昭和46(オ)247 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
昭和47年5月30日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄差戻 仙台高等裁判所 昭和43(ネ)122
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄し、本件を仙台高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人鈴木直二郎、同鈴木欽也の上告理由について。  一、原審は、上告人の本件傷害は被上告

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判決文本文1,619 文字)

主文 原判決を破棄し、本件を仙台高等裁判所に差し戻す。 理由 上告代理人鈴木直二郎、同鈴木欽也の上告理由について。 一、原審は、上告人の本件傷害は被上告人の運転していた本件軽二輪車(総排気量二五〇立方センチメートル、以下単に軽二輪車という。)が上告人に衝突したことによつて生じた旨の上告人の主張に対し、上告人の転倒位置と軽二輪車の停車位置とは離れすぎており、上告人に軽二輪車が衝突した傷跡はなく、同人の受傷はひとりで転倒しても起る等の事情から、軽二輪車が上告人に衝突したものとは認め難いとして、右主張を排斥したうえ、上告人の本訴請求を棄却している。 なるほど、原審の取り調べた証拠によれば、被上告人の運転していた軽二輪車が上告人に衝突したものとは認め難いとする原審の右認定判断は、これを肯認しえないものではない。 二、ところで、不法行為において、車両の運行と歩行者の受傷との間に相当因果関係があるとされる場合は、車両が被害者に直接接触したり、または車両が衝突した物体等がさらに被害者に接触したりするときが普通であるが、これに限られるものではなく、このような接触がないときであつても、車両の運行が被害者の予測を裏切るような常軌を逸したものであつて、歩行者がこれによつて危難を避けるべき方法を見失い転倒して受傷するなど、衝突にも比すべき事態によつて傷害が生じた場合には、その運行と歩行者の受傷との間に相当因果関係を認めるのが相当である。 本件についてこれをみるに、原審の認定した事実によれば、上告人は、訴外D、同E外二名と連れ立つて、暗夜の市道(幅員約三メートル、非舗装)を歩行中、前方からは被上告人が運転する軽二輪車が、後方からは訴外Fが運転する原動機付自転車が、それぞれ、接近して来るのを認めたため、右原動機付自転 連れ立つて、暗夜の市道(幅員約三メートル、非舗装)を歩行中、前方からは被上告人が運転する軽二輪車が、後方からは訴外Fが運転する原動機付自転車が、それぞれ、接近して来るのを認めたため、右原動機付自転車の方を振り返- 1 -りながら、右D、E両名に続いて、前方右側の道路端にある仮橋のたもとに避難したところ、前方から右軽二輪車が運転を誤り、上告人がまさに避けようとしている仮橋上に向つて突進して来て仮橋に乗り上げたうえ後退して停車し、その際運転者である被上告人の肩が右Eに触れて同人を転倒させ、他方上告人は右仮橋の西北端付近で転倒し、原判示の傷害を受けたというのである。右事実関係のもとにおいては、上告人は、同人の予測に反し、右軽二輪車が突進して来たため、驚きのあまり危難を避けるべき方法を見失い、もし、現場の足場が悪かつたとすれば、これも加わつて、その場に転倒したとみる余地もないわけではない。そうだとすれば、上告人の右受傷は、被上告人の軽二輪車の運行によつて生じたものというべきである。 三、上告人の原審における前掲主張の趣旨は、このような態様による被上告人の不法行為責任の追及をも含むものと解されるから、軽二輪車が上告人に直接衝突した事実が認められないとの理由のみから、本件について被上告人になんらの責任もないとした原審の判断は、民法七〇九条の解釈適用を誤り、ひいて審理不尽の違法を犯したものというべきである。論旨はこの点において理由があり、原判決は破棄を免れない。そして、本件については、さらに被上告人の責任について審理を尽くす必要があるから、これを原審に差し戻すのが相当である。 よつて、民訴法四〇七条を適用して、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官関根小 し戻すのが相当である。 よつて、民訴法四〇七条を適用して、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官関根小郷裁判官田中二郎裁判官下村三郎裁判官天野武一裁判官坂本吉勝- 2 -

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