⚖️ 判例マッチング
ホーム判例一覧裁判所裁判官解析 / 仮想裁判
🏠ホーム📋判例一覧📄解析⚖️仮想裁判
ホーム›裁判情報一覧›昭和31(オ)592 公売処分取消請求

昭和31(オ)592 公売処分取消請求

裁判所

昭和33年5月24日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 高松高等裁判所

👤裁判官プロフィール機能は近日公開予定
全文PDFダウンロード

5,302 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告指定代理人青木義人、同堀内恒雄、同越智伝の上告理由第一点について。所論は、原判決は国税徴収法三一条ノ二の解釈を誤り本件公売処分に対しては適法な再調査請求がなかつたのをあつたものとした違法がある旨を主張する。この点について原判決の認定するところによれば、昭和二五年一二月二五日伊予三島税務署長がした本件公売処分に対し、被上告人は同二六年一月二三日上告人に異議申立書と題する書面を提出し、その後同年二月一日あらためて前記税務署長に再調査の請求をしたというのである。論旨はまず、右の異議申立書と題する書面は再調査請求書ではない旨を主張するのであるが、右書面が公売財産の所有者から提出され、不服のある処分が具体的に表示され、不服の理由も記載されている以上、右書面は国税徹収法三一条ノ一に定める再調査の請求書にあたるものというべく、その標題が異議申立書であつて再調査請求書でないからといつて、また陳情的な用語があつたからといつて、これをもつて所論のように再調査請求書でないということはできない。論旨はさらに、もし右の書面が再調査請求書であれば、処分をした税務署長に提出すべきであり、本件の場合のように上告人国税局長に提出された場合、上告人はこれを同署長に廻送すべき義務もないと主張するのである。しかし、国税局長は税務署長に対し一般監督権を有する上級行政機関であり、かつ、税法上の争訟においては上級審にあたるのであるが、国税局長も税務署長もともに国税徴収事務にあたる国の行政機関であり、国税局長も直接国民に対し課税に関する処分を行うこともあつて、一般国民にとつてその間の権限の分配が常に必ずしも明白とはいえない。- 1 -ことに、本件公 に国税徴収事務にあたる国の行政機関であり、国税局長も直接国民に対し課税に関する処分を行うこともあつて、一般国民にとつてその間の権限の分配が常に必ずしも明白とはいえない。 るのであるが、国税局長も税務署長もともに国税徴収事務にあたる国の行政機関であり、国税局長も直接国民に対し課税に関する処分を行うこともあつて、一般国民にとつてその間の権限の分配が常に必ずしも明白とはいえない。- 1 -ことに、本件公 に国税徴収事務にあたる国の行政機関であり、国税局長も直接国民に対し課税に関する処分を行うこともあつて、一般国民にとつてその間の権限の分配が常に必ずしも明白とはいえない。- 1 -ことに、本件公売処分のあつた昭和二五年三月法律六九号による国税徴収法の一部改正前には、再調査請求の規定はなく、改正後も国税局長が再調査決定機関であることもあるのである。本件の場合のように、不服の申立書が誤つて上告人に提出されることがあるのもやむを得ないものといわなければならない。もし書面の提出が再調査請求期間内であれば上告人としては適法な再調査請求があつたものとして取扱い、正当な決定機関である前記税務署長に廻送し、調査せしむべきである。この場合民訴三〇条のような移送に関する規定が、国税徴収法にないからといつて、直ちに不適法な申立として処理することは条理上からもゆるされないものといわなければならない。右のような措置は、所論のように時宜に適するかどうかの問題ではなく、国民に対する誠実信義の上からも行政機関の義務と解するのが相当である。それ故、本件においては、所論異議申立書が上告人に提出されたときに、適法な再調査の請求がなされたものと認むべきである。この趣旨と合致する原判示は結局正当であり、したがつて論旨は採ることをえない。同第二点及び第三点について。論旨は、第二点で原判決は国税徴収法三一条ノ三の解釈適用を誤つた違法がある旨を主張し、第三点で原判決は同法三一条ノ四の解釈適用を誤つた違法があると主張するのである。