【DRY-RUN】主 文 原判決中、一審被告敗訴部分を取消す。 一審原告Aの請求を棄却する。 一審原告B、同C、同Dの本件各控訴を棄却する。 訴訟費用中、一審原告B、同C、同Dと一審被告との間に生じた控訴費用は、右
主 文 原判決中、一審被告敗訴部分を取消す。 一審原告Aの請求を棄却する。 一審原告B、同C、同Dの本件各控訴を棄却する。 訴訟費用中、一審原告B、同C、同Dと一審被告との間に生じた控訴費用は、右一 審原告らの負担とし、一審原告Aと一審被告との間に生じた訴訟費用は、第一、二 審とも同一審原告の負担とする。 事 実 一 当事者の求めた裁判 1 一審原告B、同C、同Dら、第三〇号事件につき、 原判決中、右一審原告らに関する部分を取消す。 一審被告が昭和四五年七月二五日にした一審原告Bを減給日額二分の一(八〇〇 円)、同Cを戒告、同Dを減給日額二分の一(七〇〇円)とする懲戒処分を取消 す。 訴訟費用は第一、二審とも一審被告の負担とする。 2 一審原告A、第二九号事件につき、 一審被告の本件控訴を棄却する。 控訴費用は一審被告の負担とする。 3 一審被告 (一)第二九号事件につき、 原判決中、一審被告敗訴部分を取消す。 一審原告Aの請求を棄却する。 訴訟費用は第一、二審とも一審原告Aの負担とする。 (二)第三〇号事件につき、 本件各控訴を棄却する。 控訴費用は一審原告B、同C、同Dらの負担とする。 二 当事者の主張及び証拠関係 一審原告らが当審における証人Eの証言を援用し、一審被告が当審における証人 Fの証言を援用したほかは、原判決の事実摘示と同一であるから、これを引用す る。但し、原判決一八枚目裏末行の「作業点検」を「仕業点検」と訂正する。 理 由 一 当裁判所は、一審原告らの本訴請求はいずれも失当として、これを棄却すべき ものと判断するものであるが、その理由は、次に付加し、改めるほか、原判決の理 由説示と同一であるから、これを引用する。 1 原判決三一枚目裏一一行目の「G」の次に「当審における証人E」を、同三四 枚目裏一行目の「H各証人 であるが、その理由は、次に付加し、改めるほか、原判決の理 由説示と同一であるから、これを引用する。 1 原判決三一枚目裏一一行目の「G」の次に「当審における証人E」を、同三四 枚目裏一行目の「H各証人」の次に「、当審における証人E」を各加える。 2 同三四枚目裏一二行目の「I」の次に「、当審における証人F」を加える。 3 同三六枚目裏末行以下同三七枚目表八行目までを次のとおり改める。 「4 続いて、原告Aは、午前八時一〇分頃、同作業所事務室に入つて来て、「大 里(作業所)も仕事をさせん。」と言い、事務室の電話を勝手に使用して、大里作 業所の原告Bを呼出し、仕事をしないよう連絡しようとした。その間、そのことを 聞いた業務第三係長Fが「お前が仕事をさせんのか」、「お前が仕事をやめさせる のか、」とそれをとがめたところ、「そうよ。おれよ。」、「わかつちよろが。」 等言つて、強固にその意をかえようとしなかつた。もつとも、原告Aが右電話した とき、右Bはすでに作業に出た後であつたので、大里作業所での作業の遅れは生じ なかつた。 5 前記手割作業の妨害や、抗議行動等のため、西海岸作業所での作業開始が三〇 分間遅れ、ようやく他の従業員らは清掃作業に出動したが、原告Aは、その後も、 同日は終日(所定の作業時間である午後三時五〇分まで)就労しなかつた。」 4 同三七枚目表九行目の「原告本人」を「原告A本人」と改め、同裏八行目の 「のうち、名札盤の名札をかえして業務を妨げた点」及び同一〇行目から一一行目 にかけての「()」の部分を各削除する。 5 同三八枚目表四行目以下理由末尾までを次のように改める。 