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主文 請求人に刑事補償金四八〇〇円を交付する。理由 請求人は、昭和二九年五月二〇日銃砲刀剣類等所持取締令違反被疑現行犯人として福岡県田川警察署司法巡査に逮捕せられ、同年五月二四日田川簡易裁判所裁判官の発した勾留状によりその執行をうけて田川市警察署留置場に留置せられ、同月二六日福岡地方裁判所田川支部に銃砲刀剣類等所持取締令違反被告事件として起訴公判に付せられた後同年六月四日同裁判所の保釈許可決定によつて釈放せられ、その後同年七月三〇日同罪により懲役三月に処せられ、また同年一二月一三日福岡高等裁判所において控訴棄却の判決を受けたが、昭和二九年七月三〇日付福岡地方裁判所田川支部および同年一二月二七日付福岡高等裁判所の各保釈許可決定によつていずれも収監せられることなく同月二三日被告人の上告申立により当裁判所に係属したが、昭和三二年一一月二二日右被告事件について、無罪の言渡をうけ、同年一二月三日右判決は確定した。以上の事実は、請求人に対する右被告事件の一件記録によつて明らかであるが、右は刑事補償法一条一項に該当し、かつ右記録および本件記録に徴しても同法三条、五条二項に該当する事由は存在しないと認められる。よつて同法四条により諸般の事情を勘案すれば、請求人がうけた右抑留および拘禁の日数一六日に対しては、一日金三〇〇円の割合で金四八〇〇円の補償金を交付するのを相当と認めるので、裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。昭和三三年二月一〇日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎- 1 -裁判官河村大助 小谷勝重裁判官藤田八郎- 1 -裁判官河村大助裁判官奥野健一- 2 -
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