主文 第1審原告X1の控訴並びに当審における拡張請求及び追加された選択的請求について原判決中第1審原告X1に関する部分を次のとおり変更する。 第1審被告は,第1審原告X1に対し,66万3793円及びうち別紙「第1審原告X1の差額一覧」における「合計」欄記載の各金員に対する「年月日」欄記載の各日から,うち6万0344円に対する平成26年5月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第1審原告X1のその余の請求をいずれも棄却する。 控訴人X2の控訴並びに当審における拡張請求及び追加された選択的請求並びに控訴人X3の控訴及び当審において追加された選択的請求について原判決中控訴人X2及び控訴人X3に関する部分を次のとおり変更する。 第1審被告は,控訴人X2に対し,87万8783円及びうち別紙「控訴人X2の差額一覧」記載の各金員に対する各日から,うち49万8094円に対する平成27年4月7日から,うち7万9889円に対する平成26年5月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第1審被告は,控訴人X3に対し,67万1935円及びうち別紙「控訴人X3の差額一覧」記載の各金員に対する各日から,うち45万0450円に対する平成26年4月7日から,うち6万1085円に対する同年5月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 控訴人X2及び控訴人X3のその余の請求をいずれも棄却する。 控訴人X4の控訴及び当審において追加された選択的請求について控訴人X4の控訴及び当審において追加された選択的請求をいずれも棄 却する。 第1審被告の控訴について第1審被告の控訴を棄却する。 訴訟費用は,第1,2審を通じて,第1審原告X1と第1審被告との間に生じた部分はこれを25分し,その24を第1審原告X1 却する。 第1審被告の控訴について第1審被告の控訴を棄却する。 訴訟費用は,第1,2審を通じて,第1審原告X1と第1審被告との間に生じた部分はこれを25分し,その24を第1審原告X1の負担とし,その余を第1審被告の負担とし,控訴人X2及び控訴人X3と第1審被告との間に生じた部分はこれを50分し,その47を控訴人X2及び控訴人X3の負担とし,その余を第1審被告の負担とし,控訴人X4と第1審被告との間に生じた部分はこれを全て控訴人X4の負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨 第1審原告X1原判決中第1審原告X1に関する部分を次のとおり変更する。 第1審被告は,第1審原告X1に対し,1734万9667円及びうち別紙1-1「原告X1本給差額」の「差額」欄記載の各金員に対する「支給年月日」欄記載の各日から,うち別紙2-1「原告X1賞与差額」の「差額」欄記載の各金員に対する「支給年月日」欄記載の各日から,うち別紙3「原告X1残業手当差額」の「差額」欄記載の各金員に対する「支給年月日」欄記載の各日から,うち3万円に対する平成28年8月1日から,うち407万7242円に対する平成26年5月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 控訴人X2原判決を取り消す。 第1審被告は,控訴人X2に対し,1345万2457円及びうち別紙1-2「原告X2本給差額」の「差額」欄記載の各金員に対する「支給年月日」欄記載の各日から,うち別紙2-2「原告X2賞与差額」の「差額」欄記載 の各金員に対する「支給年月日」欄記載の各日から,うち246万1000円に対する平成27年4月7日から,うち421万5678円に対する平成26年5月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 控訴人X3原判決を取り消す。 第 ら,うち246万1000円に対する平成27年4月7日から,うち421万5678円に対する平成26年5月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 控訴人X3原判決を取り消す。 第1審被告は,控訴人X3に対し,1097万4609円及びうち原判決別紙1-3「原告X3本給差額」の「差額」欄記載の各金員に対する「支給年月日」欄記載の各日から,うち別紙2-2「原告X3賞与差額」の「差額」欄記載の各金員に対する「支給年月日」欄記載の各日から,うち224万7000円に対する平成26年4月7日から,うち349万0419円に対する同年5月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 控訴人X4原判決を取り消す。 第1審被告は,控訴人X4に対し,801万2917円及びうち原判決別紙1-4「原告X4本給差額」の「差額」欄記載の各金員に対する「支給年月日」欄記載の各日から,うち別紙2-2「原告X4賞与差額」の「差額」欄記載の各金員に対する「支給年月日」欄記載の各日から,うち145万1680円に対する平成24年4月7日から,うち297万3902円に対する平成26年5月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第1審被告原判決中第1審被告敗訴部分を取り消す。 上記部分につき,第1審原告X1の請求を棄却する。 訴訟費用中第1審原告X1との関係で生じた部分は,第1,2審とも第1審原告X1の負担とする。 第2事案の概要等 本件は,第1審被告の契約社員として期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という。)を締結して東京地下鉄株式会社(以下「東京メトロ」という。)の駅構内の売店で販売業務に従事している第1審原告X1並びに同業務にかつて従事していた控訴人X2,控訴人X3及び控訴人X4(以下,この3名を併せて て東京地下鉄株式会社(以下「東京メトロ」という。)の駅構内の売店で販売業務に従事している第1審原告X1並びに同業務にかつて従事していた控訴人X2,控訴人X3及び控訴人X4(以下,この3名を併せて「控訴人ら」といい,第1審原告X1と併せて「第1審原告ら」という。)が,期間の定めのない労働契約(以下「無期労働契約」という。)を第1審被告と締結している労働者(以下「正社員」という。)のうち上記売店業務に従事している者と第1審原告らとの間で,①本給及び資格手当,②住宅手当,③賞与,④退職金,⑤褒賞並びに⑥早出残業手当(以下,これらを併せて「本件賃金等」という。)に相違があることは労働契約法20条(労働契約法の一部を改正する法律(平成24年法律第56号)2条による改正後のもの。以下同じ。)又は公序良俗に違反していると主張して,第1審被告に対し,不法行為又は債務不履行に基づき,平成23年5月20日から各退職日(ただし,第1審原告X1においては平成28年9月20日)までの間に正社員であれば支給されたであろう本件賃金等の一部(控訴人らにおいては上記①から⑤まで,第1審原告X1においては上記①から③まで,⑤及び⑥。以下,これらを総称して「本件諸手当」という。)と同期間に第1審原告らに支給された本件諸手当との差額に相当する損害金,慰謝料及び弁護士費用の合計額(内訳は原判決別紙請求債権目録記載のとおり)並びに本件諸手当のうち褒賞を除く部分(上記①から④まで及び⑥)に対応する損害金に対する各支払期日から,慰謝料及び弁護士費用に対する訴え提起の日である平成26年5月1日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 原審は,第1審原告X1の請求のうち不法行為に基づく損害賠償請求の一部を認容したが,その余の請求及び控訴人ら 1日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 原審は,第1審原告X1の請求のうち不法行為に基づく損害賠償請求の一部を認容したが,その余の請求及び控訴人らの各請求をいずれも棄却する判決をしたところ,第1審被告がその敗訴部分を不服として,また,第1審原告らが その敗訴部分をそれぞれ不服として,本件各控訴をした。 第1審原告らは,当審において,選択的に,上記有期労働契約に基づき,上記と同額の金員の支払を求める(以下,この請求を「本件差額賃金請求」という。)訴えを追加(訴えの追加的変更)したほか,第1審原告X1においては,請求する差額又は差額に相当する損害金の発生する時期を平成30年4月20日までとし,控訴人X2においては,本給の計算に誤りがあったとして,それぞれ請求を拡張する訴えの変更をした。 前提事実原判決の「事実及び理由」欄の「第2事案の概要」の2に記載(別紙1-3及び1-4並びに別紙6を含む。)のとおりであるから,これを引用する。 ただし,原判決を次のとおり訂正する。 原判決4頁17行目の「東京地下鉄」から「メトロ)」までを「東京メトロ」と,5頁2行目の「いずれも」を「いずれも高等学校(ただし,控訴人X3においては専門学校)を卒業した後,社会人生活を経て,」と,7行目の「X1」から末尾までを「(昭和29年■月■日生)」と,10行目の「X2」から末尾までを「(昭和25年■月■■日生)」と,15行目の「X3」から末尾までを「(昭和23年■■月■■日生)」と,19行目の「X4」から末尾までを「(昭和22年■月■■日生)」とそれぞれ改める。 原判決6頁9行目の「される。」を「されている。」と改める。 原判決6頁21行目及び24行目の各「甲3の2」をいずれも「甲3の2から3の4まで」と改める。 原 22年■月■■日生)」とそれぞれ改める。 原判決6頁9行目の「される。」を「されている。」と改める。 原判決6頁21行目及び24行目の各「甲3の2」をいずれも「甲3の2から3の4まで」と改める。 原判決8頁3行目の「「社員」」を「平成28年3月までは,「社員」(正社員を指す。)」と,5行目の「異なる」から6行目末尾までを「異なっていた(以下,正社員に適用される就業規則(甲7)を「正社員就業規則」と,契約社員Aに適用される就業規則(乙10)を「契約社員A就業規則」と,契約社員Bに適用される就業規則(甲8)を「契約社員B就業規則」とそれ ぞれいう。)。」と,8行目の「定年の期間の定めのない」を「定年(退職日は,定年に達した日の属する当該年度の末日(3月31日)とする。)の無期」と,18行目の「就業規則」を「契約社員A就業規則」と,同行目の「有期契約」を「有期労働契約」と,同行目から19行目にかけての「2条」を「2条1項」と,20行目から21行目にかけての「(甲10,乙10)。」を「(定年退職者の退職日は,定年に達した日の属する当該年度の末日(3月31日)とする。)(乙10・33条)。」とそれぞれ改め,同行目末尾に改行して「契約社員Aには,一定の場合に試験を実施した上で正社員に登用する制度が設けられている(乙10・96条)。」を加え,22行目の「本社の」を「本社の経営管理部」と,9頁8行目の「である。」を「である(定年退職者の退職日は,定年に達した日の属する当該年度の末日(3月31日)とする(甲8・30条2項)。)。」とそれぞれ改め,同行目末尾に改行して「契約社員Bには,一定の場合に試験を実施した上で契約社員Aに登用する制度が設けられている(甲8・76条)。」を加える。 原判決10頁12行目から14行目までを削り,24行目の「円の」を「円 行して「契約社員Bには,一定の場合に試験を実施した上で契約社員Aに登用する制度が設けられている(甲8・76条)。」を加える。 原判決10頁12行目から14行目までを削り,24行目の「円の」を「円までの」と,11頁3行目の「扶養家族がある者」を「扶養家族(配偶者,満18歳未満の直系卑属等で主として正社員の収入によって生計を維持する者をいう。以下同じ。)がある者」と,4行目の「26条」を「26条1項,28条」と,7行目の「27条」を「27条1項」とそれぞれ改め,21行目の「3割5分増」の次に「(以下,これらの割増率を「本件割増率」という。)」を加え,同行目の「40条」を「40条1項」と,末行の「について,1年間」を「(国民の祝日並びに年末年始(12月30日,同月31日,1月2日及び同月3日))に代わる休暇として,1年間につき」と,12頁1行目の「72条」を「71条1項,72条1項」と,7行目の「の平均支給実績は,」を「から平成29年度までの平均支給実績は,いずれの年度も」と,同行目の「月額給与」を「本給」と,8行目の「が支給された(弁論の 全趣旨)。」を「であった(乙21,弁論の全趣旨)。」と,11行目の「勤務年数」を「勤続年数」と,12行目の「54条,乙4の1)。」を「54条)。なお,退職金は,原則として退職発令の日から7日以内に支払われる(乙4の1・10条)。」と,16行目の「55条」を「55条1項」とそれぞれ改める。 