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ホーム›裁判情報一覧›昭和40(オ)330 損害賠償等請求,同附帯控訴事件

昭和40(オ)330 損害賠償等請求,同附帯控訴事件

裁判所

昭和43年10月3日 最高裁判所第一小法廷 判決 その他 仙台高等裁判所 昭和38(ネ)24

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4,505 文字

主文 原判決および第一審判決における被上告人Bの勝訴部分中金六一万六一〇四円を超える部分、ならびに、原判決におけるその余の被上告人ら四名の勝訴部分中各金二四万七二三七円を超える部分につき、原判決を破棄し、第一審判決を取り消す。右各部分についての被上告人らの請求を棄却する。上告人らのその余の部分に対する上告を棄却する。訴訟の総費用中、被上告人Bと上告人らとの間に生じたものは、これを二分し、その一を同被上告人の負担、その余を上告人らの連帯負担とし、その余の被上告人らと上告人らとの間に生じたものは、全部上告人らの連帯負担とする。理由 上告代理人鈴木右平の上告理由第一点について。原審は、本件事故によつて死亡したDの得べかりし利益の算定根拠として、同女が、事故当時一か月につき、E株式会社F工場に勤務して金三〇〇〇円、和裁等の内職により金三〇〇〇円の収入をあげ、金五一二五円の生活費を要していたこと、および、一〇年経過後は工場からの収入がなくなることを確定し、事故後一〇年間は右収入から生活費を控除した一か年金一万〇五〇〇円、その後の一〇年間はその半額にあたる一か年金五二五〇円の純収益を得べかりしものと判断している。しかし、右確定された事実によると、事故から一〇年を経過した後においては、収入は内職による一か月金三〇〇〇円のみとなるから、生活費がそれ以下に減少しないかぎり、純収益として算定しうべきものの残らないことは、計数上明白なところであり、それにもかかわらず、原審が、生活費の減少すべき点について何ら判示することなく、収入が半減してもなお当然にそれまでの純収益の半額にあたる利益を得べかりしものと判断しているのは、明らかに理由齟齬の違法を犯したものといわなけ- 1 -れ 少すべき点について何ら判示することなく、収入が半減してもなお当然にそれまでの純収益の半額にあたる利益を得べかりしものと判断しているのは、明らかに理由齟齬の違法を犯したものといわなけ- 1 -ればならない。 減少すべき点について何ら判示することなく、収入が半減してもなお当然にそれまでの純収益の半額にあたる利益を得べかりしものと判断しているのは、明らかに理由齟齬の違法を犯したものといわなけ- 1 -れ 少すべき点について何ら判示することなく、収入が半減してもなお当然にそれまでの純収益の半額にあたる利益を得べかりしものと判断しているのは、明らかに理由齟齬の違法を犯したものといわなけ- 1 -ればならない。原審は、その確定した事実関係のもとにおいては、事故から一〇年を経過した時以降のDの得べかりし利益は、これを認めえないものとして、被上告人らの請求中右利益の喪失を原因とする部分(計算上、主文第一項記載の金額を超える部分となる。)を排斥すべきであつたのである。ただし、右時期においてDの生活費がその収入を上回ることになるとしても、その不足額をそれまでの時期における同女の収益から控除すべき理由はない。けだし、後の時期における生活費がそれまでの時期における収入を得るために必要な支出でないことはいうまでもないからである(当裁判所昭和三六年(オ)第四一三号、同三九年六月二四日第三小法廷判決、民集一八巻五号八七四頁参照)。それゆえ、論旨のうち、事故後一〇年を経過した時以降の得べかりし利益の算定を違法とする部分は理由がある(なお、この時期における損害の算定につき、原審が中間利息控除の計算方法を誤つていることも所論のとおりであるが、同時期の損害を全面的に否定すべきものとする以上、とくに取り上げる要を見ない。)が、右時期における生活費の不足分をそれまでの利益から控除すべきものとする部分は理由がなく、採用し得ない。したがつて、Dの得べかりし利益の喪失による損害額に関する原審の判断は、事故後一〇年間の分として判示する額の範囲においては正当であるが、これを上回る損害を認めた部分は失当であるから、原判決および第一審判決中、主文第一項掲記の部分は、破棄ないし取消を免れず、右部分の請求は棄却すべきものである。同第二点について。被上告人BがDの葬式費用と 損害を認めた部分は失当であるから、原判決および第一審判決中、主文第一項掲記の部分は、破棄ないし取消を免れず、右部分の請求は棄却すべきものである。同第二点について。被上告人BがDの葬式費用として原判示の支出をしたことは、原判決挙示の証拠に照らし肯認することができるし、右費用は、その額その他原審認定の諸般の事情に徴し、社会通念上不相当な支出とは解されない。 同第二点について。被上告人BがDの葬式費用と 損害を認めた部分は失当であるから、原判決および第一審判決中、主文第一項掲記の部分は、破棄ないし取消を免れず、右部分の請求は棄却すべきものである。同第二点について。被上告人BがDの葬式費用として原判示の支出をしたことは、原判決挙示の証拠に照らし肯認することができるし、右費用は、その額その他原審認定の諸般の事情に徴し、社会通念上不相当な支出とは解されない。そして、遺族の負担した葬式費用は、それが特に不相当なものでないかぎり、人の死亡事故によつて生じた必要的- 2 -出費として、加害者側の賠償すべき損害と解するのが相当であり、人が早晩死亡すべきことをもつて、右賠償を免れる理由とすることはできない。