平成14(行ケ)512

裁判年月日・裁判所
平成15年6月26日 東京高等裁判所
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判決文本文3,576 文字)

平成14年(行ケ)第512号特許取消決定取消請求事件口頭弁論終結日平成15年6月19日判決原告富士ゼロックス株式会社訴訟代理人弁理士早川明被告特許庁長官太田信一郎指定代理人市野要助同松縄正登同涌井幸一同高木進同高橋泰史 主文 1 特許庁が異議2002-70175号事件について平成14年8月20日にした決定を取り消す。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 1 原告の請求(1) 主文1項と同旨。 (2) 訴訟費用は被告の負担とする。 2 当事者間に争いのない事実(1) 特許庁における手続の経緯原告は,発明の名称を「シート処理装置」とする特許第3191492号の特許(平成5年6月14日出願,平成13年5月25日設定登録,以下「本件特許」といい,その発明を「本件発明」という。)の特許権者である。 本件特許に対し,請求項1につき,特許異議の申立てがあり,その申立ては,異議2002-70175号事件として審理された。原告は,この審理の過程で,平成14年6月24日,本件特許の出願に係る願書の訂正の請求をした。特許庁は,上記事件につき審理し,その結果,平成14年8月20日,この訂正(以下「本件第1訂正」という。)を認めた上で,「特許第3191492号の請求項1に係る の出願に係る願書の訂正の請求をした。特許庁は,上記事件につき審理し,その結果,平成14年8月20日,この訂正(以下「本件第1訂正」という。)を認めた上で,「特許第3191492号の請求項1に係る特許を取り消す。」との決定をし,同年9月7日に,その謄本を原告に送達した。 (2) 決定の理由決定の理由は,要するに,本件発明は,特許法29条2項の規定に該当し,特許を受けることができないものであり,本件特許は,この規定に違反して登録されたものである,とするものである。 (3) 原告は,本訴係属中の平成15年4月9日,本件特許の出願の願書に添付された明細書の訂正をすることについて審判を請求した。特許庁は,これを訂正2003-39070号事件として審理し,その結果,平成15年5月22日に上記訂正(以下「本件第2訂正」という。)をすることを認める旨の審決(以下「本件訂正審決」という。)をし,これが確定した。 3 本件第1訂正前の本件特許の特許請求の範囲(甲第2号証・特許公報に記載のもの)「【請求項1】下記の構成要件(A01)~(A08)を備えたことを特徴とするシート処理装置,(A01)一側面に配置されたシート搬入口,(A02)前記一側面の反対側の他側面に配置された中綴じシート排出口,(A03)前記シート搬入口から搬入された複数のシートを揃えて収容する中綴じ用コンパイルトレイ,(A04)前記一側面と他側面との距離を短縮するために急傾斜させて配置した前記中綴じ用コンパイルトレイ,(A05)前記中綴じ用コンパイルトレイ内の複数のシートを中綴じする位置と中綴じされたシートセットを折り曲げる位置との間で移動させるシート位置調節部材,(A06)前記中綴じ用コンパイルトレイに収容されたシートを中綴じするサドルステープラ,(A07 トを中綴じする位置と中綴じされたシートセットを折り曲げる位置との間で移動させるシート位置調節部材,(A06)前記中綴じ用コンパイルトレイに収容されたシートを中綴じするサドルステープラ,(A07)中綴じされたシートの中綴じ部分を前記急傾斜した中綴じ用コンパイルトレイの前記他側面側に配置された一対の折りローラ間に垂直に押付けるナイフエッジを有するシート折曲装置。 (A08)折曲げられた中綴じシートを前記シート排出口に搬送するシート排出路を有する中綴じシート排出装置。」 4 本件第1訂正後の本件特許の特許請求の範囲(下線部が訂正された箇所である。)