原判決13頁4行目の「42条」を「42条1項」と,12行目の「23年」を「23年4月」と,同行目の「のとおり」を「の「契約社員B」の「本給」欄記載のとおり」と,16行目の「所定労働時間」を「1日8時間」と,14頁23行目の「44条」を「44条1項」とそれぞれ改める。 原判決15頁24行目の「甲56の2」を「乙19 契約社員B」の「本給」欄記載のとおり」と,16行目の「所定労働時間」を「1日8時間」と,14頁23行目の「44条」を「44条1項」とそれぞれ改める。 原判決15頁24行目の「甲56の2」を「乙19の1・53条」と改め,同行目末尾に改行して次のとおり加える。 「褒賞正社員,契約社員A及び契約社員Bで,業務上特に顕著な功績があり,他の模範として推奨するに足りる行為があった者に対しては,褒賞を行うこととされ,正社員については,永年勤務に精励し,会社に功績があったときは,①勤続10年に表彰状と3万円が,②勤続15年に表彰状と6万円が,③勤続30年に表彰状と12万円が,④勤続40年に表彰状と15万円が,⑤定年退職時に感謝状と記念品(5万円相当)がそれぞれ贈られるが,契約社員A及び契約社員Bについては,その適用がない(乙1の2)。」原判決15頁25行目の「」を「」と改め,16頁1行目の「(各原告)」を削る。 争点及びこれに関する当事者の主張(当審における原判決に対するものを除く。)原判決の「事実及び理由」欄の「第3争点及びこれに関する当事者の主張」に記載(別紙1-3を含む。)のとおりであるから,これを引用する。ただし, 原判決を次のとおり訂正する。 原判決16頁4行目の「成否」を「有無」と改める。 原判決16頁7行目の「労働者」の次に「(以下「有期契約労働者」という。)」を加え,8行目及び18行目の各「期間の定めのない」をいずれも「無期」と改め,8行目の「労働者」の次に「(以下「無期契約労働者」という。)」を加え,16行目の「25年」を「24年」と,17行目の「締結する」から末尾までを「締結していた労働者である。」とそれぞれ改める。 原判決17頁25行目の「就業規則上,」を「正社員就業規則及び契約社員B就業規則によれば,」と,1 「24年」と,17行目の「締結する」から末尾までを「締結していた労働者である。」とそれぞれ改める。 原判決17頁25行目の「就業規則上,」を「正社員就業規則及び契約社員B就業規則によれば,」と,18頁1行目の「店舗の」を「店舗間の」と,2行目の「就業規則」を「正社員就業規則」とそれぞれ改める。 原判決18頁13行目の「賃金格差等」を「賃金等」と改める。 原判決19頁22行目の「また,」から24行目の「される。」まで及び25行目の「し,」から末行の「されない」までを削り,22頁5行目及び14行目の各「下で同一業務」をいずれも「下に同一の業務」と改め,24行目の「ついては」の次に「当該賃金の」を加える。 原判決23頁18行目の「有期労働者と無期労働者」を「有期契約労働者と無期契約労働者」と改める。 原判決24頁1行目の「成否」を「有無」と,3行目の「以前」を「より前」と,8行目の「反する」を「違反する」とそれぞれ改める。 原判決24頁12行目の「サービス」の次に「(以下「地下鉄トラベルサービス」という。)」を,15行目の「現」の次に「公益財団法人」をそれぞれ加え,23行目の「いた。」を「いたところ,上記関連会社再編に当たり,月給制の正社員,月給制の嘱託社員,時間給制のパートタイマーの三つに区分されることになった。さらに,」と,25行目から末行にかけての「その後,」を「平成15年4月には,」とそれぞれ改め,25頁9行目末尾に「(現在は売店事業部)」を加え,11行目の「従事している。」を「従事し ていた。「METRO'S」は,現在コンビニ型売店に移行したほか,少数のお土産売店になっており,第1審原告X1はお土産売店に勤務している。」と改める。 原判決26頁末行の「就業規則」を「正社員就業規則」と,27頁4行目の「12年の」を「12年10月の関連 ほか,少数のお土産売店になっており,第1審原告X1はお土産売店に勤務している。」と改める。 原判決26頁末行の「就業規則」を「正社員就業規則」と,27頁4行目の「12年の」を「12年10月の関連」とそれぞれ改める。 原判決29頁6行目の「有期労働者と期間の定めのない」を「有期契約労働者と無期契約」と,7行目の「期間の定めのない」を「無期契約」と,8行目及び11行目の各「有期労働者」をいずれも「有期契約労働者」と,21行目の「期間の定めのない従業員」を「無期契約労働者」と,30頁1行目の「割増率」を「本件割増率」と,3行目の「時間外」から4行目の「いずれも」までを「本件割増率は,」とそれぞれ改める。 原判決30頁19行目の「成否」を「有無」と改める。 原判決32頁7行目及び13行目の各「の1から1の」をいずれも「-1から1-」と,20行目の「「住宅手当」」を「「正社員」の「住宅手当」」とそれぞれ改める。 原判決32頁23行目の「賞与の」を「賞与」と,33頁1行目から2行目にかけて,6行目,8行目及び12行目の各「別紙2」をいずれも「別紙2-1及び2-2」と,6行目,8行目及び11行目の各「23年」をいずれも「23年4月」と,7行目の「「契約B・支給額」」を「「契約B」の「支給額」」と,9行目の「賞与」を「各賞与」とそれぞれ改める。 原判決33頁15行目の「各原告」,16行目,18行目及び22行目の各「上記原告ら」並びに20行目から21行目にかけての「原告ら」をいずれも「控訴人ら」と,22行目から23行目にかけての「別紙3」を「別紙4退職金差額」とそれぞれ改める。 原判決34頁2行目の「されない。」から4行目末尾までを「されなかった。上記褒賞の不合理な相違により,第1審原告らが被った損害は,勤続年 数及び定年退職の有無に応じて別紙4褒賞 それぞれ改める。 原判決34頁2行目の「されない。」から4行目末尾までを「されなかった。上記褒賞の不合理な相違により,第1審原告らが被った損害は,勤続年 数及び定年退職の有無に応じて別紙4褒賞差額の「合計」欄及び別紙請求債権目録の「褒賞」欄記載のとおりである。」と改める。 原判決34頁6行目の「ア」を削り,同行目の「平成28年8月」を「平成30年3月」と,7行目の「別紙5」を「別紙3「原告X1残業手当差額」」と,9行目の「早出残業時間」を「早出残業+休日労働時」と,12行目の「早出残業手当」を「早出残業+休日労働」と,13行目の「早出残業手当」を「早出残業手当及び休日労働手当」と,14行目の「早出残業手当」を「早出残業+休日労働手当」と,16行目の「91万5110円」を「125万6300円」とそれぞれ改め,17行目から35頁13行目までを削る。 原判決35頁18行目の「原告X2」から「原告X4」までを「控訴人ら」と,20行目の「100万円」を「各100万円」と,21行目の「2年」を「4年」とそれぞれ改める。 原判決36頁20行目の「差額の損害」を「差額相当の損害金の発生」と改める。 原判決36頁末行の「原告X1」から「支給」までを「控訴人らについて退職金相当損害金の発生」と改める。 原判決37頁7行目の「原告X1」から「3名」までを「控訴人ら」と改める。 原判決37頁15行目の「原告X1の」を削り,16行目の「別紙5」から18行目の「時間」」までを「別紙3「原告X1残業手当差額」の「契約社員」欄記載の部分」と,20行目の「祝祭日」を「祝日」と,22行目の「就業規則」を「正社員就業規則」とぞれぞれ改める。 原判決38頁4行目を次のとおり改める。 「4消滅時効の成否(争点4)(第1審被告の主張)」原判決38頁5行目から6行目にかけて及 ,22行目の「就業規則」を「正社員就業規則」とぞれぞれ改める。 原判決38頁4行目を次のとおり改める。 「4消滅時効の成否(争点4)(第1審被告の主張)」原判決38頁5行目から6行目にかけて及び7行目の各「残業手当」をい ずれも「早出残業手当」と改め,14行目末尾に改行して次のとおり加える。 「(第1審原告X1の主張)第1審原告らは,本件組合を通じて,平成21年3月以降,正社員の賃金規則を含む就業規則の開示を求め続けてきたが,第1審被告は開示する必要性がないとして拒み続け,本件訴訟提起後の平成26年7月10日に初めて賃金規則を開示したものである。第1審原告X1は,第1審被告が正社員の賃金規則を開示するまで,正社員と契約社員Bとの間に早出残業手当の割増率の相違があることを全く知らなかった。第1審原告らは,第1審被告による賃金規則の開示を受けて,同年10月16日付け準備書面において,上記割増率の相違が不合理であることを初めて主張した。 第1審被告は,第1審原告X1による早出残業手当差額相当損害金の請求が債務不履行に基づくものであり不法行為に基づくものではないから,2年間の時効期間が適用されると主張する。しかし,第1審原告X1の契約社員Bとしての労働契約に基づく早出残業手当は支給されておりその未払はないから,債務不履行ではない。第1審原告X1は,あくまで正社員の早出残業手当と比較した場合の差額が不合理な差別に当たることから,労働契約法20条違反及び公序良俗違反を理由とする不法行為に基づく損害賠償として請求しているものであり,時効期間は3年間である。また,第1審原告X1が「損害及び加害者を知った時」は,第1審被告が正社員の賃金規則を開示した平成26年7月10日であるから,平成28年11月22日付け訴えの変更申立書による請求まで 3年間である。また,第1審原告X1が「損害及び加害者を知った時」は,第1審被告が正社員の賃金規則を開示した平成26年7月10日であるから,平成28年11月22日付け訴えの変更申立書による請求までに3年間は経過していない。したがって,第1審被告の消滅時効の主張は失当である。 仮に消滅時効の援用が可能であるとしても,上記の第1審被告の対応は,第1審原告X1による請求権行使を故意に妨げてきたものと いうべきであるから,第1審被告による消滅時効の援用は,信義則に反し許されない。 労働契約に基づく請求の当否(争点5)(第1審原告らの主張)第1審原告らの各労働条件を定める労働契約や契約社員B就業規則は労働契約法20条又は公序良俗に違反するから無効となるのであって,その結果,第1審原告らには正社員就業規則(賃金規則,賞与金支給規程及び退職金規程を含む。以下同じ。)の各規定が適用されることになる。したがって,第1審原告らは,第1審被告に対し,正社員就業規則に基づき,本件賃金等について差額賃金請求権を有する。 (第1審被告の主張)公序良俗違反であれ労働契約法20条違反であれ,その効果として労働契約の内容の改定を伴うかのごとき直律効が認められないことは明らかであり,主張自体失当というほかない。」 当審における第1審原告らの主張比較対象となる正社員について原判決は,正社員全員を比較対象者とすべきであると判示するが,①契約社員Bと同様に売店業務に従事する正社員は,定年退職により次第に減少していたとはいえ,平成27年1月時点でも一定数存在しているのであるから,第1審原告らが上記正社員の労働条件との相違を問題とすること自体失当ではないし,②労働契約法20条の文言によれば,比較対象者となる正社員は何ら限定はなく,施行通達でも同様であって,もと であるから,第1審原告らが上記正社員の労働条件との相違を問題とすること自体失当ではないし,②労働契約法20条の文言によれば,比較対象者となる正社員は何ら限定はなく,施行通達でも同様であって,もとより正社員全員を比較対象者としなければならないとも定められていないのであり,③固定売店の販売業務に専従している正社員は,他の正社員と同じ処遇を受けており,売店業務に専従してきたからといって,他の正社員と異なる処遇を受けているわけではないから,上記判示は誤っている。④加えて,原判決は,この誤りを 正当化するために,固定売店の販売業務に専従してきた正社員とそれ以外の正社員に適用される就業規則が同一であることを持ち出しているが,固定売店の販売業務に従事してきた正社員に正社員一般の就業規則を適用するか否かは,就業規則の定め方の問題であり,使用者の裁量の範囲内の問題である。 本件で問題としているのは,有期契約労働者である第1審原告らと比較対象者となる正社員(無期契約労働者)との労働条件の相違が不合理ではないかということであり,正社員に適用される就業規則が合理的であるか否かが問題なのではない。 契約社員Bの雇用実態について原判決は,正社員を長期雇用を前提とするものとし,契約社員Bを短期雇用を原則とするものとしているが,契約社員Bは期間の定めはあっても,就業規則上は定年を65歳とし,長期勤続者の有給休暇について定められているなど実質的には長期勤続を前提としている上,第1審原告らにおける労働契約では,原則として更新するとされ,正社員の解雇理由に相当するような真にやむを得ない事由がない限り,雇止めがされることはなく,更新が繰り返されているし,固定売店の販売業務は第1審被告の営業内容の中核を成す恒常的な業務であって,一時的・補完的な業務であるなどとは断じて にやむを得ない事由がない限り,雇止めがされることはなく,更新が繰り返されているし,固定売店の販売業務は第1審被告の営業内容の中核を成す恒常的な業務であって,一時的・補完的な業務であるなどとは断じていえないから,このような実態を無視した判断である。 