昭和41(行ウ)9 課税処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和48年3月31日 松山地方裁判所 租税
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【DRY-RUN】○ 主文 1、被告が原告Aに対してなした別表(1)、(2)記載の各不動産取得税賦課決 定処分を取消す。 2、原告Bの主位的請求を棄却する。 3、被告が原告Bの申請に対してなした昭和四六年一月二〇日付の

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判決文本文10,351 文字)

○ 主文1、被告が原告Aに対してなした別表(1)、(2)記載の各不動産取得税賦課決定処分を取消す。 2、原告Bの主位的請求を棄却する。 3、被告が原告Bの申請に対してなした昭和四六年一月二〇日付の別表(3)、(4)記載各不動産取得税の納税義務免除不承認処分を取消す。 4、訴訟費用は被告の負担とする。 ○ 事実第一、当事者の求めた裁判一、原告両名(一) 、A主文第1および第4項と同旨。 (二) 、B1、(主位的請求)被告が原告Bに対してなした別表(3)、(4)記載の各不動産取得税賦課決定処分を取消す。訴訟費用は被告の負担とする。 2、(予備的請求)主文第3および第4項と同旨。 二、被告1、原告両名の各請求をいずれも棄却する。 2、訴訟費用は原告らの負担とする。 第二、当事者の主張一、原告両名の請求原因1、原告A)所有の別紙物件目録記載の土地建物(以下本件土地建物という)につき、(1) 、松山地方法務局伊予出張所昭和三九年七月二二日受付第三、九一三号をもつて、同日付売買を原因として、原告Bおよび訴外Cのため、その持分各二分の一とする所有権移転登記が、(2) 、同法務局同出張所昭和四〇年三月一二日受付第一二三号をもつて、錯誤を原因として、右(1)の所有権移転登記の抹消登記が、各経由されている。 2、ところで、被告は、前項(1)の事実をとらえ原告Bに対し別表(3)、(4)記載のとおり、また前項(2)の事実をとらえ原告Aに対し別表(1)、(2)記載のとおり、各不動産取得税賦課決定処分をなし、右各処分は、いずれもそころ原告両名に通知された。 3、(1)、原告Bは、昭和四〇年二月六日、別表(3)記載の処分を不服として、愛媛県知事に対し審査の請求をしたところ、同知事は昭和四一年五月六日にこれを棄却する旨の裁決をなし、右裁決はそのころ原告Bに通 (1)、原告Bは、昭和四〇年二月六日、別表(3)記載の処分を不服として、愛媛県知事に対し審査の請求をしたところ、同知事は昭和四一年五月六日にこれを棄却する旨の裁決をなし、右裁決はそのころ原告Bに通知された。 (2) 、また、原告Bは別表(4)記載の処分について、原告Aは別表(1)、(2)記載の処分について、いずれも昭和四一年五月三〇日、これを不服として同知事に対し審査の請求をし、その後三か月を経過したがいずれもいまだその審査の裁決を受けていない。 4、しかしながら、第2項の各不動産取得税賦課決定処分は、次の理由により、いずれも違法というべきである。 (1) 、被告が右処分のよりどころとした第1項(1)記載の移転登記の登記手続は、原告Aが、昭和三九年七月二〇日ころ、妻原告Bの実姉である訴外Cから四〇〇万円を借受け、その引当に本件上地建物につき右訴外人のため譲渡担保を設定した際に、万一の場合を恐れ、取得者名義を右訴外人だけでなく、真実の取得者ではない妻原告Bを加えて、両者の共有形式にしておけば、同訴外人が単独で本件土地建物を処分することが困難になると考えて、原告Bには無断でなしたものである。 したがつて、原告Bは何ら本件土地建物の所有権を取得しておらず、右移転登記中原告B分は、真実の実体関係を反映していないものであるから、これに対して不動産取得税を課することはできない。 (2) 、同じく、被告が処分のよりどころとした第1項(2)記載の抹消登記の登記手続は、その後、原告Aが、右譲渡担保の形式によれば予測しなかつた諸種の課税があることを知つたので、昭和四〇年三月一二日、前記訴外人との譲渡担保契約を合意解除し、その際あわせてこれをなしたものである。 