本件は、原告が被告に対し、公正取引委員会の審決を取り消すことを求めた事案である。被告は、原告の行為が独占禁止法に違反するとして審決を行い、原告はその審決に対し、証拠が不十分であることや法の解釈に誤りがあると主張した。主要な争点は、原告の行為が私的独占に該当するかどうかであり、裁判所は被告の審決が適法であると判断した。最終的に、原告の請求は棄却され、訴訟費用は原告の負担とされた。
- 1 -主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1当事者の求めた裁判 原告( )被告が,原告に対する公正取引委員会平成○年(判)第○号私的独占の 禁止及び公正取引の確保に関する法律違反審判事件について,平成19年3月26日付けでした審決を取り消す。 ( )訴訟費用は被告の負担とする。 被告主文同旨第2事案の概要 本件は,被告が,原告(被審人)に対する公正取引委員会平成○年(判)第○号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反審判事件について,平成19年3月26日付けで,次の2記載のとおり,原告の行為は,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第35号)による改正前の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という)2条5項に規定する私的独占に該当し,同法。 3条の規定に違反するものであるなどとして,平成19年3月26日付けで審決(以下「本件審決」という)をしたところ,原告が,被告に対し,本件審。 決の基礎となった事実を立証する実質的な証拠がなく,また,本件審決における独占禁止法の解釈適用には誤りがあるなどと主張して,独占禁止法82条1項1号及び2号に基づいて,本件審決の取消しを求める事案である。 本件審決の主文は「1被審人が,光ファイバ設備を用いた通信サービス,(以下「FTTHサービス」という)の提供において,平成14年6月1日。 - 2 -以降行った別紙1記載の行為は,被審人の光ファイバ設備に接続して戸建て住宅向けFTTHサービスを提供しようとする事業者の事業活動を排除することにより,東日本地区(別紙2記載の地域をいう)における戸建て住宅向けF。 TTHサービスの取引分野 ァイバ設備に接続して戸建て住宅向けFTTHサービスを提供しようとする事業者の事業活動を排除することにより,東日本地区(別紙2記載の地域をいう)における戸建て住宅向けF。 TTHサービスの取引分野における競争を実質的に制限していたものであって,これは,独占禁止法第2条第5項に規定する私的独占に該当し,同法第3条の規定に違反するものであり,かつ,当該行為は,既になくなっていると認める。 被審人の前項の違反行為については,被審人に対し,格別の措置は命じない」である。 。 そして,同主文にいう別紙1記載の行為は「被審人は,平成14年6月1,日以降,戸建て住宅向けのFTTHサービスとして新たに「P28タイプ」と称するサービスを提供するに当たり,被審人の電話局から加入者宅までの加入者光ファイバについて,1芯の光ファイバを複数人で使用する分岐方式(以下「分岐方式」という)を用いるとして,P28タイプのFTTHサービスの。 提供に用いる設備との接続に係る接続料金の認可を受けるとともに,当該サービスのユーザー料金の届出を行ったが,実際には分岐方式を用いず,電話局から加入者宅までの加入者光ファイバについて1芯を1人で使用する方式(以下「芯線直結方式」という)を用いて当該サービスを提供した。被審人は,当。 該サービスのユーザー料金を,当初月額5,800円,平成15年4月1日以降は月額4,500円と設定したが,いずれも,他の電気通信事業者が被審人の光ファイバ設備に芯線直結方式で接続してFTTHサービスを提供する際に必要となる接続料金を下回るものであった」というものであり,また,同主。 ,「,,,,,文にいう別紙2の記載の地域は北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県,福島県,茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県 うものであり,また,同主。 ,「,,,,,文にいう別紙2の記載の地域は北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県,福島県,茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県,新潟県,山梨県及び長野県並びに日本電信電話株式会社等に関する法律第2条第3項第1号の区域を定める省令(平成11年郵政省令第24号)に定め- 3 -られた静岡県,富山県及び岐阜県の一部の区域」である。 本件審決における認定事実の概要は,以下のとおりである。 ( )原告の概要 ,()原告は日本電信電話株式会社等に関する法律昭和59年法律第85号に基づき,平成15年法律第125号及び平成15年法律第138号による改正前の電気通信事業法(昭和59年法律第86号)の規定に基づく第一種電気通信事業の許可を受けて,東日本地区を業務区域として地域電気通信事業を営んでいる者である(なお,上記平成15年法律第125号の施行により,平成16年4月以降,電気通信事業法の第一種電気通信事業に係る許可の制度は廃止されている。以下,特に断らない限り,電気通信事業法については上記改正前のものを指す。 。)原告は,超高速デジタルデータ伝送を可能にするものとして,FTTHサービスを「○○」という名称により,平成13年8月から提供している。 ,( )光ファイバ設備について ア原告の敷設する加入者光ファイバ(ア)原告の加入者回線は,電話局(収容局ともいう)から地下のとう道。 及び管路を用いてメタル回線又は光ファイバによる大束のケーブルが引かれ,300前後の加入世帯をカバーする固定配線区画ごとにき線点から大束のケーブルの一部を分けて地上に引き上げられ,電柱に沿って配線(架空配線)され,各加入者宅に引き込まれている。 (イ)原告は,平成6年以降,加入者回 世帯をカバーする固定配線区画ごとにき線点から大束のケーブルの一部を分けて地上に引き上げられ,電柱に沿って配線(架空配線)され,各加入者宅に引き込まれている。 (イ)原告は,平成6年以降,加入者回線の光ファイバ化を推進し,光ファイバを敷設してきた。その際,収容局からき線点までの区間は最大1,000芯(芯」とは光ファイバの単位で「本」と同じ意味)の光フ「,。 ,,ァイバケーブルを設置しき線点から架空配線の配線点までの区間では場所によって,1ケーブル当たり40芯から100芯程度の光ファイバケーブルや24芯の光ファイバケーブルを敷設している。これは,原告- 4 -の通信需要のみならず,他の事業者の利用分を見込んで敷設しているためであり,実際の開通希望に応じ,配線点のクロージャから1芯ないし4芯の光ファイバをドロップケーブルでユーザー宅までに引き込むこととしている。 なお,収容局からユーザー宅内に設置される回線終端装置(OpticalNetworkUnit。以下「ONU」ともいう。ユーザー側では,ONUからさらにパソコンやルータ(データ中継装置)に接続される)までを結ぶ光ファイバを,き線点や配線点まで敷設されて。 いるものを含めて「加入者光ファイバ」という。 (ウ)平成14年3月末において,原告の加入者回線において加入者光ファイバが収容局からき線点まで敷設されている割合は,東日本地区全体で76%,政令指定都市及び県庁所在地級都市で92%,人口10万人以上の都市等では78%となっている。平成15年3月末における同割合は,東日本地区全体で81%,政令指定都市及び県庁所在地級都市では95%,人口10万人以上の都市等では85%となっており,加入者光ファイバの敷設が進んでいる。 (エ)原告が保有する加入者光ファイバは,平成15年3月 で81%,政令指定都市及び県庁所在地級都市では95%,人口10万人以上の都市等では85%となっており,加入者光ファイバの敷設が進んでいる。 (エ)原告が保有する加入者光ファイバは,平成15年3月末現在,約380万芯であるところ,自社の○○に使用している芯線数(光ファイバの本数。回線数ともいう)は約9万芯,自社の○○以外の通信サービス。 に使用している芯線数は約84万芯,他の電気通信事業者が接続している芯線数は約2万芯であり,使用している芯線の数は以上の合計約95万芯である。これは,原告が保有する加入者光ファイバ全体の約25%に当たり,原告が保有する加入者光ファイバの大部分は,未使用である(未使用の光ファイバのことを,以下「ダークファイバ」ということがある。 。)(オ)また,平成15年3月末現在,原告の保有する加入者光ファイバがF- 5 -TTHサービス事業者の保有する加入者光ファイバ全体に占める割合は,回線数でみて,東日本地区の各都道県(原告の業務区域がその一部にとどまる静岡県,富山県及び岐阜県を除く)において70%以上を。 ,。 占めておりこのうち埼玉県及び千葉県においては90%を超えているイ加入者光ファイバ設備に係る規制(ア)電気通信事業法では,電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し,その他電気通信設備を他人の通信の用に供することを,電気通信役務といい,電気通信事業(電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業)を営もうとする者は,電気通信回線設備を設置して行う第一種電気通信事業とそれ以外の第二種電気通信事業の区別等に応じて,総務大臣の許可又は総務大臣への届出若しくは総務大臣の登録を要する(電。 気通信事業法2条,6条,9条等)(イ)電気通信事業法38条により,第一種電気通信事業者には,同条各号に定 別等に応じて,総務大臣の許可又は総務大臣への届出若しくは総務大臣の登録を要する(電。 気通信事業法2条,6条,9条等)(イ)電気通信事業法38条により,第一種電気通信事業者には,同条各号に定める場合を除き,他の電気通信事業者から電気通信設備に接続すべ,。 き旨の請求を受けたときにはその請求に応じる義務が課せられている(ウ)総務大臣が他の電気通信事業者の電気通信設備との接続が利用者の利便の向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に欠くことのできない電気通信設備として指定した電気通信設備(以下「第一種指定電気通信設備」という)を設置する第一種電気通信事業者は,当該第一種指定。 電気通信設備と他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し,当該第一種電気通信事業者が取得すべき金額(以下「接続料金」という。 「接続料」と同義に用いる)及び接続条件について接続約款を定め,。 総務大臣の認可を受けなければならない。接続約款を変更しようとするときも同様である(電気通信事業法38条の2第1項及び第2項)。 総務大臣が他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき電気通信設備として指定した電気通信設備(以下「第二- 6 -種指定電気通信設備」という)を設置する第一種電気通信事業者は,。 当該第二種指定電気通信設備と他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し,接続料金及び接続条件について接続約款を定め,総務大臣に届け出なければならない。接続約款を変更しようとするときも同様である(電気通信事業法38条の3第1項及び第2項)。 第一種指定電気通信設備及び第二種指定電気通信設備以外の電気通信設備と他の電気通信事業者との接続については,第一種電気通信事業者等は,接続に関する協定を締結し,又は変更しようとするときは,総務大臣 第一種指定電気通信設備及び第二種指定電気通信設備以外の電気通信設備と他の電気通信事業者との接続については,第一種電気通信事業者等は,接続に関する協定を締結し,又は変更しようとするときは,総務大臣に届け出なければならない。ただし,接続約款により協定を締結する場合は協定の届出は要しない(当該接続約款を定め,又は変更しようとするときは,当該約款について総務大臣への届出を要する(電気。)。 通信事業法38条の4第1項及び同第2項)(エ)原告が保有する加入者光ファイバ設備(加入者回線として用いられる光ファイバ及びこれらと一体として使用される伝送装置,加入者主配線盤の総称)は,電気通信事業法38条の2第1項,電気通信事業法施行規則23条の2,平成13年総務省告示第243号に基づき,総務大臣が指定した第一種指定電気通信設備であるから,原告は,加入者光ファイバ設備について,他の電気通信事業者の電気通信設備との接続の請求を受けたときはこれに応ずる義務を負うとともに,その接続に関し,接続料金及び接続条件について接続約款を定めなければならず,当該約款及びその変更について総務大臣の認可を受けなければならない。 ( )戸建て住宅向けFTTHサービスについて アブロードバンドサービス(ア)既存のサービスインターネットに接続して大量のデータ通信を可能とする,ブロードバンドサービスと呼ばれるデータ通信のサービスとしては,光ファイバ- 7 -を使用したFTTHサービスが提供される以前から,ADSL(AsymmetricDigitalSubscriberLine。 非対称デジタル加入者線)を利用するサービス(以下「ADSL」と。 いう)と,ケーブルテレビ網を利用するサービス(以下「CATVイ。 ンターネット」という)が存在していた。 。 ADS Line。 非対称デジタル加入者線)を利用するサービス(以下「ADSL」と。 いう)と,ケーブルテレビ網を利用するサービス(以下「CATVイ。 ンターネット」という)が存在していた。 。 ADSLについては,電話局に接続のための設備を設置し,ユーザー宅までは既設の電話回線(メタル回線)を用いて通信するサービスであるところ,通信速度が数Mbpsから数十Mbpsであり,かつ,インターネットからエンドユーザー方向(下り)では最大で40Mbps,エンドユーザーからインターネット方向(上り)では最大1.5Mbpsと差がある,1本の銅線を音声と共用して行われるサービスであることや隣接して設置されているISDN回線から干渉を受けることのために接続や通信速度が安定しない,収容局から離れると通信速度が低下し,。 たり利用することができないなどの点が問題点として指摘されていたまた,ADSL利用のためには,局舎からユーザー宅までの間がすべてメタル回線でなければならないところ,加入者回線の光ファイバ化が進むにつれて,ADSLを利用できない地域も出てきていた。 ADSLのユーザー料金の価格帯は,平成14年3月末において,月額2200円から5000円程度であった(当時の契約回線数上位4社の料金。インターネット接続サービスの料金(後記( )ア(ア)参照)を含 む。 。)CATVインターネットについては,最大通信速度は30Mbps程度であり,提供エリアは,ケーブルテレビの提供エリア内に限られ,また,その提供事業者の多くが小規模であったことから,エリア拡大のための高額な投資が困難な場合が多い。 (イ)FTTHサービスの特徴- 8 -FTTHサービスは,ADSLよりも高速大容量の通信が可能である(),,こと最大で100Mbps上り下りの通信速度 高額な投資が困難な場合が多い。 (イ)FTTHサービスの特徴- 8 -FTTHサービスは,ADSLよりも高速大容量の通信が可能である(),,こと最大で100Mbps上り下りの通信速度が同じであること接続が安定していること,通信速度が収容局からの距離に依存しないこと,収容局からの距離にかかわらずサービス提供が可能であるため提供エリアが広いこと,ISDN等からの干渉がないため通信品質が良いこと,1本の回線でオールインワンサービス(音声・動画・映像・高速通信の統合)が可能であることなどの特徴を有しており,ユーザーも,これらの特徴を認識してFTTHサービスを利用することが多い。 また,FTTHサービスは,上記のような優位性があることに加え,その利用に当たっては,ユーザー宅に光ファイバを引き込む工事が必要であり,ユーザーがFTTHサービス事業者を変更するには再び工事を要するから,電話回線を利用するADSLに比べて,FTTHサービス事業者としては,一度ユーザーと契約すると,そのユーザーとの契約を長期間にわたって維持できる傾向が強い。 (ウ)ブロードバンドサービスにおける,FTTHサービス,ADSL及びCATVインターネットの構成比(契約回線数)をみると,平成14年3月末の時点では,FTTHサービスは1.8%にとどまっており,ADSLが60.9%,CATVインターネットが37.3%を占めていたが,その後,FTTHサービスは一貫して増加し,平成16年3月末時点では,FTTHサービス9.5%,ADSL73.5%,CATVインターネット16.9%となっている。 