- 1 -主文 矢板市長が平成18年5月17日付けで原告に対してした道路占用不許可処分を取り消す。 矢板市長が平成18年5月17日付けで原告に対してした道路工事施行不承認処分を取り消す。 被告は,原告に対し,200万円及びこれに対する平成18年9月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告のその余の請求を棄却する。 訴訟費用は,これを3分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。 事実及び理由 第1請求 主文第1項,第2項に同旨 被告は,原告に対し,1000万円及びこれに対する平成18年9月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要本件は,矢板市内において競輪事業の場外車券売場を建設しようとした原告が,矢板市長に対し,道路法32条に基づく道路占用許可申請及び同法24条に基づく道路工事施行承認申請を行ったところ,矢板市長がこれらを不許可,不承認とする各処分をしたため,原告が,被告に対し,上記各処分の取消しを求めるとともに,上記各処分により弁護士を依頼して本訴提起等を余儀なくされたとして,国家賠償法1条1項に基づき弁護士費用及びこれに対する本件訴状送達日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 前提事実(争いのない事実及び括弧内掲記の証拠により容易に認定し得る事- 2 -実)(1)原告は,不動産の売買,交換,賃借及びその仲介並びに所有,管理,利用等を目的とする会社である。 (2)原告は,平成18年当時,栃木県矢板市α××番,××番1,××番及(。 。 び同所β××番の土地地目山林公簿面積合計1万6750平方メートル以下,これらをまとめて「本件土地」という)において,敷地内に212。 台分の駐車場 県矢板市α××番,××番1,××番及(。 。 び同所β××番の土地地目山林公簿面積合計1万6750平方メートル以下,これらをまとめて「本件土地」という)において,敷地内に212。 台分の駐車場を備えた競輪事業の場外車券売場を建設し,これを運営する計画(以下「本件計画」という)を有していた(甲6。 。 )(3)本件土地は,γ自動車道δインターチェンジ出口と県道ε線が交わる交差点から県道ε線を約170メートル北上し,県道ε線と市道ζ線が交わる交差点(以下「本件交差点」という)から市道ζ線を約550メートル西。 進し,左折して約250メートル南進した市道ζ線沿いに位置し,η団地造成地区に隣接している(甲64,乙7。 )(4)原告は,平成18年2月27日,矢板市長に対し,道路法32条に基づく道路占用許可申請及び同法24条に基づく道路工事施行承認申請を行った(甲21,22,28,29,46,47。以下,この道路占用許可申請を「本件道路占用許可申請,この道路工事施行承認申請を「本件道路工事施」行承認申請,両者をあわせて「本件各申請」といい,本件各申請の対象と」なった場所をあわせて「本件各申請地」という。 。)本件道路占用許可申請の内容は,本件土地の隣接地(栃木県矢板市θ××-1,被告所有)にある既設水路に排水するため,本件土地からの防災調整池放流管渠として,CSB管(口径60センチメートル,長さ140.20メートル)を市道ζ線の下に敷設するというものであった(計画について,甲22,47,70。隣接地について,甲23。 。)また,本件道路工事施行承認申請の内容は,本件土地への進入口を市道ζ線に接続するため,歩車道境界ブロックを撤去し,歩道部分を車道と同様の- 3 -強度のものに舗装し直し,それに伴ってU型側溝を作りかえるという 路工事施行承認申請の内容は,本件土地への進入口を市道ζ線に接続するため,歩車道境界ブロックを撤去し,歩道部分を車道と同様の- 3 -強度のものに舗装し直し,それに伴ってU型側溝を作りかえるというものであった(甲21,46,70,証人a。 )(5)原告の本件各申請に対し,矢板市長は,平成18年5月17日付けで,原告の本件道路占用許可申請につき不許可の,また本件道路工事施行承認申請につき不承認とする各処分を行った(以下,本件道路占用許可申請の不許可処分を本件不許可処分本件道路工事施行承認申請の不承認処分を本「」,「件不承認処分,両者をあわせて「本件各処分」という。 」。)(6)本件各処分の通知には,不許可または不承認の理由として「開発目的,である施設は,市民への影響及びまちづくりへの影響の視点から本市には設置すべきでない施設である」と記載されていた。 。 (7)原告は,同年6月5日付けで,行政不服審査法に基づき,被告に本件各処分に対する異議を申し立てたが,被告は,同月27日,原告の異議を棄却する旨決定した(甲37ないし39。 )(8)原告は,同年8月26日,本件訴えを提起した(顕著な事実。 ) 争点及び当事者の主張(1)本件各処分は違法か。 (被告の主張)ア道路法1条は,道路法の目的として「この法律は,道路網の整備を図,るため,道路に関して,路線の指定及び認定,管理,構造,保全,費用の負担区分等に関する事項を定め,もって交通の発達に寄与し,公共の福祉を増進することを目的とする」と規定する。 。 