令和4(ワ)32387等 売買代金請求事件

裁判年月日・裁判所
令和6年2月22日 東京地方裁判所
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令和6 年2 月22 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和4 年(ワ)第32387 号売買代金請求事件令和5 年(ワ)第9395 号損害賠償請求反訴事件口頭弁論終結日令和5 年12 月18 日判決 本訴原告兼反訴被告株式会社オーラルファッション(以下「原告」という。)同訴訟代理人弁護士若本修一本訴被告兼反訴原告株式会社イースマイル(以下「被告」という。) 同訴訟代理人弁護士荒瀨尊宏同野崎智裕主文 1 被告は、原告に対し、1790 万2213 円及びこれに対する令和5 年1 月12日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 2 被告の反訴請求を棄却する。 3 訴訟費用は、本訴反訴を通じ、被告の負担とする。 4 この判決は、第1 項に限り、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 本訴主文1 項と同旨 2 反訴原告は、被告に対し、3000 万円及びこれに対する令和5 年4 月25 日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等 1 事案の概要(1) 本訴本訴は、原告が、ダニ用殺虫剤「さよならダニー」(以下「被告製品」という。)を販売する被告に対し、被告製品に用いられる殺虫剤シートの売買契約に基づき、既払金控除後の売買残代金1790 万2213 円及びこれに対する訴状送達の日の翌 日(令和5 年1 月12 日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 (2) 反訴反訴は、被告が、原告が「やられたダニ」との標章を付したダニ取り捕獲シート・ダニ駆除剤 12 日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 (2) 反訴反訴は、被告が、原告が「やられたダニ」との標章を付したダニ取り捕獲シート・ダニ駆除剤(以下「イ号製品」という。)を、別紙パッケージ等目録記載のイ 号製品のパッケージ及び説明書と共に製造・販売する行為について、別紙商標権目録記載の被告の商標権の侵害、別紙パッケージ等目録記載の被告製品のパッケージ及び説明書に係る被告の著作権(複製権、翻案権、パッケージにつき更に公衆送信権)の侵害、又は不正競争防止法2 条1 項1 号もしくは2 号所定の不正競争に該当することを主張して、商標権侵害もしくは著作権侵害の不法行為(民法 709 条、予備的に719 条)又は不正競争防止法4 条(選択的併合)に基づき、 3000 万円の損害賠償及びこれに対する反訴状送達の日の翌日(令和5 年4 月25日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 なお、被告は、反訴請求債権を自働債権、本訴請求債権を受働債権とする相殺 の抗弁を主張していることから、反訴は、本訴において相殺の自働債権とされた部分について既判力ある判断が示されることを解除条件とする予備的反訴と解される。 2 前提事実(当事者間に争いがない又は当裁判所に顕著であるか、掲記した証拠(枝番を含む。以下同じ。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実) (1) 当事者 原告は、衛生日用品、美容健康商材、防虫剤、殺虫剤、バイオ関連商品等の製造・販売等を行う株式会社である。 被告は、美容健康商材の卸、小売販売等を行う株式会社である。 (2) 本件売買契約の締結及び代金の支払原告と被告は、平成29 年12 月21 関連商品等の製造・販売等を行う株式会社である。 被告は、美容健康商材の卸、小売販売等を行う株式会社である。 (2) 本件売買契約の締結及び代金の支払原告と被告は、平成29 年12 月21 日、原告が、被告の発注に応じて被告製品 に用いられる殺虫剤シートを製造して売り渡し、これに対して被告が売買代金を支払うことを内容とする基本契約を締結した。これに基づく個別契約(以下、上記基本契約及び各個別契約を併せて「本件売買契約」という。)により、原告は、被告に対して上記殺虫剤シートを売り渡し、令和3 年3 月、同年9 月、同年10月及び同年11 月の各請求分の売買代金の合計額は1 億5949 万2962 円となっ た。