平成18(行コ)244 退去強制令書発付処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成17年(行ウ)第368号)

裁判年月日・裁判所
平成19年3月28日 東京高等裁判所 警察関係
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判決文本文3,227 文字)

- 1 -主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は,控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 被控訴人の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。 第2事案の概要(略語等は,原則として,原判決に従う)。 本件は「留学」の在留資格を有する中華人民共和国国籍の被控訴人が,東,()()京入国管理局東京入管入国審査官から出入国管理及び難民認定法入管法24条4号イ(同法19条1項の規定に違反して報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められる者)の要件(専業活動要件)に該当するとの認定を受け,同法49条1項による異議の申出に理由がない旨の法務大臣の裁決を経て,東京入管主任審査官から退去強制令書の発付を受けたため,上記の認定処分,裁決及び退去強制令書発付処分の取消しを求めている事案である。 ,,原審は被控訴人は入管法24条4号イの専業活動要件に該当しないとして被控訴人の請求をいずれも認容したので,控訴人が控訴した。 前提事実,争点及び当事者の主張は,原判決の「事実及び理由」第2の1及(。),び2同2の引用に係る原判決別紙を含むに摘示されたとおりであるからこれを引用する。 第3当裁判所の判断 当裁判所も,被控訴人の請求はいずれも理由があるものと判断する。その理由は,次のとおり原判決を訂正するほか,原判決の「事実及び理由」第3の1及び2に説示されたとおりであるから,これを引用する。 (原判決の訂正)- 2 -(1)原判決6頁8行目の「等を総合考慮して」を「その他の諸事情を総合考慮し,本来の在留資格に基づく学業の遂行の状況と資格外活動の状況等を比較検討した上で」に改め,同頁11行目の冒頭から同25行目の末尾まで,を次 行目の「等を総合考慮して」を「その他の諸事情を総合考慮し,本来の在留資格に基づく学業の遂行の状況と資格外活動の状況等を比較検討した上で」に改め,同頁11行目の冒頭から同25行目の末尾まで,を次のとおり改める。 「エなお,この点に関して,控訴人は「専ら行っている」とは,在留目,的となる活動が在留資格である活動から変更されたと評価できる程度に,「」まで在留資格外の活動を行っていることと解すべきであるとし留学(),「」の在留資格は原則的に就労と両立せず入管法19条1項2号留学の在留資格を取得するためには当該外国人にその経費の支弁能力のあることを要件としている(入管法7条,同法施行規則6条)のであって,我が国は,就労しながら勉学することを希望する外国人を受け入れる出入国管理政策を採用していないから「留学」の在留資格で在留する外,国人が行う資格外の報酬活動の程度が,留学経費の不足分を補う程度のアルバイトを超えて,本邦滞在中の必要経費を賄おうとするまでに至っている場合には,学業の遂行自体が阻害されていないとしても,在留目「」(),的たる活動が留学から資格外活動就労に変更されたと評価され専業活動要件に該当すると解すべきであり,このことは,資格外活動の規制に関する平成元年入管法改正時の国会審議からも明らかである等の主張をする。 入管法及び同法施行規則の規定は所論のとおりであるが,入管法は,刑事罰の対象となる資格外活動自体を退去強制事由とすることなく,専業活動要件を具備する資格外就労のみを特に重大な違法事由である退去強制事由とし,かつ,これを独自の刑事罰の対象としていること(入管法70条1項4号)は,既に説示したとおりであり,この点をも考慮すれば,特に重大な違法事由である退去強制事由及び犯罪の構成要件の内 強制事由とし,かつ,これを独自の刑事罰の対象としていること(入管法70条1項4号)は,既に説示したとおりであり,この点をも考慮すれば,特に重大な違法事由である退去強制事由及び犯罪の構成要件の内容をなす専業活動要件は,法の文理に即して解釈されるべきである。 - 3 -すなわち,入管法24条4号イは,同法19条1項1,2号を区別することなく,同法19条1項に違反する資格外活動を「専ら」行っていることの明白性を要件としているのであるから「留学」を在留資格と,する外国人についても,前記ウの諸事情を総合考慮し,本来の在留資格に基づく学業の遂行の状況と資格外活動の状況等を比較検討した上で,当該外国人の在留目的である活動の実質的な変更の有無を判断すべきであり,資格外活動による報酬額が本邦滞在中の必要経費の額に達することの一事をもって,学業の遂行の状況のいかんを問わず直ちに上記法定の要件を満たすものと解すべきものではない。平成元年の入管法改正時の国会審議における政府委員の答弁(乙52の1及び2)も,入管法19条2項に関連して,留学を在留資格とする者についての資格外就労許可においては,学業と就労の本末が転倒して就労が主になることは避けたいとし,又は資格外就労により一切の生計費を賄うような場合には就学・留学の基礎が問題となるとの一般論に言及するにとどまるものであり,まじめな学生についてはその実態を十分に踏まえた配慮をその在留活動について考えていく必要がある旨の答弁部分をも併せ考えると,専業活動要件につき法の文理から乖離した所論の解釈を導く根拠となり得るものとは認め難い。所論は,入管法19条1項2号(特に「就学,」「留学)に係る無許可の資格外活動については,法文にない基準に基」づき専業活動要件を緩和すべしというにほかならず,採用することはで ものとは認め難い。所論は,入管法19条1項2号(特に「就学,」「留学)に係る無許可の資格外活動については,法文にない基準に基」づき専業活動要件を緩和すべしというにほかならず,採用することはできない(仮に,所論の基準による実務の運用が政策的に真に必要であるのであれば,そのような解釈を採り得る法文へ改正するという立法的解決を図るべき事柄といえよう。 。)なお,控訴人は,被控訴人が従事したホステスの業務の違法性及び悪質性を主張し,入管法の目的に係る我が国の産業及び国民生活に与える影響に言及するが,資格外活動の違法性及び悪質性は,入管法24条4- 4 -号ヌのように当該活動自体が退去強制事由になる場合は格別,在留期間の更新の許否の裁量的判断において考慮されるべき事柄であり,在留資格をもって本邦に在留する外国人から即時にその法的地位を剥奪する退去強制処分の要件である専業活動要件について所論の解釈を導く根拠となるものではない」。 (2)同16頁5行目の末尾に改行して,次のとおり加える。 「なお,控訴人は,被控訴人は,仮放免後に開設したブログ(乙49)の中で,生活費の欠乏を嘆きながらアルバイトによる収入の確保に強い意欲を示し,中国茶葉の販売や中国語教室の宣伝を行うなど事業活動に強い意欲を示しており,本件を反省することなく新たな資格外活動をしようとしている旨主張するが,本件認定処分から約10か月を経た後の事情に係る主張である上,証拠上,当該ブログ上の中国茶葉の販売や中国語教室の宣伝が被控訴人自身の関与によるものと認めるには足りず,上記主張は,前示の判断を左右するに足りるものではない。 控訴人のその余の主張も,被控訴人の専業活動要件への該当性に関する前示の判断を左右するに足りるものではない」。 よって,原判決は相当であり,本件控訴 前示の判断を左右するに足りるものではない。 控訴人のその余の主張も,被控訴人の専業活動要件への該当性に関する前示の判断を左右するに足りるものではない」。 よって,原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第11民事部裁判長裁判官富越和厚裁判官中山顕裕- 5 -裁判官岩井伸晃

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