本件は、原告が特許権に基づき、被告に対して損害賠償を請求した事案である。原告は、特許番号3478303号のゴルフボールに関する特許権を有し、特許の内容は球表面の設計に関するものであった。原告は、被告がその特許を侵害したとして、1億4600万円の損害賠償を求めた。主要な争点は、被告の製品が原告の特許権を侵害しているかどうかであり、裁判所は、被告の製品が原告の特許の構成要件を満たしていないと判断した。具体的には、被告の製品は、特許請求の範囲に記載された技術的特徴を有していないため、特許権の侵害は認められないとされた。最終的に、裁判所は原告の請求を棄却し、訴訟費用は原告の負担とする判決を下した。
平成21年9月10日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成20年(ワ)第5712号損害賠償請求事件口頭弁論終結日平成21年6月11日判決原告P同訴訟代理人弁護士後藤昌弘同手塚稔同鈴木智子同川岸弘樹同訴訟代理人弁理士松原等同補佐人弁理士岡本雄二被告キャロウェイゴルフ株式会社同訴訟代理人弁護士中川康生同山川博光同川添大資同黒川慶彦同訴訟代理人弁理士伊東忠彦同佐々木定雄同大貫進介主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実及び理由 第1当事者の求めた裁判 原告(1) 被告は,原告に対し,1億4600万円及びこれに対する平成20年5月23日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 (2) 訴訟費用は,被告の負担とする。 (3) (1)につき仮執行宣言 被告主文と同旨第2事案の概要 前提事実(1) 当事者(被告)被告は,ゴルフボールの販売等を業とする株式会社である。 (2) 原告の特許権原告は,次の特許権(以下「本件特許権」といい,その特許を「本件特許」といい,その各請求項に係る発明を,請求項の番号に従って「本件発明1「本件発明2」などという。また,本件特許に係る特許公報に掲」,載された明細書を「本件明細書」という)を有している。 。 特許番号第3478303号登録日平成15年10月3日出願日平成6年4月20日(特願平6-106107)公開日平成7年11月7日(特開平7-289662)発明の名称ゴルフボール特許請求の範囲【請求項1】球表面を一つの大円よりなる仮想区画線(2)によって二つの半球面エリアに区画し,仮想区画線(2)上 平成7年11月7日(特開平7-289662)発明の名称ゴルフボール特許請求の範囲【請求項1】球表面を一つの大円よりなる仮想区画線(2)によって二つの半球面エリアに区画し,仮想区画線(2)上の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル(4)同士(判決注:原文では「同志」となって いるが,以下「同士」と表記する)が辺を共有することでディンプ。 ル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランド(6)をおいて平行に並ぶように複数の六角形ディンプル(4)を列状に配設し,前記二つの半球面エリア内の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル(5)同士が辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランド(6)をおいて平行に並ぶように複数の六角形ディンプル(5)を稠密に配設し,前記仮想区画線(2)上の六角形ディンプル(4)と前記各半球面エリア内の六角形ディンプル(5)も辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランド(6)をおいて平行に並ぶようにし前記幅が0.0㎜のランド(6),を含むランドの合計面積をゴルフボールの仮想球表面積の20%以下にしたことを特徴とするゴルフボール。 【請求項2】球表面を球表面に内接,外接又は中接(稜が球に接する)する多面体の各辺を球表面に投影した仮想区画線(2)によって複数のエリアに区画し,仮想区画線(2)上の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル(4)同士が辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランド(6)をおいて平行に並ぶように複数の六角形ディンプル(4)を列状に配設し,全ての前記エリア内の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル(5)同士が辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランド(6)をおいて 形ディンプル(4)を列状に配設し,全ての前記エリア内の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル(5)同士が辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランド(6)をおいて平行に並ぶように複数の六角形ディンプル(5)を稠密に配設し,前記仮想区画線(2)上の六角形ディンプル(4)と前記各エリア内の六角形ディンプル(5)も辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランド(6)をおいて平行に並ぶようにし,前記幅が0.0㎜のランド(6)を含むランドの合計面積をゴルフボールの仮想球表面積の20%以下にしたことを特徴とするゴル フボール。 【請求項3】前記複数のエリアは三角形又六角形のエリアであり,前記三角形又六角形のエリア内の全範囲に,隣合う六角形ディンプル(5)の辺同士が略一定幅のランド(6)をおいて略平行に並ぶように複数の六角形ディンプル(5)ばかりを稠密に配設した請求項2記載のゴルフボール。 【請求項10】前記仮想区画線(2)は,五角形ディンプル(7)を配設した球表面上の交点(P)から五本が延び,該五本の仮想区画線(2)による交点(P)の周りの分割角度は均一である請求項2記載のゴルフボール。 【請求項11】前記交点(P)から延びる五本の仮想区画線(2)は他の交点(P)から延びる仮想区画線(2)と共に前記交点(P)の周りに五つの球面正三角形エリア(3)を区画形成し,前記球面正三角形エリア(3)内の全範囲に,隣合う六角形ディンプル(5)の辺同士が略一定幅のランド(6)をおいて略平行に並ぶように複数の六角形ディンプル(5)ばかりを稠密に配設した請求項10記載のゴルフボール。 【請求項14】前記仮想区画線上に前記六角形ディンプル(6)((4)の誤。)。 記と思われるの列を二列に配設した請求項 六角形ディンプル(5)ばかりを稠密に配設した請求項10記載のゴルフボール。 【請求項14】前記仮想区画線上に前記六角形ディンプル(6)((4)の誤。)。 記と思われるの列を二列に配設した請求項1記載のゴルフボール請求項15前記六角形ディンプル(45)の内縁部に前記六角形ディ【】,,ンプル(4,5)の最深部より浅い少なくとも一段のディンプル内段部(11,12)を隆起形成した請求項1~14のいずれか一項に記載のゴルフボール。 (3) 構成要件の分説,,,,,本件発明1ないし3 15を構成要件に分説すると次のとおりである。 【請求項1】 1A球表面を一つの大円よりなる仮想区画線(2)によって二つの半球面エリアに区画し,仮想区画線(2)上の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル(4)同士が辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランド(6)をおいて平行に並ぶように複数の六角形ディンプル(4)を列状に配設し,1B前記二つの半球面エリア内の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル(5)同士が辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランド(6)をおいて平行に並ぶように複数の六角形ディンプル(5)を稠密に配設し,1C前記仮想区画線(2)上の六角形ディンプル(4)と前記各半球面エリア内の六角形ディンプル(5)も辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランド(6)をおいて平行に並ぶようにし,1D前記幅が0.0㎜のランド(6)を含むランドの合計面積をゴルフボールの仮想球表面積の20%以下にしたことを特徴とする1Eゴルフボール。 【請求項2】2A球表面を球表面に内接,外接又は中接(稜が球に接する)する多面体の各 )を含むランドの合計面積をゴルフボールの仮想球表面積の20%以下にしたことを特徴とする1Eゴルフボール。 【請求項2】2A球表面を球表面に内接,外接又は中接(稜が球に接する)する多面体の各辺を球表面に投影した仮想区画線(2)によって複数のエリアに区画し仮想区画線(2)上の50%以上の範囲に隣合う六角形ディ,,ンプル(4)同士が辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランド(6)をおいて平行に並ぶように複数の六角形ディンプル(4)を列状に配設し,2B全ての前記エリア内の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル(5)同士が辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランド(6)をおいて平行に並ぶように複数の六角 形ディンプル(5)を稠密に配設し,2C前記仮想区画線(2)上の六角形ディンプル(4)と前記各エリア内の六角形ディンプル(5)も辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランド(6)をおいて平行に並ぶようにし,2D前記幅が0.0㎜のランド(6)を含むランドの合計面積をゴルフボールの仮想球表面積の20%以下にしたことを特徴とする2Eゴルフボール。 【請求項3】3F前記複数のエリアは三角形又六角形のエリアであり,前記三角形又六角形のエリア内の全範囲に,隣合う六角形ディンプル(5)の辺同士が略一定幅のランド(6)をおいて略平行に並ぶように複数の六角形ディンプル(5)ばかりを稠密に配設した請求項2記載のゴルフボール。 【請求項10】10G前記仮想区画線(2)は,五角形ディンプル(7)を配設した球表面上の交点(P)から五本が延び,該五本の仮想区画線(2)による交点(P)の周りの分割角度は均一である請求項2記載のゴルフボール。 【請求項 記仮想区画線(2)は,五角形ディンプル(7)を配設した球表面上の交点(P)から五本が延び,該五本の仮想区画線(2)による交点(P)の周りの分割角度は均一である請求項2記載のゴルフボール。 【請求項11】11H前記交点(P)から延びる五本の仮想区画線(2)は他の交点(P)から延びる仮想区画線(2)と共に前記交点(P)の周りに五つの球面正三角形エリア(3)を区画形成し,前記球面正三角形エリア(3)内の全範囲に,隣合う六角形ディンプル(5)の辺同士が略一定幅のランド(6)をおいて略平行に並ぶように複数の六角形ディンプル(5)ばかりを稠密に配設した請求項10記載のゴルフボール。 【請求項14】 14F前記仮想区画線上に前記六角形ディンプル(6)((4)の誤記と思われる)の列を二列に配設した請求項1記載のゴルフボール。 。 【請求項15】15I前記六角形ディンプル(4,5)の内縁部に,前記六角形ディンプル(4,5)の最深部より浅い少なくとも一段のディンプル内段部(11,12)を隆起形成した請求項1~14のいずれか一項に記載のゴルフボール。 (4) 原告の意匠権原告は,次の意匠権(以下「本件意匠権」といい,その登録意匠を「本件登録意匠」という)を有している。 。 登録番号第1300582号登録日平成19年4月6日出願日平成6年4月20日(意願2006-32111)意匠に係る物品ゴルフボール本件登録意匠別紙本件登録意匠目録記載のとおり(5) 本件登録意匠の基本的構成態様本件登録意匠の基本的構成態様は,次のとおりである。 P球形のゴルフボールである。 Q球表面の分散した12個所に12個の五角形ディンプルを,球表面の残りに350個の六角形ディンプルを,これらの五角形ディンプル及び六角形ディンプルの各辺が相互に平行となるよう ゴルフボールである。 Q球表面の分散した12個所に12個の五角形ディンプルを,球表面の残りに350個の六角形ディンプルを,これらの五角形ディンプル及び六角形ディンプルの各辺が相互に平行となるように,配設している。 Rランド(球表面にディンプルを設けたときにディンプル間に残る陸部分)の幅は0.5㎜である。 (6) 本件登録意匠の具体的構成態様本件登録意匠の具体的構成態様は,次のとおりである。 S球表面における正20面体の頂点に相当する個所に五角形ディンプル を配設し,五角形ディンプル同士を最短で結ぶ30本の線分(20面体を区画する辺)上に各5個の六角形ディンプルを一列状に配設し,30本の線分上の六角形ディンプルで区画される20の正三角形エリア内に各10個の六角形ディンプルを配設している。 (7) 被告の行為被告は別紙イ号物件目録ないしニ号物件目録記載の各ゴルフボール以,(下「イ号物件」ないし「ニ号物件」といい,併せて「被告各製品」とい,う)を,本件特許権の登録日(平成15年10月3日)以降,業として。 販売し,販売の申出をしている。 原告の請求原告は,被告に対し,本件特許権及び本件意匠権に基づき,(1) 不当利得として,本件特許権に係る平成15年10月3日から平成17年4月末日までの実施料相当額3600万円及びこれに対する平成20年5月23日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5%の割合による利息の支払と,(2) 不法行為に基づく損害賠償として,本件特許権及び本件意匠権に係る平成17年5月1日から平成20年4月末日までの実施料相当額1億0800万円,弁護士費用及び弁理士費用相当額200万円並びにこれらに対する平成20年5月23日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5%の割合による遅延損害金の支払を求めてい の実施料相当額1億0800万円,弁護士費用及び弁理士費用相当額200万円並びにこれらに対する平成20年5月23日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5%の割合による遅延損害金の支払を求めている。 争点 (1) 本件特許権の侵害についてア被告各製品は本件発明1ないし3,10,11,14,15の各構成要件を充足するか(争点1)イ本件特許権は,下記(ア)ないし(エ)の無効原因を有しており,特許無 効審判により無効にされるべきものか(争点2)(ア) 新規性欠如(平成11年法律第41号による改正前の特許法29条1項3号)あるいは進歩性欠如(同2項)(争点2-1)(イ) 補正における新規事項の追加(平成6年法律第116号による改正前の特許法17条の2第2項,17条2項)(争点2-2)(ウ) 明細書記載不備(平成6年法律第116号による改正前の特許法36条5項2号)(争点2-3)(エ) 実施可能要件違反(平成6年法律第116号による改正前の特許法36条4項)(争点2-4)(2) 本件意匠権の侵害についてア被告各製品の意匠は本件登録意匠と類似するか(争点3)イ本件意匠権は,下記(ア),(イ)の無効原因を有しており,意匠登録無効審判により無効にされるべきものか(争点4)(ア) 新規性欠如(平成11年法律第41号による改正前の意匠法3条1項3号)(争点4-1)()(イ) 容易創作平成10年法律第51号による改正前の意匠法3条2項(争点4-2)(3) 原告の損失及び損害(争点5)第3争点に係る当事者の主張 争点1(被告各製品は本件発明1ないし3,10,11,14,15の各構成要件を充足するか)について【原告の主張】,,,,,以下のとおり被告各製品はいずれも本件発明1ないし3 争点1(被告各製品は本件発明1ないし3,10,11,14,15の各構成要件を充足するか)について【原告の主張】,,,,,以下のとおり被告各製品はいずれも本件発明1ないし3 14の各構成要件を充足し,さらに,ニ号物件は,本件発明15の構成要件も充足する。