令和6年5月28日東京地方裁判所刑事第18部宣告令和6年特(わ)第203号公職選挙法違反被告事件 主文 被告人を罰金50万円に処する。 その罰金を完納することができないときは、金5000円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。 訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、衆議院議員Aの私設秘書であったものであり、令和5年4月23日執行の江東区長選挙に立候補したBの選挙運動者であるが、第1 A並びにAの政策担当秘書であるC、公設第一秘書であるD、公設第二秘書であるE及び私設秘書であるFと共謀の上、別表1記載のとおり、令和5年2月下旬頃、8回にわたり、東京都江東区(住所省略)付近路上ほか7か所において、Bに当選を得しめる目的をもって、Bのための投票取りまとめなどの選挙運動をすることの報酬として、Gほか江東区議会議員4名に対し、現金合計100万円を供与し、Lほか江東区議会議員2名に対し、現金合計60万円の供与の申込みをし、第2 別表2記載のとおり、令和5年1月29日頃から同年4月22日頃までの間、36回にわたり、東京都江東区(住所省略)甲株式会社駐車場又はその周辺ほか1か所において、Oほか1名に対し、Bに当選を得しめる目的をもって、Bの氏名や顔写真が掲載されたビラを配りながらBへの投票を呼び掛けるなどの選挙運動をすることの報酬として、現金合計30万8000円を供与し、第3 別表3記載のとおり、令和5年4月25日頃から同年5月24日頃までの間、4回にわたり、東京都江東区(住所省略)B選挙事務所又 はその周辺ほか3か所において、Pほか3名に対し、第2記載の選挙運動をしたことの報酬とする目的をもって、現金合計26万3750円を供与した たり、東京都江東区(住所省略)B選挙事務所又 はその周辺ほか3か所において、Pほか3名に対し、第2記載の選挙運動をしたことの報酬とする目的をもって、現金合計26万3750円を供与したものである。 (事実認定の補足説明)第1 争点弁護人は、①判示第1の各事実について、Gら乙所属の江東区議会議員(以下「区議」という。)らに供与し、又は供与を申し込んだ現金は、令和5年4月23日執行の江東区長選挙(以下「本件区長選」という。)と同日に執行された江東区議会議員選挙(以下「本件区議選」という。)のための資金援助(陣中見舞い)であり、本件区長選の立候補者であるBのための投票取りまとめなどの選挙運動をすることの報酬ではなく、被告人にもそのような報酬との認識はなかった、②判示第2並びに第3の別表3番号1及び2の各事実について、O及びPが本件区長選の告示前にしていた各行動はいずれも選挙運動に当たらず、告示後も同人らは単なる機械的な労務者であったため、同人らに供与した各現金はいずれも選挙運動者に対する報酬に当たらない、③判示第3の別表3番号3の事実について、被告人がQに現金を交付した事実はなく、仮に交付の事実が認められるとしても、Qの活動はいずれも選挙運動に当たらないから、同現金は選挙運動者に対する報酬に当たらない、④判示第3の別表3番号4の事実について、Rに供与した現金は、本件区長選の告示前後の政治活動及び公職選挙法197条の2第2項所定の者に対する支払である旨それぞれ主張する。そこで、当裁判所が判示の各事実を認定した理由について、補足して説明する。 第2 争点①について 1 関係各証拠によれば、判示第1の供与又は供与の申込みは、令和5年2月20日頃にAが被告人ほかその秘書らに指示して乙所属の区議に対 し行われたも して説明する。 第2 争点①について 1 関係各証拠によれば、判示第1の供与又は供与の申込みは、令和5年2月20日頃にAが被告人ほかその秘書らに指示して乙所属の区議に対 し行われたものと認められる。その指示に際して、Aは、秘書らに対し、もしAを必要とされるのであればAは応援する意思があるのでお声を掛けてくださいと伝え、陣中見舞いの名目で渡すように申し向けている。しかし、Aは、公判廷において、江東区長を4期務める乙所属のSの支持でまとまっていた乙所属の区議らの結束を緩める意図もあって発した指示である旨証言している。そして、この指示は、以下の経緯の下で発せられていることに照らせば、Aが証言するとおり、S支持でまとまっていた乙党所属の区議らの結束を緩める意図があって発したものと認められ、秘書らにおいても、その意図があって発せられたものであることを認識し、Aとその意を通じて区議らに現金を供与し、又は供与の申込みをしたものと認められる。 2 関係各証拠によれば、以下の経緯が認められる。 ⑴ Aの来歴、乙との関係等ア Aは、東京都議会議員を務めた後、衆議院議員であった実父のTから、江東区全域に相当する東京都第十五選挙区(以下「東京十五区」という。)の地盤を引き継ぎ、平成21年8月執行の衆議院議員総選挙(以下、衆議院議員の選挙を「衆院選」という。)に丙の公認候補者として立候補し比例代表として初当選した後、所属政党を転々としながら東京十五区又は比例代表で当選を重ね、この間、東京十五区においては、乙の公認候補との間で、対立候補として議席を争っていた。 