- 1 -判決主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求被告らは,原告に対し,連帯して2億5960万7276円及びこれに対する平成29年9月5日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,被告らから株式会社a(以下「対象会社」という。)の発行済全株式 を株式譲渡契約により譲り受けた株式会社bが,被告らには当該契約の表明保証違反があり,これにより対象会社の経営する薬局を閉鎖せざるを得なくなったと主張して,被告らに対し,当該契約に基づき,連帯して損失補償金2億5960万7276円及びこれに対する平成29年9月5日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで平成29年法律第45号による改正前の商事法定利率年6分の割合 による遅延損害金の支払を求めた事案である。 なお,後記のとおり,株式会社bは本訴係属中に原告に吸収合併され,原告がその訴訟を承継した。 1 関係法令の定め(1) 厚生労働大臣により健康保険法63条3項1号所定の指定を受けた薬局 (以下「保険薬局」という。)は,同条1項に定める療養の給付を行うことができる。 そして,厚生労働大臣は,①調剤に従事する薬剤師が厚生労働省令に違反したとき(同法80条1号,72条1項),②保険薬局が厚生労働省令に違反したとき(同法80条2号,70条1項),③療養の給付に関する費用の 請求等に不正があったとき(同法80条3号)などには,保険薬局としての- 2 -指定を取り消すことができる。 (2) 上記(1)にいう厚生労働省令として,「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」(昭和32年厚生省令第16号。以下「薬担規則」という。)がある。 2 -指定を取り消すことができる。 (2) 上記(1)にいう厚生労働省令として,「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」(昭和32年厚生省令第16号。以下「薬担規則」という。)がある。 薬担規則の規定のうち本件に関連するものは,別紙のとおりである。 2 前提事実(証拠等を掲記した事実以外は当事者間に争いがない。) (1) 当事者ア株式会社bは,医薬品の販売等を業とし,「c薬局」との名称で多数の薬局を経営する株式会社であり,本訴係属中の平成29年10月1日,原告に吸収合併された(以下,吸収合併の前後を通じて「原告」という。)。 イ被告株式会社d(以下「被告会社」という。)は,介護施設運営・支援 等を業とする株式会社である。 被告e(以下「被告e」という。)は,被告会社の代表取締役である。 (2) 対象会社対象会社は,薬局の経営等を業とする株式会社であり,平成28年12月当時,名古屋市内において,保険薬局の「f薬局」1店舗のみを経営してい た(以下,この薬局を「本件薬局」という。)。 平成28年12月当時の対象会社の発行済株式数は180株であり,うち160株を被告会社が保有し,20株を被告eが保有していた。 また,平成28年12月当時,対象会社の代表取締役はg(以下「g」という。)であった(乙1,弁論の全趣旨)。 (3) 株式譲渡契約の締結被告らと原告は,平成28年12月21日,①被告会社が原告に対し,対象会社の株式160株を代金2億1779万2000円で譲渡し,②被告eが原告に対し,対象会社の株式20株を代金2722万4000円で譲渡し,③譲渡日を平成29年1月5日とする旨の株式譲渡契約(甲2。以下「本件 契約」という。)を締結した。 - 3 -本件契約の 対し,対象会社の株式20株を代金2722万4000円で譲渡し,③譲渡日を平成29年1月5日とする旨の株式譲渡契約(甲2。以下「本件 契約」という。)を締結した。 - 3 -本件契約の契約書には,以下の内容の表明保証条項が設けられるとともに(なお,「甲」は被告e,「甲等」は被告ら,「丙」は原告を指す。),この表明保証条項に違反した場合,被告らは原告に対して当該違反に起因する損失を補償する旨の条項(第11条)が設けられていた。 第10条(表明・保証) 1項甲等は,本契約締結日及び譲渡日現在において,以下の各号に定める事項を丙に対して表明しかつ保証する。 5号本契約締結に至るまでに甲等から丙へ開示または提供された文書及び情報は,全て真実であり,重要な不実記載または重要な事実の欠缺がないこと,また本契約に基づく義務の履行に際し丙の判断 に影響を及ぼす重要な事項は,全て丙に対して開示または提供されていること。 6号対象会社は,現在及び過去において,いかなる政府,地方自治体,規制機関,裁判所または仲裁人のいかなる法律(医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律,保険薬局 及び保険薬剤師療養担当規則を含むがこれに限られない。),条例,規則,行政指導その他の要件にも明らかに違反せず,かつ違反しているとの正当なクレーム等を受けておらず,また,そのような違反またはクレーム等が将来発生する原因となる事由も存在しない。対象会社に対する第三者からの訴訟,クレームその他重要な紛争であ って,現在未解決の状態にあるもの,またはこれに基づく債務が存続しているものは,存在しておらず,また,そのような第三者からの訴訟,クレームその他重要な紛争が将来発生する原因となる事由も存在しないこと。 18号 決の状態にあるもの,またはこれに基づく債務が存続しているものは,存在しておらず,また,そのような第三者からの訴訟,クレームその他重要な紛争が将来発生する原因となる事由も存在しないこと。 18号丙に開示された対象会社の貸借対照表に表示されている債務 及び対象会社の最終決算日以降に対象会社の通常の営業の範囲内に- 4 -おいて生じた債務以外には,いかなる多額または重大な債務(種類,偶発的か確定的か,会計上発生済みか未発生か,認識されているか否か,簿外債務か否か,隠れた債務か否か,対象会社の作為・不作為に起因するか否かを問わない。)も発生しておらず,それらが将来発生する原因となる事由も存在しない。 (4) 原告による代金支払原告は,平成29年1月5日,被告らに対し,本件契約の株式譲渡代金の全額(合計2億4501万6000円)を支払った。 (5) 本件契約後の対象会社対象会社は,平成29年1月5日以降もしばらくは本件薬局を経営してい たが,同年7月31日,本件薬局を閉鎖した(乙7,弁論の全趣旨)。 3 争点(1) 表明保証違反の存否(2) 表明保証違反に起因する損失発生の有無(3) 被告らの損失補償責任の有無 第3 当事者の主張 1 争点(1)(表明保証違反の存否)について(原告の主張)原告においては,本件契約による株式譲渡を受けた後,以下の(1)ないし(4)の事実が判明したのであって,これらの点につき,被告らには表明保証違反が ある((1)につき本件契約10条1項5号,6号及び18号違反。(2)ないし(4)につき同項6号違反。)。 (1) 居宅療養管理指導費及び在宅患者調剤加算料の不正請求・不正受領保険薬局は,その行った調剤に関する情報につき,各種費用の請求が適正 18号違反。(2)ないし(4)につき同項6号違反。)。 (1) 居宅療養管理指導費及び在宅患者調剤加算料の不正請求・不正受領保険薬局は,その行った調剤に関する情報につき,各種費用の請求が適正なものとなるよう努めなければならない(薬担規則10条の2)。 そして,保険薬局が居宅療養管理指導費(要介護者に対する居宅での管理- 5 -指導に係るサービス費をいう。)及び在宅患者調剤加算料(在宅患者に対する調剤を行った場合に加算される報酬をいう。)を請求するには,患者の訪問薬剤管理指導報告書・情報提供書及びこれと一体となる薬歴簿により訪問結果について情報提供をする必要があり,その際,薬歴簿には,「S欄」(患者や家族による主観的情報),「O欄」(前回処方との比較,薬剤師の観察所 見,検査結果等の客観的情報),「A欄」(服薬状況や副作用の対策,治療効果等の評価)及び「P欄」(薬剤の適正使用に関する指導事項,今後の指導方針や申送事項などの計画・指導に関する事項。以下,上記各欄を併せて「SOAP欄」という。)にそれぞれ該当事項が記載されることを要する。 しかるに,本件薬局の薬歴簿にはこれらの情報が十分に記載されず,また, 処方内容が正確に反映されていなかったのであって,本件薬局においては,上記の要件を満たさないまま,居宅療養管理指導費及び在宅患者調剤加算料を請求し,これを受領していたものである。 上記行為は,報酬の不正請求・不正受領に該当し,薬担規則10条の2に違反するものであり,保険薬局の指定取消事由に該当する上(健康保険法8 0条2号及び3号),これにより対象会社は,不正請求・不正受領に係る居宅療養管理指導費の返還義務を負う。 (2) 医師の同意のない処方内容の変更保険薬局は,医師等の交付した処方箋に基づき調 0条2号及び3号),これにより対象会社は,不正請求・不正受領に係る居宅療養管理指導費の返還義務を負う。 (2) 医師の同意のない処方内容の変更保険薬局は,医師等の交付した処方箋に基づき調剤を行うことを要するのに(薬担規則8条1項),本件薬局においては,処方箋を作成した医師の同 意を得ずに,処方箋の内容と異なる医薬品を調剤した。 上記行為は,薬担規則8条1項に違反するものであり,保険薬局の指定取消事由に該当する上(健康保険法80条1号),薬剤師法23条2項に違反し,刑事罰の対象ともなり得る(同法30条2号)行為である。 (3) 患者に対する本人負担金の減免 保険薬局は,経済上の利益を提供することで患者を誘引してはならないの- 6 -に(薬担規則2条の3の2第1項),本件薬局においては,「h」など8つの施設を利用する患者に対し,本人負担金を減免して調剤していた。 上記行為は,薬担規則2条の3の2に違反するものであり,保険薬局の指定取消事由に該当する(健康保険法80条2号)。 (4) 薬剤師資格のない従業員による薬剤師業務 薬剤師でない者が販売又は授与の目的で調剤することは罰則をもって禁じられており(薬剤師法19条,29条,32条4号),また,薬局以外の場所での調剤や処方箋によらない調剤も禁じられている(同法22条及び23条)。 しかるに,本件薬局においては,薬剤師資格のない従業員が,日常的に調 剤業務を行い,薬品を販売していたほか,老人ホーム等の施設を訪問し,患者に対し,当該従業員の所持する薬剤や各施設に常備している医薬品を交付していたものである。 上記行為は,薬剤師が調剤を行い報酬請求するという調剤報酬制度の当然の前提に違反するから,薬担規則10条の2に違反するものであり,保険薬 施設に常備している医薬品を交付していたものである。 上記行為は,薬剤師が調剤を行い報酬請求するという調剤報酬制度の当然の前提に違反するから,薬担規則10条の2に違反するものであり,保険薬 局の指定取消事由に該当する(健康保険法80条2号及び3号)。 (被告らの主張)(1) 居宅療養管理指導費及び在宅患者調剤加算料の不正請求・不正受領については否認する。本件薬局の薬歴簿には適切な記載が行われていたし,患者の容体や訴えに変化がなかった場合には,そもそもSOAP欄に記載すべき情 報量が少なくなるから,記載が少ないとしても当然である。また,処方内容等については薬歴簿の処方内容欄等をみれば明らかであって,原告の指摘は形式的な誤記にすぎない。 そして,仮に薬歴簿の記載が不十分であったとしても,行政の監査等で違法を指摘されたことはなく,指定取消しとなるような重大な違反ではないの であって,軽微なものにすぎない。 - 7 -(2) 医師の同意のない処方内容の変更については否認する。本件薬局では,処方箋に記載された医薬品が本件薬局の在庫にない場合などに処方内容を変更することがあったにすぎず,その際には必ず電話等で医師の同意を得ていた。 (3) 患者に対する本人負担金の減免をした事実は認めるが,原告はこの事実をデューデリジェンスにおいて把握していた。 (4) 薬剤師資格のない従業員による薬剤師業務については否認する。従業員が各施設に医薬品を配達することはあったが,当該従業員は各施設の指定スペースに医薬品を置いていただけであり,その後,必ず本件薬局の薬剤師が当該施設を訪れ,残薬の確認や服薬状況の確認等を行っていた。 2 争点(2)(表明保証違反に起因する損失発生の有無)について (原告の主張)争点(1)で ,その後,必ず本件薬局の薬剤師が当該施設を訪れ,残薬の確認や服薬状況の確認等を行っていた。 2 争点(2)(表明保証違反に起因する損失発生の有無)について (原告の主張)争点(1)で主張したとおり,本件薬局には保険薬局の指定取消事由が多数存在していたのであり,本件薬局の指定が取り消されて原告の調剤薬局グループ全体の信用・評判が悪化し,原告の経営に極めて重大な否定的影響が生じるおそれがあった。 また,対象会社は,本件薬局を違法に運営することにより黒字を生み出していたものであって,原告において本件薬局を適法に運営すると,労務費が増加し,また取引先が減少して,恒常的に赤字になるという状態であった。 そして,これらの事情により,原告は本件薬局の閉鎖を余儀なくされ,以下のとおりの損失を被ったのであって,これらの損失はいずれも被告らの表明保 証違反に起因するものである。 (1) 「のれん」の消失(主位的主張)会社買収の対価額は,会計区分上は「純資産」と「のれん」とに区分されるところ,本件契約の譲渡代金は合計2億4501万6000円であり,対象会社の「純資産」は970万8724円であったから,「のれん」はその 差額に相当する2億3530万7276円ということになる。 - 8 -また,本件における相当な弁護士費用は2350万円を下回らず,更に本訴提起に要する貼用印紙額80万円も原告の損失に該当する。 したがって,原告の損失額は,以上の合計金額である2億5960万7276円となる。 (2) 逸失利益(予備的主張) 仮に上記(1)の主張が認められなくても,以下のとおり,原告には本件薬局の閉鎖に伴い,2億2348万1036円もの逸失利益が生じている(甲3859)。 ア対象会社の株 的主張) 仮に上記(1)の主張が認められなくても,以下のとおり,原告には本件薬局の閉鎖に伴い,2億2348万1036円もの逸失利益が生じている(甲3859)。 ア対象会社の株式の価値 2億4501万6000円原告が被告らの表明保証を信じた上で合理的と判断した,対象会社の株 式の価値(本件契約の譲渡代金)である。 