なお,ロ号物件がイ号物件と異なる点は,ディンプルの下降の仕方窪み方ハ号物件がロ号物件と異なる点は特定の6個の六角形ディ(),, ンプルが他の六角形ディンプルより深い点,ニ号物件がロ号物件と異なる点は,六角形ディンプルの内縁部に,六角形ディンプルの最深部より浅い一段のディンプル内段部を隆起形成した点であるが,これらの相違点は,充足性の認定に影響を及ぼさない。 (1) 本件発明1について被告各製品の構成要件は,いずれも次のとおり分説することができるから,本件発明1の構成要件を全て充足する。 1a球表面を一つの大円よりなる仮想区画線によって二つの半球面エリアに区画し,仮想区画線上の100%の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランドをおいて平行に並ぶように複数の六角形ディンプルを列状に配設し,1b前記二つの半球面エリア内の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランドをおいて平行に並ぶように複数の六角形ディンプルを稠密に配設し,1c前記仮想区画線上の六角形ディンプルと前記各半球面エリア内の六角形ディンプルも辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランドをおいて平行に並ぶようにし,1d前記幅が0.0㎜のランドを含むランドの合計面積をゴルフボールの仮想球表面積の20%以下に 辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランドをおいて平行に並ぶようにし,1d前記幅が0.0㎜のランドを含むランドの合計面積をゴルフボールの仮想球表面積の20%以下にしたことを特徴とする1eゴルフボール。 (2) 本件発明2について被告各製品の構成要件は,いずれも次のとおり分説することができるから,本件発明2の構成要件を全て充足する。 2a球表面を球表面に内接,外接又は中接(稜が球に接する)する20面 体の各辺を球表面に投影した仮想区画線によって20のエリアに区画し,仮想区画線上の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランドをおいて平行に並ぶように複数の六角形ディンプルを列状に配設し,2b全ての前記エリア内の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランドをおいて平行に並ぶように複数の六角形ディンプルを稠密に配設し,2c前記仮想区画線上の六角形ディンプルと前記各エリア内の六角形ディンプルも辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランドをおいて平行に並ぶようにし,2d前記幅が0.0㎜のランドを含むランドの合計面積をゴルフボールの仮想球表面積の20%以下にしたことを特徴とする2eゴルフボール。 (3) 本件発明3について被告各製品は,いずれも以下の構成を備えており,また,前記(2)のとおり,本件発明3の請求項が引用する本件発明2の構成要件も充足するから,本件発明3の構成要件を全て充足する。 3f前記(2)2aの複数のエリアは三角形のエリアであり,前記三角形のエリア内の全範囲に,隣合う六角形ディンプルの辺同士が略一 発明2の構成要件も充足するから,本件発明3の構成要件を全て充足する。 3f前記(2)2aの複数のエリアは三角形のエリアであり,前記三角形のエリア内の全範囲に,隣合う六角形ディンプルの辺同士が略一定幅のランドをおいて略平行に並ぶように複数の六角形ディンプルばかりを稠密に配設した。 (4) 本件発明10について被告各製品は,いずれも以下の構成を備えており,また,前記(2)のとおり,本件発明10の請求項が引用する本件発明2の構成要件も充足する から,本件発明10の構成要件を全て充足する。 10g 前記(2)2aの仮想区画線は,五角形ディンプルを配設した球表面上の交点から五本が延び,該五本の仮想区画線による交点の周りの分割角度は均一である。 (5) 本件発明11について被告各製品は,いずれも以下の構成を備えており,また,前記(4)のとおり,本件発明11が引用する本件発明10の構成要件も充足するから,本件発明11の構成要件を全て充足する。 11h 前記(4)10gの交点から延びる五本の仮想区画線は他の交点から延びる仮想区画線と共に前記交点の周りに五つの球面正三角形エリアを区画形成し,前記球面正三角形エリア内の全範囲に,隣合う六角形ディンプルの辺同士が略一定幅のランドをおいて略平行に並ぶように複数の六角形ディンプルばかりを稠密に配設した。 (6) 本件発明14について被告各製品は,いずれも以下の構成を備えており,また,前記(1)のとおり,本件発明14が引用する本件発明1の構成要件も充足するから,本件発明14の構成要件を全て充足する。 14f 前記(1)1aの仮想区画線上に前記(1)1aの六角形ディンプルの列を二列に配設した。 (7) 本件発明15についてニ号物件は以下の構成を備えており,また,前記(1)ないし(6)のとおり,本件発明15 (1)1aの仮想区画線上に前記(1)1aの六角形ディンプルの列を二列に配設した。 (7) 本件発明15についてニ号物件は以下の構成を備えており,また,前記(1)ないし(6)のとおり,本件発明15が引用する本件発明1ないし3,10,11,14の構成要件も充足するから,本件発明15の構成要件を全て充足する。 15i 前記(1)1a又は(2)2aの六角形ディンプルの内縁部に,前記六角形ディンプルの最深部より浅い少なくとも一段のディンプル内段部を隆起形成した。 【被告の主張】(1) 被告各製品が本件発明1の構成要件1E及び本件発明2の構成要件2Eを充足することは認め,その余は否認する。 (2) 被告各製品は,以下のとおり,本件発明1の構成要件1Aないし1D及び本件発明2の構成要件2Aないし2Dを充足せず,本件発明1及び2を引用する本件発明3,10,11,14,15の構成要件も充足しない。 ア被告各製品には,球表面上の窪みであるディンプルは存在しない。したがって,本件発明1の構成要件1Aないし1C,本件発明2の構成要件2Aないし2Cを充足しない。 原告がディンプルに相当すると主張しているのは,六角形突状部分内側の凹部であるが,凹部は球表面上の窪み(ディンプル)ではない。 イ被告各製品には,ディンプル間に残る球表面の陸部分であるランドは存在しない。したがって,本件発明1の構成要件1Aないし1D,本件発明2の構成要件2Aないし2Dを充足しない。 原告がランドに相当すると主張しているのは,被告各製品の球表面上全体を被覆するネット(網)の六角形突状部分であり,突状部分は球表面の陸部分ではない。 ウ被告各製品の前記突状部分の幅は0.0㎜ではない。したがって,本件発明1の構成要件1Aないし1D,本件発明2の構成要件2Aないし2Dを充足しない。 エ あり,突状部分は球表面の陸部分ではない。 ウ被告各製品の前記突状部分の幅は0.0㎜ではない。したがって,本件発明1の構成要件1Aないし1D,本件発明2の構成要件2Aないし2Dを充足しない。 エ被告各製品の前記凹部は辺を共有していない。したがって,本件発明1の構成要件1Aないし1C,本件発明2の構成要件2Aないし2Cを充足しない。 争点2-1(新規性欠如あるいは進歩性欠如)について【被告の主張】本件発明1ないし3,10,11,14,15は,本件特許の出願前であ る1991年2月12日を特許日とする米国特許第4991852号の明細書(乙3。以下「引用文献3」という)に記載された発明(以下「引用例。 3」という)と同一であって新規性を欠く。 。 仮に同一でないとしても,本件発明1ないし3,10,11,14は,引用例3に加え,本件特許の出願前に公開された次の文献①及び②に記載された発明に基づき,本件発明15は,引用例3に加え,本件特許の出願前に公開された次の各文献に記載された発明に基づき,いずれも当業者が容易に発明をすることができたものである。 ①昭和48年3月10日公開の特開昭48-19325号公報(乙4。以「」,「」。)下引用文献4といいこれに記載された発明を引用例4という②平成4年12月2日公開の特開平4-347177号公報(乙5。以下「引用文献5」といい,これに記載された発明を「引用例5」という)。 ③大正13年5月21日公告の特許第60986号公報(乙6。以下「引用文献6」といい,これに記載された発明を「引用例6」という)。 ④1992年5月18日公告の特公平4-29398号公報(乙7。以下「引用文献7」といい,これに記載された発明を「引用例7」という)。 (1) 引用例3引用文献3に 明を「引用例6」という)。 ④1992年5月18日公告の特公平4-29398号公報(乙7。以下「引用文献7」といい,これに記載された発明を「引用例7」という)。 (1) 引用例3引用文献3には,要約すると次の構成からなるゴルフボールが開示されている。 (a) 球表面を20面体の各辺を球表面に投影して形成される複数の球面三角形よりなる仮想区画線によって複数の球面エリアに区画し,仮想区画線上の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有することで陸部分のランドをおいて複数の六角形ディンプルを列状に配設し,(b) 前記球面エリア内の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有することで陸部分のランドをおいて平行に並ぶように複数 の六角形ディンプルを稠密に配設し,(c) 前記仮想区画線上の六角形ディンプルと前記各半球面エリア内の六角形ディンプルも辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分のランドをおいて平行に並ぶようにし,(d) 前記ランドの合計面積をゴルフボールの仮想球表面積の20%以下にした(e) ゴルフボール。 (2) 引用例4引用文献4には,次のゴルフボールが開示されている。 アボール表面に多数の六角形の窪みを設け,窪みが等辺の球面三角形の20面体を構成するように配設されたゴルフボールイボールが赤道部分の中心線の周りで2個の半球に分割可能であり,かつ,赤道(大円)に沿ってその50%以上の部分に窪みを配設されたゴルフボールウ球面三角形の頂点を除く全てを六角形の窪みとし,頂点には五角形の窪みを配設されたゴルフボール(3) 引用例5引用文献5には,隣接するディンプルにより囲まれるランド部の面積を小さくして,ディンプルを密に配設し,ディンプル効果を向上させて,飛距離を伸ばすようにし みを配設されたゴルフボール(3) 引用例5引用文献5には,隣接するディンプルにより囲まれるランド部の面積を小さくして,ディンプルを密に配設し,ディンプル効果を向上させて,飛距離を伸ばすようにしたゴルフボールが開示されている。 (4) 引用例6引用文献6には,表面に浅い第一の部分と深い第二の部分からなるディンプル(凹入部)を形成したゴルフボールが開示されている。 (5) 引用例7引用文献7には,多数の凹型ディンプルを有するゴルフボールに関し,ディンプルの周壁の深さ方向中間部が浅く形成されたディンプルを有する ゴルフボールが開示されている。 (6) 本件発明1との対比ア一致点本件発明1と引用例3は,次の点において一致する。 (1a) 球表面を仮想区画線よって複数の球面エリアに区画し,仮想区画線上の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有することで陸部分のランドをおいて複数の六角形ディンプルを列状に配設し,(1b) 前記球面エリア内の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有することで陸部分のランドをおいて平行に並ぶように複数の六角形ディンプルを稠密に配設し,(1c) 前記仮想区画線上の六角形ディンプルと前記各半球面エリア内の六角形ディンプルも辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分のランドをおいて平行に並ぶようにし,(1d) 前記ランドの合計面積をゴルフボールの仮想球表面積の20%以下にした(1e) ゴルフボール。 イ相違点本件発明1と引用例3との相違点は,次の2点である。 (ア) 仮想区画線ディンプルを配設する際の仮想区画線が,本件発明1ではゴルフボールの大円であるが,引用例3では複数の球面三角形である。 (イ) ランド幅ランドの幅が,本件発明1では0.0㎜であるが,引用例3 区画線ディンプルを配設する際の仮想区画線が,本件発明1ではゴルフボールの大円であるが,引用例3では複数の球面三角形である。 (イ) ランド幅ランドの幅が,本件発明1では0.0㎜であるが,引用例3では数値として示されていない。 ウ同一性 以下のとおり,前記相違点は格別のものではなく,本件発明1は引用例3と同一である。 (ア) 仮想区画線について引用文献3の図6及び図7に示されたディンプルの配設からすれば,引用例3においても,六角形ディンプルが整列して配設される一つの大円が存在しており,大円を仮想区画線としてその区画線上及び各区画エリア内に六角形ディンプルを配設したといえる。 (イ) ランド幅について引用例3において,隣合う六角形ディンプル同士が共有する辺は,図面に細い線で示されており,ランドの幅は極めて小さい。そして,本件発明1のランドの幅「0.0㎜」は,まさに線を示すものであるから,両者の違いは実質的なものではない。 エ容易想到性,,,,仮に同一性が認められないとしても以下のとおり本件発明1は引用例3ないし5に基づき,当業者が容易に発明をすることができたものである。 (ア) 仮想区画線について引用文献5の図15あるいは図18では,中央部横方向の二列のディンプル列の中間を通る線が一つの大円を構成しており,これを仮想区画線とすれば,仮想区画線上に二列のディンプルが配設されているといえる。 したがって,大円を仮想区画線として,ゴルフボール表面を二つの区画エリアに分割し,六角形ディンプルを稠密に配設するにあたり,仮想区画線上にディンプルを配設することは,引用例5に基づいて当業者が容易になし得ることである。 (イ) ランド幅について ランドの面積をできるだけ小さくすることは,引用文献5に記載されている。また 画線上にディンプルを配設することは,引用例5に基づいて当業者が容易になし得ることである。 (イ) ランド幅について ランドの面積をできるだけ小さくすることは,引用文献5に記載されている。また,本件明細書には,ランドの幅について,0.0㎜が,,,好ましいとの記載はなくかえってランドの幅を極めて細くするとランドが傷つきやすくなる可能性が示されており,ランドの幅を0.0㎜にしたことによる格別の効果は認められない。 したがって,ランドの幅を0.0㎜とすることは,当業者が容易に想到し得ることである。 (7) 本件発明2との対比ア一致点本件発明2と引用例3は,次の点において一致する。 (2a) 球表面を球表面に内接,外接又は中接(稜が球に接する)する多面体の各辺を球表面に投影した仮想区画線によって複数のエリアに区画し,仮想区画線上の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分のランドをおいて複数の六角形ディンプルを列状に配設し,(2b) 全ての前記エリア内の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分のランドをおいて平行に並ぶように複数の六角形ディンプルを稠密に配設し,(2c) 前記仮想区画線上の六角形ディンプルと前記各エリア内の六角形ディンプルも辺を共有することでディンプル間に残る球表面の陸部分のランドをおいて平行に並ぶようにし,(2d) 前記ランドの合計面積をゴルフボールの仮想球表面積の20%以下にした(2e) ゴルフボール。 イ相違点 本件発明2と引用例3との相違点は,前記(6)イ(イ)の点と同じであり,これのみである。 ウ同一性前記(6)ウ(イ)と同様,前記相違点は実質的なものではなく,本件発明2は ル。 イ相違点 本件発明2と引用例3との相違点は,前記(6)イ(イ)の点と同じであり,これのみである。 ウ同一性前記(6)ウ(イ)と同様,前記相違点は実質的なものではなく,本件発明2は引用例3と同一である。 エ容易想到性前記(6)エ(イ)と同様,前記相違点があるとしても,本件発明2は,引用例3ないし5に基づき,当業者が容易に発明をすることができたものである。 (8) 本件発明3との対比引用例3は,球面を複数(20面)の三角形エリアに分割するものであるところ,この点において,本件発明3との間に差異はない。 したがって,本件発明3は,引用例3と同一であり,同一でないとしても,引用例3ないし5に基づき,当業者が容易に発明をすることができたものである。 (9) 本件発明10との対比ア一致点引用文献3においても,仮想区画線について,球表面の交点の周りに分割角度を均一にして5本が延びたものが示されており,仮想区画線において本件発明10との間に差異はない。 イ相違点本件発明10では,交点に五角形ディンプルが配設されているが,引用例3では,五角形ディンプルを配設することについての記載はない。 ウ容易想到性六角形ディンプルを,等辺の球面三角形のエリアに区分して配設するにあたり,三角形の各頂点(前記交点に相当)に五角形ディンプルを配 設することは,本件特許の出願前において周知であり(引用文献4,)設計上容易になし得ることである。 したがって,本件発明10は,引用例3ないし5に基づき,当業者が容易に発明をすることができたものである。 (10) 本件発明11との対比球面上の一つの交点から延びる5本の仮想区画線が,他の交点から延びる仮想区画線と共に,上記交点の周りに五つの球面正三角形エリアを区画形成し,同エリアの全範囲に,隣合う (10) 本件発明11との対比球面上の一つの交点から延びる5本の仮想区画線が,他の交点から延びる仮想区画線と共に,上記交点の周りに五つの球面正三角形エリアを区画形成し,同エリアの全範囲に,隣合う六角形ディンプルの辺同士が略一定幅のランドをおいて略平行に並ぶように複数の六角形ディンプルばかりを稠密に配設することは,引用文献3の図6及び図7に示されており,この点において,引用例3と本件発明11との間に差異はない。 したがって,本件発明11は,引用例3ないし5に基づき,当業者が容易に発明をすることができたものである。 (11) 本件発明14との対比ア同一性大円(赤道)よりなる仮想区画線上に六角形ディンプルを二列に配設したものは,引用文献3に記載されているから,引用例3と本件発明14とは同一である。 すなわち,引用文献3の図6に示された20個の主三角形のエリアの中央の一つの三角形エリアに,図7に示される六角形ディンプルの配設をそのまま(辺を上に,頂点を下にして)当てはめ,順次,左右の横方向に隣接する三角形エリアに図7のディンプルの配設を当てはめた状態で,図7の最上列(10個のディンプル)から数えて5列目の横方向の列(6個のディンプルの列)と6列目の横方向の列(5個のディンプルの列)の中間点を通り,各列に平行な線を想定すれば,その線は球の一つの大円を形成する。そして,この大円を仮想区画線とすれば,仮想区 画線上に二列のディンプルの列が配設されていることとなる。 イ容易想到性仮に,同一性が認められないとしても,前記(6)エ(ア)のとおり,引用文献5の図15あるいは図18においては,仮想区画線上に二列のディンプルが配設されているから,大円を仮想区画線としてゴルフボール表面を二つの区画エリアに分割し,六角形ディンプルを稠密に配設す, 用文献5の図15あるいは図18においては,仮想区画線上に二列のディンプルが配設されているから,大円を仮想区画線としてゴルフボール表面を二つの区画エリアに分割し,六角形ディンプルを稠密に配設す,,るにあたり大円の仮想区画線上に二列のディンプルを配設することは引用文献5に示された上記ディンプルの配設に基づいて当業者が容易になし得ることである。 したがって,本件発明14は,引用例3及び5に基づき,当業者が容易に発明をすることができたものである。 (12) 本件発明15との対比ゴルフボールのディンプルの内縁部に,最深部より浅い内段部を形成したものは,本件特許の出願前において周知であり(引用文献6及び7,)六角形ディンプルの内縁部に本件発明15のような内段部を隆起形成することは,当業者が適宜なし得ることである。 したがって,本件発明15は,引用例3ないし7に基づき,当業者が容易に発明をすることができたものである。 【原告の主張】以下のとおり,本件発明1及び2は進歩性及び新規性を有する。 また,本件発明3,10,11,14,15は,本件発明1又は2を引用し,さらに技術的事項を付加するものであるから,やはり,新規性及び進歩性を有する。 (1) 新規性本件発明1及び2はランドの幅が0.0㎜であるが引用例3はディ,,,ンプルの数や占有率から計算すると,ランドの幅が0.14~1.12㎜と なるから,両者は同一ではなく,本件発明1及び2には新規性がある。 (2) 進歩性ア本件発明1及び2におけるランドの幅の技術的意義(ア) 本件明細書の記載からすれば,ランドの幅を0.0㎜としたことによる技術的意義は,空気との摩擦抵抗が極限的に減少することと(第1の意義,周期特性が飛躍的に改善され,あらゆる方向の均一性を)満足でき,安定性を向上 載からすれば,ランドの幅を0.0㎜としたことによる技術的意義は,空気との摩擦抵抗が極限的に減少することと(第1の意義,周期特性が飛躍的に改善され,あらゆる方向の均一性を)満足でき,安定性を向上できることにある(第2の意義。 )(イ) 本件発明1及び2のみが備える従来例にはない技術的意義は,複数の六角形ディンプルを,幅が0.0㎜のランドをおいて,所定の仮想区画線上の50%以上の範囲と,所定のエリア内の50%以上の範囲とに配設したことにより,前記第2の意義が50%以上の範囲で得られる点にある。 そして,前記第2の意義によれば,本件発明1及び2における「ランドの幅を0.0㎜にして所定範囲に配設すること」と,従来例における「ランドの幅を小さくすること」とは,似て非なるものであり,その間には飛躍的な変革があって,進歩性があるといえる。 イ阻害要因引用例5において,ランドの面積を小さくするとあるのは,有限の小さい面積にすることであり,ランドの幅を実質0にするという思想ではないし,引用例5のディンプルは円形であるから,ランドの幅は実質0にはならない。また,引用例3のランドの幅は,計算上0.14~1.12㎜である。したがって,引用例5から,引用例3においてランドの幅を0.0㎜にするという発想に至ることは,飛躍があって直ちにはできない。 また,本件特許の出願前は,ディンプル占有率が大き過ぎる(ランド),(),の幅が小さ過ぎるとカバー層の陸部分の剛性が低下したり甲36 弾道が低くなり過ぎて飛距離が劣ると考えられており(甲42,ディ)ンプル占有率の上限が80~95%程度であると認識されていた。 したがって,引用例5から,引用例3においてランドの幅を0.0㎜にするという発想に至るには,阻害要因があることになる。 ウ不服審判における審理経 有率の上限が80~95%程度であると認識されていた。 したがって,引用例5から,引用例3においてランドの幅を0.0㎜にするという発想に至るには,阻害要因があることになる。 ウ不服審判における審理経過本件特許に係る出願は,拒絶査定を受けたため,原告は,不服審判を請求すると同時に,特許請求の範囲を補正した。これによると,ランドの幅について,略一定幅としたり(請求項1~17,0.2~1.0㎜)としたり(請求項18,不可避的に付くアールの部分がある(請求項)19)となっていたところ,改めて,進歩性がないとして拒絶理由通知を受けた。 ,,,,そこで原告はランドの幅を0.0㎜と補正しその意義を説明しランドの幅を0にした引用刊行物はなく,容易想到ではない旨を主張したところ,上記拒絶査定は取り消され,上記出願は特許されるべきものとされた。 これは,上記補正により,進歩性が評価されたためである。 エ本件発明1及び2が容易想到でないこと前記アないしウを総合すれば,ランドの幅を0.0㎜にすることは飛躍的変革をもたらす点であり,ランドの面積を有限の小さい面積にするに過ぎない引用例5から,引用例3においてランドの幅を0.0㎜にするという発想に至ることは,阻害要因もあって困難といえる。 しかも,ランドの幅を0.0㎜にすることにより,ボール全体で十分に周期特性が改善され,あらゆる方向の均一性を満足でき,安定性を向上できるという,独自の効果が発生するから,幅が0.0㎜のランドを所定範囲に配設することは,単なる設計的事項でもない。 そうすると,本件発明1及び2は,引用例3ないし5に基づいて当業 者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 争点2-2(補正における新規事項の追加)について【被告の主張】本件特許に係る平成15年8月4日 び2は,引用例3ないし5に基づいて当業 者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 争点2-2(補正における新規事項の追加)について【被告の主張】本件特許に係る平成15年8月4日付け手続補正書のうち,請求項1及び2の「仮想区画線上に六角形ディンプルを平行に配設する」点は,出願当初の明細書又は図面に記載されていない事項である。 【原告の主張】本件特許に係る出願当初の明細書には「仮想区画線上の少なくとも一部,の範囲に,隣合う六角形ディンプルの辺同士が略一定幅のランドをおいて略」(【】,平行に並ぶように複数の六角形ディンプルを列状に配設する請求項2段落【0008「そして,図9に示すように,仮想区画線2上に,隣合】),う六角形ディンプル4の辺同士が略一定幅のランド6をおいて略平行に並ぶように多数の六角形ディンプル4を一列に配設する(段落【0029)。」】との記載があり,図9,12ないし18に「仮想区画線上に六角形ディン,プルを平行に配設」したことが示されている。 このように「仮想区画線上に六角形ディンプルを平行に配設する」こと,は,出願当初の明細書又は図面に記載されている。 争点2-3(明細書記載不備)について【被告の主張】以下のとおり,本件明細書の請求項1及び2の記載は,特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項を記載したものではない。 (1) 「幅が0.0㎜のランド」の意味について請求項1及び2の記載には「ディンプル間に残る球表面の幅が0.0,㎜のランド」とあるが,以下のとおり「幅が0.0㎜のランド」は,技,術的にみて意味不明である。 ア本件明細書の記載からすれば,幅が0.0㎜のランドとは,適宜設定 できるランドの幅(0.0㎜~2.5㎜位)の下限値であり,好ましいとされる ㎜のランド」は,技,術的にみて意味不明である。 ア本件明細書の記載からすれば,幅が0.0㎜のランドとは,適宜設定 できるランドの幅(0.0㎜~2.5㎜位)の下限値であり,好ましいとされるランドの幅(0.1㎜~1.5㎜)にも属さない,幅のない0.0㎜を特定したものである。しかしながら,ランドの幅を0.0㎜としたことによる技術的意義は,本件明細書に記載がなく不明である。 また「アール分の幅・面積のランドはあることとなる」との記載,。 もあるが「幅が0.0㎜のランド」と矛盾するばかりでなく,いかな,る態様のアールであれば幅0.0㎜に含まれるのかも判然としない。 イ拒絶理由通知書に対する意見書において,原告は,アールが存在してもランドは0であると述べるが,幅が全くないランドを「ランド」と称すること自体意味不明である。 なお,上記意見書に記載された「本件発明(実施時」の図では「ラ),ンドの幅0」としつつ,実際には幅広のランド(アール)が示されているが「本件発明(理論」の図が実施時に「本件発明(実施時」の図,))となることが不自然であるし,上記図は,出願当初の明細書には記載されておらず「本件発明(理論」の実施時を示しているとはいえない。 ,)ウ請求項1には「隣合う六角形ディンプル(4)同士が辺を共有するこ,とでディンプル間に残る球表面の陸部分の幅が0.0㎜のランド」と記載されているから,幅が0.0㎜のランドとは,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有する状態である。 しかしながら,前記意見書の「本件発明(実施時」の図では,隣合)う六角形ディンプル同士が辺を共有しているとはいえない。 (2) 「仮想区画線上に六角形ディンプル同士が平行に並ぶように列状に配設する」の意味について請求項1の構成要件1A及び請求項2の構成要件 )う六角形ディンプル同士が辺を共有しているとはいえない。 (2) 「仮想区画線上に六角形ディンプル同士が平行に並ぶように列状に配設する」の意味について請求項1の構成要件1A及び請求項2の構成要件2Aは,いずれも,仮想区画線上に隣合う六角形ディンプル同士が平行に並ぶように複数の六角形ディンプルを列状に配設することを規定しているが,以下のとおり,こ れがいかなることを意味するかは不明である。 ア仮想区画線上には,六角形ディンプルの列が二列存在しておらず,平行か否かの問題は生じない。 ,,イ本件明細書の記載によれば六角形ディンプル同士が平行に並ぶのは幅が0.0㎜のランドをおいてであるところ,辺を共有する場合,隣合うディンプルの辺は1本しかなく,辺同士が平行に並ぶことはあり得ない。 【原告の主張】以下のとおり「幅が0.0㎜のランド「仮想区画線上に六角形ディン,」,プル同士が平行に並ぶように列状に配設する」の意味は明確である。 (1) 「幅が0.0㎜のランド」の意味についてアランドの幅を0.0㎜としたことの技術的意義は,前記2【原告の主張】(2)ア(ア)で述べたとおりであるところ,本件明細書では,空気抵抗の減少作用(第1の意義)及び周期特性の改善作用(第2の意義)について説明している。 そして,本件明細書の記載及び不服審判における拒絶理由通知に対する意見書のとおり,好ましいランドの幅(0.1㎜~1.5㎜)は,空気抵抗とは別の観点からの記載であり,幅が0.0㎜のランドは,空気抵抗の観点や周期特性を急激に改善できる観点からの限定であるから,後者が前者の範囲に属さないとしても,矛盾はない。 イ本件特許における「ランド」とは,請求項1記載の「ディンプル間に残る球表面の陸部分」であり「アール分の幅・面積のランド」とは,,正確に から,後者が前者の範囲に属さないとしても,矛盾はない。 イ本件特許における「ランド」とは,請求項1記載の「ディンプル間に残る球表面の陸部分」であり「アール分の幅・面積のランド」とは,,正確にはランドではないが,本件明細書の記載に基づいて,ランドとは区別される曲面と解釈できるそして幅が0.0㎜のランドをラ「」。 ,「ンド」と称することは,説明の便法として名称を付すことが必要かつ妥当であることや,適宜設定できるランドの幅(0.0㎜~2.5㎜位)を 補正で0.0㎜に限定した経緯からして,意味不明とまではいえない。 また,ランドの幅は,ディンプル間に残る球表面の陸部分の幅であるから,球表面の半径より小さい半径のアールであれば,ディンプル間に残る球表面の陸部分の幅を持たず,幅が0.0㎜となる。 ウ現実に形成されるディンプルの辺及び角にアールが付くことは自然であるし,前記意見書の実施時の図においても,隣合う六角形ディンプルは辺に付くアールの端同士を共有しており,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有しているといえる。 (2) 「仮想区画線上に六角形ディンプル同士が平行に並ぶように列状に配設する」の意味について平行とは同一平面上の二直線がどこまで延長しても交わらないことであるから「仮想区画線上に六角形ディンプル同士が平行に並ぶように列状,に配設する」とは,六角形ディンプルの対峙する二辺と,隣の六角形ディンプルの対峙する二辺とが,どこまで延長しても交わらないように並ぶように列状に配設することを意味していることは明らかである。 争点2-4(実施可能要件違反)について【被告の主張】以下のとおり「幅が0.0㎜のランド」のゴルフボールは製造不可能で,あり,製造できたとしても使用に耐えない。 特許庁においても「ランドの幅を0 争点2-4(実施可能要件違反)について【被告の主張】以下のとおり「幅が0.0㎜のランド」のゴルフボールは製造不可能で,あり,製造できたとしても使用に耐えない。 特許庁においても「ランドの幅を0.0㎜にすることは,理論上可能で,あっても実施不可能であるということもできる」と判断されている。 。 (1) 製造不能ランドの幅を0.0㎜とすることは,理論上は可能であっても,技術的にみて,現実には不可能である。 また,通常のゴルフボールはディンプルが形成された表面に塗膜が施されるので,ランドの幅が0.0㎜になることはあり得ない。 (2) 使用不能仮に,0.0㎜に限りなく近い幅のランドを有するゴルフボールを製造できたとしても,一度打撃すれば破損し,実際には使用できない。 【原告の主張】以下のとおり「幅が0.0㎜のランド」は実施可能である。 ,(1) 製造可能本件明細書では「現実に形成されるディンプルの辺及び角にはアール,が不可避的に付くから,そのアール分の幅・面積のランドはあることになる」と記載され,ランドの幅が0.0㎜の場合でも,製造が可能である。 ことを説明している。 (2) 使用可能特許の出願においては,問題や不具合が全くない状態で使用できることまでは求められていない。 そして,一度の打撃で使用不能になるほど破損するとは考えにくい上,少なくとも一度は使用できるのであるし,破損を気にしなければ二度目以降も使用できる。また,ランドの幅が実質0であるゴルフボールが,実際に被告を含む数社から販売され,使用されている。 争点3(被告各製品の意匠は本件登録意匠と類似するか)について【原告の主張】,,,,(,以下のとおりイ号物件ロ号物件ハ号物件ニ号物件の各意匠以下順に「イ号意匠」などという)は,いずれも本件登録 の意匠は本件登録意匠と類似するか)について【原告の主張】,,,,(,以下のとおりイ号物件ロ号物件ハ号物件ニ号物件の各意匠以下順に「イ号意匠」などという)は,いずれも本件登録意匠と類似する。 。 (1) イ号意匠の基本的構成態様p球形のゴルフボールである。 q球表面の分散した12個所に12個の五角形ディンプルを,球表面の残りに320個の六角形ディンプルを,これらの五角形ディンプル及び六角形ディンプルの各辺が相互に平行となるように配設している。 rランド(球表面にディンプルを設けたときにディンプル間に残る陸部分)の幅は0.0㎜である。 (2) イ号意匠の具体的構成態様s球表面における「10面は正三角形であるが,別の10面は正三角形が一段分削り取られた変形形状である20面体」の頂点に相当する個所に五角形ディンプルを配設し,五角形ディンプル同士を最短で結ぶ30本の線分のうち,20本の線分上に各5個の六角形ディンプルを一列状,,に配設し5本の線分上に各4個の六角形ディンプルを一列状に配設し別の5本の線分上に各4個の六角形ディンプルを途中でずれた列状に配設し,30本の線分上の六角形ディンプルで区画される20のエリアの,,うち10の正三角形エリア内に各10個の六角形ディンプルを配設し10の変形形状エリア内に各8個の六角形ディンプルを配設している。 (3) 対比ア共通点(ア) 基本的構成態様の共通点後記イ(ア),(イ)に指摘する差異点を除き,本件意匠の基本的構成態様P,Q,Rとイ号意匠の基本的構成態様p,q,rは一致する。 (イ) 具体的構成態様の共通点イ号意匠と本件登録意匠は,従来の1個の円形ディンプルに比べ六角形ディンプルが大面積に感じられ,またその六角形ディンプルと五,,角形ディンプルとが rは一致する。 (イ) 具体的構成態様の共通点イ号意匠と本件登録意匠は,従来の1個の円形ディンプルに比べ六角形ディンプルが大面積に感じられ,またその六角形ディンプルと五,,角形ディンプルとが幾何学的に計算されて詰め込まれた印象があり力強くメカニカルで整然としており,ランドの幅が非常に小さくディンプルが緊密に接近しているといった共通の美感を,看者の視覚を通じて起こさせるものである。 イ差異点(ア) ディンプル数 六角形ディンプルの数が,イ号意匠は320個であるが,本件登録意匠は350個である。 (イ) ランド幅ランドの幅が,イ号意匠は0.0㎜であるが,本件登録意匠は0.5㎜である。 (ウ) ディンプルの配設イ号意匠は,20面体のうちの10面が正三角形が一段分削り取られた変形形状であり,30本の線分のうちの5本の線分上に各4個の六角形ディンプルを一列状に配設し,別の5本の線分上に各4個の六角形ディンプルを途中でずれた列状に配設し,30本の線分上の六角形ディンプルで区画される20のエリアのうちの10の変形形状エリア内に各8個の六角形ディンプルを配設している。 一方,本件登録意匠は,20面とも正三角形であり,全線分上に各5個の六角形ディンプルを一列状に配設し,全正三角形エリア内に各10個の六角形ディンプルを配設している。 ウ前記差異点が美観を異ならせないこと前記差異点は,以下のとおり,いずれもわずかなものであって,前記アの美感を異ならせるものではない。 (ア) ディンプル数についてディンプル数の差はわずかであり,看者の視覚を通じて起こさせる美感を異ならせる程の差異ではない。 (イ) ランド幅について肉眼的には,ランドの幅が0.0㎜か,わずかにあるかの判別は困難であるから,視覚的な差異はわずかである。 (ウ) ディンプルの 起こさせる美感を異ならせる程の差異ではない。 (イ) ランド幅について肉眼的には,ランドの幅が0.0㎜か,わずかにあるかの判別は困難であるから,視覚的な差異はわずかである。 (ウ) ディンプルの配設イ号意匠の変形形状である10面は概ね三角形という印象を失わせ るものではなく,変形形状エリア内の六角形ディンプルは正三角形内の六角形ディンプルより2個少ないに過ぎない。また,5本の線分上の六角形ディンプルは1個少ないに過ぎず,別の5本の線分上の六角形ディンプルのずれもわずかである。 エイ号意匠が本件登録意匠の要部を備えていることイ号意匠が本件登録意匠の要部を備えていることからしても,イ号意匠は本件登録意匠と共通の美観を起こさせるものといえる。 (ア) 要部1本件登録意匠で,少なくとも一部の六角形ディンプルの各辺が相互に平行に隣合うように配設されている点は,従来例としては引用例3が存在するのみであって,要部といえる(以下「要部1」という。 。)そして,イ号意匠も,要部1を備えている。 (イ) 要部2本件登録意匠では,350個全ての六角形ディンプルの各辺が相互に平行に隣合うように配設されていて,非常に整然とした美感が生ずる。この点は,従来にない新しい手法であって,要部といえる(以下「要部2」という。 。)そして,イ号意匠は,ディンプル数こそわずかに異なるものの,実質的に要部2を備えている。 (ウ) 要部3本件登録意匠では,12個の五角形ディンプルを配設することにより五角形ディンプル及びその周りの六角形ディンプルが六角形ディ,,ンプルばかりが配設されたところに対してアクセントになって,座布団の表裏を所々で点状に縫い合わせたような窄まり感とリズム感のある美感が生ずる。この点は,従来にない新しい手法であって,要部といえる(以 プルばかりが配設されたところに対してアクセントになって,座布団の表裏を所々で点状に縫い合わせたような窄まり感とリズム感のある美感が生ずる。この点は,従来にない新しい手法であって,要部といえる(以下「要部3」という。 。) そして,イ号意匠も,要部3を備えている。 オまとめ以上のとおり,イ号意匠は,本件登録意匠に類似する。 (4) ロ号意匠の構成態様と本件登録意匠との対比ロ号物件とイ号物件との差異点は,ディンプルの窪み方のみであり,この差異点はロ号意匠と本件登録意匠の対比にほとんど影響を及ぼさない。 したがって,ロ号意匠の構成態様はイ号意匠と同じであって,ロ号意匠は,イ号意匠と同様,本件登録意匠と,需要者の視覚を通じて起こさせる美感において共通しており,類似する。 (5) ハ号意匠の構成態様と本件登録意匠との対比ハ号物件とロ号物件との差異点は,6個の六角形ディンプルを他の六角形ディンプルより深くする点のみであり,この差異点はハ号意匠と本件登録意匠の対比にほとんど影響を及ぼさない。 したがって,ハ号意匠の構成態様はイ号意匠と同じであって,ハ号意匠は,イ号意匠などと同様,本件登録意匠と,需要者の視覚を通じて起こさせる美感において共通しており,類似する。 (6) ニ号意匠の構成態様と本件登録意匠との対比ニ号物件とロ号物件との差異点は,ディンプル内段部を隆起形成した点のみであり,この差異点はニ号意匠と本件登録意匠の対比にほとんど影響を及ぼさない。 したがって,ニ号意匠の構成態様はイ号意匠と同じであって,ニ号意匠は,イ号意匠などと同様,本件登録意匠と,需要者の視覚を通じて起こさせる美感において共通しており,類似する。 【被告の主張】以下のとおり,イ号意匠,ロ号意匠,ハ号意匠及びニ号意匠は,いずれも本件登録意匠と類似しない。 (1) 匠と,需要者の視覚を通じて起こさせる美感において共通しており,類似する。 【被告の主張】以下のとおり,イ号意匠,ロ号意匠,ハ号意匠及びニ号意匠は,いずれも本件登録意匠と類似しない。 (1) 本件登録意匠の要部本件登録意匠の要部は,六角形ディンプル間の細線の幅を示すところの両縁によって現れる明確な輪郭を有するランド部を介して,六角形ディンプルを幾何学的に配設した点にあり,平面的かつ幾何学的なパターンが看者に際立った印象を与えている。 ディンプルの窪みは意匠的に注意を引くものではなく,要部ではない。 (2) イ号意匠との対比アイ号意匠の構成(ア) 基本的構成態様ゴルフボールの球表面に六角形と五角形からなるネット網ワー,()クパターンを被覆した形態である。 (イ) 具体的構成態様ゴルフボールの表面を被覆する,①六角形の突状部分とその内側の凹部と,②五角形の突状部分とその内側の凹部からなるネット(網)ワークパターンについて,10面を正三角形に,別の10面を正三角形が一段分削り取られた変形三角形に,それぞれ区分した20面体の各三角形のうち,三角形の頂点に相当する個所に②を配設し,正三角,,形の②同士を結ぶ辺上に各5個の①を配設し変形三角形については底辺の②同士を結ぶ辺上に5個の①を配設し,それ以外の②同士を結ぶ辺上に4個の①(右辺は途中でずれた列状)を配設している。10面の正三角形エリア内に各10個の①を配設し,10面の変形三角形エリア内に各8個の①を配設している。ボール表面全体には,①が320個,②が12個存在している。 (ウ) イ号意匠の要部イ号意匠の要部は,球体表面に,突状五角形を若干含む,頂部がなだらかな丸みを帯び輪郭が明瞭でない突状六角形と,その内側の凹部 から形成されるネット(網)ワークパターンが被覆 ウ) イ号意匠の要部イ号意匠の要部は,球体表面に,突状五角形を若干含む,頂部がなだらかな丸みを帯び輪郭が明瞭でない突状六角形と,その内側の凹部 から形成されるネット(網)ワークパターンが被覆されたもので,このネット(網)ワークパターンと同パターンが形成する凹部とが一体となって,凸部と凹部という立体感をかもし出し,看者に立体的な印象を与えている点である。 イ対比(ア) 共通点ゴルフボールを対象とし,六角形の表面パターンを使用している。 (イ) 差異点aイ号意匠は,ゴルフボールの球表面にネット(網)を掛けたもので,ネットを構成する突状六角形とその内側の凹部が六角形ネット部分を構成しており,本件登録意匠のランドとディンプルを有していない。 b本件登録意匠の六角形ディンプルは350個であり,イ号意匠の六角形ネット部分は320個である。 c本件登録意匠は20面の正三角形から構成されているが,イ号意匠は10面の正三角形と10面の変形三角形から構成されている。 d本件登録意匠におけるランドは,幾何学的な明確な輪郭を有する細線で表されているがイ号意匠におけるネット網ワークパター,()ンの六角形突状部分の頂部は,丸みを帯び,連続的になだらかに変化する形状である。 e本件登録意匠は全体的に平面的であるが,イ号意匠は全体的に立体的である。 ウ類否判断前記(1)のとおり,本件登録意匠は,輪郭が明瞭な細い線状であるランド部を介して,六角形ディンプルを幾何学的に配設し,平面的かつ幾何学的パターンが際立った印象を与えているのに対し,イ号意匠は,丸 みを帯び輪郭が明瞭でないネット(網)ワークパターンが立体的な印象を与えているから,イ号意匠は,本件登録意匠と要部を異にし,前記イ(イ)の差異点も加味すると,看者に本件登録意匠と共通ある ,丸 みを帯び輪郭が明瞭でないネット(網)ワークパターンが立体的な印象を与えているから,イ号意匠は,本件登録意匠と要部を異にし,前記イ(イ)の差異点も加味すると,看者に本件登録意匠と共通あるいは類似の美感を生じさせるものでないといえる。 (3) ロ号意匠との対比ロ号物件は,突状六角形の内側の凹部の形状がイ号物件と異なっているが,この差異点は意匠の類否に影響を及ぼさず,ロ号意匠は,イ号意匠と同様に,本件登録意匠とは類似しない。 (4) ハ号意匠との対比ハ号物件は,6個の突状六角形の内側の凹部が他の突状六角形の内側の凹部より深くなっており,いっそう凹部に対する強い視覚的な印象を与えているし,この点以外はロ号物件と同一の構成であるから,ハ号意匠は,ロ号意匠以上に,本件登録意匠とは類似しない。 (5) ニ号意匠との対比ニ号物件は,六角形突状部の内側の凹部にさらなる六角形の隆起部を有しており,ニ号意匠は,六角形のネット(網)ワークパターン,同パターンが形成する凹部,同凹部内に形成された隆起部の一体的形態というべきである。丸い輪状に見えるこの内側隆起部は,看者に強い印象を与える要部であるが,本件登録意匠には存在していない。 このように,ニ号意匠は,本件登録意匠とは要部を異にしているし,ニ号意匠についても前記(2)イ(イ)の差異点があることも加味すると,看者に本件登録意匠と共通あるいは類似の美観を生じさせるものでない。 争点4-1(新規性欠如)について【被告の主張】以下のとおり,本件登録意匠(前提事実(5))は,引用文献3に記載され(。 「」。),た意匠ディンプル数が384個のもの以下引用意匠3というと 意匠に係る物品が一致し,形態において基調が共通し,差異点はその基調を凌駕するものではなく,全体として類似する 」。),た意匠ディンプル数が384個のもの以下引用意匠3というと 意匠に係る物品が一致し,形態において基調が共通し,差異点はその基調を凌駕するものではなく,全体として類似する。 したがって,本件登録意匠は,意匠法3条1項3号の規定により意匠登録を受けることができないものであり,同法48条1項1号により無効とすべきものである。 (1) 引用意匠3本件登録意匠の出願前に発行された引用文献3には,図1に表面に六角形ディンプルを密に配設したゴルフボールが記載され,図2に384個の六角形ディンプルが形成された従来のゴルフボールのカバーの一部が記載され,図6及び図7に,ディンプルの具体的配設方法に関し,球面を20個の球面正三角形に区分して,各三角形の辺及びその区域内に六角形ディンプルを配設することが記載されている。 (2) 対比ア共通点(ア) 基本的構成態様物品をゴルフボールとし,ゴルフボールの表面全体に,隣接する六角形のディンプルを,互いに細線で示される辺を共有するようにして密に配設した形態である。 (イ) 20面体パターンゴルフボールの表面を,20の球面正三角形に区分している。 イ差異点(ア) 五角形ディンプル本件登録意匠は,球表面に配設した六角形ディンプルの中に,12個の五角形ディンプルを分散して配設しているが,引用意匠3は五角形ディンプルを備えていない。 (イ) ディンプル数 ディンプルの総数が本件登録意匠は362個12個の五角形ディ,(ンプルと350個の六角形ディンプル)であるが,引用意匠3は384個である。 ウ両意匠の類似従来のゴルフボールは,円形のディンプルが一般的であったから,前記基本的構成態様は,ゴルフボールの意匠として,形態上の特徴を強く表象すると共に,全体の基調を形成する点であ である。 ウ両意匠の類似従来のゴルフボールは,円形のディンプルが一般的であったから,前記基本的構成態様は,ゴルフボールの意匠として,形態上の特徴を強く表象すると共に,全体の基調を形成する点であり,意匠の類否を左右する要部であるところ,上記要部において両意匠は共通しており,両意匠は類似する。 そして,以下のとおり,前記差異点は,両意匠が表出する形態全体の雰囲気を異にするほど顕著な特徴を表出するものではないから,前記共通点の奏する基調を超えて,類比判断を左右するものではない。 (ア) 五角形ディンプルについて12個の五角形のディンプルが,350個の六角形ディンプルの中に,分散して配設されたとしても,存在を認識することすら困難であり,部分的で微弱な差異である。したがって,五角形のディンプルの存在が,全体として需要者の視覚を通じて異なる美感を起こさせるものではない。 しかも,ゴルフボールの表面に六角形ディンプルを配設する場合,ゴルフボールを20の球面三角形によって区分し,その20の三角形の頂点に12個の五角形を配設することは,引用文献3及び4に記載されているように周知であって,創作性がない。 (イ) ディンプル数についてゴルフボールの表面全体に形成させるディンプル数が極端に異なれば,ディンプルの形状が同じであっても,ゴルフボール全体としては異なる印象を与える場合がある。