平成24(行ウ)846等 更正処分等取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成28年12月22日 東京地方裁判所 租税
ファイル
hanrei-pdf-86965.txt

判決文本文110,292 文字)

平成28年12月22日判決言渡平成24年(行ウ)第846号更正処分等取消請求事件(第1事件)平成25年(行ウ)第53号更正処分等取消請求事件(第2事件)平成25年(行ウ)第258号訴えの追加的併合事件(第3事件) 主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求(第1事件) 1 京橋税務署長が第1事件原告株式会社天賞堂(以下「原告天賞堂」という。)に対してした別紙2処分目録記載1(1)の各法人税更正処分の部分を取り消す。 2 京橋税務署長が原告天賞堂に対してした別紙2処分目録記載1(2)の各過少申告加算税賦課決定処分又はその部分を取り消す。 (第2事件) 3 京橋税務署長が亡X1(以下「承継前原告」という。)に対してした別紙2処分目録記載2(1)の各所得税更正処分の部分を取り消す。 4 京橋税務署長が原告天賞堂に対してした別紙2処分目録記載2(2)の各過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。 5 芝税務署長が承継前原告に対してした別紙2処分目録記載2(3)の更正をすべき理由がない旨の通知処分の部分を取り消す。 (第3事件) 6 芝税務署長が承継前原告に対してした別紙2処分目録記載3の所得税更正処分の部分を取り消す。 第2 事案の概要本件は,アメリカ合衆国(以下「米国」という。)において不動産に係る事 業を営む米国ワシントン州の法律に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップ(以下「LPS」という。)の持分を取得した原告天賞堂が当該事業に供されている不動産の減価償却費を原告天賞堂の所得の金額の計算上損金(法人税法22条3項)の額に算入して法人税の申告をし,同原告の当時の代表者であって上記持分を取得した承継前 原告天賞堂が当該事業に供されている不動産の減価償却費を原告天賞堂の所得の金額の計算上損金(法人税法22条3項)の額に算入して法人税の申告をし,同原告の当時の代表者であって上記持分を取得した承継前原告が当該事業により生じた損益のうち承継前原告に割り当てられたものを承継前原告の不動産所得(所得税法26条1項)の金額の計算上収入金額(同法36条1項)又は必要経費(同法37条1項)に算入して所得税の申告又は更正の請求をしたところ,所轄税務署長から,上記LPSは所得税法2条1項7号及び法人税法2条4号(以下「所得税法2条1項7号等」という。)に定める外国法人に該当し,原告天賞堂については上記不動産を有するものではなくその減価償却費を原告天賞堂の所得の金額の計算上損金の額に算入することはできないとして法人税の更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を,承継前原告については当該事業により生じた所得は承継前原告の不動産所得に該当せず上記の損益を同所得の金額の計算上収入金額又は必要経費に算入することはできないとして所得税の更正処分及び更正をすべき理由がない旨の通知処分並びに過少申告加算税賦課決定処分をそれぞれ受けたことから,原告天賞堂並びに承継前原告(訴訟係属中に死亡)から第2,第3事件の訴訟を承継した相続人である原告X2及び原告X3がそれぞれ上記各処分(ただし,その後にされた更正処分若しくは変更決定処分による減額又は異議決定若しくは審査裁決による一部取消し後のもの)の取消しを求める事案である。 1 関係法令の定め別紙3のとおり 2 前提事実(争いのない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 当事者 ア原告天賞堂は,不動産の賃貸等を目的とする株式会社である。 イ承継前原告は,平成 いのない事実,顕著な事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 当事者 ア原告天賞堂は,不動産の賃貸等を目的とする株式会社である。 イ承継前原告は,平成26年10月1日まで原告天賞堂の代表取締役の職にあったものである(弁論の全趣旨)。 (2) 米国及び同国ワシントン州のパートナーシップの法制度ア米国において,LPSは,パートナーシップの一種であるところ,パートナーシップとは,米国各州の法律で認められている2名以上の者により組成される事業活動や投資活動を営むための組織形態であり,ジェネラル・パートナーシップ(以下「GPS」という。)とLPSの2種類がある。 米国において,GPSは,パートナーシップ債務に対して無限責任を負い当該事業活動を代理する権利を有する2名以上のジェネラル・パートナー(以下「GP」という。)のみによって構成されるパートナーシップであり,また,LPSは,パートナーシップ債務に対して無限責任を負い当該事業活動を代理する権利を有する1名以上のGPとパートナーシップ債務に対して限定的な責任を負う1名以上のリミテッド・パートナー(以下「LP」という。)によって構成されるパートナーシップである。 イ米国ワシントン州のパートナーシップに関する法律として,ワシントン州改正統一パートナーシップ法(「theWashingtonreviseduniformpartnershipact」(同法25.05.905所定の名称)。以下「州PS法」という。)がある(乙5)。また,同州のLPSに関する法律として,ワシントン州統一リミテッド・パートナーシップ法(「theWashingtonuniformlimitedpartnershipact」(同法25.10.630所定の名称 関する法律として,ワシントン州統一リミテッド・パートナーシップ法(「theWashingtonuniformlimitedpartnershipact」(同法25.10.630所定の名称。同法に定めのない事項については州PS法の規定が適用されると規定するもの。乙4)。 以下「州LPS法」という。)があったところ,その2009年(平成21年)改正後の法律である統一リミテッド・パートナーシップ法(「theuniformlimitedpartnershipact」(同法25.10.006所定の名称。州PS 法の適用関係に関する上記の規定を削除し,同法の適用対象であった事項の規律を明文で定める規定を設けたもの)。以下「改正州LPS法」という。)が2010年(平成22年)1月1日(同法25.10.903)から発効し,同年7月1日から全てのLPSに適用されている(同法25.10.911(2)。乙6,42)。 州PS法は,統一法委員会(UniformLawCommission)の策定した統一パートナーシップ法典(「UniformPartnershipAct」。以下「統一PS法典」という。1997年(平成9年)改訂後のもの)を採択して制定されたものであり,また,州LPS法は,同委員会の策定した統一リミテッド・パートナーシップ法典(「UniformLimitedPartnershipAct」。以下「統一LPS法典」という。同法典に定めのない事項については統一PS法典の規定が適用されると規定する2001年(平成13年)改訂前のもの)を採択して制定され,改正州LPS法は,2001年改訂後の統一LPS法典(「RevisedUniformLimitedPartnershipAct」。統一PS法典の適用関係に関する のもの)を採択して制定され,改正州LPS法は,2001年改訂後の統一LPS法典(「RevisedUniformLimitedPartnershipAct」。統一PS法典の適用関係に関する上記の規定を削除し,同法典の適用対象であった事項の規律を明文で定める規定を設けたもの。以下「改訂統一LPS法典」という。)を採択して制定されたものであり,いずれもこれらの統一法典に一定の修正を加えて制定されたものである(甲52,56,61,63,乙4ないし6,42,43,弁論の全趣旨)。 (3) 原告天賞堂及び承継前原告が行った取引の概要ア Z-LPS関係(ア) 原告天賞堂は,2005年(平成17年)3月31日付けで,州LPS法に基づくLPSである「ZindorfLimitedPartnership」(以下「Z-LPS」という。)のLPである「GREZindorfLLC」(以下「GRE-LLC」という。)との間で,Z-LPSに係るパートナーシップの持分(partnershipinterest)の37パーセントをGRE-LLCから 取得する旨の契約(乙9。以下「天賞堂Z持分取得契約」という。)を締結し,Z-LPSのLPの地位を取得した。また,原告天賞堂は,同日付けで,Z-LPSのGPである「GoodmanZindorfLLC」(以下「GZ-LLC」という。)及びZ-LPSのLPであるGRE-LLCとの間で,LPS契約の改定を内容とする「SecondAmendedandRestatedAgreementofLimitedPartnershipofZindorfLimitedPartnership」(第二次改定・修正Z-LPS契約。乙10。以下「第二次Z-LPS契約」という。)を締結した。 (イ) 承 dPartnershipofZindorfLimitedPartnership」(第二次改定・修正Z-LPS契約。乙10。以下「第二次Z-LPS契約」という。)を締結した。 (イ) 承継前原告は,2005年(平成17年)6月30日付けで,GRE-LLCとの間で,Z-LPSに係るパートナーシップの持分の12. 5パーセントをGRE-LLCから取得する旨の契約(乙11。以下「X1Z持分取得契約」という。)を締結し,Z-LPSのLPの地位を取得した。また,承継前原告は,同日付けで,Z-LPSのGP及びLPであるGZ-LLC並びにGRE-LLC及び原告天賞堂との間で,上記(ア)の修正後のLPS契約の更なる改定を内容とする「ThirdAmendedandRestatedAgreementofLimitedPartnershipofZindorfLimitedPartnership」(第三次改定・修正Z-LPS契約。乙12。以下,「第三次Z-LPS契約」といい,第二次Z-LPS契約と併せて「本件Z-LPS契約」という。)を締結した。第三次Z-LPS契約2条によれば,同契約は,第二次Z-LPS契約に全体として取って代わるものとされている。 (ウ) Z-LPSは,米国ワシントン州に所在する建物の所有,管理及び運営をする事業(以下「本件Z不動産事業」といい,同事業に供されている上記建物を「本件Z建物」という。)を行うことを目的としている(第三次Z-LPS契約(乙12)5条)。 イ G-LPS関係 (ア) 承継前原告は,2009年(平成21年)10月31日付けで,州LPS法に基づくLPSである「GardenVillaLimitedPartnership」(以下「G-LPS」といい,Z-LPSと併せて「 告は,2009年(平成21年)10月31日付けで,州LPS法に基づくLPSである「GardenVillaLimitedPartnership」(以下「G-LPS」といい,Z-LPSと併せて「本件各LPS」という。)のGPである「GoodmanRealEstate,Inc.」(以下「GRE社」という。)及びG-LPSのLPである「GFSGardenVillaLLC」(以下「GFS-LLC」という。)との間で,G-LPSに係るパートナーシップの持分の10.5パーセントをGFS-LLCから取得する旨の契約(乙14。以下「X1G持分取得契約」という。)を締結し,G-LPSのLPの地位を取得した。 G-LPSのGPであるGRE社並びにLPであるGFS-LLC及び露木興業株式会社は,同日付けで,LPS契約の改定を内容とする「ThirdAmendedandRestatedAgreementofLimitedPartnershipofGardenVillaInvestorsLimitedPartnership」(第三次改定・修正G-LPS契約。乙15。以下「第三次G-LPS契約」という。)を締結した。また,承継前原告は,同日付けで,G-LPSのGPであるGRE社及びLPであるGFS-LLCとの間で,承継前原告がG-LPSの新たなLPとなることを確認するため,その点に関する第三次G-LPS契約の改定を内容とする「SecondAmendmenttoThirdAmendedandRestatedAgreementofLimitedPartnershipofGardenVillaInvestorsLimitedPartnership」(第三次改定・修正G-LPS契約の第二次追加改定契約 ntofLimitedPartnershipofGardenVillaInvestorsLimitedPartnership」(第三次改定・修正G-LPS契約の第二次追加改定契約。乙16。以下「第三次G-LPS追加契約」といい,これと第三次G-LPS契約を併せて「本件G-LPS契約」といい,これと本件Z-LPS契約を併せて「本件各LPS契約」という。)を締結した。第三次G-LPS追加契約の11条によれば,同追加契約によって改定される部分を除き,第三次G-LPS契約は有効とされている。 (イ) G-LPSは,米国ワシントン州に所在する建物を所有するLPS (州LPS法に基づくもの)である「GardenVillaApartmentsLimitedPartnership」(以下「GVA-LPS」という。また,GVA-LPSの事業に供されている上記建物を「本件G建物」といい,本件Z建物と本件G建物を併せて「本件各建物」という。)に係るパートナーシップの持分を所有し売却する事業(以下,この事業と本件Z不動産事業を併せて「本件各不動産事業」という。)をすることを目的としている(X1G持分取得契約(乙14)前文A,第三次G-LPS契約(乙15)5条)。 ウ本件各LPS契約は,いずれも米国ワシントン州の法令(以下「ワシントン州法」という。)に準拠して締結されたものである(第三次Z-LPS契約(乙12)20.2条,第三次G-LPS契約(乙15)19.2条)。 (4) 本件各処分等の経緯ア処分行政庁が原告天賞堂に対してした各処分並びに当該各処分に係る国税不服審判所長に対する審査請求及びその審査裁決の経緯は,次のとおりであり,その具体的内容は別表1-1ないし1-5記載のとおりである。 これらの更正等の処分は,本件L 各処分並びに当該各処分に係る国税不服審判所長に対する審査請求及びその審査裁決の経緯は,次のとおりであり,その具体的内容は別表1-1ないし1-5記載のとおりである。 これらの更正等の処分は,本件LPSは法人税法2条4号に定める外国法人に該当し,原告天賞堂は本件Z建物を有するものではなく,その減価償却費を原告天賞堂の所得金額の計算上損金の額に算入することはできないことを理由としてされたものである。 (ア) 京橋税務署長は,原告天賞堂に対し,平成23年5月20日付けで原告天賞堂の平成17年4月1日から平成18年3月31日までの事業年度(以下「平成18年3月期」という。)に係る法人税の更正処分(以下「平成18年3月期更正処分」という。)及び過少申告加算税賦課決定処分をした。 原告天賞堂は,平成23年7月6日,国税不服審判所長に対して審査請求をしたが,同審判所長は,平成24年7月2日,請求を棄却する旨 の審査裁決をした。 (イ) 京橋税務署長は,原告天賞堂に対し,平成23年5月20日付けで原告天賞堂の平成18年4月1日から平成19年3月31日までの事業年度(以下「平成19年3月期」という。)に係る法人税の更正処分(以下「平成19年3月期更正処分」という。)及び過少申告加算税賦課決定処分をした。 原告天賞堂は,平成23年7月6日,国税不服審判所長に対して審査請求をしたが,同審判所長は,平成24年7月2日,請求を棄却する旨の審査裁決をした。 (ウ) 京橋税務署長は,原告天賞堂に対し,平成23年5月20日付けで原告天賞堂の平成19年4月1日から平成20年3月31日までの事業年度(以下「平成20年3月期」という。)に係る法人税の更正処分(以下「平成20年3月期当初更正処分」という。)及び過少申告加算税賦課決定処分をし,平成23 月1日から平成20年3月31日までの事業年度(以下「平成20年3月期」という。)に係る法人税の更正処分(以下「平成20年3月期当初更正処分」という。)及び過少申告加算税賦課決定処分をし,平成23年6月29日付けで平成20年3月期に係る法人税の更正処分(以下「平成20年3月期更正処分」という。)及び過少申告加算税賦課決定処分をした。 原告天賞堂は,平成23年7月6日,国税不服審判所長に対して審査請求をしたが,同審判所長は,平成24年7月2日,請求を棄却する旨の審査裁決をした。 (エ) 京橋税務署長は,原告天賞堂に対し,平成23年5月20日付けで原告天賞堂の平成20年4月1日から平成21年3月31日までの事業年度(以下「平成21年3月期」という。)に係る法人税の更正処分(以下「平成21年3月期当初更正処分」という。)及び過少申告加算税賦課決定処分をし,平成23年6月29日付けで平成21年3月期に係る法人税の更正処分(以下「平成21年3月期更正処分」という。)及び過少申告加算税賦課決定処分をした。 原告天賞堂は,平成23年7月6日,国税不服審判所長に対して審査請求をしたが,同審判所長は,平成24年7月2日,請求を棄却する旨の審査裁決をした。 (オ) 京橋税務署長は,原告天賞堂に対し,平成23年5月20日付けで原告天賞堂の平成21年4月1日から平成22年3月31日までの事業年度(以下「平成22年3月期」といい,平成18年3月期ないし平成22年3月期を併せて「本件各事業年度」という。)に係る法人税の更正処分(以下「平成22年3月期当初更正処分」という。)及び過少申告加算税賦課決定処分をし,平成23年6月29日付けで平成22年3月期に係る法人税の更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をした。 原告天賞堂は,平成23年 期当初更正処分」という。)及び過少申告加算税賦課決定処分をし,平成23年6月29日付けで平成22年3月期に係る法人税の更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をした。 原告天賞堂は,平成23年7月6日,国税不服審判所長に対して審査請求をしたが,同審判所長は,平成24年7月2日,請求を棄却する旨の審査裁決をした。 その後,京橋税務署長は,原告天賞堂に対し,平成25年7月5日付けで平成22年3月期に係る法人税を減額する更正処分をし(以下,減額された後の上記平成22年3月期に係る法人税の更正処分を「平成22年3月期更正処分」といい,平成18年3月期更正処分ないし平成22年3月期更正処分を併せて「本件法人各更正処分」という。),同日付けで平成22年3月期の過少申告加算税を減額する変更決定処分をした(以下,これにより変更された後の上記賦課決定処分及び上記(ア)ないし(エ)の賦課決定処分を併せて「本件法人各賦課決定処分」という。また,本件法人各更正処分と本件法人各賦課決定処分を併せて「本件法人各処分」という。)(乙1)。 イ処分行政庁が承継前原告に対してした各処分,当該各処分に係る処分行政庁に対する異議申立て及びこれに対する異議決定並びに国税不服審判所長に対する審査請求及びこれに対する審査裁決の経緯は,次のとおりであ り,その具体的内容は別表2-1ないし2-5記載のとおりである。なお,以下の(ア)ないし(ウ)の各処分後である平成23年7月11日に承継前原告の住所に変更があったことに伴い,上記各処分については,芝税務署長が処分行政庁として京橋税務署長の権限を承継している(国税通則法30条1項,所得税法15条1号,財務省組織規則544条,別表第9参照)。 これらの更正等の処分は,本件各LPSは所得税法2条1項7号に定める外国法 して京橋税務署長の権限を承継している(国税通則法30条1項,所得税法15条1号,財務省組織規則544条,別表第9参照)。 これらの更正等の処分は,本件各LPSは所得税法2条1項7号に定める外国法人に該当し,その事業により生じた所得は承継前原告の不動産所得に該当せず,その事業により生じた損益を承継前原告の不動産所得の金額の計算上収入金額又は必要経費に算入することはできないことを理由としてされたものである。 (ア) 京橋税務署長は,承継前原告に対し,平成23年3月10日付けで承継前原告の平成19年分に係る所得税の更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をした。 承継前原告は,平成23年4月11日,上記税務署長に対して異議申立てをしたが,上記税務署長は,同年6月9日,申立てを棄却する旨の異議決定をした。 さらに,承継前原告は,平成23年7月6日,国税不服審判所長に対して審査請求をしたところ,同審判所長は,平成24年7月2日,上記更正処分及び上記賦課決定処分の一部を取り消し,その余の請求を棄却する旨の審査裁決をした(以下,これにより一部取り消された後の上記更正処分を「平成19年分更正処分」という。)。 (イ) 京橋税務署長は,承継前原告に対し,平成23年3月10日付けで承継前原告の平成20年分に係る所得税の更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をした。 承継前原告は,平成23年4月11日,上記税務署長に対して異議申立てをしたところ,上記税務署長は,同年6月9日,上記更正処分及び 上記賦課決定処分の一部を取り消し,その余の申立てを棄却する旨の異議決定をした。 さらに,承継前原告は,平成23年7月6日,国税不服審判所長に対して審査請求をしたところ,同審判所長は,平成24年7月2日,上記更正処分及び上記賦課決定処分 てを棄却する旨の異議決定をした。 さらに,承継前原告は,平成23年7月6日,国税不服審判所長に対して審査請求をしたところ,同審判所長は,平成24年7月2日,上記更正処分及び上記賦課決定処分(いずれも上記異議決定により一部取り消された後のもの)の一部を取り消し,その余の請求を棄却する旨の審査裁決をした(以下,上記異議決定及び上記審査裁決により一部取り消された後の上記更正処分を「平成20年分更正処分」という。)。 (ウ) 京橋税務署長は,承継前原告に対し,平成23年3月10日付けで承継前原告の平成21年分に係る所得税の更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をした。 承継前原告は,平成23年4月11日,上記税務署長に対して異議申立てをしたところ,上記税務署長は,同年6月9日,上記更正処分及び上記賦課決定処分の一部を取り消し,その余の申立てを棄却する旨の異議決定をした。 さらに,承継前原告は,平成23年7月6日,国税不服審判所長に対して審査請求をしたところ,同審判所長は,平成24年7月2日,上記更正処分及び上記賦課決定処分(いずれも上記異議決定により一部取り消された後のもの)の一部を取り消し,その余の請求を棄却する旨の審査裁決をした(以下,上記異議決定及び上記審査裁決により一部取り消された後の上記更正処分を「平成21年分更正処分」という。また,上記異議決定及び上記審査裁決により一部取り消された後の上記賦課決定処分並びに上記(ア)及び(イ)の賦課決定処分を併せて「本件個人各賦課決定処分」といい,本件法人各賦課決定処分と併せて「本件各賦課決定処分」という。)。 (エ) 承継前原告は,京橋税務署長に対し,平成23年4月7日付けで承継 前原告の平成22年分の所得税に係る更正の請求をしたが,芝税務署長は,平成23 て「本件各賦課決定処分」という。)。 (エ) 承継前原告は,京橋税務署長に対し,平成23年4月7日付けで承継 前原告の平成22年分の所得税に係る更正の請求をしたが,芝税務署長は,平成23年11月17日付けで上記更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の通知処分をした。 承継前原告は,同日,上記税務署長に対して異議申立てをしたところ,上記異議申立ては,同年12月20日,上記税務署長と承継前原告の合意により,平成28年法律第15号による改正前の国税通則法89条1項に基づき国税不服審判所長に対する審査請求とみなされた(甲19,20)。同審判所長は,平成24年7月2日,上記通知処分の一部を取り消し,その余の請求を棄却する旨の審査裁決をした(以下,これにより一部取り消された後の上記通知処分を「平成22年分通知処分」という。)。 (オ) 承継前原告は,芝税務署長に対し,平成24年4月6日付けで承継前原告の平成23年分(以下,平成19年分ないし平成23年分を「本件各年分」という。)の所得税に係る更正の請求をしたところ,同税務署長は,平成24年6月25日付けで上記更正の請求に対する更正処分をした。 承継前原告は,同年8月22日,上記税務署長に対して異議申立てをしたところ,上記税務署長は,同年11月20日,申立てを棄却する旨の異議決定をした。 さらに,承継前原告は,同年12月17日,国税不服審判所長に対して審査請求をしたが,平成25年5月15日,これを取り下げた。 上記税務署長は,上記原告に対し,平成24年8月28日付け及び平成25年9月19日付けでそれぞれ平成23年分の所得税を減額する再更正処分をした(以下,これらにより再更正された後の上記更正の請求に対する更正処分を「平成23年分更正処分」といい,平成19年分更 平成25年9月19日付けでそれぞれ平成23年分の所得税を減額する再更正処分をした(以下,これらにより再更正された後の上記更正の請求に対する更正処分を「平成23年分更正処分」といい,平成19年分更正処分ないし平成21年分更正処分,平成22年分通知処分及び平成2 3年分更正処分を併せて「本件個人各更正処分等」という。また,本件個人各更正処分等と本件個人各賦課決定処分を併せて「本件個人各処分」といい,本件法人各処分と本件個人各処分を併せて「本件各処分」という。)。 (5) 本件訴えの提起原告天賞堂及び承継前原告(以下「原告天賞堂等」という。)は,平成24年12月17日,第1事件及び第2事件に係る訴えを提起し,承継前原告は,平成25年5月10日,第3事件に係る訴えを追加する旨の訴えの変更をした(顕著な事実)。 承継前原告は,平成28年○月○日に死亡し,その妻である原告X2及びその子である原告X3が承継前原告を相続するとともに,第2,第3事件の訴訟を承継した。 3 税額等に関する当事者の主張被告が本件訴訟において主張する本件各処分の根拠及び計算は,別紙4「課税の根拠及び計算」のとおりであるところ,後記4の争点に関する部分を除き,その計算の基礎となる金額及び計算方法について争いはない。 4 争点本件の争点は,本件各処分の適法性であるところ,具体的な争点は以下のとおりである(なお,本件各LPSが租税法上の人格のない社団に該当するか否かについては,その該当性について主張責任を負う被告は本件各LPSが上記社団に該当するとの主張をしない旨を明らかにしているから,本件の争点とはされていない。)。 (1) 本件各LPSが所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するか否か。 (2) 本件Z建物の減価償却費を原告天賞堂の所 しない旨を明らかにしているから,本件の争点とはされていない。)。 (1) 本件各LPSが所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するか否か。 (2) 本件Z建物の減価償却費を原告天賞堂の所得の金額の計算上損金に算入することの可否 (3) 本件各不動産事業により生じた損益を承継前原告の不動産所得の金額の計算上収入金額又は必要経費に算入することの可否(4) 国税通則法65条4項に定める「正当な理由」の有無 5 争点に関する当事者の主張の要旨(1) 争点(1)(本件各LPSが所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するか否か)について(被告の主張の要旨)ア平成27年最高裁判決における外国法人該当性の判断基準本件の係属中に言い渡された最高裁平成25年(行ヒ)第166号同27年7月17日第二小法廷判決・民集69巻5号1253頁(以下「平成27年最高裁判決」という。)は,米国デラウェア州改正統一リミテッド・パートナーシップ法(DelawareRevisedUniformLimitedPartnershipAct)(以下「米国デラウェア州のLPS法」という。)に基づいて設立されたLPSについて,権利義務の帰属主体であり,所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当すると判断した。また,同判決は,要旨,外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するか否かを判断するに当たっては,まず,①当該組織体に係る設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みから,当該組織体が当該外国の法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるか否かを検討することとなり,これにより判断できない場合には,次に,②当該組織体が権利義 いて日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるか否かを検討することとなり,これにより判断できない場合には,次に,②当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かを検討して判断すべきものであり,具体的には,当該組織体の設立根拠法令の規定の内容や趣旨等から,当該組織体が自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が当該組織体に帰属すると認められるか否かという点を検討することとなると判示した(以下,上記①の基準を「判断基準1」といい, 上記②の基準を「判断基準2」という。)。 イ平成27年最高裁判決の判断基準による外国法人該当性(ア) 判断基準1による外国法人該当性a 本件各LPSは,州LPS法に準拠して設立されたものであり,州LPS法のほか,州LPS法に定めがない場合には州PS法又はその後継法令の規定が適用される(州LPS法25.10.660)。 また,米国ワシントン州では,2010年(平成22年)1月1日を発効日として改正州LPS法が制定され,同年7月1日から全てのLPSに適用されるところ(改正州LPS法25.10.911(2)),承継前原告の平成23年分所得税に関しては,本件各LPSから収入金の分配を受けた時点で発効していた改正州LPS法が適用されるため,改正州LPS法も本件各LPSの設立根拠法令として考慮すべきこととなる。 b そこで検討するに,本件各LPSに適用される州PS法は,パートナーシップについて,「anentitydistinctfromitspartners」であるとする規定(以下「エンティティ規定」という。)を定めており(同法25.05.050(1)),また,改正州LPS法においては,独立の法律として州PS ctfromitspartners」であるとする規定(以下「エンティティ規定」という。)を定めており(同法25.05.050(1)),また,改正州LPS法においては,独立の法律として州PS法とのリンケージを廃止したため,改正州LPS法自体に,LPSについて,「anentitydistinctfromitspartners」であるとするエンティティ規定を明文化しており(同法25.10.021(1)),これらは「パートナーと異なる主体」を意味するものである。 そして,州PS法は,統一法委員会の策定に係る1997年改訂後の統一PS法典を採択して制定されたものであるところ,同法典に定められているエンティティ規定(パートナーシップはパートナーと異なる主体である旨を定める規定)は,1992年(平成4年)改訂後の統一PS法典(以下「1992年統一PS法典」ということがある。) によって創設されたものと同一の規定である。 1992年統一PS法典におけるエンティティ規定については,文献上(乙36(514頁)),その創設によりLPSに法人格が付与されたものと説明されており,設立根拠法令である州LPS法により上記統一PS法典と同様のエンティティ規定を定める州PS法が適用される本件各LPSについても,設立根拠法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていることが疑義のない程度に明白であるというべきである。 c したがって,判断基準1によれば,本件各LPSは,その設立根拠法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていることが疑義のない程度に明白であるというべきであるから,我が国の租税法上の法人に該当し,所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当する。 (イ) 判断基準2による外国法人該当性a 仮に いることが疑義のない程度に明白であるというべきであるから,我が国の租税法上の法人に該当し,所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当する。 (イ) 判断基準2による外国法人該当性a 仮に,本件各LPSが日本法上の法人に相当する法的地位を「付与されていること」が疑義のない程度に明白であるとまではいえないとしても,上記(ア)bで述べた州LPS法及び州PS法並びに改正州LPS法の各規定によれば,パートナーシップ(LPS)は,「パートナーと異なる主体」であるとされている以上,少なくとも,本件各LPSが設立根拠法令において日本法上の法人に相当する法的地位を「付与されていないこと」が疑義のない程度に明白であるとは到底いえない。 したがって,この場合には,判断基準1によっては所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するか否かを判断することができないため,外国法に基づいて設立された組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かという判断基準2により判断すべきである。 b 平成27年最高裁判決は,判断基準2の検討において,設立根拠法令である米国デラウェア州のLPS法等の内容に照らし,米国デラウェア州のLPS法等に基づくLPSが,自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が当該LPSに帰属しているということができるから,権利義務の帰属主体であると認められ,当該LPSは,所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当すると判断した。 そして,以下に述べるとおり,判断基準2の検討において,本件各LPSの設立根拠法令である州LPS法及び州PS法並びに承継前原告の平成23年分所得税について設立根拠法令として考慮すべき改正州LPS法の各規定の内容や趣旨等からすれば,米国ワシントン州の上記各法令(以下「米国ワシントン州 州LPS法及び州PS法並びに承継前原告の平成23年分所得税について設立根拠法令として考慮すべき改正州LPS法の各規定の内容や趣旨等からすれば,米国ワシントン州の上記各法令(以下「米国ワシントン州のLPS法」ということがある。)に基づく本件各LPSも,自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が本件各LPSに帰属すると認められるというべきである。 c まず,州LPS法及び州PS法の各規定によれば,以下のとおり,本件各LPSが自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が本件各LPSに帰属すると認められる。 (a) 州LPS法は,「LPSは,LPのいないパートナーシップ(注・GPS)が行うことができるあらゆる事業を行うことができる」(同法25.10.060)と規定している。この点につき,州PS法は,GPSが行うことができる事業について特に制限を設けてはいない(同法25.05.005(1))。 また,州LPS法は,「パートナーは,LPSに対して金員を貸し付けることができ,LPSと他の取引を行うことができる。この場合において,他の適用される法令に従い,パートナーではない者 (person)が有するのと同様の権利及び義務を有する」(同法25.10.070)と規定している。このように,パートナーは,LPSとの間で,LPSを当事者として融資等の取引を行うことができるのであり,このような取引を行う場合,パートナーはLPSに対し第三者との間の取引と同様の権利を有し義務を負うことからすれば,LPSは,パートナーとは異なる独立した主体として,パートナーに対し権利を有し義務を負うことが明らかである。 以上のとおり,州LPS法及び州PS法の上記各規定からすれば,州LPS法に基づいて設立されたLPSについては,パートナ 独立した主体として,パートナーに対し権利を有し義務を負うことが明らかである。 以上のとおり,州LPS法及び州PS法の上記各規定からすれば,州LPS法に基づいて設立されたLPSについては,パートナーシップが行うことができるあらゆる事業をすることができるとともに,パートナーとは異なる主体として,パートナーとの間で取引を行うことができるものと認められる。すなわち,州LPS法及び州PS法の各規定は,LPSにその名義で法律行為をする権利又は権限を付与するとともに,LPS名義でされた法律行為の効果がLPS自身に帰属することを前提とするものと解される。そうすると,本件各LPSに係る設立根拠法令である州LPS法及び州PS法において,本件各LPSが自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,本件各LPSが当事者としてした法律行為の効果が本件各LPS自身に帰属すると認められる。 (b) また,州PS法は,「パートナーシップにより取得された財産は,当該パートナーシップの財産であって,パートナー個人の財産ではない」(同法25.05.060),「パートナーは,パートナーシップの財産の共同所有者ではなく,任意であるか強制であるかを問わず,いかなる移転可能なパートナーシップの財産における持分も保有しない」(同法25.05.200)と規定する。 この点につき,州LPS法も,「パートナーは,現金以外の形式 で,LPSからいかなる分配も要求し受領する権利を有しない」(同法25.10.350)と規定して,パートナーがパートナーシップの財産による現物の分配を要求する権利を有しないことを定めているほか,「パートナーシップの持分は,人的財産権である」(同法25.10.390)と規定している。 これらの各規定は,上記(a)において述べたとおり,州LPS法及び州 権利を有しないことを定めているほか,「パートナーシップの持分は,人的財産権である」(同法25.10.390)と規定している。 これらの各規定は,上記(a)において述べたとおり,州LPS法及び州PS法が,LPSにLPS名義で法律行為をする権利又は権限を付与するとともに,LPS名義でされた法律行為の効果がLPS自身に帰属することを前提としていることとも整合するところである。 (c) さらに,州LPS法は,LPSにおけるGPの一般的な権限と義務について,「LPSのGPは,LPを有しないパートナーシップ(注・GPS)におけるパートナーの権利及び権限を有し,かつ,これらの制限に服する」(同法25.10.240(1))と規定しているところ,ここにいう「LPを有しないパートナーシップにおけるパートナーの権利及び権限」ないし「制限」の内容については,州PS法において,「全ての各パートナー(注・GP)は,権利を主張する者により別段の同意がされ,又は法令に別段の定めのない限り,連帯して全てのパートナーシップの義務に対し責任を負う」(州PS法25.05.125(1))と規定されている。すなわち,州LPS法及び州PS法の上記各規定によれば,LPSにおいては,まずLPS自身が負う義務が存在しており,そのLPS自身が負う義務について,GPが連帯して義務を負うものとされている。 このように,州LPS法及び州PS法の各規定は,LPS自身が義務を負う主体であることを明確に規定しており,LPSが当事者として行う法律行為の効果がLPSに帰属することを前提としてい る。 d また,改正州LPS法の各規定によっても,以下のとおり,本件各LPSが自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が本件各LPSに帰属すると認められる。 改正州LPS法に る。 d また,改正州LPS法の各規定によっても,以下のとおり,本件各LPSが自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が本件各LPSに帰属すると認められる。 改正州LPS法については,承継前原告の平成23年分所得税に関し設立根拠法令として考慮されるほか,改正州LPS法制定の最も重要な目的は,LPSに関する法律の効率性,明確性及び一貫性を促進することであったと説明されており,改正州LPS法によりLPSの性格や位置付けが変わったわけではなく,LPSの性格や位置付けについて,改正前の州LPS法と州PS法の内容を踏襲して定められたものと認められることからすると,改正前の州LPS法及び州PS法の規定の内容や趣旨等を理解する上でも参照されるべきものである。 まず,改正州LPS法は,前記(ア)bのとおり,「LPSは,そのパートナーとは異なる主体(entity)である」(同法25.10.021(1))と規定した上で,「LPSは,自身が活動する上で必要な又は便宜的なあらゆることを行う権限を有する」(改正州LPS法25.10.031)と規定している。上記各規定によれば,改正州LPS法は,LPSがパートナーとは異なる主体として,すなわちLPSが自ら当事者として法律行為をする権利又は権限を付与しているといえる。 また,改正州LPS法は,「LPSの義務は,それが契約上生じたもの,不法行為により生じたもの又はそれ以外のものであっても,LPの義務ではない」(同法25.10.321)と規定しており,LPSの債務(義務)はLPS自身に帰属し,LPがLPSの債務(義務)を負うことはないとされている。他方,改正州LPS法は,「各GPは,LPSの活動における当該LPSの代理人である」(同法25.10.381(1))と規定しており,「全てのGPは, PSの債務(義務)を負うことはないとされている。他方,改正州LPS法は,「各GPは,LPSの活動における当該LPSの代理人である」(同法25.10.381(1))と規定しており,「全てのGPは,権利を主張する者による別途の同 意又は法令の規定がなければ,LPSの全ての義務に対し連帯して責任を負う」(同法25.10.401(1))と規定していることから,LPSは自ら義務を負い,GPは,そのLPSが負う義務につき連帯して義務を負うものとされている。 さらに,改正州LPS法は,「パートナーは,現金以外の形で,LPSからの分配を要求し又は受領する権利を有しない」(同法25.10.486)と規定し,「パートナーが譲渡することができる唯一の持分は,当該パートナーが有する譲渡可能持分である。譲渡可能持分は人的財産権である」(同法25.10.546)と規定している。上記各規定は,パートナーの譲渡可能な唯一の持分は人的財産権であって,パートナーがLPSの財産について具体的な権利を有しないことを前提としており,LPS名義でされた法律行為の効果がLPS自身に帰属することとも整合するところ,このような規定内容は改正前の州LPS法及び州PS法の内容と同様である。 このように,改正州LPS法の上記各規定からすれば,LPSは,パートナーとは異なる主体として,LPS自身が活動をする上で必要な又は便宜的なあらゆることを行う権限を有し義務を負うものであり,LPS名義でされた法律行為の効果がLPS自身に帰属することが前提とされていることは明らかである。上記のとおり,改正州LPS法は従来の州LPS法及び州PS法の内容を踏襲したものというべきであるから,前記cにおいて述べた州LPS法及び州PS法の各規定についても,改正州LPS法の上記各規定と同様の内容及び趣旨 改正州LPS法は従来の州LPS法及び州PS法の内容を踏襲したものというべきであるから,前記cにおいて述べた州LPS法及び州PS法の各規定についても,改正州LPS法の上記各規定と同様の内容及び趣旨を定めるものと解すべきである。 e 次に,本件各LPSに係るパートナーシップ契約の内容をみると,Z-LPSについては,本件Z-LPS契約において,その事業の主要目的を本件Z建物を所有し管理し運営することとした上(本件Z- LPS契約各5条),原告天賞堂等のパートナーシップの持分取得時の各契約において,「Z-LPSは,ワシントン州法の下で組織された有効に存在するLPSであり,現時点で行われている事業を営むための全ての権利及び権限を有していること」が確認されている(天賞堂Z持分取得契約,X1Z持分取得契約の各4条(a)項)。G-LPSについても,第三次G-LPS契約5条において,物件を所有する米国ワシントン州のLPSであるGVA-LPSに係るパートナーシップの持分を所有し売却することを唯一の目的とした上で,「G-LPSは,その主要な事業の目的を遂行するために必要な又は付随する他の事業活動に従事することができる。」と定めている。このような契約の内容は,前記c(a)の「LPSは,LPのいないパートナーシップが行うことができるあらゆる事業を行うことができる」(州LPS法25.10.060)との州LPS法の規律や,前記dの「LPSは,自身が活動する上で必要な又は便宜的なあらゆることを行う権限を有する」(改正州LPS法25.10.031)との改正州LPS法の規律に沿うものである。 また,Z-LPSに係る契約においては,「財産に対する権利がないこと」という項目が規定され,各LPは,清算その他の場合において,Z-LPSに対して,現金以外の形式で PS法の規律に沿うものである。 また,Z-LPSに係る契約においては,「財産に対する権利がないこと」という項目が規定され,各LPは,清算その他の場合において,Z-LPSに対して,現金以外の形式での分配を要求したり,又は受領するいかなる権利をも有しないとされており(本件Z-LPS契約各13.4条),その他,本件各LPSに係るパートナーシップ契約をみても,パートナーがLPS財産を構成する個々の物や権利について,具体的な持分を有する旨の定めはない。 これらの契約の内容は,州LPS法及び改正州LPS法が,パートナーは,現金以外の形式で,LPSからいかなる分配も要求し受領する権利を有しない(州LPS法25.10.350,改正州LPS法25.10.486)旨規定しているところに沿うものであり,また,州LPS法及び改正 州LPS法が「パートナーシップの持分は,人的財産権である」(州LPS法25.10.390,改正州LPS法25.10.546)と規定し,州PS法が,「パートナーシップにより取得された財産は,当該パートナーシップの財産であって,パートナー個人の財産ではない。」(同法25.05.060),「パートナーは,パートナーシップの財産の共同所有者ではなく,任意であるか強制であるかを問わず,いかなる移転可能なパートナーシップの財産における持分も保有しない」(同法25.05.200)と規定しているところともそごするものではない。 f 以上のとおり,本件各LPSにつき,州LPS法,州PS法及び改正州LPS法の各規定並びに本件各LPSに係るパートナーシップ契約の内容等に鑑みると,本件各LPSは,自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が本件各LPSに帰属するものということができるから,権利義務の帰属主体であるというべきであ ーシップ契約の内容等に鑑みると,本件各LPSは,自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が本件各LPSに帰属するものということができるから,権利義務の帰属主体であるというべきである。 そうすると,本件各LPSは,権利義務の帰属主体であると認められるのであるから,判断基準2によれば,我が国の租税法上の法人に該当し,所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するものというべきである。 (ウ) 以上のとおり,平成27年最高裁判決を踏まえると,本件各LPSは,判断基準1及び判断基準2のいずれによっても,我が国の租税法上の法人に該当し,所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するものである。 ウ平成27年最高裁判決が言い渡される前の被告の主張の要旨(ア) 我が国の租税法上の法人該当性に関する判断枠組み外国の事業体が我が国の租税法上の法人に該当するか否かは,当該事業体の準拠法の規定及びその解釈(なお,当該準拠法において構成員間の契約による修正を認めている範囲内では設立規約(契約)の内容も併 せ考慮する。)を基礎として,その設立,組織,財産の管理や帰属状況等を考慮し,当該事業体が構成員から独立した権利義務の帰属主体として設立が認められているか否かを個別具体的に判断するのが相当である。 その際には,当該事業体がその名において契約を締結し,その名において権利を取得し義務を負うなど,独立した権利義務の主体となり得るものか否かを根幹となる判断要素とした上で,事業体として所有財産(不動産)を登記ないし登録できるか否か,有限責任を負うにすぎない構成員がいるか否かなど,その構成員の個人財産とは区別された独自の財産を有するか否か,その権利義務のためにその名において訴訟当事者となり得るか否か,事業体の成立に登記, か,有限責任を負うにすぎない構成員がいるか否かなど,その構成員の個人財産とは区別された独自の財産を有するか否か,その権利義務のためにその名において訴訟当事者となり得るか否か,事業体の成立に登記,登録等の外部的手続を要するとされているか否かなどの事情も総合して,当該事業体が我が国の法人であれば通常有すべき実質を付与されているか否かの観点から判断する必要があるというべきである。 (イ) 本件各LPSが我が国の租税法上の法人に該当すること本件各LPSの準拠法である州LPS法,州PS法及び改正州LPS法の規定内容並びに本件各LPSに係る契約の内容等をみると,パートナーシップはパートナーとは異なる主体(entity)であるとされ,パートナーシップにより取得された財産は,パートナーシップの財産であり,パートナー個人のものではないとされており,本件各LPSは,構成員である各パートナーの個人財産とは明確に区別された独自の財産を有することが認められている。また,構成員の個性や変動とは関係なく本件各LPSが存続・運営されることが前提とされており,さらに,LPSの設立には,LPS契約の締結のみでは足りず,LPS証明書の登録が必要とされ,LPSは,その名において訴訟を追行できるとされている。 これらの点を総合的にみれば,本件各LPSは,準拠法の下において,構成員から独立した法的主体として存在し,独立した権利義務の帰属主 体として設立が認められたものであるということができ,我が国の租税法上の法人に該当すると認められる。 (原告らの主張の要旨)ア LPSに関する法令について(ア) 平成27年最高裁判決に係る米国デラウェア州のLPS法と本件に適用される米国ワシントン州のLPS法との本質的な差異米国の各州法を準拠法として組成された ア LPSに関する法令について(ア) 平成27年最高裁判決に係る米国デラウェア州のLPS法と本件に適用される米国ワシントン州のLPS法との本質的な差異米国の各州法を準拠法として組成されたLPSには,基本的に各州のLPSに関する法令(以下「各州のLPS法」という。)が適用される。 各州のLPS法は,一般的には統一法委員会による統一LPS法典に基づき制定されているが,統一LPS法典は,数次にわたり大きく改訂されていて,各州が改訂後の統一LPS法典を導入する時期は様々であり,また,導入に当たり修正を加えて独自の規定を制定することもよくあるので,各州のLPS法には時期や州により相当の差異がみられる。 平成27年最高裁判決の事案は,米国デラウェア州のLPSについてのものであり,同判決は,適用される米国デラウェア州のLPS法に基づいてLPSの法人該当性の判断を行ったが,本件は,米国ワシントン州のLPSについての事案であり,本件に適用されるのは,米国ワシントン州のLPS法である。 (イ) LPSに関する関係法令(以下「LPS関係法令」という。)a 2001年(平成13年)改訂前の統一LPS法典は,単独で自立した法典ではなく,統一PS法典に依拠しており,法令上もLPSはパートナーシップとの連続性及び同質性を有するものであった。 パートナーシップは,英米法のコモン・ローの下で,パートナーから別個独立の事業体ではなく,複数の人(者)からなるグループ内の契約そのものであって,単なるパートナーの集合体にすぎないとされ,構成員から独立した法人格を有しないものとされている。1914年 (大正3年)改訂後の統一PS法典は集合体理論から成っており,1994年(平成6年)改訂後の統一PS法典(以下「1994年統一PS法典」という。)において,取 いものとされている。1914年 (大正3年)改訂後の統一PS法典は集合体理論から成っており,1994年(平成6年)改訂後の統一PS法典(以下「1994年統一PS法典」という。)において,取引の安全の保護等,実務上の便宜の観点から,対外的関係等の一定の分野についてエンティティ(entity)理論が採用されたが,パートナーがパートナーシップの負債や債務について,債権者に対し連帯して無限責任を負担すること,パートナーシップ契約に至上性が与えられていることなど,1994年統一PS法典においてもパートナーシップの基本的性質は契約関係を本質とする集合体である。 そして,LPSも,パートナーシップとの連続性及び同質性があり,その基本的性質は契約関係を本質とする集合体であった。2001年(平成13年)改訂後の改訂統一LPS法典は,法形式の面で統一PS法典との連携を廃止して単独で自立した法典となったが,形式面のみならず実質的にも同年改訂前の統一LPS法典を全面的に改訂し,多くの点で重大な変更が加えられた。 b 米国デラウェア州のLPS法においては,早くから会社法の原理原則が導入され,2001年(平成13年)改訂後の改訂統一LPS法典に先立ち,LPSにつき,認可事業規定(営利か否かを問わず,一定の例外を除き,いかなる合法的な事業,目的又は活動をも実施することができる旨の定め。以下同じ。)及び権能付与規定(設立根拠法令又はパートナーシップ契約により付与された全ての権限及び特権並びにこれらに付随するあらゆる権限を保有し,それを行使することができる旨の定め。以下同じ。)が創設されていた。 c 米国ワシントン州のLPS法においては,認可事業規定及び権能付与規定は,2010年(平成22年)発効の改正州LPS法において初めて創設されたものであり,こ 定め。以下同じ。)が創設されていた。 c 米国ワシントン州のLPS法においては,認可事業規定及び権能付与規定は,2010年(平成22年)発効の改正州LPS法において初めて創設されたものであり,この点が平成27年最高裁判決で判断 された米国デラウェア州のLPS法とは決定的に異なる点である。 改正州LPS法においては,ワシントン州事業法人法(「WashingtonBusinessCorporationAct」。以下「州事業法人法」という。)と同等の規定が多く導入されたが,権能付与規定もこれに含まれる。改正州LPS法は,LPS法をGPSの法令と正式かつ明白に切り離して,LPSのみに適用される独立した法的枠組みを与えることも主要な目的としたのであり,改正州LPS法における多くの変更により,LPSに適用される規定はコーポレーションに適用される規定により近接したのである。 イ判断基準1の本件における検討(ア)a 州LPS法にはLPSについて「entity」であるとする規定は置かれておらず,パートナーシップが「anentitydistinctfromitspartners 」であるとする州PS法のエンティティ規定(同法25.05.050(1)。「パートナーと区別された団体」を意味するもの)が一般準用規定(同法25.10.660)によってLPSに準用される可能性があるにとどまる。したがって,まず,改正州LPS法の適用対象となる2010年(平成22年)7月1日より前の期間については,本件各LPSが日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていることが疑義のない程度に明白であるとは到底評価できないというべきである。 他方,改正州LPS法には,LPSは「anentitydistinctfromitspartne を付与されていることが疑義のない程度に明白であるとは到底評価できないというべきである。 他方,改正州LPS法には,LPSは「anentitydistinctfromitspartners」であるとするエンティティ規定(同法25.10.021(1)。「パートナーと区別された団体(entity)」を意味するもの)が創設されている。しかるに,平成27年最高裁判決は,米国デラウェア州のみならず,米国の法令一般につき,法令においてLPSが「separatelegalentity」であると定めていても,「separatelegalentity」と される組織体が日本法上の法人に相当する法的地位を有すると評価することができるか否かが明確ではないと判示しているのであるから,州LPS法でLPSが「entity」とされていると解される余地があるとしても,また,改正州LPS法でLPSは「entity」であると規定されているとしても,同じ結論が導かれることになる。 b 米国デラウェア州のLPS法では,2001年(平成13年)改訂後の改訂統一LPS法典の制定に先立つ1990年(平成2年)に,LPSについて,「Alimitedpartnership … shallbeaseparatelegalentity」という規定が創設されている。この規定は,「legal(法的)」という語句に加え,「shallbe(~でなければならない)」として,強行法規であることを示すなどしており,改訂統一LPS法典の規定よりも更に先進性がみられるが,これは,株式会社(corporation)との同質性を積極的に導入しようとしたためであると思料される。 この点につき,米国ワシントン州の改正州LPS法では,改訂統一LPS法典の規定と同じ文言の これは,株式会社(corporation)との同質性を積極的に導入しようとしたためであると思料される。 この点につき,米国ワシントン州の改正州LPS法では,改訂統一LPS法典の規定と同じ文言の「anentitydistinctfromitspartners」というエンティティ規定が創設されたが,改訂統一LPS法典の注釈で,この規定は強行法規ではなく,パートナーシップ契約による排除が可能とされている。こうした点から,ワシントン州法の規定は,州LPS法はもちろん,改正州LPS法も,デラウェア州のLPS法の規定との比較において,法的地位の付与の有無という観点からみて,はるかにその根拠として弱いものといえる。 c 「entity」とされる組織体が日本法上の法人に相当する法的地位を指すものであると評価できるといえる根拠はない。この点は,デラウェア州のLPS法との比較においても明らかである。 (イ) 米国デラウェア州におけると同様に,州事業法人法では,株式会社に ついては,「corporation」という文言が用いられていて,「anentitydistinctfromitspartners」との文言は用いられていない一方で,同法の中で,LPSは「apartnershipformedbytwoormorepersonsunderthelawsofthisstate ~」(ワシントン州法の下で2名以上の者により組成されるパートナーシップ)とされており,「corporation」とは全く別異の文言が用いられている。このことからも,LPSが日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていることが疑義のない程度に明白であるとは評価できないといわざるを得ない。 (ウ) 以上を考慮すると,州LPS法や関連 れている。このことからも,LPSが日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていることが疑義のない程度に明白であるとは評価できないといわざるを得ない。 (ウ) 以上を考慮すると,州LPS法や関連法令の他の規定の文言等を参照しても,本件各LPSがワシントン州法において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるということは困難であり,判断基準1によって法人該当性を肯定的に判断することはできない。 ただし,米国デラウェア州のLPS法と米国ワシントン州のLPS法との規定の差異は大きく,総合的にみると法的地位を付与されていないと評価し得る要素があるので,本件各LPSがワシントン州法において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていないことが疑義のない程度に明白であるといえる余地がある可能性もあると考えられる。 ウ判断基準2の本件における検討(ア) 米国デラウェア州のLPS法と米国ワシントン州のLPS法との間には,以下のとおり,顕著な差異がある。 a 統一LPS法典(a) 1976年(昭和51年)改訂後の統一LPS法典(以下「1976年統一LPS法典」という。)においては,LPSは,一定の禁止対象の事業を除き,LPがいないパートナーシップが実施できる事業を実施することができる旨の規定は置かれていた。しかし, この規定は,LPがいないパートナーシップ(GPS)が実施できる事業については,LPがいるパートナーシップ(LPS)も実施できると規定するにとどまり,LPSとパートナーシップの同質性及び連続性を示すものにすぎない。そして,パートナーシップの事業の遂行については,認可事業規定のようなパートナーシップ自身の事業実施能力を定めた規定はなく,パートナーシ Sとパートナーシップの同質性及び連続性を示すものにすぎない。そして,パートナーシップの事業の遂行については,認可事業規定のようなパートナーシップ自身の事業実施能力を定めた規定はなく,パートナーシップを「構成員が共同所有者(co-owner)として営利事業を営むもの」と定義する規定があるのみである。すなわち,LPSが営める事業は,このようなパートナーシップの構成員が共同所有者として営む事業を意味しており,1976年統一LPS法典の規定は,LPSとしての事業実施能力を導くことができる規定ではない。 これに対し,2001年(平成13年)改訂後の改訂統一LPS法典には,「LPSは,いかなる合法的な目的のためにも,この法律に基づき組成できる」との規定(104条)が置かれており,規定ぶりは異なるが,認可事業規定と同等のものと考えられる。また,この規定は,モデル一般会社法(「ModelBusinessCorporationAct」)の規定に類似し,これと同等のものである。 (b) 権能付与規定に相当する規定は,2001年(平成13年)改訂後の改訂統一LPS法典で初めて創設された。なお,コーポレーション(corporation)については,モデル一般会社法に,「その事業の遂行にとって必要又は有益な全ての行為を行えるよう,自然人と同様の,無制限の能力を持つ」という権能付与規定と同様の規定(3.02条)が置かれていた。 (c) 1994年統一PS法典には,パートナーシップの認可事業規定や権能付与規定が置かれておらず,コーポレーション(corporation)については権能付与規定が置かれ,全般的な権利能力が付与されて いたのと対照的である。これは,パートナーシップの基本的性質は契約関係から成る集合体であるということに (corporation)については権能付与規定が置かれ,全般的な権利能力が付与されて いたのと対照的である。これは,パートナーシップの基本的性質は契約関係から成る集合体であるということによるものと考えられる。 (d) 2001年(平成13年)改訂以前の統一LPS法典にもLPSの権能は規定されていなかったが,これは,当時の統一LPS法典においては,LPSはパートナーシップと連続性及び同一性を有し,同様に契約関係を本質とする集合体であったためであると思料される。 b 米国ワシントン州のLPS法(a) 認可事業規定については,州LPS法には1976年統一LPS法典と同様の規定が置かれており,改正州LPS法には2001年(平成13年)改訂後の改訂統一LPS法典と同様の規定が置かれている。権能付与規定については,改正州LPS法より前には存在しなかったが,同法で創設された。 なお,コーポレーション(corporation)については,州事業法人法に,「その事業の遂行にとって必要又は有益なすべての行為を行えるよう,自然人と同様の,無制限の能力を持つ」という権能付与規定とほぼ同じ規定が置かれていた。 (b) 米国ワシントン州において1994年統一PS法典を基礎に制定された州PS法には,認可事業規定や権能付与規定は置かれていない。これは,州事業法人法には権能付与規定が置かれ,コーポレーション(corporation)に全般的な権利能力が付与されていたのと対照的である。 州PS法に認可事業規定や権能付与規定が置かれていない理由は,統一PS法典について述べたところがそのまま該当する。 