要するに、上告人のした本件審査決定は、前記税務署長がした再調査請求却下決定を是認したのであつて、審査決定理由中で本件公売処分は違法でない旨を説明しているけれども駄足に過ぎず、このような却下を正当とする決定を経て原処分の違法を争うことはできない旨を主張 再調査請求却下決定を是認したのであつて、審査決定理由中で本件公売処分は違法でない旨を説明しているけれども駄足に過ぎず、このような却下を正当とする決定を経て原処分の違法を争うことはできない旨を主張するに帰する。審査請求を不適法として却下する決定があり、その却下決定が正当である場合には、原処分の適否を訴訟で争うことができないのはいうまでもない。 とする決定を経て原処分の違法を争うことはできない旨を主張 再調査請求却下決定を是認したのであつて、審査決定理由中で本件公売処分は違法でない旨を説明しているけれども駄足に過ぎず、このような却下を正当とする決定を経て原処分の違法を争うことはできない旨を主張するに帰する。審査請求を不適法として却下する決定があり、その却下決定が正当である場合には、原処分の適否を訴訟で争うことができないのはいうまでもない。また却下決定が違法な場合でも、裁判所としては却下決定を取り消すに止め行政機関に本案について審理せしめることも考えられないではないが、本件の場合は、前述のように、- 2 -被上告人のした再調査請求は適法のものと解すべきのみならず、上告人は原公売処分の適否について判断を示しているのであつて、このような場合には、少くとも訴訟の前提要件としては適法に審査決定を経たものと同様に考えるべきであつて、あらためて行政機関に原処分の適否について審理判断せしめる必要はなく、裁判所は審査決定を取り消すとともに、原処分の適否について審理し判断することができるものと解するを相当とする。かく解したからといつて所論のように法令の解釈を誤つた違法があるものということはできない。論旨は理由がない。同第四点について。論旨は、原判決が審査決定庁たる上告人をもつて、公売処分取消請求について被告適格がある旨を判示したのは、行政事件訴訟特例法三条の解釈適用を誤つた違法がある旨を主張するのである。本件公売処分は前記税務署長の処分として行われているけれども、公売処分は租税債権者たる国の処分であつて税務署長はその機関として行つたものであることはいうまでもない。そして国税局長も税務署長もともに国の行政機関であつて前者は後者に対し指揮監督権を有するものであり、本件の場合上告人は審査機関として本件公売処分の適否についても判断を加え、これを はいうまでもない。そして国税局長も税務署長もともに国の行政機関であつて前者は後者に対し指揮監督権を有するものであり、本件の場合上告人は審査機関として本件公売処分の適否についても判断を加え、これを維持すべきものとしたのであるから、かかる場合においては、上告人もまた本件公売処分に関与しているものともいうべく、上告人が本件公売処分について所論のように被告適格がないとはいえない。論旨は理由がない。同第五点について。 もない。そして国税局長も税務署長もともに国の行政機関であつて前者は後者に対し指揮監督権を有するものであり、本件の場合上告人は審査機関として本件公売処分の適否についても判断を加え、これを維持すべきものとしたのであるから、かかる場合においては、上告人もまた本件公売処分に関与しているものともいうべく、上告人が本件公売処分について所論のように被告適格がないとはいえない。論旨は理由がない。同第五点について。論旨は、原判決が滞納処分による不動産差押の効力は差押調書謄本の交付によつて生ずる旨を判示したのを非難し、差押の効力は登記によつて生ずる旨を主張するのである。しかし、滞納者たる不動産所有者に対する関係においては、収税官吏が差押調書の謄本を滞納者に交付することによつて差押の効力を発生するものと解す- 3 -るを相当とする。本件の場合、原判決の認定するところによれば、公売物件中建物九棟については差押調書謄本の被上告人に対する交付がなかつたというのであるから、たとい所論のように差押の登記があつたからといつて、被上告人に対し差押の効力があつたものと解することはできない。論旨はまた、原判決が右建物九棟について、差押登記のあつたのは昭和二五年一二月二四日であつて、差押調書謄本交付の事実がなかつた旨を認定したのに対し、原判決の右認定は経験則に反する旨を主張するのである。