イ本件薬局の閉鎖後においても継続すると見込まれる取引 1182万6240円本件薬局の閉鎖後において,原告グループの調剤薬局の取引として継続し,原告の利益獲得に貢献すると見込まれる取引の額を算定すると,11 82万6240円となる。 ウ対象会社の残存価値 970万8724円対象会社の清算ベースの残存価値は,970万8724円である。 エアからイ及びウを差し引いた残額 2億2348万1036円(被告らの主張) 原告の主張は,①本件薬局には保険調剤薬局の指定取消事由が多数存在し,指定取消処分を受ける状態となっていたこと,②本件薬局を適法に運営すると恒常的に赤字になることを前提とするものである。 しかし,上記①については,本件薬局のような保険調剤薬局において重大な違反行為が認められた場合,行政当局による指導や監査が実施されるのが 通常であるが,本件契約後,こうした指導や監査が実施されたことはないの- 9 -であって,本件薬局には取消処分に相当するような重大な違反はなく,本件薬局の運営を継続することは十分可能であった。 また,上記②については,原告は,違反事由の是正のための労務費の増加や,違反事由による取引先の減少といった事情を指摘するが,いずれも立証がないし,仮に違反事由の是正のために労務費の増加が生じるとしても一時 的なものにと 告は,違反事由の是正のための労務費の増加や,違反事由による取引先の減少といった事情を指摘するが,いずれも立証がないし,仮に違反事由の是正のために労務費の増加が生じるとしても一時 的なものにとどまるのであって,恒常的に赤字を生じるような事態にはならない。 さらに,原告の主張する「のれん」の消失及び逸失利益についても,以下のとおり理由がない。 (1) 「のれん」の消失について 本件契約の譲渡代金は,本件薬局の収益力だけではなく,対象会社の買収により重点投資地域である名古屋市においてM&Aの実績を作ること,在宅調剤のノウハウを吸収すること,近隣の店舗網とのスケールメリットを図ることといった諸要素を考慮して設定されたものであるから,本件薬局の収益力の低下により,原告の主張する「のれん」相当部分が直ちに無価値になる というわけではない。 そもそも,本件契約の代金は,原告が被告らに提示した金額をそのまま受け入れて決まったものであり,原告が対象会社の収益力をもとに譲渡代金を算出していたのだとしても,算出根拠について原告と被告らとの間で何らの共通認識も形成されていなかったのであるから,仮に原告の主張する「のれ ん」相当部分が無価値になるとしても,これが当然に表明保証違反に起因する損失になるわけではない。 (2) 逸失利益について本件にいう逸失利益とは,本件薬局を継続していれば将来にわたって得られたであろう利益のことであるから,これが損失として認められるためには, 本件薬局において譲渡代金額相当の収益が将来にわたって得られたというこ- 10 -とにつき具体的な主張立証を要するが,こうした点についての立証はされていない。 3 争点(3)(被告らの損失補償責任の有無)について(原告の主張)(1) て得られたというこ- 10 -とにつき具体的な主張立証を要するが,こうした点についての立証はされていない。 3 争点(3)(被告らの損失補償責任の有無)について(原告の主張)(1) 被告らには表明保証違反があるところ(争点(1)),これに起因して原告に 損失が発生したのであるから(争点(2)),被告らはそれぞれ,本件契約11条に基づき,損失補償責任を負う。 そして,被告eが原告に対して対象会社の株式を譲渡した行為は,商行為である(商法501条1号)。また,被告会社は株式会社であるから,被告会社が原告に対して対象会社の株式を譲渡した行為は,商行為である(会社 法5条)。 したがって,被告らは,商法511条1項により,損失補償債務について連帯責任を負う。 (2) この点につき被告らは,原告には故意又は重過失があるから,原告が表明保証違反を理由とする補償責任を追及することはできない旨主張する。 しかし,そもそもM&Aの実務上の観点からすれば,契約書に明示されていない「買主の無重過失」を補償の要件とすること自体が不相当である。 そして,この点を措くとしても,本件においては被告らから原告に対して表明保証違反の事実の存在をうかがわせるような資料の交付はなく,また,その他その存在を疑わせるような事情は存在しなかった。むしろ,本件のデ ューデリジェンスにおいて,原告は薬歴簿等の記載状況を照会したところ,gからは適切に記載しているとの回答を受けていた。 また,本人負担金の減免について原告に伝わっていた事実はない。 したがって,原告に悪意又は重過失は存在せず,被告らの上記主張は採用することができない。 (被告らの主張)- 11 -(1) 表明保証条項は,契約締結 わっていた事実はない。 したがって,原告に悪意又は重過失は存在せず,被告らの上記主張は採用することができない。 (被告らの主張)- 11 -(1) 表明保証条項は,契約締結時点又はクロージング時点における潜在的リスクを分配する機能を有するものであり,違反した場合に当該違反に起因して生じた損失を補償する補償条項が併せて定められることが多い。 しかし,表明保証された事項が真実でないことを相手方が知っていた場合又は知らないことについて重過失が存在する場合にまで,表明保証を行った 契約当事者にリスクを負担させることは,信義則ないし公平の見地から許されず,かかる場合,相手方は,表明保証違反を理由とする補償責任を追及することはできない。 (2) 本件において,原告は,設立以来,数多くのM&Aを繰り返して規模を拡大し,多数の薬局を経営しているのであって,調剤薬局の運営会社を買収す る際のデューデリジェンスについても豊富なノウハウを有していた。仮に原告の指摘する表明保証違反の事実が存在していたとしても,原告が関係書類を確認したり,関係者に対するヒアリングを実施したりしていれば,容易に判明したはずであって,原告には重大な過失がある。また,本人負担金の減免については,本件契約締結前の時点で原告に伝わっていた。 他方,被告らは,対象会社の株主であったにすぎず,本件薬局の運営には直接関与していなかった。本件薬局の運営は対象会社の代表取締役であるgが行っていたところ,gからは,原告が指摘するような不正請求等が行われている旨の報告は一切なかった。 したがって,仮に表明保証違反の事実が存在していたとしても,原告が被 告らに対して補償責任を追及することはできない。 第4 当裁判所の判断 1 認定 ている旨の報告は一切なかった。 したがって,仮に表明保証違反の事実が存在していたとしても,原告が被 告らに対して補償責任を追及することはできない。 第4 当裁判所の判断 1 認定事実前記前提事実及び後掲の各証拠によれば,以下の事実が認められる。 (1) 対象会社の設立 被告eは,他の調剤薬局で薬剤師をしていたgから相談を受け,平成21- 12 -年9月25日,対象会社を設立した。 対象会社の代表取締役には,gが就任した(甲1,乙1,26,被告e〔1頁〕)。 (2) 本件薬局対象会社の経営する本件薬局は,介護付き有料老人ホーム等の施設を薬剤 師が訪問し,入所者に薬剤を処方するという,いわゆる在宅調剤を専門とする薬局であり,その運営はgに一任されていた。 平成28年12月当時,本件薬局にはgを含めて3名の薬剤師が在籍していた。また,当時,本件薬局の取引先の施設は,約50施設あった。 