「次に、原告らは、被告の本件各懲戒処分はその裁量の範囲を逸脱し、処分権の濫 用である旨主張する。 職員に懲戒事由がある場合に、懲戒権者が当該職員を懲戒処分に付すべきかどう か、懲戒するときにい る。 「次に、原告らは、被告の本件各懲戒処分はその裁量の範囲を逸脱し、処分権の濫 用である旨主張する。 職員に懲戒事由がある場合に、懲戒権者が当該職員を懲戒処分に付すべきかどう か、懲戒するときにいかなる処分を選択すべきかを決するについては公正でなけれ ばならない(同法第二七条)ことはもちろんであるが、懲戒権者は、懲戒事由に該 当すると認められる行為の原因、動機、性質、態様、結果その他諸般の事情を考慮 して、懲戒処分に付すべきかどうか、また、懲戒処分をする場合にいかなる処分を 選択すべきかを決定しうるのであつて、それらは懲戒権者の裁量に任されているも のと解される。したがつて、右の裁量は、恣意にわたることを得ないことは当然で あるが、懲戒権者が右裁量権の行使としてした懲戒処分は、それが社会観念上著し く妥当を欠いて裁量権を付与した目的を逸脱し、これを濫用したと認められる場合 でない限り、その裁量権の範囲内にあるものとして違法とならないものというべき ところ(最高裁判所昭和四七年(行ツ)第五二号同五二年一二月二〇日第三小法廷 判決・民集三一巻七号一一〇一頁参照)、前記認定のような原告らの各行為の経 緯、内容、結果等に照すと、被告のした本件各懲戒処分が、社会観念上著しく妥当 を欠き、裁量権を逸脱したものということはできず、他にこれを認めるに足りる事 情も見当らない。よつて、一審原告らの右主張は採用できない。 八 もつとも、成立に争いのない甲第一三号証によると、原告Aに対する処分説明 書には、その処分理由として、「昭和四五年七月二五日、門司清掃事務所西海岸作 業所において、出欠名札盤の名札を裏返して手割業務を妨害するなどの行為をした ものである。」とのみ記載されていて、前記六の4、5認定の行為については、同 処分説明書に具体的記載がない。しかし、前記六認定の各事実及び弁論の全趣 盤の名札を裏返して手割業務を妨害するなどの行為をした ものである。」とのみ記載されていて、前記六の4、5認定の行為については、同 処分説明書に具体的記載がない。しかし、前記六認定の各事実及び弁論の全趣旨を 総合すると、原告Aの名札盤の名札裏返しによる手割業務妨害行為と右六の4、5 認定の行為とは、同一作業所内の同一機会における一連の行為と認めることがで き、被告は、原告Aのこれら一連の行為を本件懲戒処分の対象にしたものであつ て、ただその処分説明書中の処分理由には、原告Aの前記行為のうち、最も違法性 が大であると考えた手割業務妨害行為を代表的なものとして取り上げ、他は「な ど」として包括的に表現したに過ぎないものであることが明らかである。 九 そうすると、被告が原告らに対してした本件各懲戒処分はいずれも相当であつ て、原告らの本訴請求はいずれも理由がなく、これを棄却すべきである。」 二 そうすると、原判決中、一審原告B、同C、同Dの請求を棄却した部分は相当 であるが、一審原告Aの請求を認容した部分は失当というべきである。よつて、一 審原告B、同C、同Dらの本件各控訴は理由がないのでこれを棄却し、一審被告の 本件控訴は理由があるので、原判決中、一審被告敗訴部分を取消し、一審原告Aの 請求を棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第九五条、第九六条、 第九三条、第八九条を各適用して、主文のとおり判決する。 (裁判官 斎藤次郎 原政俊 寒竹剛)
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