「【請求項1】下記の構成要件(A01)~(A09)を備えたことを特徴とするシート処理装置,(A01)一側面に配置されたシート搬入口,(A02)前記一側面の反対側の他側面に配置された中綴じシート排出口,(A03)前記シート搬入口から搬入された複数のシートを揃えて収容する中綴じ用コンパイルトレイ,(A04)前記一側面と他側面との距離を短縮するために急傾斜させて配置した前記中綴じ用コンパイルトレイ,(A05)前記中綴じ用コンパイルトレイ内の複数のシートを中綴じする位置と中綴じされたシートセットを折り曲げる位置との間で移動させるシート位置調節部材,(A06)前記中綴じ用コンパイルトレイに収容されたシートを中綴じするサドルステープラ,(A07)中綴じされたシートの中綴じ部分を前記急傾斜した中綴じ用コンパイルトレイの前記他側面側に配置された一対の折りローラ間に垂直に押付けるナイフエッジを有するシート折曲装置,(A08)折曲げられた中綴じシートを前記シート排出口に搬送するシート排出路を有する中綴じシート排出装置,(A09)前記シート搬入口から搬入された複数のシートを端綴じし,前記サドルステープ 装置,(A08)折曲げられた中綴じシートを前記シート排出口に搬送するシート排出路を有する中綴じシート排出装置,(A09)前記シート搬入口から搬入された複数のシートを端綴じし,前記サドルステープラの上方に配置された端綴じ用ステープラ。」 5 本件第2訂正後の本件特許の特許請求の範囲(下線部が本件第1訂正後のものと比較した場合の訂正箇所である。)「【請求項1】下記の構成要件(A01)~(A11)を備えたことを特徴とするシート処理装置,(A01)一側面に配置されたシート搬入口,(A02)前記一側面の反対側の他側面に配置された中綴じシート排出口,(A03)前記シート搬入口から搬入された複数のシートを揃えて収容する中綴じ用コンパイルトレイ,(A04)前記一側面と他側面との距離を短縮するために急傾斜させて配置した前記中綴じ用コンパイルトレイ,(A05)前記中綴じ用コンパイルトレイ内の複数のシートを中綴じする位置と中綴じされたシートセットを折り曲げる位置との間で移動させるシート位置調節部材,(A06)前記中綴じ用コンパイルトレイに収容されたシートを中綴じするサドルステープラ,(A07)中綴じされたシートの中綴じ部分を前記急傾斜した中綴じ用コンパイルトレイの前記他側面側に配置された一対の折りローラ間に垂直に押付けるナイフエッジを有するシート折曲装置,(A08)折曲げられた中綴じシートを前記シート排出口に搬送するシート排出路を有する中綴じシート排出装置,(A09)前記シート搬入口から搬入された複数のシートを端綴じし,前記サドルステープラの上方に配置された端綴じ用ステープラ,(A10)前記一側面の反対側の他側面に配置された端綴じシート排出口,(A11)前記端綴じ用ステープラは,位置決め部を有する端綴じ用コンパイルトレイの位置決め部の近傍 配置された端綴じ用ステープラ,(A10)前記一側面の反対側の他側面に配置された端綴じシート排出口,(A11)前記端綴じ用ステープラは,位置決め部を有する端綴じ用コンパイルトレイの位置決め部の近傍に配置され,前記端綴じ用コンパイルトレイの位置決め部に記録シートの一端が位置決めされた状態で,且つ前記端綴じシート排出口から排出される記録シートの1部分が端綴じシート排出トレイに載置された状態で記録シートのコンパイラトレイ側の端綴じを行うようにしてなる。」 6 当裁判所の判断上記当事者間に争いのない事実によれば,本件第2訂正前の本件特許の請求の範囲(本件第1訂正後の特許請求の範囲)請求項1の記載に基づき,その発明を認定し,これを前提に,特許法29条2項の規定に違反して登録された特許であることを理由に,請求項1につき本件特許を取り消した決定の取消しを求める訴訟の係属中に,当該特許に係る特許請求の範囲の減縮を含む訂正の審判が請求され,特許庁は,これを認める審決(本件訂正審決)をし,これが確定したということができる。 決定は,これにより,結果として,請求項1について判断の対象となるべき発明の要旨の認定を誤ったことになり,この誤りが決定の結論に影響を及ぼすことは明らかである。したがって,決定は,取消しを免れない。 7 以上によれば,本訴請求は理由がある。そこで,これを認容し,訴訟費用の負担については,原告に負担させるのを相当と認め,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法62条を適用して,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第6民事部 裁判長裁判官山下和明 裁判官 裁判長 裁判官 山下和明 裁判官 設樂隆一 裁判官 高瀬順久

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