【DRY-RUN】主 文 本件各控訴を棄却する。 理 由 被告人両名の弁護人近藤勝の控訴趣意は別紙記載の通りである。 控訴趣意第一点について。 論旨は原判決が被告人等が原判
主文 本件各控訴を棄却する。 理由 被告人両名の弁護人近藤勝の控訴趣意は別紙記載の通りである。 控訴趣意第一点について。 論旨は原判決が被告人等が原判示A方において同人に対し脅迫行為をなす前にクリーム、剃刀、ネクタイ等を窃取した行為をも強盗罪に問擬したのは法律適用を誤つていると主張する。 <要旨>しかし同一家屋内において先ず金品を窃取し更に引続き家人に対し暴行脅迫を加えて金品を強取したときは</要旨>これを包括的に観察して一個の強盗罪を構成するものと解すべきであるから、原審がその認定した事実即ち被告人等が共謀の上原判示A方において先ずタリーム一個、剃刀二挺及びネクタイ一本を窃取した後物音に目覚めた右Aに誰何されるや原判決認定の如き方法で同女を脅迫しその反抗を抑圧して同女より現金五百円を強取した事実に対し刑法第二百三十六条第一項を適用し単一の強盗罪として処断したのは正当であつて、原判決は何等法律の適用を誤つていない。従て論旨は理由がない。 同第二点について。 論旨は原判決が本件を強盗と認定したのは事実誤認であり本件は恐喝罪に問擬すべきであると謂うのである。しかし原判決認定の如く深夜被告人両名が覆面して被害者Aの前に立ち被告人Bにおいて両手を上衣のポケツト内に入れ恰も兇器を隠し持つて居るかの如く装い右Aに対し「金を貸せ、命は惜しくないか」等申向けて同女を脅迫したこと、而してその脅迫は右Aの反抗を抑圧するに十分な程度であつたことは原判決挙示の証拠に徴しこれを認めることができ、原審が本件行為を強盗と認定したのは蓋し相当であると謂はなければならない。原審が取調べた各証拠を検討し論旨の援用する事実即ち被告人等と右Aとの間に交された問答、被告人Bはその際剃刀を所持していたにも拘らずこれを利用しなかつ 定したのは蓋し相当であると謂はなければならない。原審が取調べた各証拠を検討し論旨の援用する事実即ち被告人等と右Aとの間に交された問答、被告人Bはその際剃刀を所持していたにも拘らずこれを利用しなかつたこと、右Aは相当精細に犯人の人相脊丈服装等を観察していること等を考慮に容れても原判決の認定が誤であるとは認められない。所論の如く本件行為を恐喝行為と見ることはできず、論旨は採用し難い。 よつて本件各控訴は理由がないから刑事訴訟法第三百九十六条により主文の通り判決する。 (裁判長判事坂本徹章判事塩田宇三郎判事浮田茂男)
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