イFTTHサービスに係る規制(ア)原告の提供するFTTHサービスは電気通信事業法31条1項の第,「一種電気通信事業者の提供する電気通信役務」に該当し,その利用者に対する %となっている。 イFTTHサービスに係る規制(ア)原告の提供するFTTHサービスは電気通信事業法31条1項の第,「一種電気通信事業者の提供する電気通信役務」に該当し,その利用者に対する料金(以下「ユーザー料金」という)については総務大臣への。 届出が義務付けられている。 - 9 -そして,他の事業者との間の公正な競争の確保等の観点から,電気通信事業法31条2項により,総務大臣は,届け出られた料金が次のいずれかに該当する場合には変更すべきことを命じることができる。 ①料金の額の算出方法が適正かつ明確に定められていないとき②特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき③他の電気通信事業者との間に不当な競争を引き起こすものであり,その他社会的経済的事情に照らして著しく不適当であるため,利用者の利益を阻害するものであるとき(イ)電気通信事業法上,同一の電気通信事業者が提供するFTTHサービスのユーザー料金と当該サービスに用いられる設備の接続料金との関係について具体的に規制する規定は存しない。 しかし,第一種指定電気通信設備を利用して電気通信事業を行おうとする他の電気通信事業者は,接続料金を最低限必要なコストとして折り込んだ上でユーザー料金を設定することになることから,平成12年12月21日付け電気通信審議会作成の「接続ルールの見直しについて」(電気通信事業法の一部を改正する法律(平成9年法律第97号)附「則15条を踏まえた接続ルールの見直しについて」第1次答申)において「接続料の水準と利用者料金の水準との関係については,接続料が,いわば『卸売的料金』であり,利用者料金が『小売的料金』であることにかんがみると,利用者料金が接続料の水準を下回ることは,一般的に」,,は公正競争上適切でないと考えられるとされ ,接続料が,いわば『卸売的料金』であり,利用者料金が『小売的料金』であることにかんがみると,利用者料金が接続料の水準を下回ることは,一般的に」,,は公正競争上適切でないと考えられるとされておりこれを踏まえて総務省は,第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者がユーザー料金を設定する場合には,当該ユーザー料金は接続料金を下回らないように設定するよう行政指導している(この行政指導の内容を以下「インピュテーションルール」という。 。)なお,原告は,第一種指定電気通信設備接続会計規則(平成9年郵政- 10 -省令第91号)5条1項及び2項により,電気通信事業に関連する資産並びに費用及び収益を,第一種指定設備管理部門と第一種指定設備利用部門とに適正に区分して整理しなければならないこと,両部門間の取引は接続約款に記載された接続料金の振替によって整理しなければならないことが定められている。 ウFTTHサービスの種類(ア)FTTHサービスには,ビジネス向けサービスと家庭向けサービスがあり,さらに後者は,提供形態の違いにより,主に1戸建て住宅に居住するユーザーを対象とするもの(戸建て住宅向けFTTHサービス)と集合住宅に居住するユーザーを対象とするもの(集合住宅向けFTTHサービス)に分けられる。戸建て住宅向けFTTHサービスは,ONUを各ユーザーの宅内に設置するものであり,集合住宅向けサービスは,集合住宅の共用部分にONUを設置し,個々のユーザー宅までは,LAN,VDSL又はHomePNAで配線してサービス提供をするものである。 (イ)すなわち,集合住宅向けFTTHサービスは,一つの建物に引き込まれた光ファイバ1芯を複数のユーザーが共用するものであることが前提となっているのに対し,戸建て住宅向けFTTHサービスは,ユーザ (イ)すなわち,集合住宅向けFTTHサービスは,一つの建物に引き込まれた光ファイバ1芯を複数のユーザーが共用するものであることが前提となっているのに対し,戸建て住宅向けFTTHサービスは,ユーザー宅に引き込まれた光ファイバを一人のユーザーが使用するものである。 (ウ)戸建て住宅向けFTTHサービスの設備方式としては,芯線直結方式と分岐方式があり,芯線直結方式は,収容局とユーザー宅とを1芯の光ファイバで結び収容局及びユーザー宅にメディアコンバータ以下M,(「C」ともいう)という回線終端装置を設置する方式であり,分岐方式。 は,収容局内外に分岐装置(以下「スプリッタ」という)を設置し,。 これと複数のONUを結ぶ方式により,複数のユーザーが加入者光ファイバの1芯を共用する方式であり,転送方式の違いにより,イーサネッ- 11 -トベースの「E-PON(Ethernet-PON)方式」とATM(非同期転送モード:AsynchronousTransfer)「()」ModeベースのB-PONBroadband-PON方式などがある。分岐方式においては,1芯の光ファイバを同時に複数の利用者が使用することにより,通信速度が低下する場合がある。 エ戸建て住宅向けFTTHサービス市場の状況(ア)全国における「集合住宅向けメニュー以外」のFTTHサービス(戸),建て住宅向け及びビジネス向けFTTHサービスの合計の開通件数は平成15年9月末には50万回線であった(これ以前の統計数値はない)が,平成16年3月末には83万回線に増加し,同年12月末に。 は138万回線に至った。 (イ)東日本地区において戸建て住宅向けFTTHサービスを行っている事,,,業者としてみるべき者は平成14年11月末時点で原告のほかには( 加し,同年12月末に。 は138万回線に至った。 (イ)東日本地区において戸建て住宅向けFTTHサービスを行っている事,,,業者としてみるべき者は平成14年11月末時点で原告のほかには(「」。)(「」P1株式会社以下P1という及び株式会社P2以下P2という。なお,同社は平成17年3月に商号を「株式会社P3」に変更している)に限られていたが,これら2社は,自ら又は子会社が保有。 する加入者光ファイバ設備を用いて戸建て住宅向けFTTHサービスを行うものである。 P1は,電力事業用に保有する電柱及び管路を利用し,変電所を収容,,局として加入者光ファイバを敷設しておりそのサービス提供エリアは平成16年1月末現在,東京23区,武蔵野市,三鷹市及び調布市の各一部である。東京23区のうち千代田区,港区,中央区等で電線が地中,,化されている地区では新たに光ファイバを敷設することが困難なためサービスを行っていない。 また,P2は,有線放送事業用に電柱に設置していた同軸ケーブルを光ファイバに張り替えたり,有線放送事業とは別に,電柱の利用申請を- 12 -行い,自ら又は子会社が加入者光ファイバを敷設したりして,戸建て住宅向けFTTHサービスを行っているが,そのサービス提供エリアは,東京都世田谷区周辺,横浜市の一部等に限定されていた。 (ウ)平成15年9月末の集合住宅向けメニュー以外のFTTHサービスの開通件数に占める原告のシェアは,東日本地区の都道県(原告の業務区域がその一部にとどまる静岡県,富山県及び岐阜県を除く)のすべて。 において82%から100%である。また,平成16年9月末には,集,(,合住宅向け以外のFTTHサービスの開通件数は東日本地区ただし長野県を除き,静岡県東部を含む)で約52万800 すべて。 において82%から100%である。また,平成16年9月末には,集,(,合住宅向け以外のFTTHサービスの開通件数は東日本地区ただし長野県を除き,静岡県東部を含む)で約52万8000件であるとこ。 ろ,同地区における原告のシェアは86.9%である。 オ戸建て住宅向けFTTHサービスへの参入方法(ア)戸建て住宅向けFTTHサービス市場に参入する方法のうち,既存の光ファイバ設備に接続して参入する方法についてみると,原告は,大都市圏の管路の多くを保有しており,保有している加入者光ファイバ芯線の数も電力系通信事業者や電力会社に比べて多く,その敷設範囲も広範囲にわたっている。また,東日本地区におけるADSLのほとんどすべては原告の加入者回線を利用して提供されており,ADSL事業を営む電気通信事業者は原告の局舎でコロケーションすることにより原告の地域IP網(収容局間を光ファイバで接続したIP通信専用ネットワーク,(「」。)でありインターネットサービスプロバイダ以下ISPというと収容局との接続に利用される)と接続していたため,それらの電気。 通信事業者がFTTHサービス事業を新規に展開する場合に,原告の局舎でコロケーションすることは容易であったが,原告以外の事業者の保有する光ファイバ設備との接続についてはこのような事情にない。 特に,東日本地区において多数の光ファイバ設備を保有しているとみ,,られるP1との接続可能性についてみると収容局が変電所であるため- 13 -電気通信事業に適したコロケーションスペース,電源設備や空調設備の整った施設は一部しかないなど,他の電気通信事業者が接続しにくい状況があり,P1としても,接続に要する設備や管理・運用体制が整っていないので,平成16年ころまでの段階では同社の加入 設備や空調設備の整った施設は一部しかないなど,他の電気通信事業者が接続しにくい状況があり,P1としても,接続に要する設備や管理・運用体制が整っていないので,平成16年ころまでの段階では同社の加入者光ファイバを他事業者との接続に提供することはできないと考えていた。 (イ)次に,既存の光ファイバ設備に接続するのではなく,新規参入しようとする電気通信事業者が自前で加入者光ファイバを敷設するには,管路又は電柱を自ら設置するか,原告又は電力会社が保有する管路,電柱又はとう道を賃借する必要がある。 しかし,電気通信事業者が自ら管路又は電柱を設置する方法についてみると,FTTHサービスの需要が多く見込まれる都心部では,電柱の地中化が進展していることが多く,このような地域において新たに道路下に管路を埋設して光ファイバを敷設しようとする場合は,地下埋設工事に係る道路の掘削抑制措置のため工事の可能な時期が限定されるという制約があり,また,都心部における敷設費用は1キロメートル当たり3億円程度を要する。 また,原告又は電力会社が保有する既設の管路等を賃借する方法についてみると,管路については,空きがないこと等を理由に賃借を断られる場合が多く,仮に,賃借が可能となっても,原告又は電力会社との設計,工程打合せ等の調整により,賃借の開始までに申込みから4か月から6か月を要し,電柱については,賃借を希望する1本1本の電柱ごと,,に賃借の可否判定及び賃借契約の申込書類も提出する必要があるため可否判定の申込みから賃借の開始まで1か月から3か月を要し,その手続が終了するまでに相当長期間を要する。 ( )原告の○○について ア○○の種類- 14 -(ア)原告が販売する○○は,加入者光ファイバを利用し,原告の地域IP網を介して,ユーザーが契約するISP るまでに相当長期間を要する。 ( )原告の○○について ア○○の種類- 14 -(ア)原告が販売する○○は,加入者光ファイバを利用し,原告の地域IP網を介して,ユーザーが契約するISPに接続するベストエフォート型のサービス(ユーザーに通信サービスの品質を保証しないサービス)であり,集合住宅向け(マンションタイプ,戸建て住宅向け及び事業者)向けがある。○○を利用するユーザーは,原告と通信サービスの契約を結ぶとともに,別途,原告の地域IP網に接続しているISPとインタ。 ,,ーネット接続サービスの利用契約を締結するしたがってユーザーは原告に対して○○の利用料金(ユーザー料金)を支払い,ISPに対し(「」。)てインターネット接続サービス利用料金以下ISP料金というを支払うことになる。 なお,P1のFTTHサービスは,P1とユーザーとの間では直接サービス契約は締結されず,ユーザーはISPに申込み,P1のサービスの対価を含めてISPが設定する利用料金を支払う方法が採られている,。 ,のでP1のFTTHサービスのユーザー料金は明示されないP2は自らがインターネット接続サービスを提供しており,その利用料金にはFTTHサービスの利用料金とISP料金が含まれている。 (イ)原告は,平成13年8月の○○の販売開始時において,戸建て住宅向けFTTHサービスメニューとして,通信速度が最大100Mbpsの「」「」。 P29タイプ及び最大10MbpsのP30タイプを設定した「P29タイプ」は芯線直結方式であり「P30タイプ」は分岐方式,であった。 さらに,原告は,平成14年6月,上記サービスメニューに加え,最大100Mbpsの分岐方式のサービスである「P28タイプ」を設定し「P30タイプ」の新規の販売を,平 イプ」は分岐方式,であった。 さらに,原告は,平成14年6月,上記サービスメニューに加え,最大100Mbpsの分岐方式のサービスである「P28タイプ」を設定し「P30タイプ」の新規の販売を,平成15年3月31日をもって,終了した。 そして,原告は,平成16年11月に最大1Gbpsの分岐方式のサ- 15 -ービスである「P31タイプ」を設定し「P28タイプ」の新規販売,を平成17年4月30日をもって終了した。 (ウ)○○全体の開通件数は,平成15年5月末において,約14万件であ,(,ったところこのうち戸建て住宅向けFTTHサービスP29タイプP30タイプ及びP28タイプ)は約11万件で,全体の開通件数の75%を占め,集合住宅向けFTTHサービス(マンションタイプ)が23.5%,事業者向けのビジネスタイプが1.5%を占めていた。 また,平成16年9月末においては,原告の○○の件数合計約63万2000件のうち「集合住宅向けメニュー以外」のFTTHサービス,は約45万9000件で,全体の開通件数の72.6%を占めていた。 イ○○に用いる加入者光ファイバ設備の接続料金(ア)原告は,○○の提供開始に当たり,平成12年12月26日に暫定的に設定していた加入者光ファイバ設備の接続料金について,コストに基づき再設定し,平成13年8月31日に接続約款の変更について総務大。 ,。 臣の認可を受けたその約款によれば接続料金は以下のとおりである,。 a加入者光ファイバ1芯単位の接続料金は5074円と設定された,,,認可申請における算定の内訳は基本料4527円加算料471円光主配線盤76円であり,ほかに1光信号回線当たり回線管理運営費157円が加算される。 bP30タイプの提供に用いられる設備の接続料金については,ユーザー1 の内訳は基本料4527円加算料471円光主配線盤76円であり,ほかに1光信号回線当たり回線管理運営費157円が加算される。 bP30タイプの提供に用いられる設備の接続料金については,ユーザー1人のみにサービスを提供する場合に要する接続料金(以下「基本料金」という)が,以下の①ないし④を合計した月額7万435。 4円となり,設備の使用状況により①ないし③が順次加算され,例えば1芯32分岐全部に接続する場合は,①×32(分岐数)+②×8(局外スプリッタ数)+③+④=12万8665円となる(なお,。 このほか1光信号分岐端末回線当たり回線管理運営費157円が加算- 16 -される)。 ①光信号分岐端末回線(引込線)613円/光信号分岐端末回線②加入者光ファイバ・局外スプリッタ5044円/光信号主端末回線(1局外スプリッタ当たり最大4光信号分岐端末回線(4ユーザー)が収容可能)③局内スプリッタ・光信号主端末回線収容装置(OSU(Opt)icalSubscriberUnit。ONUと対向して光信号を伝送する装置)9990円/8光信号主端末回線(1局内スプリッタ当たり最大8芯の加入者光ファイバ(32ユーザー)が収容可能)④光信号伝送装置(OLT)5万8707円/OLT(OpticalLineTerminal。加入者光ファイバの収容局側の端局装置(OLT1装置当たり最大8OSUが収容可能))cまた,ルーティング伝送機能の接続料金(局舎における地域IP網との接続に係る料金)は,100Mbpsによるものは1ポート当たり64万9047円と設定された(この料金はユーザー数にかかわらず必要なものである。 。)dこれらの算定は,光ファイバは7年間,スプリッタ等の機器類は5年間での設置,維持等の総コストを計算し たり64万9047円と設定された(この料金はユーザー数にかかわらず必要なものである。 。)dこれらの算定は,光ファイバは7年間,スプリッタ等の機器類は5年間での設置,維持等の総コストを計算し,その間の加入者光ファイバ設備のコストを予測需要数(原告の○○の需要と他の電気通信事業者からの接続の需要)で割った将来原価に基づくものである。 例えば,前記aの基本料については,平成13年から平成19年までの7年間の光ファイバの原価を1兆0400億円と見込み,これを毎月の基本料と施設設置負担金相当の加算料(月額942円)により回収することとして算出したものである。 (イ)原告は,さらに,平成14年2月,P29タイプの提供に用いられる- 17 -メディアコンバータ及びP30タイプの提供に用いられるスプリッタごとの接続料金を設定すること等を内容とする接続約款の変更申請を行い,同年3月27日,総務大臣の認可を受けた。 