イ Aは、平成30年5月以降、当時の所属政党の解党に伴い、無所属となって衆議院議員を務めていたが、その後東京十五区を地盤とする乙所属の衆議院議員が不在となったことから、令和3年10 争っていた。 イ Aは、平成30年5月以降、当時の所属政党の解党に伴い、無所属となって衆議院議員を務めていたが、その後東京十五区を地盤とする乙所属の衆議院議員が不在となったことから、令和3年10月執行の衆院選において、乙の地方組織である乙東京都支部連合会(以下「都連」という。)及び乙江東総支部(以下「江東総支部」という。)の推す候補者と共に乙の推薦を受けて東京十五区から立候補し、同候補者を破って小選挙区で当選 した。Aは、当選直後、乙の追加公認を得て乙に入党し、本件区長選当時も、乙所属の衆議院議員であった。 ウ一方で、江東区では、前記のとおり、Sが4期にわたり江東区長を務めるとともに江東総支部の顧問の地位にあり、同人の長男であるUが同区選挙区選出の東京都議会議員を務めるとともに都連及び江東総支部の要職に就いていたところ、Aは、衆議院議員となる前の東京都議会議員時代から乙とは別の政党に所属して選挙戦を戦うなどしていたことから、長年にわたり、S及びUと対立する関係にあった。また、かつてTの私設秘書を務めていたVほかAが乙に入党する前から連携して活動してきたW、X、Y及びZら乙に所属していない区議(以下「非乙系の区議」という。)は、乙所属の区議らと江東区内の各地盤で競り合う関係にあった。 エそのため、Aは、令和3年10月に乙へ入党したものの、都連及び江東総支部の支持を得ることができず、東京十五区選出の衆議院議員が通例就任している乙東京都第十五区支部長(以下「東京十五区支部長」という。)に就任することができないでいた。東京十五区支部長に就任できなければ政党交付金の分配が受けられず、次期衆院選において乙の公認候補となれないおそれがあるため、Aは、S及びU、江東総支部並びに都連との関係を改善しようと、同年11月以降、複数回にわ 長に就任できなければ政党交付金の分配が受けられず、次期衆院選において乙の公認候補となれないおそれがあるため、Aは、S及びU、江東総支部並びに都連との関係を改善しようと、同年11月以降、複数回にわたりSや都連の役員らへの面会を申し入れたが応じてもらえず、江東総支部からは、Vら非乙系の区議らとの関係を解消するよう求められた。Aは、令和4年4月から5月にかけて、乙所属の区議らに対し、Vら非乙系の区議とは今後連携しない旨表明したり、同年7月の参議院議員選挙において、東京都選挙区から立候補した乙の公認候補を支援したりしたが、S及びU、江東総支部並びに都連との間で関係改善には至らなかった。 ⑵ B立候補の経緯、AらによるB支援の状況等ア Aは、以上のとおり、S及びU、江東総支部並びに都連との関係の 改善を模索する一方で、Sらへの面会申入れなどの働き掛けが奏功しなかったことなどから、令和3年12月頃から、本件区長選においてSの対立候補として勝算が見込める人物を擁立することを検討するようになり、令和4年1月14日には「丁」というグループ名のLINEグループを作成し、自身の支援者らに対し、「江東区新時代へ同志となりうる仲間を増やしていきたいと思います。」などとメッセージを送信するなど、Sの対立候補を擁立する考えを近しい支援者らと共有するようになった。 イ Aは、令和4年7月上旬頃までに、知人から新しい江東区長にふさわしい人物としてBを提案され、Bについて、比例ブロックで当選して乙所属の衆議院議員を2期務めた実績を有していたこと、東京十五区で当選して衆議院議員であったAAの娘として江東区内で生まれ育っており、AAの政治的基盤を承継できること、Sとは性別も年齢も異なることなどから、Sの対立候補として相当程度勝算が見込める人物として考えるよ して衆議院議員であったAAの娘として江東区内で生まれ育っており、AAの政治的基盤を承継できること、Sとは性別も年齢も異なることなどから、Sの対立候補として相当程度勝算が見込める人物として考えるようになり、そのことを近しい支援者らと共有するようになった。Aは、同年8月以降、Bとの面会を重ね、Cと共に当時のBの居住地であった京都を訪れて会食をしたり、Vら非乙系の区議を引き合わせて同人らからも要請させたりするなどして本件区長選への立候補を勧め、Bは、当初は必ずしも本件区長選への立候補に積極的でなかったものの、最終的に同年12月上旬までには本件区長選への立候補を決意し、そのことをAに伝えた。 ウ被告人は、令和4年9月8日、Cから、Aの指示として、「今後、区長区議選については被告人が担当してください。今までの事で引継ぎが必要な事は後日共有しましょう。」などといったメッセージを受信し、これに対して、「区長区議選の件は畏まりました。」などと返信し、その頃から、A事務所において本件区長選及び本件区議選に関連する業務を担当することとなった。 被告人は、令和4年9月13日、Tの秘書を務めていた実父であるAB から、同人がAの依頼を受けて本件区長選の得票数等のシミュレーションを行った結果をメールで受信すると、ABに対し、「Gはやる。Lは正直分からん。H先生をこっちに引き込むのがポイント?」などと返信し、乙所属の区議であるG、Hらの名前を挙げて、同人らが本件区長選においてAの擁立する候補者を支援するか否かに関し自らの考えを伝えた。