平成18(行コ)249 所得税更正処分の一部取消請求控訴事件(原審・千葉地方裁判所平成17年(行ウ)第55号)

裁判年月日・裁判所
平成18年12月27日 東京高等裁判所 租税
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判決文本文2,235 文字)

- 1 -主文原判決中,処分行政庁が平成16年9月13日付けでした控訴人の平成15年分の所得税の更正処分のうち納付すべき税額17万2900円を超えない部分の取消しを求める部分について控訴人の請求を棄却した部分を取り消す。 上記取消部分に係る控訴人の訴えを却下する。 控訴人のその余の控訴を棄却する。 訴訟費用は,第1,2審とも,控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1当事者の申立て 控訴の趣旨( )原判決を取り消す。 ( )処分行政庁が平成16年9月13日付けでした控訴人の平成15年分の所 得税の更正処分のうち納付すべき税額11万2500円を超える部分を取り消す。 ( )訴訟費用は,第1,2審とも,被控訴人の負担とする。 控訴の趣旨に対する答弁( )本件控訴を棄却する。 ( )控訴費用は控訴人の負担とする。 第2事案の概要 事案の要旨本件は,控訴人が,破産宣告を受けた株式会社(A)の株式を譲渡したことによって損失が生じたとして所得税の申告(申告額17万2900円)をしたところ処分行政庁から損失を否認され増額更正処分を受けたことからその処分た,,(だし,申告に誤りがあったとして再計算をした後の額(申告額以下である11万2500円)を超える部分)の取消しを求める事案である。 - 2 -原審は,申告額を超えない部分の取消しを求める訴えの利益を認めた上で,控訴人のした株式の譲渡は株式等に係る譲渡所得の金額の計算上生じた損失と認められないとしてされた更正処分に違法はないとして,控訴人の請求を棄却したので,控訴人が控訴した。 法令の定め,前提となる事実,争点及び当事者の主張原判決の「事実及び理由」の「第2事案の概要」の1ないし4に記載のとお(,,,,りであるからこれを引用するただ ,控訴人が控訴した。 法令の定め,前提となる事実,争点及び当事者の主張原判決の「事実及び理由」の「第2事案の概要」の1ないし4に記載のとお(,,,,りであるからこれを引用するただし原判決4頁8行目12行目17行目「」「」,21行目及び23行目の各以下のをいずれもを超えないにそれぞれ改め15行目及び22行目の各「本件更正」の次にいずれも「処分」を,15行目の「納付すべき税額」の次に「と主張する」をそれぞれ加える。 。)第3当裁判所の判断 当裁判所は,処分行政庁が平成16年9月13日付けでした控訴人の平成15年分の所得税の更正処分のうち納付すべき税額17万2900円を超えない部分の取消しを求める部分については訴えの利益がなく不適法な訴えであるから却下すべきものであり,その余の部分については理由がないから棄却すべきものと判断する。その理由は,以下のとおりである。 争点1(本件更正処分のうち申告額を超えない部分の取消しを求める訴えの利益の有無)について納税義務者が確定申告をした後に増額更正処分がされた場合であっても,それによって納税義務者が申告を行ったという事実が消滅するわけではなく,申告によって生じた効果は上記増額更正処分の中に吸収されて引き継がれ,引き続き存続すると解するのが相当である。そして,申告納税制度の下において,納税義務者は,申告の無効を主張することができる例外的な場合を除けば,更正の請求手続によってのみその申告の誤りを是正することができるのであって(国税通則法23条,その手続を経ることなく,申告額を超えない部分の取消しを求めるこ)とは許されないと解される。 - 3 -本件についてみると,控訴人が上記の更正の請求手続を採っていないことは当,,,事者間に争いがなくまた上 となく,申告額を超えない部分の取消しを求めるこ)とは許されないと解される。 - 3 -本件についてみると,控訴人が上記の更正の請求手続を採っていないことは当,,,事者間に争いがなくまた上記例外的な場合であると認め得る証拠もないから本件更正処分のうち申告額を超えない部分の取消しを求める訴えの利益はなく,不適法というべきである。したがって,本件訴えのうち,本件更正処分のうち上記申告額を超えない部分の取消しを求める部分は不適法というべきである。 争点2(本件更正処分の適否)について控訴人の当審における主張を考慮しても,本件譲渡による損失が株式等に係る譲渡所得の金額の計算上生じた損失と認められないとしてされた本件更正処分に違法があるとは認められない。その理由は原判決の「事実及び理由」の「第3争点に対する判断」の2に記載のとおりであるからこれを引用する。 なお,控訴人は,平成17年度に創設された特定管理株式に係る規定の趣旨が上記判断の趣旨に沿う旨の説示について,それは法の遡及適用である旨論難するが,上記説示は,本件後に創設された制度も従前の法解釈の趣旨に沿うものであることをいわば注意的に指摘するにとどまるものであって,事後に創設された法によって本件当時の法の解釈を定める趣旨ではないから,控訴人の主張は前提を欠き,採用できない。 よって,以上と一部結論を異にする原判決は不当であるから,不適法な訴えに係る部分を取り消してこれを却下し,その余の控訴は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第15民事部藤村啓裁判長裁判官佐藤陽一裁判官- 4 -古久保正人裁判官 裁判長 裁判官佐藤陽一 裁判官古久保正人

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