有為な人材の確保・定着を目的とすることによる不合理性の判断について原判決は,住宅手当,賞与,退職金及び褒賞について正社員との相違が不合理であるとはいえない理由の一つとして「有為な人材の確保・定着」を目的とすることを挙げるが,①第1審被告は原審口頭弁論終結の期日に陳述した準備書面で住宅手当については同旨の主張をするに至ったが,原審は,第1審被告に具体的な釈明を求めることもなければ,第1審原告らに反論を求めることもなかったし,賞与,退職金及び褒賞については,第1審被告は上記主張すらしていなかったものであり,それにもかかわらず原審は上記のよ うな判断をしたものであって,このような偏ぱな主張整理や判断は,裁判の中立性・公正性を欠き,失当である。また,②「有為な人材の確保・定着」は抽象的であり,このような理由で正社員と有期契約社員との労働条件の相違が不合理とはいえないということになれば,ほとんどの相違が不合理とはいえないということになりかねないし,平成28年12月20日に政府が発表した「同一労働同一賃金ガイド案」でも「将来の役割期待が異なるため,賃金決定基準・ルールが異なる」という「主観的・抽象的説明では足りず」,「その違いについて職務内容,職務内容・配置の変更の範囲,その他の事情の客観的・具体的な実態に照らして不合理なものはあってはならない」とされており,原判決は立法の方向にも逆行するものである。 職務の内容の同一性について①正社員が固定売店業務に加えて代務業務やエリアマネージャー業務も担当 に照らして不合理なものはあってはならない」とされており,原判決は立法の方向にも逆行するものである。 職務の内容の同一性について①正社員が固定売店業務に加えて代務業務やエリアマネージャー業務も担当しているのであれば,業務に相違があるといえるが,原判決が現に担当していない業務を持ち出して,契約社員Bの業務とは著しく異なるとして職務の同一性を否定することは,法律の解釈・適用を誤ったものである。②エリアマネージャーは,売店業務に従事している正社員の中でも数名程度しか任命されない上,実際には男性の正社員が任命されることが多いことからすれば,売店業務に従事している正社員にはエリアマネージャーになる可能性があることが,契約社員Bとの間で,職務の内容,当該職務の内容及び配置の変更の範囲において大きな相違であるとはいえない。③エリアマネージャーは,担当するエリアの売上げを管理するわけでもなく,ノルマもないし,発注にも関与しない上,売店従業員を指導したり就労状況を管理したりすることもなく,売店業務に比べて環境が整った事務所で待機しているから,身体的な負担も小さいのであって,リーダー職であるからといって必ずエリアマネージャーを担当するものでもないから,正社員がエリアマネージャーを担当する可能性があることをもって,契約社員Bとの間で職務の内容に著しい 相違があるというのは実態に反する。また,④代務業務は,売店の販売業務であるから,代務業務を担当することが売店業務に従事している正社員と契約社員Bとの間で大きな相違とはいい難い上,正社員は代務要員が主たる業務ではなく固定売店業務が主たる業務であり,代務要員を担当した経験がない正社員もいれば,逆に,契約社員Bでも代務要員を担当した者がいる。 職務の内容及び配置の変更の範囲の同一性について①契約社員Bであって なく固定売店業務が主たる業務であり,代務要員を担当した経験がない正社員もいれば,逆に,契約社員Bでも代務要員を担当した者がいる。 職務の内容及び配置の変更の範囲の同一性について①契約社員Bであっても代務業務を担当すること及びその可能性があることや,売店の規模によってその業務内容が異なるわけではないことから,現に固定売店業務を担当している正社員と契約社員Bとの間では職務の内容及び配置の変更の範囲は同じである。また,正社員のみがエリアマネージャーを担当することやその可能性があることをもって,売店業務に従事している正社員と契約社員Bとの間で職務の内容及び配置の変更の範囲が大きく相違するものではない。②現に固定売店業務を担当している正社員が他の職務に従事する可能性は著しく乏しいし,実際に配置転換も出向も命じられずに定年まで固定売店業務に従事する正社員は多く存在する一方,逆に,契約社員Bも,ごくまれに配置転換や出向を命じられた者がいるから,配置転換や出向の可能性があるという点からしても,職務の内容及び配置の変更の範囲は同一である。③売店業務に従事する者には,3年ごとの店舗の異動はあるが,勤務地の変更は東京23区という限定的な範囲であり,住居の移転を伴うものではない。これは,正社員も契約社員Bも同一である。 本給の相違の不合理性について原判決は,正社員との賃金の相違について,高卒の新規採用者の標準的な昇給モデルを持ち出した上で,10年目のS-1職の正社員の本給との比較において,契約社員Bの賃金が85%又は87%程度であるから,不合理ではないと判断しているが,①第1審原告らが入社した時点では,高卒の新規採用者が売店業務に従事していたことはないし,契約社員Bの入社時の平均 年齢が47歳であるから,18歳で入社した正社員の年齢給と比較することは るが,①第1審原告らが入社した時点では,高卒の新規採用者が売店業務に従事していたことはないし,契約社員Bの入社時の平均 年齢が47歳であるから,18歳で入社した正社員の年齢給と比較することは実態に反するのであって,売店業務の経験については,経験年数に応じて号俸が上がっていく職務給で判断すればよい。②労働契約法20条は賃金の格差の不合理性を判断するものであり,正社員の本給の8割程度が支給されていれば不合理ではないと判断する根拠はなく,原判決は不合理ではないとする理由を述べておらず,理由不備である。 住宅手当の相違の不合理性について正社員であっても,勤務場所は本社及び東京メトロ沿線であるから,配置転換によって住居の移転が必要になる可能性はないし,住宅手当は正社員であれば誰でも支給される手当であり,住宅コストの多寡に関わりはない。他方,契約社員Bも長期雇用が予定されているから,原判決は前提から誤っている。 賞与の相違の不合理性について①原判決は,賞与の相違について,本給も含めた年収ベースで高卒新入社員と比較しても,契約社員Bはその70%前後に相当する額を得ているから,不合理とはいえないとするが,第1審原告らの職歴を考慮せず,また,18歳の年齢給に基づく本給を基にした年収で比較するのは,合理性を欠いている。高卒新入社員の本給によって算出した場合であっても賞与のみを比較すれば,契約社員Bはその20%程度に相当する額しか得ていない。また,正社員の賞与は,本給を算定の基礎としているから,勤続年数を経るにつれて増額していくのに対し,契約社員Bの賞与は,勤続年数にかかわらず定額であるから,両者の差額は年々大きくなる。②そもそも,一般に,賞与は,対象期間の業績や従業員の貢献等を考慮して支給されるものであって,原判決が述べるように,本給と同様に, ,勤続年数にかかわらず定額であるから,両者の差額は年々大きくなる。②そもそも,一般に,賞与は,対象期間の業績や従業員の貢献等を考慮して支給されるものであって,原判決が述べるように,本給と同様に,「長期雇用を前提とする」とか,「有為な人材の獲得・定着を図る」などということを理由として,賞与の相違が合理的であるとはいい難い。第1審被告においては,賞与の支給に当たり企業実 績に対する貢献度や職務を評価していないのであり,対象期間内における労務の提供に対する対価として評価しているから,契約社員Bに対して正社員と同様の基準で賞与を支給しないことは不合理である。仮に第1審被告における賞与が功労報償的な性格を一部有するとしても,契約社員Bが対象期間内に第1審被告に対し貢献していることは正社員と異ならないから,同年齢で第1審被告に入社し,同じ勤続年数売店業務に従事している正社員と同額の賞与が支給されるべきである。 退職金の相違の不合理性について①契約社員Bも長期雇用が予定されており,現に長期雇用されているにもかかわらず,退職金が全く支給されない。他方,正社員は,勤続1年で定年退職しても退職金が支給されており,また,自己都合退職の場合でも勤続3年で退職金が支給されているから,長期雇用による人材の確保とは無関係である。②原判決は,登用制度が設けられていることを不合理とはいえない根拠として指摘するが,登用制度は,実際には試験内容が業務上の知識とは無関係なものであり,恣意的な運用実態があるから,登用制度の存在をもって退職金の相違の合理性が認められるものではない。 褒賞の相違の不合理性について契約社員Bについても65歳の定年までの長期雇用が想定されており,実際にも長期雇用されているから,長期雇用を前提とする正社員の福利厚生による有為な人材の確保・定着 い。 褒賞の相違の不合理性について契約社員Bについても65歳の定年までの長期雇用が想定されており,実際にも長期雇用されているから,長期雇用を前提とする正社員の福利厚生による有為な人材の確保・定着を図るという原判決の判断は実態に反する。褒賞は現に就労したことの対価として支払われるのであり,売店業務に従事している正社員も契約社員Bも同一の責任において同一の業務を行っているのであるから,勤続年数に応じて「永年勤務に精励し,会社に功績があ」ることに変わりはない。 したがって,契約社員Bには永年勤続による褒賞のみを適用しないのは,形式的に契約期間の有無を理由とするものであり,不合理である。 早出残業手当に係る損害額についてア原判決は,早出残業手当の算定について,本件割増率を適用するほかは,契約社員Bの労働条件を前提とすべきであるとするが,前記のとおり,本給及び住宅手当について不合理な相違があるから,第1審原告X1と同年齢で第1審被告に入社し,同じ勤続年数売店業務に従事している正社員の本給及び住宅手当を算定の基礎とすべきである。 イまた,原判決は,早出残業時間については勤務日ごとに判断すべきであり,第1審原告X1については1日の早出残業時間は多くても2時間以内であるとするが,第1審被告は従業員からの自己申告に基づく労働時間管理を勤務日単位で行っており,第1審原告X1の勤務日ごとの実労働時間を把握し,その資料を所持しているにもかかわらず,これを明らかにしなかった。このような証拠資料の偏在が明らかな状況の下で,第1審原告X1に勤務日ごとの時間外労働時間の立証を求めるのは不合理である。 売店業務に従事する第1審被告の従業員が2時間を超えて所定時間外労働に従事するのは,1か月に1回,早番・遅番の2名によって行われる棚卸し業務のみであり,遅番に 働時間の立証を求めるのは不合理である。 売店業務に従事する第1審被告の従業員が2時間を超えて所定時間外労働に従事するのは,1か月に1回,早番・遅番の2名によって行われる棚卸し業務のみであり,遅番に当たっている者に2時間を超える早出残業手当が発生する。第1審原告X1が遅番に当たっていて棚卸し業務に従事した日は別紙「2時間超早出残業日一覧」記載のとおりであり,少なくともこれらの各日(以下「2時間超残業日」という。)には2時間を超える所定時間外労働に従事した。 当審における第1審被告の主張早出残業手当の相違について①固定売店に勤務する契約社員Bについては,原則として二人一組の早番・遅番制を設け,始業時刻及び終業時刻が明確であることから,制度設計上,所定時間外労働が発生しにくい(1か月平均で約3時間程度である。)のに対し,正社員については従事すべき職務も責任も異なることから実際に発生 する所定時間外労働も1か月当たり約10時間程度と大幅な相違があること,②本件割増率についていかなる経緯で導入されたのかその詳細は不明であるものの,平成12年6月に互助会が地下鉄トラベルサービス又はメトロ興業株式会社との間で営業譲渡契約を締結した際に互助会の労働組合による運動の成果として法定割増率を上回る本件割増率を認めさせたという経緯は認められるのであって,このような労使交渉の過程は無視されるべきではないこと,③契約社員Bに対しては,正社員とは異なり,平成22年4月1日から早番勤務1回について,150円ないし300円の早番手当が支給されているのであって,第1審原告X1に対しては1か月当たり1200円ないし2800円の範囲で支給されており,平成25年5月から平成28年9月までの間に支給された合計8万4150円は割増率の差による差額3609円をはるかに 審原告X1に対しては1か月当たり1200円ないし2800円の範囲で支給されており,平成25年5月から平成28年9月までの間に支給された合計8万4150円は割増率の差による差額3609円をはるかに上回っていること,④契約社員Bに対しては,正社員とは異なり,平成22年4月1日から皆勤手当が支給されているのであって,第1審原告X1に対しては1か月当たり3000円が支給されており,平成25年5月から平成28年9月までの間に支給された合計12万円は割増率の差による差額3609円をはるかに上回っていること,⑤第1審被告は,平成22年4月1日から,契約社員Bに対し,処遇を配慮する観点から勤続1年ごとに時給10円の引き上げ(上限額は100円)を行っていること,⑥第1審被告は,契約社員Bから契約社員Aへ及び契約社員Aから正社員への各登用制度を設けているところ,これは有期契約労働者に対するキャリアアップ制度に他ならず,契約社員Bの処遇を配慮したものであることからすれば,本件割増率が契約社員Bに適用されないとしても,これが直ちに不合理とはいえないことは明らかである。 