本件は、被告人の自白と他の証拠に基づいて犯罪の客観的事実が認定された事案である。争点は、被告人の自白が共謀の事実を証明する唯一の証拠である場合においても、他の証拠が存在する限り、被告人を共犯者として処断できるかどうかであった。最高裁判所は、昭和22年の判決を引用し、被告人の自白が唯一の証拠でない限り、有罪判決が可能であると判断した。結果として、上告は棄却され、被告人の主張は認められなかった。判決は、刑事訴訟法に基づき、裁判官全員の一致で下された。
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人伊藤順蔵の上告趣意について。 被告人の自白と他の証拠とによつて犯罪の客観的事実が認定され、共謀の事実についてのみ被告人の自白の他に証拠がない場合に被告人を共犯者として処断しても、被告人の自白を唯一の証拠として有罪の判決をしたものでないと解すべきことは当裁判所昭和二二年(れ)一五三号同二三年六月九日大法廷判決の趣旨とするところであるから、論旨第一点は、量刑不当の主張に帰する論旨第二点とともに、明らかに、刑訴四〇五条に定める上告の理由にあたらないし、記録を精査するも同四一一条を適用すべきものとも認められない。 よつて刑訴施行法三条の二刑訴四〇八条に従い裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。 昭和二六年九月六日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官沢田竹治郎裁判官真野毅裁判官斎藤悠輔裁判官岩松三郎- 1 -
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