したがつて、右合意解除により、本件土地建物の所有権は、遡及的に原告Aに復帰したというにすぎず、前記訴 〇年三月一二日、前記訴外人との譲渡担保契約を合意解除し、その際あわせてこれをなしたものである。 したがつて、右合意解除により、本件土地建物の所有権は、遡及的に原告Aに復帰したというにすぎず、前記訴外人から原告Aへ所有権の移転があつたわけではないから、右抹消登記が経由されているからといつて、これに対して不動産取得税を課することはできない。 (3) 、仮に、前記(1)が認められず、原告Bも訴外Cとともに譲渡担保の設定をうけて、本件土地建物の所有権持分二分の一を取得したとしても、右譲渡担保契約は、昭和四〇年三月一二日、原告両名、右訴外人の三者間で合意解除された。 したがつて、本件土地建物の所有権は遡及的に原告Aに復帰し、原告Bは初めからその所有権持分二分の一を取得しなかつたことになるのであるから、原告Bに対して不動産取得税を課することはできないものである。 (4) 、仮に、前記(2)の合意解除により、所有権の移転があつたとしても、地方税法七三条の七第一項三、四号によれば、譲渡担保を設定し、その返還を受ける場合は、いわゆる信託的譲渡、信託財産の復帰として、原則として課税しないものとし、同法七三条の七第一項八号は、譲渡担保権者から譲渡担保設定者に二年以上の期間を経過して返還される場合は、譲渡担保権者の受益は所有権者に等しい価値ありと認めて、譲渡担保設定者への返還を移転と同視し、例外的に課税するものとしている。そうすると、右八号の規定は、二年以内に譲渡担保権者から譲渡担保設定者に担保財産が返還されたときは、債権が消滅したと否とにかかわらず、譲渡担保設定者には課税しない趣旨と解すべきである。 そうだとすれば、原告Aへの本件土地建物の所有権の移転は、右七号の要件に該当するものであるから、これに対して不動産取得税を課することはできない。 5、(原告Bの予備的 課税しない趣旨と解すべきである。 そうだとすれば、原告Aへの本件土地建物の所有権の移転は、右七号の要件に該当するものであるから、これに対して不動産取得税を課することはできない。 5、(原告Bの予備的主張)(1) 、原告Bは、昭和四五年一一月一九日、被告に対し、別表(3)、(4)記載の各不動産取得税の納税義務免除申請をしたところ、被告は、昭和四六年一月二〇日付で右納税義務免除不承認処分をなし、右処分は同月二二日に原告Bに通知された。 (2) 、そこで、原告Bは、昭和四六年二月一二日、右不承認処分を不服として、愛媛県知事に対し審査請求をしたところ、同知事は、同年七月二日、これを棄却する旨の裁決をなし、右裁決はそのころ原告Bに通知された。 (3) 、しかしながら、右納税義務免除不承認処分は、次の理由により違法というべきである。 すなわち、仮に第4項(3)記載の譲渡担保契約により、原告Bも訴外Cとともに本件土地建物の所有権持分を取得したとしても、地方税法七三条の二七の三は、譲渡担保権者から譲渡担保設定者に二年以上の期間を経過して返還される場合は、譲渡担保権者の受益は所有権者に等しい価値ありと認めて、譲渡担保権者の取得に対し例外的に課税するが、そうでないときは、不動産取得税の納税義務を免除する旨を定めている。そうすると同条の規定は、二年以内に譲渡担保権者から譲渡担保設定者に担保財産が返還されたときは、債権が消滅したと否とにかかわちず、譲渡担保権者の不動産取得税の納税義務を免除する趣旨と解すべきである。 そうだとすれば、原告Bへの本件土地建物所有権持分の移転は、同条の要件に該当するものであるから、これに対する不動産取得税は免除されるべきなのである。 6、よつて、原告に対し、原告両名は前記不動産取得税賦課決定処分の取消を、原告Bは予備的に右納税義務免除承 、同条の要件に該当するものであるから、これに対する不動産取得税は免除されるべきなのである。 6、よつて、原告に対し、原告両名は前記不動産取得税賦課決定処分の取消を、原告Bは予備的に右納税義務免除承認処分の取消を、それぞれ求める。 二、請求原因に対する被告の認否1、請求原因第1ないし第3項は認める。 