不法行為の成否について民法709条の不法行為が成立するためにはその要件を満たす必要があるところ,労働契約法20条の適用によって明らかになるのは損害論のみであ って,第1審被告による同条違反となる契約社員Bに対する取扱いについて故意又は過失や違法性の有無についても改めて検討する必要がある。 本件割増率は,契約社員Bの制度が導入される前から存在するものであり,第1審被告において契約社員Bの制度を設計した時点で契約社員Bにも正社員と同等の本件割増率を付与するとしても,その過程には,新たな制度設計や複数存在する労働組合との交渉,規定の変更,従業員への周知,移行期間の設定等,通常存在する経緯が優 した時点で契約社員Bにも正社員と同等の本件割増率を付与するとしても,その過程には,新たな制度設計や複数存在する労働組合との交渉,規定の変更,従業員への周知,移行期間の設定等,通常存在する経緯が優に予想されるものであるから,第1審被告がどのような義務を負い,それに違反したということができるのかおよそ不明であり,違法性自体が観念できないというべきである。 第3当裁判所の判断 認定事実原判決の「事実及び理由」欄の「第4当裁判所の判断」の1に記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決を次のとおり訂正する。 原判決38頁21行目及び39頁3行目の各「株式会社」を削り,16行目の「会社」を「関連会社」と改める。 原判決39頁24行目から末行までを次のとおり改める。 「ウ正社員数及びその構成平成25年度から平成28年度までにおける第1審被告の正社員数及びその構成は,次のとおりであり(乙17の1)(なお,第1審被告は,平成25年度から,東京メトロから57歳以上の社員を出向者として受け入れ,60歳を超えてから社員に切り替えるという扱いをしている(弁論の全趣旨)。),正社員の平均年齢は45歳程度であり,平均勤続年数は10年に満たない。 正社員のうち売店業務に従事している者は,括弧内に付記したとおりであった(乙17の2)。 平成25年4月1日613名 a高卒新入社員21名b大卒新入社員23名c東京メトロ退職者168名d互助会出身者70名(10名)e契約社員からの登用者190名(11名)f東京メトロからの出向者79名gその他62名(1名)平成26年4月1日601名a高卒新入社員21名b大卒新入社員26名c東京メトロ退職者135名d互助会出身者67名(12名)e契約社員 79名gその他62名(1名)平成26年4月1日601名a高卒新入社員21名b大卒新入社員26名c東京メトロ退職者135名d互助会出身者67名(12名)e契約社員からの登用者188名(11名)f東京メトロからの出向者102名gその他62名(1名)平成27年4月1日568名a高卒新入社員22名b大卒新入社員27名c東京メトロ退職者102名d互助会出身者66名(12名)e契約社員からの登用者180名(11名)f東京メトロからの出向者110名gその他61名平成28年4月1日560名a高卒新入社員19名b大卒新入社員24名 c東京メトロ退職者120名d互助会出身者65名(4名)e契約社員からの登用者172名(3名)f東京メトロからの出向者81名gその他59名h職種限定社員20名(8名)」エ売店の変遷売店の数は,平成26年4月1日時点で110あったが,平成25年度以降は,売上高における大きな割合を占めてきた新聞及び雑誌の売上高が減少したため,不採算店舗の閉店などによって,平成27年8月1日時点で42に,平成28年3月1日時点で25に減少した(乙13,14)。 他方,第1審被告は,大手コンビニエンスストア「ローソン」との提携により新たに「ローソンメトロス」と称するコンビニ型売店の展開を平成27年8月に開始し,平成28年度までに27店が開業するとともに,「METRO'S(お土産売店)」と称する店舗(以下「みやげ店」という。)展開も平成28年に開始し,現在5店舗が営業している(甲137,139,141,142,157)。 これに伴い,平成27年4月1日時点で売店業務の従事していた互助会出身者12名のうち6名がコン う。)展開も平成28年に開始し,現在5店舗が営業している(甲137,139,141,142,157)。 これに伴い,平成27年4月1日時点で売店業務の従事していた互助会出身者12名のうち6名がコンビニ型売店に,1名が他部署にそれぞれ異動し,1名が定年退職した(弁論の全趣旨)。」原判決40頁2行目末尾に「(職種限定社員を除く。)」を加え,4行目の「おおむね」から5行目の「採用され,」までを削り,9行目末尾に「ただし,本社や現業部門はほぼ東京都内にあることから,転居を必然的に伴う配置転換が想定されているわけではない。」を加え,10行目の「新規に」から14行目の「とおり,」までを次のとおり改める。 「平成25年から平成28年までの各4月1日に新たに第1審被告の正社員となった者の内訳は,次のとおりであった(甲51,132,136,150,乙17の1)。 なお,東京メトロからの出向者で平成27年度中に東京メトロを60歳で定年退職した者のうち35名が,平成28年4月1日に特定社員という名称で1年以内の期間を定めて雇用されている(弁論の全趣旨)。 a平成25年4月1日⒜高卒新入社員2名⒝契約社員からの登用者2名⒞東京メトロからの出向者38名b平成26年4月1日⒜大卒新入社員3名⒝契約社員からの登用者4名⒞東京メトロからの出向者26名c平成27年4月1日⒜既高卒者1名⒝既大卒者2名⒞契約社員からの登用者1名⒟東京メトロからの出向者19名d平成28年4月1日⒜契約社員からの登用者2名⒝東京メトロからの出向者16名⒞職種限定社員20名平成21年度から平成24年度までの間においては複数の大卒新入社員が売店業務に1年間従事することもあったが(乙18の4),専ら売店業務に ⒝東京メトロからの出向者16名⒞職種限定社員20名平成21年度から平成24年度までの間においては複数の大卒新入社員が売店業務に1年間従事することもあったが(乙18の4),専ら売店業務に従事している正社員は,」 原判決40頁17行目の「限られる」を「ほぼ限られる」と,18行目の「」を「」と,41頁9行目の「12年」を「12年10月」と,10行目の「14年」を「14年4月」と,17行目の「本社の施設課」を「本社の経営管理部施設課」とそれぞれ改め,19行目末尾に「なお,契約社員Aは,平成28年4月に職種限定社員に名称変更されるとともに,無期契約労働者となった。職種限定社員の職務としては,売店(コンビニ型売店,一般売店,催事売店及びオートメトロス)業務,ストアショップ(ミニプラやユニクロ等)業務及び施設・保守管理業務の三つがある(乙19の2)。」を加える。 原判決42頁13行目の「14店」から16行目末尾までを「31店減少し,平成28年3月1日現在の店舗数は25店(うち個人の委託が5店)となった。これに伴い,固定売店業務に従事する従業員数は56名(うち正社員が4名,契約社員Aが11名,契約社員Bが41名)に減少した(乙14)。」と改める。 原判決43頁13行目の「の配置」から14行目の「となり,」までを「,同年11月から平成28年5月までは同Y1店の配置を経て,同年6月以降,Y2売店,Y3売店に配置され,平成29年2月下旬又は3月上旬以降はY4みやげ店,Y5みやげ店に配置され,」と改め,16行目末尾に「157,」を加え,44頁3行目から4行目にかけての「同Y6店」を「同店舗」と改める。 原判決44頁20行目の「契約社員A及び」を「契約社員Aへ及び」と,45頁6行目の「面接」を「これに合格した者に対する面接」と,22行目 行目から4行目にかけての「同Y6店」を「同店舗」と改める。 原判決44頁20行目の「契約社員A及び」を「契約社員Aへ及び」と,45頁6行目の「面接」を「これに合格した者に対する面接」と,22行目の「不合格」から23行目末尾までを「一次試験で不合格であった。なお,控訴人らは,平成24年以降は登用試験を受験しなかった。(甲47,証人Y7)。」とそれぞれ改める。 原判決45頁24行目末尾に改行して次のとおり加える。 「第1審被告の売店で働く契約社員は,平成21年3月8日,Y8労働組合の支部として本件組合を結成し,同年4月13日以降,正社員との待遇格差の解消を求めて第1審被告との団体交渉を重ねてきた(甲9,10,20の1から14まで,甲62,63,69の1・2,71,95)。」原判決46頁9行目から47頁3行目までを次のとおり改める。 「売店業務に従事している正社員の本給(乙19の3)前記アで述べたとおり,専ら売店業務に従事している正社員は,互助会出身者又は契約社員からの登用者にほぼ限られるところ,平成23年4月の時点で売店業務に従事していた互助会出身者の正社員18名の互助会在籍年数も含めた平均勤続年数は20年4か月であり,職務給は,最も高い者が「M・1号俸」で25万7000円であり,最も低い者が「S-1・10号俸」で13万1950円であった(平均は18万2541円)。」 争点1(労働契約法20条違反の有無)について労働契約法20条が比較対象とする無期契約労働者を具体的にどの範囲の者とするかについては,その労働条件の相違が,労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。),当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して,不合理と認められると主張する無期契約労働者において特定して主張すべ 業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。),当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して,不合理と認められると主張する無期契約労働者において特定して主張すべきものであり,裁判所はその主張に沿って当該労働条件の相違が不合理と認められるか否かを判断すれば足りるものと解するのが相当である。 これを本件についてみると,第1審原告らは,契約社員Bと比較対象すべき第1審被告の無期契約労働者を,正社員全体ではなく,売店業務に従事している正社員(互助会から転籍した者及び契約社員Aから登用された者。以下同じ。)に限定しているのであるから,当裁判所もこれに沿って両者の労働条件の相違が不合理と認められるか否かを判断することとする(なお,比 較対象すべき第1審被告の無期契約労働者を正社員全体に設定した場合,契約社員Bは売店業務のみに従事しているため,それに限られない業務に従事している正社員とは職務の内容が大幅に異なることから,それだけで不合理性の判断が極めて困難になる。)。 労働契約法20条は,有期契約労働者と無期契約労働者との間で労働条件に相違があり得ることを前提に,職務の内容,当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情(以下「職務の内容等」という。)を考慮して,その相違が不合理と認められるものであってはならないとするものであり,職務の内容等の違いに応じた均衡のとれた処遇を求める規定であると解される(最高裁平成28年(受)第2099号,第2100号同30年6月1日第二小法廷判決・民集72巻2号88頁(以下「最高裁判決1」という。)参照)。 労働契約法20条にいう「期間の定めがあることにより」とは,有期契約労働者と無期労働契約者との労働条件の相違が期間の定めの有無に関連して生じたものであることをいうものと解す 1」という。)参照)。 労働契約法20条にいう「期間の定めがあることにより」とは,有期契約労働者と無期労働契約者との労働条件の相違が期間の定めの有無に関連して生じたものであることをいうものと解するのが相当である(最高裁判決1参照)。 これを本件についてみると,本件賃金等に係る労働条件の相違は,契約社員Bと正社員とでそれぞれ異なる就業規則が適用されることにより生じているものであることに鑑みれば,当該相違は期間の定めの有無に関連して生じたものであるということができる。