したがって,道路法の運用においては,公共の福祉の増進に資するか否かが一義的に判断されなければならない。 矢板市長が行った本件各処分は「開発目的である施設は,市民への影,響及びまちづくりへの影響の視点から,本 道路法の運用においては,公共の福祉の増進に資するか否かが一義的に判断されなければならない。 矢板市長が行った本件各処分は「開発目的である施設は,市民への影,響及びまちづくりへの影響の視点から,本市には設置すべきでない施設である」とするものであり,公共の福祉の増進に資するか否かを判断し,。 - 4 -その結果,不許可,不承認としたものであって,いずれも適法な処分である。 イ原告は,下記のとおり,本件道路占用許可申請が道路法36条の申請に当たり,矢板市長は許可を義務付けられていると主張するが,道路法36条が適用されるのは,水道法,工業用水道事業法,下水道法などに基づく事業に限られ,水管の設置であってもこれらの法律に基づかないもの(たとえば,自家用の水道のための水管)については,同条は適用されない。 本件道路占用許可申請は,公共下水道事業の事業者以外の個人が設置する排水管であり,同条が適用されるものではない。 したがって,矢板市長は,本件道路占用許可申請につき,許可を義務付けられるものではない。 ウ仮に,本件各処分が道路法1条によって適法にならないとしても,道路法32条の許可及び同法24条の承認は,いずれも原則として自由裁量に属するものであり,矢板市長は,以下の各事情を考慮して,本件各処分を行った。 被告は,21世紀矢板市総合計画改定後期計画の基本計画において,青少年の健全育成,有害環境浄化活動の推進,犯罪のない都市にすること,,,,定住基盤整備の推進交通体系の確立工業の振興を標榜しているところ,,,本件計画により場外車券売場が建設されれば青少年への非行勧誘スリひったくり,空巣狙い,乱闘,恐喝,傷害事件などの発生,飲食店や風俗店等が出店することによる乱開発,市道ζ線と県道ε線との交差点からγ自動車道δインターチェンジにか 設されれば青少年への非行勧誘スリひったくり,空巣狙い,乱闘,恐喝,傷害事件などの発生,飲食店や風俗店等が出店することによる乱開発,市道ζ線と県道ε線との交差点からγ自動車道δインターチェンジにかけての恒常的な渋滞の発生,η団地への企業誘致に対する悪影響などが懸念され,被告のまちづくりの具体的指針に抵触する上,地域住民から建設反対の陳情が矢板市議会に対してなされている。また,矢板市の2大市街地であるι地区とκ地区を接続する道路は,国道4号線と県道ε線の2路線のみであるところ,本件計画は,場外- 5 -車券売場の座席数750席,駐車台数212台であり,場外車券売場が閉場する際に,212台の車両が一斉に帰途につくと,本件交差点は,場外車券売場から帰途につく車両で渋滞することになり,ι地区とκ地区の都市間の交流制限,γ自動車道δインターチェンジ利用の著しい制限,η団地の企業活動の低下を招くことになる。さらに,市道ζ線は,η団地造成のため,多大な事業費を投じて整備されたものであるが,本件計画が実現すれば,市道ζ線を整備した目的及びその役割を著しく阻害することになる。 以上のさまざまな事情を考慮した上で,矢板市長は,本件各申請を不許可,不承認としたのであり,その裁量に逸脱も濫用もない。 (原告の主張)ア被告は,本件各処分は,道路法1条の「公共の福祉の増進」に資するものであるから,適法であると主張する。 しかし,公共の福祉とは,当該法律が適正に施行されることによる目的概念として用いられているにすぎず,当該法律の具体的な適用場面においては,個別の各条項,政令等に従うべきであって,公共の福祉が一人歩きして,直接的な規範性を持つなどということはあり得ない。 本件各処分の違法性判断は,端的に道路法32条,24条の要件を充足するか否かで決せられるべき 項,政令等に従うべきであって,公共の福祉が一人歩きして,直接的な規範性を持つなどということはあり得ない。 本件各処分の違法性判断は,端的に道路法32条,24条の要件を充足するか否かで決せられるべきである。 イ道路法36条によれば,下水道法に基づき,下水道管を道路に設けようとする者から道路占用許可の申請があった場合,道路管理者は,当該申請に係る道路の占用が道路法33条1項の規定に基づく政令で定める基準に適合するときは,同法32条1項又は3項の規定による許可を与えなければならないと規定しているところ,本件道路占用許可申請は,主に雨水を放水するための放水管を市道ζ線の下に敷設しようとするものであり,この放水管は,下水道法2条2項の定義による下水(雨水)を排除するため- 6 -の排水管渠であるから,同条3項の下水道に該当する。 したがって,本件道路占用許可申請に対する許可について,矢板市長に裁量はなく,本件道路占用許可申請は許可しなければならないのであるから,これを不許可とした矢板市長の処分は,道路法36条に反し,違法である。 ウ(ア)仮に,本件道路占用許可申請が道路法36条の申請に当たらないとすると,道路法32条1項が定める道路管理者の許可は,原則として自由裁量に属するが,道路管理者は個別具体的に占用目的,占用形態,占用者等に関する諸要素を総合的に判断して決定すべきであり,当該占用場所の交通量,交通規制,道路状況の変更等から判断して当該占用を許可することができない理由が存在し,当該占用許可が必ずしも社会生活上必要なものとは認められない場合でなければ許可すべきであり,裁量の逸脱又は濫用は許されないと解される。