そして,州LPS法は,1976年統一LPS法典を基礎に制定されたものであり,これと同様に,州PS法との連続性及び同質性 を有してお ,統一PS法典について述べたところがそのまま該当する。 そして,州LPS法は,1976年統一LPS法典を基礎に制定されたものであり,これと同様に,州PS法との連続性及び同質性 を有しており,LPSの基本的性質も契約関係から成る集合体であった。 改正州LPS法以前に認可事業規定や権能付与規定が置かれていないのは,このような理由によるものである。 (c) 改正州LPS法には権能付与規定が存在するが,これは,LPSについての州LPS法からの重大な抜本的変更の一つであり,改正州LPS法においてLPSの権能が創設的に定められたものである。 また,改正州LPS法の権能付与規定は,州事業法人法の規定とほぼ同一であり,改正州LPS法が,LPS法をGPSの法令と切り離して独立した法的枠組みを与えることも主要な目的としていたこと,また,改正州LPS法における多くの変更により,LPSに適用される規定がコーポレーション(corporation)に適用される規定により近接したという経緯からも,改正州LPS法の機能付与規定が創設的であることが裏付けられるといえる。 c 米国デラウェア州のLPS法との差異以上のとおり,州LPS法は,平成27年最高裁判決が権利義務帰属主体の根拠とした認可事業規定や権能付与規定の欠如という点で,米国デラウェア州のLPS法と大きな差異があり,かつ,この差異は,LPSの位置付け及び州LPS法の経緯や背景の差異から生じたものである。 (イ) 上記(ア)においてみたところによれば,米国ワシントン州においては,少なくとも州LPS法上,LPSが権利義務の帰属主体であることの法令上の根拠が存在しなかったことは明らかである。 (ウ) 被告の主張に対する反論判断基準2について被告が引用する規定は,以下のaないしcに 上,LPSが権利義務の帰属主体であることの法令上の根拠が存在しなかったことは明らかである。 (ウ) 被告の主張に対する反論判断基準2について被告が引用する規定は,以下のaないしcにおいて個別に述べるとおり,法人ではない任意組合にも該当する規定であり, LPSが権利義務の帰属主体であることの法令上の根拠となり得るものではない。平成27年最高裁判決における米国デラウェア州のLPS法にも同様の規定が存在したにもかかわらず,同判決の判断基準2についての判示では何ら根拠とされていないのみならず,言及すらされていない。同判決は,パートナーシップ法の沿革に鑑み,LPSに権利義務の帰属主体性を認めるには,認可事業規定と権能付与規定といったコーポレーション(corporation)のように自然人と同じ権能を付与する規定がLPS法にも規定されていることを必要としたものと解される。 a まず,被告が根拠とする「LPSは,各LPがいないパートナーシップが行うことのできるあらゆる事業を行うことができる」との州LPS法の規定(25.10.060)及びパートナーシップの事業に関する州PS法の規定(25.05.005(1))のうち,州LPS法の規定については,LPSとパートナーシップの同質性及び連続性を示すものにすぎず,州PS法の規定については,単なる定義規定であってパートナーシップの事業実施能力を定めた規定ではなく,構成員が共同所有者(co-owner)として事業を営むことを規定したものであるから,なおさらパートナーシップ自身の事業実施能力とは関係のない規定である。 次に,「パートナーは,LPSに対して金員を貸し付けることができ,LPSと他の取引を行うことができる」との州LPS法の規定(25.10.070)については,法人ではない任 係のない規定である。 次に,「パートナーは,LPSに対して金員を貸し付けることができ,LPSと他の取引を行うことができる」との州LPS法の規定(25.10.070)については,法人ではない任意組合においても,任意組合の団体的性質から,組合員と任意組合との取引及びそれに基づく権利義務が観念されているように,判断基準2の該当性の根拠となり得る規定ではない。 b 被告は,州PS法25.05.060の規定を「パートナーシップにより取得された財産は,(中略)パートナー個人の財産ではない」と訳し,また,州PS法25.05.200の規定を「パートナーは,(中略)いかなる 移転可能なパートナーシップの財産における持分も保有しない」と訳し,これらがLPSの権利義務帰属主体性の根拠となると主張する。 しかし,そもそも「own」という語は「所有」と同義ではない上,州PS法25.05.060の規定は,パートナーが個別に「own」するものではないと定めるにとどまり,また,州PS法25.05.200の規定も,パートナーの移転可能な持分は「personalproperty」のみであると定めるにとどまり,移転の制限されている持分を有することを示す規定である。すなわち,これらの規定が意味するところは,法人でない任意組合において,組合員の持分の譲渡が制限されていることと同じであり,LPSの権利義務帰属主体性の根拠となるものではない。 c 被告は,「各パートナーは,…連帯して全てのパートナーシップの義務に対し責任を負う」との規定(州PS法25.05.125(1))を根拠に,まずLPS自身が負う義務が存在しており,その義務についてGPが連帯して義務を負うものとされていると主張する。 しかし,被告は,この規定によりなぜLPS自身が負う義務が存在 (1))を根拠に,まずLPS自身が負う義務が存在しており,その義務についてGPが連帯して義務を負うものとされていると主張する。 しかし,被告は,この規定によりなぜLPS自身が負う義務が存在しているといえるのか,また,それがなぜ権利義務帰属主体性に結び付くのかにつき,何ら根拠を示していない。法人ではない任意組合についての組合員の責任や義務の規定(民法675条)も,「組合の債権者は」と規定しており,被告の論法でいうと,任意組合においてもまず組合自身が負う債務が存在しており,それが任意組合の権利義務帰属主体性に結び付くことになる。民法の規定ぶりのみならず,実際にも,任意組合においては,組合員は組合債務について責任や債務を負うのであるが,それにより組合自身の権利義務帰属主体性が導かれるものではない。 また,被告は「jointlyandseverally」という語句につき,訳語を「連帯」として,パートナーが連帯責任を負うことを強調しようとす るが,これはパートナー間の義務の態様であって,LPSの権利義務帰属主体性とは関係がない。むしろ,各パートナー間で連帯して責任や義務を負うということは,LPSの資産や債務の独立性及び主体性がないため,個々のパートナーに責任を負わせる必要があるからであり,LPSの権利義務帰属主体性を否定するものにほかならない。 (エ) したがって,本件各LPSは,権利義務の帰属主体とは認められないので,判断基準2によって法人該当性が否定されることは明らかである。 エ平成27年最高裁判決が言い渡される前の原告らの主張の要旨(ア) 外国の法令によって設立された事業体が我が国の租税法上の「法人」に該当するか否かは,以下に述べるとおり,外国の法令の規定内容から形式的に判断すべきである。 租税法律主義(憲法 主張の要旨(ア) 外国の法令によって設立された事業体が我が国の租税法上の「法人」に該当するか否かは,以下に述べるとおり,外国の法令の規定内容から形式的に判断すべきである。 租税法律主義(憲法84条)の下では,課税要件の定めは明確でなければならないこと,租税法が私法上の概念を特段の定義なく用いている場合には,租税法律主義や法的安定性の確保の観点から,本来的に私法上の概念と同じ意義に解するのが相当であることをも併せ考慮すれば,我が国の租税法上の法人も,その準拠法によって法人とする(法人格を付与する)旨を規定されたものをいうと解すべきである。この点につき,民法35条1項の「外国法人」とは,外国の法令に準拠して法人として成立した団体,すなわち外国の法令に準拠して法人格を付与された団体をいうものと解される。 したがって,外国の法令に準拠して組成された事業体が我が国の租税法上の法人に該当するか否かも,基本的には,当該外国の法令の規定内容から,その準拠法である当該外国の法令によって法人とする(法人格を付与する)旨を規定されていると認められるか否かという形式的基準により判断されるべきである。 (イ) 米国の州法上,LPSは,以下のとおり,法人格を付与されていると は認められない。 a 我が国の英米法に関する文献等において,米国の州法に基づくLPSが「法人」ではない旨の記述がされているものが多く存在し,また,税務当局の実務家又はその経験者の著書にも,米国の州法に基づくLPSが「法人」ではない旨を記述しているものがある。平成12年の総理府(当時)の税制調査会法人課税小委員会の討議用資料(同年4月28日付け「法人税制関係資料―法人税の現状と課題―」(甲69)。 以下「本件討議用資料」という。)も,LPSが米国州法上法人格を 総理府(当時)の税制調査会法人課税小委員会の討議用資料(同年4月28日付け「法人税制関係資料―法人税の現状と課題―」(甲69)。 以下「本件討議用資料」という。)も,LPSが米国州法上法人格を付与されていないことを前提としている。 b 本件各LPSの準拠法には,以下のとおり,LPSが法人である(法人格を有する)と定めた規定はない。 (a) 州LPS法は,LPSをパートナーシップであると規定するだけである。米国の法令上,我が国の租税法(私法)上の法人に相当する概念は「company」や「corporation」であり,パートナーシップは,「company」や「corporation」とは異なるものであるとされている。2001年(平成13年)改訂前の統一LPS法典の巻頭注釈においても,LPSが「corporation」と異なることが明記されている。州事業法人法でも,LPSについては別途の定義が置かれ,「corporation」と明確に区別されている。 (b) LPSがパートナーと異なる主体(entity)であるという規定は州LPS法には置かれていない。 (c) パートナーシップは,本質的に契約関係であり,伝統的に構成員から独立した法人格を有しないとされてきたものであり,エンティティ(entity)理論の採用後も,その本質に変わりはないのであるから,そのようなパートナーシップに適用される州PS法の規定が法人格を定めたものと解することはできない。 (d) そもそも,米国の「entity」とは,広範な概念であり,我が国の「団体」という程度の概念に相当するものにすぎない。そのため,LPSがパートナーと「distinct」な「entity」であるということは,単にLPSがパートナーとは区別された団体という程度の意味を有するにすぎ 程度の概念に相当するものにすぎない。そのため,LPSがパートナーと「distinct」な「entity」であるということは,単にLPSがパートナーとは区別された団体という程度の意味を有するにすぎない。 ①州PS法において,パートナーシップはその名においてしか取引できないものではないこと,②パートナー名義で保有されるパートナーシップの財産を当該パートナーが他のパートナーに無断で譲渡した場合,パートナーシップは相手方の悪意等の立証など一定の厳しい要件を満たす場合にしかその財産を取り戻すことはできないこと,③取引の効果の帰属の面でも,パートナー名義で取得した財産がパートナーシップ又はパートナーのいずれに帰属するかはパートナーの意図によって決まるものとされていることからすると,パートナーシップはパートナーから独立した取引主体とはいい難い。 (ウ) 以上のとおり,本件各LPSの準拠法に,LPSが法人である(法人格を有する)と定めた規定はなく,本件各LPSは法人に該当しない。 (エ) 被告は,パートナーシップにより取得された財産は,パートナーシップの財産であり,パートナー個人のものではないとされている旨主張するが,州PS法において,ある者がパートナーシップにおけるパートナーの持分の全部を有する場合には,パートナーシップの財産はその者に属する(州PS法25.05.105(4))とされていることなどから,州PS法においてもパートナーシップが取得した財産は個々のパートナーの財産にならないとはいえない。 また,パートナーはLPS契約により合意すれば州LPS法に定めるもの以外の権利を有することができるのであり,実際,本件各LPS契約では,各パートナーがLPSの資産の利用による利益も含めてLPS について所有持分(「ownership 州LPS法に定めるもの以外の権利を有することができるのであり,実際,本件各LPS契約では,各パートナーがLPSの資産の利用による利益も含めてLPS について所有持分(「ownershipinterest」)を有することが明らかに合意されている。 (2) 争点(2)(本件Z建物の減価償却費を原告天賞堂の所得の金額の計算上損金に算入することの可否)について(被告の主張の要旨)ア Z-LPSは,我が国の租税法上「法人」に該当するものであるから,Z-LPSが行った不動産賃貸事業に係る減価償却費を含む損益は,Z-LPSに帰属する。 そうすると,本件Z建物の減価償却費を,原告天賞堂が有する減価償却資産の償却費として,原告天賞堂の所得金額の計算上損金の額に算入することはできない。その結果,原告天賞堂の所得金額は,別紙4「課税の根拠及び計算」の第1のとおりとなる。 以上のとおり,原告天賞堂は,本件Z建物の減価償却費を,本件各事業年度の法人税に係る所得の金額の計算上,損金の額に算入することはできないことから,本件法人各処分はいずれも適法である。 イ本件各LPSが我が国の租税法上の「法人」に該当するか否かの点をおくとしても,本件Z建物は,原告天賞堂の「有する」減価償却資産(法人税法31条1項)に当たらないから,法人税法の減価償却資産に関する各規定からも,原告天賞堂が本件Z建物の減価償却費を損金の額に算入することは認められない。 すなわち,減価償却資産を「有する」とは,一般的には,当該減価償却資産につき,私法上,所有権を有することを意味すると解すべきであるところ,州PS法が,パートナーシップにより取得された財産はパートナーシップの財産でありパートナーはパートナーシップの財産の共同所有者とならない旨を定めていること及び本件各L 味すると解すべきであるところ,州PS法が,パートナーシップにより取得された財産はパートナーシップの財産でありパートナーはパートナーシップの財産の共同所有者とならない旨を定めていること及び本件各LPSに係る契約内容その他の各事実によれば,本件Z建物を本件各事業年度終了の時において「所有」し ていたのはZ-LPSであり,本件Z建物は,原告天賞堂の「有する」減価償却資産に当たらない。 ウ仮にLPSが営む不動産賃貸事業に係る損益が原告天賞堂に直接帰属すると認められる場合であっても,本件各LPSのLPである原告天賞堂が割当てを受けた計算上の損失がその出資の額を超えている場合において,原告天賞堂が当該損失の額のうち損金の額に算入できる金額は,出資の額を限度とする額にとどまる。すなわち,法人税法22条3項の「損金」とは,資本等取引以外の取引で純資産の減少の原因となる支出その他経済的価値の減少をいうところ,ある事業体が有限責任の構成員に持分割合等に応じた損失を割り当てたとしても,有限責任の構成員においては,出資の額を超えて債務(負債)を負うことはないことからすると,その割り当てられた損失のうち,当該構成員の投下資本(出資の額)を超える部分については,当該構成員の所得金額の計算上,益金の額から控除される損金の額に該当せず,課税上考慮する必要はない。 エなお,本件Z建物は,石造であり,減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表第1に掲げる「木造又は合成樹脂のもの」には当たらない。 (原告らの主張の要旨)ア本件各LPSは我が国の租税法上の法人に該当しないから,Z-LPSが営む不動産賃貸事業に係る減価償却費を含む損益は,Z-LPSではなく原告天賞堂に直接帰属することとなる。したがって,建物に係る減価償却費は,原告天賞堂が有する減価償却 に該当しないから,Z-LPSが営む不動産賃貸事業に係る減価償却費を含む損益は,Z-LPSではなく原告天賞堂に直接帰属することとなる。したがって,建物に係る減価償却費は,原告天賞堂が有する減価償却資産の償却費として,原告天賞堂の所得金額の計算上損金の額に算入される(法人税法31条1項)。 イ被告は,原告天賞堂が本件Z建物を「有する」(法人税法31条1項)ものではないと主張するが,同項は「所有権を有する」とは明文上規定していない。形式的には所有権を有しない者であっても,その資産の減耗分の実質的な負担者については減価償却が認められるところ,本件各LPS においては,損益が構成員に帰属することとされていることから,資産の減耗分の実質的な負担者は,本件各LPSではなく,その構成員であることが明らかである。 ウ被告は,原告天賞堂が当該損失の額のうち損金の額に算入できる金額は出資の額を限度とする額にとどまると主張するが,法人税法22条3項によれば,損金については,「別段の定め」がない限り,減価償却費も支払利子も必要な費用としてその全額が損金となるものとされていることは条文上明らかであるところ,租税法律主義及び課税要件明確主義が妥当する租税法においては,所得計算の原則と例外は明確に定められなければならず,特に,法令が明文で「別段の定め」を要求している場合には,その反対解釈として,その定めが規定されたのと同じ結論を解釈によって導くことはできないと解すべきである。 エなお,本件Z建物は,木造である。 (3) 争点(3)(本件各不動産事業により生じた損益を承継前原告の不動産所得の金額の計算上収入金額又は必要経費に算入することの可否)について(被告の主張の要旨)ア本件各LPSは,我が国の租税法上の「法人」に該当するのであるから, 生じた損益を承継前原告の不動産所得の金額の計算上収入金額又は必要経費に算入することの可否)について(被告の主張の要旨)ア本件各LPSは,我が国の租税法上の「法人」に該当するのであるから,本件各LPSが行う不動産賃貸事業に係る損益は,その事業を行った本件各LPSに帰属する。 したがって,本件各LPSが行った不動産賃貸事業に基因して承継前原告に損益が分配されているとしても,これらが不動産所得としての性質を有したまま承継前原告に帰属することはなく,当該損益は,承継前原告の不動産所得の金額の計算における収入金額又は必要経費に該当せず,これらに算入することはできない。また,本件各建物に係る減価償却費についても,不動産所得の金額の計算における必要経費に算入する余地はない。 イ本件各LPSが我が国の租税法上の「法人」に該当するか否かの点をお くとしても,本件各建物は,承継前原告の「有する」減価償却資産(所得税法49条1項)に当たらないから,所得税法の減価償却資産に関する各規定からも,承継前原告が本件各建物に係る減価償却費を必要経費に算入することは認められない。 すなわち,前記(2)(被告の主張の要旨)イと同様に,本件各建物を平成19年ないし平成23年の各12月31日において「所有」していたのは,承継前原告ではなく,本件Z建物につきZ-LPSであり,本件G建物につきGVA-LPSであるから,本件各建物は,承継前原告の「有する」減価償却資産に当たらない。 ウ仮にLPSが営む不動産賃貸事業に係る損益が承継前原告に直接帰属すると認められる場合であっても,本件各LPSのLPである承継前原告が割当てを受けた計算上の損失がその出資の額を超えている場合において,承継前原告が当該損失の額のうち必要経費に算入できる金額は,出資の額を限度 れる場合であっても,本件各LPSのLPである承継前原告が割当てを受けた計算上の損失がその出資の額を超えている場合において,承継前原告が当該損失の額のうち必要経費に算入できる金額は,出資の額を限度とする額にとどまる。すなわち,不動産所得に係る必要経費は,個人の純資産を減少させ,その担税力を減殺させるものであることを前提とするものであり,当該個人が実際に負担することのない費用は所得税法37条1項の必要経費に該当しないところ,ある事業体が,有限責任の構成員に持分割合等に応じた損失を割り当てたとしても,有限責任の構成員においては,出資の額を超えて債務(負債)を負うことはないことからすると,その割り当てられた損失のうち,当該構成員の投下資本(出資の額)を超える部分については,当該構成員の所得金額の計算上,収入金額から控除される必要経費に該当せず,課税上考慮する必要はない。 エなお,本件Z建物は,石造であり,減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表第1に掲げる「木造又は合成樹脂のもの」には当たらない。 (原告らの主張の要旨)ア本件各LPSは我が国の租税法上の法人に該当しないから,本件各LP Sが営んでいる不動産賃貸事業に係る損益は,本件各LPSではなく承継前原告に直接帰属することとなる。したがって,それぞれの建物の貸付けに係る所得は承継前原告の不動産所得(所得税法26条1項)となり,貸付けにより生じた賃貸料等が不動産所得の収入金額に算入され,不動産所得の収入金額を得るために直接要した費用の額及びその年における販売費,一般管理費その他これらの所得を生ずべき義務について生じた費用が不動産所得に係る必要経費に算入される。 イ被告は,承継前原告が本件各建物を「有する」(所得税法49条1項)ものではないと主張するが,同項は「所有権を れらの所得を生ずべき義務について生じた費用が不動産所得に係る必要経費に算入される。 イ被告は,承継前原告が本件各建物を「有する」(所得税法49条1項)ものではないと主張するが,同項は「所有権を有する」とは明文上規定していない。形式的には所有権を有しない者であっても,その資産の減耗分の実質的な負担者については減価償却が認められるところ,本件各LPSにおいては,損益が構成員に帰属することとされていることから,資産の減耗分の実質的な負担者は,本件各LPSではなく,その構成員であることが明らかである。 ウ被告は,承継前原告が当該損失の額のうち必要経費に算入できる金額は,出資の額を限度とする額にとどまると主張するが,所得税法37条1項によれば,不動産所得の必要経費については,「別段の定め」がない限り,減価償却費も支払利子も必要な費用としてその全額が必要経費となるものとされていること,また,同法69条1項によれば,不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額が,給与所得や事業所得の金額と通算可能であることは,条文上明らかであるところ,租税法律主義及び課税要件明確主義が妥当する租税法においては,所得計算の原則と例外は明確に定められなければならず,特に,法令が明文で「別段の定め」を要求している場合には,その反対解釈として,その定めが規定されたのと同じ結論を解釈によって導くことはできないと解すべきである。 エなお,本件Z建物は,木造である。 (4) 争点(4)(国税通則法65条4項に定める「正当な理由」の有無)について(原告らの主張の要旨)ア国税通則法65条4項に定める「正当な理由」の解釈最高裁平成17年(行ヒ)第20号同18年10月24日第三小法廷判決・民集60巻8号3128頁においては,国税通則法65条4項にいう「正当 ア国税通則法65条4項に定める「正当な理由」の解釈最高裁平成17年(行ヒ)第20号同18年10月24日第三小法廷判決・民集60巻8号3128頁においては,国税通則法65条4項にいう「正当な理由が認められる」場合について,「真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,過少申告加算税の趣旨に照らしてもなお納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合をいう」という規範を前提とした上で,課税庁が,租税法規の解釈上微妙な点を含む問題について,従来の解釈を改め,課税上の取扱いを変更したにもかかわらず,変更後の取扱いが国民の間に定着するような必要な措置を講じていなかったことによって生じた新解釈の未定着な状態に着目し,そのような視点から,納税者が従来の解釈ないし取扱いに従って申告したことにつき,それをもって「納税者の主観的事情に基づく単なる法律解釈の誤りにすぎないものということはできない」として同項にいう「正当な理由」を認めている。 また,ある支出について,その法的性質の行政解釈が定まらず,裁判例も判断が分かれている場合に,課税庁が通達を発して取扱いを確定させた事案について,課税上の取扱いが未確定な期間内の誤りには「正当な理由」が認められ得るとの裁判例も存在する(名古屋地裁昭和37年12月8日判決・行裁集13巻12号2229頁)。 さらに,国税庁長官が発遺した平成12年7月3日付け「法人税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて(事務運営指針)」(平成12年課法2-9ほか。以下「本件事務運営指針」という。)は,納税者の責めに帰すべき事由のない場合として,「税法の解釈に関し,申告書提出後新たに法令解釈が明確化されたため,その法令解釈と法人の解釈とが 異なることとなった場合にお 営指針」という。)は,納税者の責めに帰すべき事由のない場合として,「税法の解釈に関し,申告書提出後新たに法令解釈が明確化されたため,その法令解釈と法人の解釈とが 異なることとなった場合において,その法人の解釈について相当の理由があると認められる」ときは,国税通則法65条4項に規定する正当な理由があると認められるものと取り扱うとしている。 イ真に原告天賞堂等の責めに帰することのできない客観的な事情の存在(ア) 平成27年最高裁判決が言い渡されるまで,外国法に基づいて設立された組織体が,外国法人として我が国の租税法上の「法人」に該当するか否かについて,確立された判断基準がなかったものである。 (イ) また,国税庁個人課税課が発遺した平成18年1月27日付け「平成17年度税制改正及び有限責任事業組合契約に関する法律の施行に伴う任意組合等の組合事業に係る利益等の課税の取扱いについて(情報)」(平成18年国税庁個人課税課情報第2号。以下「本件情報」という。 甲119)において,LPS契約等で共同事業性及び財産の共同所有性を有するものについては,原則として,構成員課税が行われ,例外(ただし書)として,パートナーシップ契約であっても,その事業体の個々の実態等により外国法人と認定されるものは除かれると記載され,LPSは原則として我が国の租税法上の法人に該当しないものとされており,現にこれに沿った内容の原告天賞堂等の税務申告に対して特段の指摘もされなかったものである。また,例外的にどのような場合が外国法人と認定されるかについて,本件情報の記載においても明確にされていなかったのである。 また,平成12年の総理府(当時)の税制調査会法人課税小委員会の討議用資料(本件討議用資料。甲69)には,LPSが法人格のないものの代表例として分類さ いても明確にされていなかったのである。 また,平成12年の総理府(当時)の税制調査会法人課税小委員会の討議用資料(本件討議用資料。甲69)には,LPSが法人格のないものの代表例として分類され明記されている。 (ウ) さらに,本件申告当時,外国法に基づいて設立された組織体が外国法人として我が国の租税法上の「法人」に該当するか否かについて,直接争点となり判例集等で公開された裁判例はなかったと思料されるものの, かえって,ケイマン法に基づいて成立されたLPSが我が国の民法における組合の要件を満たし得るものというべきとする裁判例が存在した。 そして,米国のLPSが我が国の租税法上の「法人」に該当するか否かについては,その後の平成27年最高裁判決が言い渡されるまでの下級審の裁判例においても,法人該当性が否定される傾向が強かったものである。 ウ原告天賞堂等に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になること(ア) それにもかかわらず,おそらく,平成22年12月17日に米国デラウェア州のLPSが租税法上の「法人」に該当するとする大阪地裁の裁判例が現れたことを契機として,課税庁は,原告天賞堂等に対し,LPSが租税法上の「法人」に該当することを前提に修正申告を求め,それに応じなかった原告天賞堂等に対し本件各処分をしたものである(原告天賞堂に対する処分は平成23年5月20日付けで,承継前原告に対する処分は平成23年3月10日付けでされた。)。 (イ) 課税庁は,LPSが租税法上の「法人」に該当する余地があることについて,法令の改正もせず,通達にも明記せず,僅かに本件情報の中で,LPSについては構成員課税が原則であるが,パートナーシップ契約であっても当該事業体の個々の実態等により外国法人と認定されるものは例外となる旨を説明しているに 達にも明記せず,僅かに本件情報の中で,LPSについては構成員課税が原則であるが,パートナーシップ契約であっても当該事業体の個々の実態等により外国法人と認定されるものは例外となる旨を説明しているにすぎず,これのみの情報提供の下で,納税者が構成員課税で申告したとしても,無理からぬ面があることは明らかである。 しかも,当時の裁判例に照らしても,原告天賞堂等が本件各不動産事業から生じた損失を原告天賞堂等に直接帰属すると解し,かつ,これが不動産所得に当たるとして損益通算を行ってもやむを得ない傾向にあったということができる。 このような課税上の取扱いが未確定な期間内に解釈の未定着な状態 があり,「税法の解釈に関し,申告書提出後新たに法令解釈が明確化された」場合において,納税者が従来の解釈ないし取扱いに従って申告をしたことにつき,それをもって納税者の主観的事情に基づく単なる法律解釈の誤りによるものということはできないというべきである。 エ以上のとおり,原告天賞堂等が本件各不動産事業から生じた損失を原告天賞堂等に直接帰属すると解し,かつ,これが不動産所得に当たるとして損益通算を行ったことには,真に原告天賞堂等の責めに帰することのできない客観的な事情があり,過少申告加算税の趣旨に照らしてもなお原告天賞堂等に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になるというべきであるから,国税通則法65条4項に定める「正当な理由」があると認められるべきである。 (被告の主張の要旨)ア国税通則法65条4項にいう「正当な理由があると認められる」場合とは,最高裁平成17年(行ヒ)第9号同18年4月20日第一小法廷判決・民集60巻4号1611頁を始めとする数多くの判例及び裁判例を踏まえると,真に納税者の責めに帰することができない客観的な事情があり, ,最高裁平成17年(行ヒ)第9号同18年4月20日第一小法廷判決・民集60巻4号1611頁を始めとする数多くの判例及び裁判例を踏まえると,真に納税者の責めに帰することができない客観的な事情があり,過少申告加算税の趣旨に照らしても,なお,納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合をいうのであり,納税者側の主観的な事情や法の不知又は解釈の誤りは含まれないと解される。 イそして,本件討議用資料は,平成12年の総理府(当時)の税制調査会法人課税小委員会の討議用資料として提出された資料であり,同資料中の48頁の表「日米における事業体に係る課税上の取扱い」(事業体課税対比表)は,日米それぞれにおける様々な事業体に関する法制度の違いなどを一般化して説明するための資料として作成されたものにすぎない。また,その記載内容においても,飽くまで米国のLPSが米国の課税上の取扱いにおいて法人格がないものとされていることや,米国のLPSが米国にお いて非法人の事業組織体とされていること,すなわち,米国において法人とは取り扱われていないことを述べているにとどまるのであるから,これをもって,我が国においても米国のLPSが一律に法人に該当しないものとして取り扱われることが記載されたものと解することは到底できない。 そうすると,原告天賞堂等が,本件討議用資料に基づき,米国のみならず日本においても本件各LPSが法人に該当しないものと取り扱われると解して確定申告を行ったとしても,それは,資料の記載内容を正解せずに,米国における取扱いが我が国においても直ちに妥当すると誤解して行われたものにすぎず,納税者側の主観的な事情によるものというべきであるから,正当な理由があるとは認められない。 したがって,原告らの主張する事情は,「正当な理由」には該当 妥当すると誤解して行われたものにすぎず,納税者側の主観的な事情によるものというべきであるから,正当な理由があるとは認められない。 したがって,原告らの主張する事情は,「正当な理由」には該当せず,他に真に原告天賞堂等の責めに帰することのできない客観的な事情も存在しないから,この点に関する原告らの主張は失当である。