したがって,契約社員Bと正社員の本件賃金等に係る労働条件は,同条にいう期間の定めがあることにより相違している場合に当たるということができる。 労働契約法20条の文理や,有期契約労働者と無期契約労働者の労働条件が均衡のとれたものであるか否かの判断に当たっては,労使間の交渉や使用者の経営判断を尊重すべき面があることも否定し難いことからすると,同条にいう「不合理と認められるもの」とは,有期契約労働者と無期契約労働者 との労働条件の相違が不合理であると評価することができるものであることをいうと解するのが相当である(最高裁判決1参照)。 そして,両者の労働条件の相違が不合理であるか否かの判断は規範的評価を伴うものであるから,当該相違が不合理であるとの評価を基礎付ける事実については当該相違が同条に違反することを主張する者が,当該相違が不合理であるとの評価を妨げる事実については当該相違が同条に違反することを争う者が,それぞれ主張立証責任を負うものと解される(最高裁判決1参照)。 労働者の賃金に関する労働条件は,労働者の職務の内容並びに当該職務の内容及び配置の変更の範囲(以下,併せて「職務内容及び変更範囲」という。)により一義的に定まるものではなく,使用者は,雇用及び人事に関する経営判 関する労働条件は,労働者の職務の内容並びに当該職務の内容及び配置の変更の範囲(以下,併せて「職務内容及び変更範囲」という。)により一義的に定まるものではなく,使用者は,雇用及び人事に関する経営判断の観点から,労働者の職務内容及び変更範囲にとどまらない様々な事情を考慮して,労働者の賃金に関する労働条件を検討するものということができ,また,労働者の賃金に関する労働条件の在り方については,基本的には,団体交渉等による労使自治に委ねられるべき部分が大きいということもできるのであって,労働契約法20条にいう「その他の事情」は,労働者の職務内容及び変更範囲並びにこれらに関連する事情に限定されるものではないというべきである(最高裁平成29年(受)第442号同30年6月1日第二小法廷判決・民集72巻2号202頁(以下「最高裁判決2」という。)参照)。 これに対し,第1審原告らは,「その他の事情」について付随的な考慮要素として限定解釈すべきであると主張するが,そのように解すべき理由はないから,上記主張は採用することができない。 有期契約労働者と無期契約労働者との個々の賃金項目に係る労働条件の相違が不合理と認められるものであるか否かを判断するに当たっては,両者の賃金の総額を比較することのみによるのではなく,当該賃金項目の趣旨を個別に考慮すべきものと解するのが相当である(最高裁判決2参照)。 上記からまでで述べたところを踏まえて,売店業務に従事している正社員と契約社員Bとの本件賃金等に係る労働条件の相違が,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たる否かについて検討する。 ア本給及び資格手当について前記前提事実イからまで並びにア及びイのとおり,売店業務に従事している正社員は,正社員就業規則の適用を受ける結果,本給として①年齢給 たる否かについて検討する。 ア本給及び資格手当について前記前提事実イからまで並びにア及びイのとおり,売店業務に従事している正社員は,正社員就業規則の適用を受ける結果,本給として①年齢給(40歳以降は7万2000円)及び②職務給(例えば,実務経験4年以上とされるL-3の1号俸は13万9000円)が,55歳未満のL-3以上の資格の者については資格手当(3000円から5000円まで)がそれぞれ支給されるのに対し,契約社員Bは,時給制の本給が支給されるが,資格手当は支給されない。 a本給について第1審被告の正社員一般と契約社員Bとの間には,原判決(第4の )の指摘するように職務内容及び変更範囲に相違がある上,一般論として,第1審被告において,高卒・大卒新入社員を採用することがある正社員には長期雇用を前提とした年功的な賃金制度を設け,本来的に短期雇用を前提とする有期契約労働者にはこれと異なる賃金体系を設けるという制度設計をすることには,企業の人事施策上の判断として一定の合理性が認められるところである。そして,本件で比較対象とされる売店業務に従事している正社員と契約社員Bについてみても,前記認定事実ア(前記1において原判決を訂正した後のもの)並びにイ及びエによれば,比較対象とされる売店業務に従事している正社員については,職務の内容に関しては代務業務やエリアマネージャー業務に従事することがあり得る一方,休憩交代要員にはならないし,職務内容及び変更範囲に関しては売店業務以外の業務への配置転換の可能性がある(乙17の4,乙18の4)のに対し,契 約社員Bは,職務の内容に関しては原則として代務業務に従事することはないし,エリアマネージャー業務に従事することは予定されていない一方,休憩交代要員になり得るし,職務内容及び変更 のに対し,契 約社員Bは,職務の内容に関しては原則として代務業務に従事することはないし,エリアマネージャー業務に従事することは予定されていない一方,休憩交代要員になり得るし,職務内容及び変更範囲に関しては売店業務以外の業務への配置転換の可能性はないという相違があるということができる。 また,前記前提事実イ及び認定事実(前記1において原判決を訂正した後のもの)によれば,売店業務に従事している互助会出身者は,業務経験年数が互助会から通算すると第1審原告らよりも長いから,単純に比較することはできないものの,年齢給が全員7万2000円の支給を受けている可能性が高く,職務給の平均が18万2541円であったから,本給だけで25万4541円になるところ,第1審原告らが過去に支給された最も高い本給は第1審原告X1が19万0080円,控訴人X2が18万4800円,控訴人X3が18万7460円であり,それぞれ74.7%,72.6%,73.6%(いずれも小数点以下第2位四捨五入)と一概に低いとはいえない割合となっているし,契約社員Bには,正社員とは異なり,皆勤手当及び早番手当が支給されている。そして,このような賃金の相違については,決して固定的・絶対的なものではなく,契約社員Bから契約社員A(現在は職種限定社員)へ及び契約社員Aから正社員への各登用制度を利用することによって解消することができる機会も与えられている(なお,第1審原告らは,登用制度について前記2の4のとおり主張するが,実際に行われた登用試験の内容が不適切であったとか,制度の運用が恣意的であるなどといったことを認めるに足りる的確な証拠はないから,上記主張は採用することができない。)。 加えて,前記のとおり,労働契約法20条は労働条件の相違が不合理であるか否かの判断についての 恣意的であるなどといったことを認めるに足りる的確な証拠はないから,上記主張は採用することができない。)。 加えて,前記のとおり,労働契約法20条は労働条件の相違が不合理であるか否かの判断についての考慮要素として「その他の事情」を 挙げているところ,本件で比較対象とされる売店業務に従事している正社員は,平成12年10月の関連会社再編によって互助会から転籍してきた者が一定程度の割合を占めており,その勤務実績や関連会社再編という経緯からして,互助会在籍時に正社員として勤務していた者を契約社員に切り替えたり,正社員として支給されてきた賃金の水準を第1審被告が一方的に切り下げたりすることはできなかったものと考えられ,勤務条件についての労使交渉が行われたことも認められる(乙15)から,そのような正社員がそのような労働条件のまま実際上は売店業務以外の業務への配置転換がされることなく定年まで売店業務のみに従事して退職することになっているとしても,それは上記事情に照らしてやむを得ないものというべきである。また,上記の登用制度を利用して正社員となった者を契約社員B及び契約社員A(現在は職種限定社員)よりも厚遇することも,当然というべきである。 b資格手当について資格手当は,正社員の職務グループ(マネージャー職,リーダー職及びスタッフ職)における各資格(M,L-1~L-3,S-1~S-3)に応じて支給されるものであるところ,契約社員Bはその従事する業務の内容に照らして正社員と同様の資格を設けることは困難であると認められるから,これに相当する手当が支給されなくともやむを得ないというべきである。 したがって,上記の労働条件の相違は,不合理であると評価することができるものとはいえないから,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たらないと れなくともやむを得ないというべきである。 したがって,上記の労働条件の相違は,不合理であると評価することができるものとはいえないから,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たらないと解するのが相当である。 イ住宅手当について前記前提事実イ及びアのとおり,売店業務に従事している正社 員は,扶養家族の有無によって異なる額の住宅手当を支給されるのに対し,契約社員Bは,扶養家族の有無にかかわらず,住宅手当を支給されない。 この住宅手当は,従業員が実際に住宅費を負担しているか否かを問わずに支給されることからすれば,職務内容等を離れて従業員に対する福利厚生及び生活保障の趣旨で支給されるものであり,その手当の名称や扶養家族の有無によって異なる額が支給されることに照らせば,主として従業員の住宅費を中心とした生活費を補助する趣旨で支給されるものと解するのが相当であるところ,上記のような生活費補助の必要性は職務の内容等によって差異が生ずるものではないし,第1審被告においては,正社員であっても転居を必然的に伴う配置転換は想定されていない(前記1)というのであるから,勤務場所の変更によっても転居を伴うことが想定されていない契約社員Bと比較して正社員の住宅費が多額になり得るといった事情もない。 これに対し,第1審被告は,人事施策として,正社員採用の条件として住宅手当が支給されることを提示することによって採用募集への訴求を図り,有為な人材を確保し,採用後に現に支給することによって有為な人材の定着を図る趣旨であると主張する。しかしながら,第1審被告においてそのような効果を図る意図があるとしても,住宅手当の主たる趣旨は上記のとおりに解されるのであって,そうである以上,比較対象とされる正社員との関係で上記のような理由のみで契約社員Bに住 審被告においてそのような効果を図る意図があるとしても,住宅手当の主たる趣旨は上記のとおりに解されるのであって,そうである以上,比較対象とされる正社員との関係で上記のような理由のみで契約社員Bに住宅手当を支給しないことが正当化されるものとはいえないから,上記主張は採用することができない。 したがって,上記の労働条件の相違は,不合理であると評価することができるから,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たると解するのが相当である。 ウ賞与について前記前提事実エ及びエのとおり,売店業務に従事している正社員は,毎年夏季と冬季に賞与が支給されることになっており,平成25年度から平成29年度までの平均支給実績としては本給の2か月分に17万6000円を加算した額の賞与が支給されたのに対し,契約社員Bは,毎年夏季と冬季に各12万円の賞与が支給される。 一般に,賞与は,月例賃金とは別に支給される一時金であり,対象期間中の労務の対価の後払い,功労報償,生活補償,従業員の意欲向上など様々な趣旨を含み得るものであり,いかなる趣旨で賞与を支給するかは使用者の経営及び人事施策上の裁量判断によるところ,このような賞与の性格を踏まえ,長期雇用を前提とする正社員に対し賞与の支給を手厚くすることにより有為な人材の獲得・定着を図るという第1審被告の主張する人事施策上の目的にも一定の合理性が認められることは否定することができない。また,第1審被告における賞与については,上記のとおり,平成25年度から平成29年度までの正社員に対する平均支給実績が,いずれの年度も夏季及び冬季にそれぞれ本給の2か月分に17万6000円を加算した額であったことに照らすと,少なくとも正社員個人の業績(第1審被告の業績に対する貢献)を中心に反映させるものとは必ずしもいえ の年度も夏季及び冬季にそれぞれ本給の2か月分に17万6000円を加算した額であったことに照らすと,少なくとも正社員個人の業績(第1審被告の業績に対する貢献)を中心に反映させるものとは必ずしもいえないのであって,主として対象期間(賞与金支給規程(乙3)にいう調査期間)中の労務の対価の後払いの性格や上記のような人事施策上の目的を踏まえた従業員の意欲向上策等の性格を帯びているとみるのが相当である。 