しかし,両意匠のディンプル総数の 差は極めてわずかであって,ディンプルの大きさに顕著な違いを生じ,,。 させるものでもなく意匠全体からみれば識別できるものではないしたがって,ディンプル数の違いが,需要者の視覚を通じて異なる美感を起こさせるものではない。 【原告の主張】以下の主位的主張・予備的主張のいずれからしても,引用意匠3は,不明な部分があって対比可能な程度 って,ディンプル数の違いが,需要者の視覚を通じて異なる美感を起こさせるものではない。 【原告の主張】以下の主位的主張・予備的主張のいずれからしても,引用意匠3は,不明な部分があって対比可能な程度に十分に表されていないから,引例適格性を欠くし,あえて対比しても,本件登録意匠とは類似しない。 (1) 主位的主張引用意匠3は,384個の円形ディンプルが,正20面体パターンではないと推定される不明のパターンで球表面に配設されたゴルフボールに係る意匠であり,被告の主張するような意匠ではない。 ア刊行物に記載された意匠刊行物に記載された意匠の一部が写真や図面に表れていない場合,新規性判断の基礎資料となる引例としての適格性が肯定されるためには,物品の特性等によってほぼ定形化されているとか,説明文の内容や意図などの合理的な理由により,不明な部分の形態を具体的に推定できるなど,対比可能な程度には表されている意匠であることが必要がある。 イ引用文献3を通じて認識される意匠以下のとおり,引用文献3において「通常の(conventional)ゴル,フボール」とされ,図2に示されているのは,円形ディンプルを持つゴルフボールであり,その配設パターンは20面体パターンではないと考えられる。 (ア) 円形ディンプルが一般的であったこと本件登録意匠の出願時(平成6年4月20日,さらには引用例3)の出願時(平成1年(1989年)4月28日)においては,円形ディン プルを持つゴルフボールが一般的であり,多くの刊行物に記載され,市場にも多量に出回っていた。 他方,六角形ディンプルを持つゴルフボールは,文献上公知に過ぎず,市場には出回っていない。 (イ) 引用文献3の記載は円形ディンプルを前提としていること上記公知文献に記載された六角形ディンプルを持つゴルフボ 角形ディンプルを持つゴルフボールは,文献上公知に過ぎず,市場には出回っていない。 (イ) 引用文献3の記載は円形ディンプルを前提としていること上記公知文献に記載された六角形ディンプルを持つゴルフボールのディンプル数は,引用文献3で通常のゴルフボールが持つとされているディンプル数(384個から492個)に符合しない。 そして,引用文献3において「通常のボール」として試験された,「Acushnet Pinnacle」は,384個の円形ディンプルを持つゴルフボールであるから,図2に示された384個のディンプルを持つ通常のゴルフボールは,このボールである可能性が高い。なお,図2には六角形ディンプルが記載されているが,図2はディンプルの大きさを比較するための図であるところ,本来の円形ディンプルを記載すると図3の大きさとの差が分かりにくくなることから,便宜上,六角形に揃えて記載したと考えられる。 ,,(),また引用文献3はディンプルの形状円形や六角形について発明に係るゴルフボールの説明文では言及し,通常のゴルフボールの説明文では言及していないが,これは「通常のゴルフボール」は円,形ディンプルなので,言及する必要がなかったためと考えられる。 さらに,引用文献3の説明文では,発明に係るゴルフボールと一般的な先行技術とが区別される点として,六角形の表面窪みが挙げられている。 (ウ) 引用意匠3が20面体パターンでないこと引用文献3の説明文からは,図2に示された384個のディンプルの配設パターンは不明であるが,正20面体パターンで配設すれば ディンプル数が384個となることはないから,正20面体パターンではないと推定される。 ウ引用意匠3の構成前記イからすれば,引用意匠3の構成は,次のとおりである。 (ア) 意匠に係る物品 ディンプル数が384個となることはないから,正20面体パターンではないと推定される。 ウ引用意匠3の構成前記イからすれば,引用意匠3の構成は,次のとおりである。 (ア) 意匠に係る物品ゴルフボールである。 (イ) 基本的構成態様p′全体は球形である。 q′球表面の全体に384個の円形ディンプルを配設している。 r′ランドの幅は不明である。 (ウ) 具体的構成態様s′384個の円形ディンプルは,正20面体パターンではないと推定される不明のパターンで配設されている。 エ対比(ア) 共通点意匠に係る物品をゴルフボールとし,全体が球形である。 (イ) 差異点aディンプルの形状及び数本件登録意匠は,球表面に350個の六角形ディンプルを,これらの各辺が相互に平行に隣合うように配設しているが,引用意匠3は球表面に384個の円形ディンプルを配設しており六角形ディ,,ンプルはない。 b五角形ディンプル本件登録意匠は,球表面の分散した12個所に12個の五角形ディンプルを,これらの各辺が六角形ディンプルの各辺と相互に平行に隣合うように配設しているが,引用意匠3には,五角形ディン プルがない。 c配設パターン本件登録意匠は,球表面における正20面体の頂点に相当する個所に五角形ディンプルを配設し,五角形ディンプル同士を最短で結ぶ30本の線分上に各5個の六角形ディンプルを一列状に配設し,30本の線分上の六角形ディンプルで区画される20の正三角形エリア内に各10個の六角形ディンプルを配設しているが,引用意匠3は,384個の円形ディンプルが,正20面体パターンではないと推定される不明のパターンで配設されている。 dランド幅ランドの幅が,本件登録意匠は0.5㎜であるが,引用意匠3は不明である。 オ引用意匠3が引例適格性を欠くこ が,正20面体パターンではないと推定される不明のパターンで配設されている。 dランド幅ランドの幅が,本件登録意匠は0.5㎜であるが,引用意匠3は不明である。 オ引用意匠3が引例適格性を欠くこと引用文献3の図2は,ゴルフボールの一部を表したに過ぎず,説明文を参酌しても,前記差異点c,d(とりわけ差異点c)のように,類否判断を行う際に対比することが必要な点に不明な部分があるから,対比可能な程度に十分表されているとはいえない。 よって,引用意匠3は,引例適格性を欠く。 カ類否判断,,本件登録意匠と引用意匠3をあえて対比したとしても以下のとおり両意匠は類似しない。 (ア) 共通点について前記共通点は,看者の注意を引くものではないし,意匠から生ずる美感を類似させるものでもないから,類否判断に及ぼす影響はない。 (イ) 差異点について少なくとも前記差異点aないしcは,ディンプルの形状・数・配設 パターンという,看者の注意を引く構成態様における差異点である。 とりわけ,384個の円形ディンプルから生ずる水玉模様状の美感と,350個の六角形ディンプルと12個の五角形ディンプルから生ずるメカニカルな美感とは,顕著な差異であり,全体として異なる美感を起こさせる。 (2) 予備的主張仮に,引用意匠3が六角形ディンプルを384個持つゴルフボールであ,,,。 るとしてもやはり引例適格性を欠くし本件登録意匠とは類似しないア引用意匠3の構成引用意匠3の構成は,次のように整理することができる。 (ア) 意匠に係る物品ゴルフボールである。 (イ) 基本的構成態様p″全体は球形である。 q″球表面の全体に384個の六角形ディンプルを配設している。図2の範囲に表された31個の六角形ディンプルは,各辺が相互に平行に隣合うように配設し,残り353 基本的構成態様p″全体は球形である。 q″球表面の全体に384個の六角形ディンプルを配設している。図2の範囲に表された31個の六角形ディンプルは,各辺が相互に平行に隣合うように配設し,残り353個のディンプルのうちどこかの幾つかのディンプルは,各辺が相互に平行に隣合わないで乱れるが,その箇所,数,程度等は不明である。 r″ランドの幅は不明である。 (ウ) 具体的構成態様s″384個の六角形ディンプルは,正20面体パターンではないと推定される不明のパターンで配設されている。 イ対比(ア) 共通点意匠に係る物品をゴルフボールとし,全体が球形であり,球表面に 六角形ディンプルが配設されており,図2に表された31個の六角形ディンプルは,各辺が相互に平行に隣合うように配設されている。 (イ) 差異点aディンプルの数及び乱れ本件登録意匠は,球表面に350個の六角形ディンプルを,これらの各辺が相互に平行に隣合うように配設している。 他方,引用意匠3は,球表面に384個の六角形ディンプルを,図2の範囲に表された31個は,各辺が相互に平行に隣合うように,,,配設しているが残り353個はどこかの幾つかのディンプルで各辺が相互に平行に隣合わないで乱れるところ,その箇所,数,程度等は不明である。 b五角形ディンプル本件登録意匠は,球表面の分散した12個所に12個の五角形ディンプルを,これらの各辺が六角形ディンプルの各辺と相互に平行に隣合うように配設しているが,引用意匠3には,五角形ディンプルがない。 c配設パターン本件登録意匠は,球表面における正20面体の頂点に相当する個所に五角形ディンプルを配設し,五角形ディンプル同士を最短で結ぶ30本の線分上に各5個の六角形ディンプルを一列状に配設し,30本の線分上の六角形ディンプルで区画さ おける正20面体の頂点に相当する個所に五角形ディンプルを配設し,五角形ディンプル同士を最短で結ぶ30本の線分上に各5個の六角形ディンプルを一列状に配設し,30本の線分上の六角形ディンプルで区画される20の正三角形エリア内に各10個の六角形ディンプルを配設している。 他方,引用意匠3は,384個の六角形ディンプルが,正20面体パターンではないと推定される不明のパターンで配設されている。 dランド幅 ランドの幅が,本件登録意匠は0.5㎜であるが,引用意匠3は不明である。 ウ引用意匠3が引例適格性を欠くこと引用文献3の図2は,ゴルフボールの一部分のみを表したに過ぎず,説明文を参酌したとしても,前記差異点c,d(とりわけ差異点c)のように,類否判断を行う際に対比することが必要な点に不明な部分があるから,対比可能な程度に表されているとはいえない。 また,後述するとおり,前記差異点a,cは,意匠全体の美感に与え,,。 る影響が大きいからそれらが不明であれば類否判断は不可能となるよって,引用意匠3は,引例適格性を欠く。 エ類否判断,,本件登録意匠と引用意匠3をあえて対比したとしても以下のとおり両意匠は類似しない。 (ア) 共通点について意匠に係る物品をゴルフボールとし,全体が球形である点は,看者の注意を引くものではない。 六角形ディンプルの各辺が相互に平行に隣合うように配設されている点(前記6【原告の主張】(3)エ(ア)の要部1)は,図2に表された31個のみについて共通するに過ぎず,意匠全体の美感を左右する割合は低い。 (イ) 差異点についてaディンプルの数及び乱れについて本件登録意匠では,350個全ての六角形ディンプルが各辺が相互に平行に隣合うように配設されていて,非常に整然とした美感が生ずる(前記6【原告の主張】( 点についてaディンプルの数及び乱れについて本件登録意匠では,350個全ての六角形ディンプルが各辺が相互に平行に隣合うように配設されていて,非常に整然とした美感が生ずる(前記6【原告の主張】(3)エ(イ)の要部2。 )これに対し,引用意匠3では,図2に表されていない353個の ディンプルのうち,どこかの幾つかのディンプルで,各辺が相互に平行に隣合わず,整然とした美感が崩れると推認されるところ,この点が意匠の全体の美感に与える影響は大きい。 b五角形ディンプルについて本件登録意匠では,12個の五角形ディンプルを,これらの各辺と六角形ディンプルの各辺が相互に平行に隣合うように配設していることにより,この六角形に対して異形である五角形ディンプル及びその周りの六角形ディンプルが,それ以外の六角形ディンプルばかりが配設されたところに対してアクセントとなって,ちょうど座布団の表裏を所々で点状に縫い合わせたような窄まり感とリズム感(【】)。 のある美感が生ずる前記6原告の主張(3)エ(ウ)の要部3これに対し,引用意匠3は六角形ディンプルばかりであるから,上記のような美感は生じない。また,引用文献4に記載されている意匠も五角形と六角形との視覚的区別が付きにくいし五角形ディ,,ンプルとその周りの六角形ディンプルが幅の大きいランドを隔てて離れているため,上記美感が生じにくい。 e配設パターンについて本件登録意匠の,ディンプルを正20面体パターンで配設したことから生じる整然とした美感と,引用意匠3のように,384個の六角形ディンプルが正20面体パターンではない不明のパターンで配設されていることから生じる美感とでは,異なる美感が生じる可能性が高い。 fランド幅について本件登録意匠は,ランドの幅が0.5㎜であるところ,本件 ルが正20面体パターンではない不明のパターンで配設されていることから生じる美感とでは,異なる美感が生じる可能性が高い。 fランド幅について本件登録意匠は,ランドの幅が0.5㎜であるところ,本件登録意匠が先行意匠と非類似であるとされたのは,ランド幅の顕著な差異も一因と考えられる。 これに対し,引用意匠3は,ランドの幅が不明であるから,異なる美感が生じる可能性がある。 争点4-2(容易創作)について【被告の主張】,,,以下のとおり本件登録意匠は引用文献3あるいは周知の形態に基づき当業者が容易に創作することができたものある。 (1) 引用意匠3-2引用文献3の図5ないし図7には,ゴルフボールの球表面を20の主三角形(maintriangle)に分割する20面体パターンで,全体に812個の六角形ディンプルを配設したゴルフボールが記載されている。そして,図6には,主三角形が配設される20面体パターンが,また,図7には,各辺に10個,エリア内に28個の六角形ディンプルが,整列して辺を共有するようにして配設された,一つの主三角形が示されている。 したがって,上記図面からは,ゴルフボールの球表面を20の球面三角形のパターンに分割して,六角形ディンプルを細線からなる辺を共有するようにして,全体で812個のディンプルを形成した形態(以下「引用意匠3-2」という)を把握することができる。 。 (2) 本件登録意匠(前提事実(5))と引用意匠3-2との対比ア共通点物品をゴルフボールとする意匠であり,球表面を20の正三角形のエリアに分割し,正三角形の辺及びエリア内に,六角形ディンプルが,各辺が相互に平行となるように配設されている。 イ差異点(ア) 五角形ディンプル本件登録意匠は,正三角形エリアの三角形の各頂点に12個の五角形デ 正三角形の辺及びエリア内に,六角形ディンプルが,各辺が相互に平行となるように配設されている。 イ差異点(ア) 五角形ディンプル本件登録意匠は,正三角形エリアの三角形の各頂点に12個の五角形ディンプルを配設し,その周りに5個の六角形ディンプルを配設し ているが,引用意匠3-2は,各正三角形の頂点に五角形ディンプルを配設することが示されていない。 (イ) ディンプル数ディンプルの数が,本件登録意匠は362個(12個の五角形ディンプルと350個の六角形ディンプル)であるが,引用意匠3-2は812個である。 (ウ) ランド幅ランドの幅が,本件登録意匠では0.5㎜とされているが,引用意匠3-2では表示がない。 ウ上記差異点が類比判断を左右しないこと以下のとおり,本件登録意匠と引用意匠3-2との差異点は,いずれも,格別の創作力を要する点ではない。 (ア) 五角形ディンプルについて図7に示される三角形を図6のとおり配設すれば,共通となる頂点は,5個の六角形の辺によって囲まれるから,五角形となることは幾何学的に必然である。 また,ゴルフボールの表面に六角形ディンプルを配設するとき,ゴルフボールの表面を20の三角形に分割して,頂点に五角形のディンプルを配設することは,引用文献4によって周知であるし,サッカーボール,球形自立エンクロージャ,楕円ドーム構造体等(乙29~33)で広く知られている。 したがって,引用意匠3-2において,三角形の頂点に五角形ディンプルを配設することは,当業者にとって,格別の創作力を要するものではなく,容易に着想することができる。 (イ) ディンプル数について引用文献3には,従来のゴルフボールのディンプル数として,38 4個,332個,432個等,種々のものが記載されているところ,本件登録意匠のディンプル数( できる。 (イ) ディンプル数について引用文献3には,従来のゴルフボールのディンプル数として,38 4個,332個,432個等,種々のものが記載されているところ,本件登録意匠のディンプル数(362個)も,これらと格別異なるものではなく,当業者が適宜採用できる域を出ない。 (ウ) ランド幅についてランドの幅は,ゴルフボールの設計に際し適宜設定し得るものであり,ディンプルの数とサイズにより自動的に定まるから,0.5㎜とすることに創作力を要するものではない。 【原告の主張】,,。 以下のとおり本件登録意匠は当業者が容易に創作できたものではない(1) 引用意匠3-2が「日本国内において広く知られた意匠(平成10年」法律第51号による改正前の意匠法3条2項)に該当しないこと「広く知られた」といえるためには,刊行物に掲載されただけでは足りず,当業者がその形態を現実に認識していたことが必要であって,その意匠の形態について,当業者である創作者が知らないということができないほどに知れわたっていることを要する。 ところが,引用文献3は米国特許明細書であり,発行から略1か月後の(),平成3年3月ころに日本国特許庁資料館で閲覧可能になったとしてもそれから約3年1か月後である本件登録意匠の出願日の時点で,日本国内において,現に当業者に広く知られていたとはいえない。 (2) 五角形ディンプルについて正六角形を球面上に20面体パターンで密に配設するにあたり,生じた乱れを頂点付近で処理する方法については,種々のものが考えられる。その中で,頂点を五角形にするという処理をし,独特の美感を得ているのが本件登録意匠であり,ここは創作力を要する点である。引用文献4に記載された意匠は,五角形ディンプルの角と六角形ディンプルの角が,相互に突き出し合って対峙す るという処理をし,独特の美感を得ているのが本件登録意匠であり,ここは創作力を要する点である。引用文献4に記載された意匠は,五角形ディンプルの角と六角形ディンプルの角が,相互に突き出し合って対峙するものであり,これを引用意匠3-2に組み合わせ ても,本件登録意匠には至らない。 サッカーボール(乙29~31)の形態はほぼ定形化されているが,ゴルフボールのように数百個のディンプルを配設する場合は,様々な形態が考えられるのであって,直ちに前者を後者に転用することはできない。また,サッカーボールは,本件登録意匠のように,正三角形エリアの頂点に五角形を配設しているわけではないそして球形自立エンクロージャ乙。 ,(32)や楕円ドーム構造体(乙33)は,ゴルフボールとは全く分野が違い,当業者に広く知られているとはいえない。 (3) ディンプル数について被告は,六角形ディンプルの周期性を無視しているし,六角形ディンプルの数の差異だけにとらわれて,大きさの差異を無視している。 引用文献3に記載されたディンプル数は,円形ディンプルに関するものであり,六角形ディンプルを密に配設する場合のディンプル数ではない。 ,,,そしてゴルフボールはディンプル数に連動して外観が大きく変わるし,,ディンプルは性能に影響するから本件登録意匠のディンプル数について当業者が適宜採用できる域を出ないとはいえない。 引用意匠3-2のディンプル数を812個から362個へ減らす方法についても,種々の処理があり得るから,本件登録意匠の処理を選択して行うことには創作力を要する。 (4) ランド幅について引用文献3から算出されるランドの幅には,計算上0.14~1.12㎜の範囲が存在するから,ランドの幅を0.5㎜とすることには一定の創作力が必要である。 争点5(原告の損失及 ) ランド幅について引用文献3から算出されるランドの幅には,計算上0.14~1.12㎜の範囲が存在するから,ランドの幅を0.5㎜とすることには一定の創作力が必要である。 争点5(原告の損失及び損害)について【原告の主張】(1) 被告の売上高 ア不当利得分被告は,本件特許の登録日(平成15年10月3日)から平成17年4月末日までの期間に,被告各製品を,1ダースあたり少なくとも2400円で,少なくとも50万ダース販売しており,その売上高は12億円を下らない。 イ不法行為分,,,被告は平成17年5月1日から現在までの3年間に被告各製品を1ダースあたり少なくとも2400円で,少なくとも150万ダース販売しており,その売上高は36億円を下らない。 (2) 実施料率少なくとも3%が相当である。 (3) 不当利得額及び損害額の算定ア被告は,前記(1)アの期間における本件特許権の実施に対する実施料相当額である,売上高12億円に実施料率3%を乗じた少なくとも3600万円を支払っておらず,法律上の理由なく同額の利益を得ており,原告は,同額の損失を被っている。 イ前記(1)イの期間における被告の売上高36億円のうち,実施料率3%を乗じた少なくとも1億0800万円については,特許法102条3項及び意匠法39条3項により,原告の受けた損害の額と推定される。 ウ本件特許権及び本件登録意匠権の侵害のため,原告は,本訴提起を余儀なくされたところ,原告代理人・補佐人らに支払うべき費用のうち,少なくとも着手金相当額である200万円については,被告の本件侵害行為と相当因果関係にある損害である。 【被告の主張】争う。 第4当裁判所の判断 争点2-3(明細書記載不備)について本件発明1及び2に係る特許請求の範囲には「幅が0.0㎜の の本件侵害行為と相当因果関係にある損害である。 【被告の主張】争う。 第4当裁判所の判断 争点2-3(明細書記載不備)について本件発明1及び2に係る特許請求の範囲には「幅が0.0㎜のランド,,」「仮想区画線(2)上に‥‥六角形ディンプル(4)同士が‥‥平行に並ぶように‥‥列状に配設」するとの記載があるが,被告は,この記載は技術的に意味不明であり,特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項を記載したものとはいえないと主張するので,以下検討する。 (1) 「幅が0.0㎜のランド」についてア本件明細書の記載「幅が0.0㎜のランド」の意味するところは,文言の一般的意味からは一義的に明らかでないところ,本件明細書には,発明の詳細な説明として,次の記載がある(甲1。 )(ア) ランドの幅は,0.0~2.5㎜位の範囲から適宜設定できるが,ランドの合計面積を小さくするために好ましくは0.1~1.5㎜の範囲,特にプロや上級アマチュア向けのゴルフボールのように飛距離性を高めたいときには0.2~1.0㎜の範囲から設定する。なお,ランドの幅が0.0㎜とは,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有するように配設された場合をいう。但し,その場合でも,現実に形成されるディンプルの辺及び角にはアールが不可避的に付くから,そのアール分の幅・面積のランドはあることになる(段落【0011。 】)(イ) 本発明は「物体と流体との摩擦は,物体の流体接触面積と略比例,する」という考え方と「マグナス効果は,流体の流れと回転する。 ,物体との間に摩擦があって初めて流体の流速に影響を及ぼし,流体圧力に差を生じさせるものである」という公理とに基づいて発明され。 たものであり,ランドの合計面積を小さくすることを根底にしている(段落【0013。 があって初めて流体の流速に影響を及ぼし,流体圧力に差を生じさせるものである」という公理とに基づいて発明され。 たものであり,ランドの合計面積を小さくすることを根底にしている(段落【0013。 】)(ウ) 本発明のゴルフボールでは,球表面の少なくとも一部の範囲に,隣 合う六角形ディンプルの辺同士が略一定幅のランドをおいて略平行に並ぶように複数の六角形ディンプルを稠密に配設したので,そのランドの幅を,例えば従来の円形ディンプル間のランドの最狭部と同じにしても,ランドの合計面積を従来より大幅に小さくすることができる(段落【0014。 】)イ上記記載からすれば「幅が0.0㎜のランド」とは,空気との摩擦,抵抗を生じさせるランドの合計面積をできるだけ小さくするため,幅をできるだけ細くし,好ましい範囲(0.1~1.5㎜)には含まれないものの適宜設定できる範囲0.0~2.5㎜位の中から下限値0.,(),(0㎜)を選択し,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有するように配設した場合を指すと解される。 前記ア(ア)の記載は「幅が0.0㎜のランド」がディンプル同士が,共有する辺のことであるとしながら,辺(幅が0.0㎜のランド)に不可避的に付くアールをも「ランド」と称しており「ランド」の語の使,用場面が一貫しないが,そうであるからといって,上記のように解される「幅が0.0㎜のランド」の記載が,技術的に意味不明であるとはいえない。 (2) 「仮想区画線(2)上に‥‥六角形ディンプル(4)同士が‥‥平行に並ぶように‥‥列状に配設」するとの記載についてア上記記載からは,六角形ディンプルの何と何が,どのように平行に並ぶようにするのかを特定することができないが,本件明細書の発明の詳細な説明には,隣合う六角形ディンプルの辺同士 するとの記載についてア上記記載からは,六角形ディンプルの何と何が,どのように平行に並ぶようにするのかを特定することができないが,本件明細書の発明の詳細な説明には,隣合う六角形ディンプルの辺同士が略一定幅のランドを,(【】,おいて略平行に並ぶとの記載が繰り返しされている段落0007【0008】など。したがって,平行に並ぶようにするものは,隣合)う六角形ディンプルにおける,ランドをおいて配設された辺同士であると解される。 ところが,本件発明1及び2において,ランドの幅は0.0㎜なのであるから,隣合う六角形ディンプル間には,共有する1本の辺しか存在,。 ,せずランドをおいて平行に並ぶ2本の辺を観念できないしたがって上記記載は,その意味が不明であるということになる。 イ原告は,上記記載は,六角形ディンプルの対峙する二辺と,隣の六角形ディンプルの対峙する二辺とが,どこまで延長しても交わらないで並ぶように列状に配設すること(下図の左端の状態)を意味すると主張する。 しかしながら,上記記載の文言からして,これを原告主張のように特定して解釈することは困難である。 したがって,原告の主張は採用できない。 (3) 上記(2)のとおり,本件発明1及び2に係る特許請求の範囲の記載は,特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項のみを記載したものとはいえず,明細書記載不備の無効原因を有しており,特許無効審判により無効にされるべきものである。 また,本件発明3,10,11,14,15は,本件発明1又は2を引用する発明であり,本件発明1,2が明細書記載不備の無効原因を有している以上,いずれも特許無効審判により無効にされるべきものである。 (4) なお,本件特許に係る無効審判手続(無効2008-800191号)の第1回口頭審理期日に 2が明細書記載不備の無効原因を有している以上,いずれも特許無効審判により無効にされるべきものである。 (4) なお,本件特許に係る無効審判手続(無効2008-800191号)の第1回口頭審理期日において,原告と被告は,請求項1及び2の「平行」(),には削除したものとして解釈することに同意しているところ乙22かかる同意は本件訴訟に法的効果を及ぼすものではないが,かかる解釈を 前提にし,上記記載不備の無効理由の存在を考慮に入れないとしても,以下のとおり,本件特許は別の無効理由を有するものと認められる。 争点2-1(新規性欠如あるいは進歩性欠如)について被告は,本件発明1ないし3,10,11,14,15について,引用例,,3を引用して新規性を争い引用例3ないし7を引用して進歩性を争うので以下検討する。 (1) 引用例3ないし7ア引用例3(ア) 引用文献3(乙3:1991年2月12日特許)には,発明の名称を「多目的ゴルフボール」とする発明が掲載され「本発明は,81,2個の凹んだ六角形表面窪みを規則的な測地学の9周期20面体パターンでボール表面に形成し…た多目的ゴルフボールである「本」,発明のゴルフボールは,ボール表面に均等な間隔を置いて812個の小さいディンプルを有している。しかしながら,その数は500から900の範囲にすることができ,ボールの表面の20%から90%をカバーするようにすることができる」と記載されている。 。 また,次の図6及び図7が記載され「図6は,内接する20面体,パターンに基づく20の主三角形に分割された球面を図式的に示す図である「図7は,20面体の主三角形の一つを示し」との記載が。」,ある。 図6図7 (イ) これらの記載及び図からみて,次のことがいえる。 a引用例3では, 割された球面を図式的に示す図である「図7は,20面体の主三角形の一つを示し」との記載が。」,ある。 図6図7 (イ) これらの記載及び図からみて,次のことがいえる。 a引用例3では,812個の六角形ディンプルを均等な間隔を置いてゴルフボール表面上に配設するので,隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて並ぶように複数の六角形ディンプルを稠密に配設しているといえる。 また,引用例3では,上記六角形ディンプルを20面パターンでゴルフボール表面上に配設するので,①20面パターンを形成する区画線(仮想区画線)上には,少なくとも50%以上の割合で,隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて列状に配設されており,また,②上記仮想区画線で区画された球面エリア内には,少なくとも50%以上の範囲において,隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて稠密に配設されており,その際,③上記仮想区画線上の六角形ディンプルと前記各球面エリア内の六角形ディンプルも,ディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて配設されていることとなる(以上のことは,当事者間に争いがない。 。)b六角形ディンプルの総面積が,ゴルフボール表面の20%ないし90%であるので,ランド面積は,ゴルフボール表面の10%ないし80%となる。 c前記(ア)図7に記載された逆三角形の上辺と平行に,同三角形の高さの2分の1に位置する直線を引き,上記図7を,前記(ア)図6に当てはめ,順次,斜辺に隣接するよう,上記図7の上下を入れ替えながら配置した場合(上記三角形や上記直線は球面に沿うよう変形される,上記直線(実際には,ゴルフボール球面に沿っ 7を,前記(ア)図6に当てはめ,順次,斜辺に隣接するよう,上記図7の上下を入れ替えながら配置した場合(上記三角形や上記直線は球面に沿うよう変形される,上記直線(実際には,ゴルフボール球面に沿った曲。) 線である)は,上記図6で示されるゴルフボールの大円(赤道)。 を構成することになり,かつ,この大円によって,ゴルフボール球面は,二つの半球エリアに区画することができる。 (ウ) 以上によると,引用文献3には「ボール表面を内接する20面体,パターンとする仮想区画線によって20に区分された各球面エリアに区画すると同時に,大円からなる仮想区画線によって,二つの半球面エリアに区画することのできるゴルフボール表面に,複数の六角形ディンプルを配設するにあたり,上記仮想区画線上には少なくとも50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて並ぶように列状に配設,,,,しまた上記各球面エリア内には少なくとも50%以上の範囲に隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて並ぶように稠密に配設し,その際,前記仮想区画線上の六角形ディンプルと前記各球面エリア内の六角形ディンプルも,隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて並ぶように配設される,ランドの合計面積をゴルフボールの仮想球表面積の10%から80%にしたゴルフボール」との発明が記載されているものと認められる。 イ引用例4引用文献4(乙4:昭和48年3月10日公開)には,発明の名称をゴルフボールとする発明が掲載され特許請求の範囲として(1)「」,,「複数個のくぼみを包含する球状表面を有するゴルフボールであって,前記くぼみは前記ボー 10日公開)には,発明の名称をゴルフボールとする発明が掲載され特許請求の範囲として(1)「」,,「複数個のくぼみを包含する球状表面を有するゴルフボールであって,前記くぼみは前記ボールの表面上に均一に分布されており,且前記ボール表面の面積のほぼ50%を占め「(6) 前記くぼみは等辺の球面三角」,形の中で20面体の格子を生成し」との記載がある。 