本件は、上告人が被上告人に対して約束手形金の請求を行った事案であり、争点はその請求が遡及権行使に基づくものかどうかであった。裁判所は、被上告人の請求は遡及義務者に対するものではなく、手形の主債務者である振出人に対して行われたものであると判断した。具体的には、被上告人は手形の白地部分を補充し、口頭弁論期日においてその手形を呈示することで、主債務者に対する手形金及びその後の利息を請求した。このため、原判決に違法はなく、上告人の主張は採用されなかった。最終的に、最高裁判所は上告を棄却し、上告費用は上告人の負担とする判決を下した。
主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告人の上告理由について。 被上告人(被控訴人、原告)の上告人(控訴人、被告)に対する本件約束手形金の請求は、いわゆる遡及義務者に対する遡及権行使に基く請求ではなく、該手形の主債務者たる振出人に対し本件手形の白地部分を有効に補充して本訴の口頭弁論期日においてこれを呈示してその主債務者としての手形金並びにその呈示以後の手形法所定の利息を請求するものであるから、これを認容した原判決には所論の違法はなく、所論引用の判例は本件に適切でない。それ故、所論は採るを得ない。 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官斎藤悠輔裁判官入江俊郎裁判官下飯坂潤夫裁判官高木常七- 1 -
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