平成27(ワ)24688 不正競争行為差止等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成29年6月28日 東京地方裁判所
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平成29年6月28日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成27年(ワ)第24688号不正競争行為差止等請求事件口頭弁論終結日平成29年4月26日判決 原告月島環境エンジニアリング株式会社 同訴訟代理人弁護士小池豊同櫻井彰人同粟田英一 被告マツイマシン株式会社 同訴訟代理人弁護士田上洋平同廣瀬主嘉 主文 1 被告は,別紙物件目録1ないし3記載の商品を製造し,譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示してはならない。 2 被告は,別紙物件目録1ないし3記載の商品を廃棄せよ。 3 被告は,別紙物件目録1ないし3記載の商品を製造するために使用した金型を除却せよ。 4 被告は,原告に対し,2537万4095円及びこれに対する平成27年9月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 原告のその余の請求を棄却する。 6 訴訟費用はこれを5分し,その3を被告の,その余を原告の各負担とする。 7 この判決は,第4項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1ないし3 主文同旨 4 被告は,原告に対し,5568万2000円及びこれに対する平成27年9月12日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 訴訟費用は被告の負担とする。 6 仮執行宣言 第2 事案の概要 1 本件は,原告が被告に対し,被告が製造・販売する別紙物件目録1ないし3記載の商品に関する不正競争行為の差止めを求めるものである。 みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 訴訟費用は被告の負担とする。 6 仮執行宣言 第2 事案の概要 1 本件は,原告が被告に対し,被告が製造・販売する別紙物件目録1ないし3記載の商品(以下「被告商品」という。)が,原告の商品等表示として周知な別紙原告商品目録記載の商品(以下「原告商品」という。)の形態と類似し,誤認混同のおそれがあるとして,不正競争防止法(以下「不競法」という。) 2条1項1号,3条1項に基づき,被告商品の製造・販売等の差止め,同法3条2項に基づき,被告が占有する被告商品の廃棄及び被告商品を製造するために使用した金型の除却,同法4条,5条2項に基づき,5568万2000円及びこれに対する平成27年9月12日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 前提事実(当事者間に争いのない事実又は文中に掲記した証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実)(1) 当事者ア原告は,石油精製,石油化学,ガス,製鉄,その他各種化学工業用の大気汚染防止装置等の環境改善装置の製造・販売並びに充填物の製造・販売 等を目的とする株式会社である。昭和35年に八幡化工機株式会社,昭和 45年に日鉄化工機株式会社,平成17年に月島日鉄化工機株式会社,平成18年に月島環境エンジニアリング株式会社に,それぞれ商号変更し,現在に至っている。 イ被告は,充填機及び充填物,その他関連機器・部品等の卸等を目的とする株式会社である。 (2) 原告商品の販売等原告は,昭和39年頃から,「テラレット」(TELLERETTE。昭和40年4月9日商標登録)という名称で不規則充填物(化学工場等の充填塔と呼ばれる装置の内部に充填 (2) 原告商品の販売等原告は,昭和39年頃から,「テラレット」(TELLERETTE。昭和40年4月9日商標登録)という名称で不規則充填物(化学工場等の充填塔と呼ばれる装置の内部に充填され塔内でのガス吸収操作などを行うための部材)である原告商品を製造・販売している。 テラレットには,S-O型,L型,M型,S型,S-Ⅱ型,LL型,L-Ⅱ型,S-S型の8種類の型式がある。このうち,原告商品はS-S型を除く7種類の型式である(各型式を撮影した写真は,別紙原告商品の写真一覧のとおりである。)。S-O型については,登録された実用新案権(実公昭44-14682公報。以下「実用新案権1」という。)の一実施態様に当 たるものであるが,昭和54年6月23日に実用新案権1は存続期間が満了した(乙2)。L型,M型,S型については,登録された実用新案権(実公昭47-40039公報。以下「実用新案権2」という。)の一実施態様に当たるものであったが,昭和57年12月4日に実用新案権2は存続期間が満了した(甲119)。また,S-Ⅱ型,LL型,L-Ⅱ型についても登録 された実用新案権(実公昭63-21316公報。以下「実用新案権3」という。)の一実施態様に当たるものであったが,平成9年2月26日に実用新案権3は存続期間が満了した(乙3,甲120)。 原告商品の販売開始時期は,S-O型が昭和39年6月,L型が昭和46年9月,M型が昭和52年7月,S型が昭和56年7月,S-Ⅱ型が昭和5 7年6月,LL型が昭和58年1月,L-Ⅱ型が平成7年9月,S-S型が 平成21年10月であった(甲4)。 (3) 被告商品の販売等被告は,平成24年12月から,MT-PAKという名称で不規則充填物を販売している。 被告商品は 9月,S-S型が 平成21年10月であった(甲4)。 (3) 被告商品の販売等被告は,平成24年12月から,MT-PAKという名称で不規則充填物を販売している。 被告商品は,MT-S0(なお,原告は「MT-SO」と主張し,被告は 「MT-S0」と主張しているが,以下「MT-S0」と統一して表記する。),MT-L,MT-M,MT-S,MT-SⅡ,MT-LL,MT-LⅡのサイズが存在した。 (4) 原告商品と被告商品との比較被告商品「MT-PAK」のサイズ「MT-SⅡ,MT-M,MT-L, MT-LⅡ,MT-LL」と原告商品の「S-Ⅱ型,M型,L型,L-Ⅱ型,LL型」の外径,高さ,比表面積及び空間率(空隙率)はそれぞれ同一であった。また,MT-S0とS-O型,MT-SとS型の外径,高さ,比表面積及び空間率もそれぞれ同一であったと認められる(甲2の7,甲7,甲12)。 3 争点(1) 原告商品における形態の商品等表示性(2) 原告商品と被告商品の誤認混同のおそれ(3) 被告商品の製造・販売の有無(4) 損害発生の有無及びその額 第3 争点に関する当事者の主張 1 争点(1)(原告商品における形態の商品等表示性)について〔原告の主張〕(1) 原告商品の「テラレット」という名称は,商品名であるとともに,不規則充填物の形状の一つを示す用語として用いられている(甲1の7頁図2)。 具体的な原告商品の形態は,別紙原告商品説明書記載のとおりである。そし て,原告は他社製の不規則充填物と全く異なる特殊かつ独自な形状を有する原告商品を,これまで何らの変更を加えず,長期間にわたり継続的かつ独占的に製造・販売している。そうすると,原告商品の形態は,同種のその他の商 社製の不規則充填物と全く異なる特殊かつ独自な形状を有する原告商品を,これまで何らの変更を加えず,長期間にわたり継続的かつ独占的に製造・販売している。そうすると,原告商品の形態は,同種のその他の商品と識別する極めて強い自他商品識別機能及び出所表示機能を有しているものであって,商品等表示性を有する。 原告商品は,平成18年頃には既に,遅くとも被告が被告商品の販売を開始した平成24年頃には日本国内の需要者間で広く認識され,原告商品であることを示す商品表示として周知となっていた。 (2) 被告の主張に対する反論ア原告商品の形態は,不規則充填物たる商品の技術的機能から必然的に求 められる形態ではない。不規則充填物には比表面積の確保,圧力損失及び吸収性能等の技術的機能が要求されるが,各企業は要求される技術的機能に基づき独自の商品の形状を考案して製造・販売しており,不規則充填物の形状は技術的機能から必然的に求められる形状ではない。 たとえば,原告商品に係る実用新案公報には「充填物の性能とその形状 やサイズの関係は極めて複雑でありまた理論的にこれらの関係を決定することは困難」との記載(乙2の1欄34~37行),充填物の設計に当たっては「単位体積当たりの表面積が多いこと」「ガスの通過が容易であること」「機械的強度が強いこと」「単位樹脂量からなるべく多くの表面積が得られること」「射出成形が可能であること」等の様々な要素が考慮さ れている旨の記載(乙3の1欄22行~2欄6行)があることからも明らかである。 被告の主張は,「原告商品と同一の機能は原告商品と同一の形態からしか発揮されないから,原告商品の形態には商品等表示性がない」と主張するのに等しく,誤りである。原告商品と同種商品である不規則充填物に要 求される技 商品と同一の機能は原告商品と同一の形態からしか発揮されないから,原告商品の形態には商品等表示性がない」と主張するのに等しく,誤りである。原告商品と同種商品である不規則充填物に要 求される技術的機能や特性から必然的に由来する形態と原告商品の構成を 比較するのであって,原告商品が有する技術的機能や特性から導かれる形状か否かを問題とするものではない。 イ不競法による保護は,自己の商品等表示を企業努力によって周知した者に対して,その状態が続く限りにおいて与えられるものであって,それが結果として特許権や実用新案権の存続期間よりも長い期間にわたって不競 法による保護を受けられることになっても何ら異ならない。このことは特許権や実用新案権を取得することなしに,永年にわたる企業努力の結果,特別顕著性,周知性を具備した商品も商品等表示性が認められることを考えれば一目瞭然である。原告は,実用新案権の存続期間経過後も,企業努力により原告商品の形態について商品等表示性を維持している。 よって,実用新案権1ないし3が存在していたことは不競法2条1項1号に基づく請求の妨げにはならない。 実用新案権で保護されている考案に係る形態が,商品の技術的機能に由来する必然的な結果ではなく,企業努力によって当該形態が客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有し,長期間に及ぶ継続的かつ独占的な 使用,宣伝広告等により出所表示として周知されて,不競法上の商品等表示として認められる場合には,結果的に,実用新案権の存続期間が満了した後も不競法2条1項1号の商品等表示としてその形態の保護を認めたとしても,被告が主張するように半永久的な当該形態の独占を許すようなことにはならない。 被告が引用する東京高裁平成15年5月22日判決は,実用 項1号の商品等表示としてその形態の保護を認めたとしても,被告が主張するように半永久的な当該形態の独占を許すようなことにはならない。 被告が引用する東京高裁平成15年5月22日判決は,実用新案権等の工業所有権の存続期間が満了して当該権利に基づく独占状態の影響が払拭された後においても,原告商品の形態が原告商品の出所を表示するものとして周知であるとの事情が認められれば,不競法2条1項1号を適用する余地がある旨判示している。 S-O型については,実用新案権1の権利期間が満了した昭和54年6 月23日以降も,継続的・独占的に大量に製造・販売を続けており,文献等の豊富な紹介記載や,宣伝広告等がされていた(甲4)ことから,実用新案権等の工業所有権の存続期間が満了して当該権利に基づく独占状態の影響が払拭された後においても,原告商品の形態が原告商品の出所を表示するものとして周知であるとの事情が認められる。 L型,M型,S型については,実用新案権2の権利期間が満了した昭和57年12月4日以降も,継続的・独占的に大量に製造・販売を続けており,文献等の紹介記載(甲19,21,24,25,28),雑誌における紹介記事(甲38,45),雑誌における広告(甲67,79,80),展示会における宣伝広告(甲5,82,84,86),カタログにおける広 告(甲2の7,甲93~96,99~101),特許公報等における記載(甲51,54)がされていた(甲4)ことから,実用新案権等の工業所有権の存続期間が満了して当該権利に基づく独占状態の影響が払拭された後においても,原告商品の形態が原告商品の出所を表示するものとして周知であるとの事情が認められる。 S-Ⅱ型,LL型,L-Ⅱ型については,実用新案権3の権利期間が満了した平 響が払拭された後においても,原告商品の形態が原告商品の出所を表示するものとして周知であるとの事情が認められる。 S-Ⅱ型,LL型,L-Ⅱ型については,実用新案権3の権利期間が満了した平成9年2月26日以降も,継続的・独占的に大量に製造・販売を続けていた(甲120)。具体的には,S-Ⅱにつき,平成9年4月から平成17年12月までの期間中,日本国内で3320件の顧客に対して,合計1万2856㎥,個数換算で2億2480万5000個,平成9年4 月から平成27年3月までの期間中,日本国内で6013件の顧客に対して,合計2万2487㎥,個数換算で3億9352万2500個を販売した。また,LL型につき,平成9年4月から平成17年12月までの期間中,日本国内で542件の顧客に対して,合計7222㎥,個数換算で794万4200個,平成9年4月から平成27年3月までの期間中,日本 国内で1031件の顧客に対して,合計1万5119㎥,個数換算で16 63万0900個を販売した。さらに,L-Ⅱにつき,平成9年4月から平成17年12月までの期間中,日本国内で203件の顧客に対して,合計8084㎥,個数換算で889万2400個,平成9年4月から平成27年3月までの期間中,日本国内で546件の顧客に対して,合計1万9035㎥,個数換算で2093万8500個を販売した。そして,豊富な 紹介記載や,宣伝広告等がされていた(甲4)ことから,実用新案権等の工業所有権の存続期間が満了して当該権利に基づく独占状態の影響が払拭された後においても,原告商品の形態が原告商品の出所を表示するものとして周知であるとの事情が認められる。 ウ被告が主張する日進化成株式会社(以下「日進化成」という。)は,ご く最近になって,原告商品のテラ も,原告商品の形態が原告商品の出所を表示するものとして周知であるとの事情が認められる。 ウ被告が主張する日進化成株式会社(以下「日進化成」という。)は,ご く最近になって,原告商品のテラレットと同一の商品をロゼッタ型としてインターネット上のサイトにPDFファイル化したパンフレットの形で掲示しているにすぎず,被告商品の製造販売の不正競争行為該当性には影響しない(甲109)。むしろ「テラレット型同等品」との記載は,テラレットが他の充填物とは異なる独特の形状を有していることを示している。 〔被告の主張〕(1) 被告商品の形態について被告商品の具体的な形態は,別紙被告商品説明書記載のとおりである。 (2) 原告商品の形態は,技術的機能にのみ由来するものであること原告商品の形態は,充填物としての商品の技術的機能にのみ由来する形態 であるから,商品等表示にはなり得ない。 一般に,技術的機能のみに由来する形態を不競法2条1項1号及び2号の商品等表示として認めることは,結果的に半永久的に当該形態の独占を許すことになってしまう。それゆえ,存続期間に定めのある特許法,実用新案法及び意匠法との均衡の見地から,技術的機能にのみ由来する形態は商品等表 示となり得ない(たとえば,東京地判昭和41年11月22日判時476号 45頁,東京地判平成13年3月27日判時1750号135頁,東京地判平成17年2月15日判時1891号147頁など)。 原告は,商品の技術的機能の対象を,不規則充填物として要請される機能と主張しているが,そこでいう技術的機能とは,原告商品自体が持つ機能と考えるべきである。そして,不規則充填物に種々の形態が存在するといって も,原告商品と同一の機能や特性(比表面積・空間率等)を達成するには るが,そこでいう技術的機能とは,原告商品自体が持つ機能と考えるべきである。そして,不規則充填物に種々の形態が存在するといって も,原告商品と同一の機能や特性(比表面積・空間率等)を達成するには,原告商品と同一の形態(形状)をとらざるを得ず,他の形態により達成することは不可能であって,市場においても代替可能性がないから,商品等表示性が認められない。仮に,原告の主張する見解を前提とすると,不規則充填物として特定の機能(比表面積・空間率等)を特許権等によることなく独占 することを認めることとなりかねない。そして,原告商品と同一の機能を達成するために原告商品と同一の形態をとらざるを得ないことからすると,原告商品の形状は原告商品の機能のみに基づく形状であるから,商品等表示性がないというべきである。 (3) 原告商品の形態は,他の同種商品と識別できる独特な形態的特徴である特 別顕著性も有していない。 原告商品の取引形態は,商品の陳列棚に陳列されるような物とは異なり,技術評価も経た上で採用に至るものであることからすれば,原告商品の形態が商品等表示として需要者に認識されるような取引態様ではなく,商品等表示には当たらない。 すなわち,被告における不規則充填物の一般的な取引形態は,顧客の技術部に対する販売促進(営業)活動,顧客技術部から顧客調達部(購買部)に対する引合い依頼,顧客調達部(購買部)から被告に対する引合い依頼,被告が顧客からの引合い依頼に応じて見積書を顧客調達部(購買部)に提出,被告が顧客からの引合い依頼に応じて顧客技術部に対して技術的フォローを 行う,顧客技術部において技術評価を行い,被告商品の採用の可否が判断さ れる,という一連の手続きを経た上で,最終的な価格交渉の上で決定し,顧客へ被告 部に対して技術的フォローを 行う,顧客技術部において技術評価を行い,被告商品の採用の可否が判断さ れる,という一連の手続きを経た上で,最終的な価格交渉の上で決定し,顧客へ被告商品が納入される。このように,不規則充填物は,BtoBの取引であることから,商品の陳列棚に陳列される物とは異なり,技術評価も経た上で採用に至るものであることからすれば,原告商品の形態が商品等表示として需要者に認識されるような取引形態ではない。加えて,原告商品である 「テラレット」及び被告商品である「MT-PAK」はいずれも何の包装もなされず取引されるわけではなく,被告商品については「MATSUIMACHINELTD.」