なお,本件薬局のように,外来を全く行わずに在宅調剤のみを専門に行う 薬局というものは,あまり存在していなかった(乙1,27,証人i〔17,23頁〕,証人j〔2頁〕,証人k〔2頁〕,証人l〔11ないし13頁〕,被告e本人〔1頁〕)。 (3) 原告による譲受意向の表明被告eは,対象会社の売却を考え,平成28年11月10日,M&Aの仲 介業者に対して仲介を依頼した。 このことを知った原告は,対象会社を買収すれば,在宅調剤に関するノウハウ及び人材を承継することができるなどと考え,同年12月7日,被告らに対し,対象会社の株式を譲り受ける意向がある旨の意向表明書(乙9)を提出した。 なお,当時,原告及びそのグループ会社内には,在宅調剤の とができるなどと考え,同年12月7日,被告らに対し,対象会社の株式を譲り受ける意向がある旨の意向表明書(乙9)を提出した。 なお,当時,原告及びそのグループ会社内には,在宅調剤のみを専門に行う薬局はなかった(甲3860,乙18,26,証人i〔16ないし18頁〕,証人j〔11頁〕)。 (4) デューデリジェンスの実施等ア原告は,デューデリジェンスに先立ち,「条件等確認事項」と題する書 面(乙10)を作成した。 - 13 -同書面には,被告らに確認すべき事項として,譲渡金額,業務フローの確認等が記載されていたほか,薬剤師については2名程度,薬剤師以外の従業員については1名程度の補充を要する旨記載されていた(乙10,証人i〔11頁〕)。 イ平成28年12月8日,対象会社の株式譲渡に係るデューデリジェンス が実施された。 原告側からは,財務面につき公認会計士2名及び従業員1名,事業面につき従業員3名が出席した。 原告従業員のi(以下「i」という。)は,gへのヒアリングを担当した。gは,iに対し,本件薬局の運営面の留意点等について伝えるととも に,g自身は土曜日及び日曜日も休まず,平日も夜遅くまで働いている旨を伝えた。 なお,gは,当初は株式譲渡後も辞めないと述べていたが,後に,株式譲渡から一定期間を経過した後に辞めるということになった(甲3860,証人i〔3,4,21,22頁〕)。 (5) 本件契約の締結及び代金支払原告と被告らとは,平成28年12月21日,本件契約を締結し,原告はその譲渡代金を平成29年1月5日に支払った。 これにより,原告は,対象会社の発行済全株式を取得した(前提事実(3),(4))。 (6) 原 月21日,本件契約を締結し,原告はその譲渡代金を平成29年1月5日に支払った。 これにより,原告は,対象会社の発行済全株式を取得した(前提事実(3),(4))。 (6) 原告傘下での本件薬局の運営原告は,平成29年1月5日,原告のグループ会社にいたm(以下「m」という。)を対象会社の代表取締役に就任させるとともに,同月から,薬剤師の資格を持つ従業員のj(以下「j」という。)及びl(以下「l」という。)らを札幌や東京などから本件薬局に派遣し,その業務に従事させた。 他方,従前から本件薬局に在籍していた薬剤師3名のうち1名(n)は平- 14 -成28年12月28日限りで退職したほか,本件薬局の運営を一任されていた薬剤師のgも間もなく退職して独立し,残り1名の薬剤師(o)も退職した。また,薬剤師以外の従業員のうち3名(k,p,q)は,当初の予定どおり株式譲渡後に対象会社から被告会社に移籍し,また2名(r,s)も株式譲渡の前後に退職したが,さらに,他にも2名(t,u)の従業員が退職 した。 j及びlは,本件薬局での人員が足りない旨を原告に報告し,原告は本件薬局での業務に従事する人員を増やすこととして,その結果,同年4月頃には,本件薬局において,薬剤師7名,常勤の事務職員7名,配達ドライバー3名,非常勤の事務職員3名が在籍することとなった。 他方で,本件薬局の取引先の施設数は徐々に減っていき,最終的には同年7月時点で約20ないし30施設にまで減少した(甲1,乙1,11,証人i〔7,8頁〕,証人j〔7ないし10頁〕,証人l〔1ないし3頁〕)。 (7) 表明保証違反がある旨の通知原告は,平成29年2月3日,被告らに対し,被告らの表明保証違反の事 実が 〔7,8頁〕,証人j〔7ないし10頁〕,証人l〔1ないし3頁〕)。 (7) 表明保証違反がある旨の通知原告は,平成29年2月3日,被告らに対し,被告らの表明保証違反の事 実が判明したため,速やかに補償に関する協議を求める旨の通知書(乙11)を送付した。 もっとも,上記通知書に記載されていた表明保証違反の内容は,①gが本件薬局から独立したこと,②薬剤師1名(o)及び他の従業員2名(t,u)が退職届を提出していたこと,③本件薬局は建物の2階及び3階部分を使用 していたのに,東海北陸厚生局に対しては2階部分のみで薬局を開設する旨の届出を行っていたことにとどまり,本訴において原告が主張する各表明保証違反の事実は何ら記載されていなかった。 そして,被告らは,同年3月1日,原告に対し,原告の指摘する各事実については,株式譲渡後の事実であったり(上記①),既に説明済みの事項で あったり(上記②),虚偽の届出には当たらなかったりして(上記③),いず- 15 -れも表明保証違反に当たらない旨の回答書(乙12)を送付した。 (8) 表明保証違反がある旨の再度の通知原告は,平成29年4月3日,被告らに対し,新たに,①居宅療養管理指導費及び在宅患者調剤加算料の不正請求・不正受領,②医師の同意のない処方内容の変更,③患者に対する本人負担金の減免の各表明保証違反の事実が ある旨の通知書(甲3)を送付した。 これに対し,被告らは,上記①ないし③の事実が存在するとの認識は一切なかったものであり,かえって原告には重過失がある旨の回答書(甲5)を送付した。 (9) 本件薬局の閉鎖 本件薬局は,平成29年7月31日に閉鎖され,その機能は原告のグループ会社の他の薬局に り,かえって原告には重過失がある旨の回答書(甲5)を送付した。 (9) 本件薬局の閉鎖 本件薬局は,平成29年7月31日に閉鎖され,その機能は原告のグループ会社の他の薬局に承継された(乙7,弁論の全趣旨)。 2 争点(1)(表明保証違反の存否)について原告は,本件契約による株式譲渡を受けた後,①居宅療養管理指導費及び在宅患者調剤加算料の不正請求・不正受領,②医師の同意のない処方内容の変更, ③患者に対する本人負担金の減免,④薬剤師資格のない従業員による薬剤師業務の各事実が判明したのであり,被告らには表明保証違反があると主張する。 そこで,以下,上記①ないし④の事実について検討する。 (1) 居宅療養管理指導費及び在宅患者調剤加算料の不正請求・不正受領について ア薬担規則10条の2は,薬剤師は,その行った調剤に関する情報の提供等について,保険薬局が行う療養の給付に関する費用の請求が適正なものとなるよう努めなければならない旨定める。 イ原告は,本件薬局における訪問薬剤管理指導費・情報提供書及びこれと一体となる薬歴簿の記載は不十分・不正確なものであり,それゆえこれに 基づく居宅療養管理指導費及び在宅患者調剤加算料の請求は適正ではなか- 16 -った旨主張する。 