その際,本来の管理者の立場を超えた理由(いわゆる他事考慮)により,不許可とすることは,裁量の逸脱又は濫用になると解される。 本件 ければ許可すべきであり,裁量の逸脱又は濫用は許されないと解される。その際,本来の管理者の立場を超えた理由(いわゆる他事考慮)により,不許可とすることは,裁量の逸脱又は濫用になると解される。 本件道路占用許可申請は,本件土地から市道ζ線の下に排水管(CSB管)を敷設し,既存の水路に接続する排水設備を設置する工事を実施し,その結果,接続された排水管の一部が市道ζ線の下を通るために,道路管理者たる被告に,占用の許可を求めるというものにすぎない。その工事期間はわずか1週間程度である上,本件道路占用許可申請の対象場所の交通量は極めて少なく,占用に伴う工事により渋滞が発生することはあり得ない。また,埋設されたCSB管が将来の交通安全に影響を。 ,,及ぼすということもあり得ないしたがって本件道路占用許可申請は許可されるべきである。 (イ)また,道路法24条本文が定める道路管理者の承認も,自由裁量に属し,道路管理者は,その工事等を行う必要性,設計及び実施計画の合- 7 -理性並びに道路管理上の支障の有無などを総合的に判断して,承認又は不承認の処分を行うことができるが,個別的な処理に当たって恣意にわたり不当な結果が生ずることがないように,運用上は規則等の形式で一般的な処理方針を確立しておくことが望ましいとされており,道路管理,。 者としての裁量権を逸脱又は濫用した不承認は違法であると解される本件道路工事施行承認申請は,接道のためのごく一般的な工事である上,原告は,この工事に関して,道路法,道路施行令,その他関係法令及び被告の指示に全面的に従って施行することを当然の前提に申請を行っているのであり,本件道路工事施行承認申請を不承認とすべき理由はない。上記工事の必要性,設計及び実施計画の合理性並びに道路管理上,,の支障の有無のいずれの事情 行することを当然の前提に申請を行っているのであり,本件道路工事施行承認申請を不承認とすべき理由はない。上記工事の必要性,設計及び実施計画の合理性並びに道路管理上,,の支障の有無のいずれの事情からしても本件道路工事施行承認申請は承認されるべきである。 (ウ)矢板市長は「開発目的である施設は,市民への影響及びまちづく,りへの影響の視点から,本市には設置すべきでない施設である」との理由により,本件各申請を不許可,不承認としたものであるが,これは,本件各申請の対象たる道路の占用及び工事そのものとは全く無関係の,申請者の建物使用目的により不許可としたものである。 したがって,矢板市長は,何ら本件各申請を不許可,不承認とする理由が存在しないにもかかわらず,いわゆる他事考慮によって,本件各処分をしたのであるから,本件各処分は,裁量逸脱又は裁量濫用により,違法である。 (エ)これに対し,被告は,本件交差点における交通渋滞を懸念して,本件各申請を不許可,不承認としたと主張するが,このような主張は,本件訴訟において,突然されたものであり,矢板市長及び被告は,本件各処分以来「開発目的である施設は,市民への影響及びまちづくりへの,影響の視点から,本市に設置すべきでない施設である」との理由に終。 - 8 -始していたのであるから,矢板市長は,本件各処分時,交通渋滞を考慮してはいなかったものである。 その上,場外車券売場においては,客は自分の興味のあるレースを目当てにその時間帯に来場するのであって,場外車券売場の開閉場に合わせて客が一斉に出入りするということはあり得ない。また,本件土地から県道ε線に流入するためには,市道λ線もあって,本件交差点のみに車両が流入するわけではないが,仮に本件交差点に212台の車両が流入したとしても,1回の青信号で2 ことはあり得ない。また,本件土地から県道ε線に流入するためには,市道λ線もあって,本件交差点のみに車両が流入するわけではないが,仮に本件交差点に212台の車両が流入したとしても,1回の青信号で20台から30台が県道ε線に進入できることから,212台の車両が県道ε線に進入するには,10分から15分程度あれば十分である(被告は,本件交差点において,実走実験を行い,その結果を証拠として提出している(乙9)が,この実走実験は,右折車と左折車を同じ割合としていない点及び212台の駐車車両が一斉に退場することを前提としている点において不合理である。 。),,,さらに原告は駐車場の満車時の誘導や他の駐車場の確保についても。 ,。 十分な準備をしているしたがって交通渋滞が発生するおそれはないゆえに,いずれにしても被告の上記主張は理由がないものである。 ,。 (2)本件各処分により原告の被告に対する損害賠償請求権が認められるか認められるとした場合,その損害額はいくらか。 (原告の主張)本件各処分は,上記原告主張のとおり,裁量の逸脱又は濫用により,違法なものであるところ,矢板市長は,本件各処分が法律に反する違法な処分であることを明確に認識しながら,あえて本件各処分を行った。 これにより,原告は,被告に対して異議を申し立てること及び本件訴訟を提起することを余儀なくされ,これらを弁護士に委任し,その着手金,報酬として1000万円を支払う旨合意した。 