これに対し、被告は、原告に対し、合計1 億4159 万0749 円の代金を支払った。この結果、未払い売買代金額は1790 万2213 円となった。 (3) 被告商標被告は、別紙商標権目録記載の各商標権を有する(乙1~4。以下、同目録の項番号順に、各商標権及びこれに係る各商標を「被告商標権1」、「被告商標1」な どという。)。 (4) 被告製品被告は、「さよならダニー」との標章(以下「被告製品標章」という。)を付して被告製品を販売しているところ、そのパッケージ(乙7。以下「被告パッケージ」という。)及び説明書(乙9。以下「被告説明書」という。)は、別紙パッケ ージ等目録の被告製品欄に各記載のとおりである。 (5) イ号製品イ号製品は、「やられたダニ」との標章(以下「イ号標章」という。)を付したダニ取り捕獲シート・ダニ駆除剤である(なお、イ号製品の製造・販売の主体については、後記のとおり当事者間に争いがある。)。同製品のパッケージ(乙8。 以下「イ号パッケージ」という。)及び説明書 ダニ取り捕獲シート・ダニ駆除剤である(なお、イ号製品の製造・販売の主体については、後記のとおり当事者間に争いがある。)。同製品のパッケージ(乙8。 以下「イ号パッケージ」という。)及び説明書(乙10。以下「イ号説明書」とい う。)は、別紙パッケージ等目録のイ号製品欄に各記載のとおりである。 (6) 相殺の意思表示被告は、原告に対し、令和5 年4 月25 日実施の本件弁論準備手続期日において、反訴請求債権を自働債権、本訴請求債権を受働債権とし、対当額をもって相殺する旨の意思表示をした。 3 争点(1) イ号製品の製造・販売の主体及び共同不法行為の成否(争点1)(2) 商標権侵害の有無(争点2)(3) 著作権侵害の有無(争点3)(4) 不正競争該当性(争点4) (5) 損害の発生及び額(争点5) 4 争点に関する当事者の主張(1) イ号製品の製造・販売の主体及び共同不法行為の成否(争点1)〔被告の主張〕ア原告は、イ号製品(イ号標章を付し、イ号パッケージ及びイ号説明書を含 むもの。以下同じ。)を製造・販売している。このような原告の行為は、後記のとおり、被告の商標権及び著作権を侵害する不法行為であると共に、不正競争でもある。 原告がイ号製品を製造・販売していることは、次の事実からうかがわれる。 まず、被告パッケージのデザインを担当したのは、当時被告の従業員であった A(以下「A」という。)であるところ、同人は、原告代表者からの勧誘により令和元年10 月に被告を退職し、その後原告の従業員となった。Aが原告の従業員となった後に、原告は、イ号製品の販売を開始した。 また、原告は、自社ウェブサイト(以下「原告サイト」という。)上で、イ号製品を自社の代表的な商品として紹 後原告の従業員となった。Aが原告の従業員となった後に、原告は、イ号製品の販売を開始した。 また、原告は、自社ウェブサイト(以下「原告サイト」という。)上で、イ号製品を自社の代表的な商品として紹介すると共に商品購入ページへのリンクを設 定している上、原告の事業内容について、「『開発・デザイン・広告』全てにおい て妥協せず」などとしており、パッケージ等のデザインも原告の主要な事業内容に含まれることを明示している。 さらに、楽天市場上のショップには、イ号製品の「製造所」として原告を表示するものがある(以下、同ショップを「訴外ショップ」という。)。 以上によれば、原告がイ号製品を製造し、ヨシキヨシ株式会社(以下「ヨシキ ヨシ」という。)その他の者に販売しているといえる。 イ仮に、イ号製品を製造・販売している主体がヨシキヨシであり、原告自身はイ号パッケージを製造していないとしても、原告は、ヨシキヨシがイ号製品を製造・販売していることを知りながら、その内容物(殺虫剤シート)を製造し、ヨシキヨシに販売している。このように、原告とヨシキヨシは、意思を連絡した 上で、協力してイ号製品を製造・販売しているから、主観的にも客観的にも商標権及び著作権侵害並びに不正競争につき関連共同しているといえる。 したがって、仮に原告自身はイ号パッケージを製造しておらず、ヨシキヨシがイ号パッケージを含むイ号製品を製造・販売しているとしても、原告は、共同不法行為責任を負う。 〔原告の主張〕ア否認ないし争う。 イ原告は、殺虫剤シートそのものを製造し、これをヨシキヨシに販売しているだけであり、イ号製品のネーミングやイ号パッケージ及びイ号説明書の製作には一切関与していない。これらを行い、イ号製品を販売しているのはヨシキヨ 剤シートそのものを製造し、これをヨシキヨシに販売しているだけであり、イ号製品のネーミングやイ号パッケージ及びイ号説明書の製作には一切関与していない。