昭和41(う)993 公職選挙法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和41年7月28日 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件控訴はいずれもこれを棄却する。          理    由  本件控訴の趣意は検察官作成提出にかかる控訴趣意書記載のとおりであり、これ に対する答弁は被告人等の弁護人出

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判決文本文1,403 文字)

主    文      本件控訴はいずれもこれを棄却する。          理    由  本件控訴の趣意は検察官作成提出にかかる控訴趣意書記載のとおりであり、これ に対する答弁は被告人等の弁護人出射義夫、中川久義、伊藤貞利共同作成名義の答 弁書記載のとおりであるから、これらをここに引用して次のとおり判断する。  所論は要するに、公職選挙法第一三六条の二第一項、第二三九条の二第二項(公 務員等の地位利用による選挙運動の禁止)の適用ある事案については、同法第一二 九条、第二三九条第一号(いわゆる事前運動禁止)の適用はないとする原審の判断 は、法律の解釈を誤つたものであり、かつ右誤りは判決に影響を及ぼすことが明ら <要旨>かであるというにあるので審案するに、公職選挙法第一二九条の規定は、常 時選挙運動を行うことに伴う弊害</要旨>を防止し、選挙の公正を期するため、選挙 運動の時期を制限したものであるから、同条にいわゆる選挙運動を解して、選挙運 動期間中は適法に為すことのできる選挙運動行為のみに限るいわれはなく、それ自 体違法な選挙運動(例えば買収罪、戸別訪問罪の如き)をも含むと解するのが相当 であるところ、同法第一三六条の二第一項の規定は、一定の地位に在る公務員等の 地位利用による選挙運動を禁止し、もつて選挙の公正を保持しようとするものであ つて、この規定に該当する行為は違法な行為ではあるが選挙運動であることは云う までもないのであるから、被告人等の所為は右各法条に該当し、結局一個の行為で あつて数個の罪名に触れる場合に該たるものと解すべきである。然るにこの両者を いわゆる法条競合と解し、同法第一三六条の適用ある場合には、同法第一二九条の 適用の余地はないとした原判決は法律の解釈を誤つたものといわなければならな い。この理は右公務員等の地位利用選挙運動禁止規定がいわゆる事前運 合と解し、同法第一三六条の適用ある場合には、同法第一二九条の 適用の余地はないとした原判決は法律の解釈を誤つたものといわなければならな い。この理は右公務員等の地位利用選挙運動禁止規定がいわゆる事前運動の特別加 重規定から、昭和三七年五月の法改正により、事前運動と否とを問わない一般禁止 規定になつたという立法の経過によつても少しも変らない。よつてこの点における 検察官の論旨は理由がある。  然しながら右の如く、被告人の行為は一面において事前運動禁止の規定に、他面 において公務員等の地位利用選挙運動禁止の規定にそれぞれ該当するが、右は一個 の行為であつて二個の罪名に触れる場合であるから、刑法第五四条前段第一〇条に より、結局原審と同じく、重い公職選挙法第一三六条の二第一項、第二三九条の二 第二項、罰金等臨時措置法第二条により処罰することになるのであつて、しかも原 審は右第一三六条の二中には当然第一二九条の罪も含まれるものとして、右第一三 六条の二第一項、第二三九条の二第二項所定刑の範囲内で被告人等を処罰している のであるから、右法律の解釈の誤りは判決に影響を及ぼさないものと解せられるの で、この点の論旨は理由がない。  結局本件控訴は理由がないから、刑事訴訟法第三九六条によつてこれを棄却する こととし、主文のとおり判決する。  (裁判長判事 石井文治 判事 山田鷹之助 判事 渡辺達夫)

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