そこで検討するに,確かに,本件薬局の薬歴簿をみると,①処方内容欄では処方内容が「アルファロールカプセル0.25μg」から「ワンアルファ錠0.25μg」へと変更されているのに,O欄(前回処方との比較等を記入する欄)には変更された旨の記載がない(甲14,16),②処 方内容欄には「ヒアレイン点眼」が記載されていないのに,O欄には「処方変更:ヒアレイン点眼処方」と記載されている(甲46),③処方内容欄では前回処 更された旨の記載がない(甲14,16),②処 方内容欄には「ヒアレイン点眼」が記載されていないのに,O欄には「処方変更:ヒアレイン点眼処方」と記載されている(甲46),③処方内容欄では前回処方されていなかった「ボノテオ錠50mg」が追加されているのに,O欄にはその旨の記載がない(甲78,80),④薬歴簿に記載された医療機関が変更されており,他科受診がうかがえるのに,O欄には 「他科受診:無」と記載されている(甲36,38,40)など,適切とは解されない記載が散見されるところである。 しかし,これらの記載はいずれも,正しい処方内容等が薬歴簿の処方内容欄等の記載からは明らかであり,ただそれがO欄に正確に反映されていなかったというものにすぎないのであって,薬歴簿の記載それ自体から明 らかな誤記というべきものである。そして,これらの誤記により,直ちにこれに基づく居宅療養管理指導費及び在宅患者調剤加算料の請求が適正ではないことになるのか,本件全証拠に照らしても必ずしも明らかとはいえない。 そして,仮に,上記誤記によって居宅療養管理指導費及び在宅患者調剤 加算料の請求がその要件を満たさないものとなったとしても,被告らによれば,本件薬局においてはその設立から原告への株式譲渡までの間,個別指導において薬歴簿の記載の不備を指摘されたことや,監査がされたことはなかったというのであり,現にこれまでこの誤記を理由に保険薬局の指定を取り消されたこともないのであって(当事者間に争いがない。),その 要件の不備は軽微な違反にすぎず,少なくとも保険薬局の指定取消処分を- 17 -受けるほどのものではなかったというべきである。 したがって,被告らに本件契約10条1項5号(文書に重要な不実記載・欠陥のないこと),6号( ,少なくとも保険薬局の指定取消処分を- 17 -受けるほどのものではなかったというべきである。 したがって,被告らに本件契約10条1項5号(文書に重要な不実記載・欠陥のないこと),6号(明らかな法令違反のないこと)及び18号(多額又は重大な債務のないこと)に違反するような表明保証違反があったとすることはできない。 ウこの点につき原告は,S欄(患者や家族による主観的情報)に「著変なし」としか記載されていなかったり,前回のSOAP欄の記載がそのまま書き写されていたりした薬歴簿も多く,このような記載は極めて不十分・不正確であったとも主張する(証人j〔5頁〕,証人l〔4,5頁〕も同旨)。 しかし,被告らの説明によれば,前回の訪問時に比べて特に患者の容態や愁訴に変わりがなく,服薬状況も良好で副作用も出ていないような場合には,服薬継続以上に特段指示すべき事項がなく,そもそもSOAP欄に記載すべき情報量が少なかったというのであって,かかる説明自体,特段不自然,不合理ともいい難い。 したがって,原告の上記主張は,採用することができない。 エまた,原告は,対象会社は平成30年4月から7月にかけて合計267万6028円の在宅患者調剤加算料を返還しており,このことは在宅患者調剤加算料の不正請求・不正受領があったことの証左であるとも主張する。 しかし,その返還に係る証拠(甲3781ないし3843)をみても, その返還の理由が,原告の主張するような薬歴簿の誤記に基づくものであるのかどうか必ずしも判然としないし,仮にそうであるとしても,結局は誤記に基づいて在宅患者調剤加算料を返還したというものにすぎず,この点に保険薬局の指定取消処分を受けるほど重大な法令違反があったとか,これによる表明保証違反が被告ら ,仮にそうであるとしても,結局は誤記に基づいて在宅患者調剤加算料を返還したというものにすぎず,この点に保険薬局の指定取消処分を受けるほど重大な法令違反があったとか,これによる表明保証違反が被告らに存したとまではいうことができない。 したがって,原告の上記主張は,採用することができない。 - 18 -オなお,原告は,平成28年12月8日のデューデリジェンスの際に薬歴簿の現物を実査しておらず,それゆえ不十分・不正確な記載に気付かなかった旨主張している。 しかし,デューデリジェンスに先立って作成された「条件等確認事項」(乙10)には,確認内容として「薬歴記載状況」が明記されている。そ して,原告従業員のiは,上記デューデリジェンスの際,原告側の薬剤師(w事業部長)が薬歴簿の実物の提供を受け,それを確認した上,問題ない旨の報告をiに行ったと証言しているのであって(証人i〔5,6,13頁〕),原告の上記主張はにわかに採用することができない。 カ以上によれば,居宅療養管理指導費及び在宅患者調剤加算料の不正請 求・不正受領についての原告の主張は,理由がない。 (2) 医師の同意のない処方内容の変更についてア薬担規則8条1項は,薬剤師は,医師等の交付した処方箋に基づいて調剤を行わなければならない旨定める。 イ原告は,本件薬局においては,処方箋を作成した医師の同意を得ずに, 処方箋の記載内容と異なる医薬品を調剤していたと主張する。 そこで検討するに,確かに,医師の作成した処方箋と本件薬局の作成した調剤録とを比較すると,平成28年12月12日の1日だけで,①処方箋には「ノルバスク錠5mg」と記載されているのに,実際には「アムロジンOD錠5mg」が調剤されている(3件),②処方箋には「メマリー 比較すると,平成28年12月12日の1日だけで,①処方箋には「ノルバスク錠5mg」と記載されているのに,実際には「アムロジンOD錠5mg」が調剤されている(3件),②処方箋には「メマリー 錠10mg」と記載されているのに,実際には「メマリーOD錠10mg」が調剤されている(1件),③処方箋には「リバスタッチパッチ4.5mg」と記載されているのに,実際には「イクセロンパッチ4.5mg」が調剤されている(1件)ところである(甲3674ないし3683。なお,いずれも同じ有効成分を有する医薬品への変更である。)。 しかし,この点につき被告らは,処方箋に記載された医薬品が本件薬局- 19 -の在庫にない場合などに,これと異なる医薬品を変更したものにすぎない旨説明する。そして,被告らは,その際に医師に無断で変更してしまうと,後日に患者と医師との間で食い違いが明らかになるなどして問題となりかねないため,必ず電話等で医師の同意を得ていたと説明するのであって(証人k〔3,5頁〕も同旨),この説明自体,にわかに不自然,不合理 とまではいい難い。 そうすると,本件薬局において,処方箋の記載内容と異なる医薬品を調剤していたとしても,その際に医師の同意を得ていなかったとまで断ずることは困難である。 ウこの点につき原告は,処方箋と異なる医薬品を調剤することにつき医師 の同意を得た場合には,その旨を調剤録の「疑義照会事項等」欄に記載することになっているのに,上記①ないし③については「疑義照会事項等」欄に何の記載もないのであって,このことは医師の同意を得ていないことの証左である旨主張する。 しかし,「疑義照会事項等」に記載がないとしても,これは単に記載漏 れにすぎない可能性もあるのであって(なお,調剤録の記載漏れ自体に ことは医師の同意を得ていないことの証左である旨主張する。 