と被告名を明記した袋に「MT-PAK」と被告の登録商標(乙4)を明記して納入を行っている(乙5)。このように,原告商品の取引形態は,原告商品の形態が商品等表示として需要者に認識され るような態様ではなく,原告商品の形態は商品等表示にはあたらない。 原告は,原告商品の形態が商品等表示であると需要者に認識される態様で取引されていることの根拠として,平成27年11月10日付け「当社商品の販売状況報告書その3」と題する書面(甲108。以下「甲108書面」という。)に記載されているとおり,顧客が見積依頼の際にテラレットの形 状を示した写真等を添付したことを挙げている。しかしながら,甲108書面は,見積りの依頼にあたり,顧客が欲する商品の形態を示しているだけであり,当該形態が「商品等表示」として機能していることを証するものではない。むしろ,甲108書面においては,「テラレット購入仕様書」(資料1の2頁)と明記され,商品等表示として機能しているのは商標である「テ ラレット」であり,他にも「テラレット」の記載があるこ ない。むしろ,甲108書面においては,「テラレット購入仕様書」(資料1の2頁)と明記され,商品等表示として機能しているのは商標である「テ ラレット」であり,他にも「テラレット」の記載があること(資料3ないし6)からも原告商品の形態ではなく,商標である「テラレット」が商品等表示として機能していることを証明しているにすぎない。 (4) 原告商品は,特定の商品形態として独占的に使用されていないこと(周知性がないこと) ア本件では,第三者による原告商品と同種形態の製品の販売の事実がある。 すなわち,日進化成は,遅くとも平成20年2月5日には「RosetteType/ロゼッタ型(テラレット型同等品)」として,原告商品と同一の形態を有するプラスチック製充填物を販売しており(乙6,乙7),少なくとも実用新案権3の存続期間が満了した後は,原告商品が独占的な販売状態にあったとは認められない。 イ東京高裁平成15年5月22日判決は,「特許権等の知的財産権の存在により独占状態が生じ,これに伴って周知性ないし著名性が生じるのはある意味では当然のことであり,これに基づき生じた周知性だけを根拠に,不正競争防止法の適用を認めることは,結局,知的財産権の存続期間経過後も,第三者によるその利用を妨げてしまうことに等しい。そのような事 態が,価値ある情報の提供に対する対価として,その利用の一定期間の独占を認め,期間経過後は万人にその利用を認めることにより,産業の発展に寄与するという,特許法等の目的に反することは明らかである。」と判示しており,本件における原告の周知性の主張も,実用新案権1ないし3の存在による独占状態に基づく周知性を主張しているにすぎない。また, 上記判決が判示する「第三者の同種競合製品が市場に投入 判示しており,本件における原告の周知性の主張も,実用新案権1ないし3の存在による独占状態に基づく周知性を主張しているにすぎない。また, 上記判決が判示する「第三者の同種競合製品が市場に投入されて相当期間が経過する」などという事実は本件では存在しない。 ウ原告商品は,「テラレット」との商標なしには宣伝広告がされていないのであり,商品等表示として機能しているのは「テラレット」との商標にほかならず,原告商品の形態そのものが商品等表示として機能している事 実はない。 2 争点(2)(原告商品と被告商品の誤認混同のおそれ)について〔原告の主張〕(1) 本件では,原告商品と被告商品は実質的に同一であるから,被告商品の販売行為が不競法2条1項1号所定の「他人の商品と混同」を生じさせる。実 際に,被告商品が販売されるようになってから,原告ないし原告の代理店に 対して被告商品を原告商品と誤認して注文ないし見積もりの問い合わせがされた事例が存在する(甲9,107)。 (2) 被告は,原告商品と被告商品との相違点(たとえば,原告商品のうちS-O型,S型,M型,L型につき,周辺リング間の中央リングには三角状の突起が設けられていること,被告商品のうちMT-Sにつき,周辺リングは放 射状に延伸する2個の半環状リングから構成されること,被告商品のうちMT-M,MT-L,MT-SⅡ,MT-LL,MT-LⅡにつき,外周リングに刻印がされていることなど)を指摘しているが,いずれも注意して観察しなければ分からないほどの些細な相違点にすぎないか,製造過程等で生じる微差を指摘しているにすぎない。 〔被告の主張〕(1) 原告商品と被告商品は商品等表示となり得る部分について類似性を有する部分は存在せず,それゆえ混同の にすぎないか,製造過程等で生じる微差を指摘しているにすぎない。 〔被告の主張〕(1) 原告商品と被告商品は商品等表示となり得る部分について類似性を有する部分は存在せず,それゆえ混同のおそれもおよそ生じない。 原告は原告商品の一部に会社名の略称である「TSKE」との刻印を付し,被告商品も「MT-S0」サイズ及び「MT-S」サイズを除いて,被告の 登録商標である「MT-PAK」をサイズとともに被告商品に付しており,原告商品と被告商品は商品等表示となり得る部分について類似性を有する部分は存在せず,混同のおそれも生じない。 (2) 「混同のおそれ」があるか否かは需要者層の認識についての事実問題であるとともに,法的評価の問題でもあるため,現実の混同例が存在することを もって,「混同のおそれ」があると認定することはできない(京都地裁平成7年6月22日判決(判時1603号126頁))。 3 争点(3)(被告製品の製造・販売の有無)について〔原告の主張〕被告は,平成24年ころから「MT-PAK」と称し,被告商品を製造・販 売している。被告商品には,外径,高さ,表面積及び空間率の異なる7型式(M T-S0型,MT-S型,MT-SⅡ型,MT-M型,MT-L型,MT-LⅡ型,MT-LL型)が存在し,いずれも被告が製造・販売している。 自らのパンフレットやホームページにこれらの商品を掲載していることからして,現在も被告が「MT-S0」と「MT-S」の製造・販売を継続していることは明らかであり,少なくとも製造・販売のおそれがあることは明白であ る。 〔被告の主張〕被告は,被告商品のうちMT-S0及びMT-Sを製造・販売した事実はない。被告がカタログに(甲13)に掲載していることが,実 製造・販売のおそれがあることは明白であ る。 〔被告の主張〕被告は,被告商品のうちMT-S0及びMT-Sを製造・販売した事実はない。被告がカタログに(甲13)に掲載していることが,実際にそれらの製造・販売を行っていることを意味するものではない。被告商品説明書におけるMT -S0及びMT-Sはあくまで本件訴訟の認否のために入手したものにすぎない。 4 争点(4)(損害発生の有無及びその額)について〔原告の主張〕(1) 不競法5条2項(訴状に記載された考え方を前提とした主張)について ア被告は,平成24年12月から平成27年5月までの期間中,少なくとも被告商品を,MT-S0につき400㎥,MT-Lにつき300㎥,MT-Mにつき300㎥,MT-Sにつき300㎥,MT-SⅡにつき500㎥,MT-LLにつき2366㎥,MT-LⅡにつき2298㎥販売した。 被告商品の1㎥当たりの利益額は,少なくとも,MT-S0につき2万円,MT-Lにつき1万円,MT-Mにつき1万2000円,MT-Sにつき1万6000円,MT-SⅡにつき1万2000円,MT-LLにつき6000円,MT-LⅡにつき7000円である。 したがって,平成24年12月から平成27年5月までの間に不正競争 行為により被告が得た利益の額は,少なくとも5568万2000円を下 らない。そして,上記の被告の利益額は,不競法5条2項により原告が被告の不正競争行為により被った損害の額と推定される。 イ被告は,平成24年12月から平成28年6月までの期間中,少なくとも被告商品を,MT-S0につき573㎥,MT-Lにつき430㎥,MT-Mにつき430㎥,MT-Sにつき430㎥,MT-SⅡにつき71 7㎥,MT- 2月から平成28年6月までの期間中,少なくとも被告商品を,MT-S0につき573㎥,MT-Lにつき430㎥,MT-Mにつき430㎥,MT-Sにつき430㎥,MT-SⅡにつき71 7㎥,MT-LLにつき2583㎥,MT-LⅡにつき2515㎥販売した。 被告商品の1㎥当たりの利益額は,少なくとも,MT-S0につき5万8000円,MT-Lにつき3万9000円,MT-Mにつき4万3000円,MT-Sにつき4万6000円,MT-SⅡにつき3万5000円, MT-LLにつき2万5000円,MT-LⅡにつき2万9000円である。 以上を前提にすると,平成24年12月から平成28年6月までの間に不正競争行為により被告が得た利益の額は,合計2億5087万9000円である。被告は上記合計額のうち5568万2000円を請求する。 (2) 不競法5条2項(被告が主張する被告商品の販売実績を踏まえた主張)についてア原告は,①裁判例や乙号証等に基づき,被告が主張する被告商品の販売実績記載の数値(販売価格(売上額),仕入価格等)を正しい数値に修正し,当該修正された数値に基づき,限界利益額を計算し,併せて被告の平 均的な限界利益率を推定する,②被告が主張する別紙3「MT-PAK販売実績表」(以下「別紙3」という。)には記載のない被告商品の販売実績(売上額)を推定し,当該売上額に,上記の平均的な限界利益率を乗じて,被告が販売実績として主張していない被告商品の販売から得られた被告の限界利益を推定することを主張するものであり,①及び②の限界利益 額を合算したものが,被告商品の販売により被告が得た限界利益,すなわ ち不競法第5条2項所定の原告が被った損害賠償額である。 イ被告が平成24年12月から平成28年6月ま 額を合算したものが,被告商品の販売により被告が得た限界利益,すなわ ち不競法第5条2項所定の原告が被った損害賠償額である。 イ被告が平成24年12月から平成28年6月までの間に行った被告商品の販売実績は別紙1「MT-PAK販売実績表(原告主張実績表)」(以下「別紙1」という。)に記載したとおりである。 被告が被告商品の販売によって得た限界利益の額は,別紙1の「1~3 6,38,39合計」欄の「限界利益」欄に記載された限界利益額2681万2539円と別紙1の「41~47合計」欄の「限界利益」欄に記載された限界利益額2463万2419円を合計した金額5144万4958円である(以下「原告損害計算1」という。)。 ウまた,選択的主張(売上額の推定の方法として,原則,被告商品の売上 額の推定の際に,証拠等から確認できる被告商品と同じサイズ(型式)・同じ材質の被告商品の1㎥当たりの販売単価の平均値や経費単価の平均値に基づいて,被告商品の売上額を推定する方法を採用した場合に合理的に推定される被告商品の販売により得た限界利益の額を主張)を採用した場合の,被告が被告商品の販売によって得た限界利益の額は,別紙2「MT -PAK販売実績表(原告主張実績表)(2)」(以下「別紙2」という。)の「1~36,38,39合計」欄の「限界利益」欄に記載された限界利益額2686万0299円と別紙2の「41~47合計」欄に記載された限界利益額2524万7144円を合計した金額である5210万7443円である(以下「原告損害計算2」という。)。 エしたがって,被告は被告商品の販売によって少なくとも5144万4958円又は5210万7443円の利益(限界利益)を得ていたことが認められるものであり,不競法5条2 2」という。)。 エしたがって,被告は被告商品の販売によって少なくとも5144万4958円又は5210万7443円の利益(限界利益)を得ていたことが認められるものであり,不競法5条2項に基づき,原告は同額の損害を被ったことが推定される。 (3) 別紙1又は別紙3のNo1から40までの取引に関する原告の主張 別紙1のNo1から26まで,28,31,33,36,38の各取引に ついては,「売上額(販売価額)」「仕入価格等」「限界利益」「サイズ」「材質」「数量」「注文年月日」につき当事者間に争いはない。 他方,当事者間に争いのある部分,すなわち別紙1のNo27,29,30,32,34,35,37,39,40についての原告の主張は以下に詳述するとおりである。 ア No27(争いのある部分「仕入価格等」)被告が社内での慣習として,個別の取引において薄利・赤字で受注した案件につき,他の利益率の高い案件への経費の代替え処理を行ったと主張する,平成28年11月22日付けの「陳述書」と題する書面(乙52。 以下「乙52書面」という。)添付の「別紙2」のNo10ないし16に係 る緑マーカー部分(なお,以下,平成28年8月19日付け「陳述書」と題する書面(乙51。以下「乙51書面」という。)添付の「別紙1」のうち,乙52書面添付「別紙2」の各番号に対応する緑マーカー部分も併せて「緑マーカー部分」といい,個別の番号をつける場合は「緑マーカー部分1」などという。)は,No27の倉庫費ではない。 イ No29(争いのある部分「仕入価格等」)「No29」の「仕入価格等」から,●(省略)●(乙39の1)を除外する。被告は,横持費なる費用を,被告商品の販売に要した費用として「仕入価格等」に含ませて o29(争いのある部分「仕入価格等」)「No29」の「仕入価格等」から,●(省略)●(乙39の1)を除外する。被告は,横持費なる費用を,被告商品の販売に要した費用として「仕入価格等」に含ませているが,これらの費用は被告商品の販売に要した費用であることが不明であって,上記費用は「仕入価格等」から除外すべき である。 ウ No30(争いのある部分「仕入価格等」)「No30」の「仕入価格等」から●(省略)●(乙40の1)を除外する。これらの費用は被告商品の販売に要した費用であることが不明であって,上記費用は「仕入価格等」から除外すべきである。 エ No32(争いのある部分「販売価格」) 「No32」の「販売価格」は●(省略)●である。注文書(乙42の4)には,●(省略)●と記載されている。 オ No34(争いのある部分「販売価格」)「No34」の「販売価格」は,120万2500円である。MT-LL,MT-SⅡの各販売に関する証拠が提出されていないため,「No3 4」に関する被告商品の売上額をもとに推定する。 「No34」の被告商品のうち,PP製のMT-LL3.0㎥の売上額は,平成28年11月15日付け「被告商品の売上額・仕入れ価格等に関する報告書」と題する書面(甲123。以下「甲123書面」という。)に記載の22万5000円(甲123書面の第2の1項(1))であり, 「No34」の被告商品のうち,PP製のMT-SⅡ3.0㎥の売上額は,27万7500円(甲123書面の第2の1項(2))であり,「No34」の被告商品のうち,MT-L1.2㎥の売上額は,70万円(甲123書面第2の1項(3))であって,「No34」の売上額は,上記の合計額120万2500円である(甲123書面第2の1 り,「No34」の被告商品のうち,MT-L1.2㎥の売上額は,70万円(甲123書面第2の1項(3))であって,「No34」の売上額は,上記の合計額120万2500円である(甲123書面第2の1項(4))。 被告が主張するとおり「No34」の売上額が●(省略)●にしかならず,およそ商取引としてありえないものである。また,乙44の5及び6は,見積依頼書及び見積書にすぎず,顧客からの注文内容を記載した文書ではない。さらに,被告から証拠提出された「No34」に関する顧客からの注文書は,乙44の2しかなく,その「契約名称」欄には「サイズ: MT-L」と記載されているのであるから,同号証の注文にかかる被告商品はMT-Lのみであると解すべきである。 加えて,「No34」に関する顧客からの注文は,乙44の2記載の注文の他にも存在するのであり,被告の「乙44の2には,MT-Lの記載しかないが,これは乙44の2における発注者が他の製品の記載を省略し ただけ」であるとの主張は,取引の実態を無視したものであり,それ自体 失当である。 以上のことから「No34」の売上額は120万2500円である。そして,当該金額から仕入価格等の●(省略)●を控除した残額である●(省略)●が「No34」の限界利益の額である。 カ No35(争いのある部分「販売価格」及び「仕入価格等」) 「No35」の売上額について,被告は「被告製品の売上高は他の製品の仕入れに要した金額と按分して割り付け」て,仕入価格等の割合に応じて被告商品の売上額を●(省略)●と算出しているが,必ずしも商品の売上額は仕入価格等の割合に応じて定まるものではない。 「No35」の売上額は33万3444円である。そして,当該金額か ら仕入価格等の●(省略)● (省略)●と算出しているが,必ずしも商品の売上額は仕入価格等の割合に応じて定まるものではない。 「No35」の売上額は33万3444円である。そして,当該金額か ら仕入価格等の●(省略)●を控除した残額である●(省略)●が「No35」の限界利益の額である。 キ No37(争いのある部分「限界利益」)別紙3の「No37」の取引は,限界利益が●(省略)●と赤字であるから,被告が得た利益の計算からは除外すべきである。 仮に,赤字販売があったとしても,その赤字分を侵害者利益の算出に当たって考慮することは,不正競争品の購入経費を経費として差し引くことになり,不正競争品の在庫品を廃棄する場合に比べて,不正競争を行った者が実際に不正競争品を流通頒布しているにもかかわらず,算出された侵害者利益の額が減少する結果を招くことになり,誤りである。 したがって,上記の赤字販売は,侵害者利益の算出においては除外すべきである。 ク No39(争いのある部分「仕入価格等」)「No39」の「仕入価格等」は,●(省略)●である。 被告は,乙51書面添付の「別紙14」では,対象輸入量が18㎥であ ることを前提に算出しているが,「No39」には,MT-S17.7㎥ を販売したことが記載されているから,対象輸入量を17.7㎥であることを前提に,「仕入価格等」を算出すべきである。そうすると,「No39」の「仕入価格等」は,●(省略)●である(甲123書面の第2の3項)。 ケ No40(争いのある部分「限界利益」) 別紙3の「No40」の取引は,限界利益が●(省略)●と赤字であるから,被告が得た利益の計算からは除外すべきである。 仮に,被告が主張するような無償頒布があったとしても,その赤字分を侵害者利益の算出に当 の「No40」の取引は,限界利益が●(省略)●と赤字であるから,被告が得た利益の計算からは除外すべきである。 