁判官 中島基至 裁判官 小田誉太郎 裁判官 齊藤敦 (別紙) 被告ランドリーシステム目録 1 被告ランドリーシステム1 ANewLifeLaundry甲店(●住所省略●)に備えられた、ICカードリーダーCP-02を各々備えた複数のコイン式ランドリー装 リーシステム目録 1 被告ランドリーシステム1 ANewLifeLaundry甲店(●住所省略●)に備えられた、ICカードリーダーCP-02を各々備えた複数のコイン式ランドリー装置及びICカード発行チャージ機ICV-4000CLと、B 「http:// 以下省略」のURLで特定される管理サーバとからなる、C ランドリーシステム 2 被告ランドリーシステム2ANewLifeLaundry乙店(●住所省略●)に備えられた、ICカードリーダーCP-02を各々備えた複数のコイン式ランドリー装置及びICカード発行チャージ機ICV-200CLと、 B 「http:// 以下省略」のURLで特定される管理サーバとからなる、C ランドリーシステム 3 被告ランドリーシステム3ANewLifeLaundry丙店(●住所省略●)に備えられた、I CカードリーダーCP-02を各々備えた複数のコイン式ランドリー装置及びICカード発行チャージ機ICV-4000CLと、B 「http:// 以下省略」のURLで特定される管理サーバとからなる、C ランドリーシステム (別紙)被告ランドリーシステムの構成(原告ら主張) [a] 複数のコイン式ランドリー装置に各々配置されるICカード読取り・書込み部と無線通信部と硬貨信号出力部と、料金収受情報出力部とを有するIC カードリーダーと前記複数のコイン式ランドリー装置の稼働状況に関する情報を集める稼働状況表示Webサーバーとからなるランドリー装置の制御システムであって、[b] 前記複数のコイン式ランドリー装置の各々は、硬貨が投入される硬貨投入部、前記硬貨投入部への硬貨の投入を検知して硬 働状況表示Webサーバーとからなるランドリー装置の制御システムであって、[b] 前記複数のコイン式ランドリー装置の各々は、硬貨が投入される硬貨投入部、前記硬貨投入部への硬貨の投入を検知して硬貨投入の検知信号を出力す る硬貨投入検知部とICカードリーダーからの前記硬貨投入の硬貨信号と同じ信号の入力に応じてコイン式ランドリー装置の動作を制御するランドリー機器制御部とを有し、前記コイン式ランドリー装置の動作を制御するランドリー機器制御部は、さらにICカードリーダーを経由して入力された前記硬貨投入の硬貨信号に応じてコイン式ランドリー装置の動作を制御する ものであって、[c] 前記ICカード読取り・書込み部と無線通信部と硬貨信号出力部と、料金収受情報出力部とを有するICカードリーダーは、前記ICカード読取り・書込み部が読み取った情報に基づき前記硬貨信号と同じ信号を前記ランドリー機器制御部に送出し、料金収受情報(ランドリー装置の識別情報および 料金額を含み、ICカード発行チャージ機において、コイン式ランドリー装置の稼働可能時間の特定に用いられ、コイン式ランドリー装置の実際の運転時間よりも長く運転中となるように補正されるが、複数のコイン式ランドリー装置がそれぞれ「稼働中」または「停止中」の状態であるかを示す稼働状況情報を生成するために用いられる情報)を生成し、かつ出力し、 [d] 前記ランドリー機器制御部は、対応して配置されているICカード読取り・ 書込み部と無線通信部と硬貨信号出力部と、料金収受情報出力部とを有するICカードリーダーより出力された前記硬貨投入の硬貨信号と同じ信号の入力に応じて前記コイン式ランドリー装置を制御し、[e] 製品番号がICV-4000CLのICカード発行チャージ機は、前 を有するICカードリーダーより出力された前記硬貨投入の硬貨信号と同じ信号の入力に応じて前記コイン式ランドリー装置を制御し、[e] 製品番号がICV-4000CLのICカード発行チャージ機は、前記ICカード読取り・書込み部と無線通信部と硬貨信号出力部と、料金収受情 報出力部とを有するICカードリーダーが出力した料金収受情報を用いて、稼働状況情報(前記複数のコイン式ランドリー装置の各々が運転中であると表示する時間が補正により実際に運転している時間よりも5分間長い)を作成し、製品番号がICV-200CLのICカード発行チャージ機の場合、前記1Cカード読取り・書込み部と無線通信部と硬貨信号出力部と、料金収 受情報出力部とを有する1Cカードリーダーは、料金収受情報を店舗内の管理パソコンに送信し、店舗内の管理パソコンが、料金収受情報を用いて、前記複数のコイン式ランドリー装置の各々が運転中であると推測した上で、稼働状況情報(前記複数のコイン式ランドリー装置の各々が運転中であると表示する時間が補正により実際に運転している時間よりも5分間長い)を作成 し、前記稼働状況情報(最後の料金収受情報を受信して3分間は運転中であると推測した結果を除く)に基づき、稼働状況表示Webサーバーは、機器稼働状況公開情報MOPを作成し、前記稼働状況表示Webサーバーにインターネットを介して接続された表示装置を有する端末に機器稼働状況公開情報MOPを提供することを特徴とするランドリー装置の制御システム。 (別紙)被告ランドリーシステムの構成(被告主張) [a]複数のコイン式ランドリー装置に各々配置されるICカード読取り・書込み部と無線通信部と硬貨信号出力部と、料金収受情報出力部とを有するIC 紙)被告ランドリーシステムの構成(被告主張) [a]複数のコイン式ランドリー装置に各々配置されるICカード読取り・書込み部と無線通信部と硬貨信号出力部と、料金収受情報出力部とを有するIC カードリーダーと前記複数のコイン式ランドリー装置の稼働状況に関する情報を集める稼働状況表示Webサーバーとからなるランドリー装置の制御システムであって、[b]前記複数のコイン式ランドリー装置の各々は、硬貨が投入される硬貨投入部、前記硬貨投入部への硬貨の投入を検知して硬貨投入の検知信号を出力す る硬貨投入検知部、および、ICカードリーダーからの前記硬貨投入の硬貨信号と同じ信号の入力に応じてコイン式ランドリー装置の動作を制御するランドリー機器制御部を有し、[c]前記ICカード読取り・書込み部と無線通信部と硬貨信号出力部と、料金収受情報出力部とを有するICカードリーダーは、前記ICカード読取り・ 書込み部が読み取った情報に基づき前記硬貨信号と同じ信号を前記ランドリー機器制御部に送出し、料金収受情報を生成し、かつ出力し、[d] 前記ランドリー機器制御部は、対応して配置されているICカード読取り・書込み部と無線通信部と硬貨信号出力部と、料金収受情報出力部とを有するICカードリーダーより出力された前記硬貨投入の硬貨信号と同じ信 号の入力に応じて前記コイン式ランドリー装置を制御し、[e](被告ランドリーシステム1及び3について)ICカード発行チャージ機は、前記ICカード読取り・書込み部と無線通信部と硬貨信号出力部と、料金収受情報出力部とを有するICカードリーダ ーが出力した料金収受情報を用いて、前記複数のコイン式ランドリー装置の 各々が運転中であると表示する時間が補正により実際に運転し 力部と、料金収受情報出力部とを有するICカードリーダ ーが出力した料金収受情報を用いて、前記複数のコイン式ランドリー装置の 各々が運転中であると表示する時間が補正により実際に運転している時間よりも5分間長い機器稼働情報を作成し、かつ、前記稼働状況表示Webサーバーは、前記ICカード発行チャージ機から入力された前記機器稼働情報(最後の料金収受情報を受信して3分間は運転中であると推測した結果を除く)を前記稼働状況表示Webサーバーにインターネットを介して接続さ れた表示装置を有する端末に提供することを特徴とするランドリー装置の制御システム。 (被告ランドリーシステム2について)ICカード発行チャージ機は、前記ICカード読取り・書込み部と無線通信部と硬貨信号出力部と、料金収受情報出力部とを有するICカードリーダ ーが出力した料金収受情報(接続されている前記コイン式ランドリー装置が運転中であるか否かを示さない情報)を店舗内の管理パソコンに送信し、店舗内の管理パソコンは、料金収受情報(接続されている前記コイン式ランドリー装置が運転中であるか否かを示さない情報)を用いて、前記複数のコイン式ランドリー装置の各々が運転中であると推測した上で、推測結果よりも 運転中であると表示する時間が5分間長い機器稼働情報を作成し、かつ、前記稼働状況表示Webサーバーは、前記ICカード発行チャージ機から入力された前記機器稼働情報(最後の料金収受情報を受信して3分間は運転中であると推測した結果を除く)を前記稼働状況表示Webサーバーにインターネットを介して接続された表示装置を有する端末に提供することを特徴と するランドリー装置の制御システム。 ーにインターネットを介して接続された表示装置を有する端末に提供することを特徴と するランドリー装置の制御システム。

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