また、被告人は、同年11月2日、ABから、再び本件区長選の得票数等のシミュレーションを行った結果をメールで受信すると、ABに対し、「1-3枚は剥がしたいところ。」などと返信し、これに対して、ABは、「その通りで 同年11月2日、ABから、再び本件区長選の得票数等のシミュレーションを行った結果をメールで受信すると、ABに対し、「1-3枚は剥がしたいところ。」などと返信し、これに対して、ABは、「その通りです。乙2枚、戊2枚剥がせばチェックメイト。」などと返信した。 エ一方、令和4年11月24日にはSが乙の推薦を受け5期目を目指して本件区長選に立候補することを正式に表明した。Aは、同年12月上旬頃から、本件区長選への立候補を決意したBの支援を始め、同月19日には、「区議団選対会議」と称して、B、ABらのほか、V、W、X、Y、Z、R、AC、G及びHが参加する会議を開催し、Aが立案した本件区長選におけるBの戦略や政策等について意見交換等をした。また、Aは、Cに指示し、同月23日、Bを代表者とする政治団体「丁」を設立させた上、その頃、自ら付き合いのある業者に依頼し、B及び「丁」の活動のためのポスター、チラシ、のぼり等の作成を依頼した。さらに、Aは、ABらに依頼し、Bを自身の支援者である地元の有力者などに紹介するとともに、Vに依頼するなどしてBが本件区長選への立候補を表明する記者会見の会場を手配し、同記者会見のプレスリリース案を自ら作成したりBの発言案を添削したりするなどの準備をした。 オ Bは、令和5年1月12日、東京都庁記者クラブにおいて、記者会見を開催して本件区長選に無所属で立候補する旨を表明し、同記者会見には、V、Y、Z及びRが参加した。 なお、A自身は同記者会見に参加せず、その後もBの開催する演説会等 には参加しなかったが、同記者会見にはAが従前から連携して活動してきたVらの区議が参加していたことなどから、Aが自ら表立っては活動しないものの水面下で本件区長選においてBを支援していることは、乙所属の区議ら関係者の間で広く認識され はAが従前から連携して活動してきたVらの区議が参加していたことなどから、Aが自ら表立っては活動しないものの水面下で本件区長選においてBを支援していることは、乙所属の区議ら関係者の間で広く認識されるところとなっており、令和4年12月中旬には、Sの支援者である乙関係者から被告人に対し、Aが本件区長選にBを擁立しようとしているのか問合せがなされたこともあった。 カ江東総支部は、乙党員であるBが本件区長選において乙の推薦する候補者の対立候補として立候補表明したことを反党行為とすること及びBの処分を求める上申書を都連及び乙本部に提出することを決定するとともに、令和5年2月13日に開催された江東総支部主催の本件区長選及び本件区議選に向けた決起集会において、従前は地元選出の乙所属の衆議院議員を招待していたにもかかわらず、本件区長選におけるBに対する支援などを理由にAを招待しなかった。 3 以上の経緯によれば、Aは、乙入党後、乙所属の衆議院議員として東京十五区支部長への就任を目指し、都連及び江東総支部の支持を得ようとしていたが、江東総支部等で影響力を有していたS及びUとの関係の改善が困難であったことから、東京十五区支部長に就任するには、Sの江東区長再選を阻んで同人及びUの影響力を削ぐほかなく、その手段として本件区長選にBを擁立したものと認められる。そして、Aが乙所属の衆議院議員でありながら、Vら非乙系の区議らと共に、Sの対立候補としてBを擁立し支援していたことは、乙所属の区議らに広く認識される状況となっていた。このような事情に照らせば、本件区長選は、Aにとって、Bの擁立及び支援という反党行為をあえて冒してでも、Bを当選させ、Sの再選を阻み、同人及びUの影響力を削ぐことができなければ、A自身の東京十五区支部長への就任が極めて困難となることに照 Aにとって、Bの擁立及び支援という反党行為をあえて冒してでも、Bを当選させ、Sの再選を阻み、同人及びUの影響力を削ぐことができなければ、A自身の東京十五区支部長への就任が極めて困難となることに照らして、必ずBを勝たせなければならない選挙であったといえる。 そして、Aが乙所属の区議らに現金を渡すよう指示しているのは、江東総支部主催の決起集会に招待されず、江東総支部ひいてはS及びUとの関係悪化が一層明らかになった時点であること、乙所属の衆議院議員が乙所属の区議らに区議選のための資金援助(陣中見舞い)を行うというのであれば、乙所属の区議候補全員に等しく行うはずであるところ、乙所属の区議候補のうち、AD及びAEについては、Sとの関係が特に深い、新人であり従前Aとの関係が全くないなどといった理由で、現金供与の対象から除いていること、また、乙所属の衆議院議員からの区議選のための資金援助(陣中見舞い)というのであれば、区議候補らにおいてこれを受け取らないというのは礼を失することになるところ、乙所属の区議候補のうち、AF、AG、AH及びAIにおいては秘書との面会さえ拒絶し、L、M及びNは、供与の申込みを受けて受領を拒絶し、一旦供与を受けた者のうち、I及びKは、後に返金していること、指示した金額も、従前付き合いのある区議らに陣中見舞いなどとして渡していた一般的な金額を大きく上回る20万円という金額であったことなどに照らすと、Aが区議らに交付することを指示した現金は、本件区議選のための資金援助(陣中見舞い)としてなされたものではなく、本件区長選においてSを支持することが予想される乙所属の区議候補の陣営を切り崩すことを期待し、見返りとして本件区長選においてBの支援を依頼する趣旨が含まれていたものと認められる。 