仮に,被告が主張するような無償頒布があったとしても,その赤字分を侵害者利益の算出に当たって考慮することは,不正競争品の購入経費を経費として差し引くことになり,不正競争品の在庫品を廃棄する場合に比べ て,不正競争を行った者が実際に不正競争品を流通頒布しているにもかかわらず,算出された侵害者利益の額が減少する結果を招くことになり,誤りである。 したがって,上記の無償頒布は,侵害者利益の算出においては除外すべきである。 コ原告損害計算1の計算について以上を前提とすると,「No1」ないし「No36」,「No38」,「No39」の38件の被告商品の販売価格(売上高)は,合計1億0348万2544円であり,上記販売によって被告が得た利益(限界利益)は合計2681万円である。 さらに,上記の38件の被告商品の販売に関する被告の平均的な限界利益率は,2681万2539円÷1億0348万2544円×100=25.9%である。 サ原告損害計算2について「No34」に関する被告商品の売上額を推定し,その1㎥当たり販売 単価の平均値を使用して,「No34」の「販売価格」の記載を修正する。 具体的には,「No34」の被告商品のうち,①PP製のMT-LL3. 0㎥の売上額は,平成29年1月10日付け「被告製品の売上額・仕入れ価格等に関する報告書(2) 」と題する書面(甲124。以下「甲124書面」という。)に記載のとおり,16万9536円(甲124書面の第3の1項(1)),PP製のMT-SⅡ3.0㎥の売上額は22万5018 円(甲124書面の第3の1項(2)),MT-L1.2㎥の売上額は いう。)に記載のとおり,16万9536円(甲124書面の第3の1項(1)),PP製のMT-SⅡ3.0㎥の売上額は22万5018 円(甲124書面の第3の1項(2)),MT-L1.2㎥の売上額は70万円(甲124書面の第3の1項(3))であり,「No34」の売上額は,上記①ないし③の合計額109万4554円となる(甲124書面の第3の1項(4))。また,「No35」のUPVC製のMT-S2.0㎥の「販売価格」(売上額)について,UPVC製のMT-SⅡ1㎥当た り販売単価(乙48),PP製のMT-SⅡ1㎥当たり販売単価の平均値,PP製のMT-S1㎥当たり販売単価から,48万9150円と推定する(甲124書面の第3の2項)。 そして,上記記載の修正を経た「No1」ないし「No36」,「No38」,「No39」の38件の被告商品の販売価格(売上高)は,合計 1億0353万0304円であり,上記販売によって被告が得た利益(限界利益)は合計2686万0299円である。 さらに,上記の点を前提とした場合の38件の被告商品の販売に関する被告の平均的な限界利益率は,2686万0299円÷1億0353万0304円×100=25.9%である。 (4) 別紙1及び別紙2のNo41から47までの取引についてア取引の存在とその根拠被告が被告の販売実績として認めた各取引(別紙1のNo1~40)以外にも,被告商品を販売した実績が存在する。すなわち,緑マーカー部分の記載に対応する被告商品の販売実績が,被告が主張する販売実績のほか にも存在する。 緑マーカー部分の記載は,商品名,型式,材質,数量,単価などきわめて具体的であり,当該マーカー部分の記載から被告商品の販売の事実が存在したものといえる。 イ も存在する。 緑マーカー部分の記載は,商品名,型式,材質,数量,単価などきわめて具体的であり,当該マーカー部分の記載から被告商品の販売の事実が存在したものといえる。 イ被告の主張に対する反論被告は,被告商品が製造委託先であるA社を介して販売されるとして, A社との取引との関係のみから被告商品の売上額及び限界利益を開示しているが,被告商品の全てがA社を介して販売されることを裏付ける証拠はない。 「見積管理システム」と題する書面(乙53。以下「乙53書面」という。)には依然としてマスク部分が残存しており,完全にマスクが除去され たものではないため,記載のどの項目に被告商品に関する取引案件が記録されているのか,乙53書面の記載自体から確認できない。 緑マーカー部分についての乙52書面の説明は,被告から上記の陳述を裏付ける帳簿類・伝票類等の証拠が提出された上でのものではなく,上記の陳述は客観的な裏付けを欠き,信用できない。 緑マーカー部分,受注カード,納品書の各記載を照合すると,矛盾・齟齬・不備が確認でき,これらは被告とA社が自らの経理処理の都合に合わせて特定の経費部分のみを意識的・恣意的に取り出して他の販売取引の経費として処理するという会計操作をしたことにより生じた。 たとえば,乙65の3の納品書記載の納品日「平成27年11月30日」 と乙65の2の「支払日/形態」欄に「2016年12月末/手」と記載されていることが,支払日と納品日に期間がありすぎて不自然,不合理である。 ウ原告損害計算1について(ア) No41 緑マーカー部分1の記載(乙52書面添付の「別紙1」のNo1)につ き,対応する被告商品の売上額は,8万1159円である(甲123書面 損害計算1について(ア) No41 緑マーカー部分1の記載(乙52書面添付の「別紙1」のNo1)につ き,対応する被告商品の売上額は,8万1159円である(甲123書面の第1の1項)。 (イ) No42緑マーカー部分2の記載「MT-PAK 検品業務1」(乙52書面添付の「別紙1」のNo2)につき,対応する被告商品の売上額は,571 万円である(甲123書面の第1の2項,甲124書面の第2の2項)。 (ウ) No43緑マーカー部分3ないし9の記載「検品委託業務」(乙52書面添付の「別紙1」のNo3~9)につき,対応するPP製のMT-SⅡの売上額は,599万9928円である(甲123書面の第1の3項)。 (エ) No44緑マーカー部分10ないし16の記載「倉庫費」(乙52書面添付の「別紙1」のNo10~16)につき,対応するPP製のMT-LⅡの売上額は,8276万2977円である(甲123書面の第1の4項)。 (オ) No45 緑マーカー部分17の記載「検品費」(乙52書面添付の「別紙1」のNo17)につき,対応するPP製のMT-Sの売上額は,29万3784円である(甲123書面の第1の5項,甲124書面の第2の5項)。 (カ) No46緑マーカー部分18の記載「検査費」(乙52書面添付「別紙1」のN o18)につき,対応するPP製のMT-Sの売上額は,23万5027円である(甲123書面の第1の6項,甲124書面の第2の6項)。 (キ) No47乙51書面添付の「別紙7」の10頁の「MT-PAKSⅡ PP 0. 2」の記載につき,対応するPP製のMT-SⅡ0.2㎥の売上額は,2 万3000円である(甲123書面の第1の7項)。 (ク) 小 」の10頁の「MT-PAKSⅡ PP 0. 2」の記載につき,対応するPP製のMT-SⅡ0.2㎥の売上額は,2 万3000円である(甲123書面の第1の7項)。 (ク) 小括以上を前提にすると,原告損害計算1につき,別紙1のNo41ないし47までの取引の売上額の合計額は9510万5875円となり,これらの売上額に,上記の被告の平均的な限界利益率25.9%を乗ずると,被告の上記限界利益は,合計2463万2419円であると推定される。 したがって,原告損害計算1につき,被告が被告商品の販売によって得た限界利益の額は,前記(3)コの限界利益額2681万2539円に,上記の限界利益額2463万2419円を加算した金額である5144万4958円である。 エ原告損害計算2について 原則として同サイズ(型式)・同材質の被告商品の販売実績の1㎥当たりの販売単価・販売経費の平均値を使用して被告商品の売上額を推定するという選択的主張にかかる売上額推定方法を採用し,緑マーカー部分等に関する被告商品の売上額を推定し,上記推定された緑マーカー部分等に関する被告商品の売上額に,前記(3)サ記載の38件の販売実績に関する被告 の平均的な限界利益率25.9%を乗ずることにより,別紙3に記載されていない被告商品の販売に関する被告の限界利益額を推定すると,No41ないしNo47の取引の売上額は以下のとおりになる。 (ア) No41緑マーカー部分1の記載(乙52書面添付の「別紙1」のNo1)につ き,他のPP製のMT-SⅡの1㎥当たり販売単価の平均値から推定される,上記の「検品」に対応する被告商品の売上額は,5万2504円である(甲124書面の第2の1項)。 (イ) No42緑マーカー部分2の記載 のMT-SⅡの1㎥当たり販売単価の平均値から推定される,上記の「検品」に対応する被告商品の売上額は,5万2504円である(甲124書面の第2の1項)。 (イ) No42緑マーカー部分2の記載(乙52書面添付の「別紙1」のNo2)につ き,対応する被告商品の売上額は,571万円である(甲123書面の第 1の2項,甲124書面の第2の2項)。 (ウ) No43緑マーカー部分3ないし9の記載(乙52書面添付の「別紙1」のNo3~9)につき,他のPP製のMT-SⅡ型の1㎥当たり販売単価の平均値及びUPVC製のMT-SⅡの1㎥当たり検査費の平均値から推定され る,上記の「検品委託業務」に対応するPP製のMT-SⅡの売上額は,660万0528円である(甲124書面の第2の3項)。 (エ) No44緑マーカー部分10~16の記載(乙52書面添付の「別紙1」のNo10~16)につき,他のPP製のMT-LⅡの1㎥当たり倉庫費(倉庫 管理費)及び販売単価の平均値から推定される,上記の「倉庫費」に対応するPP製のMT-LⅡの売上額は,8457万2488円である(甲124の第2の4項)。 (オ) No45緑マーカー部分17の記載(乙52書面添付の「別紙1」のNo17) につき,対応するPP製のMT-Sの売上額は,29万3784円である(甲123書面の第1の5項,甲124書面の第2の5項)。 (カ) No46緑マーカー部分18の記載(乙52書面添付の「別紙1」のNo18)につき,対応するPP製のMT-Sの被告商品の売上額は,23万502 7円である(甲123書面の第1の6項,甲124書面の第2の6項)。 (キ) No47乙51書面添付の「別紙7」の10頁「MT-PAKSⅡ PP 0. 2」 商品の売上額は,23万502 7円である(甲123書面の第1の6項,甲124書面の第2の6項)。 (キ) No47乙51書面添付の「別紙7」の10頁「MT-PAKSⅡ PP 0. 2」の記載につき,対応するPP製のMT-SⅡ0.2㎥の売上額を,PP製のMT-SⅡ1㎥当たり販売単価の平均値を使用して求めると,1万 5001円である(甲124書面の第2の7項)。 (ク) 小括選択的主張にかかる売上額推定方法を採用した場合の,別紙3には記載のない被告商品の売上額の合計額は9747万9332円になる。 これらの売上額に,被告の平均的な限界利益率25.9%を乗ずると,No41ないしNo47にかかる被告商品の販売から得た被告の限界利益 は,合計2524万7144円であると推定される。 したがって,原告損害計算2につき,被告が被告商品の販売によって得た限界利益の額は,前記(3)サの限界利益額2686万0299円に,上記の限界利益額2524万7144円を加算した金額である5210万7443円である。 (5) 不競法9条について原告が損害を被っていることは明白であるにもかかわらず,被告から損害額立証のための証拠の提出が期待できず,しかも,被告は被告商品の取引に関する会計書類の記載内容を意図的に操作しているものであり,販売実績を裏付ける帳簿類も存在しないことから,損害額を立証するために必要な事実 を立証することが当該事実の性質上極めて困難である。したがって,被告の商品の取引がうかがわれる点について,具体的には緑マーカー部分1ないし18に記載された被告商品の販売に要した費用に対応する販売実績について,不競法9条により相当な損害額を認定すべきである。 本件は,被告により緑マーカー部分に係る被告商 体的には緑マーカー部分1ないし18に記載された被告商品の販売に要した費用に対応する販売実績について,不競法9条により相当な損害額を認定すべきである。 本件は,被告により緑マーカー部分に係る被告商品が販売されるという不 競法2条1項1号所定の不正競争行為が行われ,現実の誤認混同も生じて原告に損害が発生している事案であるから,同法9条所定の「不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟において,損害が生じたことが認められる場合」に該当することが明らかである。 さらに,本件では,同法5条2項所定の侵害者利益の額が問題となってい るところ,上記の侵害者利益を算定する基礎となる間接事実たる被告商品の 売上額や仕入価格等について,被告が緑マーカー部分に係る被告商品の売上げに要した費用を,別の費目として付け替えたかのような不当な会計処理を行っていることを主張・陳述していることから,被告において上記の被告商品の売上げを裏付ける資料等を提出することが到底期待できず,当然に権利者側である原告がこれらを立証することがその事実の性質からして極めて困 難であるといい得るものであり,同法9条を適用することに何ら支障はない。 〔被告の主張〕(1) 不競法5条2項ア原告の主張(1)の主張は,否認ないし争う。 イ被告が平成24年12月から平成28年6月までの間に行った被告商品 の販売実績は別紙3に記載したとおりである。 被告が被告商品の販売によって得た利益の額は,別紙3の「合計」欄の「限界利益」欄に記載された2312万3425円又は2319万3095円であった。 (2) 別紙1又は別紙3のNo1ないしNo40までの取引に関する被告の主張 原告の推計計算の主張は,否認ないし争う。 ア No27(争いのある部 5円又は2319万3095円であった。 (2) 別紙1又は別紙3のNo1ないしNo40までの取引に関する被告の主張 原告の推計計算の主張は,否認ないし争う。 ア No27(争いのある部分「仕入価格等」)No27は,販売価格●(省略)●の大型の戦略競争案件のため,営業担当者が代替処理を行った。 乙52書面記載のとおり,被告は,本来金型費用として計上すべき費用 を金型費用とは異なる科目で経費計上していたことや,薄利赤字の案件を他の収益率の高い案件にかかった経費として計上する経費の代替え処理を慣行として行っていた。 イ No29(争いのある部分「仕入価格等」)「横持費」とは顧客への出荷までの間にA社において被告商品を保管で きない場合に,A社から外部倉庫へ一時保管するために運搬する費用であ り,No29の販売のために直接に要した費用であるから,被告の得た利益(限界利益)を算定する上で控除しなければならない費用である。 ウ No30(争いのある部分「仕入価格等」)「横持費」は,上記のとおり外部倉庫へ一時保管するための運搬費用であり,No30の販売のために直接に要した費用であるから,被告の得た 利益(限界利益)を算定する上で控除しなければならない費用である。 また,No30の「荷降ろし費」は,顧客の都合で製品の受け取りがすぐにはできず,荷降ろしの時間がずれ込んだため,急遽現地の外注人員を手配する必要が生じたために支出した費用である。 したがって,当該荷降ろし費も,No30における被告商品の販売のた めに直接要した費用であるから,被告の得た利益(限界利益)を算定する上で控除しなければならない費用である。 エ No32(争いのある部分「販売価格」)被告の計算は,そ 被告商品の販売のた めに直接要した費用であるから,被告の得た利益(限界利益)を算定する上で控除しなければならない費用である。 エ No32(争いのある部分「販売価格」)被告の計算は,それぞれの総取引に占める仕入価格の割合で販売価格を算出したものである(乙51書面添付の別紙8及び9)。No32及びN o33の取引については,被告商品の金額の内訳が記載されていることから,当該金額を販売価格と解釈することも可能であるが,しかし,No32の取引では一つの取引で2種の充填物及び梱包・輸送費及び掛費用からまとめて1割の値引きを行っていること(乙42の4)からすれば,各内訳の金額からそれぞれ1割減額して売上金額を算定すべきである。 したがって,販売価格は●(省略)●となる。 オ No34(争いのある部分「販売価格」)乙44の5の見積依頼書及び乙44の6の見積書から自明なとおり,乙44の2の注文書はMT-SⅡ及びMT-LLの発注を含むものである。 乙44の5の見積依頼書記載の「依頼番号」と乙44の6の見積書記載の 「貴社依頼番号」がともに「16H-n0044」であることから,乙4 4の5の見積依頼書に対応する被告の見積書が乙44の6であることが理解できる。 さらに,No34の受注カード(乙44の7)には,客先注文No.欄に,乙44の2の注文書記載の「購買発注番号」が記載されており,他方,乙44の6の見積書記載の「見積番号」と,乙44の7に記載の「Job No.」が一致していることから,乙44の2の注文書はMT-SⅡ及びMT-LLの発注を含む事実が証明される。 そして,受注カード上の粗利益は●(省略)●であり(乙44の7),別紙3における限界利益である●(省略)●が低すぎるとの原告の主張は 理由 はMT-SⅡ及びMT-LLの発注を含む事実が証明される。 そして,受注カード上の粗利益は●(省略)●であり(乙44の7),別紙3における限界利益である●(省略)●が低すぎるとの原告の主張は理由がない。No34の取引案件は,輸入品が存在したため,利益率が低 かったのである。 そもそも,被告が乙44の6の見積書●(省略)●を出しておいて,それより高額の取引が成約する(1製品で70万円)などということがあり得ないことは,わざわざ商慣習や商取引上の常識を持ち出す必要性すらない当然のことである。 よって,No34における被告の限界利益が「51万6698円」であるとの原告の主張は理由がない。 カ No35(争いのある部分「販売価格」及び「仕入価格等」)No35は他の製品と一連一体の取引であり,仕入額に応じて対応売上額を算定することは,極めて合理的である。 UPVC製MT-SⅡの販売は,No37においてもされているのであり,No37の販売価格を前提に,甲123書面と同一の計算式で販売価格を算出すると,●(省略)●となる。 よって,被告は原告の主張を有利に援用して,販売実績No35の販売価格は,主位的には●(省略)●,予備的には乙51書面添付の別紙10 に基づき●(省略)●と主張する。 仕入価格等は,●(省略)●である。 キ No37(争いのある部分「限界利益」)被告商品は,顧客からの見積依頼,被告からA社への見積依頼,A社から被告への見積,被告から顧客への見積,顧客から被告への発注,被告からA社への発注との取引をとるのであるから(乙51),被告としては被 告商品の在庫は有していない。