主文 1 被告は、原告に対し、34万5000円及びこれに対する令和5年1月3日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 2 原告のその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、これを3分し、その1を被告の負担とし、その余を原告の負担 とする。 4 この判決は、1項に限り、仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 請求の趣旨被告は、原告に対し、110万円及びこれに対する令和5年1月3日から支 払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 第2 理由 1 本件は、感染症専門医である原告が、被告に対し、インターネット上の短文投稿サービスであるツイッター(現在の名称は「X」。以下同じ。)における被告の投稿により原告の名誉権及び名誉感情が侵害されたと主張して、不法行 為に基づき、損害賠償金110万円(125万2109円の一部)及びこれに対する最後の不法行為の日である令和5年1月3日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 請求原因⑴ 被告の不法行為 ア被告は、別紙投稿記事目録記載1から15までのとおり、令和4年9月5日から令和5年1月3日までの間、ツイッターにおいて、原告が運用するツイッターアカウントに対する返信として、15回にわたり投稿(以下、「本件各投稿」と総称し、各投稿を同目録の番号に従い「本件投稿1」などという。)をした。 イ本件各投稿の内容は、原告について、①「人殺し」と記載するもの(本 件投稿1、2、4、8、9及び12から14まで)、②「ヤブ医者」と記載し、又は示唆するもの(本件投稿3、5から7まで、10及び11)及び③「犯罪者」と記載するもの(本件投稿15)である。 ウ本件各投稿のうち 、4、8、9及び12から14まで)、②「ヤブ医者」と記載し、又は示唆するもの(本件投稿3、5から7まで、10及び11)及び③「犯罪者」と記載するもの(本件投稿15)である。 ウ本件各投稿のうち、前記イ①ないし③の投稿は、社会通念上受忍限度を超える侮辱に当たり、原告の名誉感情を侵害する。加えて、前記イ②の投 稿は、原告の社会的評価を低下させ、原告の名誉権を侵害する。 ⑵ 損害ア慰謝料 100万円本件各投稿により原告が受けた精神的苦痛を慰謝するに足りる慰謝料の額は100万円を下らない。 イ調査費用 13万9109円原告は、弁護士に依頼して、令和4年12月、ツイッターの運営会社を相手方として、ツイッターにおける本件各投稿を含む原告の名誉感情等を侵害する投稿につき発信者情報開示命令の申立てをし、これが認容されたが、上記運営会社により発信者情報が開示されなかった ため、間接強制の申立てをし、これが認容されたところ、上記運営会社により電話番号及びメールアドレスが開示された。原告は、これらの情報を基に通信会社への弁護士会照会をしたところ、被告及び分離前被告ら16人の合計17人が特定された。 原告は、前記の手続に係る弁護士費用(調査費用)として、発信 者情報開示命令申立ての着手金及び報酬金として各114万8400円並びに弁護士会照会の実費として6万8064円(1件8508円、8件分)の合計236万4864円を支払った。 前記調査費用は、全額が前記17人の不法行為による損害であり、按分すると一人当たりの額は13万9109円となる。 ウ弁護士費用 11万3000円 エ損害合計 125万2109円第3 当裁判所の判断 1 被告は、本件口頭弁論期日に出頭せず、陳述したものとみな 額は13万9109円となる。 ウ弁護士費用 11万3000円 エ損害合計 125万2109円第3 当裁判所の判断 1 被告は、本件口頭弁論期日に出頭せず、陳述したものとみなされた答弁書には、請求原因を全て認める旨の記載がある。 2 不法行為の成否について 請求原因⑴の各事実によれば、被告が、本件投稿1、2、4、8、9及び12から15までをした行為は原告の名誉権を侵害し、本件投稿3、5から7まで、10及び11をした行為は原告の名誉感情を侵害し、いずれも不法行為に当たるといえる。 3 損害について ⑴ 慰謝料 30万円本件投稿1、2、4、8、9及び12から15までについては、原告に対して「人殺し」又は「犯罪者」という誹謗をするものであり、本件投稿3、5から7まで、10及び11は、不特定多数の者が閲覧するツイッターアカウントにおいて原告に対して「ヤブ医者」である旨の指摘をしてその社会的 評価を一定程度低下させるものであって、いずれもその内容は悪質である。 本件各投稿がされた期間の長さや回数の多さをみると、被告の原告に対する侮辱行為ないし名誉毀損行為は執拗であるといえる。 他方、本件各投稿は、原告に対し、根拠を示さずに「人殺し」、「犯罪者」、「ヤブ医者」などと誹謗するにとどまるものであって、これを見た一 般の閲覧者においては、その内容は真実性が低く、原告に悪感情を持つ等による誹謗にすぎないと受け止めるのが通常であり、それによる社会的評価の低下の程度は小さいものといえる。 これらの事情を総合すれば、本件各投稿により原告が受けた精神的苦痛に対する慰謝料は、30万円とするのが相当である。 ⑵ 調査費用 1万4000円 請求原因⑵イの各手続をとらなければ本件各投稿をした者を れば、本件各投稿により原告が受けた精神的苦痛に対する慰謝料は、30万円とするのが相当である。 ⑵ 調査費用 1万4000円 請求原因⑵イの各手続をとらなければ本件各投稿をした者を特定することができなかったことは認められるが、前記⑴の慰謝料請求の認容額並びに請求原因⑵イの各手続の内容及び費用の額等の諸事情を総合考慮すれば、上記の特定のために要した調査費用は、1万4000円の限度で被告の不法行為と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。 ⑶ 弁護士費用相当額 3万1000円本件事案の内容、前記認容額その他本件に現れた諸事情を考慮すれば、原告が本件訴訟のために要した弁護士費用は、3万1000円の限度で被告の不法行為と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。 ⑷ よって、原告の損害額は、34万5000円と認められる。 