そして、既に指摘したAと乙 においてSを支持することが予想される乙所属の区議候補の陣営を切り崩すことを期待し、見返りとして本件区長選においてBの支援を依頼する趣旨が含まれていたものと認められる。 そして、既に指摘したAと乙との関係、B立候補の経緯、AらによるB支援の状況等の客観的情勢については、A事務所の秘書らも認識していたことは明らかであり、殊に被告人は、A事務所において本件区長選に関連する業務を担当し、ABとの間で本件区長選の得票数等に関して意見交換するなどしている。被告人を含む秘書ら5名は、Aにとって本件区長選は必ずBを勝たせなければならない選挙であるという理解の下、明示されることがなくとも、Aが供与を指示した現金は、その見返りとして本件区長 選においてBの支援を依頼する趣旨が含まれていたと認識していたものと認められる。 4 被告人の供述について被告人は、公判廷において、「Aから買収の指示はなく、区議らへの交付を指示された現金は本件区議選についての純然たる陣中見舞いであって、本件区長選におけるBの投票取りまとめ等を依頼する趣旨は一切なかった。」旨供述するが、被告人においても供与に至る客観的情勢は十分に認識していたことに照らして極めて不合理な内容であり、到底信用することができない。また、被告人は、捜査段階において当初被疑事実を否認していたが、途中からこれを認めて略式命令を受け、その後正式裁判を請求し公判審理において前記のとおり供述している。そして、捜査段階において、保釈の可否、裁判での勝敗の見込みなどこれらに関連して本件についてどのような供述をするのが自分にとって有利かを考えて供述内容を選択したという。被告人が選択肢として検討の対象とした供述内容は、被疑事実を認めるというもの、被疑事実を否認するというもの、とりあえず被疑事実を認めて公判 るのが自分にとって有利かを考えて供述内容を選択したという。被告人が選択肢として検討の対象とした供述内容は、被疑事実を認めるというもの、被疑事実を否認するというもの、とりあえず被疑事実を認めて公判でひっくり返すというもの、部分的に被疑事実を認め一部争うというものであり、互いに他と両立せず排斥する関係にあること、供述の任意性を疑わせるような事情は認められないことなどからすれば、被告人は、真実を供述しようとする姿勢を欠いているというほかない。このような被告人の供述態度に照らせば、被告人の供述はそれ自体およそ信用することができないものであるといわざるを得ない。 5 弁護人の主張について⑴ 弁護人は、Aは本件区長選においてBを支援していることが対外的に知られないよう度が過ぎるほど配慮していたため、乙所属の区議らに対してBの支援を依頼する趣旨で現金を供与しようとすることはないと主張する。しかし、前記のとおり、Aが水面下でBを支援していることは乙所 属の区議ら関係者の間で広く認識されるところとなっていたと認められ、弁護人の主張は前提を欠くといわざるを得ない。 ⑵ 弁護人は、現金を受領した区議らが陣中見舞いの名目で領収証を作成し、H及びGが現金を受領した事実を隠蔽することなく収支報告書に記載していることから、各現金には本件区長選におけるB支援を依頼する趣旨はなかったと主張する。しかし、各現金がAと江東総支部との関係改善を目的とした本件区議選に関する純然たる陣中見舞いであれば、Aが交付を指示する対象としてAD及びAEを除いたことは不自然であるし、収支報告書への記載は、現金供与の趣旨にかかわらず政治資金規正法等の関係法令で求められることであり、現金を受領したH及びGがその事実を収支報告書に記載することは当然である。弁護人の主張は採用す し、収支報告書への記載は、現金供与の趣旨にかかわらず政治資金規正法等の関係法令で求められることであり、現金を受領したH及びGがその事実を収支報告書に記載することは当然である。弁護人の主張は採用することができない。 ⑶ 弁護人は、乙所属の区議ら数名が現金供与の申込みを拒絶するなどしたのは、現金供与がBの支援を依頼する趣旨であったと認識したからではなく、Sらとの関係から立場上受領を避けたものであるなどと主張する。 しかし、AはBの擁立及び支援という反党行為をあえて冒していると認識されているのであるから、そのようなAからの現金供与の申込みに応じれば、B支援に与することになると認識するのは当然であり、Aからの現金供与の申込みにはB支援を依頼する趣旨が含まれていると認識して乙所属の区議ら数名はこれを拒絶したものと認められる。弁護人の主張は採用することができない。 ⑷ 弁護人は、現金供与の申込みを拒絶した区議らが、同現金につきBの支援を依頼する趣旨のものであることを認識していたとすれば、そのことを警察や江東総支部に告発等するのが自然であるにもかかわらず、告発等をしていないことを指摘して、同現金につきBの支援を依頼する趣旨はなかった旨主張する。