顧客からの依頼により,一時保管のために倉庫費を支出することはあるが(乙25の1等),既に受注済みの物で への発注との取引をとるのであるから(乙51),被告としては被 告商品の在庫は有していない。顧客からの依頼により,一時保管のために倉庫費を支出することはあるが(乙25の1等),既に受注済みの物であり,在庫を保管しているわけではない。 このように在庫を有していない以上,本件訴訟の結果如何にかかわらず,被告に被告商品の廃棄費用は生じない。 そもそも,原告の挙げる大阪地裁の裁判例は,不正競争行為者が,在庫を保有しており,かつ,在庫品の大部分を訴状送達後に廉価販売するとともに,販売価格より高額で返品を受けたという事案であり,本件とは大きく事案を異にする。 被告商品を顧客に販売する上で,営業上赤字が生じてしまったものであ り,他の取引の成立に貢献している一連一体のものであるから,当該取引のみを限界利益の算出から除外すべき理由はない。 ク No39(争いのある部分「仕入価格等」)検品費用として●(省略)●を支出しているため(緑マーカー部分17),これを加算すると●(省略)●となる。 ケ No40(争いのある部分「限界利益」)No39はNo40と一体の取引であり,被告のシステム上異なるTP-No.が付されたにすぎないのであるから,No39は利益の額に参入し,No40をこれに含めないなどということは論理的に考えられない。 (3) 別紙1及び別紙2のNo41から47までの取引について ア原告主張の取引が存在しないこと 不競法5条2項は,損害額の推定規定(法律上の事実推定)であり,同条項に該当する具体的事実(被告が侵害の行為により受けた利益の額)の主張立証責任は原告が負う。当該具体的事実が真偽不明の場合,その不利益は原告が負うものであり,「被告が侵害の行為により受けた利益の額」の 該当する具体的事実(被告が侵害の行為により受けた利益の額)の主張立証責任は原告が負う。当該具体的事実が真偽不明の場合,その不利益は原告が負うものであり,「被告が侵害の行為により受けた利益の額」の証明責任までも転換する規定ではない。緑マーカー部分については,こ れに対応する具体的な販売事実を原告が主張立証しなければならない。 別紙1のNo41ないしNo47に対応する原告の主張は,否認ないし争う。かかる被告商品の取引は存在しない。被告は,乙54の2以下の受注カードの客先注文NO.(乙73別紙乙56の2の「Ⓕ」の記載等)に対応する注文書は全て乙54の1以下の書証として提出しており,これら の注文書における注文金額と受注カードにおける契約金額(乙73別紙乙56の2の「Ⓖ」の記載等)が一致していることから,乙54の2以下に提出の受注カードに対応する他の注文書が存在しないことは明らかである。 被告は,緑マーカー部分につき,次のとおり証拠に基づいて具体的に説明する。 (ア) 緑マーカー部分1についてカスケードミニリングを発注したものであり,被告商品ではない(乙54の1)。乙54の1の注文書記載の注文番号と乙54の2の受注カード記載の客先注文Noが「MF27-0005」で一致し,乙54の1及び乙54の2記載の契約金額が●(省略)●で一致していることか らも裏付けられる。 なお,乙54の2記載の●(省略)●は金型費用を代替したものである。 (イ) 緑マーカー部分2についてカスケードミニリングを発注したものであり,被告商品ではない(乙 55の2)。乙55の1の注文書記載の注文番号と乙55の3の受注カ ード記載の客先注文Noが「000034037」で一致し,乙55 ングを発注したものであり,被告商品ではない(乙 55の2)。乙55の1の注文書記載の注文番号と乙55の3の受注カ ード記載の客先注文Noが「000034037」で一致し,乙55の1記載の合計金額と乙55の3記載の契約金額が●(省略)●で一致していることからも裏付けられる。 なお,乙55の3記載の●(省略)●は金型費用を代替したものである。 (ウ) 緑マーカー部分3についてカスケードミニリングを発注したものであり,被告商品ではない(乙56の1)。乙56の1の注文書記載の契約番号と乙56の2の受注カード記載の客先注文Noが「D0170666-01」で一致し,乙56の1の合計金額と乙56の2の契約金額が●(省略)●で一致してい ることからも裏付けられる。 なお,乙56の2記載の●(省略)●は金型費用を代替したものである。 (エ) 緑マーカー部分4についてカスケードミニリングを発注したものであり,被告商品ではない(乙 57の1)。乙57の2の受注カード記載の客先注文Noと乙57の1の注文書記載の工事番号が「2143005」で一致し,乙57の1記載の合計金額と乙57の2記載の契約金額が●(省略)●で一致していることからも裏付けられる。 なお,乙57の2の●(省略)●は金型費用を代替したものである。 (オ) 緑マーカー部分5についてスクラバーを発注したものであり,被告商品ではない(乙58の1)。 スクラバーはカスケードミニリングについてのものである(乙58の2)。 乙58の1の注文書記載の見積書No「PP-34001/TP33704」と乙58の3の受注カード記載のJobNo「TP-33704」 となり,乙58の4の受注カード記載のJobNoが「PP-340 8の1の注文書記載の見積書No「PP-34001/TP33704」と乙58の3の受注カード記載のJobNo「TP-33704」 となり,乙58の4の受注カード記載のJobNoが「PP-3400 1」と一致していること,乙58の3及び4の契約金額の合計が●(省略)●となり,乙58の1の品代計欄記載の金額と一致していることからも裏付けられる。 なお,乙58の3の●(省略)●は金型費用を代替したものである。 (カ) 緑マーカー部分6について カスケードミニリングについて発注したものであり,被告商品ではない(乙59の1,59の2)。乙59の1の注文書記載の品代計,注文番号及び見積書Noの記載と乙59の3の受注カード記載の契約金額,客先注文No.及びJobNo.がそれぞれ一致していることからも裏付けられる。 なお,乙59の3の●(省略)●は,金型費用を当該案件に代替したものである。 (キ) 緑マーカー部分7についてディストリビュータートレイ及びフリースタンディングストラクチャーを発注したものであり,被告商品ではない(乙60の1)。乙60の 2の受注カード記載の客先注文No「201314872-00」と乙60の1の注文書記載の注文Noとが一致し,乙60の1の合計金額と乙60の2の契約金額がともに●(省略)●と一致していることからも裏付けられる。 なお,乙60の2の●(省略)●は金型費用を当該案件に代替したも のである。 (ク) 緑マーカー部分8についてカスケードミニリングを発注したものであり,被告商品ではない(乙61の1)。乙61の2の受注カード記載の客先注文No.「0005689556」と乙61の1の注文書記載の注文番号が一致し,乙61 カスケードミニリングを発注したものであり,被告商品ではない(乙61の1)。乙61の2の受注カード記載の客先注文No.「0005689556」と乙61の1の注文書記載の注文番号が一致し,乙61 の1の合計金額と,乙61の2の契約金額がともに●(省略)●と一致 していることからも裏付けられる。 なお,乙61の2の●(省略)●は金型費用を当該案件に代替したものである。 (ケ) 緑マーカー部分9についてMC500S,MC350S及びMI-PAKについての注文であり, 被告商品ではない(乙62の1,62の2)。乙62の1の注文書及び乙62の2の見積書,そして乙62の3の受注カードと乙62の4の受注カードの契約金額の合計額が同一であり,乙62の4の客先注文No. 欄に,乙62の1の購買管理番号と同一である「201406IH7B」との記載が一致することからも裏付けられる。 なお,乙62の3の●(省略)●は,金型費用を当該案件に代替したものである。 (コ) 緑マーカー部分10についてカスケードミニリングを発注したものであり,被告商品ではない(乙63の1)。乙63の2の受注カード記載の客先注文No.「AA02 271670」と,乙63の1の発注書記載の注番が一致し,乙63の1の合計金額●(省略)●と,乙63の2の契約金額●(省略)●が一致していることからも裏付けられる。 なお,乙63の2の●(省略)●は金型費用を当該案件に代替したものである。 (サ) 緑マーカー部分11について「CMRNo.0P」についての注文であり,被告商品ではない(乙64の1,64の2)。乙64の1の注文書記載の購買依頼NO,貴社見積NOと乙64の2の見積書記載の貴社参照番号,見積番号がそれぞ 「CMRNo.0P」についての注文であり,被告商品ではない(乙64の1,64の2)。乙64の1の注文書記載の購買依頼NO,貴社見積NOと乙64の2の見積書記載の貴社参照番号,見積番号がそれぞれ一致し,金額も一致し,乙64の1及び2,そして乙64の3の受注 カード記載の契約金額が同一であり,乙64の3の客先注文No.欄に, 乙64の1の購買発注NO.と同一である「4505524452-00010」との記載があることからも裏付けられる。 なお,乙64の2の●(省略)●は,取引No27の倉庫費を当該案件に代替したものである。 (シ) 緑マーカー部分12について カスケードミニリングを発注したものであり,被告商品ではない(乙55の2)。 なお,乙55の3の受注カード記載の●(省略)●は,No27の倉庫費を当該案件に代替した。 (ス) 緑マーカー部分13について カスケードミニリングを発注したものであり,被告商品ではない(乙65の1)。乙65の2の受注カード記載の客先注文No.「MK-29-484-226」と,乙65の1の注文書記載の注文番号「MK-29-484-226」が一致し,乙65の1の合計金額と,乙65の2の契約金額がともに●(省略)●と一致していることからも裏付けら れる。 なお,乙65の2の●(省略)●はNo27の倉庫費を当該案件に代替した。 (セ) 緑マーカー部分14について乙66の1及び2の各注文書は,原告の親会社である月島機械株式会 社からの注文であり,被告商品の注文でないことは,原告も当然認識可能な事実である。乙66の1及び2の合計金額と,乙66の3の受注カード記載の契約金額がともに●(省略)●と一致していること,乙66の1の購入仕様書No.と乙66 の注文でないことは,原告も当然認識可能な事実である。乙66の1及び2の合計金額と,乙66の3の受注カード記載の契約金額がともに●(省略)●と一致していること,乙66の1の購入仕様書No.と乙66の3の客先注文No.が一致していることからも明らかである。 なお,乙66の3の●(省略)●は,No27の倉庫費を当該案件に 代替したものである。 (ソ) 緑マーカー部分15についてカスケードミニリングを発注したものであり,被告商品ではない(乙67の1)。乙67の2の受注カード記載の客先注文No.「E0256038-01」と,乙67の1の注文書記載の契約番号「E0256 038-01」が一致し,乙67の1の合計金額と,乙67の2の契約金額がともに●(省略)●と一致していることからも明らかである。 なお,乙67の2の●(省略)●は,取引No27の倉庫費を当該案件に代替したものである。 (タ) 緑マーカー部分16について 「CMRNo.1.5P」についての注文であり,被告商品ではない(乙68の1,68の2)。乙68の1の注文書と乙68の2の見積書記載の見積番号「TP-35552-2」,御問合せNo.「14010-05」との記載及び金額が合致し,乙68の1の合計額,PR. NO.及び貴見積NO.と乙68の3の受注カード記載の契約金額,客 先注文No.及びJobNo.がそれぞれ一致している。 なお,乙68の3の●(省略)●は,取引No27の倉庫費を当該案件に代替したものである。 (チ) 緑マーカー部分17についてカスケードミニリングを発注したものであり,被告商品ではない(乙 69の1)。乙69の2の受注カード記載の客先注文No.「MK-29-484-661」と,乙69の1の注文書記載の注文 ついてカスケードミニリングを発注したものであり,被告商品ではない(乙 69の1)。乙69の2の受注カード記載の客先注文No.「MK-29-484-661」と,乙69の1の注文書記載の注文番号「MK-29-484-661」が一致し,乙69の1の合計金額と乙69の2の契約金額がともに●(省略)●と一致していることからも裏付けられる。 なお,乙69の2の●(省略)●は取引No39の検品費と袋詰替え 費を当該案件に代替した。 (ツ) 緑マーカー部分18について「CMRNo.1.5P」についての注文であり,被告商品ではない(乙70の1,70の2)。乙70の1の注文書と乙70の2の見積書が見積番号「TP-36002」,改訂番号「Rev.2」貴社仕様 書番号「SES01-27-118」との記載及び金額が一致し,乙70の1の合計額,工事番号.及び貴社見積No.と乙70の3の受注カード記載の契約金額,客先注文No.及びJobNo.がそれぞれ一致していることからも裏付けられる。 なお,乙70の3の●(省略)●は取引No40の検品費と袋詰替え 費を当該案件に代替した。 (テ) 乙51書面添付の「別紙7」の10頁「MT-PAKSⅡ PP 0. 2」の記載について(別紙1及び2のNo47の取引)乙51書面の当該箇所の単価及び合計は0円となっている。これは,一旦A社へ発注後,顧客からキャンセルとなったため,A社に対しての 発注をキャンセルしたためである。 したがって,当該部分についての被告商品の販売実績は存在しない。 イ原告の主張に対する反論(取引の存在について)被告は,本来金型費用として計上すべき費用を金型費用とは異なる科目で経費計上していたことや,薄利赤字の案件を他の収益率の高い案件 績は存在しない。 イ原告の主張に対する反論(取引の存在について)被告は,本来金型費用として計上すべき費用を金型費用とは異なる科目で経費計上していたことや,薄利赤字の案件を他の収益率の高い案件にか かった経費として計上する経費の代替処理を行っていたが,かかる事実をもって,原告が主張するように別紙1のNo41から47までの取引が推認されるわけではない。 被告における案件ごとの経費の代替処理は,低利益率の案件を生じさせないためである(乙52)。15年以上,慣行として行っており(乙52, 71。たとえば,乙71のように金型費の代替処理について社内で相談し, 最終的に乙52書面の別紙2の通り処理した。)。企業会計上,売買契約において個別の取引案件ごとの利益率を算定する必要はなく,被告としてのトータルでの仕入原価と売上高に誤りがない以上,法的(税法含む)に問題はない。 乙53書面の黒塗り部分は被告の仕入先名が記載されているだけであり, 被告の仕入先名を開示したところで,被告商品に関する取引案件の有無を乙53書面のみから理解することは不可能である。そして,乙53書面に記載の仕入先名は,被告の重要な営業秘密であり,原告に開示することはできない。 仮に緑マーカー部分について虚偽の説明をするのであれば,そもそも緑 マーカー部分の記載を被告が削除した上で提出すればよかったのであり,当該隠蔽工作を行っていない点において,乙52書面の陳述内容の信用性が極めて高いものであることは明らかである。 原告は個々の証拠の不自然性,たとえば,乙65の3の納品書記載の納品日「平成27年11月30日」と乙65の2の受注カード記載の「支払 日/形態」欄に「2016年12月末/手」と記載されていることが,支払日と納品日に期 ,たとえば,乙65の3の納品書記載の納品日「平成27年11月30日」と乙65の2の受注カード記載の「支払 日/形態」欄に「2016年12月末/手」と記載されていることが,支払日と納品日に期間がありすぎて不自然,不合理であると主張するが,同記載は「2015年」を選択すべきであったものを「2016年」と選択した単純な誤りと思われる。種々の原因により受注カード作成時よりも納品日が前後し,受注カード記載の支払日が前後することは被告においてよ くあることである。また,原告は,緑マーカー部分2につき,乙55の4の納品書記載の納品日が「平成27年2月26日」と記載されていること,乙55の3の受注カードに記載の「支払日/形態」欄が「2015年1月末手」と記載されていることの齟齬を指摘するが,受注カードの「支払日/形態」欄の記載は現実の支払日とは連動しておらず,不自然ではない。 代替処理についても,たとえば,No27の限界利益率は●(省略)● であるが,被告商品販売による平均限界利益率は●(省略)●であり,薄利の案件であった。そして,No27は,大型の戦略競争案件のため●(省略)●,営業担当者が代替処理を行ったものである。また,No39とNo40(No40はNo39のトラブル分の購入)が実質的には同一案件であり,薄利●(省略)●であったため,検品費及び袋詰め替え費●(省 略)●を二つの案件に分けて代替処理●(省略)●を行ったものである。 ウ原告の主張に対する反論(販売額の推定の誤りについて)(ア) 原告の販売額の推定方法(緑マーカー部分の推定方法。甲123)は,以下のとおり,一貫性に欠け,結論ありきの推定を行っている。 ① 緑マーカー部分1(S-ⅡPP)は,No31を根拠とし,数量は緑 売額の推定方法(緑マーカー部分の推定方法。甲123)は,以下のとおり,一貫性に欠け,結論ありきの推定を行っている。 ① 緑マーカー部分1(S-ⅡPP)は,No31を根拠とし,数量は緑 マーカー部分1記載のとおり0.7㎥として算定している。 ② 緑マーカー部分2は,乙18の3の納品書及び乙19の2の納品書を根拠とし,数量は緑マーカー部分の記載を無視してNo8の販売価格の半額とNo9の販売価格を合算して算出している。 ③ 緑マーカー部分3ないし9(S-ⅡPP)は,乙47の3のの納品書 記載の検査費単価を根拠とし,異なる製品である,「MT-PAKSⅡ UPVC」の,異なる費目である「検査費」をもって,「検品委託業務費」を推定し,売上額はNo28の販売単価から算出している(同じS-ⅡPPであるにもかかわらず,上記①の計算方法と矛盾している。)④ 緑マーカー部分10ないし16(MT-LⅡ PP)は,No19(乙 29の1)の最も低い㎥あたり単価を利用して販売数量を推定し,A社の費目は「倉庫管理費」であるにもかかわらず,緑マーカー部分に記載の「倉庫費」との異なった費用を推定し,さらに,No19の注文から納品の期間は1月強(平成27年4月27日発注乙29の2,同年6月4日納品乙29の1)であるのに対し,No27は注文から納品の 期間が6月強(平成27年6月12日発注乙37の3,平成28年1 月26日納品乙37の1)であるため,倉庫費が嵩んだものである。 