平成13(わ)994 強盗未遂,窃盗

裁判年月日・裁判所
平成13年12月10日 神戸地方裁判所
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判決文本文1,751 文字)

判決平成13年12月10日神戸地方裁判所平成13年(わ)第994号,第1194号強盗未遂,窃盗被告事件 主文 被告人を懲役4年に処する。 押収してあるはさみ1丁(平成13年押第201号の1)を没収する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,第1 平成13年9月17日午前11時43分ころ,神戸市A区Ba丁目b番c号所在のCビル2階の出入口付近において,甲が左腕の脇の下に挟んで所持していた同人所有又は管理の現金約2万円及び外国人登録証1通在中の財布1個(時価約3万円相当)をひったくり窃取した第2 婦女から金員を強取しょうと企て,同日午後2時20分ころ,同市D区Ed丁目e番f号所在の市営F住宅g号棟h号エレベーター内において,乙(当時25歳)に対し,所携の刃体の長さ約7.5センチメートルのはさみ(平成13年押第201号の1)を同女の左側腹部に突きつけ,「金を出せ。」などと語気鋭く申し向けて脅迫し,その反抗を抑圧して金員を強取しょうとしたが,同女が,「今,金持ってないわ。」などと嘘を言って金員を出さなかったため,その目的を遂げなかったものである。 (証拠の標目)(省略)(弁護人の主張に対する判断)弁護人は,判示第2の事実について,被告人が「金を出せ。」と言ったのに対し,被害者は,「今,金持ってないわ。うどんくらいしかない。」と言って,そばなどの入ったビニール袋を手渡そうとしており,被告人は,それを取ることができたにもかかわらず,「ええわ。」と言って取らなかったのであるから,強盗の中止未遂が成立する旨主張するが,関係各証拠によれば,被告人は,もともと物品強取の目的ではなく金員強取の目的で,被害者にはさみを突きつけて,「金を出 ええわ。」と言って取らなかったのであるから,強盗の中止未遂が成立する旨主張するが,関係各証拠によれば,被告人は,もともと物品強取の目的ではなく金員強取の目的で,被害者にはさみを突きつけて,「金を出せ。」と言って脅迫したのに対し,被害者が「今,金持ってないわ。」と嘘を言って金員を出さなかったため,被告人は金員を持っていなければそれを強取することはできないと思いあきらめたものであることが認められるから,判示第2の事実は強盗の障害未遂であって,中止未遂ではないことが明らかである。 (法令の適用)罰条判示第1の行為刑法235条判示第2の行為刑法243条,236条1項未遂減軽刑法43条本文,68条3号(判示第2の罪について)併合罪の処理刑法45条前段,47条本文,10条(重い判示第1の罪の刑に法定の加重‐ただし,短期は判示第2の罪の刑のそれによる)宣告刑懲役4年没収刑法19条1項2号,2項訴訟費用の不負担刑事訴訟法181条1項ただし書(量刑の事情)本件は,窃盗と強盗未遂の事案であるが,被告人は,所持金やサラリーマン金融から借りた金を短期間のうちに浪費をして,食事代や遊興費に困ることになった挙げ句,本件各犯行に及んだものであって,犯行の動機に酌むべき点はないこと,本件各犯行の態様は,女性を狙い,その隙をみて財布をひったくり,あるいはエレベーター内においてはさみを突きつけ金員を強取しようとしたという,悪質なものであること,被告人は,平成7年5月に強盗傷人罪により懲役7年に処せられて服役し,本件はその仮出獄中の犯行であることなどを考え併せると,被告人の刑事責任は重いといわざるを得ない。 しかしながら,本件強盗は未遂に終わっており,実害が生じていないこと,本 役7年に処せられて服役し,本件はその仮出獄中の犯行であることなどを考え併せると,被告人の刑事責任は重いといわざるを得ない。 しかしながら,本件強盗は未遂に終わっており,実害が生じていないこと,本件窃盗の被害の一部が回復していること,被告人が本件各犯行について現在では反省していること,仮出獄が取り消され,残刑執行の不利益を受けていること,被告人には,知的能力や社会適応力が十分に発達していないところが窺えることなどの,被告人のために酌むべき事情も認められる。 (検察官の科刑意見懲役6年)よって,主文のとおり判決する。 平成13年12月10日神戸地方裁判所第12刑事係甲裁判官森岡安廣

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