したがって,原告は,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,損害賠- 9 -償請求をすることができる。 (被告の主張)争う。 第3争点に対する当裁判所の判断 証拠(甲3ないし5,14,20ないし22,25,28,29,35,3 乙423ないし26証人a 。 (被告の主張)争う。 第3争点に対する当裁判所の判断 証拠(甲3ないし5,14,20ないし22,25,28,29,35,3 乙423ないし26証人a以下a,,,,,,,,(「証言」という,同b(以下「b証言」という,同c(以下「c証言」と。)。)いう)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 。)(1)原告は,平成13年11月28日に設立された(弁論の全趣旨。 )(2)原告は,d株式会社(以下「d」という)に本件土地に場外車券売場。 を建設するための開発許認可業務を委託し,矢板市長外に対する原告の各種,(,申請及び事前協議は主にdの取締役統括本部長であるaが行った甲7071,a証言及びb証言。 )(3)原告は,平成14年ころ,本件土地の近く(栃木県矢板市μ××番地,同所ν××番地外)において場外車券売場を建設する計画(以下「第一次計画」という)を立案し,平成14年2月26日に矢板市長に対し土地利用。 に関する事前協議を申し出たところ,矢板市長は,平成15年6月18日,「本件土地利用に関する事前協議については,計画内容について止むを得ないものと判断します」と回答したものの,それに加えて「ただし,土地。 ,利用の目的である『車券発売所』については,施設建設に対する地域住民等の反対があるなど,すでに市民に不安を与えており本市の目指すまちづくりには合致するものではなく,市民感情や市民生活への影響懸念の観点から,好ましくない施設と思慮するものであります。加えて,県内に不要な施設とする栃木県の方針もありますので,本計画の再考を望むものであります」。 と回答した(甲74の添付書類1。 )(4)その後,上記場外車券売場建設予定地内に市道ζ線が ます。加えて,県内に不要な施設とする栃木県の方針もありますので,本計画の再考を望むものであります」。 と回答した(甲74の添付書類1。 )(4)その後,上記場外車券売場建設予定地内に市道ζ線が通る計画があるこ- 10 -とが判明し,原告は,平成15年8月25日,第一次計画の事前協議を一旦取り下げた(乙24。 )(5)原告は,本件土地に場外車券売場を建設するという本件計画(以下,本件計画のことを「第二次計画」ということがある)を立て,平成17年4。 月12日,本件計画についての事前協議を矢板市長に申請した(甲3。 )(6)被告の職員は,本件計画に関する事前協議がされた後である平成17年,。 ,,5月17日栃木県の職員と意見交換の場を設けたその際被告の職員は栃木県の職員に対し,原告の第一次計画について「やむを得ない」と回答したこと,第二次計画は,第一次計画とほぼ同条件であり,かつ環境変化もないことから,回答変更が困難な状況である旨説明し,その際,栃木県の職員から「市の段階で阻止できないか」との打診を受けたが,被告の職員は,,。 「不適とする根拠が無い」と回答した(甲4。 。 )(7)矢板市長は,平成17年7月13日,本件計画に対し「本件土地利用,に関する事前協議については,計画内容について止むを得ないものと判断します。ただし,土地利用の目的である『車券発売所』については,以前に施設建設に対する地域住民等の反対があったことなど,市民に不安を与えた経緯等から本市の目指すまちづくりには合致するものではない。したがって,市民感情や市民生活への影響懸念の観点から,好ましくない施設と思慮するものであり,加えて,県内に不要な施設とする栃木県の方針があることを申し添えるものであります」と回答した(甲5。 。 )(8)原 民感情や市民生活への影響懸念の観点から,好ましくない施設と思慮するものであり,加えて,県内に不要な施設とする栃木県の方針があることを申し添えるものであります」と回答した(甲5。 。 )(8)原告は,平成17年11月24日,矢板市長に対し,本件道路占用許可申請と同趣旨の道路占用許可申請を行った(甲14。 )(9)平成17年12月2日から同月16日まで開かれた第274回矢板市議会定例会において,矢板市長は「市として特別な理由がなくて否定するこ,とができるものではないという状況にあるわけであります。市の立場は,法に適応した土地利用がなされていれば,設置を認めないわけにはいかないと- 11 -いう,そういう状況にありまして,好ましくない施設だという,いわゆる中止してほしいという程度のものしか市には権限がないということでございます」と答弁した(甲35。 。 )(10)原告が計画する場外車券売場については,第一次計画中の平成15年当時から,矢板市議会に場外車券売場建設反対の陳情が寄せられており(乙25,本件計画遂行中の平成17年にも,複数の陳情が矢板市議会に寄せら)れ,矢板市議会は,平成17年12月16日,上記定例会において,7件の場外車券売場反対の陳情を採択した(乙4。 )(11)被告の職員は,平成17年12月26日,平成18年1月6日及び同月12日,dのaに対し,本件計画に基づく事前協議を取り下げるよう要請したが,aはこれに応じなかった(甲36,70,a証言,c証言。 )(12)矢板市長は,平成18年2月24日「土地開発事前協議について(通,知」と題する書面において「本計画は,市民への影響及びまちづくりへ),の影響の視点から総合的に熟慮した結果,この施設は本市には設置すべきでないと考えます。加えて,県内には不要な施 ついて(通,知」と題する書面において「本計画は,市民への影響及びまちづくりへ),の影響の視点から総合的に熟慮した結果,この施設は本市には設置すべきでないと考えます。加えて,県内には不要な施設とする栃木県の方針があることを申し添えます」という内容の通知をした(甲20。 。 )(13)原告は,平成18年2月27日,矢板市長に対し,本件各申請を行った(甲21,22,46,47。 )(14)平成18年3月3日から同月23日まで開かれた第275回矢板市議会定例会において,矢板市長は「道路法第24条の接続や,同法第32条の,占用等に基づく承認や許可につきましては,行政指導の範囲ではなく,法律行為でありまして,一定要件を満たす場合には,法令を遵守する立場にある行政としては,関係個別法を遵守しなければならないので,これをもって法的に断念させるというのは,困難であるというふうに思っております」と。 答弁した(甲36。 )(15)原告は,本件各申請後,矢板市長からの応答がないことから,同年3月- 12 -29日,照会書を送り,速やかな対処を願い出た(甲25。 )(16)矢板市長は,同年5月17日,本件各申請を不許可,不承認とする処分を行った(甲28,29。 )(17)本件土地から,市道ζ線を北上し,市道ξ線との交差点を左折し,市道λ線を右折し,県道ε線に流入するルートは,途中に舗装されていない区間や,幅3.4メートルの区間がある(乙26。 )(18)なお,栃木県は,平成15年3月19日,下水道法4条1項に基づき,被告の公共下水道事業計画の変更を認可したが,本件土地及びその周辺は,公共下水道の事業認可区域には含まれていない(乙23。 )また,原告が敷設しようとする排水管は,地方公共団体が管理する下水道により排除される下水を受 計画の変更を認可したが,本件土地及びその周辺は,公共下水道の事業認可区域には含まれていない(乙23。 )また,原告が敷設しようとする排水管は,地方公共団体が管理する下水道により排除される下水を受けるものでも,公共下水道により排除される雨水を受けるものでもない(甲22,47。 ) 本件各処分は違法か(争点(1))について(1)被告は,矢板市長が行った本件各処分は,道路法1条の規定する公共の福祉の観点から行われたものであって,適法な処分である旨主張する。 しかしながら,同条はいわゆる目的条項であって,道路法を定めるに当たり,その目的とするところを明らかにするものにすぎず,被告のいうように道路法の運用に当たって,公共の福祉の増進に資するか否かが一義的に判断されるべきものであるという意味まで含むものではなく,道路法の各条項を解釈するに当たってその目的を十分にふまえて行うべきであるということを意味するものと解すべきである。 したがって,本件各処分が道路法1条によって適法となるとはいえず,本件各処分が適法となるかは,同法32条及び同法24条の解釈によって決せられるべきである。 (2)本件不許可処分についてアまず,原告は,本件道路占用許可申請は,主に雨水を放水するための放- 13 -水管を市道ζ線の下に敷設しようとするもので,下水道法2条3項の下水道に該当し,道路法36条2項により,矢板市長は占用許可を与えなければならないのであるから,矢板市長が行った本件不許可処分は違法である旨主張する。 しかしながら,道路法36条は,下水道事業等が公共性を有することに鑑み,道路管理者に対して,基準に適合する限り,申請者の占用を許可することを義務付けたものであるところ,同条の適用を受けるのは,下水道法等の規定に基づき,下水道管等を道路に設けようとする することに鑑み,道路管理者に対して,基準に適合する限り,申請者の占用を許可することを義務付けたものであるところ,同条の適用を受けるのは,下水道法等の規定に基づき,下水道管等を道路に設けようとする場合に限られる(同条1項。原告は,公共下水道の設置主体たる市町村又は都道府県で)はない(下水道法3条参照)ことから,原告の設置する下水道管が,直ちに下水道法に基づく下水道管となることはない。また,本件土地及びその,,周辺はいずれも公共下水道の事業認可区域には含まれていないことから原告には,下水道法10条1項に基づく排水設備の設置義務はなく,排水先である本件土地の隣接地(栃木県矢板市θ××-1)を所有する被告にも,下水道法11条1項に基づく排水に関する受任義務はない。したがって,原告が敷設しようとする排水管は,下水道法2条3号にいう公共下水道には当たらない。また,原告の敷設しようとする排水管は,地方公共団体が管理する下水道により排除される下水を受けるものでも,公共下水道により排除される雨水を受けるものでもないことから,下水道法2条4号の流域下水道にも当たらない。そうすると,原告が敷設しようとする排水管は,下水道法に基づく下水道管には当たらず,これを敷設するためにされた本件道路占用許可申請は,道路法36条2項によって許可が義務付けられる申請には当たらない。 