しかし,「疑義照会事項等」に記載がないとしても,これは単に記載漏 れにすぎない可能性もあるのであって(なお,調剤録の記載漏れ自体に問題がないとはいえないが,少なくとも本訴においては,原告はこのような記載漏れ自体が違反行為に当たるとは主張していない。),「疑義照会事項等」に記載がないことをもって,直ちに医師の同意を一切得ていないと断ずることはできない。 エまた,原告の薬剤師であるlは,本件薬局では医師の同意を得ていなかったのではないかとし,その根拠として,ある施設の看護師から,実際に調剤されている医薬品が違う旨の指摘を受けたと証言する(証人l〔5,6頁〕)。 しかし,lの上記証言はその裏付けを欠く上,この点を措くとしても, 施設側の看護師からそのような指摘を受けたというのみで,病院側の医師- 20 -から指摘を受けたというものではない。そもそも,lは平成29年1月から約7か月もの間,本件薬局の業務に携わっていたというところ(証人v〔1頁〕,甲3750),仮に原告の主張するとおり,本件薬局で医師の同意を得ない処方内容の変更が日常的に行われていたというのであれば,指摘を受けた事例がわずか1件にとどまるとは考え難いところである。 オ以上によれば,本件薬局においては,処方箋を作成した医師の同意を全く得ないままに,これと異なる医薬品を日常的に調剤していたものと断定することは困難であるといわざるを得ない。 したがって,医師の同意のない処方内容の変更についての原告の主張は,理由がない。 (3) 患者に対する本人負担金の減免についてア薬担規則2条の3の2第1項は,保険薬局は,患者に対して経済上の利益を提供することにより,当該患 更についての原告の主張は,理由がない。 (3) 患者に対する本人負担金の減免についてア薬担規則2条の3の2第1項は,保険薬局は,患者に対して経済上の利益を提供することにより,当該患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならない旨定める。 イ原告は,本件薬局では「h」など8つの施設を利用する患者に対し,本 人負担金を減免して調剤していたと主張する。 これに対し被告らは,上記事実を認めつつも,このことは平成28年12月8日のデューデリジェンスの際に原告に伝えられていたと主張する。 そこで検討するに,デューデリジェンスに先立って作成された「条件等確認事項」(乙10)には,確認内容として「自己負担分減免の有無」が 記載されている。そして,原告従業員のiは,デューデリジェンスの際,患者に対する本人負担金の減免を行っていることを聞いた旨証言しているところである(証人i〔11,12頁〕)。 もっとも,iは,本人負担金の減免をしていた患者の範囲は処方元の医師及びその家族並びに本件薬局の従業員と聞いていたのであり,施設の患 者にまで減免していたとは聞いていないとも証言する(同〔12頁〕)。し- 21 -かし,いずれにせよ,患者に対する本人負担金の減免は約担規則2条の3の2第1項に違反するのであり,このことはiも認識していたというのであって(同〔12頁〕),原告において,本件薬局では患者に対する本人負担金の減免がされていたことを知っていたという点に変わりはない。 ウ以上によれば,患者に対する本人負担金の減免については,薬担規則2 条の3の2第1項に違反するものの,このこと自体は原告も知っていたというのであるから,この点をもって直ちに被告らに表明保証違反があるということはできない 本人負担金の減免については,薬担規則2 条の3の2第1項に違反するものの,このこと自体は原告も知っていたというのであるから,この点をもって直ちに被告らに表明保証違反があるということはできない。 (4) 薬剤師資格のない従業員による薬剤師業務についてア薬剤師でない者が販売又は授与の目的で調剤することは罰則をもって禁 じられており(薬剤師法19条,29条,32条4号),また,薬局以外の場所での調剤や処方箋によらない調剤も禁じられている(同法22条及び23条)。 イ原告は,本件薬局においては,①薬剤師資格を有しない従業員が,日常的に調剤業務や医薬品の販売をしていた,②薬剤師資格を有しない従業員 が,老人ホーム等の施設を訪問して,患者に医薬品を交付していたと主張する。 そこで検討するに,まず上記①の事実については,本件全証拠によってもこれを認めるに足りない。 次に,上記②の事実については,被告らは薬剤師資格を有しない従業員 が各施設に医薬品を配達していたことは認めつつも,当該従業員は各施設の指定スペースに医薬品を置いていただけであり,その後,必ず本件薬局の薬剤師が当該施設を訪れ,残薬の確認や服薬状況の確認等を行っていたものであると主張し,本件薬局で勤務していたkもこれに沿う証言をしている(証人k〔2,8,10頁〕)。そして,原告従業員のjも,後に薬剤 師が施設に行って確認するのであれば,薬剤師資格を有しない従業員が医- 22 -薬品を配達すること自体は合法であると認めているところである(証人j〔4頁〕)。 したがって,本件薬局において,薬剤師資格のない従業員が薬剤師業務を違法に行ったということはできない。 ウこの点につき原告は,上記①については,gと従業員とのLINEのト 4頁〕)。 したがって,本件薬局において,薬剤師資格のない従業員が薬剤師業務を違法に行ったということはできない。 ウこの点につき原告は,上記①については,gと従業員とのLINEのト ーク履歴(甲3697,3698)から明らかであると主張する。 しかし,上記トーク履歴が果たしてgと従業員との間のものなのか,必ずしも明らかとはいえないし,仮にgと従業員との間のものだとしても,その内容は,例えばgが「カロナールも対応できればお願いします」と依頼したのに対し,従業員が「承知しました。手持ちから対応します。」と 返答するなど(甲3697〔2017年1月14日の項〕),単にgが医薬品の配達を依頼したものにすぎない。 したがって,原告の上記主張は,採用することができない。 エまた,原告は,上記②につき,本件薬局の取引先の施設は非常に多かったため,薬剤師が全ての施設を訪れて残薬確認等を行うことは不可能であ ったと主張する(証人j〔4頁〕も同旨)。 しかし,被告らは,取引先の施設全てを毎日訪問しなければならないわけではなく,多くの施設は月2回程度の訪問で足りており,しかも施設のほとんどは名古屋市内に所在していたから,薬剤師が施設を訪問することは十分に可能であったと説明している。そして,本件薬局の薬剤師でもあ るgは,土曜日及び日曜日も休まず,平日も夜遅くまで働いていたというのであって(認定事実(4)),このことからすると,被告らの上記説明もあながち不自然,不合理とまではいい難い。 他方,原告は,薬剤師が全ての施設を訪れることは不可能であるというにとどまるのであって,実際に薬剤師が施設を訪れなかった例を具体的に 指摘するものではない。 - 23 -したがって,原告の上記主張は,採用する の施設を訪れることは不可能であるというにとどまるのであって,実際に薬剤師が施設を訪れなかった例を具体的に 指摘するものではない。 - 23 -したがって,原告の上記主張は,採用することができない。 オ以上によれば,薬剤師資格のない従業員による薬剤師業務についての原告の主張は,理由がない。 (5) 小括以上のとおり,居宅療養管理指導費及び在宅患者調剤加算料の不正請求・ 不正受領(上記(1))及び患者に対する本人負担金の減免(上記(3))については表明保証違反があったということができず,医師の同意のない処方内容の変更(上記(2))及び薬剤師資格のない従業員による薬剤師業務(上記(4))については,そもそもその前提となる事実を認めるに足りない。 