しかし、本件区議選が終了するまでの間、区議らは 自らの選挙戦に注力しているのであるから告発等をしなかったとしても特段不自然とはいえない。また、本件区議選が終了した後は、本件区長選でBが当選したことにより、Aが東京十五区支部長に就任し強い影響力を持つことになると見込まれることから、区議らにおいてあえて告発等をしなかったとしても不自然とはいえない。弁護人の主張は採用することができない。 ⑸ その他、弁護人は、各現金の供与又は供与の申込みにBの支援を依頼する趣旨がなかった旨縷々主張するが、いずれ 発等をしなかったとしても不自然とはいえない。弁護人の主張は採用することができない。 ⑸ その他、弁護人は、各現金の供与又は供与の申込みにBの支援を依頼する趣旨がなかった旨縷々主張するが、いずれも前記認定を左右するものではない。 6 よって、Aの指示により行われた各区議への現金供与又は供与の申込みには、本件区長選におけるBへの支援を依頼する趣旨が認められ、被告人を含む秘書らにおいても、その趣旨を認識しAと共謀した上、判示第1の現金の供与又は供与の申込みをしたものと認められる。 第3 争点②について 1 前記第2で認定した事実のほか、関係各証拠によれば、以下の事実が認められる。 ⑴「丁」の活動等ア「丁」は、令和4年12月23日に設立されたBを代表者とする政治団体であり、Aが名称を定め、事務所所在地もAが自身の支援者が経営する会社の事務所に定めている。 被告人は、令和4年9月8日以降、CからA事務所における本件区長選の関連業務を引き継ぎ、令和5年1月13日には、「1月21日(土)より区内遊説開始の予定」、「事前期間中は丁の広報紙として政策ビラを作成、配布。」などと記載された「選挙事前運動期間運動について」と題する書面を作成するとともに、「日程表」「事前運動日程表」と題する活動スケジュールなどを作成し、Bらに交付した。 イ「丁」は、本件区長選の告示前から、街頭演説に加え、商店街等をのぼりを持って練り歩く「桃太郎」と呼ばれる街宣活動(以下「桃太郎」という。)及び事前にBが録音した音声を走行中の自動車に搭載したスピーカーから流す街宣活動(以下「空回し」という。)を行い、その都度、「丁News」と題するビラを配布していた。 ウ告示前に配布されていた前記ビラには、「まずは江東区初の女性区長を」、「丁代表 B」な ら流す街宣活動(以下「空回し」という。)を行い、その都度、「丁News」と題するビラを配布していた。 ウ告示前に配布されていた前記ビラには、「まずは江東区初の女性区長を」、「丁代表 B」などといった記載と共に、Bの顔写真などが掲載され、告示後に配布されていたビラには、「投票日は4.23日曜日」、「江東区長候補 B」などといった記載と共に、Bの顔写真などが掲載されていた。 エ空回しに使用した読み上げ原稿は、BがAらの意見を反映させて作成し、被告人にも渡されていたものであるが、「こちらは丁です。」から始まり、「代表を務める、私、Bは、この春の江東区長選挙への立候補表明の記者会見をいたしました。」、「ふるさと江東区に恩返しをするために江東区長選挙への立候補の決意を固めました。Bのキャッチフレーズは、『もっとよくなる江東区』です。」、「私の父、AAは、真面目でクリーンな政治家として、皆様に親しまれてきました。私、Bも、開かれたクリーンな江東区政を作ります。」などと続くものである。 オ被告人は、P及びOに対し、判示第2及び第3の各日時及び場所において、現金を供与した。 ⑵ Pへの依頼状況及びPの行動等ア Pは、令和5年2月初め頃、被告人から、「選挙カーのドライバーをしてほしい。何か気が付いたことがあったら、自発的にやってほしい。」などと言われ、時給1500円くらいという約束でこれを引き受け、本件区長選の告示前は同月8日から同年4月11日までの間、告示後は同月17日から22日までの間、「丁」の活動に従事した。 イ Pは、告示前は、街宣車の運転をしたほか、街頭演説の設営をした上で、「お願いします。」などと言いながら「丁」のビラを配布し、また、被告人が指定した地区で空回しを行った。空回しをするに当たっては、時速 は、告示前は、街宣車の運転をしたほか、街頭演説の設営をした上で、「お願いします。」などと言いながら「丁」のビラを配布し、また、被告人が指定した地区で空回しを行った。空回しをするに当たっては、時速二、三十キロメートル以下で走行し、タワーマンション付近では住人に音声が聞こえやすいよう音量を上げ、病院や学校付近では音量を下げるなど、臨機応変に対応した。告示後は、本選車と呼ばれる車に街頭演説用の道具と共にBやウグイス嬢を乗せて街頭演説場所を回ったほか、ビラ配りも行った。 ⑶ Oへの依頼状況及びOの行動等ア Oは、令和5年1月下旬頃、被告人から街宣車のドライバーを依頼され、その際、「告示前は1日1万円、告示後は1日1万2500円」と報酬を示されてこれを引き受け、本件区長選の告示前は同月29日から同年4月15日までの間、告示後は同月16日から同月22日までの間、「丁」の活動に従事した。 イ Oは、告示前は、街宣車の運転をしたほか、街頭演説場所において演説機材の設営をした上で、「丁のBです。よろしくお願いいたします。」などと言いながら「丁」のビラを配布し、また、被告人が指定した地区で空回しを行った。