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件各LPSが所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するか否か)について(1) 我が国の租税法上の法人該当性に関する判断の枠組みア本件においては,本件各LPSが行う本件各不動産事業により生じた所得が本件各LPS又は原告天賞堂等のいずれに帰属するかが争われているところ,複数の者が出資をすることにより構成された組織体が事業を行う場合において,その事業により生じた利益又は損失は,別異に解すべき特段の事情がない限り,当該組織体が我が国の租税法上の法人に該当するときは当該組織体に帰属するものとして課税上取り扱われる一方で,当該組織体が我が国の租税法上の法人に該当しないときはその構成員に帰属するものとして課税上取り扱われることになるから,本件における上記の所得の帰属を判断するに当たっては,本件各LPSが所得税法2条1項7号等 に共通の概念として定められている外国法人として我が国の租税法上の法人に該当するか否かが問題となる。 イ我が国の租税法は組織体のうちその構成員とは別個に租税債務を負担させることが相当であると認められるものを納税義務者としてその所得に課税するものとしているところ,ある組織体が法人として納税義務者に該当するか否かの問題は我が国の課税権が及ぶ範囲を決する問題であることや,所得税法2条1項7号等が法人に係る諸外国の立法政策の相違を踏まえた上で外国法人に ところ,ある組織体が法人として納税義務者に該当するか否かの問題は我が国の課税権が及ぶ範囲を決する問題であることや,所得税法2条1項7号等が法人に係る諸外国の立法政策の相違を踏まえた上で外国法人につき「内国法人以外の法人」とのみ定義するにとどめていることなどを併せ考慮すると,我が国の租税法は,外国法に基づいて設立された組織体のうち内国法人に相当するものとしてその構成員とは別個に租税債務を負担させることが相当であると認められるものを外国法人と定め,これを内国法人等とともに自然人以外の納税義務者の一類型としているものと解される。このような組織体の納税義務に係る制度の仕組みに照らすと,外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するか否かは,当該組織体が日本法上の法人との対比において我が国の租税法上の納税義務者としての適格性を基礎付ける属性を備えているか否かとの観点から判断することが予定されているものということができる。そして,我が国においては,ある組織体が権利義務の帰属主体とされることが法人の最も本質的な属性であり,そのような属性を有することは我が国の租税法において法人が独立して事業を行い得るものとしてその構成員とは別個に納税義務者とされていることの主たる根拠であると考えられる上,納税義務者とされる者の範囲は客観的に明確な基準により決せられるべきであること等を考慮すると,外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するか否かについては,上記の属性の有無に即して,当該組織体が権利義務の帰属主体とされているか否かを基準として判断することが相当であると解さ れる。 その一方で,諸外国の多くにおいても,その制度の内容の詳細には相違があるにせよ,一定の範囲の組織体にそ 義務の帰属主体とされているか否かを基準として判断することが相当であると解さ れる。 その一方で,諸外国の多くにおいても,その制度の内容の詳細には相違があるにせよ,一定の範囲の組織体にその構成員とは別個の人格を承認し,これを権利義務の帰属主体とするという我が国の法人制度と同様の機能を有する制度が存在することや,国際的な法制の調和の要請等を踏まえると,外国法に基づいて設立された組織体につき,設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みから,日本法上の法人に相当する法的地位が付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白である場合には,そのことをもって当該組織体が所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当する旨又は該当しない旨の判断をすることが相当であると解される。 以上に鑑みると,外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するか否かを判断するに当たっては,まず,より客観的かつ一義的な判定が可能である後者の観点として,①当該組織体に係る設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みから,当該組織体が当該外国の法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるか否かを検討することとなり(判断基準1),これにより判断できない場合には,次に,当該組織体の属性に係る前者の観点として,②当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かを検討して判断すべきものであり,具体的には,当該組織体の設立根拠法令の規定の内容や趣旨等から,当該組織体が自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が当該組織体に帰属すると認められるか否かという点を検討することとなる(判断基準2)ものと解される(以上につき,平成27年最高裁 当該組織体が自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が当該組織体に帰属すると認められるか否かという点を検討することとなる(判断基準2)ものと解される(以上につき,平成27年最高裁判決参照)。 (2) 米国ワシントン州のLPS関係法令及び本件各LPS契約等の定め 前記前提事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,米国ワシントン州のLPS関係法令及び本件各LPS契約等には,次のとおりの定めがあるものと認められる。なお,邦訳の一部については当事者間に争いがあるが,英米法上の一般的な概念の意義並びに当該各法令及びその規定の趣旨や文脈等に照らし,以下の認定に反する当事者の主張は採用することができない。 ア米国ワシントン州のLPS関係法令の定め(ア) 州LPS法(乙4)a 定義(25.10.010)(a) 「ジェネラル・パートナー」(GP)とは,パートナーシップ契約に従い,GPとしてLPSに認められ,GPとしてLPSの証明書において指名された者(person)をいう(25.10.010(5))。 (b) 「リミテッド・パートナー」(LP)とは,パートナーシップ契約に従い,LPとしてLPSに認められた者(person)をいう(25.10.010(6))。 (c) 「リミテッド・パートナーシップ」(LPS)及び「州内リミテッド・パートナーシップ」とは,米国ワシントン州の法律に基づき2名以上の者(persons)によって設立され,1名以上のGP及び1名以上のLPを有するパートナーシップをいう(25.10.010(7))。 (d) 「パートナー」とは,LP又はGPをいう(25.10.010(8))。 (e) 「パートナーシップ契約」とは,LPSの事業及びその事業運営に関する書面又は口頭によるパートナー 0(7))。 (d) 「パートナー」とは,LP又はGPをいう(25.10.010(8))。 (e) 「パートナーシップ契約」とは,LPSの事業及びその事業運営に関する書面又は口頭によるパートナー間の有効な契約をいう(25.10.010(9))。 (f) 「パートナーシップの持分(partnershipinterest)」とは,LPSの利益及び損失に関するパートナーへの割当て及びパートナーシップの財産の分配を受領する権利をいう(25.10.010(10))。 (g) 「者(person)」とは,個人,コーポレーション(corporation), 事業信託,遺産財団,信託,パートナーシップ,リミテッド・ライアビリティー・カンパニー,アソシエーション,ジョイントベンチャー,政府又はその部局,外局若しくは補助部門その他の法的又は商業上の主体(entity)をいう(25.10.010(11))。 b 事業の性質(25.10.060)LPSは,LPのいないパートナーシップが行うことができるあらゆる事業を行うことができる。 c パートナーとパートナーシップとの事業の取引(25.10.070)パートナーシップ契約に別段の定めがある場合を除き,パートナーは,LPSに対して金員を貸し付けることができ,LPSと他の取引を行うことができる。この場合において,パートナーは,他の適用される法令に従い,パートナーでない者(person)が有するのと同様の権利及び義務を有する。 dLPの第三者に対する義務(25.10.190)25.10.190(4)に定める場合を除き,LPは,自己がGPでない限り,又はLPとしての権利若しくは権限の行使に加えてLPSの事業の運営に参加していない限り,LPSの義務(theobligationsofal )に定める場合を除き,LPは,自己がGPでない限り,又はLPとしての権利若しくは権限の行使に加えてLPSの事業の運営に参加していない限り,LPSの義務(theobligationsofalimitedpartnership)についての責任を負わない。ただし,LPは,LPSの事業の運営に参加する場合において,当該LPの行為により当該LPがGPであると合理的に信じてLPSと取引を行った者に対してのみ,上記の責任を負う。(25.10.190(1))LPは,LPSの権利(therightofthelimitedpartnership)に関して派生する訴訟(以下「派生訴訟」という。)を提起し又は追行するために法令により要求され又は許容される措置を執ること等を単に行っただけでは,上記にいう事業の運営に参加したことにはならない(25.10.190(2)(d))。 eGPの一般的な権限及び義務(25.10.240)(a) 州LPS法又はパートナーシップ契約に別段の定めのある場合を除き,LPSのGPは,LPを有しないパートナーシップにおけるパートナーの権利及び権限を有し,かつ,これらの制限に服する(25.10.240(1))。 (b) 州LPS法に別段の定めのある場合を除き,LPSのGPは,当該LPS及び他のパートナー以外の者に対し,LPを有しないパートナーシップにおけるパートナーの義務を負う。州LPS法又はパートナーシップ契約に別段の定めのある場合を除き,LPSのGPは,当該LPS及び他のパートナーに対し,LPを有しないパートナーシップにおけるパートナーの義務を負う。(25.10.240(2))f 現物分配(25.10.350)パートナーシップ契約に別段の定めのある場合を除き,出資の性格にかかわらず,パ いパートナーシップにおけるパートナーの義務を負う。(25.10.240(2))f 現物分配(25.10.350)パートナーシップ契約に別段の定めのある場合を除き,出資の性格にかかわらず,パートナーは,現金以外の形式で,LPSからいかなる分配も要求し受領する権利を有しない(25.10.350前段)。 g パートナーシップの持分の性質(25.10.390)パートナーシップの持分は,人的財産権(personalproperty)である。 h 州LPS法に定めがない場合の規律(25.10.660)州LPS法に定めがない場合には,州PS法又はその後継法令の規定が適用される。 (イ) 州PS法(乙5)a 主体(entity)としてのパートナーシップ(25.05.050)パートナーシップは,パートナーとは別個の主体(anentitydistinctfromitspartners)である。 b パートナーシップの設立(25.05.055) 州PS法以外の法令若しくは旧法令又は他の法域のこれらに相当する法令に基づき設立されたアソシエーション(association)は,州PS法に基づくパートナーシップではない(25.05.055(2))。 c パートナーシップの財産(25.05.060)パートナーシップにより取得された財産は,当該パートナーシップの財産であって,パートナー個人の財産ではない。 d パートナーシップの代理人としてのパートナー(25.05.100(1)前段)パートナーは,その事業の目的のためのパートナーシップの代理人(anagentofthepartnership)である。 e パートナーの義務(25.05.125(1))全ての各パートナーは,権利を主 のためのパートナーシップの代理人(anagentofthepartnership)である。 e パートナーの義務(25.05.125(1))全ての各パートナーは,権利を主張する者により別段の同意がされ,又は法令に別段の定めのない限り,連帯して全てのパートナーシップの義務(allobligationsofthepartnership)に対し責任を負う。 f パートナーの権利及び義務(25.05.150(7))パートナーは,パートナーシップの代理としてのみ,パートナーシップの財産を使用し又は保有することができる。 g パートナーシップの財産の非共同所有者としてのパートナー(25.05.200)パートナーは,パートナーシップの財産の共同所有者ではなく,任意であるか強制であるかを問わず,いかなる移転可能なパートナーシップの財産における持分も保有しない。 (ウ) 改正州LPS法(乙6)a 定義(25.10.011)(a) LPSにおける「ジェネラル・パートナー」とは,①25.10.371に基づいてGPとなる者(person)又は②25.10.911(1)若しくは(2)に基づいてLPSが改正州LPS法の適用を受けることとなった時 に当該LPSのGPであった者(person)をいう(25.10.011(8)(a))。 (b) LPSにおける「リミテッド・パートナー」とは,①25.10.301に基づいてLPとなる者(person),又は②25.10.911(1)又は(2)に基づいてLPSが改正州LPS法の適用を受けることとなった時に当該LPSのLPであった者(person)をいう(25.10.011(10)(a))。 (c) 「リミテッド・パートナーシップ」(LPS)とは, LPSが改正州LPS法の適用を受けることとなった時に当該LPSのLPであった者(person)をいう(25.10.011(10)(a))。 (c) 「リミテッド・パートナーシップ」(LPS)とは,「州外リミテッド・パートナ-シップ」及び「州外リミテッド・ライアビリティ・リミテッド・パートナーシップ」という用語における場合を除き,改正州LPS法に基づき2名以上の者(persons)により設立され,又は改正州LPS法11条,25.10.911(1)若しくは同条(2)に基づき改正州LPS法の適用を受ける,1名以上のGP及び1名以上のLPを有する主体(entity)をいう(25.10.011(11))。 (d) 「パートナー」とは,LP又はGPをいう(25.10.011(12))。 (e) 「パートナーシップ契約」とは,口頭によるものか,黙示的なものか,記録されているものか,又はこれらの組合せであるかを問わず,LPSに関するパートナーの合意をいう。「パートナーシップ契約」には,修正された契約が含まれる。 (f) 「者(person)」とは,個人,コーポレーション(corporation),事業信託,遺産財団,信託,パートナーシップ,リミテッド・ライアビリティ・カンパニー,アソシエーション,ジョイントベンチャー,政府又はその部局,外局若しくは補助部門その他の法的又は商業上の主体(entity)をいう(25.10.011(14))。 (g) 「譲渡可能持分(transferableinterest)」とは,パートナーの分配を受ける権利をいう(25.10.011(22))。 b 主体(entity)の性質,目的及び存続期間(25.10.021)(a) LPSは,そのパートナーとは別個の主体(anentitydistinct f 10.011(22))。 b 主体(entity)の性質,目的及び存続期間(25.10.021)(a) LPSは,そのパートナーとは別個の主体(anentitydistinct fromitspartners)である(25.10.021(1))。 (b) LPSは,あらゆる合法的な目的のために改正州LPS法に基づき設立されることができる(25.10.021(2))。 (c) LPSは,無期限に存続することができる(25.10.021(3))。 cLPSの権限(25.10.031)LPSは,自身が活動する上で必要な又は便宜的なあらゆることを行う権限を有する。その権限には,自己の名により訴訟を提起し又は提起される権限及び訴訟行為をする権限並びにパートナーのパートナーシップ契約違反又はパートナーシップに対する義務違反によってLPSが被った損害について当該パートナーに対して訴訟を提起する権限が含まれる。 d パートナーとパートナーシップとの商取引(25.10.101)パートナーは,LPSに金銭を貸し付けること及びLPSと他の取引を行うことができ,当該貸付け又は他の取引に関し,パートナーではない者(person)が有するのと同様の権利及び義務を有する。 eLPSを拘束するLPとしての権限の不存在(25.10.311)LPは,LPとして,LPSを代理し又は拘束する権利又は権限を有しない。 fLPSの義務に対するLPとしての責任の不存在(25.10.321)LPSの義務(anobligationofalimitedpartnership)は,それが契約上生じたもの,不法行為により生じたもの又はそれ以外のものであっても,LPの義務ではない。LPは,LPSの経営及び管理に参加している場合であっても,L tedpartnership)は,それが契約上生じたもの,不法行為により生じたもの又はそれ以外のものであっても,LPの義務ではない。LPは,LPSの経営及び管理に参加している場合であっても,LPであるという理由のみによって,LPSの義務に対して,出資その他の方法により,直接的にも間接的にも個人として責任を負うことはない。 gLPSの代理人としてのGP(25.10.381) 各GPは,LPSの活動における当該LPSの代理人(anagentofthelimitedpartnership)である。GPの行為は,パートナーシップの名で記録に署名することを含め,それが明らかにLPSの通常業務の一環として行われる活動であるか又はLPSが行う類の活動である場合には,当該LPSを拘束する。ただし,当該GPが特定の事項に関し当該LPSを代理する権限を有しておらず,当該GPと取引をした者(person)が,当該GPがその権限を有していないことを知っていたか,その通知を受けていたか,又は25.10.016(4)に基づき認識していた場合を除く。 hGPの責任(25.10.401(1))本項の(2)及び(3)(25.10.401(2)及び(3))に別途規定されている場合を除き,全てのGPは,権利を主張する者による別途の同意又は法令の規定がない限り,LPSの全ての義務(allobligationsofthelimitedpartnership)に対し連帯して責任を負う。 iGPの経営権(25.10.421(1))各GPは,LPSの活動の管理及び運営において同等の権利を有する。改正州LPS法に別段の定めがある場合を除き,LPSの活動に関するあらゆる事項は,GP(GPが2名以上ある場合には,GPの多数)によって独占的 LPSの活動の管理及び運営において同等の権利を有する。改正州LPS法に別段の定めがある場合を除き,LPSの活動に関するあらゆる事項は,GP(GPが2名以上ある場合には,GPの多数)によって独占的に決定される。 j 現物分配(25.10.486前段)パートナーは,現金以外の形で,LPSからの分配を要求し又は受領する権利を有しない。 k パートナーの譲渡可能持分(25.10.546)パートナーが譲渡することができる唯一の持分は,当該パートナーが有する譲渡可能持分(transferableinterest)である。譲渡可能持分は,人的財産権(personalproperty)である。 l 派生訴訟(25.10.706)パートナーは,次に掲げる場合には,LPSの権利(arightofalimitedpartnership)を行使するために派生訴訟を追行することができる。(以下略)m 既存関係への適用(25.10.911)(a) 2010年(平成22年)7月1日より前において,改正州LPS法は,次のものに対してのみ適用される(25.10.911(1))。 ① 2010年1月1日以後設立されたLPS② 25.10.911(3)及び(4)に別途規定されている場合を除き,2010年1月1日より前に設立され,パートナーシップ契約又は当該契約を修正する法令に定められている方法により改正州LPS法に服することを選択したLPS(b) 25.10.911(3)に別途規定されている場合を除き,改正州LPS法は,2010年7月1日から,全てのLPSに適用される(25.10.911(2))。 (c) 2010年1月1日より前に設立されたLPSについては,パートナーシップ契約又は当該契約を 正州LPS法は,2010年7月1日から,全てのLPSに適用される(25.10.911(2))。 (c) 2010年1月1日より前に設立されたLPSについては,パートナーシップ契約又は当該契約を修正する法令に定められた方法によりパートナーが別途の選択をしている場合を除き,次の規定が適用される(25.10.911(3))。 ① 25.10.021(3)(注・上記b(c)の存続期間を無期限とする規定)は適用されず,上記LPSは,2010年1月1日の直前に適用される法令に基づくいかなる存続期間の規律にも服する。 ② 上記LPSは,25.10.201(1)(d)(注・LPSの証明書の必要的記載事項)を遵守するためのLPSの証明書の修正を求めることができない。 ③ 25.10.511及び25.10.516(注・LPの脱退の要件及び効果に関 する規定)は適用されず,LPは,上記LPSからの脱退に関して,2010年1月1日の直前に存在したものと同一の権限を有し,同一の結果を伴う。 ④ 25.10.521(4)(注・GPの同意による除名に関する規定)は適用されない。 ⑤ 25.10.521(5)(注・GPの裁判による除名に関する規定)は適用されず,裁判所は,GPの除名に関して,裁判所が2010年1月1日の直前に有したものと同一の権限を有する。 ⑥ 25.10.571(3)(注・解散に関する規定)は適用されず,GPの脱退と上記LPSの解散との関係は,2010年1月1日の直前に存在したものと同一である。 イ Z-LPSに関する契約(ア) 天賞堂Z持分取得契約(乙9)GRE-LLCの表明及び保証(4条)GRE-LLCは,原告天賞堂に対し,Z-LPSはワシントン州法の下で組織された有効に存在するLPSであり,現時点で行われている 賞堂Z持分取得契約(乙9)GRE-LLCの表明及び保証(4条)GRE-LLCは,原告天賞堂に対し,Z-LPSはワシントン州法の下で組織された有効に存在するLPSであり,現時点で行われている事業を営むための全ての権利及び権限を有していることを表明し保証し約束する(4条(a))。 (イ) X1Z持分取得契約(乙11)GRE-LLCの表明及び保証(4条)GRE-LLCは,承継前原告に対し,Z-LPSはワシントン州法の下で組織された有効に存在するLPSであり,現時点で行われている事業を営むための全ての権利及び権限を有していることを表明し保証し約束する(4条(a))。 (ウ) 第三次Z-LPS契約(乙12)a 運営の継続(2条) 各パートナーは,本契約に定める諸条件に基づき,Z-LPSの運営を継続することに同意する。本契約に別段の定めがある場合を除き,各パートナーの権利及び義務については,法令の規定が適用される。 本契約は,第二次Z-LPS契約に全体として取って代わるものである。 b 目的(5条)Z-LPSが営む事業の主要な目的及び一般的特徴は,「ZindorfApartments」として一般的に知られている米国ワシントン州シアトル市内に所在するアパートメント(本件Z建物)を所有し管理し運営することである。 cGPの総括的代理権及び権限(12.1条)12.8条,12.9条,12.10条及びその他本契約に定められる事項を除き,GPは,Z-LPSの経営,運営及び管理をし,Z-LPSの事業及び業務を維持し運営するために適切又は必要とされる全てのことを行い,決定する独占的権利及び権限を有するものとする。(中略)GPは,本契約によりGPに付与される特定の権利及び権限に加えて,Z-LPSのために行動し又はZ-LP に適切又は必要とされる全てのことを行い,決定する独占的権利及び権限を有するものとする。(中略)GPは,本契約によりGPに付与される特定の権利及び権限に加えて,Z-LPSのために行動し又はZ-LPSを拘束する全ての排他的な権限及び代理権を含め,現存する又は今後改正される州LPS法において規定されるGPの全ての権利及び権限を保有し享受し行使することができる。GPの権限及び代理権は,Z-LPSの業務に関連し付随する全ての事柄を含むものとする。 dLPの地位(13条)財産に対する権利がないこと(13.4条)各LPは,清算その他の場合において,Z-LPSに対し現金以外の形式での分配を要求したり,Z-LPSから現金以外の形式での分配を受領したりするいかなる権利をも有しないものとする。 ウ G-LPSに関する契約(ア) X1G持分取得契約(乙14)G-LPS,GRE社及びGFS-LLCの表明及び保証(4条)G-LPS,GRE社及びGFS-LLCは,承継前原告に対し,Z-LPSはワシントン州法の下で組織された有効に存在するLPSであり,現時点で行われている事業を営むための全ての権利及び権限を有していることを表明し保証し約束する(4条(a))。 (イ) 第三次G-LPS契約(乙15)a 設立(2条)各パートナーは,本契約に定める諸条件に基づき,G-LPSの運営を継続することに同意する。本契約に別段の定めがある場合を除き,各パートナーの権利及び義務については,法令の規定が適用される。 b 目的(5条)G-LPSの唯一の目的及び一般的特徴は,物件(注・本件G建物)を所有する米国ワシントン州のLPSであるGVA-LPSに係るパートナ-シップの持分を所有し売却することである。加えて,G-LPSは,その主 PSの唯一の目的及び一般的特徴は,物件(注・本件G建物)を所有する米国ワシントン州のLPSであるGVA-LPSに係るパートナ-シップの持分を所有し売却することである。加えて,G-LPSは,その主要な事業の目的を遂行するために必要な又は付随する他の事業活動に従事することができる。 cGPの総括的代理権及び権限(11.1条)GPは,G-LPSの経営,運営及び管理をし,G-LPSの事業及び業務を維持し運営するために適切又は必要とされる全てのことを行い,決定する独占的権利と権限を有するものとする。 (ウ) 第三次G-LPS追加契約(乙16)aLPとしての承継前原告の承認(1条)承継前原告は,本契約によって,G-LPSの10.5パーセントの持分権(interest)を保有するG-LPSのLPの地位の承継者と して承認される。本契約に別段の定めがある場合を除き,承継前原告は,第三次G-LPS契約に定められたLPとしてのあらゆる権利,特権及び義務,責任を有するものとする。 b 改定の効力(11条)本契約によって改定される部分を除き,第三次G-LPS契約は,変わりなく従前と同様の効力を有する。 (3) 本件各LPSに係る我が国の租税法上の法人該当性に関する検討ア米国ワシントン州のLPS関係法令の適用関係について(ア) 州LPS法と州PS法との関係a 州LPS法25.10.660は,同法に定めがない場合,州PS法(その改廃があった場合にはその後継法令。以下同じ。)の規定が適用されると定めている(前記(2)ア(ア)h)。したがって,ワシントン州法を準拠法とする本件各LPSにおいても,2010年(平成22年)7月1日以後に改正州LPS法が適用されるまでは,州LPS法に定めがある事項についてはその規定が適用さ h)。したがって,ワシントン州法を準拠法とする本件各LPSにおいても,2010年(平成22年)7月1日以後に改正州LPS法が適用されるまでは,州LPS法に定めがある事項についてはその規定が適用され,同法に定めがない事項については州PS法が適用されることとなる。 b これに対し,原告らは,統一PS法典202(b) 条(州PS法25.05.055(2)(前記(2)ア(イ)b)に相当)は「本章及びその先行法令(中略)以外の法令に基づいて組成される事業体は,本章のパートナーシップではない。」と定めており,これに従うと州PS法の規定はLPSには適用されないことになるから,州PS法と州LPS法の形式上のリンク作用はやや混乱を生じさせるとする文献(甲105の5)の指摘等に照らせば,州PS法の個々の規定がLPSに直接適用されるかについては疑義があると主張する。 しかしながら,統一PS法典の策定及び改訂を行った統一法委員会自体が,統一PS法典は統一LPS法典に定めがない事項についてL PSに適用され続けるとの見解を採っていたものと認められ(甲105の5),州LPS法が同法に定めのない一般的な事項について州PS法の規定が適用されるとしてその規律を同法に委ね,LPSに特有の事項に係る規律を中心に規定を設けていることなど州PS法及び州LPS法の各規定の内容に加え,その他の文献等(甲65,乙42,43)の記載にも照らせば,州PS法と州LPS法は,前者がパートナーシップに関する一般法であり,後者がパートナーシップのうちのLPSに関する特別法であるとみるのが相当であり,前記aの州LPS法25.10.660の法文のとおり,特別法である州LPS法に定めがない事項については一般法である州PS法の規定が適用されるものと解するのが相当である。また,原告ら のが相当であり,前記aの州LPS法25.10.660の法文のとおり,特別法である州LPS法に定めがない事項については一般法である州PS法の規定が適用されるものと解するのが相当である。また,原告らの指摘に係る規定のうち,上記bの統一PS法典202(b)条は,同法典に基づいて設立されたパートナーシップのみが同法典の定めるパートナーシップ(GPS)であることを規定したにとどまるものと解するのが相当であり,上記bの州PS法25.05.055(2)(州PS法以外の法令若しくは旧法令又は他の法域のこれらに相当する法令に基づき設立されたアソシエーション(association)は,州PS法に基づくパートナーシップではないとする規定。前記(2)ア(イ)b)も,州PS法の定めるパートナーシップについて同旨の内容を規定したものにとどまり,いずれも,州PS法の規定がLPSに適用されることの妨げになり得るものとではないと解される。 以上によれば,州PS法の規定がLPSに適用されることについて疑義を呈する原告らの主張は採用することができない。 (イ) 改正州LPS法の適用時期及び州PS法との関係a 改正州LPS法25.10.911(前記(2)ア(ウ)m)によれば,同法の発効日(2010年(平成22年)1月1日)より前に設立されたLP Sであっても,同年7月1日以後は,経過措置の定め(同法25.10.911(c))がある一部の事項を除き,同法が適用される(同日より前に同法に服することを選択することによりその適用を受けることも可能である。)。 本件各LPSについては,同年7月1日以前に改正州LPS法の適用を選択したことを認めるに足りる証拠はないので,同日以後,同法の適用を受けることとなる。なお,改正州LPS法が同日以前の本件各LPSに係 件各LPSについては,同年7月1日以前に改正州LPS法の適用を選択したことを認めるに足りる証拠はないので,同日以後,同法の適用を受けることとなる。なお,改正州LPS法が同日以前の本件各LPSに係る法律関係について遡って適用されるものとは解されないが,同日以後は同法の規律に服することとなるから,同日以後の期間を課税期間に含む承継前原告に対する平成23年分更正処分の適法性を検討するに当たっては,同日以後は改正州LPS法の適用があることを前提に検討することを要する。 b 州LPS法が同法に定めのない一般的な事項について州PS法の規定が適用されるとしてその規律を同法に委ねているのに対し,改正州LPS法は,一部の事項の規律を州PS法に委ねることなくLPSに係る全ての事項を自己完結的に規定した独立した法令として制定されており,前記(ア)aの州LPS法25.10.660のような州PS法の適用関係に関する規定は置かれておらず,これらは上記各州法の制定時に採択された統一LPS法典及び改訂統一LPS法典と統一PS法典との関係についても同様であるところ(前記前提事実(2)イ),改訂統一LPS法典は,その改訂の経緯につき,LPSの規律に係る事項とGPSの規律に係る事項のいずれに属するかの混同を防止することなどを目的として,統一PS法典との連結性を切断してLPSの規律に係る事項を自己完結的に規定した独立した法典として編纂されたものとされていること(乙42(邦訳20,21頁))等に照らすと,改訂統一LPS法典を採択して制定された改正州LPS法が適用されるL PSについては,同法に規定のない事項についても,州PS法の適用はないものと解するのが相当であり,2010年(平成22年)7月1日以後,本件各LPSについては改正州LPS法のみが適用されるものと PSについては,同法に規定のない事項についても,州PS法の適用はないものと解するのが相当であり,2010年(平成22年)7月1日以後,本件各LPSについては改正州LPS法のみが適用されるものと解される。 (ウ) 本件各LPSの関係法令の適用関係以上のとおり,本件各LPSは,州LPS法に基づいて設立されたものであり,2010年(平成22年)6月30日以前は,州LPS法に定めのある事項については同法が,同法に定めのない事項については州PS法がそれぞれ適用され,同年7月1日以後は,改正州LPS法に定めのない事項を含む全ての事項について同法のみが適用されるので,本件各LPSの設立根拠法令であって関連する法制の仕組みを検討すべき法令は,同年6月30日以前は州LPS法及び州PS法であり,同年7月1日以後は改正州LPS法ということとなる。 イ判断基準1に関する検討(ア) まず,州LPS法及び州PS法又は改正州LPS法の規定の文言や法制の仕組みから,本件各LPSがワシントン州法において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるといえるか否か(判断基準1)について検討する。 改正州LPS法の発効の前後を通じて,米国ワシントン州のLPS法においては,LPSは「パートナーとは別個の主体」(anentitydistinctfromitspartners)である旨のエンティティ規定が定められているところ(州PS法25.05.050,改正州LPS法25.10.021(1)),ワシントン州法を含む米国の法令において「entity」が日本法上の法人に相当する法的地位を指すものであるか否かは明確でなく,また,パートナーとは別個の主体とされていることをもって直ちに日本法 ),ワシントン州法を含む米国の法令において「entity」が日本法上の法人に相当する法的地位を指すものであるか否かは明確でなく,また,パートナーとは別個の主体とされていることをもって直ちに日本法上の法人に相当すると いうことはできないから,「anentitydistinctfromitspartners」であるとされる組織体が日本法上の法人に相当する法的地位を有すると評価することができるか否かについても明確ではないといわざるを得ない(なお,平成27年最高裁判決の事案に係る米国デラウェア州のLPS法において,LPSは「separatelegalentity」であるとされており,この「separate」の文言は「distinctfromitspartners」と同様の趣旨と解され,「legal」の文言も付されているが,同最高裁判決では上記と同様の評価がされている。)。そして,州事業法人法(甲73))において,LPSは「corporation」であるとはされておらず,同法の「corporation」の定義規定においても「anentitydistinctfrom」等の文言は用いられていないこと(23B.01.400(4),(18))なども併せ考慮すると,上記のとおり州LPS法及び州PS法又は改正州LPS法においてこれらの米国ワシントン州のLPS法に基づいて設立されるLPSが「anentitydistinctfromitspartners」となるものと定められていることをもって,本件各LPSに日本法上の法人に相当する法的地位が付与されていることが疑義のない程度に明白であるとすることは困難である。他方で,これらの米国ワシントン州のLPS法において,パートナーシップが「個人」や「corporation」等 当する法的地位が付与されていることが疑義のない程度に明白であるとすることは困難である。他方で,これらの米国ワシントン州のLPS法において,パートナーシップが「個人」や「corporation」等と並んで「法的又は商業上の主体(entity)」とされていること(州LPS法25.10.010(11)(前記(2)ア(ア)a(g)),改正州LPS法25.10.011(14)(同(ウ)a(f)))を前提とした上で,上記のようにLPSが「パートナーとは別個の主体」(anentitydistinctfromitspartners)とされており(前記のエンティティ規定),これらの規定は法人の法的地位と抵触しない内容のものであることなどからすれば,本件各LPSに日本法上の法人に相当する法的地位が付与されていないことが疑義のない程度に明白であるとすることも困難である。 したがって,州LPS法及びPS法又は改正州LPS法の規定の文言や法制の仕組みに照らしても,本件各LPSがワシントン州法において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるとはいい難い。 (イ) 以上に対し,被告は,州PS法のエンティティ規定は統一法委員会による統一PS法典の規定と同一であるところ,改訂統一LPS法典におけるエンティティ規定については,文献上(乙36(514頁)),その創設によりLPSに法人格が付与されたものと説明されており,州PS法が適用される本件各LPSについても,設立根拠法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていることが疑義のない程度に明白であるとみるべきである旨主張する(他方,原告は,州PS法のエンティティ規定は,本件各LPSに係る日本法上の法人に相当する法的地位を肯 人に相当する法的地位を付与されていることが疑義のない程度に明白であるとみるべきである旨主張する(他方,原告は,州PS法のエンティティ規定は,本件各LPSに係る日本法上の法人に相当する法的地位を肯定する根拠となるものではない旨主張する。)。 しかしながら,被告の指摘に係る邦文の文献(日本の会社法に関する文献。乙36(514頁))は,特段の理由も挙げずに「entity」に「法人」の訳語をあてた上で,改訂統一LPS法典において州PS法と同一の文言のエンティティ規定が設けられたことのみを根拠に,LPSに法人格が付与されたとの見解を述べるものにとどまり,上記エンティティ規定のみをもって日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていることが疑義のない程度に明白であるとはいい難いことは上記(ア)において説示したとおりであって,上記文献の記述は上記の判断を左右するに足りるものとはいえないから,被告の上記主張は採用することができない。 (ウ) 他方,原告は,米国デラウェア州のLPS法と米国ワシントン州のLPS法との規定の差異は大きく,総合的にみると法的地位を付与されていないと評価し得る要素があるので,本件各LPSがワシントン州法に おいて日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていないことが疑義のない程度に明白であるといえる余地がある可能性もある旨主張するが,上記(ア)において説示したところに加え,上記の指摘に係る両州のLPS関係法令の比較等の観点に照らしても,原告の上記主張は,本件各LPSがワシントン州法において上記法的地位を付与されていないことが疑義のない程度に明白であるとはいい難いとの前示の判断を左右するに足りるものとはいえない。 ウ判断基準2に関する検討(ア) そこで,次に,本件各LPSが我が国の租税法上の法人該当性の実 ことが疑義のない程度に明白であるとはいい難いとの前示の判断を左右するに足りるものとはいえない。 ウ判断基準2に関する検討(ア) そこで,次に,本件各LPSが我が国の租税法上の法人該当性の実質的根拠となる権利義務の帰属主体とされているか否か(判断基準2)について検討する。 aLPSの法律行為の権限等及びその効果の帰属に関する規律(a) 州LPS法及び州PS法州LPS法は,LPSはGPSが行うことができるあらゆる事業を行うことができる旨を定めているところ(25.10.060,前記(2)ア(ア)b),州PS法には,GPSが行うことができる事業について制限を設ける定めは特に置かれていない(乙5)。また,州LPS法は,パートナーはLPSとの間で貸付けその他の取引(法律行為)を行うことができ,この場合において,パートナーは,LPSとの関係で,パートナーでない者(「person」,すなわち個人,コーポレーション等(25.10.010(11),前記(2)ア(ア)a(g)))が有するのと同様の権利及び義務を有する旨を定めている(25.10.070,前記(2)ア(ア)c)。そして,州LPS法は,LPSのGPはGPSにおけるパートナーの権利及び権限を有する旨を定めている(25.10.240(1),前記(2)ア(ア)e(a))ところ,州PS法は,GPSにおけるパートナーはその事業の目的のためのパートナーシップの代理人(anagent ofthepartnership)である旨を定めている(25.05.100(1)前段,前記(2)ア(イ)d)ので,LPSのGPは,LPSの各パートナー(構成員個人)を代理するのではなく,LPSそれ自体を代理することになる。このほか,州LPS法及び州PS法においては,「LPSの義 前記(2)ア(イ)d)ので,LPSのGPは,LPSの各パートナー(構成員個人)を代理するのではなく,LPSそれ自体を代理することになる。このほか,州LPS法及び州PS法においては,「LPSの義務(theobligationsofalimitedpartnership)」(州LPS法25.10.190(1),前記(2)ア(ア)d),「全てのパートナーシップの義務(allobligationsofthepartnership )」(州PS法25.05.125(1),前記(2)ア(イ)e),「LPSの権利(therightofthelimitedpartnership)」(州LPS法25.10.190(2)(d),前記(2)ア(ア)d)といったLPS自体が権利を有し又は義務を負うことを示す文言が用いられている一方で,LPS自体が権利を有さず又は義務を負わず,パートナーのみが権利を有し又は義務を負うことを示したり,法律行為の効果がLPS自体に帰属しないことを示す規定は,州LPS法及び州PS法を通じて見当たらない(乙4,5)。 (b) 改正州LPS法また,改正州LPS法は,LPSは,あらゆる合法的な目的のために設立されることができ(25.10.021(2),前記(2)ア(ウ)b(b)),自身が活動する上で必要な又は便宜的なあらゆることを行う権限を有する(25.10.031前段,前記(2)ア(ウ)c)と定めている。 以上に加え,改正州LPS法は,州LPS法と同様に,パートナーはLPSとの間で貸付けその他の取引(法律行為)を行うことができ,この場合において,パートナーは,LPSとの関係で,パートナーでない者(「person」,すなわち個人,コーポレーション等(25.10.011(1 で貸付けその他の取引(法律行為)を行うことができ,この場合において,パートナーは,LPSとの関係で,パートナーでない者(「person」,すなわち個人,コーポレーション等(25.10.011(14),前記(2)ア(ウ)a(f)))が有するのと同様の権利及び義務を有する旨を定めている(25.10.101,前記(2)ア(ウ)d)。 そして,改正州LPS法は,各GPは,LPSの活動における当該 LPSの代理人(anagentofthelimitedpartnership)である旨を定めている(25.10.381前段,前記(2)ア(ウ)g)ので,LPSのGPは,LPSの各パートナー(構成員個人)を代理するのではなく,LPSそれ自体を代理することになる。このほか,改正州LPS法においては,州LPS法と同様に,「LPSの義務(anobligationofalimitedpartnership)」(25.10.321,前記(2)ア(ウ)f),「LPSの全ての義務(allobligationsofthelimitedpartnership)」(25.10.401(1),前記(2)ア(ウ)h),「LPSの権利(arightofalimitedpartnership)」(25.10.706,前記(2)ア(ウ)l)といったLPS自体が権利を有し又は義務を負うことを示す文言が用いられている一方で,LPS自体が権利を有さず又は義務を負わず,パートナーのみが権利を有し又は義務を負うことを示したり,法律行為の効果がLPS自体に帰属しないことを示す規定は,改正州LPS法において見当たらない(乙6)。 (c) 上記(a)及び(b)の州LPS法及び州PS法又は改正州LPS法(以下「州LPS法等」という。)の定めの内容等に照ら 属しないことを示す規定は,改正州LPS法において見当たらない(乙6)。 (c) 上記(a)及び(b)の州LPS法及び州PS法又は改正州LPS法(以下「州LPS法等」という。)の定めの内容等に照らせば,2009年(平成21年)の州LPS法の改正の前後を通じて,本件各LPSの設立根拠法令である州LPS法等は,LPSに自らの名義で法律行為をする権限を付与するとともに,LPSの名義でされた法律行為の効果がLPS自身に帰属することを前提としているものと解するのが相当である。 bLPSに係るパートナーシップの持分に関する規律(a) 州LPS法及び州PS法州LPS法は,パートナーシップの持分は,それ自体が「人的財産権」(personalproperty)という財産権の一類型である旨を定め(25.10.390,前記(2)ア(ア)g),州PS法は,パートナーシップに より取得された財産は,当該パートナーシップの財産であって,パートナー個人の財産ではないと定めている(25.05.060,前記(2)ア(イ)c)。また,州PS法は,パートナーは,パートナーシップの財産の共同所有者ではなく,任意であるか強制であるかを問わず,いかなる移転可能なパートナーシップの財産における持分も保有しないと定める(25.05.200,前記(2)ア(イ)g)とともに,パートナーは,パートナーシップの代理としてのみ,パートナーシップの財産を使用し又は保有することができると定めている(25.05.150(7),前記(2)ア(イ)f)。 (b) 改正州LPS法改正州LPS法は,パートナーの分配を受ける権利である譲渡可能持分は,それ自体が「人的財産権」(personalproperty)という財産権の一類型である旨を定める(2 PS法改正州LPS法は,パートナーの分配を受ける権利である譲渡可能持分は,それ自体が「人的財産権」(personalproperty)という財産権の一類型である旨を定める(25.10.011(22),25.10.546後段,前記(2)ア(ウ)a(g),k)とともに,パートナーは,現金以外の形で,LPSからの分配を要求し又は受領する権利を有しないと定めている(25.10.486前段,前記(2)ア(ウ)j)。 (c) 上記(a)及び(b)の州LPS法等の定めの内容等に照らせば,2009年(平成21年)の州LPS法の改正の前後を通じて,LPSのパートナーは,LPSに属する個々の財産に対して割合的な権利を具体的に有していないものとみるのが相当であるから,前記a(c)においてみたLPSの法律行為の権限及びその効果の帰属に関する規律は,LPSに係るパートナーシップの持分に関する上記の州LPS法等の規律とも整合するものということができる。 c 本件各LPS契約の内容なお,①第三次Z-LPS契約において,Z-LPSが営む事業の主要な目的及び一般的特徴が本件Z建物を所有し管理し運営すること とされ(5条,前記(2)イ(ウ)b),現に行われている事業を営むための全ての権利及び権限を有していることが前提とされているとみられること(天賞堂Z持分取得契約4条(a),X1Z持分取得契約4条(a),前記(2)イ(ア),(イ)),②第三次G-LPS契約において,G-LPSの唯一の目的及び一般的特徴が本件G建物を所有するLPSに係るパートナ-シップの持分を所有し売却することであり,G-LPSがその主要な事業の目的を遂行するために必要な又は付随する他の事業活動に従事することができるとされ(5条,前記(2)ウ(イ)b),現 係るパートナ-シップの持分を所有し売却することであり,G-LPSがその主要な事業の目的を遂行するために必要な又は付随する他の事業活動に従事することができるとされ(5条,前記(2)ウ(イ)b),現に行われている事業を営むための全ての権利及び権限を有していることが前提とされているとみられること(X1G持分取得契約4条(a),前記(2)ウ(ア))は,前記aにおいてみたLPSの法律行為の権限及びその効果の帰属に関する州LPS法等の規律と整合するものということができる。 また,第三次Z-LPS契約において,各LPは,清算その他の場合において,Z-LPSに対し現金以外の形式での分配を要求したり,Z-LPSから現金以外の形式での分配を受領したりするいかなる権利をも有しないものとされていること(13.4条,前記(2)イ(ウ)d)も,前記a及びbにおいてみたLPSの法律行為の権限及びその効果の帰属並びにLPSに係るパートナーシップの持分に関する規律に関する州LPS法等の規律と整合するものということができる。 そして,以上のほか,本件各LPS契約の各条項の中に,前記a及びbにおいてみたLPSの法律行為の権限及びその効果の帰属並びにLPSに係るパートナーシップの持分に関する州LPS法等の規律と抵触する内容の定めは見当たらない。 d 小括以上のような州LPS法等の定め等に鑑みると,本件各LPSは, 改正州LPS法の適用の前後を通じて,自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が本件各LPSに帰属するものということができるから,権利義務の帰属主体であると認められる。 そうすると,本件各LPSは,上記のとおり権利義務の帰属主体であると認められるのであるから,我が国の租税法上の法人に該当し,所得税 いうことができるから,権利義務の帰属主体であると認められる。 そうすると,本件各LPSは,上記のとおり権利義務の帰属主体であると認められるのであるから,我が国の租税法上の法人に該当し,所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するものというべきである。 (イ) 原告らの主張についてa 原告らは,要旨,LPSはパートナーシップと連続性及び同一性を有し,パートナーシップと同様に契約関係を本質とする集合体であるため,改正州LPS法の制定に至るまで,州LPS法及び州PS法には,パートナーシップやLPSにつき,認可事業規定(営利か否かを問わず,一定の例外を除き,いかなる合法的な事業,目的又は活動をも実施することができる旨の定め)及び権能付与規定(設立根拠法令又はパートナーシップ契約により付与された全ての権限及び特権並びにこれらに付随するあらゆる権限を保有し,それを行使することができる旨の定め)が置かれていなかったものであり,この点が平成27年最高裁判決の事案に係る米国デラウェア州のLPS法と顕著に異なるもので,これらの規定を創設した改正州LPS法の制定前において,州LPS法上,LPSが権利義務の帰属主体であることの法令上の根拠は存在しなかった旨主張する。 米国デラウェア州のLPS法及び改正州LPS法には,LPSにつき,①営利目的か否かを問わず,一定の例外を除き,いかなる合法的な事業,目的又は活動をも実施することができる旨の規定や,②設立根拠法令又はパートナーシップ契約により付与された全ての権限及び特権並びにこれらに付随するあらゆる権限を保有し,それを行使する ことができる旨の規定が置かれており,上記各規定の置かれていない州LPS法及び州PS法に比して,規定の文言上,LPSの権利義務の帰属主体としての性質がより明確に表 限を保有し,それを行使する ことができる旨の規定が置かれており,上記各規定の置かれていない州LPS法及び州PS法に比して,規定の文言上,LPSの権利義務の帰属主体としての性質がより明確に表れているものといえる。しかしながら,上記各規定が設けられていない限りLPSが権利義務の帰属主体であると認めることができないものではなく,州LPS法及び州PS法に上記各規定のような規定は置かれていない一方で,上記(ア)において説示したとおり,これらの法令の様々な規定の内容等に照らして,米国ワシントン州のLPSは自ら法律行為の当事者となることができ,かつ,その法律効果が当該LPSに帰属すると認められるのであるから,改正州LPS法の制定前においても,同州のLPSが権利義務の帰属主体であると評価することが妨げられるものではない。 なお,米国におけるパートナーシップが契約関係を本質とする集合体として発展し,同国におけるLPSがこれとの連続性を有するなどの沿革があるとしても,米国の各州においてLPSを権利義務の帰属主体とするか否かは各州法の立法政策に委ねられているものと解され,上記のとおり州LPS法及び州PS法の様々な規定の内容等に照らして米国ワシントン州のLPSが権利義務の帰属主体とされているものと認められる以上,改正州LPS法の制定前における上記LPSの権利義務の帰属主体性に関する評価が上記の沿革等によって左右されるものではない。 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 b 原告らは,LPSはGPSが行うことができるあらゆる事業を行うことができる旨の州LPS法の定め(25.10.060,前記(2)ア(ア)b)について,LPSの構成員が共同所有者(co-owner)として事業を営むことを規定したものであって,LPSの事業実施能力 ことができる旨の州LPS法の定め(25.10.060,前記(2)ア(ア)b)について,LPSの構成員が共同所有者(co-owner)として事業を営むことを規定したものであって,LPSの事業実施能力とは関係のない規定である旨主張する。 しかしながら,州PS法において,LPSを含むパートナーシップにつき「「co-owner」として営利事業を行う2名以上の者(persons)のアソシエーション」とする定義規定が置かれているとしても(同法25.10.005(6)。乙5),同法には,パートナーシップにより取得された財産は当該パートナーシップの財産であってパートナー個人の財産ではない旨を定めた規定(同法25.05.060,前記(2)ア(イ)c)があることや,上記定義規定の文脈等に照らせば,同規定にいう「co-owner」とは,LPSのパートナー相互間におけるパートナーの地位ないし本件各LPSの利益及び損失に関する割当てを受ける権利に係る持分を有する者であることを示すものにとどまり,LPSのパートナーが当該LPSの財産について共有持分権(所論の「共同所有者」の権利)を有することを示すものではないと解するのが相当であり,また,LPSの構成員が上記の地位において営利事業を行うものとされていることをもって直ちに,LPSはGPSが行うことができるあらゆる事業を行うことができる旨の州LPS法の上記定めにつき,原告の主張するように構成員自身がLPSの事業に係る権利義務の帰属主体としてその事業を行うことを定めたものとみることはできず,LPSの事業実施能力を示すものではないともいえないから,原告らの上記主張は採用することができない。 c 原告らは,パートナーは,LPSに対して金員を貸し付けることができ,LPSと他の取引を行うことができ 業実施能力を示すものではないともいえないから,原告らの上記主張は採用することができない。 c 原告らは,パートナーは,LPSに対して金員を貸し付けることができ,LPSと他の取引を行うことができる旨の州LPS法の定め(州LPS法25.10.070,前記(2)ア(ア)c)について,法人ではない任意組合においても,任意組合の団体的性質から,組合員と任意組合との取引及びそれに基づく権利義務が観念されているように,判断基準2の根拠となり得る規定ではない旨主張する。 しかしながら,我が国の民法上の組合(任意組合)は,法人格を有 していないために権利義務の帰属主体とはなり得ないものであって,組合員が組合財産に関して貸付けを行うなどの取引をする場合には,その取引の主体は,組合財産を共有している総組合員(民法668条)又はその代理人である業務執行者(同法670条2項,671条)等となるものであり,組合自体が取引の主体となることはなく,当該取引に係る債権債務関係は専ら総組合員との間で生ずることとなる(組合の債権につき,最高裁昭和40年(オ)第1228号同41年11月25日第二小法廷判決・民集20巻9号1946頁参照)。これに対し,我が国の法令上の法人は権利義務の帰属主体であるから,法人の構成員が法人に対して貸付けを行うなどの取引をする場合には,法人自体が取引の主体となり,当該取引に係る債権債務関係も当該法人との間で生ずることとなる。したがって,パートナーがLPSと貸付けその他の取引を行うことができる旨を定める州LPS法の上記規定は,他の規定と相まって,LPSについて任意組合と区別される法人の属性としての権利義務の帰属主体であることを基礎付けるものということができる。 したがって,原告らの上記主張は,その前提を 他の規定と相まって,LPSについて任意組合と区別される法人の属性としての権利義務の帰属主体であることを基礎付けるものということができる。 したがって,原告らの上記主張は,その前提を欠いており,採用することができない。 d 原告らは,パートナーシップにより取得された財産は当該パートナーシップの財産であってパートナー個人の財産ではないとする州PS法の定め(同法25.05.060,前記(2)ア(イ)c)及びパートナーはパートナーシップの財産の共同所有者ではなく,いかなる移転可能なパートナーシップの財産における持分も保有しないとする同法の定め(同法25.05.200,前記(2)ア(イ)g)が意味するところは,法人でない任意組合において組合員の持分の譲渡が制限されていることと同じであり,LPSが権利義務の帰属主体となることの根拠となるものではない旨 主張する。 一般に,判断基準2の検討において,前記(ア)aのように,設立根拠法令がLPSにその名義で法律行為をする権利又は権限を付与するとともに,LPSの名義でされた法律行為の効果がLPS自身に帰属することを前提としていると認められるのであれば,通常,当該LPSは権利義務の帰属主体となるものと認められるものといえるが,仮に,当該LPSの設立根拠法令において,我が国の民法上の組合のように,パートナーがパートナーシップの個々の財産に対して割合的な権利を具体的に有するものと定められ,パートナーシップの個々の財産の上にパートナーの共有持分権が観念できるものとされている場合には,当該LPS自体がパートナーシップの財産に係る権利義務の帰属主体となることとの抵触を生じ得るものといえるので,前記(ア)bのような検討を行い,上記のような抵触が生じ得る余地の有無を確認するのが相当である PS自体がパートナーシップの財産に係る権利義務の帰属主体となることとの抵触を生じ得るものといえるので,前記(ア)bのような検討を行い,上記のような抵触が生じ得る余地の有無を確認するのが相当であると解される。 そして,米国ワシントン州のLPSについては,パートナーシップにより取得された財産は当該パートナーシップの財産であってパートナー個人の財産ではないと定める州PS法の規定(同法25.05.060)及びパートナーはパートナーシップの財産の共同所有者ではなく,いかなる移転可能なパートナーシップの財産における持分も保有しないと定める同法の規定(同法25.05.200)が設けられており,これらの規定は,民法上の組合について「各組合員の出資その他の組合財産は,総組合員の共有に属する」と定める民法の規定(同法668条)とは対照的に,LPSの財産についてパートナーは共有持分権を有しないことを明らかにしているものといえるから,本件各LPSがパートナーシップの財産に係る所有権等の権利義務の帰属主体となることと整合的な規定であるということができる。 したがって,州PS法の上記各規定は,所論のように単にパートナーによるパートナーシップの持分の譲渡が制限されていることを示すにとどまる規定であるとはいえず,LPSが権利義務の帰属主体となることの根拠とならないものともいえないから,原告らの上記主張は採用することができない。 e 原告らは,①州PS法においては,パートナーシップの事業に関して行われたGPの作為,懈怠,その他の行為一切はパートナーシップの責任となるとされ(州PS法25.05.120),また,パートナー名義で取得された財産がパートナーシップの財産とされる場合があること(州PS法25.05.065(1)(b),(2)(b),(3)等 の責任となるとされ(州PS法25.05.120),また,パートナー名義で取得された財産がパートナーシップの財産とされる場合があること(州PS法25.05.065(1)(b),(2)(b),(3)等),パートナーシップの財産がパートナー名義で保有される場合があること(州PS法25.05.105等),パートナーシップの財産がパートナー名義で保有される場合には,当該パートナーが譲渡証書を締結すれば,当該財産を譲渡できること(州PS法25.05.105(1)(b),(c))等が規定されており,パートナーシップはその名においてしか取引できないものではないこと,②パートナー名義で保有されるパートナーシップの財産を当該パートナーが他のパートナーに無断で譲渡した場合,パートナーシップは相手方の悪意等の立証など一定の厳しい要件を満たす場合にしかその財産を取り戻すことはできないこと(州PS法25.05.105(2),(3)),③取引の効果の帰属の面でも,パートナー名義で取得した財産がパートナーシップ又はパートナーのいずれに帰属するかはパートナーの意図によって決まるものとされていることからすると,パートナーシップはパートナーから独立した取引主体とはいい難い旨主張する。 しかしながら,原告らの主張に係る州PS法の上記各規定は,その内容からすれば,本来はパートナーシップの財産は個々のパートナーではなくパートナーシップ自体に帰属するものであることを前提とし た上で,便宜上パートナーの名義で保有又は取引がされることがあり得ること及びその場合における取引の相手方の保護等について定めたものと解されるので,州PS法の他の規定を含む州LPS法等の規定に照らしてパートナーシップが権利義務の帰属主体となると認められることと別段抵触するものではなく,む 取引の相手方の保護等について定めたものと解されるので,州PS法の他の規定を含む州LPS法等の規定に照らしてパートナーシップが権利義務の帰属主体となると認められることと別段抵触するものではなく,むしろ整合的な規定とみることができるものといえる。 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 f 原告らは,州PS法において,ある者がパートナーシップにおけるパートナーの持分の全部を有する場合には,パートナーシップの財産はその者に属する(同法25.05.105(4))とされていることなどから,州PS法においてもパートナーシップが取得した財産は個々のパートナーの財産にならないとはいえない旨主張する。 しかしながら,原告らの主張に係る州PS法の上記規定は,その内容からすれば,本来はパートナーシップの財産はパートナーシップ自体に帰属するもので個々のパートナーには属さないこと(同法25.05.060,前記(2)ア(イ)c参照)を前提とした上で,パートナーが無限責任を負うGPSにおいて1名のパートナーにパートナーシップの持分の全部が集中している例外的な場合における特例を定めたものであることに加え,常に有限責任を負うLPと無限責任を負うGPからが当該LPSの持分全部を保有することは通常想定されておらず(州LPS法25.10.010(7)(前記(2)ア(ア)a(c))は,LPSが1名以上のGP及び1名以上のLPを有するパートナーシップであることを定めているところ,同法25.10.440(4)(乙4)は,一定の条件を満たさない限り,GP又はLPのいずれかが離脱により欠けてから90日を経過することによりLPSは解散する旨を定めている。),上記規定が LPSに適用される場面は通常想定されていないこと等を併せ考慮すれば,米 GP又はLPのいずれかが離脱により欠けてから90日を経過することによりLPSは解散する旨を定めている。),上記規定が LPSに適用される場面は通常想定されていないこと等を併せ考慮すれば,米国ワシントン州のLPSが権利義務の帰属主体となる旨の前示の評価が上記規定によって左右されるものとはいえず,原告らの上記主張は採用することができない。 