したがって,争点(1)における原告の主張は,いずれも理由がない。 3 争点(2)(表明保証違反に起因する損失の有無)について上記2のとおり,被告らに表明保証違反があったとはいえず,またその前提となる事実を認めるに足りないところであるが,事案に鑑みて更に検討するに,仮に原告らの主張する前提事実が認められ,被告らに表明保証違反があったとしても,以下のとおり,原告の主張する損失が当該表明保証違反に起因して発 生したものということはできない。 (1) 原告の主張の概要原告は,①本件薬局には保険薬局の指定取消事由が多数存在しており,指定が取り消されるおそれがあるため,本件薬局を閉鎖せざるを得なかった,②本件薬局を適法に運営すると恒常的に赤字になり,やはり本件薬局を閉鎖 せざるを得なくなったと主張する。 そこで,以下,これらを順次検討する。 (2) 保険薬局の指定が取り消されるとの主張について(上記①)そもそも,本件薬局の 本件薬局を閉鎖 せざるを得なくなったと主張する。 そこで,以下,これらを順次検討する。 (2) 保険薬局の指定が取り消されるとの主張について(上記①)そもそも,本件薬局のような保険薬局において重大な違反行為が認められた場合,行政当局による個別指導が行われた後に監査が行われるが(乙2 〔7,8頁〕,15〔7頁〕),本件契約後,本件薬局に対して監査が行われ- 24 -たことはなく,このことは原告従業員のiも自認している(証人i〔19頁〕)。 また,本件薬局は平成29年7月31日に閉鎖されているが,このように保険薬局が閉鎖された場合であっても,その指定取消処分に相当する違反行為があると認められた場合には,行政当局において取消相当の取扱いがされ るところ(乙15〔7頁〕),本件薬局は現時点においてもそのような取扱いを受けておらず,このことは原告従業員のi及びjも自認している(証人i〔19頁〕,証人j〔15頁〕)。 しかも,原告従業員のiによれば,本件契約の後に対象会社の代表取締役に就任したmが,本件薬局の法令違反について監督官庁に報告に行ったもの の,違反行為を是正するように言われたにとどまり,本件薬局の営業ができないとか,閉鎖するように言われたわけではないというのである(甲3860,証人i〔18頁〕)。 したがって,仮に本件薬局には原告の主張するような違反行為があったとしても,これらは取消処分に相当するような重大なものではなく,現に取り 消処分を受けた事実はないのであって,このことにより本件薬局を閉鎖せざるを得なかったとまではいうことができない。 (3) 本件薬局を適法に運営すると赤字になるとの主張について(上記②)ア原告は,本件薬局を適法に運営すると,労 のことにより本件薬局を閉鎖せざるを得なかったとまではいうことができない。 (3) 本件薬局を適法に運営すると赤字になるとの主張について(上記②)ア原告は,本件薬局を適法に運営すると,労務費が増加し,また取引先が減少するなどして,恒常的に赤字になると主張する。 イしかし,まず労務費についてみるに,確かに,対象会社の損益計算書月次推移表(甲3693ないし3695)上は,原告がその株式譲渡を受けた後の平成29年1月から4月にかけて,労務費が増加している。 しかし,原告の主張する違反行為の存在によって,本件契約時点で予定されていた人員体制にいかなる変更が必要となったのか,また,そのよう な変更が,本件契約時点から一定の増加が見込まれていた労務費(認定事- 25 -実(4)ア参照)をさらに増加させ,これによって本件薬局につき恒常的な赤字をもたらすものであったのかについては,本件証拠上,明らかではないといわざるを得ない。 そもそも,原告は,デューデリジェンス前の時点で,本件薬局には薬剤師2名程度,薬剤師以外の従業員1名程度を補充する必要があるものと想 定していたのであるし(認定事実(4)ア),しかもデューデリジェンスでのヒアリングにより,gが土曜日も日曜日も休まず,平日も夜遅くまで働いていることが判明したというのであるから(認定事実(4)イ),gの退職後はこの点も考慮して人員を補充する必要があったことを認識していたというべきであって(証人i〔22頁〕参照),本件薬局において労務費が増 加すること自体は,原告においても当初から想定していたところである。 さらに,原告は,平成29年1月以降,jやlらを他地域から派遣していたところ(認定事実(6)),原告が増加した労務費として主張する費用の中には,派遣 告においても当初から想定していたところである。 さらに,原告は,平成29年1月以降,jやlらを他地域から派遣していたところ(認定事実(6)),原告が増加した労務費として主張する費用の中には,派遣した人員の交通費,宿泊費,出張日当等も含まれている(甲3702ないし3750参照)。しかるに,原告従業員のiやjによれば, これらは飽くまでも一時的な派遣にすぎず,一定期間が経過すれば派遣が終了することとされていたというのであって(証人i〔21頁〕,証人j〔10頁〕),上記各費用が本件薬局の運営を継続する上で恒常的に発生する費用であるとはいい難い。現に,現に,本件薬局の労務費は,平成29年2月から同年4月の間に顕著に増加しているものの,その後は平成29 年1月と同水準の費用にとどまっているところである(甲3693ないし3695)。 しかも,このうちlについては,平成29年6月から8月にかけて,月額95万もの賃金及び社会保険料が支出されている(甲3737〔3頁〕,3746〔3頁〕,3750〔3頁〕)。そして,原告従業員のiも,この 支出額が標準的な額よりは高いことを認めた上,これも株式譲渡後の本件- 26 -薬局の労務費が増大した一因かもしれないことを認めている(証人i〔23,24頁〕)。 したがって,本件薬局を適法に運営すると労務費が増加するとの原告の主張は,採用することができない。 ウまた,取引先の減少についてみるに,確かに,本件薬局の取引先の施設 数は,平成28年12月当時には約50施設あったのが(認定事実(2)),平成29年7月時点で20ないし30施設にまで減少している(同(6))。 そして,これに沿うように,上記の損益計算書月次推移表(甲3693ないし3695)上も,平成29年1月の売上高が約3129万 ,平成29年7月時点で20ないし30施設にまで減少している(同(6))。 そして,これに沿うように,上記の損益計算書月次推移表(甲3693ないし3695)上も,平成29年1月の売上高が約3129万円であったのに対し,同年6月には約1190万円となり,同年7月には約886万 円にまで落ち込んでいるところである。 しかし,この取引先の施設数の減少が,果たして原告の主張する違反行為の是正を原因とするものなのか,本件全証拠に照らしても必ずしも明らかとはいえない。 この点につき原告従業員のjは,取引先の施設数が減少した理由として, ①患者に対する本人負担金の減免をしていた施設に対し,減免の取りやめを打診したところ,取引を断られた,②介護訪問の契約を締結していなかった施設に対し,契約の締結を打診したところ,取引を断られた旨証言する(証人j〔7頁〕)。