主文 1 控訴人Aの控訴に基づき、原判決主文第1項⑴、⑵に係る請求(控訴人Aの請求)に関する部分を次のとおり変更する。 ⑴ 被控訴人Cは、控訴人Aに対し、27万5000円及びこれに対する平成31年3月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑵ 被控訴人D、被控訴人E、被控訴人F及び被控訴人Gは、控訴人Aに対し、それぞれ22万円及びこれに対する被控訴人Dは平成31年3月21日から、被控訴人E及び被控訴人Fは同月22日から、被控訴人Gは同月27日から、各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑶ 控訴人Aのその余の請求をいずれも棄却する。 2 控訴人B株式会社の控訴に基づき、原判決主文第2項⑴、⑵に係る請求(控訴人B株式会社の請求)に関する部分を次のとおり変更する。 ⑴ 被控訴人Cは、控訴人B株式会社に対し、27万5000円及びこれに対する平成31年3月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑵ 被控訴人D、被控訴人E、被控訴人F及び被控訴人Gは、控訴人B株式会社に対し、それぞれ22万円及びこれに対する被控訴人Dは平成31年3月21日から、被控訴人E及び被控訴人Fは同月22日から、被控訴人Gは同月27日から、各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑶ 控訴人B株式会社のその余の請求をいずれも棄却する。 3 被控訴人C、被控訴人D、被控訴人E及び被控訴人Fの各附帯控訴をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は、第1審、2審を通じて、控訴人らに生じた費用の50分の29、被控訴人Cに生じた費用の2分の1、被控訴人D、被控訴人E、被 控訴人F及び被控訴人Gに生じた費用の各5分の3を控訴人らの負担とし、控訴人らに生じた費用の10分の1及 た費用の50分の29、被控訴人Cに生じた費用の2分の1、被控訴人D、被控訴人E、被 控訴人F及び被控訴人Gに生じた費用の各5分の3を控訴人らの負担とし、控訴人らに生じた費用の10分の1及び被控訴人Cに生じた費用の2分の1を被控訴人Cの、控訴人らに生じた費用の25分の2及び被控訴人Dに生じた費用の5分の2を被控訴人Dの、控訴人らに生じた費用の25分の2及び被控訴人Eに生じた費用の5分の2を被控訴人Eの、控訴人らに生じた費用の25分の2及び被控訴人Fに生じた費用の5分の2を被控訴人Fの、控訴人らに生じた費用の25分の2及び被控訴人Gに生じた費用の5分の2を被控訴人Gの各負担とする。 5 この判決の第1項⑴、⑵及び第2項⑴、⑵は、仮に執行することができる。 事実 及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 控訴人らの控訴の趣旨⑴ 原判決を次のとおり変更する。 ⑵ 被控訴人らは、控訴人Aに対し、それぞれ55万円及びこれに対する被控訴人C及び被控訴人Dは平成31年3月21日から、被控訴人E及び被控訴人Fは同月22日から、被控訴人Gは同月27日から、各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 ⑶ 被控訴人らは、控訴人B株式会社に対し、それぞれ55万円及びこれに対する被控訴人C及び被控訴人Dは平成31年3月21日から、被控訴人E及び被控訴人Fは同月22日から、被控訴人Gは同月27日から、各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被控訴人Cの附帯控訴の趣旨⑴ 原判決中被控訴人Cの敗訴部分を取り消す。 ⑵ 上記部分に係る控訴人らの請求をいずれも棄却する。 3 被控訴人D、被控訴人E及び被控訴人Fの附帯控訴の趣旨 ⑴ 原判決中被控訴人D、被控訴人E及び被控訴人Fの 訴部分を取り消す。 ⑵ 上記部分に係る控訴人らの請求をいずれも棄却する。 3 被控訴人D、被控訴人E及び被控訴人Fの附帯控訴の趣旨 ⑴ 原判決中被控訴人D、被控訴人E及び被控訴人Fの各敗訴部分を取り消す。 ⑵ 上記部分に係る控訴人らの請求をいずれも棄却する。 第2 事案の概要(以下、特に断らない限り、略語は原判決の例による。) 1 本件は、控訴人らが、平成29年6月に発生した東名高速道路における死傷事故(本件事故)に関し、被控訴人C、被控訴人D、被控訴人E、被控訴人F及び被控訴人G(以下、上記5名を「被控訴人ら」という。)