g 原告らは,パートナーはLPS契約により合意すれば州LPS法に定めるもの以外の権利を有することができるのであり,実際,本件各LPS契約では,「パートナーシップの持分」について,「LPSにおけるパートナーの所有持分(「ownershipinterest」)をいい,これには,当該パートナーが,本契約書及び法令のあらゆる条項に基づき負う義務とともに,本契約書及び法令の規定により付与される可能性のあるあらゆる利益に対する持分が含まれる」と定められており(第三次Z-LPS契約第1.13条,第三次G-LPS契約第1.13条),各パートナーがLPSの資産の利用による利益も含めてLPSについて所有持分を有することが明らかに合意されている旨主張する。 しかしながら,上記各契約条項(乙12,15)は,「ownershipinterest」との表現を用いているものの,「LPSにおけるパートナーの「ownershipinterest」(ownershipinterestofaPartnerinthePartnership)」と定めており,本件各LPS契約においてパートナーが本件各LPSの財産に対する具体的な共有持分権を有することを前提とした規定は見当たらず,かえって,第三次Z-LPS契約においてはLPがZ-LPSの財産に対する権利を有しないことが規定されている(13.4条,前記( 産に対する具体的な共有持分権を有することを前提とした規定は見当たらず,かえって,第三次Z-LPS契約においてはLPがZ-LPSの財産に対する権利を有しないことが規定されている(13.4条,前記(2)イ(ウ)d)など,各条項全体の文脈に照らすと,上記の「ownershipinterest」は,前記bの「co-owner」の地位等と同様に,本件各LPSのパートナー相互間におけるパートナーの地位ないし本件各LPSの利益及び損失に関する割当てを受ける権利に係る持分を意味するものにとどまるものとみるのが相当であり,パ ートナーが本件各LPSの財産に対する共有持分権(所論の「所有持分」)を有することを前提とするものと解することはできないというべきである。 したがって,上記各契約条項は,州LPS法等の定めと抵触する内容のものではなく,LPSの財産におけるパートナーシップの持分(partnershipinterest)に関する州LPS法等の規律(前記(ア)b)を変更するものとは認められないから,米国ワシントン州のLPSが権利義務の帰属主体となる旨の前示の評価が上記各契約条項によって左右されるものとはいえず,原告らの上記主張は採用することができない。 h 以上において取り上げたもののほか,平成27年最高裁判決が言い渡される前の原告らの主張については,同最高裁判決の示した判断基準と異なる基準を前提とするものであるため,採用の限りではない。 なお,原告らは,本件各LPSに係る我が国の租税法上の法人該当性について上記に掲記したほかにも種々主張するが,いずれも,平成27年最高裁判決の示した判断基準2(権利義務の帰属主体の該当性)に関する前示の説示を左右するに足りるものとは認められない。 エ小括以上によれば, にも種々主張するが,いずれも,平成27年最高裁判決の示した判断基準2(権利義務の帰属主体の該当性)に関する前示の説示を左右するに足りるものとは認められない。 エ小括以上によれば,本件各LPSは,前示のとおり権利義務の帰属主体であると認められ,判断基準2に照らして,我が国の租税法上の法人に該当し,所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するものというべきである。 2 争点(2)(本件Z建物の減価償却費を原告天賞堂の所得の金額の計算上損金に算入することの可否)について(1) 前記1において説示したとおり,Z-LPSは所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するものであるから,本件Z不動産事業はZ-LPS が行うものであり,前記1(1)アの特段の事情の存在もうかがわれないことなどからすると,本件Z不動産事業により生じた所得は,本件Z建物の所有権を含めてZ-LPSに帰属するものと認められ,原告天賞堂の課税所得の範囲には含まれないものと解するのが相当である。 したがって,本件Z建物は原告天賞堂が有するものではなく,Z-LPSが行う本件Z不動産事業により生じた損益は本件Z建物の減価償却費を含めてZ-LPSに帰属するものであるから,本件Z建物の減価償却費については,これを原告天賞堂が有する減価償却資産の償却費として原告天賞堂の所得金額の計算上損金(法人税法22条3項)の額に算入することはできないというべきである。 (2) 原告らは,形式的には所有権を有しない者であっても,その資産の減耗分の実質的な負担者であるときは減価償却が認められるところ,Z-LPSにおいては損益が構成員に帰属することとされていることから,資産の減耗分の実質的な負担者はZ-LPSではなく,その構成員であることが明らかであり,原告天賞堂が 減価償却が認められるところ,Z-LPSにおいては損益が構成員に帰属することとされていることから,資産の減耗分の実質的な負担者はZ-LPSではなく,その構成員であることが明らかであり,原告天賞堂が減価償却資産である本件Z建物を「有する」(法人税法31条1項)ものとして,その減価償却費を原告天賞堂の所得金額の計算上損金の額に算入することができる旨主張する。 しかしながら,固定資産の減耗による負担を負うのは通常は固定資産の所有者であるから,法人税法31条1項に定める内国法人の「有する」減価償却資産とは,譲渡担保に供された固定資産の場合(後述の法人税基本通達参照)等のような特段の事情のない限り,内国法人の所有する減価償却資産をいうものと解すべきである(なお,所得税法49条1項に定める居住者の「有する」減価償却資産についても同様に解される。)ところ,本件Z建物は法人税法2条4号に定める外国法人として権利義務の帰属主体となるZ-LPSが所有するものであって原告天賞堂が所有するものではない(第三次Z-LPS契約5条(前記1(2)イ(ウ)b)も,Z-LPSが営む事業の主要な目 的等は本件Z建物を所有すること等である旨を定めている。また,Z-LPS(当時の名称は「GoodmanAssociates,AWashingtonLimitedPartnership」)が1992年(平成4年)に自らを取引の主体として本件Z建物の譲渡を受けたことが認められる(乙44ないし46)。)。そして,固定資産を譲渡担保に供した債務者等について,一定の場合にその減価償却費を当該固定資産の所有者でない者の所得金額の計算上損金の額に算入することがあるとしても(法人税基本通達2-1-18等),原告らの所論のように自己の所有していない固定資産の減耗分を実質的に負 価償却費を当該固定資産の所有者でない者の所得金額の計算上損金の額に算入することがあるとしても(法人税基本通達2-1-18等),原告らの所論のように自己の所有していない固定資産の減耗分を実質的に負担していれば当然にその減価償却費をその者の所得金額の計算上損金の額に算入することができるものではない上,LPSの事業により生じた損益が一旦LPS自体に帰属した後にLPS契約に基づきパートナーに割り当てられるからといって,LPSの所有する固定資産の減耗分を実質的に負担しているのがパートナーであるといえるものでもなく,本件において上記の特段の事情の存在はうかがわれないというべきであって,原告らの上記主張はその前提を欠き,採用することができない。 3 争点(3)(本件各不動産事業により生じた損益を承継前原告の不動産所得の金額の計算上収入金額又は必要経費に算入することの可否)について(1) 前記1において説示したとおり,本件各LPSは所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するものであるから,本件各不動産事業は本件各LPSが行うものであり,前記1(1)アの特段の事情の存在もうかがわれないことなどからすると,本件各不動産事業により生じた所得は,本件各LPSに帰属するものと認められ,承継前原告の不動産所得に該当するものではなく,承継前原告の課税所得の範囲には含まれないものと解するのが相当である。 したがって,本件各不動産事業により生じた損益は,本件各LPSに帰属するものであるから,これを承継前原告の不動産所得(所得税法26条1項)の金額の計算における収入金額(同法36条1項)又は必要経費(同法37 条1項)に算入することはできないというべきである。 (2) 原告らは,形式的には所有権を有しない者であっても,その資産の減耗分の実質的な負担 入金額(同法36条1項)又は必要経費(同法37 条1項)に算入することはできないというべきである。 (2) 原告らは,形式的には所有権を有しない者であっても,その資産の減耗分の実質的な負担者であるときは減価償却が認められるところ,本件各LPSにおいては損益が構成員に帰属することとされていることから,資産の減耗分の実質的な負担者は本件各LPSではなく,その構成員であることが明らかであり,承継前原告が減価償却資産である本件各建物を「有する」(所得税法49条1項)ものとして,その減価償却費を承継前原告の不動産所得の金額の計算における必要経費に算入することができる旨主張する。 しかしながら,本件Z建物は,所得税法2条1項7号に定める外国法人として権利義務の帰属主体となるZ-LPSが所有するものであって承継前原告が所有するものではなく(前記2(2)参照),本件G建物も,GVA-LPSが所有するものであって承継前原告が所有するものではないから(前記1(2)ウ(イ)bの第三次G-LPS契約5条は,GVA-LPSが本件G建物を所有する旨を明示的に定めており,また,GVA-LPSが1996年(平成8年)に自らを取引の主体として本件G建物の譲渡を受けたことが認められる(乙48)。なお,仮にGVA-LPSがその設立根拠法令において権利義務の帰属主体とされていない場合であっても,その持分を有するのはG-LPSであって承継前原告ではないから,承継前原告が本件G建物を所有すると認める余地はない。),前記2(2)において説示したところにも照らし,原告らの上記主張はその前提を欠き,採用することができない。 4 争点(4)(国税通則法65条4項に定める「正当な理由」の有無)について(1) 過少申告加算税は,過少申告による納税義務違反の事実があれば,原則 主張はその前提を欠き,採用することができない。 4 争点(4)(国税通則法65条4項に定める「正当な理由」の有無)について(1) 過少申告加算税は,過少申告による納税義務違反の事実があれば,原則としてその違反者に対し課されるものであり,これによって,当初から適法に申告し納税した納税者との間の客観的不公平の実質的な是正を図るとともに,過少申告による納税義務違反の発生を防止し,適正な申告納税の実現を図り,もって納税の実を挙げようとする行政上の措置である。この趣旨に照らせば, 過少申告があっても例外的に過少申告加算税が課されない場合として国税通則法65条4項が定めた「正当な理由があると認められる」場合とは,真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,上記のような過少申告加算税の趣旨に照らしてもなお納税者に過少申告加算税を賦課することが不当又は酷になる場合をいうものと解するのが相当である(前掲最高裁平成18年4月20日第一小法廷判決,前掲最高裁平成18年10月24日第三小法廷判決参照)。 (2) 原告らは,国税庁個人課税課が発遣した平成18年1月27日付けの本件情報(甲119)において,LPS契約等で共同事業性及び財産の共同所有性を有するものについては,原則として構成員課税が行われ,例外としてパートナーシップ契約であってもその事業体の個々の実態等により外国法人と認定されるものは除かれると記載され,LPSは原則として我が国の租税法上の法人に該当しないものとされており,現にこれに沿った内容の原告天賞堂等の税務申告に対して特段の指摘もされなかった上,例外的にどのような場合に外国法人と認定されるかについて本件情報の記載でも明確にされていなかったものであって,平成12年の総理府(当時)の税制調査会法人課税小委員会の討議用資料 摘もされなかった上,例外的にどのような場合に外国法人と認定されるかについて本件情報の記載でも明確にされていなかったものであって,平成12年の総理府(当時)の税制調査会法人課税小委員会の討議用資料(本件討議用資料。甲69)にも明確にLPSが法人格のないものの代表例として分類され明記されているように,行政解釈もLPSについては原則として構成員課税とされていたものである旨主張する。 そこで検討するに,本件情報においては,所得税基本通達36・37共-19につき解説が付されており,同通達の定めにより構成員課税となる「任意組合等」の例として,米国におけるGPS契約,LPS契約等で共同事業性及び財産の共同所有性を有すると想定されるものが挙げられた上で,パートナーシップ契約であってもその事業体の個々の実態等により外国法人と認定される場合は除かれると記載されていることが認められる(甲119)。 そうすると,本件情報は,米国におけるLPSにつき,我が国における課税 上の取扱いにおいて,一律に構成員課税となることを示したものではなく,かえって,共同事業性又は財産の共同所有性を有しないものなど,LPSの個々の実態等によっては,我が国の税法上の外国法人に該当するものと認定されて構成員課税とならない場合があることを示したものといえる。 また,本件討議用資料は,当該資料の性質や体裁上,そもそも税務当局が公的な見解を表明したものと認めるには足りない上,その内容も,「日米における事業体の課税上の取扱い」との標題に従って,米国内における課税上の取扱いとして,米国各州のLPSにつき,法人課税を選択した場合(各州における法制の選択を指す趣旨と解される。)には法人格のある事業体としての法人課税の取扱いを受け,それ以外の場合には法人格のない事業体として て,米国各州のLPSにつき,法人課税を選択した場合(各州における法制の選択を指す趣旨と解される。)には法人格のある事業体としての法人課税の取扱いを受け,それ以外の場合には法人格のない事業体としての構成員課税の取扱いを受けることを説明するにとどまるものと認められ(甲69),我が国における課税上の取扱いとして,米国各州のLPSが我が国の租税法上の法人に該当するか否か及び我が国において法人課税又は構成員課税のいずれの取扱いを受けるかについて言及したものではない。 これらの本件情報及び本件討議用資料の記載等に照らすと,米国各州のLPSについては,税務当局による公的な見解として,一律に構成員課税とする旨が示されていたものではなく,かえって,米国内における課税上の取扱いにおいては各州の法制の選択によって法人課税とされる場合があり,また,我が国における課税上の取扱いにおいても,LPSの個々の実態等によっては,当該LPSが我が国の租税法上の法人に該当すると認定されて構成員課税とならない場合があることが示されていたものと認めるのが相当であり(他にこの認定を左右するに足りる資料等の証拠はない。),このことは我が国の租税法上の法人該当性に関する前記1(1)の判断枠組みとも整合するものといえる(なお,以上に説示したところによれば,米国ワシントン州のLPSである本件各LPSに係る我が国の租税法上の法人該当性に関し,原告天賞堂等がこれを否定する見解を採って税務申告をしたことについて,本 件事務運営指針にいう「相当の理由があると認められるとき」(税法の解釈に関して申告書提出後新たに課税庁により法令解釈が明確化されたために申告者の解釈がこれと異なることとなり,その申告者の解釈について相当の理由があると認められる場合)に当たるということもできないとい に関して申告書提出後新たに課税庁により法令解釈が明確化されたために申告者の解釈がこれと異なることとなり,その申告者の解釈について相当の理由があると認められる場合)に当たるということもできないというべきである。)。 以上のほか,本件の各申告の当時,上記の判断枠組みについて最高裁の判断が示されていなかったことや,下級審裁判例の傾向(なお,原告らの主張に係る裁判例は,いずれも米国ワシントン州以外の同国の州法に基づいて設立されたLPSに係るものであり,そのうち米国デラウェア州のLPSに係る裁判例は全て本件各賦課決定処分に係る申告後に言い渡されたものにとどまる。)など,他に原告らが主張する事情を踏まえても,原告天賞堂が本件Z建物の減価償却費を原告天賞堂の所得金額の計算上損金の額に算入することができると判断し,承継前原告が本件各不動産事業により生じた損益を承継前原告の不動産所得の金額の計算上収入金額又は必要経費に算入することができると判断したことは,いずれも原告天賞堂等が主観的な事情に基づいて本件各LPSに係る我が国の租税法上の法人該当性につき本来採るべき法令解釈と異なる見解を採ったことによるものであって,そのことについて「真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情」があったとは認められないものというべきである。 (3) 以上によれば,原告天賞堂が本件Z建物の減価償却費を原告天賞堂の所得金額の計算上損金の額に算入して本件各事業年度の法人税の申告をしたこと及び承継前原告が本件各不動産事業により生じた損益を承継前原告の不動産所得の金額の計算上収入金額又は必要経費に算入して本件各年分(平成22年分及び平成23年分を除く。)の所得税の申告をしたことについては,いずれも「真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,過少申 算上収入金額又は必要経費に算入して本件各年分(平成22年分及び平成23年分を除く。)の所得税の申告をしたことについては,いずれも「真に納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があり,過少申告加算税の趣旨に照らしてもなお納税者に過少申告加算税を賦課するこ とが不当又は酷になる場合」に該当するとはいえず,国税通則法65条4項に定める「正当な理由」があるということはできない。 5 本件各処分の適法性について(1) 本件法人各処分の適法性について以上の判断を前提に,原告天賞堂の本件各事業年度の法人税についてみると,被告が本件訴訟において主張する別紙4の第1の1記載の本件法人各更正処分の根拠はいずれも相当であり,かつ,その根拠に基づいて算定した原告天賞堂の本件各事業年度の所得金額及び納付すべき税額は,同別紙の第1の2記載のとおりであると認められ,いずれも別表1-1ないし1-5記載の本件法人各更正処分における所得金額及び納付すべき税額と同額であるから,本件法人各更正処分は適法というべきである。 そして,本件法人各更正処分が適法である場合に賦課すべき本件各事業年度の過少申告加算税の額は,別紙4の第1の4(同別紙の第1の3の根拠に基づく計算)記載のとおりであるところ,原告天賞堂は,本件各事業年度の法人税について,納付すべき税額を過少に申告していたものであり,納付すべき税額を過少に申告していたことについて国税通則法65条4項に定める「正当な理由」があるとはいえないことから,これと同額の税額を課した本件法人各賦課決定処分も適法というべきである。 (2) 本件個人各処分の適法性について次に,承継前原告の本件各年分の所得税についてみると,被告が本件訴訟において主張する別紙4の第2の1記載の本件個人各更正処分等の根拠 うべきである。 (2) 本件個人各処分の適法性について次に,承継前原告の本件各年分の所得税についてみると,被告が本件訴訟において主張する別紙4の第2の1記載の本件個人各更正処分等の根拠はいずれも相当であり,かつ,その根拠に基づいて算定した承継前原告の本件各年分の納付すべき税額は同別紙の第2の2記載のとおりであると認められ,いずれも別表2-1ないし2-5記載の本件個人各更正処分等における本件各年分の納付すべき税額と同額(ただし,別表2-4記載の平成22年分通知処分における同年分の納付すべき税額については,同別紙の第2の2記載 の納付すべき税額の範囲内)であるから,本件個人各更正処分等は適法というべきである。 そして,本件個人各更正処分等が適法である場合に賦課すべき本件各年分の過少申告加算税の額は別紙4の第2の3(同別紙の第1の3の根拠に基づく計算)記載のとおりであるところ,承継前原告は,本件各年分の所得税について,納付すべき税額を過少に申告していたものであり,納付すべき税額を過少に申告していたことについて国税通則法65条4項に定める「正当な理由」があるとはいえないことから,これと同額の税額を課した本件個人各賦課決定処分も適法というべきである。 第4 結論よって,原告らの請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第51部 裁判長裁判官岩井伸晃 裁判官桃崎剛 裁判官武見敬太郎 (別紙2)処分目録 1 第1事件(1) 京橋税務署長が原告天賞堂に対してした以下の各法人税更正処分の部分ア平成23年5月20日付けでした,原告天賞堂の平 (別紙2)処分目録 1 第1事件(1) 京橋税務署長が原告天賞堂に対してした以下の各法人税更正処分の部分ア平成23年5月20日付けでした,原告天賞堂の平成17年4月1日から平成18年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分のうち,所得金額4597万2459円,納付すべき法人税額(中間納付控除前)1177万5100円(中間納付控除後594万4800円)を超える部分イ平成23年5月20日付けでした,原告天賞堂の平成18年4月1日から平成19年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分のうち,所得金額4660万6794円,納付すべき法人税額(中間納付控除前)1173万2800円(中間納付控除後584万5300円)を超える部分ウ平成23年6月29日付けでした,原告天賞堂の平成19年4月1日から平成20年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分のうち,所得金額1255万4685円,納付すべき法人税額(中間納付控除前)159万9700円(中間納付控除後マイナス(還付金の額に相当する税額)426万6600円)を超える部分エ平成23年6月29日付けでした,原告天賞堂の平成20年4月1日から平成21年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分のうち,所得金額143万9475円,納付すべき法人税額(中間納付なし)マイナス(還付金の額に相当する税額)165万2425円を超える部分オ平成23年6月29日付けでした,原告天賞堂の平成21年4月1日から平成22年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分(ただし,平成25年7月5日付け更正処分により減額された後のもの)のうち,所得金額2055万0869円,納付すべき法人税額(中間納付なし)453万660 0円を超える部分(2) 京橋税 (ただし,平成25年7月5日付け更正処分により減額された後のもの)のうち,所得金額2055万0869円,納付すべき法人税額(中間納付なし)453万660 0円を超える部分(2) 京橋税務署長が原告天賞堂に対してした以下の各過少申告加算税賦課決定処分又はその部分ア平成23年5月20日付けでした原告天賞堂の平成17年4月1日から平成18年3月31日までの事業年度の過少申告加算税の賦課決定処分イ平成23年5月20日付けでした原告天賞堂の平成18年4月1日から平成19年3月31日までの事業年度の過少申告加算税の賦課決定処分ウ平成23年5月20日付けでした原告天賞堂の平成19年4月1日から平成20年3月31日までの事業年度の過少申告加算税の賦課決定処分及び平成23年6月29日付けでした同事業年度の過少申告加算税の賦課決定処分のうち,税額20万6000円を超える部分エ平成23年5月20日付けでした原告天賞堂の平成20年4月1日から平成21年3月31日までの事業年度の過少申告加算税の賦課決定処分のうち,税額1万2000円を超える部分オ平成23年5月20日付けでした原告天賞堂の平成21年4月1日から平成22年3月31日までの事業年度の過少申告加算税の賦課決定処分及び平成23年6月29日付けでした同事業年度の過少申告加算税の賦課決定処分(ただし,平成25年7月5日付け変更決定処分により減額された後のもの)のうち,税額57万4000円を超える部分 2 第2事件(1) 京橋税務署長が承継前原告に対して平成23年3月10日付けでした以下の各所得税更正処分の部分ア承継前原告の平成19年分の所得税の更正処分(ただし,平成24年7月2日付け審査裁決により一部を取り消された後のもの)のうち総所得金額2419万7 付けでした以下の各所得税更正処分の部分ア承継前原告の平成19年分の所得税の更正処分(ただし,平成24年7月2日付け審査裁決により一部を取り消された後のもの)のうち総所得金額2419万7597円,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)307万7958円を超える部分 イ承継前原告の平成20年分の所得税の更正処分(ただし,平成23年6月9日付け異議決定及び平成24年7月2日付け審査裁決により一部を取り消された後のもの)のうち総所得金額3271万8553円,納付すべき税額54万5400円を超える部分ウ承継前原告の平成21年分の所得税の更正処分(ただし,平成23年6月9日付け異議決定及び平成24年7月2日付け審査裁決により一部を取り消された後のもの)のうち総所得金額4699万6735円,納付すべき税額2060万7300円を超える部分(2) 京橋税務署長が承継前原告に対して平成23年3月10日付けでした以下の各過少申告加算税賦課決定処分ア承継前原告の平成19年分の過少申告加算税の賦課決定処分(ただし,平成24年7月2日付け審査裁決により一部を取り消された後のもの)イ承継前原告の平成20年分の過少申告加算税の賦課決定処分(ただし,平成23年6月9日付け異議決定及び平成24年7月2日付け審査裁決により一部を取り消された後のもの)ウ承継前原告の平成21年分の過少申告加算税の賦課決定処分(ただし,平成23年6月9日付け異議決定及び平成24年7月2日付け審査裁決により一部を取り消された後のもの)(3) 芝税務署長が承継前原告に対して平成23年11月17日付けでした承継前原告の平成22年分の所得税に係る平成23年4月7日付けの更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の通知 後のもの)(3) 芝税務署長が承継前原告に対して平成23年11月17日付けでした承継前原告の平成22年分の所得税に係る平成23年4月7日付けの更正の請求に対する更正をすべき理由がない旨の通知処分(ただし,平成24年7月2日付け審査裁決により一部を取り消された後のもの)のうち,納付すべき税額マイナス(還付金の額に相当する税額)475万5000円を超える部分 3 第3事件芝税務署長が承継前原告に対して平成24年6月25日付けでした承継前原告の平成23年分の所得税に係る平成24年4月6日付け更正の請求に対する更正 処分(ただし,平成24年8月28日付け更正処分及び平成25年9月19日付け更正処分により減額された後のもの)のうち所得金額1億8539万3916円,納付すべき税額2328万3700円を超える部分以上 (別紙3)関係法令の定め 1 法人税法等の規定(1) 外国法人の定義外国法人とは,内国法人(国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう。)以外の法人をいう(法人税法2条4号)。 (2) 各事業年度の所得の金額の計算内国法人の各事業年度の所得の金額は,当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする(法人税法22条1項)。内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は,別段の定めがあるものを除き,当該事業年度の収益に係る売上原価,完成工事原価その他これらに準ずる原価の額のほか,当該事業年度の販売費,一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額等とする(同条3項)(3) 減価償却資産の償却費の計算等ア減価償却資産には,建物及びその附属設備(暖冷房設 用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額等とする(同条3項)(3) 減価償却資産の償却費の計算等ア減価償却資産には,建物及びその附属設備(暖冷房設備,照明設備,通風設備,昇降機その他建物に附属する設備をいい,事業の用に供していないもの及び時の経過によりその価値の減少しないものを除く。)が含まれる(法人税法2条23号,法人税法施行令13条1号)。 イ内国法人の各事業年度終了の時において有する減価償却資産につきその償却費として法人税法22条3項により当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する金額は,その内国法人が当該事業年度においてその償却費として損金経理をした金額のうち,その取得をした日及びその種類の区分に応じ,政令で定める償却の方法の中からその内国法人が当該資産について選定した償却の方法に基づき政令で定めるところにより計算した金額に達する までの金額とする(同法31条1項)。 2 所得税法の規定(1) 外国法人の定義外国法人とは,内国法人(国内に本店又は主たる事務所を有する法人)以外の法人をいう(所得税法2条1項7号)。 (2) 課税標準居住者に対して課する所得税の課税標準は,総所得金額,退職所得金額及び山林所得金額とし(所得税法22条1項),総所得金額は,①利子所得の金額,配当所得の金額,不動産所得の金額,事業所得の金額,給与所得の金額,譲渡所得の金額(同法33条3項1号に掲げる所得に係る部分の金額に限る。)及び雑所得の金額の合計額と②譲渡所得の金額(同法33条3項2号に掲げる所得に係る部分の金額に限る。)及び一時所得の金額の合計額の2分の1に相当する金額とする(同法22条2項)。 (3) 不動産所得不動産所得とは,不動産,不動産の上に存する 33条3項2号に掲げる所得に係る部分の金額に限る。)及び一時所得の金額の合計額の2分の1に相当する金額とする(同法22条2項)。 (3) 不動産所得不動産所得とは,不動産,不動産の上に存する権利,船舶又は航空機の貸付け(地上権又は永小作権の設定その他他人に不動産等を使用させることを含む。)による所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいい(所得税法26条1項),不動産所得の金額は,その年中の不動産所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする(同条2項)。 (4) 雑所得雑所得とは,利子所得,配当所得,不動産所得,事業所得,給与所得,退職所得,山林所得,譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいい(所得税法35条1項),雑所得の金額は,①その年中の公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を控除した残額と②その年中の公的年金等に係るもの以外の雑所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額の合計額とする(同条2項)。 (5) 収入金額その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は,別段の定めがあるものを除き,その年において収入すべき金額とする(所得税法36条1項)。 (6) 必要経費その年分の不動産所得の金額,事業所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は,別段の定めがあるものを除き,これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費,一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする(所得税法37条1項)。 (7) 減価償却資産の償却費の計算等居住者のその年1 所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする(所得税法37条1項)。 (7) 減価償却資産の償却費の計算等居住者のその年12月31日において有する減価償却資産につきその償却費として所得税法37条の規定によりその者の不動産所得の金額,事業所得の金額,山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入する金額は,その取得をした日及びその種類の区分に応じ,政令で定める償却の方法の中からその者が当該資産について選定した償却の方法に基づき政令で定めるところにより計算した金額とする(同法49条1項)。 