2、同第4項は争う。 3、同第5項(1)、(2)は認める。 4、同第5項(3)は争う。 5、同第6項は争う。 三、原告の主張1、原告Bは、次の事由により、本件土地建物の所有権持分を取得した。 (1) 、原告Bは、昭和三九年七月二二日、訴外Cとともに、持分各二分の一ずつの割合で、原告Aから本件土地建物を買受けた。 (2) 、または、原告Bは、訴外Cが原告Aに四〇〇万円を貸付けた際、その引当に、前同日、右訴外人とともに、原告Aから本件土地建物につき譲渡担保の設定を受け、これが所有権持分二分の一を取得した。 (3) 、または、原告Bは、訴外Cが原告Aに四〇〇万円を貸付け、その引当に、同人から本件土地建物の所有権持分二分の一につき譲渡担保の設定を受けた際、本件土地建物の所有権持分二分の一につき、同人から贈与を受けた。 2、原告Aは、昭和四〇年三月一二日ころ、前項(1)もしくは(2)もしくは(3)の契約を原告Bおよび訴外Cと合意解除したと称して、本件土地建物の返還を受け所有権を取得した。すなわち、原告Bおよび右訴外人から原告Aに本件土地建物の所有権の移転があつてものである。 3、ところで、原告両名の各所有権取得時期である昭和三九年七月二二日および昭和四〇年三月一二日ころにおける本件土地建物の評価額は、別表課税標準額欄記載のとおりであつた。 4、そこで被告は、右評価額(課税標準額)にその標準率一〇〇分の三(地方税法七三条の二、七三条の一五第一項、愛媛県県税賦課徴 ろにおける本件土地建物の評価額は、別表課税標準額欄記載のとおりであつた。 4、そこで被告は、右評価額(課税標準額)にその標準率一〇〇分の三(地方税法七三条の二、七三条の一五第一項、愛媛県県税賦課徴収例一九条の二)を乗じて、原告B(地方税法一〇条の二第一項により共同取得者として連帯納付義務がある)に対し別表(3)、(4)記載のとおり、原告Aに対し別表(1)、(2)記載のとおり、それぞれ不動産取得税賦課決定処分をなした。 5、仮に、前記第1項の(2)ないしは(3)であるとした場合、原告Aは本件土地建物の譲渡担保設定者にあたるものであるところ、地方税法七三条の七第八号によれば、譲渡担保設定者の不動産取得税は非課税となるのは、譲渡担保権者から担保財産の取得が、被担保債権の消滅によつて譲渡担保設定の日から二年以内になされたものであることが必要である。しかるに、原告Aの本件土地建物の取得は被担保債権の消滅によるものでないことは、原告Aの自認するところであるから、右は同条八号の要件を充足せず、非課税とはならないものである。 6、仮に、前記第1項(2)であつて、原告Bが譲渡担保権者であるとした場合、地方税法七三条の二七の三によれば、譲渡担保権者の不動産取得税の納税義務を免除することのできるのは、被担保債権の消滅により、譲渡担保設定の日から二年以内に、譲渡担保権者から譲渡担保設定者に担保財産を移転したとぎに限られるものである。 しかるに、本件土地建物の移転は被担保債権の消滅によるものでないことは、原告Bの自認するところであるから、同人の本件土地建物取得税の納税義務を免除することができないものである。 四、被告の主張に対する原告両名の認否1、被告の主張第1項は争う。 2、同第2項中、合意解除の点は認めるが、それによつて本件土地建物の所有権が移転したとの主張 を免除することができないものである。 四、被告の主張に対する原告両名の認否1、被告の主張第1項は争う。 2、同第2項中、合意解除の点は認めるが、それによつて本件土地建物の所有権が移転したとの主張は争う。 3、同第3および第4項は認める。 4、同第5および第6項は争う。もつとも、請求原因第1項(2)記載の抹消登記手続をした昭和四〇年三月一二日ころ、被担保債権が消滅していなかつたことは認める。 第三、証拠関係(省略)○ 理由一、原告両名の請求原因第1ないし第3項は当事者間に争いがなく、本件賦課決定処分取消の訴が、出訴の要件を具備するものであることは明らかである。 