- 1 - 主文 原決定及び本件保釈請求却下決定を取り消す。 被告人の保釈を許可する。 保証金額は金150万円とする。 出監後は,別紙の指定条件を誠実に守らなければならない。これに違反したときは,保釈を取り消され,保証金が没取されることがある。 理由 本件抗告の趣意は,違憲をいうが,実質は単なる法令違反の主張であって,刑訴法433条の抗告理由に当たらない。 しかし,所論にかんがみ,以下,職権をもって検討する。 本件公訴事実は,「被告人は,Aと共謀の上,みだりに,平成17年1月10日,東京都中野区ab丁目c番d号先路上において,大麻を含有する樹脂状固形物約1.153グラムを所持した。」というにあるが,一件記録によれば,上記大麻を所持していて現行犯逮捕されたAは,被告人との共謀による所持である旨を供述し,被告人自身も,勾留質問,検察官の弁解録取の際には犯行の概略を認めて調書に署名指印したこと,被告人は,これまでに前科前歴がなく,家族と同居し,芸術大学を目指して受験勉強中であり,現在,大学入学試験の期日が目前に迫っていること等の事情が存在する。 以上のような本件事案の性質,その証拠関係,被告人の身上経歴,生活状況などに照らすと,保釈請求を却下した原々審の裁判及びこれを是認した原決定には,裁量の範囲を逸脱し,刑訴法90条の解釈適用を誤った違法があり,これを取り消さなければ著しく正義に反するものと認められる。 よって,刑訴法411条1号を準用して原決定及び本件保釈請求却下決定を取り- 2 - 消し,同法434条,426条2項により更に裁 取り消さなければ著しく正義に反するものと認められる。 よって,刑訴法411条1号を準用して原決定及び本件保釈請求却下決定を取り- 2 - 消し,同法434条,426条2項により更に裁判して保釈を許可することとし,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 平成17年3月9日最高裁判所第二小法廷 裁判長裁判官滝井繁男 裁判官福田博 裁判官津野修 裁判官今井功 裁判官中川了滋 (別紙)指定条件 1 被告人は,東京都三鷹市ef丁目g番h号i号に居住しなければならない。 住居を変更する必要ができたときは,書面で裁判所に申し出て許可を受けなければならない。 2 召喚を受けたときは,必ず定められた日時に出頭しなければならない(出頭できない正当な理由があれば,前もって,その理由を明らかにして,届け出なければならない。)。 3 逃げ隠れしたり,証拠隠滅と疑われるような行為をしてはならない。 - 3 - 4 海外旅行又は5日以上の旅行をする場合には,前もって,裁判所に申し出て,許可を受けなければならない。 5 被告人は,その弁護人を介する場合を除き,その方法のいかんを問わず,Aと一切の接触をもってはならない。 切の接触をもってはならない。
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