したがって,この点に関する原告の主張は,失当である。 イ(ア)ところで,道路法32条は,道路に一定の工作物等を設け,継続的に道路を使用しようとする場合には,道路管理者の許可を必要とする旨- 14 -規定しているが,これは,道路が一般交通の用に供され,国民の最も基本的な交通手段となるという意味で高度の公共性を有することに鑑み,道路を特定の者が占用しようとする場合には,そのような占用が 14 -規定しているが,これは,道路が一般交通の用に供され,国民の最も基本的な交通手段となるという意味で高度の公共性を有することに鑑み,道路を特定の者が占用しようとする場合には,そのような占用が道路本来の目的を阻害しないかを道路管理者に判断せしめ,もって道路の公共的効用を維持せしめようとしたものであると解される。そして,道路法は,道路の占用が同法32条1項各号の定める工作物等の一つに該当するものであって,道路の敷地外に余地がないためにやむを得ないものであり,かつ,同条2項2号ないし7号が掲げる占用期間,占用場所,工事実施の方法等について政令の定める基準に適合する場合に限り,道路管理者は占用許可を与えることができると定めているが,これは,道路の状況をもっともよく把握している道路管理者に,道路の公共性及び秩序維持の観点から,当該占用が道路本来の目的を阻害しないかを判断せしめようとしたものであると解され,かかる道路法の趣旨に鑑みれば,道路の占用を許可するか否かの上記判断は,道路管理者の裁量に委ねられているものと解すべきである。もっとも,上記裁量は,道路管理者が道路の状況をもっともよく把握しており,当該占用が道路本来の目的を阻害しないかを判断するに適していると考えられることから与えられているものであること及び道路占用許可申請に対する不許可処分について不服申立の途が認められている(道路法96条)ことから,道路管理者の裁量も無限定なものではなく,道路管理者としての観点からの考慮をせず,道路管理上の理由とは関連のない事情を理由として許可又は不許可とすることなどは裁量の逸脱に当たると解されるし,また当該占用をする必要性,設計及び実施計画の合理性並びに道路管理上の支障の有無などを総合的に考慮しても,道路の管理上,何ら当該申請を拒絶すべき理由が することなどは裁量の逸脱に当たると解されるし,また当該占用をする必要性,設計及び実施計画の合理性並びに道路管理上の支障の有無などを総合的に考慮しても,道路の管理上,何ら当該申請を拒絶すべき理由が存しないにも関わらず,これを不許可とすることは裁量の濫用で当たると解され,許されないものであるといわなければならない。 - 15 -(イ)本件についてこれをみるに,本件道路占用許可申請は,本件土地からの防災調整池放流管渠として,CSB管を市道ζ線の下に敷設するというものにすぎず,このような排水管が地下に埋設されることにより,排水管が埋設される地点の道路状況に悪影響が生じるおそれは一般的にはないといえる。被告は,場外車券売場が建設されると,本件申請地に隣接するη団地への企業誘致への悪影響,暴力団の出入りやごみの不法投棄等による住民の生活への悪影響,青少年や子供たちへの悪影響,ギャンブルに起因する犯罪誘発の懸念等を挙げて,市民への影響及びまちづくりへの影響の視点から,本件計画にかかる施設は矢板市には設置すべきではない施設であり,公共の福祉の増進に資するか否かを判断した結果,本件不許可処分をしたと主張する。しかし,公共の福祉の増進に資するか否かということが直接的に道路占用許可申請の許否に影響を及ぼすものではないことは前記のとおりであるところ,道路占用許可申請の許否については,申請にかかる工事の必要性,その設計及び実施計画の合理性並びに道路管理上の支障の有無などの要素を考慮して決定すべきものであって,これらとは無関係の,上記被告主張のような事情によって本件不許可処分をしたことは,道路管理者に与えられた裁量を逸脱したものであるといわざるを得ない。 (ウ)被告は,本件道路占用許可を認めると,本件計画が実現し,場外車券売場に多数の観客が来場する結果 本件不許可処分をしたことは,道路管理者に与えられた裁量を逸脱したものであるといわざるを得ない。 (ウ)被告は,本件道路占用許可を認めると,本件計画が実現し,場外車券売場に多数の観客が来場する結果,本件交差点付近に渋滞が発生し,ι地区とκ地区の都市間の交流制限やη団地の企業活動の低下などを招くことになるとも主張する。確かに,被告の職員が行った調査及び実走実験(乙9)によれば,仮に,212台の車両が一斉に本件交差点に向かうと,本件交差点の市道ζ線側に約30分程度,車両が滞留する事態が発生するとのことであり,平成17年度一般交通量調査栃木県交通量図(混雑度別(乙27)によれば,本件交差点付近の県道ε線は,混)- 16 -雑度1.25ないし1.75の区間とされている。このようなことからすると,本件交差点付近の県道ε線も,ピーク時間を中心として混雑する時間帯が増加する可能性があり,本件交差点の市道ζ線側に車両が滞留することによって,県道ε線の交通にある程度の影響が出る可能性は否定できない。 