すなわち,緑マーカー部分10ないし16は,No27の倉庫費に他ならないのである(乙52)。 ⑤ 緑マーカー部分17及び18(MT-SPP)は,異なる製品である,「MT-SUPVC」の,異なる費目である「 部分10ないし16は,No27の倉庫費に他ならないのである(乙52)。 ⑤ 緑マーカー部分17及び18(MT-SPP)は,異なる製品である,「MT-SUPVC」の,異なる費目である「検査費」で,「検品 費」を推定し,しかも,No39と一体の取引であるNo40の取引を無視して,No39のみから推定を行っているのである。 したがって,甲123書面による原告の推定計算は,非論理的かつ一貫性を欠き,当を得ないものである。 原告は製品別の売上金額を推定しているのであり(甲123書面の1 1頁「8まとめ」),限界利益率も製品別に乗じるべきである。そして,製品別の平均利益率を乗じると次のとおり,限界利益は1222万8689円となる。 原告推定販売額製品別平均限界利益率推定限界利益MT-SⅡ(PP)6,104,087 MT-LL(PP) 2,210,000 MT-LⅡ(PP) 86,262,977 MT-S(PP)528,811 合計金額12,228,689原告は,推定販売額が最も高額となるMT-LⅡの限界利益率が低い にもかかわらず,当該事実を無視して全被告商品の平均限界利益率を乗じて計算しているものであり,理由がない。 (イ) 緑マーカー部分の推定方法(甲124書面)は,以下の点で,一貫性に欠け,結論ありきの推定を行っている。 ① 緑マーカー部分1(S-Ⅱ PP)は,No31を根拠とし,数量 は緑マーカー部分1記載のとおり0.7㎥として算定した。 ② 緑マーカー部分2は,乙18の3及び乙19の2の各納品書を根拠とし,数量は緑マーカー部分の記載を無視してNo8の販売価 量 は緑マーカー部分1記載のとおり0.7㎥として算定した。 ② 緑マーカー部分2は,乙18の3及び乙19の2の各納品書を根拠とし,数量は緑マーカー部分の記載を無視してNo8の販売価格の半額とNo9の販売価格を合算して算出した。 ③ 緑マーカー部分3ないし9(S-Ⅱ PP)は,乙47の3の納品 書記載の検査費単価を根拠とし,異なる製品である,「MT-PAKSⅡ UPVC」の,異なる費目である「検査費」で,「検品委託業務費」を推定し,数量は緑マーカー部分の記載を無視して算出した(同じS-ⅡPPであるにもかかわらず,上記①の計算方法と矛盾している。)。 ④ 緑マーカー部分10ないし16(MT-LⅡ PP)A社の費目は「倉庫管理費」であるにもかかわらず,緑マーカー部分に記載の「倉庫費」との異なった費用を推定さらにいえば,No19の注文から納品の期間は1月強(平成27年4月27日発注乙29の2,同年6月4日納品乙29の1)で あるのに対し,No27は注文から納品の期間が6月強(平成27年6月12日発注乙37の3,平成28年1月26日納品乙37の1)であるため,倉庫費が嵩んだものである。すなわち,緑マーカー部分10ないし16は,No27の倉庫費に他ならないのである(乙52) その上,甲124書面の7頁3ないし4行には「上記部分には,被 告商品のMT-LⅡ型(PP製)について,7件の倉庫管理業務が行われ,」との記載があるが,完全な事実誤認である。緑マーカー部分10ないし16はNo27の倉庫費であり,倉庫管理費の支出ではない。 ⑤ 緑マーカー部分17及び18(MT-SPP)は,異なる製品で ある,「MT-S 実誤認である。緑マーカー部分10ないし16はNo27の倉庫費であり,倉庫管理費の支出ではない。 ⑤ 緑マーカー部分17及び18(MT-SPP)は,異なる製品で ある,「MT-SUPVC」の,異なる費目である「検査費」で,「検品費」を推定し,しかも,No39と一体の取引であるNo40の取引を無視して,No39のみから推定を行っているのである。 原告の緑マーカー部分の推定計算は,推定売上額9747万9332円に,原告主張の被告商品販売38件の平均利益率である25.9% を乗じて2524万7144円と計算しているもの(被告の主張立証では,平均利益率は22.4%)である。 しかしながら,原告は製品別の売上金額を推定しているのであり(甲124書面の8頁「8まとめ」),限界利益率も製品別に乗じるべきである。そして,製品別の平均利益率を乗じると次のとおり,限界利 益は1261万1934円となる。 原告推定販売額製品別平均限界利益率推定限界利益MT-SⅡ(PP)6,104,087 MT-LL(PP) 2,210,000 MT-LⅡ(PP) 86,262,977 MT-S(PP)528,811 合計金額12,611,934原告は,推定販売額が最も高額となるMT-LⅡの限界利益率が低 いにもかかわらず,当該事実を無視して全被告商品の平均限界利益率を乗じて計算しているものであり,理由がない。 以上のとおり,原告第9準備書面及び甲124書面による原告の推定計算も,非論理的かつ一貫性を欠き,当を得ないものである。 (4) 不競法9条について 原告は,不競法9条の適用を主 がない。 以上のとおり,原告第9準備書面及び甲124書面による原告の推定計算も,非論理的かつ一貫性を欠き,当を得ないものである。 (4) 不競法9条について 原告は,不競法9条の適用を主張するが,被告は主張も証拠も提出しており,不競法9条が適用される事案ではない。 一部の損害を不競法5条で主張し,残部の損害を同法9条主張することは,実質的には同一の損害を二重に評価する危険性があるため,不競法9条の部分適用など考えられない。 第4 当裁判所の判断 1 争点(1)(原告商品における形態の商品等表示性)について(1) 認定事実ア宣伝広告,カタログ,展示会における表示について原告は,以下に述べるとおり,原告商品につき,需要者又はその宣伝広告 等に接した者が原告商品の形態を視覚で認識できるよう写真又は図付きで,宣伝広告等を販売当初から行い続け,以下に掲げる他にも多数の宣伝広告等を行っていた(甲4)。 (ア) 昭和42年6月,製紙工業社発行の「製糸工業」(1967年6月号)に原告商品のうち「S-O型」の図付きの宣伝広告が掲載された(甲4, 甲57)。 昭和45年11月,工業調査会発行の「化学装置」(1970年11月号。なお,工業調査会発行の「化学装置」を以下単に「化学装置」という。)に原告商品のうち「S-O型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,58)。 昭和46年2月,日刊工業新聞社発行の「化学工場」(1971年2月 号・15巻2号。なお,日刊工業新聞社発行の「化学工場」を以下単に「化学工場」という。)に原告商品のうち「S-O型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲59)。 昭和46年6月,「化学工場」(1971年6月号・15巻7号)の表紙に原告商品のうち,「 単に「化学工場」という。)に原告商品のうち「S-O型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲59)。 昭和46年6月,「化学工場」(1971年6月号・15巻7号)の表紙に原告商品のうち,「M型」若しくは「L型」及び「S-O型」が写真 付きで掲載されたほか,「S-O型」につき,図付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲60)。 昭和46年9月,「化学工場」(1971年9月号・15巻10号)に原告商品のうち「L型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲2の2)。 昭和47年1月,「化学工場」(1972年1月号・16巻1号)に原 告商品のうち「L型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲61)。 昭和47年3月,蒸留技術懇話会発行の「蒸留技術」に原告商品のうち「S-O型」及び「L型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲62)。 昭和48年6月,化学工業社発行の「化学工業」(以下単に「化学工業」 という。)に原告商品のうち「L型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲63)。 昭和49年11月,「化学工場」(1974年11月号・18巻11号)の表紙に原告商品のうち,「M型」若しくは「L型」及び「S-O型」が写真付きで掲載されたほか,「L型」の写真付きの宣伝広告が掲載された (甲4,甲64)。 昭和52年7月,「化学工場」(1977年7月号・21巻7号)に原告商品のうち「S-O型」,「M型」及び「L型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲2の3)。 昭和56年2月,「化学工場」(1981年2月号・25巻2号)に原 告商品のうち「S-O型」,「M型」及び「L型」の写真付きの宣伝広告 が掲載された(甲4,甲65)。 昭和56年7月,「化学工場」(1981年7月号・25巻7号)に「S )に原 告商品のうち「S-O型」,「M型」及び「L型」の写真付きの宣伝広告 が掲載された(甲4,甲65)。 昭和56年7月,「化学工場」(1981年7月号・25巻7号)に「S型」のほか「S-O型」,「M型」及び「L型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲2の4)。 昭和57年5月,「化学工場」(1982年5月号・26巻3号)に原 告商品のうち「S-O型」,「S型」,「M型」及び「L型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲66)。 昭和57年6月,「化学工場」(1982年6月号・26巻6号)に「S-Ⅱ型」のほか「S型」,「M型」及び「L型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲2の5)。 昭和58年4月,「化学工場」(1983年4月号・27巻4号)に原告商品のうち「S-O型」,「S型」,「S-Ⅱ型,「M型」及び「L型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲67)。 昭和58年10月,「化学工場」(1983年10月号・27巻10号)に原告商品のうち「LL型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4, 甲68)昭和60年8月,「化学装置」(1985年8月号)に原告商品のうち「LL型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲69)。 昭和62年9月,「化学装置」(1987年9月号)に原告商品のうち「LL型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲70)。 平成4年2月,「化学装置」(1992年2月号)に原告商品のうち「S-Ⅱ型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲71)。 平成4年7月,日本ソーダ工業會発行の「ソーダと塩素」に原告商品のうち「S-O型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲72)。 平成4年8月,公害対策技術同友会発行の「資源環境対策」(以下単に 成4年7月,日本ソーダ工業會発行の「ソーダと塩素」に原告商品のうち「S-O型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲72)。 平成4年8月,公害対策技術同友会発行の「資源環境対策」(以下単に 「資源環境対策」という。)に原告商品のうち「S-O型」及び「S-Ⅱ 型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲73)。 平成4年9月,「化学装置」(1992年9月号)に原告商品のうち「LL型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲74)。 平成7年5月,「資源環境対策」(1995年5月号)に原告商品のうち「S-Ⅱ型」及び「LL型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4, 甲75)。 平成11年3月,「化学装置」(1999年3月号)に原告商品のうち「LL型」の図付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲76)。 平成16年11月,「化学工業」(2004年11月号)に原告商品のうち「S-O型」及び「L型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4, 甲77)。 平成17年11月,社団法人化学工学会発行の「化学工学」(以下単に「化学工学」という。)に原告商品のうち「S-O型」,「L型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲78)。 平成23年9月,「化学工学」に原告商品のうち「S-O型」,「L型」, 「M型」,「S型」,「S-Ⅱ型」,「LL型」及び「L-Ⅱ型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲79)。 平成25年7月,「化学工学」に原告商品のうち「S-O型」,「L型」,「M型」,「S型」,「S-Ⅱ型」,「LL型」及び「L-Ⅱ型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲80)。 (イ) 原告は,昭和39年6月ころ,原告商品のうち「S-O型」をカタログに写真及び図付きで掲載し,配布して 「LL型」及び「L-Ⅱ型」の写真付きの宣伝広告が掲載された(甲4,甲80)。 (イ) 原告は,昭和39年6月ころ,原告商品のうち「S-O型」をカタログに写真及び図付きで掲載し,配布していた(甲2の1)。その中には「テラレットは9つのラセンを有するコイルをドーナツ型に成型したもの」との記載がある(甲2の1の3枚目)。 原告は,昭和45年9月,原告商品のうち「S-O型」をカタログに写 真付きで掲載し,配布をしていた(甲87)。 原告は,昭和53年7月,「S-O型」,「L型」及び「M型」をカタログに写真付きで掲載し,配布をしていた(甲88,甲89)。 原告は,昭和54年9月,「S-O型」,「L型」及び「M型」をカタログに写真付きで掲載し,配布をしていた(甲90)。 原告は,昭和56年8月,「S-Ⅱ型」をカタログに写真付きで掲載し, 配布をしていた(甲91)。 原告は,昭和57年7月,「S-O型」,「S型」,「M型」,「L型」及び「S-Ⅱ型」をカタログに写真付きで掲載し,配布をしていた(甲92)。 原告は,昭和58年1月,「LL型」を新製品としてカタログに写真付 きで掲載し,配布していた(甲2の6)。 原告は,昭和60年1月,「S-O型」,「S型」,「M型」,「L型」,「LL型」及び「S-Ⅱ型」をカタログに写真付きで掲載し,配布をしていた(甲93)。 原告は,昭和61年12月,「S-O型」,「S型」,「M型」,「L 型」,「S-Ⅱ型」及び「LL型」をカタログに写真付きで掲載し,配布をしていた(甲94)。 原告は,平成元年4月,「S-O型」,「S型」,「S-Ⅱ型」,「M型」,「L型」及び「LL型」をカタログに写真付きで掲載し,配布していた(甲95)。 原告は,平成4年8月, (甲94)。 原告は,平成元年4月,「S-O型」,「S型」,「S-Ⅱ型」,「M型」,「L型」及び「LL型」をカタログに写真付きで掲載し,配布していた(甲95)。 原告は,平成4年8月,「S-O型」,「S型」,「S-Ⅱ型」,「M型」,「L型」及び「LL型」をカタログに図や写真付きで掲載し,配布していた(甲96)。 原告は,平成7年9月,「L-Ⅱ型」を新製品としてカタログに写真付きで掲載したほか,「S-O型」,「S型」,「S-Ⅱ型」,「M型」, 「L型」及び「LL型」を写真付きで掲載し,配布していた(甲2の7)。 原告は,平成16年8月,「S-O型」,「S-Ⅱ型」,「LL型」及び「L-Ⅱ型」をカタログに図付きで掲載し,配布していた(甲97)。 原告は,平成19年1月,「S-O型」,「S-Ⅱ型」,「LL型」及び「L-Ⅱ型」をカタログに図付きで掲載し,配布していた(甲98)。 原告は,平成23年3月,「S-O型」,「S型」,「S-Ⅱ型」,「M 型」,「L型」,「LL型」及び「L-Ⅱ型」をカタログに写真付きで掲載し,配布していた(甲99)。 原告は,平成26年3月,「S型」,「L型」,「LL型」及び「L-Ⅱ型」をカタログに写真付きで掲載し,配布していた(甲100)。 原告は,平成27年4月,「S型」,「L型」,「LL型」及び「L-Ⅱ 型」をカタログに写真付きで掲載し,配布していた(甲101)。 (ウ) 原告は,平成17年11月,化学産業を中心とした総合展示会である「INCHEMTOKYO2005」に参加し,出展ブースにおいて,原告商品である「S-O型」,「S型」,「S-Ⅱ型」,「M型」,「L型」,「L-Ⅱ型」及び「LL型」の写真付きパネルを展示した(甲5,甲81, 甲82)。 原告は, し,出展ブースにおいて,原告商品である「S-O型」,「S型」,「S-Ⅱ型」,「M型」,「L型」,「L-Ⅱ型」及び「LL型」の写真付きパネルを展示した(甲5,甲81, 甲82)。 原告は,平成19年11月,上記展示会の「2007」に参加し,出展ブースにおいて,原告商品である「S-O型」,「S型」,「S-Ⅱ型」,「M型」,「L型」,「L-Ⅱ型」,「LL型」の写真付きパネルを展示した(甲5,甲83,甲84)。 原告は,平成21年11月,上記展示会の「2009」に参加し,出展ブースにおいて,原告商品である「S-O型」,「S型」,「S-Ⅱ型」,「M型」,「L型」,「L-Ⅱ型」,「LL型」の写真付きパネルを展示した(甲5,甲85,甲86)。 イ技術単行本における記載について 原告商品は,以下に述べるとおり,多数の技術単行本に,需要者又はその 文献の記載に接した者が原告商品の形態を視覚で認識できるよう写真又は図付きで多数掲載されており,以下に掲げる他にも多数の文献に紹介されていた(甲4)。 (ア) 化学工業社が昭和50年6月1日に発行した「実用公害防止技術集覧〈1〉『ガス吸収装置の現状と今後の動向』」において,「テラレット」 との名称とともに「S-O型」の形状を示した図が記載されている(甲4,甲14)。 (イ) 東京都水道局が昭和50年7月に発行した「アンモニア除去回収実験報告書」において,「S型テラレットの実物大写真」及び「L型テラレットの実物大写真」との記載とともに「S-O型」及び「L型」の形状を示し た写真が記載されている(甲4,甲15)。 (ウ) 硫酸協会編の昭和52年12月15日に発行された「硫酸ハンドブック改訂版」において,「S型」及び「L型」との名称とともに「 形状を示し た写真が記載されている(甲4,甲15)。 (ウ) 硫酸協会編の昭和52年12月15日に発行された「硫酸ハンドブック改訂版」において,「S型」及び「L型」との名称とともに「S-O型」及び「L型」の形状を示した写真が記載されている(甲4,甲16)。 (エ) 化学工学協会編の昭和53年10月25日に発行された「改訂四版化学 工学便覧」において,「テラレット」との名称とともに「S-O型」の形状を示した図が記載されている(甲4,甲17)。 (オ) 化学工業社が昭和56年3月15日に発行した「別冊化学工業25-1化学装置設計・操作シリーズ2改訂ガス吸収」において,「Telleret」との名称とともに「S-O型」の形状を示した図が記載されている (甲4,甲18)。 (カ) 東京都下水道局施設管理部施設第二課が昭和58年9月に発行した「薬品洗浄脱臭設備設計の手引き」において,「S-O型」,「S型」及び「S-Ⅱ型」の形状を示した図がそれぞれの名称とともに記載されている(甲4,甲19)。 (キ) 化学工業社が昭和61年7月20日に新増補として発行した「新増補実 用公害防止技術集覧大気編〈1〉『ガス吸収装置の現状と今後の動向』」において,「テラレット」との名称とともに「S-O型」の形状を示した図が記載されている(甲4,甲20)。 (ク) 日鐵商事が昭和62年5月に発行した「マンスリー・リポート」において,「テラレット」の説明とともに原告商品の全て形状を示した写真が記 載されている(甲4,甲21)。 (ケ) 化学工学協会編の平成元年2月20日に発行された「現代の化学工学Ⅱ」において,「テラレット」との名称とともに「S-O型」の形状を示した図が記載されている(甲4,甲22)。 (コ) 日 。 (ケ) 化学工学協会編の平成元年2月20日に発行された「現代の化学工学Ⅱ」において,「テラレット」との名称とともに「S-O型」の形状を示した図が記載されている(甲4,甲22)。 (コ) 日本化学会編の平成5年3月25日に発行された「分離精製技術ハンド ブック」において,「テラレット」との名称とともに「S-O型」の形状を示した図が記載されている(甲4,甲23)。 (サ) 日本産業機械工業会編の平成5年6月に発行された「1993環境装置ガイドブック最新技術の紹介」において,「テラレット」の説明とともに全ての原告商品の形状を示した写真が記載されている(甲4,甲24)。 (シ) 分離技術懇話会が平成8年3月31日に発行した「分離技術シリーズ2タワーパッキング『テラレット,メタレットの設計データ』」において,「L型テラレット」等の名称とともに,「S-O型」,「M型」,「S型」,「S-Ⅱ型」,「L型」,「LL型」の形状を示した写真が記載されている(甲4,甲25)。 (ス) 日本産業機械工業会編の平成13年8月に発行された「環境装置ガイドブック最新環境技術の紹介」において,「S-O型」,「S-Ⅱ型」,「L-Ⅱ型」及び「LL型」の形状を示した写真がそれぞれの名称とともに記載されている(甲4,甲27)。 (セ) 分離技術会が平成17年3月31日に発行した「分離技術シリーズ2改 訂新版トレイ・パッキング『ガス吸収技術とテラレット設計データ』」に おいて,「S-O型」,「S-Ⅱ型」及び「L-Ⅱ型」の形状を示した写真がそれぞれの名称とともに記載されている(甲4,甲29)。 (ソ) 日本溶剤リサイクル工業会が平成18年5月24日に発行した「溶剤リサイクルハンドブック」において,L-Ⅱ型の形状を示した写真が名 真がそれぞれの名称とともに記載されている(甲4,甲29)。 (ソ) 日本溶剤リサイクル工業会が平成18年5月24日に発行した「溶剤リサイクルハンドブック」において,L-Ⅱ型の形状を示した写真が名称とともに記載されている(甲4,甲30の1・2)。 (タ) 公益社団法人化学工学会が平成23年4月1日に発行した「プロセス設計(3)充填塔の設計」講座において,「テラレット」との名称とともにL-Ⅱ型の形状を示した写真が記載され,「テラレット」の説明部分には,「旧日鉄化工機で開発され40年近い歴史をもつ国内のプラスチック充填物のリーダー的存在。原型であるS-OからLLまで7種類のタイプがある」 と記載されている(甲4,甲31)。 ウ雑誌の記事について原告商品は,以下に述べるとおり,業界誌等の多数の雑誌に,需要者又はその雑誌の記事に接した者が原告商品の形態を視覚で認識できるよう写真又は図付きで多数掲載されており,以下に掲げる他にも多数の雑誌に紹介され ていた(甲4)。 (ア) 工学書院が昭和39年11月15日に発行した「分離技術〈11〉」において,「テラレット・パッキング(実物大)」との記載とともに「S-O型」の形状を示した図が掲載されている(甲4,甲32)。 (イ) 昭和42年11月に発行の「化学工場」において,「テラレットの圧力 損失」に関する記事とともに「S-O型」の形状を示した写真が掲載されている(甲4,甲33)。 (ウ) 昭和46年6月に発行の「化学工場」において,その表紙に「S-O型」及び「L型」の形状を示した写真が掲載されているとともに,「表紙説明」として「TELLERETTE」の概要の記載がある(甲4,甲34)。 (エ) 昭和49年11月に発行の「化学工場」において,「テラレット」 状を示した写真が掲載されているとともに,「表紙説明」として「TELLERETTE」の概要の記載がある(甲4,甲34)。 (エ) 昭和49年11月に発行の「化学工場」において,「テラレット」の充 填物としての特徴の説明ともに,「S-O型」及び「S型」の形状を示した写真が掲載されている(甲4,甲35)。 (オ) 昭和54年9月1日に発行の「化学工場」において,「テラレット」の充填物としての特徴の説明ともに,「L型」の形状を示した写真が掲載されている(甲4,甲36)。 (カ) 昭和56年8月1日に発行の「化学工場」において,「プラスチック製充填物の強度と寿命」の記事の箇所に,「各サイズのテラレット」との表示とともに「S-O型」,「S型」,「M型」及び「L型」の形状を示した写真が掲載されている(甲4,甲37)。 (キ) 昭和58年2月に発行の「化学工場」において,「テラレット使用によ るアンモニア放散塔の設計方法」の記事の箇所に,全ての原告商品の形状を示した写真が掲載されている(甲4,甲38)。 (ク) 日本工業新聞社が昭和63年11月1日に発行した「PPM」において,「トリクロロエチレン等の空気放散における充填物設計データ」の記事の箇所に,「テラレット」との名称とともに「S-O型」及び「S-Ⅱ型」 の形状を示した写真が掲載されている(甲4,甲39)。 (ケ) 紙パルプ技術協会が平成7年3月1日に発行した「紙パ技協誌」において,「悪臭物質の空気放散」との記事の箇所に,「テラレット」との名称とともに「S-O型」及び「S-Ⅱ型」の形状を示した写真が掲載されている(甲4,甲40)。 (コ) 平成7年7月1日に発行の「化学装置」において,「MEA水溶液による炭酸ガス吸収塔の設計法」の記事の箇所に 型」及び「S-Ⅱ型」の形状を示した写真が掲載されている(甲4,甲40)。 (コ) 平成7年7月1日に発行の「化学装置」において,「MEA水溶液による炭酸ガス吸収塔の設計法」の記事の箇所に,「テラレット」との名称とともに「S-Ⅱ型」及び「LL型」の形状を示した写真が掲載されている(甲41)。 (サ) 平成10年4月1日に発行の「化学装置」において,「充填塔・充填物」 の記事の箇所に,「テラレット」との名称とともに「S-O型」,「S- Ⅱ型」及び「LL型」の形状を示した図が掲載されている(甲4,甲42)。 (シ) 硫酸協会が平成11年9月15日に発行した「硫酸と工業」において,「硫酸製造におけるテラレットの応用について」の記事の箇所に,「S-O型」及び「LL型」の形状を示した図が掲載されている(甲4,甲43)。 (ス) 工業調査会が平成13年8月1日に発行した「電子材料8月号」におい て,「超高濃度オゾン水製造設備『バンブージェネレータ』」の記事の箇所に,「テラレット」の名称とともに「S-Ⅱ型」の形状を示した写真が掲載されている(甲4,甲44)。 (セ) 日本下水道協会が平成14年10月15日に発行した「下水道協会誌」において,「消化ガスのカロリーアップについて」の記事の箇所に,「充 填物の一例」との記載とともに全て原告商品の形状を示した写真が掲載されている(甲4,甲45)。 エ特許公報等の記載について原告商品は,以下のとおり,充填塔や改質装置等に関する発明や考案に係る特許公報等において,需要者又はその記載に接した者が原告商品の形態を 視覚で認識できるよう写真又は図付きで記載がされていた。 (ア) 平成3年12月24日に公開された考案の名称を「充填塔」とする実用新案公報において 者又はその記載に接した者が原告商品の形態を 視覚で認識できるよう写真又は図付きで記載がされていた。 (ア) 平成3年12月24日に公開された考案の名称を「充填塔」とする実用新案公報において,「線型充填材の例」として「S-O型」の形状を示した図が記載されている(甲4,甲46)。 (イ) 平成4年4月21日に公開された発明の名称を「改質管および改質装置」 とする特許公報において,「充填物の例」として「テラレット」の名称とともに「S-O型」の形状を示した図が記載されている(甲4,甲47)。 (ウ) 平成7年1月20日に公開された発明の名称を「生物利用の脱臭装置」とする特許公報において,「充填物の例」として「テラレットパッキング」の名称とともに「S-O型」の形状を示した図が記載されている(甲4, 甲48)。 (エ) 平成8年12月3日に公開された発明の名称を「河川浄化施設」とする公開特許公報において,「商品名『テラレットSⅡ-Spirax』(NCE日鉄化工機株式会社製,接触材)が充填される」との説明とともにS-Ⅱ型の形状を示した図が記載されている(甲4,甲49)。 (オ) 平成10年5月6日に公開された発明の名称を「液体中に含まれる有害 物質の処理方法」とする公開特許公報において,「テラレット・・・等の蒸留用充填材を担体とすることが好ましい。」との説明とともに,「S-O型」の形状を示した図が記載されている(甲4,甲50)。 (カ) 平成10年6月9日に公開された発明の名称を「真空脱気装置」とする公開特許公報において,「この充填層12は,テラレット(商品名(日鉄 化工機株式会社))や・・・等の空隙率の大きな気液接触材を多数充填したものである。」との説明とともに,「L型」の形状を示した図が記載さ において,「この充填層12は,テラレット(商品名(日鉄 化工機株式会社))や・・・等の空隙率の大きな気液接触材を多数充填したものである。」との説明とともに,「L型」の形状を示した図が記載されている(甲4,甲51)。 (キ) 平成11年5月21日に公開された発明の名称を「燃焼型加熱装置」とする公開特許公報において,「テラレット」の名称とともに「S-O型」 の形状を示した図が記載されている(甲4,甲52)。 (ク) 平成15年1月7日に公開された発明の名称を「悪臭ガスの脱臭装置」とする公開特許公報において,「ポリプロピレン製のテラレット(日鉄化工機株式会社)を使用した。」との説明とともに,「LL型」の形状を示した図が記載されている(甲4,甲53)。 (ケ) 平成20年8月21日に公開された発明の名称を「塗装ブース」とする公開特許公報において,「尚充填材として好ましく使用されるテラレット(31)の代表的な形状は図7に示す通りであり,このテラレット(31)は日鉄化工機(株)製のもので,各種の形状のものがあり,・・・」との説明とともに,「L型」の形状を示した図が記載されている(甲4,甲54)。 (コ) 平成21年3月12日に公開された発明の名称を「多段圧復水器」とす る公開特許公報において,「テラレット」の名称とともに「S-O型」の形状を示した図が記載されている(甲4,甲55)。 (サ) 平成20年10月2日に公開された発明の名称を「ガスタービン用吸気冷却装置」とする公開特許公報において,「図6に示す充填材要素は,月島環境エンジニアリング株式会社から『テラレット』の商品名で市販され ている」との説明とともに,「S-Ⅱ型」の形状を示した写真が記載されている(甲4,甲56)。 オ原告商品の販売 要素は,月島環境エンジニアリング株式会社から『テラレット』の商品名で市販され ている」との説明とともに,「S-Ⅱ型」の形状を示した写真が記載されている(甲4,甲56)。 オ原告商品の販売数量について(甲4,甲120,甲121)(ア) S-O型は,昭和39年6月に販売を開始し,昭和58年4月から平成17年12月までの間,日本国内において,3258件の顧客に対し,合 計5349㎥(個数に換算すると1億7384万2500個)が販売された。また,昭和39年6月から昭和58年3月までのS-O型の販売数量は推定で4428㎥(個数に換算すると1億4391万個)であった。さらに,平成18年1月から平成27年3月までのS-O型の販売数量は,日本国内において,963件の顧客に対し,合計1593㎥(個数に換算 すると5177万2500個)であった。 したがって,昭和39年6月から平成27年3月までのS-O型の販売数量は,1万1370㎥(個数換算で3億6952万5000個)であった。 (イ) L型は,昭和46年9月に販売を開始し,昭和58年4月から平成17 年12月までの間,日本国内において,3471件の顧客に対し,合計1万6895㎥(個数に換算すると6082万2000個)が販売された。 また,昭和46年9月から昭和58年3月までのL型の販売数量は推定で8602㎥(個数に換算すると3096万7200個)であった。さらに,平成18年1月から平成27年3月までのL型の販売数量は,日本国内に おいて,760件の顧客に対し,合計2665㎥(個数に換算すると95 9万4000個)であった。 したがって,昭和46年9月から平成27年3月までのL型の販売数量は,2万8162㎥(個数換算で1億0138万3200個)であっ ㎥(個数に換算すると95 9万4000個)であった。 したがって,昭和46年9月から平成27年3月までのL型の販売数量は,2万8162㎥(個数換算で1億0138万3200個)であった。 (ウ) M型は,昭和52年7月に販売を開始し,昭和58年4月から平成17年12月までの間,日本国内において,2287件の顧客に対し,合計7 602㎥(個数に換算すると6081万6000個)が販売された。また,昭和52年7月から昭和58年3月までのM型の販売数量は推定で1921㎥(個数に換算すると1536万8000個)であった。さらに,平成18年1月から平成27年3月までのM型の販売数量は,日本国内において,594件の顧客に対し,合計1431㎥(個数に換算すると1144 万8000個)であった。 したがって,昭和52年7月から平成27年3月までのM型の販売数量は,1万0954㎥(個数換算で8763万2000個)であった。 (エ) S型は,昭和56年7月に販売を開始し,昭和58年4月から平成17年12月までの間,日本国内において,4213件の顧客に対し,合計8 410㎥(個数に換算すると2億1025万個)が販売された。また,昭和56年7月から昭和58年3月までのS型の販売数量は推定で646㎥(個数に換算すると1615万個)であった。さらに,平成18年1月から平成27年3月までのS型の販売数量は,日本国内において,709件の顧客に対し,合計1233㎥(個数に換算すると3082万5000個) であった。 したがって,昭和56年7月から平成27年3月までのS型の販売数量は,1万0289㎥(個数換算で2億5722万5000個)であった。 (オ) S-Ⅱ型は,昭和57年6月に販売を開始し,昭和58年4月から平成17年12 年7月から平成27年3月までのS型の販売数量は,1万0289㎥(個数換算で2億5722万5000個)であった。 (オ) S-Ⅱ型は,昭和57年6月に販売を開始し,昭和58年4月から平成17年12月までの間,日本国内において,6971件の顧客に対し,合 計2万9432㎥(個数に換算すると5億1506万個)が販売された。 また,昭和57年6月から昭和58年3月までのS-Ⅱ型の販売数量は推定で1078㎥(個数に換算すると1886万5000個)であった。さらに,平成18年1月から平成27年3月までのS-Ⅱ型の販売数量は,日本国内において,2793件の顧客に対し,合計9641㎥(個数に換算すると1億6871万7500個)であった。 したがって,昭和57年6月から平成27年3月までのS-Ⅱ型の販売数量は,4万0151㎥(個数換算で7億0264万2500個)であった。 また,S-Ⅱ型につき,平成9年4月から平成17年12月までの期間中,日本国内で3320件の顧客に対して,合計1万2846㎥,個数換 算で2億2480万5000個が販売され,さらに平成9年4月から平成27年3月までの期間中,日本国内で6013件の顧客に対して,合計2万2487㎥,個数換算で3億9352万2500個が販売された。 (カ) LL型は,昭和58年1月に販売を開始し,昭和58年4月から平成17年12月までの間,日本国内において,1290件の顧客に対し,合計 1万8423㎥(個数に換算すると2026万5300個)が販売された。 また,昭和58年1月から昭和58年3月までのLL型の販売数量は推定で202㎥(個数に換算すると22万2200個)であった。さらに,平成18年1月から平成27年3月までのLL型の販売数量は,日本国内において,489 月から昭和58年3月までのLL型の販売数量は推定で202㎥(個数に換算すると22万2200個)であった。さらに,平成18年1月から平成27年3月までのLL型の販売数量は,日本国内において,489件の顧客に対し,合計7896㎥(個数に換算すると86 8万5600個)であった。 したがって,昭和58年1月から平成27年3月までのLL型の販売数量は,2万6521㎥(個数換算で2917万3100個)であった。 