その際,MCには集線型と非集線型があるところ,原告は,P29タイプに利用される集線型MC(16個のMCに対して出力端子を1つにまとめたもの)について,その他の設備を含めて月額2万0057円と設定した。 また,P30タイプの提供に係る設備について,原告は,局内スプリ,,ッタにおける接続点を新設するとともに局内スプリッタの接続料金を平成13年8月31日に認可された局内スプリッタとOSUの接続料金(前記(ア)bの③)を細分化して,月額5427円と設定した。 (ウ)原告は,その後,P28タイプの導入及び値下げに当たりそれぞれ接続約款を変更しているが,それらの経緯については,後記( )及び( )の とおりである。 ウ○○のユーザー料金の設定について○○のユーザー料金は,原告のサービス開発部(平成13年12月以前の名称は「営業部 いるが,それらの経緯については,後記( )及び( )の とおりである。 ウ○○のユーザー料金の設定について○○のユーザー料金は,原告のサービス開発部(平成13年12月以前の名称は「営業部)の○○サービス推進室(平成14年7月以前の名称」は「ブロードバンド推進室)が,営業部(平成13年12月に「お客様」サービス部」が「営業推進部」に名称変更となり,平成15年4月に現名称に変更)及び設備部の意見を聞きながら案を作成し,経営企画部(平。 成15年4月以前の名称は「企画部)の営業企画部門と協議し,同部門」において,当該料金が料金制度上問題ないかどうかをチェックした上で,常務会に諮って決定される。 原告は,ユーザー料金の設定に当たっては,競争対抗上の観点からいく,,らに設定する必要があるのかそのユーザー料金でコストを回収できるか他事業者との公正競争上の問題点はないかなどを総合検討して決定するこ- 18 -ととしている。他事業者との公正競争上の問題点については,原告は,他事業者が,原告と同様の設備構成を採用し,接続料金を支払って原告と同等のコスト負担さえすれば,原告と同等のサービスを提供することができるかどうかということを検証,検討していた。 原告は,上記検討の結果,○○導入時において,戸建て住宅向けFTTHサービスの料金を,P29タイプについて月額9000円,P30タイプについて同5000円と設定し,平成13年6月28日に総務大臣に届出を行った。なお,P30タイプについては,後記( )イ(エ)のとおり,P 28タイプの値下げの際に月額4500円に値下げした。 ( )P28タイプの導入について ア○○の販売拡大のための検討(ア)原告は,平成13年8月に○○の戸建て住宅向けFTTHサービスとしてP29タイプ及びP3 に月額4500円に値下げした。 ( )P28タイプの導入について ア○○の販売拡大のための検討(ア)原告は,平成13年8月に○○の戸建て住宅向けFTTHサービスとしてP29タイプ及びP30タイプの提供を開始したところ,平成13年10月ころから,P1が平成14年3月からのFTTHサービスへの参入を表明し,P2が同年4月からFTTHサービス提供エリアを県庁所在地級都市に拡大するという動向を把握した。 (イ)原告は,定額インターネット接続市場が拡大を続けていることやコンテンツが充実していくと予想されることを勘案すると,ブロードバンドサービス市場はやがてFTTHサービス市場にその競争の場が移ってくると考え,FTTHサービス市場においては,ADSL市場のように競争事業者に急激にシェアを奪われることのないよう,早期に原告の永続的な優位性を確立しておくことが急務であるとし,首都圏(東京都,神奈川県,千葉県及び埼玉県)を中心に,平成14年度を「○○積極展開元年」として,競合他社に先んじたユーザーの獲得及び普及促進を図ることとした。 (ウ)そこで,原告は,平成13年11月ころから,戸建て住宅向け○○の- 19 -販売については,5000円の水準で100Mbpsの光サービスを提供することを検討し始めた。その方法として,P29タイプを値下げする(芯線直結方式の形態を5000円程度で提供する)か,あるいは,100Mbpsの通信速度を可能とする分岐方式を導入する(P30タイプとは別の光信号伝送装置を用いて100Mbpsを32分岐する)かを選択肢とし,後者による場合,料金モデルどおりに分岐方式を採ることを原則としつつ,分岐に見合う需要がないエリアにおいては,暫定的に芯線直結方式によりサービスを提供することもあり得ると考えていた。 また,原告は 後者による場合,料金モデルどおりに分岐方式を採ることを原則としつつ,分岐に見合う需要がないエリアにおいては,暫定的に芯線直結方式によりサービスを提供することもあり得ると考えていた。 また,原告は,FTTHサービスは,ユーザー宅への加入者回線を一度構築すれば当該ユーザーの他社への乗換えは生じにくく,他方,既に他社のサービスを利用しているユーザーを取り込むことは難しいため,サービス展開のスピードが,シェアの獲得及び維持のために重要であると考えていた。 (エ)平成14年1月,P1が平成14年3月から開始する予定の100M(。 bpsのFTTHサービスのユーザー料金ISPが設定する利用料金。),前記( )ア(ア)参照が月額1万円以下であることが判明したことから 原告は,同年2月ないし3月ころから,○○の100Mbpsのサービスの廉価版について具体的に検討し始めた。 原告は,P1のFTTHサービスのISPに対する卸売価格が6000円程度であると推測し(なお,前記( )ア(ア)のとおり,P1のFTT Hサービスは,各ISPがインターネット接続サービス込みで販売しており,接続料金などの内訳は不明であった,6000円を切るユー。)ザー料金を設定することを考えたが,芯線の接続料金だけでも5000円を大きく超えていることから,接続料金を下げずにP29タイプのユーザー料金を6000円以下に値下げすることはできないと判断し,ユ- 20 -ーザー料金の値下げを行うには分岐方式を採るしかないと判断した。そこで,原告は,E-PON方式の伝送装置を収容局に設置して,100Mbpsの加入者光ファイバ1芯を局内で8分岐し,各分岐回線を局外で更に4分岐して,32のユーザーが共用する設備構成により提供するサービスを新たに導入することとし,平成14年4 局に設置して,100Mbpsの加入者光ファイバ1芯を局内で8分岐し,各分岐回線を局外で更に4分岐して,32のユーザーが共用する設備構成により提供するサービスを新たに導入することとし,平成14年4月11日,P29タイプ及びP30タイプに加え「アクセスライン100Mbpsを複数,ユーザーでシェアリングする,マスユーザを対象としたサービス」として,P28タイプを同年6月1日から提供開始すると公表した。 (オ)原告の株式を100%保有する親会社であるP4株式会社は,原告との協議を経て,平成14年4月に策定・公表した「P4グループ3ヵ年経営計画(2002~2004年度」において,具体的な取組の第一)として「ブロードバンド(光)市場を中心とした事業開拓」を掲げ,グループ総合力を活用したブロードバンド(光)需要を創出していくとともに,ブロードバンド(光)アクセスサービスを積極的に展開していくこととし,この時点で,○○について,平成13年度末の実績で1.8万施設(うち,原告は1.2万施設。なお,施設とは回線のことであると推認される,エリアカバー率34%であるところ,平成16年度。)末には270万施設(うち,原告は145万施設,エリアカバー率8)0%とすることを目標としていた。 また,原告の平成14年3月27日付けの「中期経営計画(平成14~16年度」と題する文書では,○○の提供地域について,総務省の)全国ブロードバンド構想を上回るペースで,平成13年度には東京23区,多摩地区,首都圏の一部地域,北海道,宮城,茨城の県庁所在地級都市に,平成14年度には政令指定都市・県庁所在地級都市,一部の市制都市に展開する旨が記載されていた。 (カ)なお,原告は,○○の販売において,従来,電話やインターネットで- 21 -申込みを受け付けるインバ 4年度には政令指定都市・県庁所在地級都市,一部の市制都市に展開する旨が記載されていた。 (カ)なお,原告は,○○の販売において,従来,電話やインターネットで- 21 -申込みを受け付けるインバウンドという営業方法に重点を置いていた,,,が戸建て住宅向けFTTHサービスについてはユーザー獲得のため顧客に訪問営業をかけるアウトバウンドという営業方法を実施していくこととした。この検討の過程において,原告は,ホームページからユーザーが申し込む際,サービス提供エリアか否かを電話番号でしか判定できなかったことから,これを住所ごとに町名及び丁目で表示すること,既に光ファイバが引き込まれているビルの情報を開示することを検討した。しかし,これら設備情報を開示すると,他の電気通信事業者が未使用の加入者光ファイバの存在を知ることができるようになり,これらの事業者が,原告よりも先に加入者光ファイバを押さえてしまうおそれが,,。 あるため当面設備情報をアウトバウンド営業で活用することとしたイP28タイプに係る接続料金及びユーザー料金(ア)接続料金原告は,P28タイプの販売を開始するに当たり,平成14年4月11日,総務大臣に対し「○○サービスのP28タイプの提供に用いら,れる設備との接続に関する接続料」の認可を申請し,同年5月23日,接続約款変更の認可を受けた。 具体的には,加入者光ファイバ,局外スプリッタ等の接続料金は,P30タイプに用いる場合と変更はなく,収容局に設置するE-PON方式のOLTについて,端末回線の利用率を60%と見込んで5年間(平成14年度ないし18年度)の将来原価及び需要を用いて,OLT部分の接続料金を,1光信号主端末回線収容装置(OSU)ごとに月額9046円と算定した。 これにより,P28タイプの提供に用いられる (平成14年度ないし18年度)の将来原価及び需要を用いて,OLT部分の接続料金を,1光信号主端末回線収容装置(OSU)ごとに月額9046円と算定した。 これにより,P28タイプの提供に用いられる設備の接続料金は,基本料金が,以下の①ないし④を合計した月額2万0130円となり,設備の使用状況により①又は②が順次加算され,例えば1芯32分岐全部- 22 -に接続する場合は,①×32(分岐数)+②×8(局外スプリッタ数)+③+④=7万4441円となる(なお,このほか1光信号分岐端末。 回線当たり回線管理運営費143円が加算される)。 ①光信号分岐端末回線引込線613円/光信号分岐端末回線局()(外スプリッタの設置場所から分岐回線が提供できる範囲は電柱2区間分の約70メートルである)。 ②加入者光ファイバ・局外スプリッタ5044円/光信号主端末回(()線1局外スプリッタ当たり最大4光信号分岐端末回線4ユーザーが収容可能)③局内スプリッタ5427円/局内スプリッタ(1局内スプリッタ当たり最大8芯の加入者光ファイバ(32ユーザー)が収容可能)④光信号伝送装置(新OLT)9046円/光信号主端末回線収容装置(OSU)(1OSU当たり最大32ユーザーが収容可能)(イ)ユーザー料金原告は,平成14年4月11日,同年6月1日から提供するP28タイプのユーザー料金を5800円と設定し,総務大臣に届け出た。 原告は,前記(ア)の接続料金の認可申請の際,総務省に対して,1端(,末回線当たりの接続料金相当額を収容比率約60%として換言すれば1芯32分岐を利用できる範囲の区域において約19人のユーザーを獲得することを前提として,次のとおり試算し,このユーザー料金58)00円との対比を報告している。 ①光信号分岐端 として換言すれば1芯32分岐を利用できる範囲の区域において約19人のユーザーを獲得することを前提として,次のとおり試算し,このユーザー料金58)00円との対比を報告している。 ①光信号分岐端末回線(引込線)=613円②加入者光ファイバ・局外スプリッタ(最大4分岐)5044円÷(4×0.6)=約2100円③局内スプリッタ(最大8分岐)5427円÷(4×8×0.6)=約280円- 23 -④光信号伝送装置(新OLT)9046円÷(4×8×0.6)=約470円⑤回線管理運営費=143円⑥地域IP網等=約1300円①ないし⑥の合計=約4906円すなわち,原告は,総務省に対し,32分岐のうち60%についてユーザーを獲得できることを前提に,その場合のユーザー1人当たりの接続料金相当額(4906円)と比較して,ユーザー料金(5800円)は一定程度の営業費を見込んだものであるとの説明をしたものと認められる。 ウP28タイプの提供の設備構成(ア)分岐方式の使用の検討原告は,P28タイプの導入の際,分岐方式で提供しているP30タイプにおいて32分岐のうちに1ユーザーしか入っていないものが大半であったため,ユーザーが少ないうちは芯線直結方式で,需要が増えてきたら分岐方式とする方が経済的であること等を踏まえ,当面,P28タイプについては,少なくとも3年間程度は,P29タイプと同一の芯線直結方式を使用して提供するという方針を採ることとした。その際,どのような状況になれば分岐方式の設備を導入するかについては,具体的基準はなかった。 (イ)実際の設備構成芯線直結方式と分岐方式では,収容局内で使用する装置及びユーザー宅内で使用する回線終端装置が異なる(芯線直結方式ではMCを用いるが,分岐方式ではMCは用いない。原告は,P28 イ)実際の設備構成芯線直結方式と分岐方式では,収容局内で使用する装置及びユーザー宅内で使用する回線終端装置が異なる(芯線直結方式ではMCを用いるが,分岐方式ではMCは用いない。原告は,P28タイプの関連工。)事に関し,新設のユーザーに対しては芯線直結方式の設備を設置すること,P29タイプからP28タイプに移行するユーザーについてはユー- 24 -ザー宅内工事を不要とすること等の工事の手順を定め,P28タイプを芯線直結方式で提供した。 また,原告は,将来,分岐方式を導入する場合でも,新たに利用する芯線についてスプリッタを設置して分岐方式でサービス提供し,それでも芯線が不足した場合に,既に芯線直結方式でサービス提供している回線を分岐方式に移行することが合理的であるとして,いったん芯線直結方式でサービス提供したユーザーについては,芯線直結方式でのサービス提供を継続することとしていた。 なお,原告は,P28タイプの10回線程度を分岐方式とすることを予定していたが,これは分岐方式の業務オペレーション(エンドユーザーの管理手法や開通までの業務工程)を検討することを目的とする試行的なものであり,ユーザーは,いずれも原告の関係者であった。 (ウ)ユーザーへの説明振り芯線直結方式でサービスを提供しているP28タイプのユーザーについて,設備を分岐方式に変更するためには,ユーザーが使用しているサービスを一時中断し,スプリッタを設置し,収容局内とユーザー宅内の装置を分岐方式の装置に入れ替える工事を行うか,あるいは,ユーザーが既に使用している回線でのサービスを停止し,収容局の分岐装置に収容されている別の光ファイバの分岐回線をユーザー宅に新たに引き込む工事をしなければならない。 一方,原告は,P28タイプを広告するに当たり「最大100Mb,ps ビスを停止し,収容局の分岐装置に収容されている別の光ファイバの分岐回線をユーザー宅に新たに引き込む工事をしなければならない。 一方,原告は,P28タイプを広告するに当たり「最大100Mb,psを複数のお客さまで共用いただくサービスです「複数のご家庭」,で共用いただきます」などと小さく記載するのみで「最大100Mb,ps」というインターネット速度を強調して,広告していた。 設備構成について質問された場合には,原告は「P28タイプ』,『及び『P30タイプ』についての方式については,技術の進歩等により- 25 -変わってくることから,詳細の回答は控えさせていただきますが,1本の光ファイバを複数のユーザでシェアリングして接続しております」と答えることとしており,P28タイプを契約しようとするユーザーに対し,しばらくの間は,分岐方式ではなく芯線直結方式により同サービスを販売し,いずれは分岐方式に移行するために工事が必要となる場合があるということについては一切触れていなかった。 したがって,原告は,設備の切替工事を行うために,芯線直結方式でサービス提供しているユーザーに対し,分岐方式に変えることについて了解を得ることにも手間を要するため,いったん芯線直結方式でサービスを提供したユーザーを分岐方式に切り替えることは極力回避することとしていた。 エP28タイプ導入後の他の電気通信事業者の接続に関する動向(ア)平成14年5月に分岐方式に係る接続約款変更の総務大臣の認可が下りると,同月中に株式会社P5(以下「P5」という)から,同年7。 月にはP6株式会社(以下「P6」という)から,分岐方式について。 の問い合わせが原告に寄せられた。 (イ)平成14年8月に,株式会社P7(以下「P7」という)が,原告。 に対し,光ファイバによるサービ P6株式会社(以下「P6」という)から,分岐方式について。 の問い合わせが原告に寄せられた。 (イ)平成14年8月に,株式会社P7(以下「P7」という)が,原告。 