これらを行い、イ号製品を販売しているのはヨシキヨシ である。これは、被告製品に係る原告と被告との商流と同様である。 また、Aの被告退職及び原告への就職その他原告指摘に係る事情は、いずれも、原告によるイ号製品の製造・販売をうかがわせるものではない。 ウ仮にヨシキヨシに不法行為又は不正競争が成立するとしても、原告はヨシキヨシに殺虫剤シートを卸しているだけであり、原告とヨシキヨシとの間に権利 侵害を行うという意思の連絡はない。イ号パッケージ等を製造・販売していない 原告とヨシキヨシとの間には主観的にも客観的にも権利侵害に向けての協力関係がないから、原告に共同不法行為は成立しない。 (2) 商標権侵害の有無(争点2)〔被告の主張〕イ号標章を付したイ号製品を販売している原告の行為は、以下のとおり、被告 商標権1~4 を侵害するものである。 ア被告商標権1 について被告商標1 とイ号標章は、いずれも4 文字の平仮名とカタカナ「ダニ」の文言により構成される点、平仮名の後にカタカナ「ダニ」が続く点、標章を構成する各文字が同じ書体、同じ大きさ及び等間隔で表されている点が共通しており、外 観において類似する。また、両者は、いずれも全体が格別冗長とはいい難く淀みなく一連に称呼し得るところ、長音符を除けば6 音で発音される点、最後2 文字が「ダニ」である点、冒頭から1 文字目と4 文字目の母音が一致している点が共通しており、称呼においても類似する。さらに、被告商標1 の「さよなら」とイ号標章の「やられた」との構成部分は、いずれも「対象を退けること」を想起さ 1 文字目と4 文字目の母音が一致している点が共通しており、称呼においても類似する。さらに、被告商標1 の「さよなら」とイ号標章の「やられた」との構成部分は、いずれも「対象を退けること」を想起さ せる。このため、両者は、いずれも「ダニを撃退する」という観念を想起させ、観念においても類似する。したがって、被告商標1 とイ号標章とは類似する。 加えて、イ号製品は、被告商標権1 の指定商品である「ダニ取り捕獲シート、ダニ駆除剤」に含まれる。 以上より、原告の行為は被告商標権1 の侵害に当たる。 イ被告商標権2 について被告商標2 は、標準文字で表した点以外に被告商標1 との相違点はない。したがって、被告商標2 とイ号標章とは類似する。 加えて、被告商標権2 の指定商品は「アレルゲン低減化剤、その他の化学品」であるところ、イ号製品は、ダニ誘引剤を含むことから、「その他の化学品」に 含まれる。 以上より、原告の行為は被告商標権2 の侵害に当たる。 ウ被告商標権3 について被告商標3 とイ号標章は、いずれも、前半部分(「SAYONARA」、「やられた」)と後半部分(「DANY」、「ダニ」)に分かれる点、標章を構成する各文字は同じ書体、同じ大きさで表されている点が共通しており、外観において類似する。また、 両者は、いずれも、長音符を除けば6 音で発音される点、最後2 文字が「ダニ」である点、冒頭から1 文字目と4 文字目の母音が一致している点が共通しており、称呼においても類似する。さらに、被告商標3 の「SAYONARA」すなわち「さよなら」とイ号標章の「やられた」との構成部分はいずれも「対象を退けること」を想起させることから、両者は、いずれも「ダニを撃退する」という観念 を想 商標3 の「SAYONARA」すなわち「さよなら」とイ号標章の「やられた」との構成部分はいずれも「対象を退けること」を想起させることから、両者は、いずれも「ダニを撃退する」という観念 を想起させる。このため、両者は観念においても類似する。したがって、被告商標3 とイ号標章とは類似する。 加えて、イ号製品は被告商標権3 の指定商品に含まれる。 以上より、原告の行為は被告商標権3 の侵害に当たる。 エ被告商標権4 について 被告商標4 は、標準文字で表した点以外に被告商標3 との相違点はない。したがって、被告商標4 とイ号標章とは類似する。 加えて、イ号製品は被告商標権4 の指定商品に含まれる。 以上より、原告の行為は被告商標権4 の侵害に当たる。 〔原告の主張〕 いずれも争う。 ア被告商標権1 について被告商標1 とイ号標章とは文字数が異なり、しかも、被告商標1 は独特の太めの文字体で表記されている点で外観に特徴がある。また、両者の共通の音は「ダニ」だけであるが、指定商品がダニ取りシートであるから、共通する「ダニ」の 識別力は強くない上、被告商標1 には「ダニー」と長音が含まれるのに対し、イ 号標章には長音が含まれないから、称呼も異なる。