そうであるとすれば,ここでも上記アで述べたのと同様の事情を指摘することができるほか,従業員の年間賃金のうち賞与として支払う部分を設けるか,いかなる割合を賞与とするかは使用者にその経営判断に基づく一定の裁量が認められるものというべきところ,契約社員Bは,1 年ごとに契約が更新される有期契約労働者であり,時間給を原則としていることからすれば,年間賃金のうちの賞与部分に大幅な労務の対価の後払いを予定すべきであるということはできないし,賞与は第1審被告の業績等を踏まえて労使の団体交渉により支給内容が決定されるものであり,支給可能な賃金総額の配分という制約もあること(第1審被告においては,正社員についても賞与が会社の業績によっては支給されない場合もあり得ることが前提とされている(乙3・第1条「社員に賞与を支給する場合には,この規程の定めるところによる。」)。),第1審被告においては,近年は多数の一般売店がコンビニ型売店に転換され(前記 ),経費の削減が求められていることがうかがわれること,第1審原告らが比較対象とする正社員については,前記の経緯から他の正社員と同一に遇されていることにも理由があることも考慮すれば,契約社員Bに対する賞与の支給額が正社員に対する上記平均支給実績と比較して相当低額に抑えられていることは否定することができないものの,そ 社員と同一に遇されていることにも理由があることも考慮すれば,契約社員Bに対する賞与の支給額が正社員に対する上記平均支給実績と比較して相当低額に抑えられていることは否定することができないものの,その相違が直ちに不合理であると評価することはできない。 したがって,上記の労働条件の相違は,不合理であると評価することができるものとはいえないから,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たらないと解するのが相当である。 エ退職金について前記前提事実オ及びオのとおり,売店業務に従事している正社員には,勤続年数等に応じて退職金規程に基づく退職金が支給されるのに対し,契約社員Bには退職金制度がない。 一般に,退職金の法的性格については,賃金の後払い,功労報償など様々な性格があると解されるところ,このような性格を踏まえると,一般論として,長期雇用を前提とした無期契約労働者に対する福利厚生を手厚くし,有為な人材の確保・定着を図るなどの目的をもって無期契約 労働者に対しては退職金制度を設ける一方,本来的に短期雇用を前提とした有期契約労働者に対しては退職金制度を設けないという制度設計をすること自体が,人事施策上一概に不合理であるということはできない。 もっとも,第1審被告においては,契約社員Bは,1年ごとに契約が更新される有期契約労働者であるから,賃金の後払いが予定されているということはできないが,他方で,有期労働契約は原則として更新され,定年が65歳と定められており(前記前提事実エ),実際にも控訴人X2及び控訴人X3は定年まで10年前後の長期間にわたって勤務していた(前記前提事実イ)こと,契約社員Bと同じく売店業務に従事している契約社員Aは,平成28年4月に職種限定社員に名称変更された際に無期契約労働者となるとともに,退職金制度 期間にわたって勤務していた(前記前提事実イ)こと,契約社員Bと同じく売店業務に従事している契約社員Aは,平成28年4月に職種限定社員に名称変更された際に無期契約労働者となるとともに,退職金制度が設けられたこと(前記前提事実ウ及びウ)を考慮すれば,少なくとも長年の勤務に対する功労報償の性格を有する部分に係る退職金(退職金の上記のような複合的な性格を考慮しても,正社員と同一の基準に基づいて算定した額の少なくとも4分の1はこれに相当すると認められる。)すら一切支給しないことについては不合理といわざるを得ない。 したがって,上記の労働条件の相違は,労使間の交渉や経営判断の尊重を考慮に入れても,上記控訴人らのような長期間勤務を継続した契約社員Bにも全く退職金の支給を認めないという点において不合理であると評価することができるから,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たると解するのが相当である。 オ褒賞について前記前提事実(前記第2の2において原判決を訂正した後のもの)のとおり,売店業務に従事している正社員は,①勤続10年に表彰状と3万円が,②定年退職時に感謝状と記念品(5万円相当)がそれぞれ贈られる。これに対し,契約社員Bは,これらは一切支給されない。 褒賞取扱要領(乙1の2)によれば,褒賞は,「業務上特に顕著な功績があった社員に対して褒賞を行う」と定められていることが認められるが,実際には勤続10年に達した正社員には一律に表彰状と3万円が贈られており(弁論の全趣旨),上記要件は形骸化しているということができる。 そうであるとすれば,業務の内容にかかわらず一定期間勤続した従業員に対する褒賞ということになり,その限りでは正社員と契約社員Bとで変わりはない。そして,契約社員Bについても,その有期労働契約は原則として あるとすれば,業務の内容にかかわらず一定期間勤続した従業員に対する褒賞ということになり,その限りでは正社員と契約社員Bとで変わりはない。そして,契約社員Bについても,その有期労働契約は原則として更新され,定年が65歳と定められており,長期間勤続することが少なくないことは,上記エで述べたとおりである。 したがって,上記の労働条件の相違は,不合理であると評価することができるから,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たると解するのが相当である。 カ早出残業手当について前記前提事実ウ及びウのとおり,売店業務に従事している正社員は,所定労働時間を超えて労働した場合,初めの2時間については割増率が2割7分であり,これを超える時間については割増率が3割5分であるのに対し,契約社員Bは,1日8時間を超えて労働した場合,割増率は労働時間の長短にかかわらず一律2割5分である。 労働基準法37条1項本文は,使用者が1日8時間を超えて労働させた場合,通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額に一定の割増率を乗じた割増賃金を支払わなければならない旨を定めているところ,その趣旨は,時間外労働が通常の労働時間又は労働日に付加された特別の労働であるから,それに対しては使用者に一定額の補償をさせるのが相当であるとともに,その経済的負担を課すことによって時間外労働を抑制しようとする点にあると解される。 上記の定めは,正社員にしても契約社員Bにしても同項及びこれに関する政令の定める最低限度の割増率(2割5分)を満たしているから,その限りでは同項の趣旨に反するものではないということもできる。 しかしながら,時間外労働の抑制という観点から有期契約労働者と無期契約労働者とで割増率に相違を設けるべき理由はなく,そのことは使用者が法定の割増率を上回る 旨に反するものではないということもできる。 しかしながら,時間外労働の抑制という観点から有期契約労働者と無期契約労働者とで割増率に相違を設けるべき理由はなく,そのことは使用者が法定の割増率を上回る割増率による割増賃金を支払う場合にも同様というべきである(政府が発表した「同一労働同一賃金ガイドライン案(平成28年12月20日)」(甲102)や,口頭弁論終結後に告示されたものではあるが,平成30年厚生労働省告示第430号「短期間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針」においても,同一の使用者から雇用されている無期契約労働者と有期契約労働者とで時間外労働手当の割増率は同一とすべきである旨がうたわれている。)ところ,第1審被告において,割増賃金の算定に当たっては,前記アでみたとおり,売店業務に従事する正社員と契約社員Bとでは基礎となる賃金において前者が後者より高いという相違があるのであって,これに加えて割増率においても同様の事情をもって正社員の方が契約社員Bより高いという相違を設けるべき積極的理由があるということはできないし,第1審被告が主張するような労使交渉によって正社員の割増率が決められたという経緯を認めるに足りる的確な証拠もない(この点に関する原審における証人Y7の供述は,同人の推測にとどまるものというべきである。)。互助会が互助会労働組合との間で互助会から地下鉄トラベルサービスへの営業譲渡に伴う転籍者の労働条件等に関する協定において早出残業手当の割増率を上記のとおり維持することとされた事実は認められる(乙15)が,そのことは互助会出身者以外の第1審被告の正社員が構成する労働組合が自ら第1審被告と交渉して獲得された成果ではない。また,関連会社再編や契約社員制 度導入の当時,契約社員Bや契約社員 15)が,そのことは互助会出身者以外の第1審被告の正社員が構成する労働組合が自ら第1審被告と交渉して獲得された成果ではない。また,関連会社再編や契約社員制 度導入の当時,契約社員Bや契約社員制度導入前のパートタイマーと第1審被告との間で早出残業手当の割増率が正社員と異なることを踏まえた労使交渉が行われた形跡もうかがわれない。 したがって,上記の労働条件の相違は,不合理であると評価することができるから,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たると解するのが相当である。 キ小括不法行為の成否以上のとおり,第1審原告らの主張する正社員と契約社員Bとの労働条件の相違のうち,住宅手当,退職金,褒賞及び早出残業手当に関する相違については,労働契約法20条に違反するものであり,第1審被告が本件組合との団体交渉において契約社員Bの労働条件の改善を求められていたという経緯(前記1)に鑑みても,第1審被告が上記のような違法な取扱いをしたことについては過失があったというべきである。 したがって,第1審被告は,第1審原告らに対し,上記取扱いにより第1審原告らが被った損害について,不法行為に基づく損害賠償責任を負う。 債務不履行の成否原判決59頁12行目から20行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。 争点2(公序良俗違反の有無)について原判決59頁22行目から60頁17行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決を次のとおり訂正する。 ア原判決59頁22行目の「早出」から23行目の「まで)」までを「本給及び資格手当並びに賞与(前記2ア及びウ)」と改める。 イ原判決60頁12行目の「うち,」の次に「住宅手当,退職金,褒賞及 び」を加え,14行目の「以前」を「より前」と改め,15行目の「早出残 び資格手当並びに賞与(前記2ア及びウ)」と改める。 イ原判決60頁12行目の「うち,」の次に「住宅手当,退職金,褒賞及 び」を加え,14行目の「以前」を「より前」と改め,15行目の「早出残業手当における」を削る。 ウ原判決60頁17行目の「理由がない」を「理由がなく,平成24年3月31日に定年退職した控訴人X4の請求にはいずれも理由がないことになる」と改める。 なお,第1審原告らは,労働契約法20条施行前から,平成19年に改正された短時間労働者の雇用管理の改善に関する法律8条や労働契約法3条2項により,非正規労働者の均等・均衡待遇ルールの一部は立法化されていたし,同法20条の審議過程においても,非正規労働者の均等・均衡待遇が問題とされており,これを解決することが同条施行の一つの目的であったから,同法が成立した平成20年又は遅くとも同法20条に関し正社員と同様の職務に従事していても労働条件が低位に置かれていたり,そうではなくとも労働条件の水準が低かったりする有期契約労働者に公正な処遇を実現することが望まれるとした「有期労働契約研究会報告書」が作成された平成22年9月10日の時点では,有期契約労働者の均等・均衡待遇ルールは公序として確立していたと主張する。 しかしながら,短時間労働者についての均等・均衡待遇ルールが平成19年の改正によって示されたということができるとしても,それによって有期契約労働者についても均等・均衡待遇ルールが確立したということはできないし,労働契約法3条2項は,極めて抽象的な規定であるから,これによって均等・均衡待遇ルールが確立したということもできない。また,有期労働契約研究会は,厚生労働省内に設けられた検討組織であるから,その報告書が有期契約労働者について均等・均衡待遇ルールを立法化すべきであるという意 遇ルールが確立したということもできない。また,有期労働契約研究会は,厚生労働省内に設けられた検討組織であるから,その報告書が有期契約労働者について均等・均衡待遇ルールを立法化すべきであるという意見をまとめたからといって,それが公序として確立していたなどと評価されるべきものということもできない。 したがって,第1審原告らの上記主張は採用することができない。 