空回しをするに当たっては、人の多いタワーマンション付近を回り、また、被告人から指示されたルートが終わっても自らの判断で異なるルートや同じルートを複数回回るなどした。告示後は、街宣車の運転をしたほか、通行人への声掛けや、新しいスタッフがビラ配りをするに際して助言したり手助けしたりした。 ウ Oは、最初に街宣車に積まれたビラを見た際、被告人に対して、ビラも配るのか尋ねたところ、被告人は、配ってくれとも配らなくてもいいとも言わず、どちらでもいいという感じで答えていた。 2 以上の事実によれば、「丁」は、本件区長選におけるBの当選を目的 も配るのか尋ねたところ、被告人は、配ってくれとも配らなくてもいいとも言わず、どちらでもいいという感じで答えていた。 2 以上の事実によれば、「丁」は、本件区長選におけるBの当選を目的 とする政治団体であり、その活動は、本件区長選の告示の前後を問わず、単に政治活動としてではなく、選挙運動として行われていたものと認められる。すなわち、ビラには、告示前のものにおいても、Bの氏名と顔写真が大きく掲載された上で、「まずは江東区初の女性区長を」との記載があり、実質的に本件区長選におけるBへの投票を呼び掛ける内容となっている。 告示後のものも、候補者としてのBの氏名と共に投票日を記載するなどBへの投票を呼び掛ける内容と認められる。また、告示前に行われていた空回しも、政治家であった実父のAAを引き合いに、「Bも、開かれたクリーンな江東区政を作ります。」などと、本件区長選でのBへの投票を呼びかける内容となっている。これらによれば、「丁」の活動としてP及びOが行っていた前記の行動は、告示の前後を問わず、いずれも本件区長選においてBを当選させることを目的とする選挙運動であったと認められる。 そして、被告人は、P及びOに街宣車のドライバーを依頼するに際し、Pに対しては、「何か気が付いたことがあったら、自発的にやってほしい。」旨申し向け、Oに対しては、告示前にビラも配るのか尋ねられた際に、どちらでもいいという態度を示してビラの配布を明示的に禁止していない。 そうすると、被告人は、選挙運動に該当する活動を行うことも依頼してその対価として現金の支払を約束し、形式的には街宣車の運転という機械的労務に対する支払という名目の下、選挙運動の報酬として各現金を供与したものと認められる。 3 弁護人は、P及びOの活動の大部分が街宣車の運転であったことなどを指 形式的には街宣車の運転という機械的労務に対する支払という名目の下、選挙運動の報酬として各現金を供与したものと認められる。 3 弁護人は、P及びOの活動の大部分が街宣車の運転であったことなどを指摘して、同人らに供与された現金はあくまで運転という機械的労務に対して支払うことが許される労務費であり、ビラ配布等の付随業務も含めた選挙運動の報酬であると認定することはできない旨主張する。しかし、前記2の検討のとおり、「丁」の活動としてP及びOが行っていた行動を全体として評価すれば、告示の前後を問わず、いずれもBを当選させること を目的とする選挙運動であったと認められる。弁護人の主張には理由がない。 また、弁護人は、Oに関し、告示後の活動に対しては3.5日分という運転業務に従事した時間のみ対価が支払われていることも、同人への現金の支払が機械的労務に対する労務費であり、選挙運動の報酬ではないことの表れである旨主張する。しかし、P及びOに対しては、告示の前後を問わず、その運転時間の多寡にかかわらず終日活動したと扱って1日分の対価を支払っていると認められるのであるから、Oが運転手として半日のみ活動したことが偶々明確な日につき半日分の対価が支払われているからといって、同人らに供与された現金が街宣車の運転のみに限定して支払われた対価であるとはいえない。弁護人の主張には理由がない。 その他弁護人が主張する点を検討しても、前記認定は左右されない。 4 よって、被告人は、P及びOに対し、判示第2のとおり、Bを当選させるための選挙運動をすることの報酬として現金を供与したものと認められ、また、判示第3の別表3番号1及び2のとおり、Bを当選させるための選挙運動をしたことの報酬とする目的をもって現金を供与したものと認められる。なお、P及びOについては、 現金を供与したものと認められ、また、判示第3の別表3番号1及び2のとおり、Bを当選させるための選挙運動をしたことの報酬とする目的をもって現金を供与したものと認められる。なお、P及びOについては、判示第3に係る現金についても、各選挙運動を行う前にそれぞれ被告人との間で支払の約束があったと認められるが、検察官がその訴追裁量に基づいて、これらの現金の供与につき、公職選挙法221条1項1号の事前買収罪として起訴するのではなく、選挙運動の前の支払約束を主張せずに選挙運動の後にその報酬とする目的をもって行われたものと構成し、同項3号の事後買収罪として起訴することも許されるというべきである。 第4 争点③について 1 前記第2及び第3の1⑴で認定した事実のほか、関係各証拠によれば、以下の事実が認められる。 ⑴ Qは、令和4年12月頃、Vから、Bの選挙活動を手伝うよう頼まれた後、令和5年1月中旬頃までの間に、Vに紹介された被告人から、街宣車の運転等の仕事を依頼されてこれを引き受け、同月22日から同年3月26日までの間に合計10日間、街宣車の運転のほか、Bらと共に、ビラ配り、スポット演説の準備、桃太郎などの活動を行った。 