また,LL型につき,平成9年4月から平成17年12月までの期間中,日本国内で542件の顧客に対して,合計7222㎥,個数換算で794 万4200個が販売され,さらに,平成9年4月から平成27年3月まで の期間中,日本国内で1031件の顧客に対して,合計1万5119㎥,個数換算で1663万0900個が販売された。 (キ) L-Ⅱ型は,平成7年9月に販売を開始し,平成7年9月から平成17年12月までの間,日本国内において,220件の顧客に対し,合計8462㎥(個数に換算すると930万8200個)が販売された。また,平 成18年1月から平成27年3月までのL-Ⅱ型の販売数量は,日本国内において,343件の顧客に対し,合計1万0950㎥(個数に換算すると1204万5000個)であった。 したがって,平成7年9月から平成27年3月までのL-Ⅱ型の販売数量は,1万9412㎥(個数換算で2135万3200個)であった。 また,L-Ⅱ型につき,平成9年4月から平成17年12月までの期間中,日本国内で203件の顧客に対して,合計8084㎥,個数換算で889万2400個が販売され,さらに,平成9年4月から平成27年3月までの期間中,日本国内で546件の顧客に対して,合計1万9035㎥,個数換算で2093万850 して,合計8084㎥,個数換算で889万2400個が販売され,さらに,平成9年4月から平成27年3月までの期間中,日本国内で546件の顧客に対して,合計1万9035㎥,個数換算で2093万8500個が販売された。 カ充填物又は不規則充填物の種類について昭和46年ころの時点で,充填物の種類には,テラレット,ラシヒリング,ポールリング,インタロックサドル,バールサドル,レッシングリング,パーティションリング,シングルスパイラル,ダブルスパイラル,トリプルスパイラル,インターパック,ヘリクスパッキング,デイクソンパッキング, マクマホンパッキング,ステッドマンパッキング,キャノンパッキング,グッドローパッキングなどが存在し,原告商品とは異なる形状の不規則充填物が多数存在していた(甲1)。 昭和47年ころの時点で,充填物の種類には,ラシヒリング,レッシングリング,クロスパーティションリング,ベルルサドル,インタロックスサド ル,シングルスパイラルリング,ダブルスパイラルリング,ポールリング, テラレットなどが存在し,原告商品とは異なる形状の不規則充填物が存在していた(甲112)。 平成11年1月発行の「基礎化学工学」には代表的な充填物として,ラシヒリング,ベルルサドル,ポールリング,テラレットが挙げられており,それぞれ形状の異なる充填物であった(甲113)。 キ被告商品の販売について被告は,平成26年8月頃,被告のホームページにおいて,「注目の製品! 《MT-PAK》」と題し,被告商品の写真を掲載し,「あの充填物がマツイマシン製でMT-PAKとして登場!・・・実績も多数あります!不規則充填物のLCC時代を,マツイマシンが幕開けます。更新・新設の際には, 是非,ご相談下さい。」と表 載し,「あの充填物がマツイマシン製でMT-PAKとして登場!・・・実績も多数あります!不規則充填物のLCC時代を,マツイマシンが幕開けます。更新・新設の際には, 是非,ご相談下さい。」と表示していた(甲7)。 平成26年8月頃,被告商品は「MT-PAK」という名称で,サイズに応じて「S-O,S,S-Ⅱ,M,L,L-Ⅱ,LL」と分けられており,それぞれ,原告商品と同一の表示になっていたが,その後,上記各サイズに対応して,「MT-S0,MT-S,MT-SⅡ,MT-M,MT-L,MT -LⅡ,MT-LL」という表示に変更された(甲7,12)。 原告は,平成27年2月10日頃,被告に対し,被告商品の製造販売行為が,不競法2条1項1号の不正競争行為に該当するとして,被告商品の製造・販売の停止等を求める通知をした(甲10)。これに対し,被告は,同月24日頃,原告に対し,被告商品の製造販売行為は,不競法2条1項1号の不 正競争行為ではなく,製造・販売の停止等に応じることはできない旨の通知をした(甲11)。 (2) 原告商品の形態の「商品等表示」該当性についてア不競法2条1項1号の趣旨は,周知な商品等表示の有する出所表示機能を保護するため,周知な商品等表示に化体された他人の営業上の信用を自 己のものと誤認混同させて顧客を獲得する行為を防止することにより,同 法の目的である事業者間の公正な競争を確保することにある。 商品の形態は,商標等と異なり,本来的には商品の出所を表示する目的を有するものではないが,商品の形態自体が特定の出所を表示する二次的意味を有するに至る場合がある。そして,このように商品の形態自体が特定の出所を表示する二次的意味を有し,不競法2条1項1号にいう「商品 等表示」に該当するために 自体が特定の出所を表示する二次的意味を有するに至る場合がある。そして,このように商品の形態自体が特定の出所を表示する二次的意味を有し,不競法2条1項1号にいう「商品 等表示」に該当するためには,①商品の形態が客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有しており(特別顕著性),かつ,②その形態が特定の事業者によって長期間独占的に使用され,又は極めて強力な宣伝広告や爆発的な販売実績等により(周知性),需要者においてその形態を有する商品が特定の事業者の出所を表示するものとして周知になっていることを 要すると解するのが相当である。 イこれを本件について検討するに,前記第2の2(2)及び上記第4の1(1)アないしオによれば,原告製品は,原告主張に係る原告製品の形態的特徴のうち,①中央リングと中央リングの周囲から外側に向かって放射状に延伸する多数の周辺リングからなり,これら周辺リングと中央リングとは略 直交するように一体化されている形状について共通した特徴を有している点,②原告商品のうちL型,M型,S型については,上記①に加えて,周辺リングの外側を外周リングで囲繞する構成を付加した形状を有する点,③原告商品のうちS-Ⅱ型,LL型,L-Ⅱ型については,上記①及び②に加えて,隣接する周辺リング同士を連結部材で連結するとともに,周辺 リングの一部には外環リングと直交する半径方向に縦棒を付加した構造を有する点がそれぞれ認められ,当該形態は,上記(1)カの他の充填物とは明らかに異なる特徴を有していることからすれば,上記に掲げた点において,特別顕著性が認められる。 さらに,上記(1)アないしオによれば,原告製品はいずれも,日本国内に おいて,①販売開始当初の頃から,その形状を撮影した写真等と共に,全 国的に ,特別顕著性が認められる。 さらに,上記(1)アないしオによれば,原告製品はいずれも,日本国内に おいて,①販売開始当初の頃から,その形状を撮影した写真等と共に,全 国的に宣伝広告され,文献や業界誌にも多数掲載されていたことが認められ,②また,需要者である不規則充填物の購入者間において需要が高く,直接の販売あるいは代理店を通じて,相当多数が販売されてきたものと推認できる。したがって,周知性が認められる。 ウこの点に関し被告は,不規則充填物は,商品の陳列棚に陳列される物と は異なり,技術評価も経た上で採用に至るものであることからすれば,原告商品の形態が商品等表示として需要者に認識されるような取引形態ではない旨主張する。 しかし,原告商品の形態が多数の広告,文献,雑誌等に写真や図付きで紹介されているものが多いこと,実際の注文においても,不規則充填物の 形状に基づいて見積り依頼がされる場合があること(甲108)からすれば,不規則充填物の取引形態が被告の主張のとおりの取引形態であると認めることはできず,原告商品について,需要者がその形態を認識していないとみることはできない。 したがって,被告の上記主張は採用することができない。 (3) 原告商品の形態が技術的機能に由来する形態であるか否かについてア被告は原告商品の形態が充填物としての商品の技術的機能にのみ由来する形態であるから,商品等表示にはなり得ないと主張しているため,この点について判断をする。 イ上記(2)アのとおり,商品の形態が不競法2条1項1号の「商品等表示」 に該当する場合があるとしても,商品の形態が商品の技術的な機能及び効用を実現するために他の形態を選択する余地のない不可避的な構成に由来する場合,そのような商品の 2条1項1号の「商品等表示」 に該当する場合があるとしても,商品の形態が商品の技術的な機能及び効用を実現するために他の形態を選択する余地のない不可避的な構成に由来する場合,そのような商品の形態自体が「商品等表示」に当たるとすると,当該形態を有する商品の販売が一切禁止されることになり,結果的に,特許権等の産業財産権制度によることなく,当該形態によって実現される技 術的な機能及び効用を奏する商品の販売を特定の事業者に独占させること につながり,しかも,不正競争行為の禁止には時間制限が設けられていないことから,上記独占状態が事実上永続することになる。したがって,上記のような商品の形態に「商品等表示」該当性を認めると,不競法2条1項1号の趣旨である周知な商品等表示の有する出所表示機能の保護にとどまらず,商品の技術的機能及び効用を第三者が商品として利用することま で許されなくなり,それは,当該商品についての事業者間の公正な競争を制約することにほかならず,かえって不競法の目的に反する結果を招くことになる。 他方,商品の形態が商品の技術的な機能及び効用に由来するものであっても,他の形態を選択する余地がある場合は,そのような商品の形態が「商 品等表示」に当たるとして同形態を有する商品の販売が禁止されても,他の形態に変更することにより同一の機能及び効能を奏する商品を販売することは可能であり,上記のような弊害は生じない。 そうすると,商品の形態が商品の技術的機能及び効用を実現するために他の形態を選択する余地のない不可避的な構成に由来する場合には,「商 品等表示」に該当しないものと解されるものの,商品の形態が商品の技術的機能及び効用に由来するものであっても,他の形態を選択する余地がある場合は,当該商品の形態 な構成に由来する場合には,「商 品等表示」に該当しないものと解されるものの,商品の形態が商品の技術的機能及び効用に由来するものであっても,他の形態を選択する余地がある場合は,当該商品の形態につき,上記(2)アの特別顕著性及び周知性が認められる限り,「商品等表示」に該当するものと解するのが相当である。 ウ原告商品は,化学工場等の充填塔と呼ばれる装置の内部に充填され塔内 でのガス吸収操作などを行うための部材であるところ,証拠(甲1,14)によれば,「充填塔の設計には物質移動,熱移動における考慮はもちろんのこと,圧力損失,基礎荷重のような機械的要因,ならびに,ガス・液相互接触に影響を及ぼす因子に対しても十分に検討する必要がある。なかでも充填物の選定は充填塔設計の最も重要な項目である」とされ,充填物の 説明として「充填物を大きく分けると,面構造からなっている充填物と線 構造からなっている充填物の2つに分けられる。代表するものが前者は,ラシヒリング,バールサドルなど,後者はテラレット,マクマホンパッキングなどである」とされている。また,充填物の持つべき特性として,①濡れ面積が大きく,装置内の単位容積当りの接触面積の大きいこと(容量係数),②空間率の大きいこと(圧損失),③充填物材質の密度が小さい こと(塔重量,支持枚),④腐食性の小さいこと,⑤価格の低廉なことが挙げられており(乙8),その特性に応じて材質を変えるほか,様々な形態が選択されているものと認められる(なお,甲102及び甲103によれば,原告商品以外の充填物においても,その材質や形態により,上記①から⑤に係る様々な特長を有しているものと認められる。)。 そして,上記のとおり,充填物の選定は充填塔設計の最も重要な項目であるとされているも 充填物においても,その材質や形態により,上記①から⑤に係る様々な特長を有しているものと認められる。)。 そして,上記のとおり,充填物の選定は充填塔設計の最も重要な項目であるとされているものの,充填塔に関する特許発明に係る公開特許公報及び特許公報においては,たとえば,「耐蝕性のラシヒリング,レッシングリング,ベルルサドル,インタロックスサドル,テラレットパッキングおよびポールリングよりなる群から選ばれてなる少なくとも1種の充填物が 充填されている充填部」との記載があり(甲104),充填層に用いる充填材としては「従来公知の各種のもの,例えば,ラシッヒリング,テラレット,ポールリング,サドル,レッシングリング,木格子等を挙げることができる。」との記載があり(甲105),「充填塔において,不規則充填物としてはラシヒリング,インタロックスサドル,ポールリング,イン ターロックスメタルタワーパッキング,テラレット等があり,規則充填物としてはメラパック,スルザーパッキング,インタロックスハイパフォーマンスストタクチャードパッキング等があり,フラッディングしない範囲で運転できれば,どれを使用してもよい。」との記載があり(甲106),充填材層に充填される充填材は,「ラヒシリング,ネットリング,テラレ ット,メラパックと呼ばれる気液接触効率を高めるために表面積を大きく したプラスチック製のものより選択することができる」との記載がある(乙1の【0018】)など,原告商品の形態でなければ充填塔におけるガス吸収操作などの機能・効用を果たすことができないとの事実はうかがわれず,上記(1)カのとおり,充填物として多くの商品が,様々な形態で製造され,販売・使用されているものと認められる。 そうすると,原告商品は上記 ・効用を果たすことができないとの事実はうかがわれず,上記(1)カのとおり,充填物として多くの商品が,様々な形態で製造され,販売・使用されているものと認められる。 そうすると,原告商品は上記①から⑤の特徴を満たすため,一定の空間率や表面積を備えるように設計されているという点で,原告商品の形態が原告商品の技術的な機能及び効用に由来するものであるといえるものの,充填塔におけるガス吸収操作などの機能・効用を果たすという点では,他の形態を選択する余地が十分にあるから,商品の形態が商品の技術的な機 能及び効用に由来するものであっても他の形態を選択する余地がある場合に該当するというべきである。 したがって,被告の上記主張は採用することができない。 (4) 実用新案権による独占状態に由来する周知性か否かについてアまた,被告は,本件における原告の周知性の主張は,実用新案権1ない し3の存在による独占状態に基づく周知性を主張しているにすぎないこと,本件において「第三者の同種競合製品が市場に投入されて相当期間が経過した」わけでもないこと,日進化成が,遅くとも平成20年2月5日には原告商品と同一の形態を有するプラスチック製充填物を販売しており(乙6,乙7),少なくとも実用新案権3の存続期間が満了した後は,独占的 な販売状態にあったとは認められないことを主張しているため,この点について判断をする。 イ特許権や実用新案権等の知的財産権の存在により独占状態が生じ,これに伴って周知性ないし著名性が生じるのはある意味では当然のことであり,これに基づき生じた周知性だけを根拠に不競法の適用を認めることは,結 局,知的財産権の存続期間経過後も,第三者によるその利用を妨げてしま うことに等しく,そのような事態が,価値あ これに基づき生じた周知性だけを根拠に不競法の適用を認めることは,結 局,知的財産権の存続期間経過後も,第三者によるその利用を妨げてしま うことに等しく,そのような事態が,価値ある情報の提供に対する対価として,その利用の一定期間の独占を認め,期間経過後は万人にその利用を認めることにより,産業の発達に寄与するという,特許法等の目的に反することは明らかである。もっとも,このように,周知性ないし著名性が知的財産権に基づく独占により生じた場合でも,知的財産権の存続期間が経 過した後相当期間が経過して,第三者が同種競合製品をもって市場に参入する機会があったと評価し得る場合など,知的財産権を有していたことに基づく独占状態の影響が払拭された後で,なお原告製品の形状が出所を表示するものとして周知ないし著名であるとの事情が認められる場合であれば,何ら上記特許法等の目的に反することにはならないから,不競法2条 1項1号の適用があるものと解するのが相当である。 ウ前記第2の2(2)のとおり,原告商品のうちS-O型については昭和54年6月23日に実用新案権1の存続期間が満了した。そして,被告商品の販売を開始した平成24年12月までには,約30年と相当長期間が経過しているから,第三者が同種競合商品をもって市場に参入する機会は十分 にあったと評価し得るものであり,実用新案権1を有していたことに基づく独占状態の影響が払拭されていたものというべきである。また,上記(1)アないしエによれば,実用新案権1の存続期間が満了した昭和54年6月23日以降も,原告は,S-O型について,広告・宣伝を継続し,文献や業界誌にも多数掲載されていた事実が認められること,上記(1)オによれば, 上記昭和54年6月23日以降も,継続的・独占的に大 23日以降も,原告は,S-O型について,広告・宣伝を継続し,文献や業界誌にも多数掲載されていた事実が認められること,上記(1)オによれば, 上記昭和54年6月23日以降も,継続的・独占的に大量に製造・販売を続けていたといえることからすると,S-O型につき,昭和54年6月23日まで実用新案権1が存続していたとしても,その後,実用新案権1を有していたことに基づく独占状態の影響がなくなった後の原告の営業努力によって,原告商品の形状が出所を表示するものとして周知ないし著名で あるとの事情があるものと認められる。 また,前記第2の2(2)のとおり,原告商品のうちL型,M型,S型については昭和57年12月4日に実用新案権2の存続期間が満了した。そして,被告商品の販売を開始した平成24年12月までには,約30年と相当長期間が経過しているから,第三者が同種競合商品をもって市場に参入する機会は十分にあったと評価し得るものであり,前記S-O型と同様に, 実用新案権2を有していたことに基づく独占状態の影響が払拭されていたものというべきである。また,上記(1)アないしエによれば,実用新案権2の存続期間が満了した昭和57年12月4日が経過した以降も,原告は,L型,M型,S型について,広告・宣伝を継続し,文献や業界誌にも多数掲載されていた事実が認められること,上記(1)オによれば,上記昭和57 年12月4日以降も,原告は継続的・独占的に大量に製造・販売を続けていたといえることからすると,上記原告商品につき,昭和57年12月4日まで実用新案権2が存続していたとしても,その後,実用新案権2を有していたことに基づく独占状態の影響がなくなった後の原告の営業努力によって,原告商品の形状が出所を表示するものとして周知ないし著名であ で実用新案権2が存続していたとしても,その後,実用新案権2を有していたことに基づく独占状態の影響がなくなった後の原告の営業努力によって,原告商品の形状が出所を表示するものとして周知ないし著名であ るとの事情があるものと認められる。 