争点3(第1審原告らの損害)について第1審原告X1についてア住宅手当相当額55万2000円第1審原告X1は,扶養家族がいない(当事者間に争いがない。)から,正社員であれば月額9200円の住宅手当が支給されることになる(前記前提事実イ)。 第1審原告X1が平成25年4月から平成30年3月までの間に第1審被告から支給されるべきであった住宅手当は,次の算式のとおり合計55万2000円である。 9200×12×5=55万2000そして,前記2イで述べたところからすれば,その全額が損害というべきである。 イ褒賞相当額3万0000円第1審原告X1が平成25年4月1日以降に第1審被告から支給されるべきであった褒賞は,勤続10年経過時における3万円である。 そして,前記2オで述べたところからすれば,その全額が損害というべきである。 ウ早出残業手当相当額2万1449円基礎となる賃金a時間によって定められた賃金平成25年度から平成29年度までの第1審原告X1の時給は,別紙1-1の「本給」欄記載のとおりである(当事者間に争いがない。 以下,これによって算定される早出残業手当を「時給部分」という。)。 b月によって定められた賃金⒜労働基準法施行規則21条は,「臨時に支払われた賃金」(4号)は労働基準法37条1項及び4項の割増賃金の基礎となる賃金には 算入しないと 時給部分」という。)。 b月によって定められた賃金⒜労働基準法施行規則21条は,「臨時に支払われた賃金」(4号)は労働基準法37条1項及び4項の割増賃金の基礎となる賃金には 算入しないと定めているところ,「臨時に支払われた賃金」とは,①臨時的,突発的事由に基づいて支払われたもの及び②支給条件はあらかじめ確定されているが,支給事由の発生が不確定であり,かつ,非常に稀に発生するものであると解される。そうすると,早番手当及び皆勤手当は,いずれも上記①にも②にも当たらないから,「臨時に支払われた賃金」には当たらないのであって(第1審被告も,平成27年1月以降は同様に解して早出残業手当の算定をしていることが認められる(甲88)。),基礎となる賃金に算入するのが相当である。 また,前記アで述べたとおり,第1審原告X1は,毎月住宅手当として9200円を支給されるべきであったことになるところ,労働基準法施行規則21条は,「住宅手当」(3号)を労働基準法37条1項及び4項の割増賃金の基礎となる賃金には算入しないと定めているが,前記2イで述べたとおり,扶養家族の有無によって額を異にしてはいるものの住宅費にかかわらず一定額を支給するものとなっているから,上記「住宅手当」には当たらないというべきであり(第1審被告の賃金規則33条も,割増賃金の計算方法として住宅手当を基礎となる賃金に算入している(乙2の1)。),早出残業手当の算定に当たっては基礎となる賃金に算入するのが相当である(以下,これらによって算定される早出残業手当を「月給部分」という。)。 ⒝そして,月給部分の割増賃金を算定するに当たっては,1か月の所定労働時間を算出する必要がある(労働基準法施行規則19条1項4号)ところ,第1審原告X1は,正社員についての158時間を主張する ⒝そして,月給部分の割増賃金を算定するに当たっては,1か月の所定労働時間を算出する必要がある(労働基準法施行規則19条1項4号)ところ,第1審原告X1は,正社員についての158時間を主張するが,仮に第1審原告X1の本給が労働契約法20条に違反するとした場合であっても,所定労働時間の労働条件も無効とな って正社員の所定労働時間の労働条件が適用されることになるものではないから,上記主張は採用することができない。本件においては,平成25年度から平成29年度までの各月における第1審原告X1の勤務予定が明らかにされていないから,各月の所定労働時間は不明であるといわざるを得ないが,前記前提事実カに加えて,証拠(甲16,94,148,157)及び弁論の全趣旨によれば,①平成25年4月からみやげ店に配置される直前の平成29年2月までの1週間の所定労働時間は,月曜日から金曜日までの各日7時間及び土曜日5時間の合計40時間であったこと,年間の休日は法定休日である日曜日を含めて68日あったこと,②同年3月以降の1週間の所定労働時間は,月曜日から金曜日までの各日8時間の合計40時間であったこと,平成29年度の年間の休日は105日であったことが認められるから,上記①の期間における1か月の平均所定労働時間は,次の算式Aのとおり165時間(小数点以下四捨五入)と,上記②の期間における1か月の平均所定労働時間は,次の算式Bのとおり173時間(小数点以下四捨五入)とそれぞれみるのが相当である。 A40÷6×(365-68)÷12=164.99B8×(365-105)÷12=173.33cこれに対し,第1審原告X1は,前記第2の4アのとおり主張するところ,住宅手当については,上記b⒜で述べたとおりであるが,本給については,そもそも契約社員Bと 5-105)÷12=173.33cこれに対し,第1審原告X1は,前記第2の4アのとおり主張するところ,住宅手当については,上記b⒜で述べたとおりであるが,本給については,そもそも契約社員Bと正社員との相違が不合理と認められるものには当たらないと解されることは,前記2アで述べたとおりであるから,この限りで上記主張は採用することができない。 所定外労働時間aこの点について,第1審原告X1は,正社員の1か月の平均所定労 働時間が158時間であることを基準として,実際の1か月の労働時間がこれを超えたときは,その差である労働時間を実際の1か月の早出残業時間に加算した時間を主張し,逆に実際の1か月の労働時間がこれを超えないときは,実際の1か月の早出残業時間そのものを主張する(別紙3「原告X1残業手当差額」の「正社員」の「時間外労働時間」欄の各時間参照)。 しかしながら,上記b⒝で述べたとおり,仮に第1審原告X1の本給が労働契約法20条に違反するとした場合であっても,所定労働時間などの労働条件までも無効となって正社員の所定労働時間などの労働条件が適用されることになるものではないから,上記主張は採用することができないのであって(なお,第1審原告らは,売店業務に従事している正社員の所定労働時間が週39時間10分である(前記前提事実カ)のに対し,契約社員Bの所定労働時間が週40時間である(前記前提事実カ)ため,週40時間勤務しても,前者には法定外労働50分について割増賃金が発生するのに後者には発生しないことが不合理な相違であると主張するが,前記2アaで述べたことや,本社に勤務する正社員の所定労働時間が週38時間20分であること(前記前提事実カ)との均衡なども考慮すると,上記相違が不合理と認められるものには当たらないというべ ,前記2アaで述べたことや,本社に勤務する正社員の所定労働時間が週38時間20分であること(前記前提事実カ)との均衡なども考慮すると,上記相違が不合理と認められるものには当たらないというべきであり,上記主張は採用することができない。),別紙3「原告X1残業手当差額」の「契約社員B」の「早出残業+休日労働時」欄記載の各時間(当事者間に争いがない。)が各月ごとの所定外労働時間であったとみるべきである。 bところで,第1審原告X1は,各月ごとの所定外労働時間のうち始めの2時間については27%の割増率が適用され,これを超える部分については一律に35%の割増率が適用されると主張する。 しかしながら,早出残業手当は,2時間を超える場合に割増率を上乗せしている趣旨からしても1日ごとに算出されるべきものであるところ,第1審原告X1は,各月ごとの所定外労働時間しか主張しないのであって,1日単位で2時間を超える所定外労働時間に従事したことが認められるのは,2時間超残業日のみであり(当事者間に争いがない。),それ以外の日についてはこれを認めるに足りる的確な証拠はない(第1審原告X1自身も,1日に2時間を超える時間外労働に従事したことがあるのは,遅番に当たっていて棚卸し業務に従事した日のみであることを認めているのであって(前記第2の4イ),その限りでは第1審被告が勤務日ごとの実労働時間を明らかにしないことによる不利益はないというべきである。)から,2時間超残業日を除いては上記主張を採用することができない。 そうすると,2時間超残業日が属する月を除いては,各月ごとの所定外労働時間については,各月ごとの勤務日数(最小でも24日)で除した平均時間として把握するのが相当であり,早出残業時間が最も長い月でも10.5時間にとどまることからすれば,1 いては,各月ごとの所定外労働時間については,各月ごとの勤務日数(最小でも24日)で除した平均時間として把握するのが相当であり,早出残業時間が最も長い月でも10.5時間にとどまることからすれば,1日当たりの早出残業時間は2時間を超えることはないというべきである。 割増率前記2カで述べたところからすれば,割増率は正社員に適用されるのと同一の本件割増率を採用するのが相当である。 上記からまでを踏まえると,平成25年4月から平成30年3月までの第1審原告X1の早出残業労働に対して支給されるべきであった早出残業手当は,別紙「早出残業手当一覧」記載のとおりとなる(なお,時給部分と月給部分(いずれも小数点以下第2位まで表示している。)の合計額について円未満を切り捨てている。)。 これに対し,第1審原告X1が第1審被告から支給された早出残業手 当は,別紙3「原告X1残業手当差額」の「契約社員B」の「早出残業+休日労働手当」欄記載の各金員である(当事者間に争いがない。)。 したがって,上記と上記の差額は,別紙「第1審原告X1の差額一覧」における「早出残業手当差額」欄記載の各金員のとおり(合計2万1449円)となり,その全額が損害というべきである。 エ慰謝料0円第1審原告X1が労働契約法20条違反によって上記のとおりの経済的損害を被ったことが認められるが,いずれも賠償義務が履行されることによって回復されるものであり,それによって上記不法行為による精神的苦痛も慰謝されるものというべきであって,本件においてこれを超えて第1審原告X1に金銭の支払を要する精神的損害があったとまでは認められない。 オ小計60万3449円カ弁護士費用6万0344円上記オの額,本件訴訟の経緯等に照らすと,第1審被告の不法行為との間に相当因果関係のある弁 要する精神的損害があったとまでは認められない。 オ小計60万3449円カ弁護士費用6万0344円上記オの額,本件訴訟の経緯等に照らすと,第1審被告の不法行為との間に相当因果関係のある弁護士費用の額は,上記オの1割に相当する6万0344円と認めるのが相当である。 キ合計66万3793円控訴人X2についてア住宅手当相当額22万0800円控訴人X2は,扶養家族がいなかった(当事者間に争いがない。)から,正社員であれば月額9200円の住宅手当が支給されることになる(前記前提事実イ)。 控訴人X2が平成25年4月から平成27年3月までの間に第1審被告から支給されるべきであった住宅手当は,次の算式のとおり22万0800円である。 9200×12×2=22万0800そして,前記2イで述べたところからすれば,その全額が損害というべきである。 イ退職金相当額49万8094円計算基礎額契約社員Bについては,月給制である正社員とは異なり,月によって労働時間が変動することに応じて本給が変動すること,時給も年度ごとに増額していくこと(前記前提事実イ)に照らすと,契約社員Bについて退職金の計算の基礎とすべき退職時の本給は,退職日の属する月に係る本給ではなく,退職日の属する年度の1か月の所定労働時間に基づく本給とみるのが相当である。 控訴人X2は,退職日の属する平成26年度において,月曜日から金曜日まで各日7時間及び土曜日5時間勤務していたと推認される(弁論の全趣旨)から,1か月の所定労働時間は165時間とみるのが相当である(前記ウb⒝参照)。 そうすると,退職時の本給は,次の算式のとおり17万3250円となる。 1050×165=17万3250支給月数控訴人X2は,第1審被告に通算10年8か月弱勤務して平成27 前記ウb⒝参照)。 そうすると,退職時の本給は,次の算式のとおり17万3250円となる。 1050×165=17万3250支給月数控訴人X2は,第1審被告に通算10年8か月弱勤務して平成27年3月に定年退職したものであり(前記前提事実イ),同一の期間勤務して定年退職した正社員は,退職金規程(乙4の1)によれば,支給月数が11.50(=10.50+(12.00-10.50)×8/12)となる。 したがって,正社員と同一の基準に従った場合に支給されるべき退職金は,次の算式のとおり199万2375円となる。 17万3250×11.50=199万2375前記2エで述べたところによれば,控訴人X2の損害としてはその4分の1相当額と認めるのが相当であるから,次の算式のとおり49万8094円(円未満四捨五入)となる。 