1 令和2年4月17日宣告 令和2年(わ)第99号 保護責任者遺棄被告事件 主 文 被告人両名をそれぞれ懲役2年に処する。 被告人両名に対し,未決勾留日数中各30日をそれぞれその刑に算入する。 被告人両名に対し,この裁判が確定した日から4年間それぞれその刑の執行 を猶予する。 理 由 (罪となるべき事実) 被告人両名は,被告人両名の実子であるA(当時5歳),B(当時3歳),C(当 時1歳)及びD(当時生後3か月)と神戸市a区b町c丁目d番e号で同居し,実 父母として前記Aら4名を保護する責任のあったものであるが,同人ら4名を同室 内に置き去りにしたままスロットをしようと考え,共謀の上,令和元年11月26 日午前10時44分頃,同人ら4名を同室内に置き去りにして外出し,もって幼年 者を遺棄したものである。 (量刑の理由) 乳児を含む幼子4名を置き去りにして外出するという犯行態様は,子らを放置し た時間が長時間にわたることも考え併せると,その生命や身体に重大な危害を及ぼ す危険性の高い悪質なものである。スロットに行くためという判示の犯行動機に酌 むべきものはない。被告人両名は,子らが寝ている間に外出して帰宅するつもりで あったため,犯行の危険性に対する認識が浅かったという趣旨を述べるけれども, 被告人両名の行動は,実子を保護する責任のある者らとして非常識なものといわざ るを得ず,強い非難を免れない。常習性もうかがえる。被告人Eは,主体的に犯行 に及んでいるし,被告人Fは,被告人Eの影響を受けたとはいえ,子らの安全より も自らと被告人Eとの関係が維持されることを優先し,結局は自らの判断で被告人 Eに追随し,犯行に及んでいる。 2 以上の犯情事実によれば,被告人両名の刑事責任を軽視することは到底できない のであって,被告人 人Eとの関係が維持されることを優先し,結局は自らの判断で被告人 Eに追随し,犯行に及んでいる。 2 以上の犯情事実によれば,被告人両名の刑事責任を軽視することは到底できない のであって,被告人両名の刑事責任は同等であるとしてそれぞれ懲役2年に処すべ きとの検察官の科刑意見は,妥当なものと考えられる。 なお,以上に加えて,福祉機関の関与等による再犯の防止が期待されること,被 告人両名がそれぞれ犯行を認め,絶対に再犯をしない旨誓って反省の態度を示して いること,前科がない(被告人Fは前歴もない)ことなど,酌むべき事情をも考慮 し,今回に限っては刑の執行を猶予することとする。 神戸地方裁判所第1刑事部 裁判官 松 井 修
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