さらに,前記第2の2(2)のとおり,原告商品のうちS-Ⅱ型,LL型,L-Ⅱ型については,平成9年2月26日に実用新案権3の存続期間が満了した。そして,被告商品の販売を開始した平成24年12月までには,約15年と相当長期間が経過しているから,第三者が同種競合商品をもっ て市場に参入する機会は十分にあったと評価し得るものであり,実用新案権3を有していたことに基づく独占状態の影響が払拭されていたものというべきである。上記(1)アないしエによれば,実用新案権3の存続期間が満了した平成9年2月26日が経過した以降も,原告は,S-Ⅱ型,LL型,L-Ⅱ型について,広告・宣伝を継続し,文献や業界誌にも多数掲載され ていた事実が認められること,上記(1)オによれば,上記平成9年2月26 日以降も,原告は,継続的・独占的に大量に製造・販売を続けていたといえることからすると,上記原告商品につき,平成9年2月26日まで実用新案権3が存続していたとしても,その後,実用新案権3を有していたことに基づく独占状態の影響がなくなった後の原告の営業努力によって,原告商品の形状が出所を表示するものとして周知ないし著名であるとの事情 があるものと認められる。 エこの点に関し被告は,日進化成が,平成20年2月25日には原告商品と同一の形態を有するプラスチック製充填物を販売していた事実をもって,原告が独占的な販売をしていたわけではないと主張する。 しかし,平成20年2月時点では,原告商品は既に実用新案権の存 には原告商品と同一の形態を有するプラスチック製充填物を販売していた事実をもって,原告が独占的な販売をしていたわけではないと主張する。 しかし,平成20年2月時点では,原告商品は既に実用新案権の存続期 間が満了してから相当期間が経過していること,日進化成の販売実績や広告等の状況などは明らかではなく,日進化成の商品が原告商品と同一の形態を有するとしても,原告商品の形態が,商品の形状が出所を表示するものとして周知ないし著名であるとの判断を妨げる事情とはいえない。 以上のことから,被告の上記主張は採用することができない。 (5) 小括以上のことから,原告商品の形態は,遅くとも平成24年までには特別顕著性及び周知性を獲得し,現在においてもそれが失われていないものであって,不競法2条1項1号の「商品等表示」に該当するというべきである。 2 争点(2)(原告商品と被告商品の誤認混同のおそれ)について (1) 上記1のとおり,原告商品の形態は原告の周知商品等表示としての機能を有しており,原告商品と被告商品は製造上の誤差を除き,前記第2の2(4)のとおり,同一の形状(原告商品S-O型が被告商品MT-S0と同一,原告商品S型が被告商品MT-Sと同一,原告商品S-Ⅱ型が被告商品MT-SⅡと同一,原告商品M型が被告商品MT-Mと同一,原告商品L型が被告商 品MT-Lと同一,原告商品LⅡ型が被告商品MT-LⅡと同一,原告商品 LL型が被告商品MT-LLと同一)であって,商品形態の類似性も認めることができる。 (2) そして,被告商品の形態が原告商品の形態と同一であること及び上記1(2)ウの取引形態からすれば,需要者である不規則充填物の購入者において,被告商品と原告商品との混同を生じるおそれがあるのは明らか ) そして,被告商品の形態が原告商品の形態と同一であること及び上記1(2)ウの取引形態からすれば,需要者である不規則充填物の購入者において,被告商品と原告商品との混同を生じるおそれがあるのは明らかである。 3 争点(3)(被告商品の製造・販売の有無)について(1) 前記第2の2(3)の事実並びに証拠(甲7,13)及び弁論の全趣旨によれば,被告が平成24年12月から被告商品の販売を開始している事実を認めることができる。 したがって,不競法2条1項1号の「譲渡」に該当する。 この点に関して被告は,被告商品のうちMT-S0及びMT-Sを製造・販売した事実はない旨主張する。 しかし,MT-Sについては別紙3のNo35,39,40において,被告自ら販売の事実を自認していることから優に認定することができる。また,MT-S0については,被告ホームページに掲載されていること(甲7), 被告カタログに掲載されていること(甲13)及び別紙被告商品説明書にMT-S0の実物の写真が掲載されていることからすると,販売の事実を優に認定することができる。 (2) 以上によれば,原告商品の形態は,遅くとも被告商品の販売が開始された24年12月の時点においては原告の周知の商品等表示になっていたという ことができるから,被告の被告商品の販売行為は不競法2条1項1号の不正競争行為に当たる。 そして,原告は,被告の上記不正競争行為によって,原告商品の販売に係る営業上の利益を侵害されている又は侵害のおそれがある者であるから,不競法3条1項に基づき,被告に対し,被告商品の譲渡,引渡し,又は譲渡若 しくは引渡しのための展示の差止めを請求することができるほか,同法3条 2項に基づき,侵害行為を組成した被告商品の廃棄,侵害の行為 被告に対し,被告商品の譲渡,引渡し,又は譲渡若 しくは引渡しのための展示の差止めを請求することができるほか,同法3条 2項に基づき,侵害行為を組成した被告商品の廃棄,侵害の行為に供した金型の除却を請求することができる。 (3) また,上記1(1)キの事実を踏まえると,「あの充填物がマツイマシン製でMT-PAKとして登場!」との記載における「あの充填物」という表現は被告商品の形態やサイズからすれば,原告商品を指すものと理解でき,「不 規則充填物のLCC時代を,マツイマシンが幕開けます。」との記載における「LCC時代」とは航空業界で言えば格安航空会社を意味する「Low-costcarrier」を意味するものと理解できることからすれば,被告は,上記不正競争行為によって原告の原告商品の販売に係る営業上の利益を侵害することを知っていたか,少なくとも知らなかったことにつき過失があったものと認め られる。 したがって,被告は,原告に対し,不競法4条に基づき,上記侵害行為によって原告が受けた損害を賠償する責任を負うというべきである。 4 争点(4)(損害発生の有無及びその額)について(1) 当事者の主張によれば,別紙1ないし3のうち,No1ないし40の被告 商品に係る各取引については,取引が存在した事実(別紙1~3の表におけるサイズ,数量(㎥),注文年月日)は当事者間に争いない。また,別紙1ないし3のうち,No1ないし26,28,31,33,36及び38の被告商品に係る各取引は,取引が存在した事実に加え,その取引内容(別紙1~3の表における売上額,仕入価格等,限界利益,サイズ,数量(㎥),注 文年月日)についても当事者間に争いがない。 (2) 次に,別紙1ないし3のうち,No27,29,30,32, 容(別紙1~3の表における売上額,仕入価格等,限界利益,サイズ,数量(㎥),注 文年月日)についても当事者間に争いがない。 (2) 次に,別紙1ないし3のうち,No27,29,30,32,34,35,37,39及び40については,取引内容に争いがある(別紙1~3の表における売上額又は仕入価格等。具体的な箇所は別紙1~3に黄色着色部分である。)ため,この点について以下,判断する。 ア No27の「仕入価格等」において「倉庫費」が含まれるかについて No27の取引に関し,No27の取引における納品書(乙37の1),請求書(乙37の2),注文申込書(乙37の3)のいずれにも,倉庫費を経費として支払ったことを示す証拠はない。この点,被告は,代替処理が行われたものである旨を主張するが,上記のとおり,緑マーカー部分10ないし16の●(省略)●がNo27の取引に関する倉庫費であること を示す証拠がない以上,被告の主張は採用できない。 したがって,No27の「仕入価格等」に「倉庫費」を含むことはできない。 イ No29の「仕入価格等」において「横持費」●(省略)●を除外するかについて No29の取引に関し,被告は「横持費」とは顧客への出荷までの間にA社において被告商品を保管できない場合に,A社から外部倉庫へ一時保管するために運搬する費用であり,No29の販売のために直接に要した費用である旨主張するところ,No29の取引における納品書(乙39の1)において●(省略)●の記載があり,被告の説明も不合理とはいえな いことからすれば,No29の取引の費用と認めるのが相当であり,これに反する原告の主張は採用することができない。 ウ No30の「仕入価格等」において,「横持費」「荷降ろし費」●(省 えな いことからすれば,No29の取引の費用と認めるのが相当であり,これに反する原告の主張は採用することができない。 ウ No30の「仕入価格等」において,「横持費」「荷降ろし費」●(省略)●を除外するかについてNo30の取引に関し,被告は「横持費」とは顧客への出荷までの間に A社において被告商品を保管できない場合に,A社から外部倉庫へ一時保管するために運搬する費用であり,「荷降ろし費」とは顧客の都合で製品の受け取りがすぐにできなくなり,荷降ろしの時間が午後にずれ込んだため,急遽現地の外注人員を手配する必要が生じたために要した費用である旨主張するところ,No30の取引における納品書(乙40の1)におい て●(省略)●の記載があり,被告の説明も不合理とはいえないことから すれば,No30の取引の費用と認めるのが相当であり,これに反する原告の主張は採用することができない。 エ No32「販売価格」は,●(省略)●かについてNo32の取引に関し,No32の取引における注文書(乙42の4),には,●(省略)●の記載があることからすれば,No32の販売価格は ●(省略)●と認めることができる。この点に関して被告は,他の商品も併せて合計20万円から2万円の値引きをしているため,2万円のうち●(省略)●は被告商品についての値引きである旨主張するが,証拠上値引きの対象が明らかになっているとはいえないから,被告の上記主張は採用することができない。 オ No34「販売価格」は,●(省略)●か「120万2500円」かについてNo34の取引に関し,No34の取引における御見積書(乙44の6)によれば,3種類の商品について●(省略)●の金額が記載されていることから,No34の販売価格は●(省略 0円」かについてNo34の取引に関し,No34の取引における御見積書(乙44の6)によれば,3種類の商品について●(省略)●の金額が記載されていることから,No34の販売価格は●(省略)●と認めることができる。この 点に関して原告は,見積書や注文書等の不自然性を主張するが,乙44の1ないし7によれば,見積番号等が共通し,一連の取引書類と見ることができることから,信用性があるものと認めるのが相当であり,これに反する原告の上記主張は採用することができない。 カ No35「販売価格」及び「仕入価格等」についていかなる計算をする かについてNo35の取引に関し,「販売価格」を明確に示す注文書等の証拠はないものの,乙51書面における説明は不合理とはいえないから,「販売価格」は●(省略)●,「仕入価格等」は●(省略)●と認められ,この点に関する原告の主張は証拠がないため,採用することができない。また,上 記認定に反する被告の主張については採用することができない。 キ No37「限界利益」がマイナスだが,限界利益の計算に含めてよいかについてNo37の取引に関し,「限界利益」がマイナス(赤字)であるとしても,不競法5条2項の「侵害行為により利益を受けているとき」については,被告が侵害行為に当たる具体的な各取引全体において得た利益を対象 とすべきであるから,利益が赤字である場合に被告があえて廉価販売を行ったなどの特別の事情がない限り,これを除外することなく,他の取引における利益と合算して計算するのが相当である。そして,本件において被告があえて廉価販売を行うなどの特段の事情はうかがわれない。 したがって,別紙3の限界利益欄のとおり,No37の限界利益欄は● (省略)●と認めるのが相当であ 当である。そして,本件において被告があえて廉価販売を行うなどの特段の事情はうかがわれない。 したがって,別紙3の限界利益欄のとおり,No37の限界利益欄は● (省略)●と認めるのが相当であり,これに反する原告の主張は採用することができない。 ク No39「仕入価格等」を●(省略)●とするかについてNo39の取引に関し,No39の取引における請求書等(乙49の1ないし6)を見ても,検品費用●(省略)●及び袋詰替え費●(省略)● が経費としてかかったことを示す証拠はない。 この点に関して被告は,代替処理が行われたものである旨を主張するが,上記のとおり,No39の取引に関する検品費用及び袋詰替え費であることを示す証拠がない以上,被告の上記主張は採用することができない。 ケ No40「限界利益」がマイナスだが,限界利益の計算に含めてよいか についてNo40の取引に関し,「限界利益」がマイナス(赤字)であるとしても,前記のとおり,不競法5条2項の「侵害行為により利益を受けているとき」については,被告が侵害行為に当たる具体的な各取引全体において得た利益を対象とすべきであるから,赤字である場合でも,被告があえて 廉価販売を行ったなどの特別の事情がない限り,これを除外することなく, 他の取引における利益と合算して計算するのが相当である。そして,本件において被告があえて廉価販売を行うなどの特段の事情はうかがわれない。 したがって,別紙3の限界利益欄のとおり,No40の限界利益欄は●(省略)●と認めるのが相当であり,この点に関する原告の主張は採用することができない。 (3) 別紙1及び2のうち,No41ないし47の各取引については,取引の存在自体に争いがある(原告は別紙1及び2の表に掲げる取引があ り,この点に関する原告の主張は採用することができない。 (3) 別紙1及び2のうち,No41ないし47の各取引については,取引の存在自体に争いがある(原告は別紙1及び2の表に掲げる取引があった旨主張するが,被告はかかる事実をいずれも否認している。)ため,この点について以下,判断する。 原告は,No1ないし40の取引以外にも,緑マーカー部分の経費に対応 する被告商品の販売実績が存在する旨主張し,これらの取引における販売額を推計することを主張している。 しかし,原告の主張するNo41ないし46の取引の存在を積極的にうかがわせる注文書等の取引書類はなく,かかる取引の存在を認めるに足りる証拠はない。 この点に関して原告は,被告が薄利・赤字の取引における経費を利益率の高い取引に付け替える代替処理を行ったと説明していること自体の不自然性を指摘するが,確かに,代替処理が行われたことを客観的に示す証拠はなく(乙52の2頁にも「費用の代替え処理である以上,客観的な資料からは明らかにすることは不可能であり」と記載されている。),その意味で被告商 品の経費としての計上が認められないことは上記(2)ア及びクにおいて説示したとおりであるが,そのことをもって,原告が主張するような取引が存在したことまでを推認することはできず,上記のとおり,No41ないし46の取引の存在を認めるに足りる証拠がない以上,この点に関する原告の主張は採用することができない。 また,原告は,No47の取引につき,乙51書面添付「別紙7」の10 頁「MT-PAKSⅡ PP 0.2」の記載から取引の存在が認められると主張するが,被告はA社への発注後,顧客からキャンセルがあったため,発注をキャンセルしたものと説明しており,乙51書面の当 頁「MT-PAKSⅡ PP 0.2」の記載から取引の存在が認められると主張するが,被告はA社への発注後,顧客からキャンセルがあったため,発注をキャンセルしたものと説明しており,乙51書面の当該箇所には「単価」が「0」,「合計」が「0」と記載されていることから,被告の主張に沿うものである。 したがって,No47の取引に関する原告の上記主張は採用することができない。 (4) 以上によれば,被告による被告商品の取引は別紙4計算書記載のとおりであり,各取引の限界利益の合計額は2537万4095円と認められる。なお,MT-S0に関し被告が得た利益についての立証はなく,これを認める に足りない。 (5) この点に関して原告は,不競法9条を適用すべき者の主張もしているが,上記のとおり,証拠上,不競法5条2項にいう「利益の額」が明らかとなっていることから,不競法9条にいう「損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるとき」には当たらない。 したがって,原告の不競法9条に係る主張は理由がない。 (6) 損害額よって,原告の損害額は合計2537万4095円である。 5 結論以上によれば,原告の請求は被告商品の製造・販売等の差止め,被告の占 有する被告商品の廃棄,被告商品の製造のための金型の除却,2537万4095円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成27年9月12日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこの限度で認容し,その余の請求は理由がないからこれを棄却することとし,仮執行の宣言につき,主文第1項ないし第3項については相当 でないからこれを付さないこととして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民 理由 がないからこれを棄却することとし,仮執行の宣言につき,主文第1項ないし第3項については相当でないからこれを付さないこととして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第40部 裁判長裁判官 東海林保 裁判官 遠山敦士 裁判官 勝又来未子 別紙物件目録 1 商品名:MT-PAK型式名:MT-S0 2 商品名:MT-PAK型式名:MT-LMT-MMT-S 3 商品名:MT-PAK型式名:MT-SⅡMT-LLMT-LⅡ 別紙原告商品目録 1 商品名テラレット(TELLERETTE) 2 型式S-O型,L型,M型,S型,S-Ⅱ型,LL型,L-Ⅱ型 〈原告商品の写真一覧省略〉

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