がインターネット上に開設された電子掲示板等に、本件事故等に係る行為について逮捕された控訴人Aと同姓の男性(本件男性)が控訴人Aの子であり、控訴人Aが代表取締役を務める控訴人B株式会社に勤務しているという虚偽の情報をそれぞれ投稿したことにより、控訴人らの名誉ないし信用を毀損したとして、被控訴人らに対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、控訴人らがいずれも被控訴人らにそれぞれ損害金55万円及びこれに対する訴状送達日の翌日(被控訴人C及び被控訴人Dにつき平成31年3月21日、被控訴人E及び被控訴人Fにつき同月22日、被控訴人Gにつき同月27日)から各支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 原審は、控訴人らの被控訴人Cに対する請求をいずれも22万円及びこれに対する平成31年3月21日から支払済みまで同割合の金員の支払を求める限度で認容し、控訴人らの被控訴人D、被控訴人E、被控訴人F及び被控訴人Gに対する請求をいずれもそれぞれ16万5000円及びこれに対する被控訴人Dは同日から、被控訴人E及び被控訴人Fは同月22日か る限度で認容し、控訴人らの被控訴人D、被控訴人E、被控訴人F及び被控訴人Gに対する請求をいずれもそれぞれ16万5000円及びこれに対する被控訴人Dは同日から、被控訴人E及び被控訴人Fは同月22日から、被控訴人Gは同月27日から各支払済みまで同割合の金員の支払を求める限度で認容し、その余の請求をいずれも棄却したところ、控訴人らがこれを不服として控訴をし、被控訴人C、被控訴人D、被控訴人E及び被控訴人Fが附帯控訴をした。 2 前提事実、争点及び争点に対する当事者の主張は、原判決の「第2 事案の 概要」の2ないし4に記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、原判決12頁3行目の冒頭から同4行目の「負うものではない。」までを「当時本件記述1と同じような内容の投稿をした者は多数存在しており、刑事事件の対象者となった者だけが控訴人らが被ったとされる損害に対し賠償を行わなければならない必然性はない。」に改める。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所は、控訴人らの被控訴人Cに対する請求をいずれも27万5000円及びこれに対する平成31年3月21日から支払済みまで年5分の割合の金員の支払を求める限度で認容し、控訴人らの被控訴人D、被控訴人E、被控訴人F及び被控訴人Gに対する請求をいずれもそれぞれ22万円及びこれに対する被控訴人Dは同日から、被控訴人E及び被控訴人Fは同月22日から、被控訴人Gは同月27日から各支払済みまで同割合の金員の支払を求める限度で認容し、その余の請求をいずれも棄却すべきであると判断する。 その理由は、次のとおり原判決を補正するほかは、原判決の「第3 当裁判所の判断」に記載のとおりであるからこれを引用する。 ⑴ 原判決17頁7行目の「44〔9~10頁〕、」の次に「53、」を加える。 ⑵ 原判決22頁25行目 補正するほかは、原判決の「第3 当裁判所の判断」に記載のとおりであるからこれを引用する。 ⑴ 原判決17頁7行目の「44〔9~10頁〕、」の次に「53、」を加える。 ⑵ 原判決22頁25行目の末尾に改行して「被控訴人Cは、業務に関係しない従業員の犯罪行為の摘示や法的に監督責任のない成人した子との親子関係の摘示は控訴人らの社会的評価を低下させるものではないなどとも主張するが、我が国の現状からして、社会的非難の対象となっている者の肉親やその者を雇用する会社に対し、その者と同様に社会的非難や不審の念が向けられることは上記のとおり少なからずあり、控訴人らの社会的評価を低下させるものというべきであるから、被控訴人Cの主張は採用することができない。」を加える。 ⑶ 原判決24頁6行目の末尾に改行して「被控訴人Dらは、罪を犯した者の使用者又は親族であるとの事実は社会的評価を低下させるものではないとも 主張するが、前記のとおり被控訴人Dらの主張は採用することができない。」を加える。 ⑷ 原判決26頁1行目の冒頭から同28頁25行目の末尾までを次のとおり改める。 「 控訴人らは、被控訴人らには本件各記述により控訴人らの社会的評価を低下させることについて故意があったと主張し、刑事事件における被控訴人らの供述調書には上記主張に沿う部分があるところ、被控訴人C及び被控訴人Dは、原審当事者尋問においてこれに反する供述をする。 これについて、原判決第3の1⑴、⑵及び甲45によれば、本件各記述は、本件事故が報道機関により大きく取り上げられて報道され、本件男性と共に同人の親族や本件男性が関連する会社についても否定的、批判的な評価がされる状況の中で投稿されたものである上、原判決第3の2のとおり、本件各記述はその内容からして控訴人ら れて報道され、本件男性と共に同人の親族や本件男性が関連する会社についても否定的、批判的な評価がされる状況の中で投稿されたものである上、原判決第3の2のとおり、本件各記述はその内容からして控訴人らの社会的評価を低下させる事実を摘示するものであり、被控訴人らはその内容を認識して投稿をしているのであるから、被控訴人らにおいて本件各記述が控訴人らの社会的評価を低下させるものであることも認識し容認していたものというべきであり、控訴人らの上記主張に沿う刑事事件における被控訴人らの供述は信用することができるが、被控訴人C及び被控訴人Dの原審当事者尋問での供述は信用できない。