しかしながら,上記のとおり,道路法32条が道路の占用を許可にかからしめたのは,道路を特定の者が占用しようとする場合に,そのような占用が道路本来の目的を阻害しないかを道路管理者に判断せしめ,もって道路の公共的効用を維持しようとしたものであると解されるのであって,道路占用の許可がされることで設置の手続が進む施設の影響により,道路占用許可にかかる対象地から相当程度離れた道路(交差点)において渋滞が生じるということを,道路管理者が道路占用を許可する際に考慮すべき要素であるとは考えがたいのであって,被告の主張する本件交差点の渋滞という事情は,そもそも本件不許可処分を適法にするものとはいえない。 仮に,本件交差点における渋滞という事情が本件道路占用許可申請の 素であるとは考えがたいのであって,被告の主張する本件交差点の渋滞という事情は,そもそも本件不許可処分を適法にするものとはいえない。 仮に,本件交差点における渋滞という事情が本件道路占用許可申請の際に考慮すべきものであるすれば,上記のとおり,場外車券売場が建設されることにより本件交差点において渋滞が生じ,県道ε線の交通に影響が出る可能性を無視することはできない。しかし,被告の職員が行った上記調査は,信号サイクルが1分22秒,市道ζ線から県道ε線に流入する方向が青信号であるのは20秒間であり,212台の自動車が一斉に県道ε線に流入するという前提で試算しているところ,被告の職員が行った,平成19年7月3日開催の新潟県長岡市所在の場外車券売場πでの調査(乙17)によれば,同場外車券売場の駐車場から出車する自動車は,午前11時から午後5時までの出車台数1時間当たり,午前11時から午後0時まで16台,午後0時から午後1時まで47台,午- 17 -後1時から午後2時まで36台,午後2時から午後3時まで70台,午後3時から午後4時まで63台,午後4時から午後5時まで251台となっており,最終レースが終了する午後4時台にピークを迎えてはいるものの,それ以前からそれなりの数の自動車が出車しているとのことであるし,信号サイクルなどは交通量の変化により変更が可能なもので,被告が本件交差点において行った調査の前提をそのまま採用できるかは。 ,,疑問があるまた道路沿いに多くの人が集まる施設が建設された場合それに伴って道路を通行する自動車の数が増加し,従前生じなかった交通渋滞が生じることはある程度やむを得ないことであり,しかも場外車券売場という性格上,本件交差点における渋滞はレース開催日における最終レース終了後の特定時間帯にのみ発生する可能性があるとい かった交通渋滞が生じることはある程度やむを得ないことであり,しかも場外車券売場という性格上,本件交差点における渋滞はレース開催日における最終レース終了後の特定時間帯にのみ発生する可能性があるという性質のものである。このようなことに,本件交差点における渋滞を本件道路占用許可申請の際に考慮すべき事情であるとしても,それは申請対象となった道路それ自体の問題の場合と比較して,自ずと考慮の程度に差があることは当然であることもあわせて考慮すると,本件交差点の渋滞という事情があったとしても本件不許可処分を適法とすることにはならないというべきである。 したがって,本件不許可処分は,道路管理者としての裁量を逸脱又は濫用したもので違法である。 (3)本件不承認処分について道路法24条は,道路管理者以外の者は,道路管理者の承認を受けて道路に関する工事又は道路の維持を行うことができると規定している。道路に関する工事又は維持は,道路管理者の基本的権限であるが,他方で,道路の隣接地を所有する私人等が自らの必要に基づいて道路に関する工事又は維持を行う必要が生じることがあり得るので,道路管理者の承認を得れば道路管理者以外の者も道路工事を行うことができることを明らかにするのが本条の趣- 18 -旨であると解される。 本来,道路に関する工事又は維持が道路管理者の権限であることに鑑みれば,本条の承認は,基本的には道路管理者の自由裁量に委ねられていると解すべきであるが,道路工事施行申請に対する不承認処分について不服申立の途が認められている(道路法96条)ことなどから,道路管理者の裁量も無限定なものではなく,道路管理者としての観点からの考慮をせず,道路管理上の理由とは関連のない事情を理由として承認又は不承認とすることは裁量の逸脱に当たると解され,また当該工事を行う必 理者の裁量も無限定なものではなく,道路管理者としての観点からの考慮をせず,道路管理上の理由とは関連のない事情を理由として承認又は不承認とすることは裁量の逸脱に当たると解され,また当該工事を行う必要性,その設計及び実施計画の合理性並びに道路管理上の支障の有無などを総合的に考慮しても,道路の管理上,何ら当該申請を拒絶すべき理由が存しないにも関わらず,これを不承認とすることは裁量の濫用に当たると解され,許されないものであるといわなければならない。 これを本件についてみるに,本件道路工事施行承認申請にかかる工事は,本件土地への進入口を市道ζ線に接続するため,歩車道境界ブロックを撤去し,歩道部分を車道と同様の強度のものに舗装し直し,それに伴ってU型側溝を作りかえるというものにすぎず,本件申請地付近の道路状況に過度の悪影響が生じるおそれは一般的にない。被告は,本件不許可処分における主張と同様に,場外車券売場が建設されると,市民への影響及びまちづくりへの影響の視点から,本件計画にかかる施設は矢板市には設置すべきではない施設であり,公共の福祉の増進に資するか否かを判断した結果,本件不承認処分をしたと主張する。