二、そこで、まず本件の事実関係を検討すると、右争いのない事実に、成立に争いのない甲第二、第三号証、乙第一、第二号証の各一、二、証人D、同E、同C、同F、同G、同Hの各証言および原告両名各本人尋問の結果(ただし後記措信しない部分を除く)と弁論の全趣旨をあわせ考えると、原告Aは、かねてから伊予信用金庫および香川相互銀行に対し、借用金債務合計二九〇万円の担保として同人所有の本件土地建物にそれぞれ根抵当権を設定、登記していたが、右借用金の支払いが滞つていたため、昭和三九年六月ころに至り、右銀行等から右根抵当権を実行されるおそれが生じ、早急に右債務を弁済しなければならない必要性に迫られていたうえ、そのころ、本件建物において旅館兼料理店を開業するための準備資金として八〇万円ほどを必要としていたこと、丁度そのころ、原告Aは甥の訴外Fから、大阪府堺市に住む義姉(妻原告Bの姉)訴外C方では最近土地を売却して二千数百万円の入金があつたことを伝え聞いたので、右Cから四〇〇万円を借りて右借金の返済や開業準備資金などにあてたいと考え、妻原告Bとも相談のうえ、右Fを通じて右Cにその旨申込んだところ、同人も て二千数百万円の入金があつたことを伝え聞いたので、右Cから四〇〇万円を借りて右借金の返済や開業準備資金などにあてたいと考え、妻原告Bとも相談のうえ、右Fを通じて右Cにその旨申込んだところ、同人もこれを承諾し、同年七月二〇日ころ、同人から四〇〇万円を借受けたこと、右Cは、右四〇〇万円を貸渡す際、担保差入れの点については親類間のことでもあるので特に要求はしなかつたが、原告Aとしては、四〇〇万円は大金であるし、右Cの主人に対する顔も立てねばならないと考え、右Cの代理人で右四〇〇万円を持参して来た右Fや妻原告Bとも相談した結果、本件土地建物を右借入金四〇〇万円の担保として提供することとし、その方法としては、右BとC姉妹の共有名義にしてCが単独で処分できない形にしておいたほうがよいという右Fの意向もあつて、抵当権を設定するというのではなく、本件土地建物の所有権を右B、Cの持分各二分の一の割合で、売買の形式により同人らに移転するということで、前同日ころ、右三者間の合意ができたこと、そこで、原告Aは、右Cから借りた四〇〇万円で前記銀行等からの借入金を完済して、同月二一日に前記根抵当権設定登記の抹消登記手続をなしたうえ、同月二二日、請求原因第1項(1)記載の所有権移転登記手続をなしたこと、右三者間の合意内容およびその登記手続については、その直後右Fから報告をうけて右Cも了承したこと、ところが、昭和四〇年二、三月ころになつて、右所有権移転登記が存在するため思いもよらなかつた税金のかかることを知つた右Cから、右担保は不要であるから右登記を抹消してほしい旨の申出を受けるし、原告Aとしても当初思いもよらなかつた税金のかかることを知つて驚き、ここに原告両名、右Cの三者間で、前記担保契約を合意解除し、あわせて右登記を抹消することとして、同年三月一二日、請求原因 を受けるし、原告Aとしても当初思いもよらなかつた税金のかかることを知つて驚き、ここに原告両名、右Cの三者間で、前記担保契約を合意解除し、あわせて右登記を抹消することとして、同年三月一二日、請求原因第1項(2)記載のとおり抹消登記手続をなしたこと、原告Aは右登記抹消時までに前記四〇〇万円の借入金を右Bに完済してはいないこと(この点は当事者間に争いがない)などの事実が認められ、右移転、抹消各登記手続およびその原因関係は、原告B不知の間に原告Aが勝手になしたものであるとの原告Bの主張にそう証人Fの証言ならびに原告両名の供述は、前掲各証拠に照しにわかに措信しがたく、右移転登記は売買を原因とするものであるとの被告の主張にそう前掲甲第二、第三号証の各不動産登記薄の記載は、右認定のような事情にもとづいてなされたものであつて、右主張は採用しがたく、他に右認定をくつがえすに足りる証拠はない。 右認定の事実関係によれば、原告Aは、訴外Cから四〇〇万円を借受け、その債務を担保するため、昭和三九年七月二二日、右Cおよび原告Bに対し、本件土地建物につき譲渡担保を設定したが、いまだ右借入金債務を完済していなかつた昭和四〇年三月一二日、右譲渡担保契約を右三者間で合意解除をしたものということができる。 