199万2375×1/4=49万8093.75ウ褒賞相当額8万0000円控訴人X2が平成25年4月1日以降に第1審被告から支給されるべきであった褒賞は,勤続10年経過時における3万円及び定年退職時の5万円(第1審被告は,現金ではなく記念品であるから,請求自体失当である旨主張するが,記念品は5万円相当のものであるから,これを金銭に換算すれば5万円とみるのが相当である。)の合計8万円である。 そして,前記2オで述べたところからすれば,その全額が損害というべきである。 エ慰謝料0円上記エに同じである。 オ小計79万8894円カ弁護士費用7万9889円上記オの額,本件訴訟の経緯等に照らすと,第1審被告の不法行為との間に相当因果関係のある弁護士費用の額は,上記オの1割に相当する7万9889円と認めるのが相当である。 キ合計87万8783円控訴人X3についてア住宅手当相当額11万0400円控 為との間に相当因果関係のある弁護士費用の額は,上記オの1割に相当する7万9889円と認めるのが相当である。 キ合計87万8783円控訴人X3についてア住宅手当相当額11万0400円控訴人X3は,扶養家族がいなかった(当事者間に争いがない。)から,正社員であれば月額9200円の住宅手当が支給されることになる(前記前提事実イ)。 控訴人X3が平成25年4月から平成26年3月までの間に第1審被告から支給されるべきであった住宅手当は,次の算式のとおり11万0400円である。 9200×12=11万0400そして,前記2イで述べたところからすれば,その全額が損害というべきである。 イ退職金相当額45万0450円計算基礎額控訴人X3の退職時の本給も,控訴人X2と同様に算定するのが相当であるところ,控訴人X3は,退職日の属する平成25年度において,月曜日から金曜日まで各日7時間及び土曜日5時間勤務していたと推認される(弁論の全趣旨)から,1か月の平均所定労働時間は165時間とみるのが相当である。 そうすると,退職時の本給は,次の算式のとおり17万1600円となる。 1040×165=17万1600支給月数控訴人X3は,第1審被告に通算10年弱勤務して平成26年3月に定年退職したものであり(前記前提事実イ),同一の期間勤務して定年退職した正社員は,退職金規程(乙4の1)(第6条は「1か月未満の端日数はこれを月に切り上げる」と定めているから,勤続年数は10年ちょうどとなる。)によれば,支給月数が10.50となる。 したがって,正社員と同一の基準に従った場合に支給されるべき退職金は,次の算式のとおり180万1800円となる。 17万1600×10.50=180万1800前記2エで述べたところによれば,控訴人X3の て,正社員と同一の基準に従った場合に支給されるべき退職金は,次の算式のとおり180万1800円となる。 17万1600×10.50=180万1800前記2エで述べたところによれば,控訴人X3の損害としてはそ の4分の1相当額と認めるのが相当であるから,次の算式のとおり45万0450円となる。 180万1800×1/4=45万0450ウ褒賞相当額5万0000円控訴人X3が平成25年4月1日以降に第1審被告から支給されるべきであった褒賞は,定年退職時の5万円である。 そして,前記2オで述べたところからすれば,その全額が損害というべきである。 これに対し,控訴人X3は,勤続10年の褒賞3万円も支給されるべきであると主張するが,退職金規程と異なり,褒賞取扱要領(乙1の2)には1か月未満の端日数を月に切り上げるといった規定がないから,暦に従って計算すると,勤続年数は10年に達しているということはできないのであり,上記主張は採用することができない。 エ慰謝料0円上記エに同じである。 オ小計61万0850円カ弁護士費用6万1085円上記オの額,本件訴訟の経緯等に照らすと,第1審被告の不法行為との間に相当因果関係のある弁護士費用の額は,上記オの1割に相当する6万1085円と認めるのが相当である。 キ合計67万1935円 争点4(消滅時効の成否)について原判決62頁18行目から64頁4行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決を次のとおり訂正する。 原判決62頁18行目の「」を「」と,23行目の「残業手当」を「早出残業手当」とそれぞれ改める。 原判決62頁24行目の「」を「」と,末行の「」を「」と,63頁8行目の「」を「」とそれぞれ改める。 原判決63頁9行目の「」を「 残業手当」を「早出残業手当」とそれぞれ改める。 原判決62頁24行目の「」を「」と,末行の「」を「」と,63頁8行目の「」を「」とそれぞれ改める。 原判決63頁9行目の「」を「」と,14行目の「正社員」から15行目の「就業規則」までを「正社員就業規則(賃金規則を含む。)」とそれぞれ改める。 原判決63頁25行目の「」を「」と,64頁4行目の「時刻」を「時効」とそれぞれ改める。 争点5(労働契約に基づく請求の可否)について労働契約法20条は,有期契約労働者について無期契約労働者との職務の内容等の違いに応じた均衡のとれた処遇を求める規定であり,文言上も,両者の労働条件の相違が同条に違反する場合に,当該有期契約労働者の労働条件が比較の対象である無期契約労働者の労働条件と同一のものとなる旨を定めていない。 そうすると,有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が同条に違反する場合であっても,同条の効力により当該有期契約労働者の労働条件が比較の対象である無期契約労働者の労働条件と同一のものとなるものではないと解するのが相当である。 また,第1審被告においては,正社員就業規則と契約社員B就業規則とが別個独立のものとして作成されていること等にも鑑みれば,両者の労働条件の相違が同条に違反する場合に,前者が契約社員Bである控訴人らに適用されることとなると解することは,就業規則の合理的な解釈としても困難である。(以上につき最高裁判決1参照)以上によれば,本件賃金等の相違が労働契約法20条に違反するとしても,第1審原告らの本件賃金等に係る労働条件が正社員の労働条件と同一のものとなるものではないから,第1審原告らが,本件賃金等に関し,正社員と同一の権利を有する地位にあることを前提とする本件差額賃金請求はいずれも 理 賃金等に係る労働条件が正社員の労働条件と同一のものとなるものではないから,第1審原告らが,本件賃金等に関し,正社員と同一の権利を有する地位にあることを前提とする本件差額賃金請求はいずれも 理由がない。 当審における第1審被告の主張について第1審被告は,前記第2の5のとおり主張する。 しかしながら,①については,早番・遅番の2交代制を採用している売店業務においても,月に1回実施される棚卸しによって,一定の残業時間が発生することは,第1審被告自身も認めているところである(甲36から38まで)し,第1審原告X1についても,別紙「2時間超早出残業日一覧」記載のとおりの2時間超残業日があったのであるから,所定外労働が発生しにくいとまではいえない。②については,確かに労働条件が労使交渉によって決められたのであればその経緯は考慮すべきものであるということができるが,時間外手当の割増率については,本来無期契約労働者と有期契約労働者とで同一であるべきである上,本件割増率が互助会から正社員を受け入れる際に地下鉄トラベルサービスの労働組合との労使交渉によって決められたとまでは認められないし,関連会社再編や契約社員制度導入の当時,契約社員Bや契約社員制度導入前のパートタイマーと第1審被告との間で早出残業手当の割増率が正社員と異なることを踏まえた労使交渉が行われた形跡もうかがわれない。また,③については,早番手当は,早番の担当となった場合は,商品である新聞や雑誌の梱包を解いて店頭に並べるなどの準備作業が必要となることに鑑みて支給される手当であり,時間外労働に対する対価として支給されるものではないから,本件割増率が契約社員Bの割増率と相違していることについて早番手当の支給を考慮するのは相当ではない。④についても,皆勤手当は,従前支給されていた精皆勤 に対する対価として支給されるものではないから,本件割増率が契約社員Bの割増率と相違していることについて早番手当の支給を考慮するのは相当ではない。④についても,皆勤手当は,従前支給されていた精皆勤手当に代わって支給されるようになったものであるが,正社員と比較して本給が低い契約社員Bの処遇に配慮したものであって,時間外労働に対する対価として支給されるものではないから,その支給を本件割増率が契約社員Bの割増率と相違していることについて考慮するのは相当ではない。さらに,⑤及び⑥についても,契約社員Bの 時給を毎年10円ずつ上げることや契約社員Aを経る必要はあるものの正社員への登用制度があることは,あくまで契約社員Bの本給が正社員と比較すると低い点について配慮したものであって,そのことを本件割増率が契約社員Bの割増率と相違していることについて考慮するのは相当ではない。 したがって,第1審被告の上記主張は採用することができない。 第1審被告は,前記第2の5のとおり主張する。 しかしながら,契約社員Bの有期労働契約のうち労働契約法20条に違反する労働条件の相違を設ける部分は無効となるものと解される(最高裁判決1参照)から,第1審被告が,それにもかかわらず,第1審原告らに対し従前の労働条件に従った支給しかしないとすれば,その支給(差額の不支給)が違法であることは明らかである。そして,労働契約法20条が施行されたのは平成25年4月1日であるところ,同条が定められた労働契約法の一部を改正する法律(平成24年法律第56号)は平成24年8月10日に公布された(公知の事実)のであるから,仮に第1審被告が同日に初めて労働契約法20条の内容を認識したとしても,同条の施行までに7か月以上の期間があったのであって,契約社員B就業規則を始めとする諸規定を是正・整備 公知の事実)のであるから,仮に第1審被告が同日に初めて労働契約法20条の内容を認識したとしても,同条の施行までに7か月以上の期間があったのであって,契約社員B就業規則を始めとする諸規定を是正・整備すべく,自ら検討し,本件組合を含む労働組合との交渉等を進めることはできたものというべきである。特に,第1審被告は,上記改正法が公布される前から,本件組合から契約社員Bの待遇改善を求められていた(前記1)のであるから,準備期間は一層あったというべきである。そうであるとすれば,そのような行動に出ないまま,漫然と従前の労働条件を墨守していたことに鑑みれば,第1審被告に過失があったことは否定することができないというべきである。 したがって,第1審被告の上記主張は採用することができない。 結論 以上によれば,①第1審原告X1の請求(当審における拡張請求及び追加さ れた選択的請求を含む。)は,不法行為に基づき,66万3793円及びうち別紙「第1審原告X1の差額一覧」における「合計」欄記載の各金員に対する「年月日」欄記載の各日から,うち6万0344円に対する平成26年5月1日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で,②控訴人X2の請求(当審における拡張請求及び追加された選択的請求を含む。)は,不法行為に基づき,87万8783円及びうち別紙「控訴人X2の差額一覧」記載の各金員に対する各日から,うち49万8094円に対する平成27年4月7日から,うち7万9889円に対する平成26年5月1日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で,③控訴人X3の請求(当審において追加された選択的請求を含む。)は,不法行為に基づき,67万1935円及びうち別紙「控訴人X3の差額一覧」記載の各金員に の割合による遅延損害金の支払を求める限度で,③控訴人X3の請求(当審において追加された選択的請求を含む。)は,不法行為に基づき,67万1935円及びうち別紙「控訴人X3の差額一覧」記載の各金員に対する各日から,うち45万0450円に対する平成26年4月7日から,うち6万1085円に対する同年5月1日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度でそれぞれ理由があるが,第1審原告X1,控訴人X2及び控訴人X3のその余の請求はいずれも理由がないところ,原判決はこれと異なる限度で失当であるから,第1審原告X1,控訴人X2及び控訴人X3の各請求に係る部分を上記のとおり変更するとともに,第1審被告の本件控訴を棄却することとし,また,原判決中控訴人X4の請求を棄却した部分は相当であるから,控訴人X4の本件控訴を棄却し,控訴人X4が当審において追加した選択的請求も理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第17民事部裁判長裁判官川神裕 裁判官岡田幸人裁判官森剛
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