しかし,公共の福祉の増進に資するか否かということが直接的に道路工事施工承認申請の諾否に影響を及ぼすものではないことは前記のとおりであるところ,道路工事施行承認申請の諾否については,申請にかかる工事の必要性,その設計及び実施計画の合理性並びに道路管理上の支障の有無などの要素を考慮して決定すべきものであって,これらとは無関係の,上記被告主張のような事情によって本件不承認処分をしたことは,道- 19 -。 ,路管理者に与えられた裁量を逸脱したものであるといわざるを得ないまた被告は,本件道路工事施行承認申請を承認すると,本件計画が実現し,場外車 よって本件不承認処分をしたことは,道- 19 -。 ,路管理者に与えられた裁量を逸脱したものであるといわざるを得ないまた被告は,本件道路工事施行承認申請を承認すると,本件計画が実現し,場外車券場に多数の観客が来場する結果,本件交差点付近に渋滞が発生することも本件不承認処分の理由としてあげているが,このことが本件道路工事施行承認申請を不承認とする理由とならないことは,上記(2)における判断と同様である。 したがって,本件不承認処分は,道路管理者としての裁量を逸脱又は濫用したもので違法である。 本件各処分により,原告の被告に対する損害賠償請求権が認められるか,認められるとした場合,その損害額はいくらか(争点(2))について,。 (1)矢板市長が行った本件各処分が違法であることは上記のとおりであるそして,被告の職員は,平成17年5月17日,栃木県の職員との意見交換の場において,栃木県の職員から「市の段階で阻止できないか」との,。 打診を受けたが「不適とする根拠が無い」と回答したこと,矢板市長は,,。 平成17年7月13日,本件計画に対し「本件土地利用に関する事前協議,については,計画内容について止むを得ないものと判断します。ただし,土地利用の目的である『車券発売所』については,以前に施設建設に対する地域住民等の反対があったことなど,市民に不安を与えた経緯等から本市の目指すまちづくりには合致するものではない。したがって,市民感情や市民生活への影響懸念の観点から,好ましくない施設と思慮するものであり,加えて,県内に不要な施設とする栃木県の方針があることを申し添えるものであります」と回答したこと,矢板市長は,平成17年12月2日から同月1。 6日まで開かれた第274回矢板市議会定例会において「市として特別な,理由がなくて 栃木県の方針があることを申し添えるものであります」と回答したこと,矢板市長は,平成17年12月2日から同月1。 6日まで開かれた第274回矢板市議会定例会において「市として特別な,理由がなくて否定することができるものではないという状況にあるわけであります。市の立場は,法に適応した土地利用がなされていれば,設置を認めないわけにはいかないという,そういう状況にありまして,好ましくない施- 20 -設だという,いわゆる中止してほしいという程度のものしか市には権限がないということでございます」と答弁したこと,原告が計画する場外車券売。 場については,第一次計画中の平成15年当時から,矢板市議会に場外車券売場建設反対の陳情が寄せられており,本件計画遂行中の平成17年にも,複数の陳情が矢板市議会に寄せられ,矢板市議会は,平成17年12月16日,上記定例会において,7件の場外車券売場反対の陳情を採択したこと,被告の職員は,平成17年12月26日,平成18年1月6日及び同月12日,dのaに対し,本件計画に基づく事前協議を取り下げるよう要請していること,本件各処分の通知には,不許可,不承認の理由として「開発目的,である施設は,市民への影響及びまちづくりへの影響の視点から本市には設置すべきでない施設である」と記載されていたことからすると,矢板市長。 は,道路法上,本件各申請を不許可,不承認とする理由がないことを認識していたにもかかわらず,栃木県や住民の陳情などを受けて,本件各処分を不許可,不承認としたといえる。 そうすると,公権力の行使に当たる公務員である市長は,その職務を行うについて,故意によって違法な処分をしたといえる。 (2)そして,本件事案の内容等を考慮すると,本件各処分と相当因果関係のある損害としての弁護士費用は,200万円と認めるの る市長は,その職務を行うについて,故意によって違法な処分をしたといえる。 (2)そして,本件事案の内容等を考慮すると,本件各処分と相当因果関係のある損害としての弁護士費用は,200万円と認めるのが相当である。 (3)したがって,原告の損害賠償請求は,200万円の限度で理由がある。 結語以上により,原告の請求のうち,本件各処分の取消請求はいずれも理由があり,損害賠償請求は200万円及びこれに対する本件訴状送達日の翌日である平成18年9月9日から支払済みまでの遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから,これを認容し,その余の請求については,理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 - 21 -宇都宮地方裁判所第2民事部裁判長裁判官柴田秀裁判官今井攻裁判官近藤義浩
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