さらに、被告商標1 の「さよなら」は「別れの言葉」であるのに対し、イ号標章の「やられた」は「負かされる」、「被害を受ける」という意味である上、被告商標1 の「ダニー」は外国人の愛称のような表現であるのに対し、イ号標章の「ダニ」は一般名詞の「ダニ」そのものであるから、観念上の共通点も見当たらない。 以上のとおり、外観、称呼、観念のいずれも類似しないから、被告商標1 とイ号標章とは非類似である。 イ被告商標権2 について 」そのものであるから、観念上の共通点も見当たらない。 以上のとおり、外観、称呼、観念のいずれも類似しないから、被告商標1 とイ号標章とは非類似である。 イ被告商標権2 について被告商標2 は、標準文字である点を除き、被告商標1 と同じである。また、文字体が標準文字であるからといってイ号標章との類似性が増すものではない。 したがって、被告商標2 とイ号標章とは非類似である。 ウ被告商標権3 について被告商標3 は、ローマ字表記であり、かつ、特殊な斜体文字である点でイ号標章とは外観が大きく異なり、被告商標1 及び2 よりも更に差異がある。 したがって、被告商標3 とイ号標章とは非類似である。 エ被告商標権4 について被告商標4 は、被告商標3 を標準文字にしただけであるから、イ号標章とは非類似である。 (3) 著作権侵害の有無(争点3)〔被告の主張〕 イ号製品の製造等は、以下のとおり、被告パッケージ及び被告説明書に係る被告の著作権を侵害するものである。 ア著作権の帰属被告パッケージ及び被告説明書は、いずれも、被告の従業員であったAによりデザインされ、被告名義で販売されている被告製品に用いられている。したがっ て、被告は、著作者として被告パッケージ及び説明書に係る著作権を有する(著 作権法15 条1 項)。 イ著作物性及び著作権侵害(ア) パッケージ被告パッケージの表面中央にはダニのキャラクターが配置されているところ、これは、本物のダニの生物的特徴を自然の形態の忠実な模倣を離れて強調、変形 して表現したものである。被告パッケージは、表面中央にこのようなキャラクターを配置し、その周囲に製品名及び製品写真を配置することで、実際の製品内 的特徴を自然の形態の忠実な模倣を離れて強調、変形 して表現したものである。被告パッケージは、表面中央にこのようなキャラクターを配置し、その周囲に製品名及び製品写真を配置することで、実際の製品内容よりもキャラクターを視覚的に強調させている。また、裏面には、製品の断面図を掲載すると共に、「不織布」などと内部構造を記載し、使用例等について各種フォントを使い分けて効果的に表現をしている。これらの表現には、作者の想像力 ないし感性が介在し、その思想、感情が反映されているから、被告パッケージ全体が著作物である。 この被告パッケージとイ号パッケージとは、表面中央にダニのキャラクターを、その周囲に製品名等を配置することで、実際の製品内容よりもキャラクターを視覚的に強調させている点、及び、裏面に製品の断面図と内部構造を記載し、使用 例等について各種フォントを使い分けて効果的に表現する点で共通していることから、類似するものといえる。また、原告と被告とが被告製品に関して継続的に取引を行っていたことを踏まえると、イ号パッケージは、被告パッケージに依拠して製作されたといえる。 したがって、原告がイ号パッケージを使用したイ号製品を製造・販売すると共 に、販売に際し、イ号パッケージにつき、インターネットを通じて不特定多数人が閲覧可能な状態に置く行為は、被告の被告パッケージに係る著作権(複製権、翻案権及び公衆送信権)の侵害に当たる。 (イ) 説明書被告説明書は、それに触れた者が実際の被告製品の使用事例等を具体的にイメ ージしやすいように、また、使用方法等についての大量の情報を視覚的に認識し やすいように、正方形を3 つ接続した構成となっている。さらに、各所にイラスト等を配置し、多様なフォントを使い分けることなど うに、また、使用方法等についての大量の情報を視覚的に認識し やすいように、正方形を3 つ接続した構成となっている。さらに、各所にイラスト等を配置し、多様なフォントを使い分けることなどもしている。被告説明書は、このように作者の想像力ないし感性が介在し、その思想、感情が反映されているものであることから、被告説明書全体が著作物である。 この被告説明書とイ号説明書とは、正方形を3 つ接続した構成とし、各所にイ ラスト等を配置し、多様なフォントを使い分ける点が共通していることから、類似するものといえる。また、原告と被告とが被告製品に関して継続的に取引を行っていたことを踏まえると、イ号説明書は、被告説明書に依拠して製作されたといえる。 