Qが行ったこれらの活動については、被告人がその日程等を把握、管理した上で、Qとの間で経費精算や日程調整などに関するやり取りをしていた。 ⑵ 被告人が本件区長選の経費に関して作成した「【経費精算表】ドライバー経費管理」と題するエクセルデータには、Qに係る欄に、1月分として1万円、2月分として6万円、3月分として3万円、合計として10万円との記載がある。 ⑶ Qは、本件区議選の告示後は、これに立候補したVのために街宣車の運転等の活動を行ったが、その活動に対する報酬は、同年4月中にVから受領している。 2 Qは 計として10万円との記載がある。 ⑶ Qは、本件区議選の告示後は、これに立候補したVのために街宣車の運転等の活動を行ったが、その活動に対する報酬は、同年4月中にVから受領している。 2 Qは、公判廷において、「令和5年5月17日、江東区内の飲食店『己』で、被告人及びVと会い、被告人又はVから、Bの選挙を手伝った報酬として、封筒に入れられた現金10万円を受け取ったが、受け取った場面の具体的な記憶はなく、被告人とVのどちらから受け取ったかは覚えていない。」旨供述しており、被告人又はVのいずれかから現金10万円の交付を受けたことが認められる。 そして、前記1⑴のとおり、被告人は、実際にQによる活動の日程等を把握、管理し、その活動の具体的な内容を知り得る立場にあった一方で、Vはそのような立場になかったこと、被告人からQに10万円が支払われたことをうかがわせるエクセルデータの記載があること、Vが、捜査段階において、「令和5年5月17日、前記飲食店において、被告人及びQと会 った際、同人に対して現金10万円を交付したのは被告人であったと思う。 自分自身は、区議選を手伝ってもらった報酬を既にQに支払っており、Bのための活動の報酬をQに支払う理由も必要もなかった。」旨供述していることなどによれば、Qの活動の報酬として同人に現金10万円を交付したのは被告人であったと認められる。 Qの活動の内容は前記1⑴のとおりであり、これらが本件区長選におけるBの当選を目的とする選挙運動であったことは明らかであるから、この活動の報酬として交付された現金10万円は、選挙運動をしたことの報酬に当たる。 3 被告人は、公判廷において、「Qに現金10万円を渡したことはない。 Qに渡そうと封筒に入れて保管していた現金は、江東区議会議長室に捜査が入った 10万円は、選挙運動をしたことの報酬に当たる。 3 被告人は、公判廷において、「Qに現金10万円を渡したことはない。 Qに渡そうと封筒に入れて保管していた現金は、江東区議会議長室に捜査が入ったこともあり、自分の懐に入れた。Qの活動に対する報酬はVが渡したかもしれない。」などと供述する。しかし、Qの具体的な活動の内容について知る機会のなかったVが、Qに対し報酬を支払うとは考えられず、被告人の供述は信用することができない。 4 弁護人は、Qの活動が選挙運動に当たらない政治活動である旨主張するが、前記のとおり、Qの活動が選挙運動に当たることは明らかであり、弁護人の主張は採用することができない。 その他弁護人が主張する点を検討しても、前記認定は左右されない。 5 よって、被告人は、判示第3の別表3番号3のとおり、Qに対し、Bを当選させるための選挙運動をしたことの報酬とする目的をもって、現金を供与したと認められる。 第5 争点④について 1 関係各証拠によれば、Rは、本件区長選の告示前、駅頭活動、スポット演説、桃太郎などの活動を行い、駅頭活動等においては、戊の江東区議会議員Rを名乗った上、通行人の記憶に残すため、「丁」の名称のほかB の氏名を60秒に1回程度口にし、「丁」の政策を訴えたこと、Rを知る通行人に対しては、「丁」のビラを配布したこと、告示後は、スポット演説等の街宣活動を行うに当たって、「区長選は、ぜひ、Bに投票してください。」などと呼び掛けたほか、他のウグイス嬢が読み上げる原稿の作成や指導等を行ったこと、その原稿には、「Bは江東区長選に立候補しました。」、「江東区に女性の区長を誕生させようではありませんか。させましょう。」などと記載されていたことが認められる。 前記第3の1⑴のとおり、「丁」は、本件区長選における は江東区長選に立候補しました。」、「江東区に女性の区長を誕生させようではありませんか。させましょう。」などと記載されていたことが認められる。 前記第3の1⑴のとおり、「丁」は、本件区長選におけるBの当選を目的とする政治団体であり、その活動は、本件区長選の告示の前後を問わず、単に政治活動としてではなく選挙運動として行われていたところ、以上のとおり、Rは、告示前において、「丁」の活動として駅頭活動等に参加したものと認められ、告示後の活動も、Bへの投票を明確に呼び掛けるなどするものであり、Rのこれらの活動が、本件区長選においてBを当選させることを目的とする選挙運動であったことは明らかである。以上のRの活動の内容に照らせば、Rが報酬の支給が許される公職選挙法197条の2第2項所定の者に当たらないこともまた明らかである。 2 そして、被告人は、令和5年5月24日、本件区長選の打ち上げの席で、Rに対し、「先生の分です。」などと言って、封筒入りの現金10万円を交付し、翌25日、Rは、被告人に対し、「御礼を開けてびっくり!!」