に対し,光ファイバによるサービス提供のコストや提供期間などを把握するため,分岐方式での接続について試験的に原告の局舎であるαビル及びβビルの2か所で数回線開通したいと要請した。平成14年10月に,P7から事前調査申込みが行われ,同月,原告は,接続が可能であり,接続可能時期は接続用設備の設置の申込みから5か月以内である旨回答した。同年11月のP7の接続申込みを受けて,原告は,同年12月,平成15年3月中旬以降に接続が可能である旨回答した。 その後,P7が,接続場所の一つをαビルから原告の別の局舎であるγビルに変更し,また,分岐方式について,E-PON方式ではなく,- 26 -新しく導入される予定のB-PON方式を使用することに変更したことなどから,平成15年5月になって,ようやく接続用設備が完成した。 なお,γビルの試験回線については,平成15年6月,P7の都合により接続が行われないままキャンセルされ,βビルについても,平成16年6月,P7からの要請により接続を取りやめている。 ( )P28タイプのユーザー料金の値下げについて アP28タイプの値下げの検討(ア)原告は,P28タイプと同種のタイプのP8株式会社(以下「P8」という)が提供しているサービスと比べて,P28タイプの売上げが。 余り良くないと考え,平成14年9月ころから,P28タイプの値下げを検討し始めた。 (イ)また,原告は,平成14年10月ころ,P1がFTTHサービスを値下げする予定であることを聞き,P2も,それまで利用料金が月額61()()00円ISP料金込みであったものを4800円 )また,原告は,平成14年10月ころ,P1がFTTHサービスを値下げする予定であることを聞き,P2も,それまで利用料金が月額61()()00円ISP料金込みであったものを4800円ISP料金込みに値下げしたことなどから,P28タイプの値下げをさらに真剣に検討し始めた。 (ウ)その後,P1が,平成14年12月にFTTHサービスの値下げを実施したことを受け,原告は,P1がFTTHサービスのISPに対する卸価格を4500円程度に引き下げたものと推測し,P28タイプのユーザー料金を,P1の値下げに対抗できるものとするため,既にP8が,()使用していた局内4分岐局外8分岐で分岐する方法B-PON方式を採用することにより,ユーザー料金を月額4500円とすることが可能となる案を検討し始めた。その際,原告は,営業努力で6割の収容率にしなければコストを回収できないこと,将来にわたって芯線直結方式を継続するとするとコストが回収できなくなってしまうことを認識していた。 - 27 -(エ)上記検討の結果,原告は,P28タイプの設備構成を,従来,収容局内で8分岐,収容局外で4分岐としていたものを,収容局内で4分岐,収容局外で8分岐に変更することにより,収容局から収容局外の分岐装置までの加入者光ファイバを共用するユーザー数を増やし,これによって1ユーザー当たりのコストを低下させることができることを理由として,ユーザー料金を4500円に引き下げることとした。 イ接続料金及びユーザー料金の変更(ア)原告は,前記ア(エ)のユーザー料金の引下げの前提としての設備構成の変更に関し,平成15年1月27日,総務大臣に対し「○○サービ,スのP28タイプの提供に用いられる設備に関する接続料及びルーティング伝送機能の接続料の改定について」として の前提としての設備構成の変更に関し,平成15年1月27日,総務大臣に対し「○○サービ,スのP28タイプの提供に用いられる設備に関する接続料及びルーティング伝送機能の接続料の改定について」として,従前の局内8分岐,局外4分岐の設備構成の接続料金に代えて局内4分岐,局外8分岐の設備構成とする接続料金を導入する接続約款変更の認可を申請し,同年3月14日,総務大臣から認可を受け,同月17日から実施した。 (イ)その接続料金の設定に当たり,原告は,平成14年度から同18年度までの5年間の将来原価方式を用い,使用する設備の数を基本回線の6割と見込んで算定し,OLT部分の接続料金をOSUごとに月9046円として,基本料金は以下の①ないし④を合計した1万7145円とした。設備の使用状況により,①又は②が順次加算され,仮に1芯32分岐全部に接続する場合の接続料金は,①×32(分岐数)+②×4(局)。(,,外スプリッタ数+③+④=5万5858円となるなおこのほか1光信号分岐端末回線当たり回線管理運営費139円が加算される)。 ①光信号分岐端末回線763円/光信号分岐端末回線②加入者光ファイバ・局外スプリッタ5020円/光信号分岐端末回線(1局外スプリッタ当たり最大8光信号分岐端末回線(8ユーザー)が収容可能)- 28 -③局内スプリッタ2316円/局内スプリッタ(1局内スプリッタ当たり最大4芯の加入者光ファイバ(32ユーザー)が収容可能)④光信号伝送装置(新OLT)9046円/光信号主端末回線収容装置(OSU)(1OSU当たり最大32ユーザーが収容可能)(ウ)また,局外スプリッタの設置場所から分岐回線を提供できる範囲を電柱3区間分の約105メートルとした。 同時に,ルーティング伝送機能の接続料金についても,○ U当たり最大32ユーザーが収容可能)(ウ)また,局外スプリッタの設置場所から分岐回線を提供できる範囲を電柱3区間分の約105メートルとした。 同時に,ルーティング伝送機能の接続料金についても,○○に用いる100Mbpsによるものを47万1610円に引き下げる旨の認可を受けた。 (エ)その上で,原告は,平成15年3月18日,総務大臣に対し,同年4月1日からP28タイプのユーザー料金を月額4500円に引き下げ,これに伴い,P30タイプも同額に値下げすることを届け出た。 ウ値下げ後のP28タイプの提供の設備構成(ア)原告は,P28タイプのユーザー料金の引下げ後においても,引き続き,芯線直結方式でサービスを提供していた。 (イ)そして,原告の設備部では,平成15年8月に至っても,P28タイプについて,分岐の時期,方法についての方針を決めておらず,分岐方式の回線は,前記( )ウ(イ)に述べた状況のまま,原告の関係者宅以外に は設置されていなかった。 ( )総務省の行政指導について ア原告の認可申請の内容に係る他の電気通信事業者の意見(ア)原告の前記( )イ(ア)の分岐方式の接続料金に係る接続約款変更の認可 申請に対して,他の電気通信事業者は,その分岐方式の接続料金の水準では,原告の光ファイバ設備に接続することにより原告が行うP28タイプのユーザー料金に対抗することはできないと考えた。このため,原告の認可申請の内容について総務省が行った意見募集に対し,P9株式- 29 -会社(以下「P9」という)は,平成14年5月10日付けで「○。 ,○P28タイプについては接続事業者がP4と同一の水準の料金で提供することは困難なため,ユーザー料金が接続料金を下回っていないか早急に検証し,検討結果を出してもらいたい。このような検証は定 。 ,○P28タイプについては接続事業者がP4と同一の水準の料金で提供することは困難なため,ユーザー料金が接続料金を下回っていないか早急に検証し,検討結果を出してもらいたい。このような検証は定期的に実施し,その時点の実績を反映した設備の利用率を考慮して行うべきである」旨の意見を提出した。 。 ,,(イ)原告の前記( )イ(ア)の接続約款の変更申請に関しP10株式会社は 平成15年2月25日付けで「P28タイプの接続料と利用者料金の,関係について,反競争的でないかどうか詳細に検証すべきである。○○サービスは,市場が形成途上にあり,熾烈な価格競争が行われており,市場シェアの大幅な変動の可能性があるので,検証すべき優先度が高い」旨の意見を提出した。 。 (ウ)また,P6は,平成15年2月25日付けで「加入者光ファイバの,料金が高価であり,1光ファイバを共用する方法でユーザー料金を低廉化させることが必要であるが,○○アンバンドルは設備単位,32回線単位での接続料金となっていることから,P27のユーザー料金と同レベルには設定できない。ADSLと同様,回線単位での接続料金を設定すべきである」旨の意見を提出した。 。 イ総務省の指導(ア)その後,総務省は,原告に対し,平成15年9月,P28タイプの実際の設備構成等について報告を求めた。 これに対し,原告は,総務省に対し,①平成15年8月末現在,P28タイプ総回線数11万8627回線中,分岐方式により提供しているものは6回線のみで,実際に分岐方式により提供しているものはほとん,,,どなく大部分が芯線直結方式により提供していること②その理由はサービス開始間もないこともあり,需要が少なく点在している過渡期の- 30 -,,時期であるため芯線直結方式の方が設備コストが低い どなく大部分が芯線直結方式により提供していること②その理由はサービス開始間もないこともあり,需要が少なく点在している過渡期の- 30 -,,時期であるため芯線直結方式の方が設備コストが低いからであること③需要が堅調に出始めたことから,早急に分岐方式に移行するための社内検討を行っていることを回答した。 (イ)さらに,原告は,引き続き,総務省から報告を求められたため,社内,,,,検討の結果平成15年10月同省に対し新規ユーザーについては準備の整ったエリアから順次,平成16年3月末までにはすべてのエリアにおいて,分岐方式による提供を開始すること,及び,既設ユーザーについては,平成16年4月から分岐方式に移行を開始し,平成18年3月までの間にすべてのユーザーの移行を完了するように取り組むことを回答した。 (ウ)総務省は,原告からの上記回答を受けた上,原告に対し,平成15年11月12日,要旨,次の①及び②のとおり指導した。 ①原告が提供しているP28タイプについては,サービスの内容が事実上P29タイプと同じであり,現在の設備構成が将来にわたって継続する場合には,電気通信事業法31条2項2号又は同項3号(前記( )イ(ア)の②又は③)に該当することになると考えられるところ,既 設ユーザーの移行についてはできる限り前倒しでその工事を行うこととし,以下のiからⅳまでの事項を半期ごとに,期間経過後1か月以内に,及び新規ユーザーについてすべてのエリアにおいて分岐方式に移行することとなった日の属する月の前月末における以下のi及びⅳまでの事項を同月末から2か月以内に,総務省に報告すること。 iP28タイプの提供局数ⅱⅰのうち,分岐方式によってP28タイプの提供が可能である局数ⅲiのうち,平成16年3月末時点において芯線 での事項を同月末から2か月以内に,総務省に報告すること。 iP28タイプの提供局数ⅱⅰのうち,分岐方式によってP28タイプの提供が可能である局数ⅲiのうち,平成16年3月末時点において芯線直結方式により提供しているP28タイプについて,分岐方式に移行を開始した局数- 31 -ⅳ芯線直結方式により提供しているP28タイプ及び分岐方式により提供しているP28タイプのそれぞれの契約数②P28タイプの接続料金について,既に接続約款において設備単位のものが設定されているが,接続事業者から分岐回線単位での接続料金の設定の要望があり,今後の需要動向次第では接続事業者が事業性を確保することが困難となる場合も想定されることを踏まえ,より柔軟な接続料金の設定について,費用負担の方法も含め速やかに検討を行い,その結果又は状況について本年末までに報告すること。 ウその後のP28タイプの提供の設備構成(ア)芯線直結方式の設備によりサービスを提供しているP28タイプのユーザー数は,平成15年8月末には11万8621件であったところ,平成16年3月31日には,24万7545件に増加しており,同日までは芯線直結方式によるP28タイプのユーザー数は拡大していた。 しかし同年4月以降においては,原告は,P28タイプの新規ユーザーに対して,芯線直結方式で提供することをやめ,平成16年9月30日において,P28タイプを芯線直結方式で提供している件数は24万0051件に減少した。 (イ)原告は,平成16年4月27日に公表した「○○P28タイプの設備設置状況等について」において,既に芯線直結方式で利用しているユーザーについても,今後2年間をめどに,順次分岐方式へ移行する予定であることを明らかにしている。 (ウ)したがって,原告は,遅くとも平成16年4月 ついて」において,既に芯線直結方式で利用しているユーザーについても,今後2年間をめどに,順次分岐方式へ移行する予定であることを明らかにしている。 (ウ)したがって,原告は,遅くとも平成16年4月1日以降は,新規にP28タイプを提供するに当たって,芯線直結方式の設備を使用していないものと認められる。 ( )P28タイプの顧客獲得状況について ア平成14年5月のP28タイプの申込み受付開始以降,申込み件数は,- 32 -同年8月までは月間1000件前後にとどまっていたが,同年9月以降は毎月数千件で推移し,平成15年2月までの10か月間の合計は約3万3000件であった。 イ平成15年3月に,4月からのP28タイプのユーザー料金引下げを公表し,サービス提供エリアの拡大及び開通期間の短縮化を実施したことから,月間申込み件数は,平成15年3月には約7500件となり,4月から6月には毎月2万件前後に増加した。 ウ原告のFTTHサービス(集合住宅以外)の契約回線件数は,平成15年9月末には19万3000件,平成16年3月末には32万4000件となった。 ( )P28タイプ導入後平成16年3月までの他の事業者の参入状況につい てア前記( )エ(イ)のとおり,東日本地区において戸建て住宅向けFTTHサ ービスを行っている事業者としてみるべき者は,原告のほか,P1及びP2のみであったが,この状況は,平成16年3月末まで変化はない。 原告のP28タイプ導入後,原告の加入者光ファイバ設備に接続して戸建て住宅向けFTTHサービスに参入したのはP5のみである。 ,,,,なおP7は前記( )エ(イ)のとおり試験的に接続しているにすぎず サービス提供の実績はなかった。 イP5は,平成15年6月から,原告の加入者光ファイバ設備に分岐 みである。 ,,,,なおP7は前記( )エ(イ)のとおり試験的に接続しているにすぎず サービス提供の実績はなかった。 イP5は,平成15年6月から,原告の加入者光ファイバ設備に分岐方式又は芯線直結方式で接続して北海道江別市をサービス提供エリアとして戸建て住宅向けFTTHサービスを開始した。分岐方式の最低料金は月額3980円(ISP料金込み,芯線直結方式の利用料金は月額8800円)であった。 ウ株式会社P11(以下「P11」という)は,光ファイバ敷設のため。 の国及び市からの補助金を利用して,ケーブルテレビに使用するネットワ- 33 -ークを光ファイバに張り替えて,平成15年4月から北海道帯広市をサービス提供エリアとして戸建て住宅向けFTTHサービスを始めた。 ()平成16年4月以降の状況について ア接続約款の変更等(ア)原告は,総務大臣に対し,平成16年10月13日「1Gbpsま,での符号伝送が可能な光信号伝送装置との接続に関する接続料の設定」を内容とする接続約款変更の認可を申請し,同年11月26日,認可を受けた。接続約款の変更の主な内容は「分岐方式に用いられている1,(),00Mbpsまでの符号伝送が可能な光信号伝送装置OLTに加え新たに1Gbpsまでの符号伝送が可能なOLTを導入することに伴,」,いOLTの接続料金を月額4024円に設定するというものであり最大通信速度1Gbpsが可能となるGE-PON方式のOLTとの接続料金の基本料金(平成14年5月に認可された接続料金の基本料金2万0130円及び平成15年3月に認可された接続料金の基本料金1万7145円と対比すべきもの)は月額1万2123円とされた。 (イ)これとは別に,原告は,総務大臣に対し,平成16年10月13日,「シェ 130円及び平成15年3月に認可された接続料金の基本料金1万7145円と対比すべきもの)は月額1万2123円とされた。 (イ)これとは別に,原告は,総務大臣に対し,平成16年10月13日,「シェアドアクセス方式の提供に用いられる光信号分岐端末回線部分の接続料等の見直し」を内容とする接続約款変更の認可を申請し,同年12月21日,認可を受けた。接続約款の変更の主な内容は,以下のとおりである。これにより,他の電気通信事業者にとって,原告の分岐方式の設備との接続の利便性が向上したものと認められる。 ①アンバンドルメニューの追加,,,,従来分岐方式の設備は光信号分岐端末回線光信号主端末回線局内スプリッタ及び光信号伝送装置(OLT)を一括して他の電気通信事業者に使用させるものであったが,接続点を収容局内のOLTにおける箇所に加え,加入者光主配線盤における箇所を追加し,分岐端- 34 -末回線及び主端末回線のみをアンバンドルで提供することとした。 ②接続料金の変更従来,分岐端末回線の設置に要する費用は,すべて月額接続料金として月額763円と設定されていたが,このうち,他の電気通信事業者の申込みごとに必ず発生する局外スプリッタからユーザー宅までの,,分岐端末回線の費用については創設費として別途設定するとともに接続料金を月額763円から562円(原告が設置する屋外キャビネットを使用する場合)に引き下げた。