したがって、原告がイ号説明書を封入したイ号製品を製造・販売する行為は、 被告の被告説明書に係る著作権(複製権及び翻案権)の侵害に当たる。 ウ原告の故意原告がイ号製品の販売前から被告パッケージ及び被告説明書を認識していたことなどに鑑みると、これらの著作権侵害について原告には故意があるといえる。 〔原告の主張〕 ア著作権の帰属については不知。原告の故意は否認する。被告パッケージ及び被告説明書の著作物性及び著作権侵害は争う。 イパッケージについて被告パッケージの表面中央のダニのキャラクターは特徴のないありふれたダニのイラストであって、表現上の創作性がなく、著作物ではない。仮に著作物で あるとしても、これとイ号パッケージの表面中央のダニのキャラクターとは、懐中電灯に照らされているダニが描かれているか否かなどという点で差異があり、類似しない。 また、ダニのキャラクターや製品名等をパッケージに配置すること、製品断面図や内部構造を記載すること、使用例等について記 らされているダニが描かれているか否かなどという点で差異があり、類似しない。 また、ダニのキャラクターや製品名等をパッケージに配置すること、製品断面図や内部構造を記載すること、使用例等について記載することは、いずれも販売 商品の説明であり、これに表現上の創作性はない。したがって、被告パッケージ 全体についての著作物性はない。 ウ説明書について正方形を3 つ接続した構成であること、イラストを配置すること、フォントを使い分けることには、いずれも表現上の創作性はない。したがって、被告説明書全体についての著作物性はない。 (4) 不正競争該当性(争点4)〔被告の主張〕原告がイ号製品を販売する行為は、以下のとおり、不正競争防止法2 条1 項1号及び2 号所定の不正競争に該当する。 すなわち、被告製品は、発売から4 年間でシリーズ累計販売枚数が1400 万枚 を超え、また、令和3 年1 月~同年12 月の間における日経POS セレクション「ダニ用殺虫剤」カテゴリーで3 年連続売上1 位を獲得している。さらに、同年 9 月11 日からの1 年間の楽天市場における虫除け・殺虫剤の人気ランキングで1位を獲得している。したがって、被告製品標章及び被告パッケージは、それぞれ、「他人の商品等表示…として需要者の間に広く認識されているもの」及び「他人 の著名な商品等表示」に該当する。 また、前記(2)及び(3)の各〔被告の主張〕のとおり、被告製品標章及び被告パッケージとイ号標章及びイ号パッケージとは類似する。加えて、原告によるイ号製品の製造・販売により、被告製品の購買層がイ号製品を被告製品の関連製品と誤認して購入する恐れが極めて高いことから、イ号製品におけるイ号標章及びイ号 パッケージの使用は 加えて、原告によるイ号製品の製造・販売により、被告製品の購買層がイ号製品を被告製品の関連製品と誤認して購入する恐れが極めて高いことから、イ号製品におけるイ号標章及びイ号 パッケージの使用は、被告製品との混同を生じさせるものといえる。 したがって、原告がイ号製品を販売する行為は、不正競争防止法2 条1 項1 号及び2 号所定の不正競争に該当する。 被告は、このような原告の行為により営業上の利益を侵害されている。 〔原告の主張〕 否認ないし争う。被告製品標章及び被告パッケージは、「他人の商品等表示…と して需要者の間に広く認識されているもの」及び「他人の著名な商品等表示」とはいえない。また、これらとイ号標章及びイ号パッケージとは類似しない。そもそも、原告はイ号製品を製造・販売していない。 (5) 損害の発生及び額(争点5)〔被告の主張〕 原告による商標権侵害もしくは著作権侵害の不法行為又は不正競争の結果、被告には少なくとも3000 万円の損害が生じた。 〔原告の主張〕否認ないし争う。被告に損害は発生していない。 第3 当裁判所の判断 1 本訴について前提事実(2)によれば、原告は、被告に対し、本件売買契約に基づき、未払い分 1790 万2213 円の売買代金請求権を有する。これに反する被告の主張は採用できない。 2 反訴について (1) イ号製品の製造・販売の主体及び共同不法行為の成否(争点1)ア前提事実のほか、掲記証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 (ア) ヨシキヨシは、衛生用品の卸売及び販売等を行う株式会社であるところ、以下の商標権を有する(甲9)。 登録番号商標登録第6670793 号出願日令和4 年10 られる。 (ア) ヨシキヨシは、衛生用品の卸売及び販売等を行う株式会社であるところ、以下の商標権を有する(甲9)。 