、「私が応援するのは当たり前。」、「ホントにびっくり」、「凄いプレゼントに感謝です。」などとメッセージを送信し、被告人は、「これでも足りない位なのですがほんの気持ちです。」などと返信していることが認められる。以上のやり取りに照らせば、被告人がRに供与した現金10万円は、Rが本件区長選においてBを当選させることを目的として行った選挙運動の報酬とする目的をもって供与されたものと認められる。 3 弁護人は、Rの活動は選挙運動には当たらず、また告示後の活動は 選挙運動に従事する労務者が行ったものとして報酬を支払うことが許されるとして、現金10万円の供与が事後買収に当たらない旨主張する。しかし、前記のとおり、Rの活動は ず、また告示後の活動は 選挙運動に従事する労務者が行ったものとして報酬を支払うことが許されるとして、現金10万円の供与が事後買収に当たらない旨主張する。しかし、前記のとおり、Rの活動は告示の前後を問わず選挙運動に当たり、Rが公職選挙法197条の2第2項所定の者に当たらないことは明らかであるから、弁護人の主張は理由がない。 その他弁護人が主張する点を検討しても、前記認定は左右されない。 4 よって、被告人は、判示第3の別表3番号4のとおり、Rに対し、Bを当選させるための選挙運動をしたことの報酬とする目的をもって、現金を供与したと認められる。 (量刑の理由)本件における供与等の対象者は合計12名と多数であり、供与及び供与の申込みに係る金額の合計も217万円を超える多額であって、民主主義の根幹である選挙の公正が歪められた程度は大きい。また、被告人は、衆議院議員の事務所における本件区長選に関連する業務の担当秘書として、判示第1の犯行の一部において実際に現金の供与又は供与の申込みをするという必要不可欠な役割を果たした上、自らの判断で判示第2及び第3の各犯行に及んでいる。判示第1の犯行が衆議院議員の指示を受けての犯行であることを踏まえても、被告人の刑事責任を軽くみることはできない。 その上で、被告人に前科がないことなども考慮し、主文掲記の主刑に処することとするが、本件が運動買収の事案であることなどその罪質等に照らすと、公職選挙法252条1項所定の選挙権及び被選挙権を有しない期間を同条4項により短縮するのが相当であるとはいえない(求刑罰金50万円)。 よって、主文のとおり判決する。 令和6年5月31日東京地方裁判所刑事第18部 裁判長裁判官野村賢裁判官冨田環志 求刑罰金50万円)。 よって、主文のとおり判決する。 令和6年5月31日東京地方裁判所刑事第18部 裁判長裁判官野村賢裁判官冨田環志裁判官瀨天晴 別表1 番号時期(令和5年・頃)場所(東京都江東区)氏名態様金額(円) 2月21日(住所省略)付近路上G供与200,000 2月21日(住所省略)H事務所H供与200,000 2月21日(住所省略)I方I供与200,000 2月21日(住所省略)J事務所J供与200,000 2月23日(住所省略)K事務所K供与200,000 2月下旬(住所省略)付近路上L供与の申込み200,000 2月20日(住所省略)M事務所M供与の申込み200,000 2月21日(住所省略)江東区役所議会棟3階議長室N供与の申込み200,000供与: 合計1,000,000 円供与の申込み:合計 600,000 円 別表2 番号時期(令和5年・頃)場所(東京都江東区)氏名金額(円) 1月29日(住所省略)甲株式会社駐車場又はその周辺O10,0001月31日10,0002月3日(住所省略)庚付近路上又はその周辺10,0002月4日(住所省略)甲株式会社駐車場又はその周辺10,0002月9日10,0002月16日10,0002月25日 上又はその周辺10,0002月4日(住所省略)甲株式会社駐車場又はその周辺10,0002月9日10,0002月16日10,0002月25日10,0003月3日10,0003月4日10,0003月10日10,0003月17日20,0003月18日10,0003月24日10,0003月25日10,0003月31日10,0004月1日10,0004月7日10,0004月14日20,000 2月8日(住所省略)甲株式会社駐車場又はその周辺P6,0002月14日6,0002月21日6,0002月26日6,0002月28日6,0003月7日6,0003月8日6,0003月14日6,0003月15日6,0003月21日6,0003月22日6,0003月28日6,0004月4日6,0004月11日6,0004月17日6,0004月18日6,0004月20日6,0004月22日6,000合計308,000 円 別表3 番号時期(令和5年・頃)場所(東京都江東区)氏名金額(円) 4月25日(住所省略)B選挙事務所又はその周辺P10,000 5月1日(住所省略)O53,750 5月17日(住所省略)己Q100,000 5月24 (住所省略)B選挙事務所又はその周辺 P10,000 5月1日(住所省略)O53,750 5月17日(住所省略)己Q100,000 5月24日(住所省略)辛R100,000 合計263,750円
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