また,解約等のため分岐端末回線の単芯区間の撤去依頼があった場合の撤去費用を別途設定し,利用者との契約が終了しているにもかかわらず撤去依頼がなく,当該回線を再使用できないために未利用期間が生じる場合は,それまで接続していた電気通信事業者が当該区間の接続料金を継続して負担することとした。 ③光配線区域情報の提供原告の光配線 去依頼がなく,当該回線を再使用できないために未利用期間が生じる場合は,それまで接続していた電気通信事業者が当該区間の接続料金を継続して負担することとした。 ③光配線区域情報の提供原告の光配線区域の範囲(配線ブロック,つまり,一つの局外ス)プリッタが分岐端末回線を収容可能な範囲について,配線ブロック番号とこれに属する光配線区域(住所)を情報提供することとし,その調査費を1収容局ごとに7667円と設定した。 イ新規参入の状況(ア)P12株式会社(以下「P12」という)。 P12は,平成16年10月5日から,原告の光ファイバ設備に分岐方式で接続して,戸建て住宅向けFTTHサービスを開始した。P12のFTTHサービスは,GE-PON方式のOLT装置を用いて1Gbpsの光ファイバを複数のユーザーで共有するものである。P12は,前記ア(ア)及び(イ)の接続約款の変更前に,原告と接続点を変更するための交渉を行い,個別協定を締結することにより,原告の収容局に自前の- 35 -GE-PON方式のOLTを設置することとし,ユーザー料金を月額4410円(ISP料金込み)と設定した。 (イ)P6の参入P6は,平成17年1月12日から,原告の光ファイバ設備に接続して,最大1Gbpsの戸建て住宅向けFTTHサービスを月額6720円の利用料金(ISP料金込み)で開始した。P6のFTTHサービスも,GE-PON方式のOLTを用いて1Gbpsの光ファイバを複数のユーザーで共有するものである。 (ウ)P6のP1との接続によるFTTHサービスまた,P6は,平成17年11月28日から,P1の保有する光ファイバ設備に接続してFTTHサービスを開始した。 本件審決における争点に関する判断の概要は,以下のとおりである。 ( )争点1(原告のP28タイプの 成17年11月28日から,P1の保有する光ファイバ設備に接続してFTTHサービスを開始した。 本件審決における争点に関する判断の概要は,以下のとおりである。 ( )争点1(原告のP28タイプの導入及びその値下げは,他の電気通信事 (「」。))業者の事業活動を排除する行為以下排除行為というといえるかについてアP28タイプ導入の前後の時期において,原告以外に戸建て住宅向けFTTHサービスを提供している事業者としてみるべき者は,P1及びP2に限られていたところ,そのサービス提供の基盤となる加入者光ファイバの保有量において,原告は,FTTHサービス事業者の中で東日本地区のほぼ全域において極めて大きなシェアを占めており,また,戸建て住宅向けFTTHサービスの開通件数においても,原告は,東日本地区のほぼ全域において圧倒的シェアを占めていた。 そして,原告は,電気通信事業法上,原告の保有する第一種指定電気通信設備である加入者光ファイバ設備について,他の電気通信事業者から接続の求めがあったときはこれに応ずる義務を負い,その接続料金等について接続約款を定め,これについて総務大臣の認可を受けなければならず,- 36 -当該設備を用いて自ら行うFTTHサービスのユーザー料金について総務大臣への届出を要し,かつ,総務大臣は一定の場合にその変更を命ずることができることとされているところ,前記のとおり認定した行政指導内容としてのインピュテーションルールや第一種指定電気通信設備接続会計規則の規定等に照らせば,原告には,当該設備の接続料金と自己の設定する,,FTTHサービスのユーザー料金との関係について公正競争の観点から当該設備に接続することによりFTTHサービス事業に参入しようとする他の電気通信事業者の参入を困難ならしめることの の設定する,,FTTHサービスのユーザー料金との関係について公正競争の観点から当該設備に接続することによりFTTHサービス事業に参入しようとする他の電気通信事業者の参入を困難ならしめることのないように配慮すべきことが求められているものというべきである。 イしかるに,原告は,最大100Mbpsの通信速度を可能にする戸建て住宅向けFTTHサービスの新しいサービスメニューとしてP28タイプを導入するに当たり,総務大臣に対し,分岐方式の設備構成を採用することを前提として,接続料金の基本料金が月額2万0130円(回線管理運営費143円を除く)となる接続約款の変更申請を行い,32分岐する。 端末回線の利用率を約60%とした場合を基準として1端末回線当たりの,,,接続料金相当額を約4906円と試算して約款変更の認可を受け他方P28タイプのユーザー料金を5800円と設定することを届け出た上,平成14年6月からP28タイプの販売を開始し,実際には,分岐方式を用いることなく,芯線直結方式でそのサービスを提供した。 ウこれにより,原告の保有する加入者光ファイバ設備に接続して新規にFTTHサービス事業を開始しようとする事業者は,以下のとおり,FTTHサービス事業への参入が困難になったものと認められる。 (ア)まず,原告の保有する加入者ファイバ設備に接続して新規にFTTHサービス事業に参入しようとする事業者は,原告に対して支払う接続料金を上回るユーザー料金を設定しなければ,継続的合理的な事業の実施を見込むことができないことは明らかである。 - 37 -新規事業者が,原告と同様に芯線直結方式の設備を利用してFTTHサービスを提供する場合に,原告に支払うべき接続料金は,加入者光ファイバ1芯について5074円であり,新規事業者はこれに加え,少なく 新規事業者が,原告と同様に芯線直結方式の設備を利用してFTTHサービスを提供する場合に,原告に支払うべき接続料金は,加入者光ファイバ1芯について5074円であり,新規事業者はこれに加え,少なくとも原告の局舎内に設置するメディアコンバータ(MC)及び地域IP網への接続料金を支払う必要があるところ,メディアコンバータの接続料金は,1装置(集線型,16回線収容)当たり2万0057円であるから,最大限16ユーザーで利用することとしても1ユーザー当たり1254円となる。したがって,新規事業者は,原告に1ユーザーにつき5074円+1254円=6328円及び局舎内のポートごとに地域IP網への接続料金を支払わなければならない。 ところが,原告はP28タイプのユーザー料金を5800円と設定したのであるから,新規事業者は,原告に上記接続料金を支払いながらこのユーザー料金に対抗するユーザー料金を設定するのでは大幅な赤字を負担せざるを得ず,芯線直結方式による接続によっては,到底原告に対抗して事業を継続することはできない。 したがって,原告の前記行為により,新規事業者が,芯線直結方式で原告の加入者光ファイバ設備に接続してFTTHサービス事業に参入することは,事実上著しく困難になったものと認められる。 (イ)次に,P28タイプが前提とする分岐方式での参入可能性についてみると,特定の収容局の1芯の光ファイバと接続する場合には,その光ファイバが32分岐する地理的範囲において,分岐方式の接続料金(基本料金が2万0130円であり,ユーザー数が増えるに伴い増加するが,1ユーザー当たりの接続料金は逓減する。仮に,1芯32分岐すべてについてユーザーを得た場合は,1ユーザー当たりの接続料金は,2326円(7万4441円÷32)となる)を上回る収入を得られるよう。 十分な ザー当たりの接続料金は逓減する。仮に,1芯32分岐すべてについてユーザーを得た場合は,1ユーザー当たりの接続料金は,2326円(7万4441円÷32)となる)を上回る収入を得られるよう。 十分な数のユーザーを獲得しなければならない。その地理的範囲として- 38 -は,例えば局外スプリッタからは電柱2本分の範囲に限定される。 しかるに,P28タイプ導入時には,既に戸建て住宅向けFTTHサービスの提供実績のある原告自身でさえ,分岐方式を前提としたFTTHサービスについては需要者が増加しない限り採算が取れないと判断し,そうであるからこそ,当分の間は,分岐方式の設備を設置しないこととしたものであることが認められるから,いわんや,FTTHサービス事業に新規に参入しようとする他の事業者が,採算が取れるだけのユーザー数を開拓することは実際上不可能であったと認められる。実際,分岐方式に関心を示した事業者はあったが,問い合わせや試行にとどまっている。 したがって,P28タイプが前提とする分岐方式で原告の加入者光ファイバ設備に接続してFTTHサービス事業に参入することもまた,事実上著しく困難な状況にあったものと認められる。 エ以上の参入困難の状況は,原告が,設備構成の変更に伴う接続料金の改定をした上P28タイプのユーザー料金を平成15年4月以降4500円に値下げする変更を行ったことによっても異ならない。芯線直結方式による接続については,接続料金に変更はなかったのであるから,その困難さが一層大きくなったことは明らかである。また,分岐方式による接続の場合のユーザー獲得の困難さについても,局外スプリッタが8分岐となりそのカバーする範囲が電柱3本分になったことを考えても,大きな変化はないものと認められる。実際,当該値下げに当たって,原告が提供することとし ザー獲得の困難さについても,局外スプリッタが8分岐となりそのカバーする範囲が電柱3本分になったことを考えても,大きな変化はないものと認められる。実際,当該値下げに当たって,原告が提供することとした収容局内4分岐,収容局外8分岐のB-PON方式を採用して事業を開始したのは,北海道江別市にその提供エリアを限定して事業を始めたP5のみであり,しかも分岐方式を用いてサービスを提供しているのは需要が密な特別な場所に限られていた。その一方で,原告は,P28タイプの開通件数を大幅に増加させた。 - 39 -したがって,P28タイプの値下げ後においても,他の事業者が東日本地区において原告の加入者光ファイバ設備に接続して戸建て住宅向けFTTHサービス事業に参入することは依然として著しく困難であったものと認められる。 オ以上によれば,原告が,平成14年6月から平成16年3月までの間に行った,P28タイプのFTTHサービスの提供に当たり,当該サービスを分岐方式を用いて提供するとして,当該サービスの提供に用いる分岐方式の設備との接続料金の認可を受けるとともに,当該サービスのユーザー料金の届出を行いながら,実際には分岐方式を用いず,芯線直結方式を用いて,そのユーザー料金を,いずれも他の電気通信事業者が原告の光ファイバ設備に芯線直結方式で接続してFTTHサービスを提供する際に必要となる接続料金を下回る額である,当初月額5800円,平成15年4月1日以降は月額4500円と設定して,当該サービスを提供した行為(以下「本件行為」又は「本件排除行為」という)は,加入者光ファイバ設。 備を保有しない他の電気通信事業者が,原告の加入者光ファイバ設備に接続して戸建て住宅向けFTTHサービス事業に参入することを困難にし,これを排除していたものと認めることができる。 カ ァイバ設。 備を保有しない他の電気通信事業者が,原告の加入者光ファイバ設備に接続して戸建て住宅向けFTTHサービス事業に参入することを困難にし,これを排除していたものと認めることができる。 カ原告は,私的独占に該当する行為と認めるための要件として行為者の競争制限的意思が必要であり,原告には,他事業者を排除する意思はなかった旨主張する。また,原告は,光ファイバの接続料金を自ら変更することは不可能であるから,この点からも,他事業者の参入を阻止しようとする意図を有していたとはいえないと主張する。 しかし,排除行為の判断に当たって,主観的な意図は必要ではなく,客観的に排除行為が認められれば足りるから,原告が他事業者を排除する意思を有していたかどうかは,前記判断を左右するものではない。 なお,原告は,競争事業者に先駆けたユーザー獲得のために本件排除行- 40 -為を行ったものと推認され,かつ,前記イからエまでの認定事実に照らせば,原告は,P28タイプのFTTHサービスの提供によって,他の事業者が原告の加入者光ファイバに接続してFTTHサービス事業に参入することが事実上著しく困難となることについて,これを認識していたものと推認することができる。 ( )争点2(戸建て住宅向けFTTHサービス市場に一定の取引分野が成立 するか)についてアFTTHサービスは,ブロードバンドサービスの中でも,サービス提供に係る通信設備の違いから,ADSLやCATVインターネットと比べ,より高速大容量の通信が可能であること,上り下りの通信速度が同じであること,接続が安定していること,収容局からの距離にかかわらずサービス提供が可能であるため提供エリアが広いこと,通信品質が良いことなどにおいて,優位な性能を有する一方,ADSLよりもユーザーの利用料金は高い。 ブ 定していること,収容局からの距離にかかわらずサービス提供が可能であるため提供エリアが広いこと,通信品質が良いことなどにおいて,優位な性能を有する一方,ADSLよりもユーザーの利用料金は高い。 ブロードバンドサービスの各サービスについて,大容量のデータ通信を,,行うという意味ではユーザーの目的は共通しているものの各ユーザーはその通信設備,通信サービスの内容及び料金を勘案した上で各サービスを選択するのであって,上記の各サービスにはサービスに応じた個別のユーザーの需要が存するものと認められる。 また,これをブロードバンドサービスの各サービスを供給する事業者側からみると,各サービスごとに通信設備が異なり,特に,FTTHサービス事業については,新たに光ファイバ設備を敷設する必要がある点において,既設の電話回線(メタル回線)やテレビ用のネットワークを利用するADSLやCATVインターネットと比べ,サービス提供を開始するための時間及び費用に差異があるものと認められる。 そうすると,ブロードバンドサービスにおいて,需要者層は各サービス- 41 -ごとに異なる上,各サービスを提供する事業者も各サービスごとに異なるものであるといえるから,ブロードバンドサービスの1つであるFTTHサービス事業について独立した市場を観念することができると解される。 イまた,家庭向けFTTHサービスには戸建て住宅向けのものと集合住宅,,向けのものがありその区分により加入者光ファイバ設備が異なるところこれをFTTHサービス事業者からみれば,集合住宅向けサービスを提供する場合には,特定の集合住宅まで光ファイバ1芯を敷設すれば複数のユーザーの獲得が期待できることとなるが,戸建て住宅向けサービスを提供する場合は,一定数のユーザーの所在するエリアをカバーするネットワークが には,特定の集合住宅まで光ファイバ1芯を敷設すれば複数のユーザーの獲得が期待できることとなるが,戸建て住宅向けサービスを提供する場合は,一定数のユーザーの所在するエリアをカバーするネットワークが必要になる。 ユーザー側からみれば,集合住宅向けFTTHサービスは,一つの建物に引き込まれた光ファイバを複数のユーザーが共用する場合又は共用が見,,込まれる場合に限り提供されるサービスであって戸建て住宅の居住者は集合住宅向けFTTHサービスの提供を受けることはできない。 したがって,戸建て住宅向けFTTHサービスと集合住宅向けFTTHサービスとでは,加入者光ファイバの設備形態及びネットワークに違いがあり,ユーザーにとっても,FTTHサービス事業者にとっても,両サービス間の代替性は極めて限定的であるから,戸建て住宅向けサービスと集,。 合住宅向けサービスとのそれぞれで一定の市場を画定することができるウ以上によれば,戸建て住宅向けFTTHサービスについて,一定の取引分野を画定することができる。 ( )争点3(原告の排除行為は,競争の実質的制限をもたらすものであっ たか)についてア独占禁止法2条5項に規定する「一定の取引分野における競争を実質的に制限すること」の意義については,裁判例上「市場における競争自体,が減少して,特定の事業者又は事業者集団が,その意思で,ある程度自由- 42 -に,価格,品質,数量,その他各般の条件を左右することによって,市場を支配することができる形態が現れているか,又は少なくとも現れようとする程度に至っている状態をいう」などとされているところ,このような趣旨における市場支配的状態を形成・維持・強化することをいうものと解される。 イ戸建て住宅向けFTTHサービスを提供している事業者としてみるべき者は,原 をいう」などとされているところ,このような趣旨における市場支配的状態を形成・維持・強化することをいうものと解される。 イ戸建て住宅向けFTTHサービスを提供している事業者としてみるべき者は,原告のほかP1及びP2に限られていたところ,原告は,その基盤となる加入者光ファイバの保有量においても,戸建て住宅向けFTTHサ,。 ,ービスの開通件数においても極めて大きなシェアを占めていた加えてP1等原告以外の事業者の保有する光ファイバ設備は,地域的に限定されており,かつ,原告の保有する光ファイバ設備に比べて接続しにくいと認められる。