したがって、被控訴人らには本件各記述が控訴人らの社会的評価を低下させることについて故意があったと認められる。」⑸ 原判決29頁3行目から4行目にかけての「本件各記述により、原告らの社会的評価が低下したということができる。」を「被控訴人らは、本件各記述が控訴人らの社会的評価を低下させるものであることを認識しながらこれを容認して投稿をし、本件各記述により控訴人らの社会的評価が低下したと認められる。そして、控訴人らは、本件男性とは全くの無関係であるにもかかわらず、本件各記述により名誉や信用を大きく毀損されたことに加え、被 控訴人らにおいて、控訴人らの名誉を毀損する目的で本件各記述を投稿したとまでは認められないものの、インターネット上に投稿すれば、不特定多数の者がこれを閲覧し、拡散していくことは容易に予測できることに照らせば、被控訴人らの責任は決して軽くはないものといわざるを得ない。」に改める。 ⑹ 原判決30頁2行目から3行目にかけての「20万円というのが相当であり、本件記述1の掲載と相当因果関係を有する弁護士費用は2万円が相当である。」を「25万円が相当であり、弁護士 。」に改める。 ⑹ 原判決30頁2行目から3行目にかけての「20万円というのが相当であり、本件記述1の掲載と相当因果関係を有する弁護士費用は2万円が相当である。」を「25万円が相当であり、弁護士費用としては2万5000円が相当である。」に改め、同6行目の末尾に「また、被控訴人Cは、本件記述1と同じような投稿を行った者が多数いることを主張するが、本件虚偽情報が拡散する契機となったのは本件記述1であることは上記のとおりであり、被控訴人Cの責任を軽減させる事情とはいえないから、上記判断を左右しない。」を加える。 ⑺ 原判決30頁9行目から11行目にかけての「20万円というのが相当であり、本件記述1の掲載と相当因果関係を有する弁護士費用は2万円が相当である。」を「25万円が相当であり、弁護士費用としては2万5000円が相当である。」に改め、同17行目の末尾に「被控訴人Cは、控訴人B株式会社には、インターネット上で自ら釈明して名誉回復を試みるという対応をとらなかった過失があるなどとも主張するが、控訴人らの本件虚偽情報に対する対応等(原判決第3の1⑸)に照らし、控訴人B株式会社に損害を拡大させた責任があるとは認められないから、被控訴人Cの主張は採用できない。」を加える。 ⑻ 原判決30頁26行目から31頁2行目にかけて及び同5行目から7行目にかけての各「15万円というのが相当であり、本件記述2の掲載と相当因果関係を有する弁護士費用は1万5000円が相当である。」を「20万円が相当であり、弁護士費用としては2万円が相当である。」に改める。 ⑼ 原判決31頁15行目から17行目にかけての「各15万円というのが相 当であり、本件記述3ないし5の掲載と相当因果関係を有する弁護士費用は各1万5000円というのが相当である。」及び同21行目か 決31頁15行目から17行目にかけての「各15万円というのが相 当であり、本件記述3ないし5の掲載と相当因果関係を有する弁護士費用は各1万5000円というのが相当である。」及び同21行目から22行目にかけての「各15万円というのが相当であり、本件記述3ないし5の掲載と相当因果関係を有する弁護士費用は各1万5000円が相当である。」を「各20万円が相当であり、弁護士費用としては各2万円が相当である。」にいずれも改める。 ⑽ 原判決32頁6行目の末尾に改行して「被控訴人Dらは、控訴人らの損害は、他のインターネット上の投稿者によるものである旨を主張するが、本件記述3ないし5がそれぞれ控訴人らの社会的評価を一層低下させたことは上記のとおりである。また、被控訴人Dは、本件記述3を投稿した後に訂正記事を掲載したり、本件記述3を削除したりしたことを主張するが、被控訴人Dのこれらの行為が控訴人らの社会的評価の低下を防ぐものになったとも認められないから、上記判断に影響しない。」を加える。 2 以上のことからすれば、控訴人らの被控訴人Cに対する請求はいずれも27万5000円及びこれに対する平成31年3月21日から支払済みまで年5分の割合の金員の支払を求める限度で理由があり、控訴人らの被控訴人D、被控訴人E、被控訴人F及び被控訴人Gに対する請求はいずれもそれぞれ22万円及びこれに対する被控訴人Dは同日から、被控訴人E及び被控訴人Fは同月22日から、被控訴人Gは同月27日から各支払済みまで同割合の金員の支払を求める限度で理由がある。 よって、これと異なる原判決を異なる限度で変更することとして、主文のとおり判決する。 福岡高等裁判所第3民事部 裁判官秋本昌彦 裁判官 主文 れと異なる原判決を異なる限度で変更することとして、主文のとおり判決する。 理由 福岡高等裁判所第3民事部 裁判官秋本昌彦 裁判官浅香幹子 裁判長裁判官岩坪朗彦は、転補につき、署名押印することができない。 裁判官秋本昌彦
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