4 以上によれば、原告の請求は、被告に対し、34万5000円及び遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し、その余は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第18民事部 裁判長裁判官宮 﨑 朋紀 裁判官長丈博 裁判官比舍昌志 (別紙の掲載省略) 主文 1 被告Aは、原告に対し、18万円及びこれに対する令和4年8月29日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 2 被告Bは、原告に対し、18万円及びこれに対する令和4年11月2日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は、これを6分し、その1 は、原告に対し、18万円及びこれに対する令和4年11月2日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は、これを6分し、その1を被告らの負担とし、その余を原告の負担とする。 5 この判決は、1項及び2項に限り、仮に執行することができる。 事実 及び理由 第1 請求の趣旨 1 被告Aは、原告に対し、110万円及びこれに対する令和4年8月29日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 2 被告Bは、原告に対し、110万円及びこれに対する令和4年11月2日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は、感染症専門医である原告が、被告ら各自に対し、インターネット上の短文投稿サービスであるツイッター(現在の名称は「X」。以下同じ。)における被告らの投稿により原告の名誉感情が侵害されたと主張して、不法行為に基づき、損害賠償金110万円(125万2109円の一部請求)及びこれ に対する不法行為の日(被告Aについては令和4年8月29日、被告Bについては同年11月2日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 請求原因⑴ 被告らの不法行為 ア被告Aは、令和4年8月29日、ツイッターにおいて、「C(原告の姓) は犯罪者!ワクチンを推奨し承認した官僚、政治家、医者、看護婦も犯罪者だ!」との投稿をした。 イ被告Bは、令和4年11月2日、ツイッターにおいて、原告が運用するツイッターアカウントに対する返信として、「人殺し…」との投稿をした(以下、前記アの投稿と併せて「本件各投稿」という。)。 ウ本件各投稿は、原告に関する投稿であることが明らか 原告が運用するツイッターアカウントに対する返信として、「人殺し…」との投稿をした(以下、前記アの投稿と併せて「本件各投稿」という。)。 ウ本件各投稿は、原告に関する投稿であることが明らかであって、社会通念上受忍限度を超える侮辱に当たり、原告の名誉感情を侵害する。 ⑵ 損害ア慰謝料各100万円本件各投稿により原告が受けた精神的苦痛を慰謝するに足りる慰謝料 の額はそれぞれ100万円を下らない。 イ調査費用各13万9109円原告は、弁護士に依頼して、令和4年12月、ツイッターの運営会社を相手方として、ツイッターにおける本件各投稿を含む原告の名誉感情等を侵害する投稿につき発信者情報開示命令の申立てをし、これ が認容されたが、上記運営会社により発信者情報が開示されなかったため、間接強制の申立てをし、これが認容されたところ、上記運営会社により電話番号及びメールアドレスが開示された。原告は、これらの情報を基に通信会社への弁護士会照会をしたところ、上記投稿をした者として被告ら及び分離前被告ら15人の合計17人が特定された。 原告は、前記の手続に係る弁護士費用(調査費用)として、発信者情報開示命令申立ての着手金及び報酬金として各114万8400円並びに弁護士会照会の実費として6万8064円(1件8508円、8件分)の合計236万4864円を支払った。 前記調査費用は、全額が前記17人の不法行為による損害であり、 按分すると一人当たりの額は13万9109円となる。 ウ弁護士費用各11万3000円エ損害合計各125万2109円第3 当裁判所の判断 1 被告らは、本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面を提出しないから、請求原因⑴及び⑵イの各事実を明らかに争 万3000円エ損害合計各125万2109円第3 当裁判所の判断 1 被告らは、本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面を提出しないから、請求原因⑴及び⑵イの各事実を明らかに争わないものと認め、これ を自白したものとみなす。 2 不法行為の成否について請求原因⑴の各事実によれば、被告らが本件各投稿をした行為は、原告の名誉感情を侵害する不法行為に当たるといえる。 3 損害について ⑴ 慰謝料各15万円本件各投稿については、原告に対して「犯罪者!」又は「人殺し…」という誹謗をしたものであってその内容は悪質である一方、1回に限り特に根拠も示さずに一言だけ上記の誹謗をしたものであって執拗性がないといえる。 これらの事情等を考慮すれば、本件各投稿により原告が被った精神的苦痛に 対する慰謝料は、それぞれ15万円とするのが相当である。 ⑵ 調査費用各1万4000円請求原因⑵イの各手続をとらなければ本件各投稿をした者を特定することができなかったことは認められるが、前記⑴の慰謝料請求の認容額並びに請求原因⑵イの各手続の内容及び費用の額等の諸事情を総合考慮すれば、上 記の特定のために要した調査費用は、それぞれ1万4000円の限度で被告らの各不法行為と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。 ⑶ 弁護士費用相当額各1万6000円本件事案の内容、前記認容額その他本件に現れた諸事情を考慮すれば、原告が本件訴訟のために要した弁護士費用は、それぞれ1万6000円の限度 で被告らの各不法行為と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。 ⑷ よって、原告の損害額は、被告ら各自につき18万円と認められる。 4 以上によれば、原告の請求は、被告ら各自に対し、18万円及び遅延損害金の 当因果関係のある損害と認めるのが相当である。 よって、原告の損害額は、被告ら各自につき18万円と認められる。 以上によれば、原告の請求は、被告ら各自に対し、18万円及び遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し、その余は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第18民事部 裁判長裁判官 宮崎朋紀 裁判官 長丈博 裁判官 比舍昌志
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