したがって,FTTHサービス事業に参入しようとする事業者にとって,原告の加入者光ファイバに接続することが極めて重要であったから,原告のFTTHサービスの内容,ユーザー料金,接続料金のいかんは,新規事業者との間の競争の在り方に大きな影響を及ぼすものである。 しかるに,原告は,第一種指定電気通信設備である加入者光ファイバ設備の保有者として,前記( )アのとおりの立場にあるところ,実際には分 岐方式を当面用いることもなく,かつ,その具体的計画もないのに,分岐方式を用いるとしてP28タイプを導入し,分岐方式による接続料金とユーザー料金を設定しながら,芯線直結方式で,芯線直結方式の接続料金を下回るユーザー料金によりP28タイプのFTTHサービスを提供したものであり,これは,将来性に富んだFTTHサービス事業における原告の優位な地位を早期に確立するため,他社に先駆けたユーザーの獲得を目指して行ったものと推認される。 そして,原告のこのような行為により,前記のとおり,他の電気通信事業者が原告の加入者光ファイバ設備に接続して新規に東日本地区における- 43 -戸建て住宅向けFTTHサービス事業に参入することが困難になり, 告のこのような行為により,前記のとおり,他の電気通信事業者が原告の加入者光ファイバ設備に接続して新規に東日本地区における- 43 -戸建て住宅向けFTTHサービス事業に参入することが困難になり,ひいては新規事業者の参入自体が困難になったものと認められ,そのような状況の中で,前記のとおり原告はユーザー数を大幅に増加させた。 ウこれによれば,原告の行った本件排除行為は,前記ア記載の市場支配的状態を維持し,強化する行為に当たり,東日本地区における戸建て住宅向けFTTHサービスの取引分野における競争を実質的に制限するものに該当するというべきである。 ( )争点4(原告の排除行為は,公共の利益に反するものといえるか)及び 争点5(原告の排除行為は,違法性を阻却する事由が存するか)についてア原告は,加入者光ファイバ等の設備を使用したFTTHサービス事業については,利用ベースの競争だけでなく,設備ベースの競争を促進することこそ重要であり,原告の行為が,独占禁止法違反とされてしまうと,原告の加入者光ファイバ設備等の敷設に係るインセンティブが失われるから,仮に,形式的に独占禁止法上の排除行為に該当するとしても,原告の行為は,公共の利益に反するものではなく,また,原告の行為には正当化事由ないし違法性阻却事由が認められる旨主張する。 しかし,本件においては,原告による接続料金の設定自体をもって違反行為としているのではない。加入者光ファイバ設備の敷設に要するコストは,接続料金の設定の際の算定根拠となり,原告自身及び他の事業者の実際の利用に応じて回収されるものである。また,本件排除行為は,実際には分岐方式を当面用いることなく,かつ,その具体的計画もないのに,分岐方式を用いるとしてP28タイプを導入し,分岐方式による接続料金とユーザー料金を設定しなが のである。また,本件排除行為は,実際には分岐方式を当面用いることなく,かつ,その具体的計画もないのに,分岐方式を用いるとしてP28タイプを導入し,分岐方式による接続料金とユーザー料金を設定しながら,芯線直結方式でこれを提供したことであるが,かかる方法によらなければ,すなわち実際に分岐方式を用いてサービスを提供する段階になってからP28タイプを導入することとするのでは,原告のいうインセンティブが失われるとする合理的な理由を見いだす- 44 -ことはできない。 したがって,この点の原告の主張は理由がない。 イまた,原告は,P28タイプの導入及び値下げは,FTTHサービスのユーザー料金を低下させ,ブロードバンドサービス市場における競争を促,,,進させるものであって消費者の利益に合致するものであったから仮に形式的に独占禁止法上の排除行為に該当するとしても,原告の行為は,公,,。 共の利益に反するものではない又は違法性が阻却される旨も主張するしかし,原告が戸建て住宅向けFTTHサービスのユーザー料金を低下させたにせよ,そのこと自体が同市場における新規参入を困難にしたのであって,このように市場が新規参入者に対し閉鎖されている状況が公共の利益に反しないとはいえないことは明らかである。すなわち,既存事業者間で価格競争が行われることは,基本的に,消費者の利益に合致するが,新規参入を阻止する行為がなければ新規参入者との間で更なる価格競争やサービス競争が行われる可能性があり,これによって消費者の利益が増大することにかんがみれば,本件において値下げが行われたことのみをもって公共の利益に反しない又は違法性が阻却されるとはいえないというべきである。 したがって,同様に,原告の主張は採用することができない。 ( )争点6(電気通信事業法の規制に係 行われたことのみをもって公共の利益に反しない又は違法性が阻却されるとはいえないというべきである。 したがって,同様に,原告の主張は採用することができない。 ( )争点6(電気通信事業法の規制に係る行為を独占禁止法違反に問うこと ができるか)についてア原告は,電気通信事業法が,独占禁止法と同様の公正な競争の促進を目的として独占禁止法より詳細な規制を置いており,接続料金及びユーザー料金に関して独占禁止法に上乗せした規制を行うものであるので,この規制に従う行為への独占禁止法の適用は排除される旨主張する。 確かに,接続料金については,電気通信事業を所管する専門官庁としての総務省が,同事業における競争の促進や利用者の利益の観点から考察を- 45 -行い,かつ,パブリックコメントや情報通信審議会による審議等の手続を経た上で,認可等を与えていることからすれば,当該認可の対象となった料金水準は,特段の事情がない限り,電気通信事業法上は,問題がないものといえる。 しかし,ある行為が一方の法律に違反しないというだけで,当該行為に対し,明文の適用除外規定がない限り,他方の法律の適用それ自体が排除されることはなく,原告の主張は採用することができない。 イ原告は,電気通信事業者が,電気通信事業法に基づいて認可された上,変更認可申請命令が出されていない接続料金や,同法に基づいて届出がなされ,料金変更命令が出されていないユーザー料金に従って事業を行っている場合に,これを独占禁止法違反とすることは,一方の法律に従えば他方の法律に違反するという二律背反の状態となり,許されないとも主張する。 しかし,本件では,上記二律背反の関係にあるとは認められない。本件は,原告がP28タイプについて,電気通信事業法上認可された分岐方式の接続料金の下で分岐方式でサービスを提 許されないとも主張する。 しかし,本件では,上記二律背反の関係にあるとは認められない。本件は,原告がP28タイプについて,電気通信事業法上認可された分岐方式の接続料金の下で分岐方式でサービスを提供し,同法に基づき届け出たユーザー料金を収受することを問題にするものではなく,現に,平成16年4月以降の原告のそのような行為は違反行為としていないのである原告のいう「認可され,かつ,変更認可申請命令が出されていない接続料金」と「届出がなされ,かつ,料金変更命令が出されていないユーザー料金」は,電気通信事業法に規定する手続を経た電気通信事業法上適法な料金のことを指していると思われるが,それらの料金は電気通信事業法上適法であるというにとどまり,原告において接続料金の変更認可申請やユーザー料金の変更届出を行うことができないというものではない。 したがって,原告の主張は採用することができない。 ウまた,原告は,独占禁止法の適用が排除されていないとしても,電気通- 46 -信事業法の規制に従った行為は,競争の実質的制限に該当することはないとも主張する。 しかし,本件で問題としたのは,原告が新たにP28タイプを導入するとして分岐方式の接続料金の認可を受け,分岐方式のユーザー料金を5800円(その後4500円)と設定し,実際には芯線直結方式を用いてサービスを提供したことである。 ユーザー料金について,実態に沿って,芯線直結方式で5800円との届出を行った場合であれば格別,原告自ら届出とは異なる設備構成で提供しているのであるから,電気通信事業法による規制における事業所管官庁の判断を尊重すべきであるとの主張は,その前提を欠く。 エさらに,原告は,公正取引委員会の「行政指導に関する独占禁止法上の考え方」を援用し,法令に具体的に規定がある事業所管官庁による認可 業所管官庁の判断を尊重すべきであるとの主張は,その前提を欠く。 エさらに,原告は,公正取引委員会の「行政指導に関する独占禁止法上の考え方」を援用し,法令に具体的に規定がある事業所管官庁による認可等に従った事業者の行為は独占禁止法違反とはならないと主張するが,電気通信事業法上の取扱いが本件違反行為の認定を左右しないことは前記のとおりであって,原告の主張は採用することができない。 本件審決の法令の適用本件排除行為は,独占禁止法2条5項に規定する私的独占に該当し,同法3条の規定に違反するものであり,かつ,平成16年3月31日をもって当該行為に該当する事実が既になくなっているものと認められ,同法第54条第2項に規定する「特に必要があると認めるとき」に該当しない。そこで,被審人に対し,同条3項の規定により,前記第2の1に記載のとおりの本件審決をするのが相当である。 第3原告の主張する本件審決の取消事由とこれに関する主要な主張 本件審決の事実認定に関する取消事由本件審決の事実認定については,以下のとおり,その事実を立証する実質的な証拠がなく,また,経験則に違反する認定があるから,本件審決は,独占禁- 47 -止法82条1項1号及び2号(経験則違反は2号に該当する)により取り消。 されるべきである。 ( )事実認定を行うに当たり,原告の申出により審判官の面前で直接審訊が された参考人審訊の結果を無視できないことは当然であり,また,原告が提出した陳述書についても,審査官が反対尋問権を放棄した以上,その内容はそのまま認定されるべきであったにもかかわらず,本件審決は,これらの証拠を信用できない理由を示すこともなく,これらを採用せず,漫然と審査官の主張事実を認定し,事実認定行っているが,このような認定は極めて恣意的な認定といわざるを得ず かかわらず,本件審決は,これらの証拠を信用できない理由を示すこともなく,これらを採用せず,漫然と審査官の主張事実を認定し,事実認定行っているが,このような認定は極めて恣意的な認定といわざるを得ず,本件審決の認定には甚だしい事実誤認がある。 ,,,,( )本件審決は原告が実際には分岐方式を当面用いることもなくかつ その具体的計画もないのに,分岐方式を用いるとしてP28タイプを導入したと認定している。 しかし,原告は,P28タイプの提供当初の需要が点在する状況の下では全面的な分岐方式の導入は考えておらず,3年程度は分岐の機器を設置するメリットが生じないであろうと見込んでいただけであり,サービス提供開始後3年以内であっても,その間に需要が増加すれば,当然,速やかに分岐の機器の設置を実施するつもりであったのであるから,P28タイプの導入に当たり分岐方式を用いないことを前提にしていたとする本件審決の認定は誤りである。 また,本件審決は,原告は,平成15年10月に至って,P28タイプの新規ユーザーには分岐方式でサービスを提供することを総務省に回答したが,これは総務省から報告を求められたために方針を改めることとし,その旨を回答したにすぎないものと推認されるとも認定している。 しかし,原告が平成15年末から分岐方式への移行を実施したことについては,確かに総務省から報告を求められたことが契機にはなったものの,平成15年末ころからFTTHサービスの需要増大を受けた加入者光ファイバ- 48 -芯線の複数ユーザーでの共用の可能性が見えてきたこともあって実施したものであり,それまでの方針を改めたものではない。 さらに,この点に関連して,本件審決は,設備構成について質問された場合には,原告は「P28タイプ』及び『P30タイプ』についての方式, って実施したものであり,それまでの方針を改めたものではない。 さらに,この点に関連して,本件審決は,設備構成について質問された場合には,原告は「P28タイプ』及び『P30タイプ』についての方式,『については,技術の進歩等により変わってくることから,詳細の回答は控えさせていただきますが,1本の光ファイバを複数のユーザでシェアリングして接続しております」と答えることとしており,P28タイプを契約しようとするユーザーに対し,しばらくの間は,分岐方式ではなく芯線直結方式により同サービスを販売し,いずれは分岐方式に移行するために工事が必要と,,なる場合があるということについては一切触れていなかったししたがって原告は,設備の切替工事を行うために,芯線直結方式でサービス提供しているユーザーに対し,分岐方式に変えることについて了解を得ることにも手間を要するため,いったん芯線直結方式でサービスを提供したユーザーを分岐方式に切り替えることは極力回避することとしていたとも認定しているが,この認定も誤りである。 ( )本件審決は,原告が,競争事業者に先駆けたユーザー獲得のために本件 行為を行ったものと推認され,かつ,前記認定の事実(前記第2の4の( ) のイからエまでの事実)に照らせば,原告は,P28タイプのFTTHサービスの提供によって,他の事業者が原告の加入者光ファイバに接続してFTTHサービス事業に参入することが事実上著しく困難となることについて,これを認識していたものと推認することができるとし,あたかも原告に他事業者の参入を阻止しようとする意図があったかのように論ずる。 しかし,原告は,P1によるFTTHサービスのユーザー料金に対抗するためにP28タイプの導入を検討するに至ったものであり,このようなP1に対抗する意図を超えて,他事業者の があったかのように論ずる。 しかし,原告は,P1によるFTTHサービスのユーザー料金に対抗するためにP28タイプの導入を検討するに至ったものであり,このようなP1に対抗する意図を超えて,他事業者の新規参入を妨げる意図を有していたことを示す証拠は存在しない。 - 49 -( )本件審決は,原告の分岐方式の加入者光ファイバ等設備への接続に係る 原告とP2との間の協議の状況や,P6からの分岐回線のユーザー単位での接続要望に対して実現は困難と回答したことをもって,原告が,分岐方式でのFTTHサービスの提供が現実的でないことを認識していたことを窺わせる事情であると認定している。 しかし,このような他事業者との協議状況から,原告が,分岐方式でのFTTHサービスの提供が現実的でないことを認識していたことを窺わせると認定する推認過程は全く理解不能であり,前提事実から推認することができない事実を推認しているといわざるを得ない。 ( )本件審決は,原告が,設備情報を開示すると,他の電気通信事業者が未 使用の加入者光ファイバの存在を知ることができるようになり,これらの事業者が,原告よりも先に加入者光ファイバを押さえてしまうおそれがあるため,当面,設備情報をアウトバウンド営業で活用することとしたと認定している。 しかし,原告の営業部門は他事業者と同様に設備情報を利用できない立場にあったから,原告が当該情報を他事業者に開示せず自らはアウトバウンド営業で活用するということはなく,明らかに誤った事実認定である。 ( )本件審決は,原告の平成14年4月の接続約款変更の認可申請について 総務省が行った意見募集に対し,P9が「○○P28タイプについては接,続事業者がP4と同一の水準の料金で提供することは困難なため,ユーザー料金が接続料金を下回っていないか早 の認可申請について 総務省が行った意見募集に対し,P9が「○○P28タイプについては接,続事業者がP4と同一の水準の料金で提供することは困難なため,ユーザー料金が接続料金を下回っていないか早急に検証し,検討結果を出してもらいたい。このような検証は定期的に実施し,その時点の実績を反映した設備の利用率を考慮して行うべきである」旨の意見を提出し,原告の平成15年。 1月の接続約款変更の認可申請について総務省が行った意見募集に対し,P10株式会社が「P28タイプの接続料と利用者料金の関係について,反,競争的でないかどうか詳細に検証すべきである。○○サービスは,市場が形- 50 -成途上にあり,熾烈な価格競争が行われており,市場シェアの大幅な変動の可能性があるので,検証すべき優先度が高い」旨の意見を,P6が「加。 ,入者光ファイバの料金が高価であり,1光ファイバを共用する方法でユーザー料金を低廉化させることが必要であるが,○○アンバンドルは設備単位,32回線単位での接続料金となっていることから,P27のユーザー料金と同レベルには設定できない。ADSLと同様,回線単位での接続料金を設定すべきである」旨の意見をそれぞれ提出したと認定している。 。 しかし,本件審決は,情報通信審議会が,これらの他事業者の意見のいずれをも採用せず,原告の接続料の設定は適正であると判断したことを認定していない。本件審決は,あえて原告にとって不利な事実のみ恣意的に切り取って,あたかも原告の接続約款ないし接続料に問題があるかのように論じるという極めて悪意に満ちた不公正な認定をしている。 