また、会葬者等から贈られる香典は、損害を補填すべき性質を有するものではないから、これを賠償額から控除すべき理由はない。叙上の点に関する原審の判断には何らの違法もなく、論旨は採用するを得ない。同第三点について。原審が、本件事故により被上告人らの被つた精神的苦痛に対する慰藉料の額を、被上告人Bにつき金六〇万円、その余の被上告人らにつき各金一〇万円とした判断は、その認定する諸般の事情に照らし、相当として首肯することができる。所論は、右判断につき理由不備の違法があるというが、もともと慰藉料は、精神的苦痛を慰藉するため、裁判所の裁量により公平の観念に従い諸般の事情を総合的に斟酌してその額を定められるべきものであつて、斟酌した事情を判決理由中において逐一説示する必要はない。また、所論は、慰藉料の二重取りを云々しているが、被上告人らがDの死亡によつて被つた自己の精神的苦痛を原因として取得する固有の慰藉料請求権とD自身の慰藉料請求権とは被害法益を異にするものであるから、後者の相続により両請求権が被上告人らに帰したからといつて、二重取りとなるわけはな た自己の精神的苦痛を原因として取得する固有の慰藉料請求権とD自身の慰藉料請求権とは被害法益を異にするものであるから、後者の相続により両請求権が被上告人らに帰したからといつて、二重取りとなるわけはない。さらに、上告人Aが香典等として金三〇〇〇円を支払つた事実が、被上告人らの慰藉料の額を決定するについても斟酌されていることは、原判文上明らかであり、その金額相当額を慰藉料額から当然に控除すべきものということができないことは、右金員の性質上明らかである。 請求権とD自身の慰藉料請求権とは被害法益を異にするものであるから、後者の相続により両請求権が被上告人らに帰したからといつて、二重取りとなるわけはない。さらに、上告人Aが香典等として金三〇〇〇円を支払つた事実が、被上告人らの慰藉料の額を決定するについても斟酌されていることは、原判文上明らかであり、その金額相当額を慰藉料額から当然に控除すべきものということができないことは、右金員の性質上明らかである。以上の各点についても、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。同第四点について。本件事故の発生原因に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし首肯することができる。そして、右事実関係によるときは、本件事故は一に上告人- 3 -Aの過失に基づくものであり、道路の右側を対面歩行していた被害者に過失を認めることはできないとした原審の判断は、正当というべきである。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断ないし事実の認定を非難し、あるいは、その認定にそわない事実を前提として原判決の違法をいうものにすぎず、採用することができない。よつて、さきに上告理由第一点について判示した破棄部分以外の点に関する上告は棄却すべきものとし、民訴法四〇八条、三九六条、三八六条、三八四条、九六条、八九条、九二条、九三条に従い、裁判官松田二郎の反対意見があるほか、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。裁判官松田二郎の反対意見は次のとおりである。慰藉料請求権は、その本質上被害者に専属する権利であつて、加害者が被害者の慰藉料請求に対し、契約または債務名義により一定額の金員を支払うべきものとされた場合等、それが通常の金銭債権と多く択ぶところなく、したがつてこれに転化したものと認められるに あつて、加害者が被害者の慰藉料請求に対し、契約または債務名義により一定額の金員を支払うべきものとされた場合等、それが通常の金銭債権と多く択ぶところなく、したがつてこれに転化したものと認められるに至つた場合にのみ、相続の対象となるものと解すべきである(その理由は、当裁判所昭和三八年(オ)第一四〇八号、同四二年一一月一日大法廷判決、民集二一巻九号二二四九頁における私の反対意見と同一であるから、それをここに引用する。)。ところが、原判決の判示するところによれば、本件の被害者Dは、加害自動三輪車に轢かれて重傷を負い、約二時間後に出血多量のため死亡するに至つたもので、わずかに、負傷直後、「何したの」「悪くないのに」と数回繰り返し、周囲の人に訴えていたことを認めることができるというにとどまり、同女の慰藉料請求権が通常の金銭債権に転化したものと認められるような事由の存しうべくもなかつたことが明らかである。 に引用する。)。ところが、原判決の判示するところによれば、本件の被害者Dは、加害自動三輪車に轢かれて重傷を負い、約二時間後に出血多量のため死亡するに至つたもので、わずかに、負傷直後、「何したの」「悪くないのに」と数回繰り返し、周囲の人に訴えていたことを認めることができるというにとどまり、同女の慰藉料請求権が通常の金銭債権に転化したものと認められるような事由の存しうべくもなかつたことが明らかである。してみれば、同女の右言辞を根拠に慰藉料を請求する意思表示があつたものと解し、そのことから直ちに右請求権が相続の対象となるとした原審の判断は違法であつて、右判断を前提とし、被上告人らがDの慰藉料請求権を相続したことを原因とする請求を認容すべきものとした部分につ- 4 -いても、原判決および第一審判決は破棄取消を免れず、右請求はこれを棄却すべきものである。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官松田二郎裁判官入江俊郎裁判官長部謹吾裁判官大隅健一郎- 5 - 部謹吾裁判官 大隅健一郎

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