三、右事実関係を前提として、合意解除に関する当事者の主張について判断するに、本件の右合意解除は、右譲渡担保契約が契約の当初からなかつたのと同一の法律効果を生じさせようとする趣旨のものと解されるが、本件合意解除が右のように契約の遡及的消滅を目的とするといつても、それは要するに当事者が契約の拘束力から解放されるということを意味するにとどまり、もとより既に譲渡担保契約により原告Aから原告Bおよび訴外Cに本件土地建物の所有権が移転したという事実まで消去してしまうものではない。 者が契約の拘束力から解放されるということを意味するにとどまり、もとより既に譲渡担保契約により原告Aから原告Bおよび訴外Cに本件土地建物の所有権が移転したという事実まで消去してしまうものではない。そして、不動産所得税は、いうまでもなく不動産の取得という社会的事実に対して課されるものであるから、およそ契約の拘束力とは関係がないのである。したがつて、この不動産取得税の課税という観点からみるかぎり、いつたん右譲渡担保契約により原告Bおよび訴外Cに帰属した本件土地建物の所有権は、右合意解除により再び原告Aに移転するものとして扱うのが相当である。そうだとすれば、この点に関する原告両名の主張は理由がなく、被告の主張は理由があるということになる。しかして、被告主張の第3、4項は当事者間に争いがないので、被告の原告Bに対してなした前記別表(3)、(4)記載の不動産取得税賦課決定処分は適法というべく、原告Bの主位的請求は棄却を免れない。 四、そこで、さらにすすんで、原告Aの地方税法七三条の七第八号の解釈に関する主張、原告Bの同法七三条の二七の三第一項の解釈に関する予備的主張およびこれらに関する被告の主張について、あわせて判断する。 まず、請求原因第5項(1)、(2)の事実は、当事者間に争いがない。 ところで、地方税法は、その七三条の二において、「不動産取得税は、不動産の取得に対し、当該不動産所在の道府県において、当該不動産の取得者に課する。」と規定しながら、その七三条の七第八号では、「譲渡担保財産により担保される債権の消滅により当該譲渡担保財産の設定の日から二年以内に譲渡担保権者から譲渡担保財産の設定者に当該譲渡担保財産を移転する場合における(注、譲渡担保財産の設定者の)不動産の取得」については非課税とする旨を規定し、その七三条の二七の三第一項では、「道府 に譲渡担保権者から譲渡担保財産の設定者に当該譲渡担保財産を移転する場合における(注、譲渡担保財産の設定者の)不動産の取得」については非課税とする旨を規定し、その七三条の二七の三第一項では、「道府県は譲渡担保権者が譲渡担保財産の取得をした場合において、当該譲渡担保財産により担保される債権の消滅により当該譲渡担保財産の設定の日から二年以内に譲渡担保権者から譲渡担保財産の設定者に当該譲渡担保財産を移転したときは、譲渡担保権者による当該譲渡担保財産の取得に対する不動産取得税に係る地方団体の徴収金に係る納税義務を免除するものとする。」と規定している。そうすると、譲渡担保の設定による両当事者の不動産の取得の場合においては、「被担保債権の消滅」により、譲渡担保設定の日から「二年以内」に譲渡担保権者から譲渡担保設定者に譲渡担保財産が返還されたときは、譲渡担保権者の不動産取得税に係る納税義務は道府県により免除され、譲渡担保設定者の不動産取得税は非課税となることは明らかであるが、本件のように、譲渡担保設定の日から「二年以内」に譲渡担保権者から譲渡担保設定者に譲渡担保財産が返還されているが、その原因が被担保債権の消滅によるものではなく、両当事者間の「合意解除」によるものである場合は、どのように解すべきか、問題となる。 思うに、法が「不動産の取得」という社会的事実に対してその取得者に税金を課するのは、その事実の背後には一般的に担税力が存在するものと推定できるので、その取得者の担税力に着目していることによるものである。