【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄する。 本件を福岡高等裁判所に差戻す。 理 由 弁護人前野順一提出の上告趣意について。 原判決は所論刺身庖丁(証第一号)の存在
主文 原判決を破棄する。 本件を福岡高等裁判所に差戻す。 理由 弁護人前野順一提出の上告趣意について。 原判決は所論刺身庖丁(証第一号)の存在を他の証拠と綜合して断罪の証拠に供していることは、原判文上明らかである。しかるに原審第一回公判調書において刺身庖丁云々との問答の記載はあるが(記録二五八丁裏)、刺身庖丁そのものを被告人に示した記載はなく、又同公判調書によれば刺身庖丁に関し司法警察官作成の押収調書に対し証拠調が為されてはいるが(記録二六一丁裏)、右は刺身庖丁それ自体に対する証拠調べでないことは論をまたないところであつて、その他は原審公判調書の何処にも刺身庖丁それ自体に関し旧刑訴第三四一条所定の証拠調を履践した形跡がない。しからば適法な証拠調をしない所論刺身庖丁(証第一号)を他の証拠と綜合して断罪の資料に供した原判決は採証の法則に違反した違法の判決であつて、論旨は理由がある。そして右の違法は本件事実の確定に影響を及ぼすこと明らかであるから、原判決はこの点において破棄を免がれない。 仍つて刑訴施行法第二条並びに旧刑訴法第四四七条第四四八条の二に則り主文のとおり判決する。 この判決は裁判官全員一致の意見である。 検察官茂見義勝関与昭和二四年一一月二六日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官霜山精一裁判官栗山茂- 1 -裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎- 2 - 重裁判官藤田八郎
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