本件審決の法令の解釈適用に関する取消事由,,,本件審決の判断は以下のとおり独占禁止法の解釈適用を誤っているから本件審決は,独占禁止法82条1項2号により取り消されるべき 認定をしている。 本件審決の法令の解釈適用に関する取消事由,,,本件審決の判断は以下のとおり独占禁止法の解釈適用を誤っているから本件審決は,独占禁止法82条1項2号により取り消されるべきである。 ( )本件審決の独占禁止法の適用について 本件審決は,原告が,平成14年6月1日以降,戸建て住宅向けのFTTHサービスとして新たに「P28タイプ」と称するサービスを提供するに当たり,原告の電話局から加入者宅までの加入者光ファイバについて,分岐方式を用いるとして,P28タイプのFTTHサービスの提供に用いる設備との接続に係る接続料金の認可を受けるとともに,当該サービスのユーザー料金の届出を行ったが,実際には分岐方式を用いず,芯線直結方式を用いて当該サービスを提供したところ,原告は,当該サービスのユーザー料金を,当,,初月額5800円平成15年4月1日以降は月額4500円と設定したがいずれも,他の電気通信事業者が原告の光ファイバ設備に芯線直結方式で接続してFTTHサービスを提供する際に必要となる接続料金を下回るもので- 51 -あったと認定した上で,この原告の行為(以下「本件行為」という)は,。 原告の光ファイバ設備に接続して戸建て住宅向けFTTHサービスを提供しようとする事業者の事業活動を排除することにより,東日本地区における戸建て住宅向けFTTHサービスの取引分野における競争を実質的に制限していたものであって,これは,独占禁止法2条5項に規定する私的独占に該当し,同法第3条の規定に違反するものであると判断している。 ( )他の事業者の事業活動を排除するとの要件について ア次のとおり,芯線直結方式における接続料とP28タイプのユーザー料金とを比較することは正当でない。 P28タイプはP29タイプとは異なり,分岐方式を前 業者の事業活動を排除するとの要件について ア次のとおり,芯線直結方式における接続料とP28タイプのユーザー料金とを比較することは正当でない。 P28タイプはP29タイプとは異なり,分岐方式を前提としたサービスであるから,他事業者が芯線直結方式で参入してP28タイプに対抗できるか否かを問題にしていること自体,比較の対象とならないものを比較するものであり,本件審決の前記( )の判断は誤りである。 イ以下のとおり,原告の本件行為は,他事業者が戸建て住宅向けFTTHサービス事業に芯線直結方式で参入することを排除していないから,本件審決の前記( )の判断は誤っている。 (ア)ユーザー及び他事業者は,P28タイプを分岐方式のサービスとして認識していたから,他事業者は,ユーザー料金が高くとも,通信速度等の優位性を訴えるなどして,芯線直結方式により戸建て住宅向けFTTHサービスに容易に参入することができたのであって,原告の本件行為により,他事業者の芯線直結方式での参入は何ら困難になっていない。 (イ)原告は,P28タイプが需要拡大時点で分岐の機器を設置し,数年間のスパンで通算して黒字化させる予定であったから,投資コストの回収を予定していた中長期的期間で見ると,被告が主張するような接続料とユーザー料金の逆ざやは生じないから,原告の本件行為は,接続料とユーザー料金の逆ざやによって他事業者の参入を排除するものではなかっ- 52 -た。 (ウ)原告の加入者光ファイバ設備の構築・維持のコストと接続料とは利用数量に応じて同額になるように算定されている以上,原告と原告の設備を利用する他事業者は,同等のコスト負担及び条件で原告の設備を利用することができたものであり,原告は,このように原告の設備の利用に関して競争条件の同等性が確保されている中で, 以上,原告と原告の設備を利用する他事業者は,同等のコスト負担及び条件で原告の設備を利用することができたものであり,原告は,このように原告の設備の利用に関して競争条件の同等性が確保されている中で,需要点在期において,,,顧客獲得リスクをとってP28タイプの提供を開始したものであって原告の本件行為は排除行為には当たらない。 (エ)原告の加入者光ファイバ設備の利用について,原告と他事業者との間にコスト負担と条件の同等性が存在する以上,他事業者は,原告と同等のコスト負担及び条件で,当初は原告の芯線直結方式の設備を利用し,需要拡大後は原告の分岐方式の設備を利用して,原告のP28タイプと全く同一の内容・ユーザー料金のサービスを提供することができたから,原告の本件行為は排除行為には当たらない。 (オ)仮に接続料とユーザー料金の逆ざやによって他事業者の芯線直結方式での参入が困難であったとしても,P1は,原告の芯線直結方式の設備の接続料を下回るユーザー料金で芯線直結方式のサービスを提供していたのであるから,P28タイプの提供と他事業者の参入の困難性との間には条件関係・因果関係がないというべきである。 ウまた,以下のとおり,原告の本件行為は,他事業者が戸建て住宅向けFTTHサービス事業に分岐方式で参入することも排除していないから,本件審決の前記( )の判断は誤っている。 (ア)分岐方式での参入後直ちに採算が取れるだけのユーザーを獲得することは容易でないとしても,FTTHサービス事業はユーザー数の大幅な増加が期待される市場であり,営業努力により中長期的にユーザーを獲得することは十分可能であった。 - 53 -(イ)他事業者は,原告のP28タイプは分岐方式であると認識していたから,分岐方式を採用し,原告と同等のコスト負担及び条件で,P28 期的にユーザーを獲得することは十分可能であった。 - 53 -(イ)他事業者は,原告のP28タイプは分岐方式であると認識していたから,分岐方式を採用し,原告と同等のコスト負担及び条件で,P28タイプと同程度のユーザー料金を設定して,戸建て住宅向けFTTHサービス事業に参入することができた。 (ウ)以上は,平成16年4月以降,その前後で他事業者の分岐方式による参入の難易を巡る状況には全く有意な変化がないにもかかわらず,P12やP6による分岐方式での新規参入が現実に相次いで発生していることからも裏付けられる。 エ次のとおり,本件行為は正当な競争行動であり,反競争性を欠く。 FTTHサービスにおける価格の引下げは,物価の抑制及び効率性の向上に寄与するもので,本来的に,競争的に望ましい企業行動である。したがって,安い価格の設定は原則として競争的な行動であり,これが反競争的となるのは,供給に要する費用を著しく下回る価格で継続して供給するなど,非常に例外的な場合に限られる。本件行為は,価格及び品質の能率競争を促進する正当な競争行動である。 ( )一定の取引分野における競争を実質的に制限するとの要件について ア本件審決は,前記( )のとおり,原告の本件行為が,東日本地区におけ る戸建て住宅向けFTTHサービスの取引分野における競争を実質的に制限していたものと判断しているから,独占禁止法2条5項の「一定の取引分野」を「東日本地区における戸建て住宅向けFTTHサービス市場」と捉えている。 しかし,本件における「一定の取引分野」は,戸建て住宅向けFTTHサービス市場ではなく,ADSLサービスやCATVインターネットサービス等を含むブロードバンドサービス市場と捉えられるべきである。そして,そのブロードバンドサービス市場において,激しい競争が TTHサービス市場ではなく,ADSLサービスやCATVインターネットサービス等を含むブロードバンドサービス市場と捉えられるべきである。そして,そのブロードバンドサービス市場において,激しい競争が行われていることからすれば,競争の実質的制限が存在しないことは明らかである。 - 54 -イ仮に「一定の取引分野」を「東日本地区における戸建て住宅向けFTTHサービス市場」としたとしても,原告の本件行為は,競争の実質的制限をもたらすものではないから,本件審決の上記判断は誤っている。 ,,(ア)原告の本件行為の当時P1やP2という強力な競争事業者が存在し安価なサービス提供を率先して行っており,原告と激しい価格競争が行われ,現に,P1の価格引下げと原告のP28タイプの提供によって価格競争が行われた結果,FTTHサービスの価格が大幅に下がって,ユーザー数が増大した。このように,価格競争が現に行われ,それが機能していた以上,競争の実質的制限は認められない。 (イ)光ファイバの保有については,P1も原告に比肩できるだけの量を保,,,有しているし原告が保有する光ファイバについてはP1とは異なり電気通信事業法の接続約款規制によって他事業者との競争条件の同等性を図らなければならないとの負担があったから,光ファイバ保有量をもって原告の市場支配力を認定することはできないはずである。 (ウ)原告のシェアが高いとしても,FTTH市場は新しい市場であり,将来的に需要が大きく拡大することが見込まれ,他事業者が参入して新たな需要者を獲得することは容易に行われ得るから,単にシェアが高いことをもって原告の市場支配力を認定することはできないはずである。 (エ)P12やP6の新規参入も現実に発生していること等の他の事情に照らしても,戸建て住宅向けFTTHサービス ら,単にシェアが高いことをもって原告の市場支配力を認定することはできないはずである。 (エ)P12やP6の新規参入も現実に発生していること等の他の事情に照らしても,戸建て住宅向けFTTHサービス市場において,競争自体が減少して,原告がその意思で,ある程度自由に,価格,品質,数量,その他各般の条件を左右することによって,市場を支配することができる状態ではなかったことは明らかである。 ( )公共の利益に反してとの要件等について 原告のP28タイプの導入やその値下げは,万が一,独占禁止法2条5項の「私的独占」のその他の成立要件を満たすとしても,以下のとおり「公,- 55 -共の利益に反して」との要件を満たしておらず,あるいは,正当化事由ないし違法性阻却事由が認められる。 まず,本件で問題とされている加入者光ファイバ等の設備は,まさに現在整備中のネットワークであるため,原告は,P1その他自ら加入者光ファイバ等設備を敷設している事業者との間で,FTTHサービスの提供という面だけでなく,設備構築という面においても競争してきたものであるが,より広範囲のユーザーが,より安く,より性能の優れたFTTHサービスを利用,,できるようにするためにはネットワークの更なる整備が不可欠であるから事業者が顧客獲得のリスクを負担して先行投資を行うことのインセンティブを確保し,かかる設備ベースの競争を促進することは,消費者の利益の観点から非常に重要であるが,本件審決は,原告の設備投資のインセンティブを著しく削ぐものである。 また,原告は,P1等のFTTHサービス事業者やADSLサービス事業者,CATVインターネットサービス事業者等との間で価格競争力を保ち,FTTHサービスを普及させるために従来のP29タイプに比して大幅に安いユーザー料金でP28タイプを導 業者やADSLサービス事業者,CATVインターネットサービス事業者等との間で価格競争力を保ち,FTTHサービスを普及させるために従来のP29タイプに比して大幅に安いユーザー料金でP28タイプを導入し,値下げを行った。この価格競争の進展により,ブロードバンド市場における競争は促進され,FTTHサービスの利用者は増加した。このように,P28タイプの導入及びユーザー料金の値下げは,FTTHサービスをより安価でユーザーに提供して普及させたものであり,独占禁止法が保護の対象とする消費者の利益に合致する。にもかかわらず,P28タイプの導入及び値下げが私的独占に該当するとされるのであれば,原告としては,FTTHサービスのユーザー料金を高止まりさせなければならなくなり,かえって消費者の利益に反する結果となる。 ( )独占禁止法の適用除外等について 本件審決は,電気通信事業法に従った原告の行為が独占禁止法に違反するとしている。しかし,電気通信事業法が公正競争を確保するために規制を課- 56 -し,それを遵守したサービス提供がなされているにもかかわらず,それとは別に独占禁止法を適用され,違法であるとされれば,二つの矛盾した規制が原告に課されることとなり,原告は独占禁止法遵守と電気通信事業法遵守との間で二律背反の関係に立たされ,極めて酷な状況に陥る。したがって,電気通信事業法において,接続料及びユーザー料金を公正競争の促進の観点から是正する諸制度が定められている以上,総務大臣による認可等を受けた接続料・ユーザー料金に従った原告の事業活動については,独占禁止法の適用が排除されると解すべきである。 仮に独占禁止法の適用自体が排除されないとしても,同じ日本法に属する独占禁止法と電気通信事業法とがその内容や運用を区々とすることは,日本法が全体として統一的 法の適用が排除されると解すべきである。 仮に独占禁止法の適用自体が排除されないとしても,同じ日本法に属する独占禁止法と電気通信事業法とがその内容や運用を区々とすることは,日本法が全体として統一的な内容をなすべきであるという当然の理念に反するだけでなく,規制を受ける事業者にとっても,規制対応体制を複雑化させ,予測可能性を減じ,それらが相俟って活発な事業活動の妨げとなり,かえって独占禁止法や電気通信事業法の理念に反する結果をもたらすことになるから,電気通信事業法を所管する官庁であって情報通信政策に関する専門知識を持つ総務省が,認可した原告の接続料について接続料変更認可申請命令を発しておらず,届け出られた原告のユーザー料金についてユーザー料金変更命令を発していないという事実がある場合には,特段の事情がない限り,当該接続料及びユーザー料金による原告のFTTHサービスの提供は競争の実質的制限を満たさないものと考えるべきである。 原告が分岐の機器を設置することなくP28タイプを販売していたことに関し,総務省が平成15年11月12日付けで原告に対して行政指導を行っているが,その行政指導では,原告に電気通信事業法違反があるとは判断されておらず,また,総務省は,接続料変更認可申請命令やユーザー料金変更命令も行っていない。すなわち,総務省は,P28タイプの提供方法に関する事実関係を調査の上で,これを電気通信事業法上違法と判断せず,料金変- 57 -更命令を行っていないのであるから,独占禁止法の適用においても特段の事情がない限り適法と判断すべきである。 第4当裁判所の判断 本件審決の事実認定に関する取消事由(第3の1)について( )原告は,事実認定を行うに当たり,原告の申出により審判官の面前で直 接審訊がされた参考人審訊の結果を無視できないこ 当裁判所の判断 本件審決の事実認定に関する取消事由(第3の1)について( )原告は,事実認定を行うに当たり,原告の申出により審判官の面前で直 接審訊がされた参考人審訊の結果を無視できないことは当然であり,また,原告が提出した陳述書についても,審査官が反対尋問権を放棄した以上,その内容はそのまま認定されるべきであったにもかかわらず,本件審決は,これらの証拠を信用できない理由を示すこともなく,これらを採用せず,漫然と審査官の主張事実を認定し,事実認定行っているが,このような認定は極めて恣意的な認定といわざるを得ず,本件審決の認定には甚だしい事実誤認があると主張する。 しかし,被告から送付を受けた公正取引委員会平成○年(判)第○号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反審判事件(以下「本件審判事件」という)の記録を検討するに,審判官は,原告の提出した陳述書及。 び原告の申出により実施された参考人審訊の結果を含む本件審判事件に現れた全ての証拠を総合的に検討した上で,事実認定を行っているものと認めることができる。そして,陳述書や参考人審訊の結果を採用するか否かは,その内容の合理性,客観的に明らかになっている事実や他の証拠との整合性等,,を検討して判断されるべきものであり審査官が反対尋問権を放棄した以上原告の提出した陳述書の内容はそのまま採用されるべきであるとか,あるいは,原告の提出あるいは申出に係る証拠を採用しない理由を示すことなく,審査官の主張事実をそのまま認定するのが恣意的であるとかいう原告の主張は,法律上の根拠を欠く独自の見解であって,採用することでがきない。 ( )ア原告は,前記のとおり,本件審決が,原告が,実際には分岐方式を当 面用いることもなく,かつ,その具体的計画もないのに,分岐方式を用い- 58 -る 解であって,採用することでがきない。 ( )ア原告は,前記のとおり,本件審決が,原告が,実際には分岐方式を当 面用いることもなく,かつ,その具体的計画もないのに,分岐方式を用い- 58 -るとしてP28タイプを導入したと認定したことについて,P28タイプの提供当初の需要が点在する状況の下では全面的な分岐方式の導入は考えておらず,3年程度は分岐の機器を設置するメリットが生じないであろうと見込んでいただけであり,サービス提供開始後3年以内であっても,その間に需要が増加すれば,当然,速やかに分岐の機器の設置を実施するつもりであったのであるから,P28タイプの導入に当たり分岐方式を用いないことを前提にしていたとする本件審決の認定は誤りであると主張する。 