登録番号商標登録第6670793 号出願日令和4 年10 月7 日登録日令和5 年2 月9 日商標やられたダニー(標準文字)商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務 第5 類ダニ取りシート、ダニ取り捕獲シート、ダニ駆除剤 (イ) ウェブサイト「ヨシキヨシ生活館」(甲10、11)上では、イ号製品が販売されている。同商品を紹介するページ及びイ号パッケージ(乙8)には、「販売元」又は「発売元」としてヨシキヨシが、「製造元」として原告がそれぞれ表示されている。 (ウ) イ号説明書(乙10)には、「商品に関するお問合せ」先としてヨシキヨシ の名称等が記載されているが、原告の名称等は記載されていない。 (エ) Amazon.co.jp におけるイ号製品の販売ページ(乙5)には、「販売元」として「ヨシキヨシ生活館ドラ…」との表示がある。また、同ページには、「こちらからもご購入いただけます」として他の販売ページへのリンクが設定されているところ、そこでは、「発売元」として「ヨシキヨシ生活館ドラックストア三宮店」 が表示されている。 (オ) なお、原告と被告との被告製品に係る取引においては、原告が被告製品の内容物である殺虫剤シートを被告に販売し、被告が被告製品標章を付した被告パッケージを製造して被告製品を販売したものと認められるところ(甲1、弁論の全趣旨)、原告とヨシキヨシとの取引形態がこれと異なることをうかがわせる具 体的な事情は見当たらない。 イイ号製品の製造・販売の主体について(ア) 前記各認定事実を総合的に考慮すると、イ号標章を付し、 とヨシキヨシとの取引形態がこれと異なることをうかがわせる具 体的な事情は見当たらない。 イイ号製品の製造・販売の主体について(ア) 前記各認定事実を総合的に考慮すると、イ号標章を付し、イ号パッケージ及びイ号説明書と共にイ号製品を製造・販売する主体はヨシキヨシであり、原告は、イ号製品の内容物を製造しているにとどまり、自らイ号パッケージを製造し た者とは認められない。また、原告自身がイ号製品を販売していることを認めるに足りる証拠もない。 (イ) 被告は、被告製品のデザインを担当したAの被告退職から原告への就職に至る経緯や、原告ウェブサイト及び訴外ショップのウェブサイト上の記載を指摘して、原告が自らイ号パッケージを含むイ号製品を製造・販売していると主張す る。 このうち、原告ウェブサイトの「Products 商品紹介」ページ(乙13)には、イ号製品が掲載されると共に商品購入ページへのリンクが設定されており、また、「Ourbusiness 事業内容」ページ(乙15)には、原告の業務内容として「開発・デザイン・広告」が挙げられていることが認められる。さらに、イ号製品を販売している訴外ショップが楽天市場上のページ(乙14)には、イ号製品の「製造所」 として原告が表示されていることも認められるしかし、まず、仮に、被告主張のとおり、被告パッケージのデザインを担当したAが被告を退職して原告の従業員となった後にイ号製品が販売されたといった経緯があったとしても、このような事情は、原告がイ号製品の製造・販売の主体であることを必ずしもうかがわせるものではない。 また、原告ウェブサイトの商品紹介ページに設定された商品購入ページへのリンク先は「ヨシキヨシ生活館」であることが認められるから(弁論の全趣 体であることを必ずしもうかがわせるものではない。 また、原告ウェブサイトの商品紹介ページに設定された商品購入ページへのリンク先は「ヨシキヨシ生活館」であることが認められるから(弁論の全趣旨)、これも原告がイ号製品を製造・販売していることを裏付けるものとはいえない。そもそも、原告は少なくともイ号製品の内容物を製造するという形でイ号製品の製造に関与している以上、イ号製品それ自体の製造・販売には関与していなくとも、 自社ウェブサイトの商品紹介ページにこれを掲載することは何ら不自然ではない。他方、業務内容ページの記載は、原告ウェブサイトにおける位置付けに鑑みると、原告の業務内容に関する一般的な紹介に過ぎず、イ号製品について原告がデザインを担当したことをうかがわせるものとはいえない。 さらに、訴外ショップと原告又はヨシキヨシとの関係は、取引関係の有無も含 め不明である。このため、訴外ショップの上記表示をもって、原告がイ号製品の製造・販売の主体であることをうかがわせるものとみることもできない。 したがって、この点に関する被告の主張は採用できない。 ウ共同不法行為の成否について被告は、仮に原告がイ号パッケージを自ら製造していないとしても、原告は、 ヨシキヨシがイ号製品を製造・販売していることを知りながら、その内容物を製 造し、ヨシキヨシに販売していることから、両者は主観的にも客観的にも関連共同して商標権及び著作権の侵害行為並びに不正競争を行ったものといえ、原告は共同不法行為責任を負うと主張する。 