また,発明の詳細な説明として「前記球面三角形の頂点12および, 16を除くすべてのくぼみ11は,六角形の底面を備えたほぼ倒立したピラミッドの形状を有し,又ほぼ同一(の)大きさである。前記等辺三角形の頂点である前記くぼみ12および16は,五角形の底面を備えたほぼ倒立したピラミッドの形状を有し,又ほぼ同一の大きさを有するものでもよい」との記載がある(7頁右下欄~8頁左上欄。 。 )ウ引用例5引用文献5(乙5:平成4年12月2日公開)には,名称を「ゴルフボール」とし,目的を「ゴルフボール表面のディンプル以外の隣接するディンプルにより囲まれるランド部の面積を小さくして,ディンプルを密に配設し,ディンプル効果を向上させて,飛距離を伸ばす」とした。 発明が掲載されている。 また,同一の円形ディンプルを配設したパターンとして,球表面を二つの半球面エリアに区画する一つの大円よりなる仮想区画線に沿って,水平方向に延びる二列の円形ディンプル列と,当該二列の円形ディンプル列を境に,上側と下側に対称的に配設された円形ディンプルの配設構造が記載されている(図15。 【】)エ引用例6引用文献6(乙6:大正13年5月21日公告)には,ゴルフ球面に設けた第一凹入部と,その底部に第二凹入部が設けられており,第一凹部と第二凹部の境界に形成される段部が,最深部より浅いゴルフボールが掲載されてい (乙6:大正13年5月21日公告)には,ゴルフ球面に設けた第一凹入部と,その底部に第二凹入部が設けられており,第一凹部と第二凹部の境界に形成される段部が,最深部より浅いゴルフボールが掲載されている。 オ引用例7引用文献7乙7:平成4年5月18日公告には発明の名称をゴ(),「ルフボール」とする発明が掲載され,特許請求の範囲として「ディン,プル周壁の深さ方向中間部が浅く形成されたディンプルを…有していることを特徴とする」との記載がある。 また,ディンプルの一例として,上記中間部が一つの隆起した形状をなしているものが記載されている(第7図。 )(2) 本件発明1ないし3,10,11,14,15の新規性,,,,,後記(3)ないし(9)のとおり本件発明1ないし3 15のいずれも引用例3との間に相違点を認めることができ,新規性を欠如しているとはいえない。 (3) 本件発明1の進歩性ア引用例3の構成(ア) 本件発明1の構成は,前提事実(3)【請求項1】記載のとおりであるところ,引用文献3の記載を本件発明1に対応させると,引用例3の構成は次のとおりとなる(前記(1)ア参照。 )aボール表面を一つの大円よりなる仮想区画線によって二つの半球面エリアに区画し,上記仮想区画線上の少なくとも50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて並ぶように複数の六角形ディンプルを列状に配設し,b前記各球面エリア内の少なくとも50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて並ぶように複数の六角形ディンプルを稠密に配設し,c前記仮想区画線上の六角形ディンプルと前記各球面エリア内の六角形ディ 形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて並ぶように複数の六角形ディンプルを稠密に配設し,c前記仮想区画線上の六角形ディンプルと前記各球面エリア内の六角形ディンプルもディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて並ぶようにし,d前記ランドの合計面積をゴルフボールの仮想球表面積の10%ないし80%にしたeゴルフボール。 イ一致点引用例3の「ボール表面「六角形ディンプル」は,本件発明1の」,「」,「」「」球表面六角形ディンプル(4)あるいは六角形ディンプル(5)に相当する。 したがって,本件発明1と引用例3は,次の点において一致する。 a球表面を一つの大円よりなる仮想区画線によって二つの半球面エリアに区画し,仮想区画線上の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分のランドをおいて並ぶように複数の六角形ディンプルを列状に配設し,b前記二つの半球面エリア内の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分のランドをおいて並ぶように複数の六角形ディンプルを稠密に配設し,c前記仮想区画線上の六角形ディンプルと前記各半球面エリア内の六角形ディンプルもディンプル間に残るボール表面の陸部分のランドをおいて並ぶようにしたdゴルフボールウ相違点本件発明1と引用例3は,次の点において相違する。 a本件発明1は,ランドの合計面積をゴルフボールの仮想球表面積の20%以下であるが,引用例3は,10%ないし80%である。 b本件発明1は,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有し,ランドの幅は0.0㎜であるが,引用例3は,この点が明らかでない。 エ相違点についての検討(ア) 相違点a引用文 %ないし80%である。 b本件発明1は,隣合う六角形ディンプル同士が辺を共有し,ランドの幅は0.0㎜であるが,引用例3は,この点が明らかでない。 エ相違点についての検討(ア) 相違点a引用文献3には,従来技術の概要として「ゴルフボールは,ボー,,。 ル表面に分離した窪みすなわちディンプルを持つように設計される ディンプル又は窪みのパターンとディンプルの深さと幅はゴルフボールの飛行の距離と正確性を空気力学的に助けるように設計される」。 と記載されており,引用例3に係るディンプルの配設が,ボールの飛距離を伸ばす目的で設計されていることが明らかにされている。したがって,引用例3と引用例5は,ゴルフボールという同一の技術分野において,飛距離を伸ばすという課題を共通にする。 そうすると,引用例3に引用例5を組み合わせ,引用例3のランド,,の幅をランドの面積ができるだけ小さくなるようできるだけ細くしゴルフボールの仮想球表面積の20%以下にすることは,当業者にとって容易想到の範囲内にあると考えられる。 (イ) 相違点ba引用例5の引用例3への組合せ可能性前記(ア)と同様,引用例3に引用例5を組み合わせ,引用例3のランドの幅を,ランドの面積ができるだけ小さくなるようできるだけ細くし,下限値である0.0㎜とすることは,当業者にとって容易想到の範囲内にあると考えられる。 ,,原告はランドの幅が0.0㎜であれば右図において,切断面Dについても,他の切断面と同じくランド部分の切断面が実質0になるから,ランドとディンプルの周期が均一になり,安定性を向上できるという飛躍的な効果が発生すると主張する。 しかしながら,ランドの幅が現実には0にならない以上,切断面Dにおけるランドの幅は,他の切断面のようにわずかなものにはならない。また ,安定性を向上できるという飛躍的な効果が発生すると主張する。 しかしながら,ランドの幅が現実には0にならない以上,切断面Dにおけるランドの幅は,他の切断面のようにわずかなものにはならない。また,仮に原告主張のような効果が発生するとしても,ラ ンドの幅を下限値まで細くしたことに伴う必然的な結果であるといえるから,予測し得る範囲のものといえ,容易想到性を否定する事情とはいい難い。 b阻害要因原告は,ランドの面積を小さくするというのは,有限の小さい面積にすることであり,ランドの幅を実質0にするという思想ではないし,本件特許の出願前は,ランドの幅が小さ過ぎると,剛性が低下するし,飛距離も劣ると考えられており,ランドの面積を小さく,することからランドの幅を0.0㎜にするという発想に至ることは飛躍があって直ちにはできないと主張する。 しかしながら,本件発明1においても,実際には,ランドの面積は有限の小さい面積となるし,ランドの幅は有限の細い幅となるのであるから,結局,ランドの幅を0.0㎜に設定することは,ランドの合計面積を小さくすることの延長線上にあるといえる。 また,ランドの幅と連動するディンプル占有率については,最適値に係る特定の見解が確立されておらず,当業者が,剛性の低下にも配慮しつつ,各自の見解に基づき,飛距離を伸ばすにあたって最適な範囲を設定していたのであり(甲36ないし44,これを定)めるにあたり特段の制約があった事実は認められない。 したがって,上記組合せにつき,特段の阻害要因も認められないといえる。 c容易想到性以上のとおり,引用例3及び5は,いずれもゴルフボールに関する発明であって,解決すべき課題も共通し,引用例3に引用例5を組み合わせることによる特段の作用効果も認められないか,認められたとしても予測し得る とおり,引用例3及び5は,いずれもゴルフボールに関する発明であって,解決すべき課題も共通し,引用例3に引用例5を組み合わせることによる特段の作用効果も認められないか,認められたとしても予測し得る範囲のものであり,組合せについて特段の 阻害要因も認められない。 そうすると,相違点に係る本件発明1の構成は,引用例3に引用例5を組み合わせることにより,当業者が容易に想到し得たといえる。 オ 結論 以上のとおりであるから,本件発明1は,引用例3に引用例5を組み合わせることにより,当業者が容易に発明をすることができたものというべきであって,進歩性欠如の無効理由があり,特許無効審判において無効にされるべきものと認められる。 (4) 本件発明2の進歩性ア引用例3の構成本件発明2の構成は,前提事実(3)【請求項2】記載のとおりであるところ,引用文献3の記載を本件発明2に対応させると,引用例3の構成は次のとおりとなる(前記(1)ア参照。 )aボール表面を内接する20面体パターンとする仮想区画線によって20に区分された各球面エリアに区画し,仮想区画線上の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて並ぶように複数の六角形ディンプルを列状に配設し,b前記各球面エリア内の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて並ぶように複数の六角形ディンプルを稠密に配設し,c前記仮想区画線上の六角形ディンプルと前記各球面エリア内の六角形ディンプルもディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて並ぶようにしたeゴルフボール。 イ一致点引用例3の「ボール表面「六角形ディンプル」は,本件発明2の」,「」,「 ンプルもディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて並ぶようにしたeゴルフボール。 イ一致点引用例3の「ボール表面「六角形ディンプル」は,本件発明2の」,「」,「」「」球表面六角形ディンプル(4)あるいは六角形ディンプル(5)に相当する。また,引用例3の「ボール表面を内接する20面体パターンとする仮想区画線によって20に区分された各球面エリアに区画」することが,本件発明2の「球表面を球表面に内接,外接又は中接(稜が球に接する)する多面体の各辺を球表面に投影した仮想区画線によって複数のエリアに区画」することに相当する。 したがって,本件発明2と引用例3は,次の点において一致する。 a球表面を球表面に内接,外接又は中接(稜が球に接する)する多面体の各辺を球表面に投影した仮想区画線によって複数のエリアに区画し,仮想区画線上の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分のランドをおいて並ぶように複数の六角形ディンプルを列状に配設し,b全ての前記エリア内の50%以上の範囲に,隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分のランドをおいて並ぶように複数の六角形ディンプルを稠密に配設し,c前記仮想区画線上の六角形ディンプルと前記各エリア内の六角形ディンプルもディンプル間に残る球表面の陸部分のランドをおいて並ぶようにしたdゴルフボールウ相違点本件発明2と引用例3との相違点は本件発明1に係る相違点(前記(3)ウ)と同じである。 エ相違点についての検討前記相違点は,本件発明1に係る相違点について前記(3)エで述べた とおり,引用例3に引用例5を組み合わせることにより,当業者が容易に想到し得たといえる。 オ 結論 以上のとおりであ いての検討前記相違点は,本件発明1に係る相違点について前記(3)エで述べた とおり,引用例3に引用例5を組み合わせることにより,当業者が容易に想到し得たといえる。 オ 結論 以上のとおりであるから,本件発明2は,引用例3に引用例5を組み合わせることにより,当業者が容易に発明することができたものというべきであって,進歩性欠如の無効理由があり,特許無効審判において無効にされるべきものと認められる。 (5) 本件発明3の進歩性ア本件発明3の構成,【】,本件発明3の構成は前提事実(3) 請求項3記載のとおりであり本件発明2に,請求項3の構成要件3Fの内容(三角形又六角形のエリアの全範囲に,六角形ディンプルだけを,ディンプルの辺同士が略一定幅のランドをおいて並ぶように,稠密に配設したこと)を付加したものである(前記1(4)のとおり,本件発明2の構成要件についても,上記構成要件3Fについても「平行に」を削除して解釈する。 ,。)イ付加事項について前記(1)ア(イ)のとおり,引用例3は,ボール表面を内接する20面体パターンとする仮想区画線によって20に区分された各球面エリアに区画するものであるから,この各球面エリアは三角形である。 また,引用例3は,隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて並ぶように複数の六角形ディンプルを稠密に配設するものである。 ウ 結論 以上のとおりであるから,本件発明3は,本件発明2と同様,引用例3に引用例5を組み合わせることにより,当業者が容易に発明することができたものというべきであって,進歩性欠如の無効理由があり,特許 無効審判において無効にされるべきものと認められる。 (6) 本件発明10の進歩性ア本件発明10の構成本件発明10の構成は,前 できたものというべきであって,進歩性欠如の無効理由があり,特許 無効審判において無効にされるべきものと認められる。 (6) 本件発明10の進歩性ア本件発明10の構成本件発明10の構成は,前提事実(3)【請求項10】記載のとおりであり,本件発明2に,請求項10の構成要件10Gの内容(五角形ディンプルを配設した球表面上の交点から延びる五本の仮想区画線による交点の周りの分割角度が均一であること)を付加したものである。 イ付加事項について(ア) 引用例3前記(1)ア(イ)のとおり,引用例3は,ボール表面を内接する20面体パターンとする仮想区画線によって20に区分された各球面エリアに区画するものであるから,仮想区画線は球表面上の交点から5本が延びており,上記20面体が正20面体である場合,仮想区画線による交点の周りの分割角度は均一となる。 (イ) 引用例4前記(1)イからすれば,引用文献4には,ボール表面に多数の六角形のくぼみを設けたゴルフボールにおいて,くぼみを等辺の球面三角形の20面体を構成するように配設するものであって,球面三角形の頂点を除く全てを六角形のくぼみとし,頂点には五角形のくぼみを配設することが記載されているといえる。 (ウ) 容易想到性引用例3と引用例4は,共にゴルフボールの技術分野に属し,球面三角形の20面体に基づいてディンプルを配設する点において,その構造も共通するものであるから,引用例3において,本件発明10のような構成を採用することは,当業者であれば容易に想到し得るものといえる。 ウ 結論 以上のとおりであるから,本件発明2を引用する本件発明10は,引用例3に引用例4及び5を組み合わせることにより,当業者が容易に発明することができたものというべきであって,進歩性欠如の無効理由があり,特許無効審判 あるから,本件発明2を引用する本件発明10は,引用例3に引用例4及び5を組み合わせることにより,当業者が容易に発明することができたものというべきであって,進歩性欠如の無効理由があり,特許無効審判において無効にされるべきものと認められる。 (7) 本件発明11の進歩性ア本件発明11の構成本件発明11の構成は,前提事実(3)【請求項11】記載のとおりであり,本件発明10に,請求項11の構成要件11Hの内容(五角形ディンプルを配設した球表面上の交点から延びる五本の仮想区画線が交点の周りに区画形成する五つの球面正三角形エリアの全範囲に,六角形ディンプルだけを,ディンプルの辺同士が略一定幅のランドをおいて並ぶよ)(,うに稠密に配設したことを付加したものである前記1(4)のとおり本件発明10の引用する本件発明2の構成要件についても,上記構成要件11Hについても「平行に」を削除して解釈する。 ,。)イ付加事項について前記(1)ア(イ)のとおり,引用例3は,ボール表面を内接する20面体パターンとする仮想区画線によって20に区分された各球面エリアに区画するものであるから,仮想区画線は,球表面上の交点から5本が延び,仮想区画線により,交点の周りに五つの球面正三角形エリアが区画形成されている。 また,引用例3は,隣合う六角形ディンプル同士がディンプル間に残るボール表面の陸部分の幅のランドをおいて並ぶように複数の六角形ディンプルを稠密に配設するものである。 ウ 結論 以上のとおりであるから,本件発明11は,本件発明10と同様,引 用例3に引用例4及び5を組み合わせることにより,当業者が容易に発明することができたものというべきであって,進歩性欠如の無効理由があり,特許無効審判において無効にされるべきものと認められる。 (8) 本件発明1 例4及び5を組み合わせることにより,当業者が容易に発明することができたものというべきであって,進歩性欠如の無効理由があり,特許無効審判において無効にされるべきものと認められる。 (8) 本件発明14の進歩性ア本件発明14の構成本件発明14の構成は,前提事実(3)【請求項14】記載のとおりであり,本件発明1に,請求項14の構成要件14Fの内容(一つの大円よりなる仮想区画線上に,六角形ディンプルの列を二列に配設したこと)を付加したものである。 イ付加事項について前記(1)ウからすれば,一つの大円よりなる仮想区画線上に二列の六角形ディンプルを配設することは,引用文献5の図15に示されたディンプルの配設に基づいて当業者が容易になし得ることといえる。 ウ 結論 以上のとおりであるから,本件発明14は,引用例3に引用例5を組み合わせることにより,当業者が容易に発明することができたものというべきであって,進歩性欠如の無効理由があり,特許無効審判において無効にされるべきものと認められる。 (9) 本件発明15の進歩性ア本件発明15の構成本件発明15の構成は,前提事実(3)【請求項15】記載のとおりであり,本件発明1ないし3,10,11,14のいずれかに,請求項15の構成要件15Iの内容(六角形ディンプルの内縁部に,その最深部より浅い少なくとも一段のディンプル内段部を隆起形成したこと)を付加したものである。 イ付加事項について 前記(1)エ及びオからすれば,引用例6及び7には,ディンプルの内縁部に,ディンプルの最深部より浅い少なくとも一段のディンプル内段部を隆起形成する構造が開示されているものと認められるところ,引用例3と引用例6及び7は,いずれもゴルフボールのディンプルの構造に係るものであるから,前記(3)ないし(8)のとおり,引 ィンプル内段部を隆起形成する構造が開示されているものと認められるところ,引用例3と引用例6及び7は,いずれもゴルフボールのディンプルの構造に係るものであるから,前記(3)ないし(8)のとおり,引用例3に引用例4,5を組み合わせることにより,当業者が容易に発明することのできる本件発明1ないし3,10,11,14に,本件発明15の構成を採用することは,当業者であれば容易に想到し得るものといえる。 ウ 結論 以上のとおりであるから,本件発明1ないし3,10,11,14を引用する本件発明15は,引用例3に引用例4ないし7を組み合わせることにより,当業者が容易に発明することができたものというべきであって,進歩性欠如の無効理由があり,特許無効審判において無効にされるべきものと認められる。 (10) 以上より,本件特許は特許無効審判により無効にされるべきものであるから,特許法104条の3第1項により,原告は被告に対し,本件特許権を行使することができない。 争点4-1(新規性欠如)について被告は,本件登録意匠について,引用意匠3と類似すると主張して新規性を争うので,以下検討する。 (1) 引用意匠3ア引用文献3(乙3)には,発明を示す図面として,完成品であるゴルフボールのカバーの一部(図3,20面体(完成品)を構成する三角)形内でのディンプルの配設(図7,各三角形の球面への貼り合わせ方)(図6,完成品の立面図(図1)が示されている。そして,図3と対)比される形で「従来技術の通常のゴルフボールカバーの一部を平面と, して示した図」として,六角形ディンプルを,隣接するディンプル同士が互いに細線として表される辺を共有するようにして,密に配設した形態が示され(図2,このゴルフボールが,384個のディンプルを持)つと記載されている。 六角形ディンプルを,隣接するディンプル同士が互いに細線として表される辺を共有するようにして,密に配設した形態が示され(図2,このゴルフボールが,384個のディンプルを持)つと記載されている。 したがって,引用文献3に接する者は,図2についても,図3と同様に完成品の一部を示したものであり,図7の展開図,図6の組立図,図1の完成図と併せ見ることによって,図2を基にした完成品を容易に想起することができる。 したがって,引用文献3には,ゴルフボールの表面を,20の球面正三角形に区分し,その全体に,384個の六角形ディンプルを,隣接するディンプル同士が互いに細線として表される辺を共有するようにして,密に配設した形態(以下「引用意匠3」という)が開示されてい。 ると認められる。 イ原告は引用文献3は通常のゴルフボールに使用されていた円形ディ,,ンプルを示したものであり,図2は,小さい六角形ディンプルを示している図3と大きさを比較するため,便宜的に六角形に揃えて記載したものであると主張するが,原告がその主張の根拠とする事実を考慮してもなお,図2の記載を,原告主張のように解釈することはできない。むしろ,引用文献3には「本発明のゴルフボール10の窪みすなわちディ,,,,,。 ンプルは‥‥円形四角形八角形又は六角形とすることができる‥‥六角形ディンプルが好ましい」との記載があり,代表的な六角形。 を記載してあるものと解するのが相当である。 (2) 本件登録意匠との対比ア共通点(ア) 基本的構成態様ゴルフボールの表面全体に,主として六角形のディンプルを,隣接 するディンプル同士が互いに細線として表される辺を共有するようにして,密に配設するという基本的構成態様を有する。 (イ) 20面体パターンの採用ゴルフボールの表面 て六角形のディンプルを,隣接 するディンプル同士が互いに細線として表される辺を共有するようにして,密に配設するという基本的構成態様を有する。 (イ) 20面体パターンの採用ゴルフボールの表面を,20の球面正三角形に区分している。 イ差異点(ア) ディンプルの配設,形状及び乱れディンプルの配設について,本件登録意匠は,各三角形の辺に,頂点を除き5個の六角形ディンプルが配設され,その内側に10個の六角形ディンプルが配設され,三角形の頂点のみを五角形ディンプルとしているが,引用意匠3では,このような配設は確認できない。 また,図2が球面に表された場合,各三角形の区画に何らかの変形が加えられ,六角形の並びにも若干の修正がされると考えられるが,その変形,修正の具体的な態様が特定されていない。 (イ) ディンプル数ディンプルの数が,本件登録意匠は362個(12個の五角形ディンプルと350個の六角形ディンプル)であるが,引用意匠3は384個である。 (ウ) ランド幅ランドの幅について,本件登録意匠は0.5㎜であるが,引用意匠3では特定されていない。 ウ引例適格性原告は,前記図2について,ゴルフボールの一部分のみを表したに過ぎず,説明文を参酌したとしても,類否判断を行う際に対比することが必要な点に不明な部分があり,この部分が意匠全体の美感に与える影響,。 が大きいから対比可能な程度に表されているとはいえないと主張するしかしながら,引用意匠3は,引用文献3の内容から前記(1)のよう な形状であると認定できるものである。また,引用意匠3は,前記共通点(ア)の基本的構成態様によって,まとまった全体的な意匠が構成されているといえ,原告が主張する不明な部分(前記差異点(ア),(ウ)に相当する具体的構成態様における差異点)は,具体的構成態様 記共通点(ア)の基本的構成態様によって,まとまった全体的な意匠が構成されているといえ,原告が主張する不明な部分(前記差異点(ア),(ウ)に相当する具体的構成態様における差異点)は,具体的構成態様における差異点として,上記全体的な意匠が視覚を通じて起こさせる美感に,視覚上意味のある差異を生じさせるかどうかを判断することにより類否判断をすることが可能である。 したがって,引用意匠3は,類否判断が可能な程度に表されているといえ「刊行物に記載された意匠」として,引例適格性が肯定される。 ,エ類比判断(ア) 共通点についてゴルフボールのディンプルは円形であることが一般的であり(争いがない,ディンプルが多角形であることは,それ自体,ゴルフボー。)ルとしての形態的特徴を極めて強く表すものである。したがって,前記共通点(ア)の基本的構成態様は,看者が最も注目する点といえる。 そして,両意匠は共に,ゴルフボールの表面全体に,主として六角形のディンプルが,同じ長さの細線をランド部として挟んで,ハニカム構造状に配設されているのであり,この点は,両意匠のディンプル数の差がわずかであり,そのためディンプルの大きさがほとんど異ならないことと相まって,ゴルフボールとしての共通する形態的基調を決定づけ,看者の視覚をとらえるものとなっている。 したがって,両意匠の共通点は,両意匠の類否を決定づける,極めて大きなものといえる。 (イ) 差異点についてaディンプルの配設,形状及び乱れについて20面体の各三角形の頂点を除く辺に5個のディンプルを配設 し,その内側に10個のディンプルを配設することは,384個の六角形ディンプルを,20面体を構成する球面三角形に,隣接するディンプル同士が互いに細線として表される辺を共有するようにして,密に配設するという引用 に10個のディンプルを配設することは,384個の六角形ディンプルを,20面体を構成する球面三角形に,隣接するディンプル同士が互いに細線として表される辺を共有するようにして,密に配設するという引用意匠3の構成自体から,おおよそ導かれるところといえる。また,20面体パターンで六角形を密に配設する場合,三角形の頂点にあたる位置が五角形となることは,幾何学上必然であって,この点も,形態上の特徴として重視できない。 しかも20面体パターンによるディンプルの配設や五角形ディ,,ンプルの分散配設は,ボール全体をみた場合,ほとんど看取することができないものであるし,前記図2からは明らかでない球面上での変形・修正についても,もともとの20面体パターンすらほとんど看取することができない球面上での,図2の態様を崩さないわずかな変形・修正となるから,やはり,ほとんど看取できない程度のものであると考えられる。 原告は,五角形ディンプルの存在により,窄まり感とリズム感のある美観を生じると主張するが,本件登録意匠の五角形ディンプルと六角形ディンプルは,面積がほぼ異ならない上に,辺を共有しているため,両者が区別されることなく,いずれの場合も,多角形が均質に整然と詰め込まれているという,幾何学的な印象を生じているといえる。そして,五角形ディンプルの存在が,上記印象を超えて,原告主張のような独自の美観を生じさせているとはいい難い。 bディンプル数について両意匠のディンプル数の差異は,ディンプル総数からすればわずかなものであり,類否判断に影響を及ぼすものとはいえない。 cランド幅について両意匠のランドの幅は,いずれも,細い線として看取される程度 の細幅のものであり,具体的な幅差があるとしても,全体としての類否判断に影響を及ぼすほどのものとはいえない。 ( cランド幅について両意匠のランドの幅は,いずれも,細い線として看取される程度 の細幅のものであり,具体的な幅差があるとしても,全体としての類否判断に影響を及ぼすほどのものとはいえない。 (3) 結論以上のとおり,両意匠は,要部である基本的構成態様において共通し,その具体的構成態様における差異は,この基本的構成態様が視覚を通じて起こさせる美感に,視覚上意味のある差異を生じさせないといえるから,全体として類似するものと認められる。 そして,引用意匠3は,本件登録意匠の出願前に頒布された刊行物に記載された意匠であるから,本件登録意匠に係る意匠登録は,新規性欠如の無効理由があり,意匠登録無効審判において無効にされるべきものと認められる。 よって,意匠法41条(特許法104条の3第1項)により,原告は被告に対し,本件意匠権を行使することができない。 第5 結論 以上のとおりであるから,原告の請求は,その余の争点について判断するまでもなくいずれも理由がない。 よって,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第26民事部裁判長裁判官山田陽三裁判官達野ゆき 裁判官北岡裕章 (別紙)本件登録意匠目録【意匠に係る物品の説明】この意匠に係るゴルフボールは,参考正面図,参考背面図,参考平面図,参考右側面図及び参考説明図に示すように,正二十面体の各辺を球表面に投影した仮想区画線2これらの参考図においては2点鎖線で示したの交点Pに五角形ディ()ンプル7(これらの参考図においてはハッチングで示した)を配設し,一つの交点Pから延びる五本の仮想区画線2上に多数の六角形ディンプル4をランド6をおいて配設し,球面正三角形エリア3内には多数の六角形ディンプル5をランド6をおいて配設したものである。ランドとは球表面にディンプル ら延びる五本の仮想区画線2上に多数の六角形ディンプル4をランド6をおいて配設し,球面正三角形エリア3内には多数の六角形ディンプル5をランド6をおいて配設したものである。ランドとは球表面にディンプルを設けたときにディンプル間に残る陸部分をいい,ランド6の幅は0.5㎜である。参考部分斜視図に示すように,六角形ディンプル4,5の底部形状は浅い六角錐状の凹部であるが,最深部は球面状になっている。 【意匠の説明】底面図は平面図と同一にあらわれるため省略する。左側面図は右側面図と対称にあらわれるため省略する。 【図面】【正面図】【背面図】 【平面図】【右側面図】【参考正面図】【参考背面図】 【参考平面図】【参考右側面図】【参考説明図】【参考部分斜視図】以上 (別紙)イ号物件目録以下の商品名のゴルフボール 「HXBLUE(ヘックスブルー)」但し平成16年11月ころまで販売されたもの 「HXRED(ヘックスレッド)」但し平成16年11月ころまで販売されたもの 「HXBLUE2PIECE(ヘックスブルーツーピース)」 「HXRED2PIECE(ヘックスレッドツーピース)」以上 (別紙)ロ号物件目録以下の商品名のゴルフボール 「HXTOUR(ヘックスツアー)」但し平成18年4月ころまで販売されたもの 「BIGBERTHABLUE(ビッグバーサブルー)」 「BIGBERTHARED(ビッグバーサレッド)」 「E・R・C(イーアールシー)」 「HXBLUE(ヘックスブルー)」但し平成16年12月ころから販売されたもの 「HXRED(ヘックスレッド)」但し平成16年12月ころから販売されたもの 「E・R・CTアライメント(イーアールシーティーアライメント) 」但し平成16年12月ころから販売されたもの 「HXRED(ヘックスレッド)」但し平成16年12月ころから販売されたもの 「E・R・CTアライメント(イーアールシーティーアライメント)」 「E・R・CHOT(イーアールシーホット)」 「E・R・CHOTTアライメント(イーアールシーホットティーア」ライメント) 「E・R・CHOTルミナス・ホワイト(イーアールシーホットル」ミナスホワイト) 「HXHOT(ヘックスホット)」以上 (別紙)ハ号物件目録以下の商品名のゴルフボール 「HXTOUR56(ヘックスツアー56)」 「HXTOUR(ヘックスツアー)」但し平成18年5月ころから販売されたもの以上 (別紙)ニ号物件目録以下の商品名のゴルフボール 「HYPERE・R・C(ハイパーイーアールシー)」 「HYPERE・R・CTアライメント(ハイパーイーアールシー」ティーアライメント) HYPERE・R・Cルミナス・ホワイトハイパーイーアールシー「」(ルミナスホワイト) HYPERE・R・CTアライメントルミナス・ホワイトハイパー「」(イーアールシーティーアライメントルミナスホワイト)以上
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