そして、その不動産の取得がたとえ譲渡担保の設定とその返還によるものであつても、譲渡担保権者が「二年」を越えて当該譲渡担保財産の担保力を掌握しているときは、実質的にも所有権の移転があつたのと同視しうるから、譲渡担保権者にも譲渡担保設定者にもその不 の返還によるものであつても、譲渡担保権者が「二年」を越えて当該譲渡担保財産の担保力を掌握しているときは、実質的にも所有権の移転があつたのと同視しうるから、譲渡担保権者にも譲渡担保設定者にもその不動産の取得に担税力の存在を推定できるので、法はこの両者に課税するものとしているのであるが、もともと譲渡担保の設定による譲渡担保権者への不動産の移転は、あくまでその原因となつている被担保債権の履行を確保するためのものにすぎず、その所有権の移転自体、手段的、形式的なものであるから、それが「二年以内」に譲渡担保権者から譲渡担保設定者に返還されたものであるときは、もはや実質的な所有権の移転があつたと同視することはできず、譲渡担保権者にも譲渡担保設定者にもその不動産の取得に担税力の存在を推定しえないため、法は、あるいはこれを非課税とし、あるいはこれを免除すべきものとしているというべきである。 そうだとすれば、地方税法七三条の七第八号や同法七三条の二七の三第一項の各規定は、いずれも「二年以内」に譲渡担保権者から譲渡担保設定者に当該譲渡担保財産が返還されるというところに意味があるのであつて、右要件を具備するものであるかぎり、それが「被担保債権の消滅」によるか、はたまた両当事者の「合意解除」によるかは、これを問わないものと解するのが相当である。すなわち、右各法条において、「被担保債権の消滅」によりと規定しているのは、いわば通常の場合のことを予想した例示的なものであつて、右の場合に限定する趣旨ではないと解すべきである。 もつとも、このように解すると、譲渡担保の設定とその解除を二年以内に繰り返すことによつて、合法的な脱税をはかることのできる道を開くことになつて不合理であるとの批判が予想されるが、これとても、右各規定を制限的に解した場合でも、債権消滅を作為的に行ない 除を二年以内に繰り返すことによつて、合法的な脱税をはかることのできる道を開くことになつて不合理であるとの批判が予想されるが、これとても、右各規定を制限的に解した場合でも、債権消滅を作為的に行ない二年以内の弁済、借入を繰り返すことによつて可能であり、両者にさしたる差異はなく、そもそも右のような租税回避行為の可能性が果してどの程度あるのか疑問なしとしないのであつて、真実は二年以上存続している譲渡担保権について不動産取得税を免れるために、いかなる形式をとるにせよ取得登記を抹消などして右税を免れたとしても、再度設定登記をせねば意味はなく、この場合には本来であれば無用の登録免許税法の規定に従つた登録免許税を納付しなければならず、不動産取得税と登録免許税の額(前者は課税標準の一〇〇分の三、後者は売買の場合不動産価額の一〇〇〇分の五〇、抹消の場合五〇〇円)の関係からみて、関係者にさしたる利益をもたらすものではなく、かえつてその他の費用も必要なこととて不利益になることさえ考えられるのであつて、右危惧は当つていないものというべきである。 そうすると、原告Aの本件土地建物の取得は同法七三条の七第八号の要件を具備するものであるから、これが不動産取得税は非課税となり、原告Bの本件土地建物の取得は同法七三条の二七の三第一項の要件を具備するものであるから、これが不動産取得税の納税義務は免除されるべきものといわなければならない。してみると、被告が原告Aに対してなした別表(1)、(2)記載の各不動産取得税賦課決定処分および原告Bに対してなした別表(3)、(4)記載各不動産取得税の納税義務免除不承認処分は、いずれもこれが違法として取消を免れない。 五、以上の次第で、原告Aの本訴請求は理由があるのでこれを認容し、原告Bの主位的請求は理由がないのでこれを棄却し、その予備的 得税の納税義務免除不承認処分は、いずれもこれが違法として取消を免れない。 五、以上の次第で、原告Aの本訴請求は理由があるのでこれを認容し、原告Bの主位的請求は理由がないのでこれを棄却し、その予備的請求は理由があるのでこれを認容することとし、訴訟費用の負担につき民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。 (裁判官秋山正雄梶本俊明梶村太市)別表添付省略

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