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昭和31(オ)215 慰藉料、損害賠償請求

裁判所

昭和33年8月5日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

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1,425 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人池留三の上告理由第一点について。所論は、民法七一一条の法意は生命を害された者の近親者以外の者に慰籍料の請求を認めないことにあると主張し、身体傷害を受けたにとゞまる被上告人B1の母被上告人B2の慰籍料請求を認容した原判決の違法をいうのである。しかし、原審の認定するところによれば、被上告人B1は、上告人の本件不法行為により顔面に傷害を受けた結果、判示のような外傷後遺症の症状となり果ては医療によつて除去しえない著明な瘢痕を遺すにいたり、ために同女の容貌は著しい影響を受け、他面その母親である被上告人B2は、夫を戦争で失い、爾来自らの内職のみによつて右B1外一児を養育しているのであり、右不法行為により精神上多大の苦痛を受けたというのである。ところで、民法七〇九条、七一〇条の各規定と対比してみると、所論民法七一一条が生命を害された者の近親者の慰籍料請求につき明文をもつて規定しているとの一事をもつて、直ちに生命侵害以外の場合はいかなる事情があつてもその近親者の慰籍料請求権がすべて否定されていると解しなければならないものではなく、むしろ、前記のような原審認定の事実関係によれば、被上告人B2はその子の死亡したときにも比肩しうべき精神上の苦痛を受けたと認められるのであつて、かゝる民法七一一条所定の場合に類する本件においては、同被上告人は、同法七〇九条、七一〇条に基いて、自己の権利として慰籍料を請求しうるものと解するのが相当である。されば、結局において右と趣旨を同じうする原審の判断は正当であり、所論は採用することができない。同第二点および第三点について。- 1 -原審は、本件事故発生当時の情況に関する認定事実と挙示の されば、結局において右と趣旨を同じうする原審の判断は正当であり、所論は採用することができない。同第二点および第三点について。 九条、七一〇条に基いて、自己の権利として慰籍料を請求しうるものと解するのが相当である。されば、結局において右と趣旨を同じうする原審の判断は正当であり、所論は採用することができない。同第二点および第三点について。- 1 -原審は、本件事故発生当時の情況に関する認定事実と挙示の されば、結局において右と趣旨を同じうする原審の判断は正当であり、所論は採用することができない。同第二点および第三点について。- 1 -原審は、本件事故発生当時の情況に関する認定事実と挙示の証拠とを綜合し、被害者である被上告人B1の当時の年令をも斟酌して、同女の過失を認めなかつたのであり、同女が責任能力を欠いていることを理由にその過失を否定したものではないから、その責任能力の有無につき判示する必要はないものというべきである。右原審の判示に経験則違背の違法は認められないし、また、右の判示により、同女の監督義務者である被上告人B2の過失を肯定する余地のないことも明らかであるから、原審が被害者の過失を斟酌しなかつたのはもとより当然であり、所論はすべて採用することができない。同第四点について。所論は、上告人に対する原判決を攻撃するものではなく、上告適法の理由とはなし得ないから、採用に値しない。よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官河村又介裁判官島保裁判官垂水克己- 2 -

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