しかし,jによれば,これらはいずれも自分で直接見聞きしたものではなく,伝聞にすぎないという上(同〔16頁〕),これ を裏付ける施設側からの文書も存在しないというのである(同〔16頁〕)。 また,この点を措くとしても,このうち上記②については取引先の施設との間で正式な契約を締結していなかったというものにすぎず,これは原告の主張する違反行為とは別個の事由である。 そもそも,原告においては,対象会社の株式譲渡を受けた後は,本件薬 局の取引先の施設を原告の別の薬局に振り分けることを想定しており(証- 27 -人i〔16頁〕),実際にいくつかの施設を振り分けたというのである(証人j〔13頁〕,証人l〔16頁〕)。 また,株式譲渡後もしばらくは本件薬局に勤務していたkは,株式譲渡後,取引先の施設や処方箋を発行する医療機関から本件薬局に対し,配達が遅れているなどのクレームが 13頁〕,証人l〔16頁〕)。 また,株式譲渡後もしばらくは本件薬局に勤務していたkは,株式譲渡後,取引先の施設や処方箋を発行する医療機関から本件薬局に対し,配達が遅れているなどのクレームがあった旨証言し(証人k〔5頁〕),被告e もそのようなクレームが医療機関側にも寄せられていた旨供述するところ(被告e本人〔10頁〕),この点は,原告従業員のiも,譲渡後の本件薬局の業務についてのクレームが入っていたことを自認している(証人i〔22頁〕)。 そして,前記認定のとおり,本件薬局は取引先の施設を薬剤師が訪問し, 入所者に薬剤を処方するという在宅調剤を専門とする薬局であったところ(認定事実(2)),本件契約による株式譲渡の前後に,在籍していた3名の薬剤師がいずれも退職したのであり,その中には本件薬局の運営を一任されていたgも含まれていたのである(同(6))。そうすると,株式譲渡後における取引先の施設の減少は,原告の主張する違反行為が原因ではなく, 単に,gを含めた薬剤師ら全員が退職したために,懇意にしていた取引先が離れていっただけではないかとも思われるところである。 したがって,本件薬局を適法に運営すると売上高が減少するとの原告の主張も,採用することができない。 エ以上によれば,本件薬局を適法に運営すると恒常的に赤字になるはいえ ないのであって,これにより本件薬局を閉鎖せざるを得なかったとまではいうことができない。 そもそも,本件の認定事実に照らせば,本件薬局の閉鎖は,原告がこれまで在宅調剤のみを専門に行う薬局を運営したことがなく,本件薬局を傘下に置くことでそのノウハウ及び人材を承継しようと考えていたところ (認定事実(3)),株式譲渡の前後にgを含めた薬剤師らが全員退職してし- 28 - 局を運営したことがなく,本件薬局を傘下に置くことでそのノウハウ及び人材を承継しようと考えていたところ (認定事実(3)),株式譲渡の前後にgを含めた薬剤師らが全員退職してし- 28 -まい(同(6)),これにより,ノウハウ及び人材が承継されないばかりか,取引先まで減少してしまったためではないかとも思われるところであって(現に,原告らが最初に指摘していた表明保証違反の事実は,本訴にいう不正請求等ではなく,gの独立や薬剤師の退職であった。認定事実(7)),いずれにせよ,原告の主張する違法行為が存在したために閉鎖したものと 認めることはできない。 したがって,この点についての原告の主張は,採用することができない。 (4) 原告の主張に対する検討以上に対し,原告は次のとおり主張するが,いずれも採用することができない。 アまず,原告は,報酬の不正請求を理由に保険薬局の指定が取り消された事案をみると,不正請求額は40万5613円(甲774),37万8757円(甲775),131万0279円(甲776)であるのに対し,本件薬局の不正請求額は,現に返還した額だけでも267万6028円に及ぶのであり(前記2(1)エ参照),本件薬局が指定取消を受けるべき状態 であったことは明らかである旨主張する。 しかし,既に説示したとおり,本件薬局における返還の理由が,原告の主張するような薬歴簿の誤記に基づくものであるのかどうか必ずしも明らかではない(前記2(1)ウ)。また,原告の指摘する3件の事案は,実施していない服薬指導や調剤・診療等を行ったとして架空請求をし,行政当局 による調査の際も責任回避的な言動をするなどという,比較的悪質性の高い事案であって(甲774ないし776),本件のような薬歴簿の誤記に基づくも 剤・診療等を行ったとして架空請求をし,行政当局 による調査の際も責任回避的な言動をするなどという,比較的悪質性の高い事案であって(甲774ないし776),本件のような薬歴簿の誤記に基づくものとは性質が異なる。 したがって,原告の上記主張は,採用することができない。 イまた,原告は,本件薬局の事業を継続し得たと仮定して営業利益を試算 しても,本件薬局は毎月営業赤字となるものであって(令和2年9月11- 29 -日付け原告第12準備書面別紙参照),適法に運営すると赤字となるために閉鎖せざるを得ないことは明らかである旨主張する。 しかし,原告の上記試算は,本件薬局の売上高の減少が違反行為に基づくものであること,労務費の増加が恒常的に発生するものであることを前提とするものであって,こうした前提に理由がないことはこれまで説示し たとおりである。 したがって,原告の上記主張は,採用することができない。 (5) 小括以上のとおり,仮に原告の主張する表明保証違反が存したとしても,これに起因して本件薬局が閉鎖を余儀なくされ,原告に損失が生じたということ はできない。 したがって,争点(2)における原告の主張は,理由がない。 4 結論よって,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとして,主文のとおり判決する。 札幌地方裁判所民事第5部 裁判長裁判官 孝 裁判官河野文彦 裁判官佐藤克郎- 30 -(別紙)○保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32年厚生省令第16号) (経済上の利益の提供による誘引の禁止)第二条の三の二保険薬局は、患者に対して、第四条 郎- 30 -(別紙)○保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(昭和32年厚生省令第16号) (経済上の利益の提供による誘引の禁止)第二条の三の二保険薬局は、患者に対して、第四条の規定により受領する費用の 額に応じて当該保険薬局における商品の購入に係る対価の額の値引きをすることその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、当該患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならない。 2 (略) (調剤の一般的方針)第八条保険薬局において健康保険の調剤に従事する保険薬剤師(以下「保険薬剤師」という。)は、保険医等の交付した処方箋に基いて、患者の療養上妥当適切に調剤並びに薬学的管理及び指導を行わなければならない。 2,3 (略) (適正な費用の請求の確保)第十条の二保険薬剤師は、その行つた調剤に関する情報の提供等について、保険薬局が行う療養の給付に関する費用の請求が適正なものとなるよう努めなければ ならない。
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