【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄し、本件を高知地方裁判所に差し戻す。 理 由 上告指定代理人等の上告理由(別紙上告理由書記載)について。 <要旨>原判決が右理由書(一
主文 原判決を破棄し、本件を高知地方裁判所に差し戻す。 理由 上告指定代理人等の上告理由(別紙上告理由書記載)について。 <要旨>原判決が右理由書(一)記載のとおり判示したことはその判文上明らかであるところ、民法第一七三条は日常頻</要旨>繁に反覆して発生する性質の債権は通常短期間に行使せられ、従つて短期間の不行使によつて不存在の社会秩序が形成せられ易いとともに、比較的速やかにその法律関係が不明瞭になりがちであるから、その法律関係を速やかに確定させる趣旨の規定であると解すべきであり、従つて、同条第一号の生産者とは日常頻繁に反覆して売却せることを予定して貨物を産出することを業とするものをいい、必ずしも営利を主たる目的とするものであることを要しないと解するのが相当である。 右の解釈に副つて、高知刑務所の作業に関して、上告人が右条号の生産者に該当するとした原判決の判断は相当である。論旨は右と異なる独自の法律解釈を主張するものであつて、採用し難い。 しかし、職権で審査すると、原判決は、高知刑務所と被上告人間に昭和二五年六月一九日、右刑務所が被上告人に対し雑魚袋九六、五〇一枚を代金一三万円で売り渡す旨の売買契約が締結せられるとともに、右雑魚袋全部が授受せられたこと、右刑務所が同年九月五日被上告人に対し、右代金納入期日を同年同月一五日と定めた納入告知書を送付して支払いを求めたこと、被上告人が同年一二月四日右代金の内金七万円を支払つただけで、残代金を支払つていないことをそれぞれ認定した上、右代金債権はその履行期から起算すると昭和二七年九月一四日をもつて、一部支払いのあつた時から起算すると同年一二月三日をもつて、いずれにせよ二年の消滅時効の完成により消滅した旨判示して上告人の本件売買残代金及び損害金の各 期から起算すると昭和二七年九月一四日をもつて、一部支払いのあつた時から起算すると同年一二月三日をもつて、いずれにせよ二年の消滅時効の完成により消滅した旨判示して上告人の本件売買残代金及び損害金の各請求をすべて失当であると判断したものであることは、その判文上明らかである。 ところで、時効の完成による債権消滅の時期は時効の完成日から時効の起算日に遡及するものであることは民法第一四四条の規定から明らかであるから、右消滅の時期を二つの時効完成日のいずれかであるとした原判決の右判断は消滅時効の効果に関する法律の解釈を誤つたものである。そして、仮りに本件代金債権が、原判決認定の時効起算日の一つである昭和二五年一二月三日に遡及して消滅したとすれば、上告人の本件請求中、金一三万円に対する昭和二五年九月一六日から同年一二月三日までの間の年五分の割合による損害金の支払いを求める部分は、他に別段の事由のないかぎり、正当であるといわなければならない。また、前示原判決の認定事実によれば、本件売買契約には代金弁済期日の定めはなく、昭和二五年六月一五日は上告人が代金支払いを請求した期限であると解するほかはないところ、右の日が何故本件代金債務の履行期、従つて時効の起算日になるのかについて原判決には判示するところがない。 要するに、原判決は法律の解釈を誤つた結果、理由不備の違法をおかしたものであり、その違法は原判決に影響を及ぼすことが明らかであるばかりでなく、本件につきなお事実審理が必要であるから、民訴法第四〇七条により、原判決を破棄し、本件を高知地方裁判所に差し戻すこととして、主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官安芸修裁判官東民夫裁判官水沢武人) 主文 して、主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官安芸修 裁判官東民夫 裁判官水沢武人)
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