昭和39(オ)247 調停無効確認等請求

裁判年月日・裁判所
昭和42年2月16日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所 昭和34(ネ)1434
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人佐藤軍七郎の上告理由について。  原判決の確定した事実関係によれば、

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判決文本文1,704 文字)

主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人佐藤軍七郎の上告理由について。  原判決の確定した事実関係によれば、昭和二一年七月一〇日神戸区裁判所昭和二 〇年(ノ)第一一五号遺産分割調停事件において、原判決判示の内容の調停が成立 したが、被上告人Bは、右調停により直ちに本件不動産の単独所有者となり得なか つたのは、当時公布されていた昭和二〇年大蔵省令第七八号により本件不動産のご とき財産権の移転が原則として禁止され、ただ、大蔵大臣の許可を受けた場合はこ の限りでない旨定められたが、右調停の当事者は大蔵大臣より右調停による財産権 の移転についての許可を得ることができなかつたことによるものである。しかしな がら、右大蔵省令は、昭和二〇年勅令第五四二号「ポツダム宣言ノ受諾ニ伴ヒ発ス ル命令ニ関スル件」に基づき、昭和二〇年九月一三日連合国と枢軸国財産の保護に 関する覚書の趣旨に従い制定されたものであつて、同法令においていわゆる特定国 財産の得喪移動を制限したのは、連合国のドイツその他の特定国に対する賠償請求 権の目的となつている特定国財産を昭和二〇年九月二〇日当時の現状に凍結して、 その現状変更を抑制し、将来の賠償請求権を保全するにあつたことは明らかである。 その後、右昭和二〇年勅令第五四二号に基づき、昭和二五年八月四日政令第二五二 号「ドイツ財産管理令」が制定公布され、いわゆるドイツ人財産は、昭和二四年一 〇月一三日においてアメリカ合衆国、連合王国およびフランス国(いわゆる三国) に帰属したものとされたが、このように定められた趣旨も前記の賠償請求権満足の 目的に出でたものである。されば、本件不動産が結局右賠償請求権の満足に充てら れることなく、昭和二七年四月二八日「日本国との平和条約」の発効に伴 れたが、このように定められた趣旨も前記の賠償請求権満足の 目的に出でたものである。されば、本件不動産が結局右賠償請求権の満足に充てら れることなく、昭和二七年四月二八日「日本国との平和条約」の発効に伴い、前記 - 1 - 政令第二五二号により前記三国に帰属した本件不動産を管理するいわゆる三国委員 会が昭和二七年一二月一三日附書面をもつて日本国政府に対し、本件不動産がさき に最高司令官より発せられた前記昭和二〇年九月一三日附覚書ならびに右覚書に基 づき日本国政府の制定した命令による制限の全条項より解除された旨の通知をなし、 日本国政府は、昭和二八年一月六日上告人Aならびに被上告人B代理人ハーバート・ ウイルウエーバー宛に、亡Dの遺産が三国委員会より凍結解除されたので、右両名 が兵庫県庁に出頭して右遺産を受領すべき旨通知したとの事実は、原判決の確定す るところであるから、本件不動産凍結の前示の趣旨に従えば、もはや本件調停によ る不動産所有権移転の効果を否定すべき理由がないものといわなければならない。 右と結論を同じくする原判決に所論法令の解釈を誤つた違法はない。所論は、右三 国委員会の本件不動産凍結解除の権限をも云々するが、独自の見解であつて採るを 得ない。その他、原判決には所論の違法はなく、論旨はすべて採用できない。  よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の とおり判決する。      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    入   江   俊   郎             裁判官    長   部   謹   吾             裁判官    松   田   二   郎             裁判官    岩   田       誠             裁判官    大   隅   健 一 郎 - 2 -         裁判官    松   田   二   郎             裁判官    岩   田       誠             裁判官    大   隅   健 一 郎 - 2 -

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