昭和26(オ)11 建物明渡請求

裁判年月日・裁判所
昭和28年11月20日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を東京高等裁判所へ差戻す。          理    由  上告代理人佐川正智の上告理由第三点について。  原判決は、被上告会社が昭和二一年

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判決文本文1,441 文字)

主文 原判決を破棄する。 本件を東京高等裁判所へ差戻す。 理由 上告代理人佐川正智の上告理由第三点について。 原判決は、被上告会社が昭和二一年七月中本件建物の内一階をDに使用せしめた事実を認定したが、同人に使用せしめた事情について、被上告会社はもと、右建物の内一階で喫茶店「E」を経営していたが、昭和二一年七月中右経営を廃し、Dと共同で同所で飲食店の経営を企て、同人との間に、Dにおいてその調理販売を担当し、被上告会社は場所、什器設備を提供する外、会計にも関与し、売上高の百分の五を取得する趣旨の契約をしたことを認めることができるとして、このような関係で右建物の一部を使用しているDは被上告会社の権限の範囲内で右建物の一階を占有しているに過ぎないものと認められるから、賃貸人たる上告人は、この事実を以て賃借人たる被上告会社が右建物の一階を上告人に無断で他に転貸したとして、右賃貸借契約を解除する事由となすに足らないと判示している。 しかしながら、原判決の認定する右の事実関係によれば、Dは、被上告会社との共同経営の契約に基いて、共同経営者の一人として、被上告会社と対等の立場において、右建物の一階を飲食店経営のため占有使用していることがわかるのであつて(殊に本件共同経営契約においては、被上告会社は場所什器を提供する外会計に関与するというのみで、飲食店経営の本体をなす調理販売はDが担当とするというのであるから、右場屋の占有使用は寧ろ主としてDの担当圏内にあるものといわなければならない。)被上告人の使用人その他被上告人の占有補助の機関として占有使用しているのでないことはもとより、何ら、被上告人に対する従属的の関係において占有使用しているものでないことは明らかである。して見れば、かかる占有使用- 1 他被上告人の占有補助の機関として占有使用しているのでないことはもとより、何ら、被上告人に対する従属的の関係において占有使用しているものでないことは明らかである。して見れば、かかる占有使用- 1 -の関係をとらえて、原判示のごとく、「被上告会社の権限の範囲内」で占有使用せしめているものとして、民法六一二条第二項の場合に該当しないものとすることはできない。右のごとき占有使用関係の設定は民法六一二条第二項所定の「賃借人ガ」「第三者ヲシテ賃借物ノ使用ラ為サシメタルトキ」に該当するものと云わなければならないのであつて、この点に関する原判決の解釈は誤りである。しかして、被上告会社がDをして右占有使用せしめるについては、賃貸人たる上告人の承諾を得なかつた旨上告人が原審において主張したことは原判示のとおりであるから、原審としては、進んでこの点について審理し、上告人主張にかかる賃貸借解除が正当なりや否や更にすすんで右Dの地位を承継したとする被上告人Bの本件建物の占有が正当の権原に基くものであるかどうかを判断すべき筋合いである、しかるに如上違法の解釈に基いて上告人の主張を排斥した原判決は違法であり上告人の上告はこの点において理由あるものであるから、原判決は破棄を免れない。 よつて他の上告理由に対する判断を省略し、民訴四〇七条に則り、主文のとおり判決する。 右は全裁判官一致の意見である。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官霜山精一裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官谷村唯一郎- 2 - 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎

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