しかし、原判決挙示の証拠と原判決の説明によれば、原判決の認定は首肯できるのであつて所論のように右認定が経験則に反するとはいえない。ことに差押調書謄本の交付については、右事実を認めるに足る証拠がないというのであるから、原判決が交付の事実を認定しなかつたのは当然である。論旨はまた、上告人は原審で、右調書謄本の送達がなくても、差押の事実を被上告人に通知してあれば差押の効力は生 めるに足る証拠がないというのであるから、原判決が交付の事実を認定しなかつたのは当然である。論旨はまた、上告人は原審で、右調書謄本の送達がなくても、差押の事実を被上告人に通知してあれば差押の効力は生ずる旨を主張したにかかわらず、原判決はこの点に関する判断を遺脱しているというのである。しかし、上告人は何時いかなる方法によつて被上告人に通知したかを具体的に主張していないのであつて、かかる主張について原判決が判断を加えなかつたからといつて違法とはいえない。論旨は理由がない。 つたのは当然である。論旨はまた、上告人は原審で、右調書謄本の送達がなくても、差押の事実を被上告人に通知してあれば差押の効力は生ずる旨を主張したにかかわらず、原判決はこの点に関する判断を遺脱しているというのである。しかし、上告人は何時いかなる方法によつて被上告人に通知したかを具体的に主張していないのであつて、かかる主張について原判決が判断を加えなかつたからといつて違法とはいえない。論旨は理由がない。同第六点について。論旨は、原判決は国税徴収法施行規則一九条の解釈適用を誤つた違法がある旨を主張し、原判決が本件公売公告は物件の明細を欠く旨を判示したのを非難するのである。公売公告にどの程度の記載をすべきか、もとより程度の問題であるけれども、原判決の認定するところによれば本件宅地及建物の一筆毎の表示及機械器具の明細についての表示を欠いているというのであつて、公告によつて広く入札希望者を集めるという趣旨からすれば本件公売公告が右施行規則一九条の趣旨にそわないものと- 4 -いい得るのであつて、原判決に所論のような違法はない(なお論旨は、原審は新聞公告を公売公告と誤解している旨述べており、この点原判示に明瞭を欠く点もあるけれども、乙一六号証の記載によつて判断をしていることは判文上明かであつて、原判決に所論のような誤解はないものと認められる)。論旨は理由がない。同第七点について。論旨は、原判決が差押の効力発生前に公売公告をした場合には、国税徴収法施行規則二二条の一〇日間の期間は差押が効力を生じた日から算定すべきものとしたのを非難するのである。もとより、右規則二二条が公告と公売との間について一〇日の期間を規定していることは条文上明かである。しかし、国税徴収法及び 期間は差押が効力を生じた日から算定すべきものとしたのを非難するのである。もとより、右規則二二条が公告と公売との間について一〇日の期間を規定していることは条文上明かである。しかし、国税徴収法及び同法施行規則は、右公売手続は財産を有効に差押えた後に行われることを前提としているのであつて、差押の効力発生前に公売公告すること自身違法といわなければならない。かりに、差押の効力発生前にした公売公告の違法性は後に差押の効力の発生によつて治癒せられるものと解しても、公売公告が適法となるのは差押の効力発生のときと解するよりほかなく、従つて右一〇日間の期間は本件のような場合においては、差押の効力発生の日から算定するのが相当であつて、この点に関する原判示は正当である。 とを前提としているのであつて、差押の効力発生前に公売公告すること自身違法といわなければならない。かりに、差押の効力発生前にした公売公告の違法性は後に差押の効力の発生によつて治癒せられるものと解しても、公売公告が適法となるのは差押の効力発生のときと解するよりほかなく、従つて右一〇日間の期間は本件のような場合においては、差押の効力発生の日から算定するのが相当であつて、この点に関する原判示は正当である。論旨は理由がない。以上説明のように本件上告は理由がないからこれを棄却することとし、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官真野毅裁判官斎藤悠輔裁判官入江俊郎裁判官下飯坂潤夫- 5 -

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る