昭和26(オ)513 訴願裁決取消請求

裁判年月日・裁判所
昭和28年9月11日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 名古屋高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人等の負担とする。          理    由  上告代理人弁護士速水田美市、同辻喜己衛の上告理由は別紙記載のとおりである。

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判決文本文1,997 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人等の負担とする。 理由 上告代理人弁護士速水田美市、同辻喜己衛の上告理由は別紙記載のとおりである。 上告理由第三点について。 論旨はまず、自作農創設特別措置法一五条(昭和二四年六月法律二一五号による改正前)による農業用施設等の買収は、農地の買収と同時でなければならないと主張するのである。同条による農業用施設等の買収が、農地の買収に附帯して行われるものであることは説明を要しないところであるが、そのために、所論のように、農地の買収と同条による買収とが時間的に同時でなければならない理由はなく、農地の買収、売渡の後自作農となつた者の同条一項による買収申請に基いて買収計画を定めたからと言つて、その計画が違法であるということはできない。この点は前記改正後においては条文上も極めて明白であるが、改正前においても違つた解釈をすべき理由はない。 つぎに論旨は、本件買収計画は、溜池及び水路の敷地の買収計画であつて、施設そのものの買収計画ではないと主張し、同法一五条一項一号によつて買収し得るのは農業用施設等に限り、土地を含まないから、本件買収計画は違法であるというのである。しかしながら、原判決の確定する事実によれば、本件土地は溜池及び溝という形状において存在するものと解すべく、所論のように、敷地とはなれて溝溜池の所有権があるわけではない。従つて本件土地そのものを農業用施設と考えて少しも支障はないのである。論旨はまた、本件買収計画は敷地のみの買収計画であるから、買収後の地上築造物の所有権の帰属が不明であると主張するけれども、前述のように、本件築造物たる溜池、溝については、土地所有権とはなれて別の所有権の- 1 -対象となるものとは解せられないから所論の理由がな 地上築造物の所有権の帰属が不明であると主張するけれども、前述のように、本件築造物たる溜池、溝については、土地所有権とはなれて別の所有権の- 1 -対象となるものとは解せられないから所論の理由がないこと明白である。 同第五点について。 論旨は、本件買収は自作農創設特別措置法の目的を達するに必要ではなく、原判決は同法一条の解釈を誤つているというのである。 しかし、原判決の認定するところによれば、本件溜池及溝は明治二年頃aの所有者等が引水のため築造したものであるが、本件土地の共有者たる上告人等一七名外一名は爾来土地使用の対価として右農地の耕作者四〇数名から毎年玄米一八石五斗三升を弁米と称して受け、しかもその弁米は近隣の水利施設使用料に比し著しく高率であり、永年にわたつて、本件施設の利用者と土地所有者との間に紛争を続けて来たのである。このような事実によれば、本件水利施設の受益地の農民は前記高率弁米のためその農業経営に不安定を来し、その労働の成果は公正に享受することができず、他方上告人等は地主的地位に安住することとなり、かくては前記一条の趣旨に反することは明白であり、これを買収することこそ同条の目的に合するものと言わなければならない。論旨は、原判決は、本件土地の買収が農業生産力の発展に資する理由について説明をしていないというのであるが、同法の目的が単に農業生産力の増強に止まらないことは右一条の規定上明白である。論旨は到底これを採用することができない。 同第七点について。 論旨は、本件土地と地上施設とを別個の所有権の対象となることを前提としており、このような前提の誤りであることは第五点で説明したとおりである。従つて論旨はその前提においてすでに理由がない。 同第八点について。 論旨は被上告人のした本件訴願裁決は、自作農創設特別措置法七条五 、このような前提の誤りであることは第五点で説明したとおりである。従つて論旨はその前提においてすでに理由がない。 同第八点について。 論旨は被上告人のした本件訴願裁決は、自作農創設特別措置法七条五項の裁決期間経過後の裁決であるから違法であるというのであるが、同項が訓示的規定と解す- 2 -べきことは原判決の判示するとおりであり、従つて、右期間経過後の裁決だからと言つてこれを違法とすべき理由はない。 以上説明のほか、論旨は、「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。(上告理由第一点で引用する大審院判決は、本件と全く場合を異にし本件の先例とすることはできない)以上のとおりであるから、本件上告はこれを棄却することとし、民訴四〇一条、九五条、八九条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官霜山精一裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官谷村唯一郎- 3 -

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