主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人田中藤作・同井野口勤・同大江篤弥の上告理由第一点および第五点について。原審は、所論Dが出納責任者であつた旨を認定したもので、その認定判断に所論の違法は認められない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する事実の認定を非難するに帰し、とうてい採用できない。同第二点ないし第四点について。所論違憲をいう部分は、その実質は、たんなる法令違背の主張にすぎない。そして、公職選挙法二五一条の二の法意が原審説示のとおりであることは、当裁判所の判例とするところである(昭和四〇年(行ツ)第七四号同四一年六月二三日第一小法廷判決、民集二〇巻五号一一三四頁)。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用できない。同第六点について。特赦は、有罪の言渡しの効力を失わせるが、有罪の言渡しに基づく既成の効果は、これによつて変更されることはない(恩赦法五条、一一条)。特赦を含めて恩赦の効力は、ただ、将来に向かつて生ずるにとどまるのである(当裁判所昭和三三年(オ)第一一〇二号同三七年二月二日第二小法廷判決、民集一六巻二号一七八頁参照)。したがつて、所論Dにつき特赦があつても、そのことは、公職選挙法二五一条の二および二一一条に基づき、上告人の当選を無効とすべきものとした原審の判断に、なんら所論の違法を生ぜしめるものではない。論旨は採用できない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の- 1 -とおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官色川幸太郎裁判官村上朝一- 2 -
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