しかし、前記のとおり、原告はイ号製品の内容物を製造したものの、イ号パッケージを製造したとは認められない。また、原告がイ号標章の案出やイ号パッケ ージ及びイ号説明書のデザイン及び製造に関与したこと かし、前記のとおり、原告はイ号製品の内容物を製造したものの、イ号パッケージを製造したとは認められない。また、原告がイ号標章の案出やイ号パッケ ージ及びイ号説明書のデザイン及び製造に関与したことを認めるに足りる証拠もない。販売についても、前記のとおり、イ号製品の販売主体はヨシキヨシであって、原告ではない。 そうすると、仮にヨシキヨシによるイ号製品の製造・販売が被告の商標権及び著作権の侵害行為並びに不正競争を構成するとしても、原告は、これをヨシキヨ シと主観的又は客観的に関連共同して行ったとはいえないから、原告とヨシキヨシとの共同不法行為の成立を認めることはできない。この点に関する被告の主張は採用できない。 (2) 小括以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、被告は、原告に対し、 商標権又は著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償請求権も、不正競争防止法4条に基づく損害賠償請求権も有しない。 3 まとめしたがって、原告は、被告に対し、本件売買契約に基づく1790 万2213 円の残代金請求権及びこれに対する訴状送達の日の翌日(令和5 年1 月12 日)から支 払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金請求権を有する。 他方、被告は、原告に対し、商標権及び著作権侵害の不法行為並びに不正競争防止法4 条に基づく3000 万円の損害賠償請求権及びこれに対する反訴状送達の日の翌日(令和5 年4 月25 日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金請求権を有しない。そうである以上、被告の本訴請求における相殺の 抗弁及び反訴請求はいずれも認められない。 第4 結論よって、本訴請求は理由があるからこれを認容し、反訴請求は理由がないからこれを棄却することとし 訴請求における相殺の抗弁及び反訴請求はいずれも認められない。 第4 結論 よって、本訴請求は理由があるからこれを認容し、反訴請求は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第47部 裁判長裁判官 杉浦正樹 裁判官 小口五大 裁判官 久野雄平 (別紙)パッケージ等目録 被告製品イ号製品パッケージ表面 パッケージ裏面 説明書表面(全体) 説明書表面(右1/3ページ) 説明書表面(中央1/3ページ) 説明書表面(左1/3ページ) 説明書裏面(全体) 説明書裏面(右1/3ページ) 説明書裏面(中央1/3ページ) 説明書裏面(左1/3ページ) 以上 (別紙)商標権目録 1 登録番号商標登録第6310515号出願日令和1年9月17日 登録日令和2年10月30日商標 (別紙)商標権目録 1 登録番号商標登録第6310515 号出願日令和1 年9 月17 日 登録日令和2 年10 月30 日商標 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務第5 類ダニ取り捕獲シート、ダニ駆除剤 2 登録番号商標登録第6363911 号出願日令和2 年1 月20 日登録日令和3 年3 月16 日商標 さよならダニー(標準文字)商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務第1 類アレルゲン低減化剤、その他の化学品 3 登録番号商標登録第6310514 号 出願日令和1 年9 月17 日登録日令和2 年10 月30 日商標 商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務第5 類ダニ取り捕獲シート、ダニ駆除剤 4 登録番号商標登録第6389986 号 出願日令和2 年3 月26 日登録日令和3 年5 月17 日商標SAYONARADANNY(標準文字)商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務 第5 類ダニ取り捕獲シート、ダニ駆除剤以上

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