3 国税通則法の規定(1) 過少申告加算税の賦課要件等ア期限内申告書が提出された場合において,修正申告書の提出又は更正があったときは,当該納税者に対し,その修正申告又は更正に基づき国税通則法35条2項(期限後申告等による納付)の規定により納付すべき税額に100分の10の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課する(同法65条1項)。 イ上記アに該当する場合において,上記アの納付すべき税額がその国税に係 る期限内申告税額に相当する金額と50万円とのいずれか多い金額を超えるときは,上記アの過少申告加算税の額は,上記アにより計算した金額に,当該超える部分に相当する税額に100分の5の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする(同条2項)。 (2) 正当な理由上記(1)ア又はイの納付すべき税額の計算の基礎となった事実のうちにその修正申告又は更正前の税額(還付金の額に相当する税額を含む。)の計算の基礎とされていなかったことについて正当な理由があると認められるものがある場合には,上記(1)ア又はイの納付すべき税額からその正当な理由があると認めら 額(還付金の額に相当する税額を含む。)の計算の基礎とされていなかったことについて正当な理由があると認められるものがある場合には,上記(1)ア又はイの納付すべき税額からその正当な理由があると認められる事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除して,上記(1)ア又はイの規定を適用する(同条4項)。 以上 (別紙4)課税の根拠及び計算 第1 本件法人各処分の根拠及び計算 1 本件法人各更正処分の根拠被告が本訴において主張する原告天賞堂の本件各事業年度の所得金額及び納付すべき税額は,次のとおりである(別表3-1ないし3-5参照)。 (1) 平成18年3月期ア所得金額(別表3-1③欄) 7351万4019円上記金額は,次の(ア)の金額に(イ)の金額を加算した金額である。 (ア) 確定申告における所得金額(別表3-1①欄)4597万2459円上記金額は,原告天賞堂が処分行政庁に対して提出した原告天賞堂の平成18年3月期の法人税の確定申告書に記載された所得金額と同額である。 (イ) 損金の額に算入されない海外投資不動産に係る減価償却費の金額(別表3-1②欄) 2754万1560円上記金額は,原告天賞堂が平成18年3月期において海外投資不動産経費として損金の額に算入した金額のうち,原告天賞堂が取得していない減価償却資産に係る減価償却費の額であり,原告天賞堂の所得金額の計算上,損金の額に算入される減価償却費とは認められないことから,原告天賞堂の所得金額に加算すべき金額である。 イ所得金額に対する法人税額(別表3-1④欄) 2141万4200円上記金額は,前記アの所得金額(国税通則法118条1項の規定に基づき1000円未満の端数を切り捨てた に加算すべき金額である。 イ所得金額に対する法人税額(別表3-1④欄) 2141万4200円上記金額は,前記アの所得金額(国税通則法118条1項の規定に基づき1000円未満の端数を切り捨てた後のもの。以下,この計算方法は「所得金額に対する法人税額」の項において同じ。)に法人税法66条(平成 18年法律第10号による改正前のもの。ただし,平成18年法律第10号による廃止前の経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び法人税の負担軽減措置に関する法律16条1項の規定を適用した後のもの)に規定する税率を乗じて計算した金額である。 ウ法人税額から控除される所得税額等(別表3-1⑤欄)137万6430円上記金額は,法人税法68条(平成18年法律第10号による改正前のもの)に規定する法人税額から控除される所得税の額であり,原告天賞堂の平成18年3月期の法人税の確定申告書に記載された法人税額から控除される所得税等の金額と同額である。 エ納付すべき法人税額(別表3-1⑥欄) 2003万7700円上記金額は,前記イの金額から前記ウの金額を差し引いた金額(国税通則法119条1項の規定に基づき100円未満の端数を切り捨てた後のもの。以下,この計算方法は「納付すべき法人税額」の項において同じ。)である。 オ既に納付の確定した法人税額(別表3-1⑦欄)1177万5100円上記金額は,原告天賞堂の平成18年3月期の法人税の確定申告書に記載された納付すべき法人税額と同額である。 カ差引納付すべき法人税額(別表3-1⑧欄) 826万2600円上記金額は,前記エの金額から前記オの金額を差し引いた金額(国税通則法119条1項の規定に基づき100円未満の端数を切り捨てた後のもの。以下,この計算方法は「差引納付すべ 826万2600円上記金額は,前記エの金額から前記オの金額を差し引いた金額(国税通則法119条1項の規定に基づき100円未満の端数を切り捨てた後のもの。以下,この計算方法は「差引納付すべき法人税額」の項において同じ。)であり,平成18年3月期更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべき法人税額である。 (2) 平成19年3月期 ア所得金額(別表3-2④欄) 8068万4974円上記金額は,次の(ア)の金額に(イ)の金額を加算し,(ウ)の金額を減算した金額である。 (ア) 確定申告における所得金額(別表3-2①欄)4660万6794円上記金額は,原告天賞堂が処分行政庁に対して提出した原告天賞堂の平成19年3月期の法人税の確定申告書に記載された所得金額と同額である。 (イ) 損金の額に算入されない海外投資不動産に係る減価償却費の金額(別表3-2②欄) 3672万2080円上記金額は,原告天賞堂が平成19年3月期において海外投資不動産経費として損金の額に算入した金額のうち,原告天賞堂が取得していない減価償却資産に係る減価償却費の額であり,原告天賞堂の所得金額の計算上,損金の額に算入される減価償却費とは認められないことから,原告天賞堂の所得金額に加算すべき金額である。 (ウ) 損金の額に算入される事業税の額(別表3-2③欄)264万3900円上記金額は,平成18年3月期更正処分により増加した所得金額の増加に対応する事業税相当額の損金算入額である。 イ所得金額に対する法人税額(別表3-2⑤欄) 2356万5200円上記金額は,前記アの所得金額に法人税法66条(平成18年法律第10号による改正前のもの。ただ 業税相当額の損金算入額である。 イ所得金額に対する法人税額(別表3-2⑤欄) 2356万5200円上記金額は,前記アの所得金額に法人税法66条(平成18年法律第10号による改正前のもの。ただし,平成18年法律第10号による廃止前の経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び法人税の負担軽減措置に関する法律16条1項の規定を適用した後のもの)に規定する税率を乗じて計算した金額である。 ウ法人税額から控除される所得税額等(別表3-2⑥欄) 160万8962円上記金額は,法人税法68条(平成20年法律第23号による改正前のもの。以下,後記(3)において同じ。)に規定する法人税額から控除される所得税の金額である。 エ納付すべき法人税額(別表3-2⑦欄) 2195万6200円上記金額は,前記イの金額から前記ウの金額を差し引いた金額である。 オ既に納付の確定した法人税額(別表3-2⑧欄)1173万2800円上記金額は,原告天賞堂の平成19年3月期の法人税の確定申告書に記載された納付すべき金額である。 カ差引納付すべき法人税額(別表3-2⑨欄) 1022万3400円上記金額は,前記エの金額から前記オの金額を差し引いた金額であり,平成19年3月期更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべき法人税額である。 (3) 平成20年3月期ア所得金額(別表3-3⑥欄) 4600万5365円上記金額は,次の(ア)の金額に(イ)及び(ウ)の金額を加算し,(エ)及び(オ)の金額を減算した金額である。 (ア) 申告所得金額(別表3-3①欄) 1548万2561円上記金額は,原告天賞堂が処分行政庁に対して提出した原告天賞堂の平成20年3月期の法人税の確定申告書に記載さ た金額である。 (ア) 申告所得金額(別表3-3①欄) 1548万2561円上記金額は,原告天賞堂が処分行政庁に対して提出した原告天賞堂の平成20年3月期の法人税の確定申告書に記載された所得金額である。 (イ) 損金の額に算入されない海外投資不動産に係る減価償却費の金額(別表3-3②欄) 3672万2080円上記金額は,原告天賞堂が平成20年3月期において海外投資不動産経費として損金の額に算入した金額のうち,原告天賞堂が取得していない減価償却資産に係る減価償却費の額であり,原告天賞堂の所得金額の 計算上,損金の額に算入される減価償却費とは認められないことから,原告天賞堂の所得金額に加算すべき金額である。 (ウ) 租税公課のうち損金の額に算入されない額(別表3-3③欄)1万1279円上記金額は,原告天賞堂が平成20年3月期において租税公課として損金の額に算入した金額のうち,罰金に該当する金額であり,法人税法55条4項の規定により損金の額に算入されない金額である。 (エ) 損金の額に算入される事業税の額(別表3-3④欄)327万1400円上記金額は,平成19年3月期更正処分の所得金額の増加に対応する事業税相当額の損金算入額である。 (オ) 法人税額から控除される所得税額の損金不算入額の過大計上額(別表3-3⑤欄) 293万9155円上記金額は,原告天賞堂が,平成20年3月期において法人税額から控除される所得税額として,法人税法40条(平成23年法律第82号による改正前のもの。以下同じ。)に基づき原告天賞堂の所得金額に加算した金額のうち,米国の連邦所得税額として納付した金額であり,法人税法 される所得税額として,法人税法40条(平成23年法律第82号による改正前のもの。以下同じ。)に基づき原告天賞堂の所得金額に加算した金額のうち,米国の連邦所得税額として納付した金額であり,法人税法68条の規定に基づき原告天賞堂の法人税額から控除されないことから,所得の金額の計算上,損金の額に算入される金額である。 イ所得金額に対する法人税額(別表3-3⑦欄) 1316万1500円上記金額は,前記アの所得金額に法人税法66条(平成20年法律第23号による改正前のもの)に規定する税率を乗じて計算した金額である。 ウ法人税額から控除される所得税額等(別表3-3⑧欄)152万6493円上記金額は,法人税法68条に規定する法人税額から控除される所得税の額である。上記金額は,原告天賞堂が平成20年3月期の確定申告書に 記載した控除の対象となる所得税の額等として記載した446万5648円から,控除の対象とならない293万9155円(前記ア(オ))を差し引いた額であり,原告天賞堂の平成20年3月期の法人税額から控除される所得税等の金額である。 エ納付すべき法人税額(別表3-3⑨欄) 1163万5000円上記金額は,前記イの金額から前記ウの金額を差し引いた金額である。 オ既に納付の確定した法人税額(別表3-3⑩欄) △46万1048円上記金額は,原告天賞堂の平成20年3月期の法人税の確定申告書に記載された納付すべき法人税額と同額である。 カ差引納付すべき法人税額(別表3-3⑪欄) 1209万6000円上記金額は,前記エの金額から前記オの金額を差し引いた金額であり,平成20年3月期更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべき法人税額である。 (4) 平成21年3月期ア所得金額(別表3-4⑤欄) エの金額から前記オの金額を差し引いた金額であり,平成20年3月期更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべき法人税額である。 (4) 平成21年3月期ア所得金額(別表3-4⑤欄) 3495万0355円上記金額は,次の(ア)の金額に(イ)の金額を加算し,(ウ)及び(エ)の金額を減算した金額である。 (ア) 修正申告における所得金額(別表3-4①欄) 237万5666円上記金額は,原告天賞堂が平成21年10月14日に処分行政庁に対して提出した原告天賞堂の平成21年3月期の法人税の修正申告書に記載された所得金額と同額である。 (イ) 損金の額に算入されない海外投資不動産に係る減価償却費の金額(別表3-4②欄) 3672万2080円上記金額は,原告天賞堂が平成21年3月期において海外投資不動産経費として損金の額に算入した金額のうち,原告天賞堂が取得していない減価償却資産に係る減価償却費の額であり,原告天賞堂の所得金額の 計算上,損金の額に算入される減価償却費とは認められないことから,原告天賞堂の所得金額に加算すべき金額である。 (ウ) 損金の額に算入される事業税の額(別表3-4③欄)321万1200円上記金額は,平成20年3月期当初更正処分の所得金額の増加に対応する事業税相当額の損金算入額である。 (エ) 法人税額から控除される所得税額の損金不算入額の過大計上額(別表3-4④欄) 93万6191円上記金額は,原告天賞堂が,平成21年3月期において法人税額から控除される所得税額として,法人税法40条に基づき原告天賞堂の所得金額に加算した金額のうち,米国の連邦所得税額として納付した金額であり,法人税法68条(平成23年法律第1 3月期において法人税額から控除される所得税額として,法人税法40条に基づき原告天賞堂の所得金額に加算した金額のうち,米国の連邦所得税額として納付した金額であり,法人税法68条(平成23年法律第114号による改正前のもの。 以下,後記ウにおいて同じ。)の規定に基づき原告天賞堂の法人税額から控除されないことから,所得の金額の計算上,損金の額に算入される金額である。 イ所得金額に対する法人税額(別表3-4⑥欄) 984万5000円上記金額は,前記アの所得金額に法人税法66条(平成22年法律第6号による改正前のもの)に規定する税率を乗じて計算した金額である。 ウ法人税額から控除される所得税額等(別表3-4⑦欄)196万9005円上記金額は,法人税法68条に規定する法人税額から控除される所得税の額である。上記金額は,原告天賞堂が平成21年3月期の確定申告書に記載した控除の対象となる所得税の額等として記載した290万5196円から,控除の対象とならない額93万6191円(前記ア(エ))を差し引いた額であり,原告天賞堂の平成21年3月期の法人税額から控除される所得税等の金額である。 エ納付すべき法人税額(別表3-4⑧欄) 787万5900円上記金額は,前記イの金額から前記ウの金額を差し引いた金額である。 オ既に納付の確定した法人税額(別表3-4⑨欄)△238万2696円上記金額は,原告天賞堂の平成21年3月期の法人税の修正確定申告書に記載された納付すべき法人税額と同額である。 カ差引納付すべき法人税額(別表3-4⑩欄) 1025万8500円上記金額は,前記エの金額から前記オの金額を差し引いた金額であり,平成21年3月期更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべき法人税額である。 (5) 平成 表3-4⑩欄) 1025万8500円上記金額は,前記エの金額から前記オの金額を差し引いた金額であり,平成21年3月期更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべき法人税額である。 (5) 平成22年3月期ア所得金額(別表3-5⑤欄) 3484万1550円上記金額は,次の(ア)の金額に(イ)及び(ウ)の金額を加算し,(エ)の金額を減算した金額である。 (ア) 確定申告における所得金額(別表3-5①欄) 571万9513円上記金額は,原告天賞堂が処分行政庁に対して提出した原告天賞堂の平成22年3月期の法人税の確定申告書に記載された所得金額と同額である。 (イ) 損金の額に算入されない海外投資不動産に係る減価償却費の金額(別表3-5②欄) 1734万0981円上記金額は,原告天賞堂が平成22年3月期において海外投資不動産経費として損金の額に算入した金額のうち,原告天賞堂が取得していない減価償却資産に係る減価償却費の額であり,原告天賞堂の所得金額の計算上,損金の額に算入される減価償却費とは認められないことから,原告天賞堂の所得金額に加算すべき金額である。 (ウ) 雑収入の計上漏れ(別表3-5③欄) 1483万1356円 上記金額は,原告天賞堂が平成22年3月期において雑収入に計上すべき保険契約の解約返戻金の額であり,原告天賞堂の所得金額に加算すべき金額である。 (エ) 損金の額に算入される事業税の額(別表3-5④欄)305万0300円上記金額は,平成21年3月期当初更正処分の所得金額の増加に対応する事業税相当額の損金算入額である。 イ所得金額に対する法人税額(別表3-5⑥欄) 949万2300円 305万0300円上記金額は,平成21年3月期当初更正処分の所得金額の増加に対応する事業税相当額の損金算入額である。 イ所得金額に対する法人税額(別表3-5⑥欄) 949万2300円上記金額は,前記アの所得金額に法人税法66条(ただし,租税特別措置法42条の3の2(平成22年法律第6号による改正前のもの)を適用した後のもの)に規定する税率を乗じて計算した金額である。 ウ法人税額から控除される所得税額等(別表3-5⑦欄)66万8304円上記金額は,法人税法68条(平成23年法律第114号による改正前のもの)に規定する法人税額から控除される所得税の額であり,原告天賞堂の平成22年3月期の法人税額から控除される所得税等の金額である。 エ納付すべき法人税額(別表3-5⑧欄) 882万3900円上記金額は,前記イの金額から前記ウの金額を差し引いた金額である。 オ既に納付の確定した法人税額(別表3-5⑨欄) 36万1100円上記金額は,原告天賞堂の平成22年3月期の法人税の確定申告書に記載された納付すべき法人税額と同額である。 カ差引納付すべき法人税額(別表3-5⑩欄) 846万2800円上記金額は,前記エの金額から前記オの金額を差し引いた金額であり,平成22年3月期更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべき法人税額である。 2 本件法人各更正処分の計算 前記1のとおり,被告が本訴において主張する原告天賞堂の本件各事業年度における①所得金額及び②納付すべき法人税額は,それぞれ次のとおりである。 (1) 平成18年3月期①7351万4019円,②2003万7700円(2) 平成19年3月期①8068万4974円,②2195万6200円(3) 平成20年3月期 (1) 平成18年3月期①7351万4019円,②2003万7700円(2) 平成19年3月期①8068万4974円,②2195万6200円(3) 平成20年3月期①4600万5365円,②1163万5000円(4) 平成21年3月期①3495万0355円,②787万5900円(5) 平成22年3月期①3484万1550円,②882万3900円そして,本件法人各更正処分における所得金額及び納付すべき法人税額は,上記の各金額と同額である。 3 本件法人各賦課決定処分の根拠本件法人各更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべき法人税額について,その基礎となった事実につき,原告天賞堂がこれを計算の基礎としなかったことに国税通則法65条4項に定める「正当な理由」があるとは認められない場合に,原告天賞堂に課されるべき過少申告加算税の額は,次のとおりである。 (1) 平成18年3月期の過少申告加算税の額 82万6000円上記金額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,原告天賞堂が平成18年3月期更正処分により新たに納付すべきこととなった税額826万円(ただし,国税通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数金額を切り捨てた後のもの。以下,この計算方法は「平成…年3月期の過少申告加算税の額」の項において同じ。)に100分の10の割合を乗じて算出した金額である。 (2) 平成19年3月期の過少申告加算税の額 102万2000円上記金額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,原告天賞堂が平成19年3月期更正処分により新たに納付すべきこととなった税額1022万円に100分の10の割合を乗じて算出した金額である。 (3) 平成20年3月期ア 5条1項の規定に基づき,原告天賞堂が平成19年3月期更正処分により新たに納付すべきこととなった税額1022万円に100分の10の割合を乗じて算出した金額である。 (3) 平成20年3月期ア平成20年3月期当初更正処分による過少申告加算税の額130万4500円上記金額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,原告天賞堂が平成20年3月期当初更正処分により新たに納付すべきこととなった税額1003万円に100分の10の割合を乗じて算出した金額100万3000円に,国税通則法65条2項の規定に基づき,平成20年3月期当初更正処分により新たに納付すべきこととなった税額1003万5200円のうち,同条3項に規定する期限内申告税額に相当する金額400万4600円と50万円とのいずれか多い金額である400万4600円を超える部分の額603万円に100分の5の割合を乗じて算出した金額30万1500円を加算した金額である。 イ平成20年3月期更正処分による過少申告加算税の額30万9000円上記金額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,原告天賞堂が平成20年3月期更正処分により新たに納付すべきこととなった税額206万円に100分の10の割合を乗じて算出した金額20万6000円に,国税通則法65条2項の規定に基づき,平成20年3月期更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額206万円に100分の5の割合を乗じて算出した金額10万3000円を加算した金額である。 なお,国税通則法65条2項に基づき加算する上記金額(10万300 0円)は,原告天賞堂が平成20年3月期更正処分により新たに納付すべきこととなった税額206万0800円が,平成20年3月期当初更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額 0円)は,原告天賞堂が平成20年3月期更正処分により新たに納付すべきこととなった税額206万0800円が,平成20年3月期当初更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額1003万5200円及び平成20年3月期更正処分により新たに納付すべきこととなった税額206万0800円の合計額1209万6000円のうち,同条3項に規定する期限内申告税額に相当する400万4600円を超える部分809万1400円に満たないため,原告天賞堂が平成20年3月期更正処分により新たに納付すべきこととなった税額206万円に100分の5の割合を乗じて算出した金額である。 (4) 平成21年3月期ア平成21年3月期当初更正処分による過少申告加算税の額144万0000円上記金額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,原告天賞堂が平成21年3月期当初更正処分により新たに納付すべきこととなった税額960万円に100分の10の割合を乗じて算出した金額96万円に,国税通則法65条2項の規定に基づき,平成21年3月期当初更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額960万円に100分の5を乗じて算出した金額48万円を加算した金額である。 なお,国税通則法65条2項に基づき加算する上記金額(48万円)は,平成21年3月期当初更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額960万3200円が,平成21年3月期に係る修正申告により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額52万2500円及び平成21年3月期当初更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額960万3200円の合計額1012万5700円のうち,同条3項に規定する50万円を超える部分962万5700円に満たないため,平成21年3月期当初 より原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額960万3200円の合計額1012万5700円のうち,同条3項に規定する50万円を超える部分962万5700円に満たないため,平成21年3月期当初更正処分により原告天賞堂が新た に納付すべきこととなった税額960万円に100分の5を乗じて算出した金額である。 イ平成21年3月期更正処分による過少申告加算税の額9万7500円上記金額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,原告天賞堂が平成21年3月期更正処分により新たに納付すべきこととなった税額65万円に100分の10の割合を乗じて算出した金額6万5000円に,国税通則法65条2項の規定に基づき,平成21年3月期更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額65万円に100分の5を乗じて算出した金額3万2500円を加算した金額である。 なお,国税通則法65条2項に基づき加算する上記金額(3万2500円)は,平成21年3月期更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額65万5300円が,平成21年3月期に係る修正申告により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額52万2500円,平成21年3月期当初更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額960万3200円及び平成21年3月期更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額65万5300円の合計額1078万1000円のうち,同条3項に規定する50万円を超える部分1028万1000円に満たないため,平成21年3月期更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額65万円に100分の5を乗じて算出した金額である。 (5) 平成22年3月期ア平成22年3月期当初更正処分による過少申告加算税の額56万 により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額65万円に100分の5を乗じて算出した金額である。 (5) 平成22年3月期ア平成22年3月期当初更正処分による過少申告加算税の額56万0500円上記金額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,原告天賞堂が平成22年3月期当初更正処分により新たに納付すべきこととなった税額4 08万円に100分の10の割合を乗じて算出した金額40万8000円に,国税通則法65条2項の規定に基づき,平成22年3月期当初更正処分により新たに納付すべきこととなった税額408万1900円のうち,同条3項に規定する期限内申告税額に相当する金額102万9404円と50万円とのいずれか多い金額である102万9404円を超える部分の額305万円に100分の5の割合を乗じて算出した金額15万2500円を加算した金額である。 イ平成22年3月期更正処分による過少申告加算税の額65万7000円上記金額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,原告天賞堂が平成22年3月期更正処分により新たに納付すべきこととなった税額438万円(別表1-5の平成25年7月5日の「納付すべき税額」欄記載の金額から平成23年5月20日の「納付すべき税額」欄記載の金額を控除した金額)に100分の10の割合を乗じて算出した金額43万8000円に,国税通則法65条2項の規定に基づき,平成22年3月期更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額438万円に100分の5の割合を乗じて算出した金額21万9000円を加算した金額である。 なお,上記国税通則法65条2項に基づき加算する金額(21万9000円)は,平成22年3月期更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額438万0900円が,平成22年 額である。 なお,上記国税通則法65条2項に基づき加算する金額(21万9000円)は,平成22年3月期更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額438万0900円が,平成22年3月期当初更正処分により原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額408万1900円及び平成22年3月期更正処分により新たに納付すべきこととなった税額438万0900円の合計額846万2800円のうち,同条3項に規定する期限内申告税額に相当する102万9404円を超える部分743万3396円に満たないため,平成22年3月期更正処分により 原告天賞堂が新たに納付すべきこととなった税額438万円に100分の5の割合を乗じて算出した金額である。 4 本件法人各賦課決定処分の計算被告が本訴において主張する本件各事業年度に係る法人税につき,原告天賞堂に対して賦課されるべき過少申告加算税の額は,前記3のとおり,その計算の基礎となる法人税額を確定する更正処分ごとに,それぞれ,次のとおりである。 (1) 平成18年3月期 82万6000円(2) 平成19年3月期 102万2000円(3) 平成20年3月期ア平成20年3月期当初更正処分 130万4500円イ平成20年3月期更正処分 30万9000円(4) 平成21年3月期ア平成21年3月期当初更正処分 144万0000円イ平成21年3月期更正処分 9万7500円(5) 平成22年3月期ア平成22年3月期当初更正処分 56万0500円イ平成22年3月期更正処分 65万7000円 9万7500円(5) 平成22年3月期ア平成22年3月期当初更正処分 56万0500円イ平成22年3月期更正処分 65万7000円そして,本件法人各賦課決定処分における過少申告加算税の金額は,上記の各金額と同額である。 第2 本件個人各処分の根拠及び計算 1 本件個人各更正処分等の根拠被告が本訴において主張する承継前原告の本件各年分の総所得金額及び納付すべき税額は,次のとおりである。 (1) 平成19年分ア総所得金額(別表4-1①欄) 3665万3288円 上記金額は,次の(ア)ないし(ウ)の金額の合計額である。 (ア) 不動産所得の金額(別表4-1②欄) 0円上記金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額である。 a 総収入金額 0円上記金額は,次の(a)の金額から(b)の金額を差し引いた金額である。 (a) 確定申告における不動産収入の金額 500万7148円上記金額は,承継前原告が処分行政庁に対して提出した承継前原告の平成19年分の所得税の確定申告書に添付された不動産所得に係る収支内訳書(以下「平成19年分収支内訳書」という。)に記載された不動産所得の収入金額と同額である。 (b) 承継前原告の不動産所得に係る収入金額とならない金額500万7148円上記金額は,承継前原告が不動産所得の収入とした金額であるが,これは,法人であるZ-LPSからの収入金と認められる金額であり,承継前原告の不動産所得に係る収入金額とは認められないため,同収入金額から除かれる金額である。 当該収入金は,後記(エ)aのとおり,雑所得の収入金額とされるべきものであ 金と認められる金額であり,承継前原告の不動産所得に係る収入金額とは認められないため,同収入金額から除かれる金額である。 当該収入金は,後記(エ)aのとおり,雑所得の収入金額とされるべきものである。 b 必要経費の金額 0円上記金額は,次の(a)の金額から(b)の金額を差し引いた金額である。 (a) 確定申告における不動産所得に係る必要経費の金額1654万1996円上記金額は,平成19年分収支内訳書に記載された不動産所得に係る必要経費の合計金額と同額である。 (b) 承継前原告の不動産所得に係る必要経費とならない金額1654万1996円 上記金額は,全額がLPS契約に関する費用であり,承継前原告の不動産所得を得るために要した費用とは認められない金額であることから,承継前原告の不動産所得に係る必要経費から除かれる金額である。 なお,その内訳は,以下のとおりである。 ⅰ 減価償却費から除かれる金額 1268万3255円ⅱ 借入金利子から除かれる金額 330万5527円ⅲ 支払手数料から除かれる金額 50万0714円ⅳ 雑費から除かれる金額 5万2500円(イ) 配当所得の金額(別表4-1③欄) 103万2000円上記金額は,承継前原告の平成19年分の所得税の確定申告書に記載された配当所得の金額と同額である。 (ウ) 給与所得の金額(別表4-1④欄) 3440万1900円上記金額は,承継前原告の平成19年分の所得税の確定申告書に記載された給与所得の金額と同額である。 (エ) 雑所得の金額(別表4-1⑤欄) 121万9388円上記金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額 成19年分の所得税の確定申告書に記載された給与所得の金額と同額である。 (エ) 雑所得の金額(別表4-1⑤欄) 121万9388円上記金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額であり,事業所得,不動産所得,利子所得,配当所得,給与所得,退職所得,山林所得,譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しないことから,承継前原告の雑所得とすべき金額である。 a 収入金額 508万4202円上記金額は,前記(ア)a(b)のZ-LPSからの収入金の合計額4万4539.66米ドルを,株式会社みずほ銀行における平成19年の営業日末日の米国ドルの電信売買相場の仲値である114.15円で円換算した金額であり,承継前原告が確定申告において不動産所得に係る収入として申告した額(500万7148円)との金額の差は円 換算レートの違いによるものである。 b 必要経費 386万4814円上記金額は,Z-LPSの持分を取得するための債務に係る支払利息2万9403.38米ドル及び資産管理手数料4453.96米ドルを,株式会社みずほ銀行における平成19年の営業日末日の米ドルの電信売買相場の仲値である114.15円でそれぞれ円換算した金額を合計した金額である。 イ所得控除の額の合計額(別表4-1⑦欄) 297万6025円上記金額は,承継前原告の平成19年分の所得税の確定申告書に記載された所得控除の額の合計額と同額である。 ウ課税される総所得金額(別表4-1⑧欄) 3367万7000円上記金額は,前記アの金額から前記イの金額を控除した金額(ただし,国税通則法118条の規定により,1000円未満の端数を切り捨てた後のもの。以下,この計算方法は「課税される総所 367万7000円上記金額は,前記アの金額から前記イの金額を控除した金額(ただし,国税通則法118条の規定により,1000円未満の端数を切り捨てた後のもの。以下,この計算方法は「課税される総所得金額」の項において同じ。)である。 エ納付すべき税額(別表4-1⑰欄) 190万4400円上記金額は,次の(ア)の金額から,(イ)及び(ウ)の金額を控除した金額(ただし,国税通則法119条1項の規定により100円未満の端数を切り捨てた後のもの。以下,この計算方法は「納付すべき税額」の項において同じ。)である。 (ア) 課税される総所得金額に対する税額(別表4-1⑩欄)1067万4800円上記金額は,前記ウの課税される総所得金額3367万7000円に所得税法89条1項(平成25年法律第5号による改正前のもの。以下同じ。)に規定する税率を乗じて計算した金額である。 (イ) 配当控除の金額(別表4-1⑬欄) 5万1600円 上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額103万2000円に所得税法92条1項の規定を適用して算出した金額であり,承継前原告の平成19年分の所得税の確定申告書に記載された金額と同額である。 (ウ) 源泉徴収税額 (別表4-1⑮欄) 871万8758円上記金額は,承継前原告の平成19年分の所得税の確定申告書に記載された源泉徴収税額と同額である。 (2) 平成20年分ア総所得金額(別表4-1①欄) 4393万0969円上記金額は,次の(ア)ないし(エ)の金額の合計額である。 (ア) 不動産所得の金額(別表4-1②欄) 707万8655円上記金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額である。 a 総収入金額 エ)の金額の合計額である。 (ア) 不動産所得の金額(別表4-1②欄) 707万8655円上記金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額である。 a 総収入金額 2665万1187円上記金額は,次の(a)の金額から(b)の金額を差し引いた金額である。 (a) 確定申告における不動産収入の金額 3070万4741円上記金額は,承継前原告が処分行政庁に対して提出した承継前原告の平成20年分の所得税の確定申告書に添付された不動産所得に係る収支内訳書(以下「平成20年分収支内訳書」という。)に記載された不動産所得の収入金額と同額である。 (b) 承継前原告の不動産所得に係る収入金額とならない金額405万3554円上記金額は,承継前原告が不動産所得の収入とした金額のうち,法人であるZ-LPSからの収入金と認められる金額であり,承継前原告の不動産所得に係る収入金額とは認められないため,同収入金額から除かれる金額である。 当該収入金は,後記(エ)aのとおり,雑所得の収入金額とされるべきものである。 b 必要経費の金額 1957万2532円上記金額は,次の(a)の金額から(b)の金額を差し引いた金額である。 (a) 確定申告における不動産所得に係る必要経費の金額3404万3221円上記金額は,平成20年分収支内訳書に記載された不動産所得に係る必要経費の合計金額と同額である。 (b) 承継前原告の不動産所得に係る必要経費とならない金額1447万0689円上記金額は,次のⅰないしⅲ及びⅴの金額の合計額1556万3621円から,ⅳ,ⅵ及びⅶの金額の合計額109万2932円を差し引いた金額である。 なお,ⅰないしⅲの金額は,承継前原告が締結 89円上記金額は,次のⅰないしⅲ及びⅴの金額の合計額1556万3621円から,ⅳ,ⅵ及びⅶの金額の合計額109万2932円を差し引いた金額である。 なお,ⅰないしⅲの金額は,承継前原告が締結したLPS契約に関連する費用であり,承継前原告の不動産所得を得るために要した費用とは認められない金額であることから,承継前原告の不動産所得に係る必要経費から除かれる金額である。また,ⅳないしⅶの金額は,承継前原告が所有する国内不動産に係る不動産所得の必要経費の算定を誤っていたものである。 ⅰ 減価償却費から除かれる金額 1268万3255円ⅱ 借入金利子から除かれる金額 263万4532円ⅲ 雑費から除かれる金額 4万0955円ⅳ 減価償却費に加える金額 106万9087円ⅴ 借入金利子から除かれる金額 20万4879円ⅵ 租税公課に加える金額 2万3072円ⅶ 損害保険料に加える金額 773円(イ) 配当所得の金額(別表4-1③欄) 154万8000円上記金額は,承継前原告の平成20年分の所得税の確定申告書に記載 された配当所得の金額と同額である。 (ウ) 給与所得の金額(別表4-1④欄) 3433万1600円上記金額は,承継前原告の平成20年分の所得税の確定申告書に記載された給与所得の金額と同額である。 (エ) 雑所得の金額(別表4-1⑤欄) 97万2714円上記の金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額であり,事業所得,不動産所得,利子所得,配当所得,給与所得,退職所得,山林所得,譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しないことから,承継前原告の雑所得とすべ 次のaの金額からbの金額を控除した金額であり,事業所得,不動産所得,利子所得,配当所得,給与所得,退職所得,山林所得,譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しないことから,承継前原告の雑所得とすべき金額である。 a 収入金額 405万3554円上記金額は,前記(ア)a(b)のZ-LPSからの収入金の合計額4万4539.66米ドルを,株式会社みずほ銀行における平成20年の営業日末日の米国ドルの電信売買相場の仲値である91.01円で円換算した金額である。 b 必要経費 308万0840円上記金額は,Z-LPSの持分を取得するための債務に係る支払利息2万8947.73米ドル,資産管理手数料4453.96米ドル及び米国税務申告手数料等450米ドルに,株式会社みずほ銀行における平成20年の営業日末日の米ドルの電信売買相場の仲値である91.01円で円換算した金額を合計した金額である。 イ所得控除の額の合計額(別表4-1⑦欄) 267万2333円上記金額は,承継前原告の平成20年分の所得税の確定申告書に記載された所得控除の額の合計額と同額である。 ウ課税される総所得金額(別表4-1⑧欄) 4125万8000円上記金額は,前記アの金額から前記イの金額を控除した金額である。 エ納付すべき税額(別表4-1⑰欄) 503万0200円 上記金額は,次の(ア)の金額から,(イ)及び(ウ)の金額を控除した金額である。 (ア) 課税される総所得金額に対する税額(別表4-1⑩欄)1370万7200円上記金額は,前記ウの課税される総所得金額4125万8000円に所得税法89条1項に規定する税率を乗じて計算した金額である。 (イ) 配当控除の金額( 額(別表4-1⑩欄)1370万7200円上記金額は,前記ウの課税される総所得金額4125万8000円に所得税法89条1項に規定する税率を乗じて計算した金額である。 (イ) 配当控除の金額(別表4-1⑬欄) 7万7400円上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額154万8000円に所得税法92条1項の規定を適用して算出した金額であり,平成20年分確定申告書に記載された金額と同額である。 (ウ) 源泉徴収税額 (別表4-1⑮欄) 859万9542円上記金額は,承継前原告の平成20年分の所得税の確定申告書に記載された源泉徴収税額と同額である。 (3) 平成21年分ア総所得金額(別表4-1①欄) 5653万8679円上記金額は,次の(ア)ないし(エ)の金額の合計額である。 (ア) 不動産所得の金額(別表4-1②欄) 1930万9381円上記金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額である。 a 総収入金額 6878万2992円上記金額は,次の(a)の金額から(b)の金額を差し引いた金額である。 (a) 確定申告における不動産収入の金額 7411万3974円上記金額は,承継前原告が処分行政庁に対して提出した承継前原告の平成21年分の所得税の確定申告書に添付された不動産所得に係る収支内訳書(以下「平成21年分収支内訳書」という。)に記載された不動産所得の収入金額と同額である。 (b) 承継前原告の不動産所得に係る収入金額とならない金額533万0982円 上記金額は,承継前原告が不動産所得の収入とした金額のうち,法人である本件各LPSからの収入金と認められる金額であり,承継前原告の不動産所得に係る収入金額とは認められないため 0982円 上記金額は,承継前原告が不動産所得の収入とした金額のうち,法人である本件各LPSからの収入金と認められる金額であり,承継前原告の不動産所得に係る収入金額とは認められないため,同収入金額から除かれる金額である。 当該収入金は,後記(エ)aのとおり,雑所得の収入金額とされるべきものである。 b 必要経費の金額 4947万3611円上記金額は,次の(a)の金額から(b)の金額を差し引いた金額である。 (a) 確定申告における不動産所得に係る必要経費の金額6306万5239円上記金額は,平成21年分収支内訳書に記載された不動産所得に係る必要経費の合計金額と同額である。 (b) 承継前原告の不動産所得に係る必要経費とならない金額1359万1628円上記金額は,次のⅰないしⅲ及びⅵの金額の合計額1379万9556円から,ⅳ及びⅴの金額の合計額20万7928円を差し引いた金額である。 なお,ⅰないしⅲの金額は,承継前原告が締結した各LPS契約に関連する費用であり,承継前原告の不動産所得を得るために要した費用とは認められない金額であることから,承継前原告の不動産所得に係る必要経費から除かれる金額である。また,ⅳないしⅵの金額は,承継前原告が所有する国内不動産に係る不動産所得の必要経費の算定を誤っていたものである。 ⅰ 減価償却費から除かれる金額 1014万4278円ⅱ 借入金利子から除かれる金額 350万2625円ⅲ 支払管理料から除かれる金額 10万0153円 ⅳ 減価償却費に加える金額 12万4942円ⅴ 租税公課に加える金額 8万2986円ⅵ 雑費から除かれる金額 0153円 ⅳ 減価償却費に加える金額 12万4942円ⅴ 租税公課に加える金額 8万2986円ⅵ 雑費から除かれる金額 5万2500円(イ) 配当所得の金額(別表4-1③欄) 154万8000円上記金額は,承継前原告の平成21年分の所得税の確定申告書に記載された配当所得の金額と同額である。 (ウ) 給与所得の金額(別表4-1④欄) 3440万0000円上記金額は,承継前原告の平成21年分の所得税の確定申告書に記載された給与所得の金額と同額である。 (エ) 雑所得の金額(別表4-1⑤欄) 128万1298円上記の金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額であり,事業所得,不動産所得,利子所得,配当所得,給与所得,退職所得,山林所得,譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しないことから,承継前原告の雑所得とすべき金額である。 a 収入金額 533万0982円上記金額は,前記(ア)a(b)の本件各LPSからの収入金の合計額5万7901.41米ドルを,株式会社みずほ銀行における平成21年の営業日末日の米国ドルの電信売買相場の仲値である92.07円で円換算した金額である。 b 必要経費 404万9684円上記金額は,本件各LPSの持分を取得するための債務に係る支払利息の合計額3万8043.09米ドル,資産管理手数料の合計額5541.76米ドル及び米国税務申告手数料等400米ドルを,株式会社みずほ銀行における平成21年の営業日末日の米ドルの電信売買相場の仲値である92.07円でそれぞれ円換算した金額を合計した金額である。 イ分離長期譲渡所得の金 400米ドルを,株式会社みずほ銀行における平成21年の営業日末日の米ドルの電信売買相場の仲値である92.07円でそれぞれ円換算した金額を合計した金額である。 イ分離長期譲渡所得の金額(別表4-1⑥欄) 9952万6147円上記金額は,承継前原告の平成21年分の所得税の確定申告書に記載された分離長期譲渡所得の金額と同額である。 ウ所得控除の額の合計額(別表4-1⑦欄) 312万6326円上記金額は,承継前原告の平成21年分の所得税の確定申告書に記載された所得控除の額の合計額と同額である。 エ課税される総所得金額(別表4-1⑧欄) 5341万2000円上記金額は,前記アの金額から前記ウの金額を控除した金額である。 オ課税される分離長期譲渡所得金額(別表4-1⑨欄)9952万6000円上記金額は,承継前原告の平成21年分の所得税の確定申告書に記載された課税される分離長期譲渡所得の金額と同額である。 カ納付すべき税額(別表4-1⑰欄) 2442万4100円上記金額は,次の(ア)及び(イ)の金額の合計額から,(ウ)ないし(オ)の金額の合計額を控除した金額である。 (ア) 課税される総所得金額に対する税額(別表4-1⑩欄)1856万8800円上記金額は,前記エの課税される総所得金額5341万2000円に所得税法89条1項に規定する税率を乗じて計算した金額である。 (イ) 課税される分離長期譲渡所得に対する税額(別表4-1⑪欄)1492万8900円上記金額は,前記オの課税される分離長期譲渡所得金額9952万6000円に租税特別措置法31条1項に規定する税率100分の15を適用して算出した金額である。 (ウ) 配当控除の金額(別表4-1⑬欄) 7万7400円 離長期譲渡所得金額9952万6000円に租税特別措置法31条1項に規定する税率100分の15を適用して算出した金額である。 (ウ) 配当控除の金額(別表4-1⑬欄) 7万7400円上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額154万8000円に所得税 法92条1項の規定を適用して算出した金額であり,承継前原告の平成21年分の確定申告書に記載された金額と同額である。 (エ) 源泉徴収税額(別表4-1⑮欄) 863万2520円上記金額は,承継前原告の平成21年分の所得税の確定申告書に記載された源泉徴収税額と同額である。 (オ) 予定納税額(別表4-1⑯欄) 36万3600円上記金額は,承継前原告の平成21年分の所得税の確定申告書に記載された予定納税額(第1期分及び第2期分の合計額)と同額である。 (4) 平成22年分ア総所得金額(別表4-1①欄) 5426万9822円上記金額は,次の(ア)ないし(エ)の金額の合計額である。 (ア) 不動産所得の金額(別表4-1②欄) 1781万2115円上記金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額である。 a 総収入金額 7049万5152円上記金額は,承継前原告が処分行政庁に対して提出した承継前原告の平成22年分の所得税の確定申告書に添付された不動産所得に係る収支内訳書(以下「平成22年分収支内訳書」という。)に記載された不動産所得の収入金額と同額である。 b 必要経費の金額 5268万3037円上記金額は,次の(a)の金額から(b)の金額を差し引いた金額である。 (a) 確定申告における不動産所得に係る必要経費の金額5301万3265円上記 5268万3037円上記金額は,次の(a)の金額から(b)の金額を差し引いた金額である。 (a) 確定申告における不動産所得に係る必要経費の金額5301万3265円上記金額は,平成22年分収支内訳書に記載された不動産所得に係る必要経費の合計金額と同額である。 (b) 承継前原告の不動産所得に係る必要経費とならない金額33万0228円 上記金額は,次のⅱ,ⅳ及びⅴの金額の合計額53万0982円から,ⅰ及びⅲの金額の合計額20万0754円を差し引いた金額である。 なお,ⅰないしⅴの金額は,承継前原告が,平成22年分の確定申告において,国内不動産に係る不動産所得の必要経費の算定を誤っていたものである。 ⅰ 減価償却費に加える金額 12万5037円ⅱ 借入金利子から除かれる金額 25万5420円ⅲ 租税公課に加える金額 7万5717円ⅳ 損害保険料から除かれる金額 9万9533円ⅴ 修繕費から除かれる金額 17万6029円(イ) 配当所得の金額(別表4-1③欄) 0円上記金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額である。 a 確定申告における配当所得の金額 235万7769円上記金額は,承継前原告が処分行政庁に対して提出した承継前原告の平成22年分の所得税の確定申告書に記載された配当所得の金額と同額である。 b 承継前原告の配当所得にならない金額 235万7769円上記金額は,Z-LPSからの収入金の一部とG-LPSからの収入金であり,承継前原告が,配当所得として申告した額であるが,当該収入金は利益の配当とは認められないことから,同所得金額から除かれる金 上記金額は,Z-LPSからの収入金の一部とG-LPSからの収入金であり,承継前原告が,配当所得として申告した額であるが,当該収入金は利益の配当とは認められないことから,同所得金額から除かれる金額である。 当該収入金は,後記(エ)aのとおり,雑所得の収入金額とされるべきものである。 (ウ) 給与所得の金額(別表4-1④欄) 3421万0000円上記金額は,承継前原告の平成22年分の所得税の確定申告書に記載 された給与所得の金額と同額である。 (エ) 雑所得の金額(別表4-1⑤欄) 224万7707円上記金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額であり,事業所得,不動産所得,利子所得,配当所得,給与所得,退職所得,山林所得,譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しないことから,承継前原告の雑所得とすべき金額である。 a 収入金額 1013万8556円上記金額は,前記(イ)bの金額を含む本件各LPSからの収入金の合計額12万4491.12米ドルを,株式会社みずほ銀行における平成22年の営業日末日の米国ドルの電信売買相場の仲値である81. 44円で円換算した金額である。 b 必要経費 789万0849円上記金額は,本件各LPSの持分を取得するための債務に係る支払利息の合計額8万5375.12米ドル,資産管理手数料の合計額1万1016.46米ドル及び米国税務申告手数料等500米ドルを,株式会社みずほ銀行における平成22年の営業日末日の米ドルの電信売買相場の仲値である81.44円でそれぞれ円換算した金額を合計した金額である。 イ所得控除の額の合計額(別表4-1⑦欄) 301万0333円上記金額は,承継前原告の平成22年分の所 信売買相場の仲値である81.44円でそれぞれ円換算した金額を合計した金額である。 イ所得控除の額の合計額(別表4-1⑦欄) 301万0333円上記金額は,承継前原告の平成22年分の所得税の確定申告書に記載された所得控除の額の合計額と同額である。 ウ課税される総所得金額(別表4-1⑧欄) 5125万9000円上記金額は,前記アの金額から前記イの金額を控除した金額である。 エ納付すべき税額(別表4-1⑰欄) 539万9800円上記金額は,次の(ア)の金額から,(イ)及び(ウ)の金額を控除した金額である。 (ア) 課税される総所得金額に対する税額(別表4-1⑩欄)1770万7600円上記金額は,前記ウの課税される総所得金額5125万9000円に所得税法89条1項に規定する税率を乗じて計算した金額である。 (イ) 源泉徴収税額(別表4-1⑮欄) 827万9800円上記金額は,承継前原告の平成22年分の所得税の確定申告書に記載された源泉徴収税額と同額である。 (ウ) 予定納税額(別表4-1⑯欄) 402万8000円上記金額は,承継前原告の平成22年分の所得税の確定申告書に記載された予定納税額(第1期分及び第2期分の合計額)と同額である。 (5) 平成23年分ア総所得金額(別表4-2①欄) 2億0980万6319円上記金額は,次の(ア)ないし(エ)の金額と(オ)の一時所得の金額の2分の1に相当する金額1637万2953円との合計額である(所得税法22条2項)。 (ア) 不動産所得の金額(別表4-2②欄) 529万6150円上記金額は,次のaの金額からb及びcの金額を控除した金額である。 a 総収入金額 条2項)。 (ア) 不動産所得の金額(別表4-2②欄) 529万6150円上記金額は,次のaの金額からb及びcの金額を控除した金額である。 a 総収入金額 7050万4427円上記金額は,承継前原告が芝税務署長に対して提出した承継前原告の平成23年分の所得税の確定申告書に添付された不動産所得に係る所得税青色申告決算書(以下「平成23年分青色申告決算書」という。)に記載された不動産所得の収入金額と同額である。 b 必要経費等の金額 6455万8277円上記金額は,次の(a)の金額と(b)の金額との合計金額である。 (a) 確定申告における不動産所得に係る必要経費の金額6261万8910円 上記金額は,平成23年分青色申告決算書に記載された不動産所得に係る必要経費の合計金額と同額である。 (b) 承継前原告の不動産所得に係る必要経費に加える金額193万9367円上記金額は,次のⅰないしⅴの合計額214万1050円から,ⅵの金額20万1683円を差し引いた金額である。 なお,ⅰないしⅳの金額は,承継前原告が,平成23年分の確定申告において,国内不動産(承継前原告が,平成20年8月に相続により取得した港区αに所在する建物及び港区βに所在する各建物)に係る不動産所得の必要経費の算定を誤っていたものである。 ⅰ 租税公課に加える金額 38万8517円ⅱ 修繕費に加える金額 175万0617円ⅲ 減価償却費に加える金額 103円ⅳ 借入金利子に加える金額 733円ⅴ 地代家賃に加える金額 1080円ⅵ 損害保険料から除く金額 103円ⅳ 借入金利子に加える金額 733円ⅴ 地代家賃に加える金額 1080円ⅵ 損害保険料から除く金額 20万1683円c 青色申告特別控除額 65万0000円上記金額は,承継前原告の平成23年分青色申告決算書に記載された金額と同額である。 (イ) 配当所得の金額(別表4-2③欄) 1億5180万2040円上記金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額である。 a 確定申告における配当所得の金額 1億5417万0823円上記金額は,承継前原告が処分行政庁に対して提出した承継前原告の平成23年分の所得税の確定申告書に記載された配当所得の金額と同額である。 b 承継前原告の配当所得にならない金額 236万8783円 上記金額は,Z-LPSからの収入金の一部とG-LPSからの収入金であり,承継前原告が,配当所得として申告した額であるが,当該収入金は利益の配当とは認められないことから,配当所得の金額から除かれる金額である。 当該収入金は,後記(エ)a(a)のとおり,雑所得の収入金額とされるべきものである。 (ウ) 給与所得の金額(別表4-2④欄) 3421万0000円上記金額は,承継前原告の平成23年分の所得税の確定申告書に記載された給与所得の金額と同額である。 (エ) 雑所得の金額(別表4-2⑤欄) 212万5176円上記金額は,次のaの金額からbの金額を控除した金額であり,利子所得,配当所得,不動産所得,事業所得,給与所得,退職所得,山林所得,譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しないことから,承継前原告の雑所得とすべき金額である。 a 収入金 除した金額であり,利子所得,配当所得,不動産所得,事業所得,給与所得,退職所得,山林所得,譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しないことから,承継前原告の雑所得とすべき金額である。 a 収入金額 968万6894円上記金額は次の(a)の金額と(b)の金額との合計金額である。 (a) 本件各LPSからの収入金967万6694円上記金額は,上記(イ)bの金額を含む本件各LPSからの収入金の合計額12万4491.12米ドルを,株式会社みずほ銀行における平成23年の営業日末日の米ドル電信売買相場の仲値である77. 73円で換算した金額である。 (b) 還付加算金 1万0200円上記金額は,承継前原告の平成23年分の所得税の確定申告書に記載された金額と同額である。 b 必要経費 756万1718円 上記金額は,本件各LPSの持分を取得するための債務に係る支払利息の合計額8万3851.96米ドル,資産管理手数料の合計額1万1016.46米ドル及び弁護士・会計士相談料2413.45米ドルを,株式会社みずほ銀行における平成23年の営業日末日の米ドルの電信売買相場の仲値である77.73円でそれぞれ円換算した金額を合計した金額である。 (オ) 一時所得の金額 3274万5906円上記金額は,承継前原告の平成23年分の所得税の確定申告書に記載された一時所得の金額と同額である。 イ所得控除の額の合計額(別表4-2⑦欄) 574万3666円上記金額は,承継前原告の平成23年分の所得税の確定申告書に記載された所得控除の額の合計額と同額である。 ウ課税され る。 イ所得控除の額の合計額(別表4-2⑦欄) 574万3666円上記金額は,承継前原告の平成23年分の所得税の確定申告書に記載された所得控除の額の合計額と同額である。 ウ課税される総所得金額(別表4-2⑧欄) 2億0406万2000円上記金額は,前記アの金額から前記イの金額を控除した金額である。 エ納付すべき税額(別表4-2⑮欄) 2682万2100円上記金額は,次の(ア)の金額から,(イ)ないし(エ)の金額を控除した金額である。 (ア) 課税される総所得金額に対する税額(別表4-2⑨欄)7882万8800円上記金額は,前記ウの課税される総所得金額2億0406万2000円に所得税法89条1項に規定する税率を乗じて計算した金額である。 (イ) 配当控除の金額(別表4-2⑩欄) 759万0102円上記金額は,前記ア(イ)の配当所得の金額1億5180万2040円に所得税法92条1項の規定を適用して算出した金額である。 (ウ) 源泉徴収税額(別表4-2⑫欄) 3819万0163円上記金額は,承継前原告の平成23年分の所得税の確定申告書に記載 された源泉徴収税額と同額である。 (エ) 予定納税額(別表4-2⑭欄) 622万6400円上記金額は,承継前原告の平成23年分の所得税の確定申告書に記載された予定納税額(第1期分及び第2期分の合計額)と同額である。 2 本件個人各更正処分等の計算前記1のとおり,被告が本訴において主張する承継前原告の本件各年分における納付すべき所得税の額は,それぞれ,次のとおりである。 (1) 平成19年分 190万4400円(2) 平成20年分 503万02 付すべき所得税の額は,それぞれ,次のとおりである。 (1) 平成19年分 190万4400円(2) 平成20年分 503万0200円(3) 平成21年分 2442万4100円(4) 平成22年分 539万9800円(5) 平成23年分 2682万2100円そして,上記の各金額は,平成19年分ないし平成21年分及び平成23年分においては本件個人各更正処分等における納付すべき税額と同額であり,平成22年分においては承継前原告の確定申告における納付すべき税額(ただし,平成24年7月2日付け審査裁決により一部減額後のもの)を上回る。 3 本件個人各賦課決定処分の根拠本件個人各更正処分等により承継前原告が新たに納付すべき所得税の額について,その基礎となった事実につき,承継前原告がこれを計算の基礎としなかったことに国税通則法65条4項に定める「正当な理由」があるとは認められない場合に,本件個人各更正処分等により承継前原告が新たに納付すべきこととなった税額を基礎として課されるべき過少申告加算税の金額は,次のとおりである。 (1) 平成19年分の過少申告加算税の額 50万1000円上記金額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,承継前原告が平成19年分更正処分により新たに納付すべきこととなった税額501万円(ただ し,国税通則法118条3項の規定に基づき1万円未満の端数金額を切り捨てた後のもの。以下,この計算方法は「平成…年分の過少申告加算税の額」の項において同じ。)に100分の10の割合を乗じて算出した金額である。 (2) 平成20年分の過少 1万円未満の端数金額を切り捨てた後のもの。以下,この計算方法は「平成…年分の過少申告加算税の額」の項において同じ。)に100分の10の割合を乗じて算出した金額である。 (2) 平成20年分の過少申告加算税の額 44万8000円上記金額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,承継前原告が平成20年分更正処分により新たに納付すべきこととなった税額448万円に100分の10の割合を乗じて算出した金額である。 (3) 平成21年分の過少申告加算税の額 38万1000円上記金額は,国税通則法65条1項の規定に基づき,承継前原告が平成21年分更正処分により新たに納付すべきこととなった税額381万円に100分の10の割合を乗じて算出した金額である。 4 本件個人各賦課決定処分の適法性被告が本訴において主張する本件個人各更正処分等に伴って賦課されるべき本件各年分の過少申告加算税の額は,前記3のとおりであるところ,本件個人各賦課決定処分における過少申告加算税の額は,上記の各金額と同額である。 以上

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る