しかし,前掲の本件審判事件の記録における証拠(以下「本件証拠」という)を検討すると,被告が指摘するとおり,以下の証拠が存在する。 。 (ア)査第29号証(原告の設備部設備計画部門・計画マネジメント担当・担当課長P13の審査官に対する供述調書)P13は「P28タイプを直結式から分岐式に移行するタイミング,としては,例えば自治会などのある一定の地域からまとまった数の申し込みがあり,その結果スプリッタの収容効率が高まるときですが,現時点では,そのような状況が直近に訪れるとは想定していません。また,現在直結式でエンドユーザーに提供しているP28タイプを分岐式に移行させることは,技術的には可能ですが,そのためには,スプリッタを光ファイバに後付して,更に,エンドユーザー側に設置されているONUとP4局舎側に設置されているSLTあるいはOLTといった装置を替える必要が生じ,このとき,直結式でP28タイプのサービスを受けているエンドユーザーの回線を一時期中断させることになりますので,エンドユーザ 舎側に設置されているSLTあるいはOLTといった装置を替える必要が生じ,このとき,直結式でP28タイプのサービスを受けているエンドユーザーの回線を一時期中断させることになりますので,エンドユーザー対応の点で煩雑な作業になります。P28タイプを分岐式に移行させるかどうかの指示を各支店に出すのは,私の担当ですが,現在,将来,仮に分岐式に移行するにしてもどのような手順,方法で移行させるのかについて,検討していません」と供述している。 。 - 59 -(イ)査第111号証(原告のP14支店設備部・部長P15の審査官に対する供述調書)P15は「P28タイプの検討をしている段階ではどの程度売れる,か予想できず,売れ方を見ながらB-PONの導入を検討していくのが一番リーズナブルだということですが,具体的にどのような状況になればB-PONを導入するかといった基準は決めていません」と供述し。 ている。 (ウ)査第130号証(原告のサービス開発部○○サービス推進室ブロードバンドサービス担当・担当部長P16の審査官に対する供述調書)P16は「サービス提供当初から,分岐するための機器であるスプ,リッタを設置するかどうかは設備部などの関係部署が集まり,当時の需要動向からは設置しないこととしたと聞いております。今後スプリッタを設置するかどうかについても同じように関係部署が集まり検討することになると思いますが,現在はまだ分岐の時期,方法について方針は決まっていません」と供述している。 。 (エ)査第149号(原告の設備設備計画部門計画マネジメント担当・P17の審査官に対する供述調書)P17は「8分岐スプリッタ未導入についての理由は,私か計画マ,ネジメント担当で私と同じラインのP18から,担当課長のP13の了。 ,,解を得て回答しています現在 7の審査官に対する供述調書)P17は「8分岐スプリッタ未導入についての理由は,私か計画マ,ネジメント担当で私と同じラインのP18から,担当課長のP13の了。 ,,解を得て回答しています現在各支店から同様の問い合わせがくれば当面は現状のSS方式で実施すると回答します。また,遅くてもいつまでには8分岐スプリッタを導入するといった計画は今のところありません」と供述している。 。 (オ)査第152号証(原告の第二部門ネットワークビジョン担当・担当部長P19の審査官に対する供述調書)P19は「SS方式からPON方式に移るタイミングや作業工程に,- 60 -ついては,まだ何も決まっていませんが,私個人の感想としては,光ファイバーの利用率が高まってきて,新しいケーブルを敷設しなければならなくなった時点において,新ケーブルの敷設とスプリッターの設置とでどちらが低コストかを検討して移行のタイミングになるものと思っています」と供述している。 。 (カ)査第154号(原告の経営企画部営業企画部門接続料金担当・担当課長P20の審査官に対する供述調書)P20は「資料中の「3.どのタイミングで局外SPを設置して,,芯線共用するか」ということは,私が最も聞きたかったことです。なぜなら接続料金は,5年間の将来需要予測と将来費用予測により算定しており,○○のP28タイプのサービス提供形態が5年間SS方式のままだということになれば,接続料金もチェックする必要があると考えていたためです。利用部門の主管であるサービス開発部のP16部長を見ながら聞いたのですが,時期についても,基準についても,現在はまだ検討中で決まっていないというような回答でした」と供述している。 。 (キ)査第161号(原告の相互接続推進部接続営業部門・担当部長P21の審査官に対する 時期についても,基準についても,現在はまだ検討中で決まっていないというような回答でした」と供述している。 。 (キ)査第161号(原告の相互接続推進部接続営業部門・担当部長P21の審査官に対する供述調書)P21は「設備部に聞いたところ,○○ではB-PONの実績はな,く,フローもないと言われたので,きちんとモデルを作っておかなければいけないと思い,設備部にモデルビルを作るようお願いをしたのですが,5月になっても進捗がはかばかしくなかったので,他事業者はいつくるか分からないのだから早くしてほしいと言いました。また,需要が増えれば○○にPON方式を入れるつもりがあるということなので,そうであるなら検証ぐらいしておかないと誤解を受けるのではないか,と公取の名前を借りて急がしました」と供述している。 。 (ク)第11回審判速記録(参考人P22及び同P13の審訊調書)- 61 -P23審判官の「当初,分岐の設備は入れていなかったわけですけれども,例えば遅かったら何年以内に入れるかとか,あるいはどの程度客が一定の地域の中に増えたら入れるとか,そういった何らかの見通しというか,計画的なものはあったんですか」との質問に対し,P22参。 考人は「社内的なシミュレーションみたいなやつをいろいろな形でや,っていたのは事実なんですが,社内の基準で,需要が幾らまで出たらとか,面的な普及度合いみたいなのがここまで来たらとかというのをあらかじめ数量的に何か社内で決めておったかというと,そういうことではなくて,基本的にはいずれにしても設備でございますので,ある程度将来を見込んでということはございますので,そこのところは基本的に将来需要がある程度立ち上がるなと経営として一応判断できる時点で判断しようじゃないかと,こういうことだったと思います」と供述し,さ 将来を見込んでということはございますので,そこのところは基本的に将来需要がある程度立ち上がるなと経営として一応判断できる時点で判断しようじゃないかと,こういうことだったと思います」と供述し,さ。 らにP23審判官が「そうしますと,最悪の場合には,利用客が増え,なかったら,分岐方式をずっと設置しない方が採算上メリットがあることになるんですか」と質問したのに対し,P22参考人は「論理的。 ,に言うと,そういうこともあり得るんだと思いますが,少なくとも事業としては,何とか需要を立ち上げて,いずれにしても,最終,シェアードにしない限り,採算性のとれるサービスにならないものですから,それに向けてあらゆる努力をする,これが当時の経営の判断であったと思います」と供述している。 。 また,P24代理人が「それは具体的にどれぐらい需要が発生した,ら分岐のための機器をいれるということは社内で決められていたんでしょうか」との質問に対し,P13参考人は「具体的な基準はありま。 ,せんでした。スプリッタを置いてやるのは,幾つかのシミュレーションというか,検討は当時行いまして,全くしていなかったわけではなかったんですけれども,判定基準とか,いついつになったら,どの状態に達- 62 -したらというような判断の計画基準自体は設定してなかったという形になります」と供述している。 。 さらに,P23審判官の「それから,またちょっと話は変わるんですけれども,実際にスプリッタを設置していく上で,一定程度以上の収容があれば確実にコストとしては可能だという人数がいると思うんですね。例えば全員一致の地域内で同一の光ファイバからスプリッタを経由して全部入れば,実際にはそれだけのお客さんがなかったようですけれども,理屈としては,スプリッタを入れてもコストが取れて,むし んですね。例えば全員一致の地域内で同一の光ファイバからスプリッタを経由して全部入れば,実際にはそれだけのお客さんがなかったようですけれども,理屈としては,スプリッタを入れてもコストが取れて,むしろその方が,実際黒字になるわけですから,結論的には,そういう場合は明らかにスプリッタを入れた方がいいと思うんですけれども,いろいろシミュレーションしている中で,こういう場合は確実に入れるべきだというケースというのは幾つかあり得たんですか」との質問に対し,P1。 3参考人は「そこまではなかったです」等と供述している。 ,。 以上の証拠によれば,本件審判の上記認定のとおり,原告が,実際には分岐方式を当面用いることもなく,かつ,その具体的計画もないのに,分岐方式を用いるとしてP28タイプを導入したとの事実を認定したことは合理的であるから,原告の上記主張は採用することができない。 イまた,原告は,本件審決が,平成15年10月に至って,P28タイプの新規ユーザーには分岐方式でサービスを提供することを総務省に回答したが,これは総務省から報告を求められたために方針を改めることとし,その旨を回答したにすぎないものと推認されると認定していることについて,同年末から分岐方式への移行を実施したことについては,確かに総務省から報告を求められたことが契機にはなったものの,同年末ころからFTTHサービスの需要増大を受けた加入者光ファイバ芯線の複数ユーザーでの共用の可能性が見えてきたこともあって実施したものであり,それまでの方針を改めたものではないと主張する。 - 63 -しかし,本件証拠中の前掲第11回審判速記録によれば,P25審査官の「このB-PON方式の分岐装置を購入するというその投資計画というのは,平成15年度の当初の事業計画に含まれていましたでしょうか」 しかし,本件証拠中の前掲第11回審判速記録によれば,P25審査官の「このB-PON方式の分岐装置を購入するというその投資計画というのは,平成15年度の当初の事業計画に含まれていましたでしょうか」。 との質問に対し,P22参考人は「たしかB-PONを入れるというふ,うな具体的な計画を作りましたのが,先ほどお話にもありましたとおり,行政指導を受けたのをトリガーにして決めましたものですから,細かい積算の根拠がどうだったのかというのはよく記憶しておりませんが,基本的には当初の時点で入っていたか入っていなかったかというのは,その時点で言うと,具体的な計画はなかったのは事実でございますので,入っていたとも,入っていなかったともちょっと申し上げられないんですが,明確に入っていたかどうかは分かりません」と供述している。また,P25。 審査官の「そうすると,大体いつごろになれば分岐が必要だなというのはなかったんですか」との質問に対し,P13参考人は「ありませんで。 ,した。シミュレーションの一環としてやったものは確かにあります。例えば光ファイバの使用率がこれぐらいが一つの目安になるんじゃなかろうかとか,あるいは例えばそれに類するようなケースというのは幾つかあったと思うんですけれども,ただ,それは時期がいつと予見したり約束したりとかいう,時期を具体的な計画にしているということはしておりませんでしたので,そういう意味では,ありませんでした」と供述している。さ。 らに,P25審査官の「それから,P26は平成15年の年末ごろに分岐方式を入れるという方針に変わりましたよね」との質問に対し,P13。 参考人は「はい」と供述している。 ,。 以上の証拠に照らせば,本件審決が上記のとおり認定したことを不合理ということはできないから,原告の上記主張は採用するこ ましたよね」との質問に対し,P13。 参考人は「はい」と供述している。 ,。 以上の証拠に照らせば,本件審決が上記のとおり認定したことを不合理ということはできないから,原告の上記主張は採用することができない。 ウさらに,これに関連して,原告は,本件審決が,設備構成について質問された場合には,原告は「P28タイプ』及び『P30タイプ』につ,『- 64 -いての方式については,技術の進歩等により変わってくることから,詳細の回答は控えさせていただきますが,1本の光ファイバを複数のユーザでシェアリングして接続しております」と答えることとしており,P28タイプを契約しようとするユーザーに対し,しばらくの間は,分岐方式ではなく芯線直結方式により同サービスを販売し,いずれは分岐方式に移行するために工事が必要となる場合があるということについては一切触れていなかったし,したがって,原告は,設備の切替工事を行うために,芯線直結方式でサービス提供しているユーザーに対し,分岐方式に変えることについて了解を得ることにも手間を要するため,いったん芯線直結方式でサービスを提供したユーザーを分岐方式に切り替えることは極力回避することとしていたとも認定したことについて,この認定も誤りであると主張する。 しかし,本件証拠中の査第17号証(○○業務マニュアル)には「一,部雑誌によれば(P3のように)屋外のスイッチで分岐するとあるが,,本当か」との質問に対して「P28タイプ』及び『P30タイプ』に。 ,『ついての方式については,技術の進歩等により変わってくることから,詳細の回答は控えさせていただきますが,1本の光ファイバを複数のユーザでシェアリングして接続しております」との回答をする旨の記載がある。 が,P28タイプを契約しようとするユーザーに対し,しばらく 詳細の回答は控えさせていただきますが,1本の光ファイバを複数のユーザでシェアリングして接続しております」との回答をする旨の記載がある。 が,P28タイプを契約しようとするユーザーに対し,しばらくの間は,分岐方式ではなく芯線直結方式により同サービスを販売し,いずれは分岐方式に移行するために工事が必要となる場合があると明確に回答する記載はない。 ,(()このほか本件証拠中の査第170号証原告本社説明版○○P28回線の提供形態について(案)には「ただし,B-PON方式の導入),については,切り替えによる現用心線の回線切断や,お客様宅でのMC取替え工事の実施,およびお客様の立会いを極力回避することを前提とす- 65 -る」との記載があり,また,前掲査第29号証において,P13は「ま。 ,た,現在直結式でエンドユーザーに提供しているP28タイプを分岐式に移行させることは,技術的には可能ですが,そのためには,スプリッタを光ファイバに後付して,更に,エンドユーザー側に設置されているONUとP4局舎側に設置されているSLTあるいはOLTといった装置を替える必要が生じ,このとき,直結式でP28タイプのサービスを受けているエンドユーザーの回線を一時期中断させることになりますので,エンドユーザー対応の点で煩雑な作業になります。P28タイプを分岐式に移行させるかどうかの指示を各支店に出すのは,私の担当ですが,現在,将来,仮に分岐式に移行するにしてもどのような手順,方法で移行させるのかについて,検討していません」と供述している。 。 以上の証拠に照らし,本件審決が上記の事実を認定したのは合理的であるから,原告の上記主張は採用することができない。 ( )原告は,本件審決が,原告は,競争事業者に先駆けたユーザー獲得のた めに本件行為を 拠に照らし,本件審決が上記の事実を認定したのは合理的であるから,原告の上記主張は採用することができない。 ( )原告は,本件審決が,原告は,競争事業者に先駆けたユーザー獲得のた めに本件行為を行ったものと推認され,かつ,前記認定の事実(前記第2の4の( )のイからエまでの事実)に照らせば,原告は,P28タイプのFT THサービスの提供によって,他の事業者が原告の加入者光ファイバに接続してFTTHサービス事業に参入することが事実上著しく困難となることについて,これを認識していたものと推認することができるとし,あたかも原告に他事業者の参入を阻止しようとする意図があったかのように論ずるが,原告は,P1によるFTTHサービスのユーザー料金に対抗するためにP28タイプの導入を検討するに至ったものであり,このようなP1に対抗する意図を超えて,他事業者の新規参入を妨げる意図を有していたことを示す証拠は存在しないと主張する。 しかし,前記第2の4の( )のイからエまでの事実に照らして,原告は, P28タイプのFTTHサービスの提供によって,他の事業者が原告の加入- 66 -者光ファイバに接続してFTTHサービス事業に参入することが事実上著しく困難となることについて,これを認識していたものと推認することが不合理であるということはできないから,原告の上記主張は採用することができない。 ( )原告は,本件審決が,原告の分岐方式の加入者光ファイバ等設備への接 続に係る原告とP2との間の協議の状況や,P6からの分岐回線のユーザー単位での接続要望に対して実現は困難と回答したことをもって,原告が,分岐方式でのFTTHサービスの提供が現実的でないことを認識していたことを窺わせる事情であると認定していることについて,このような他事業者との協議状況から, 現は困難と回答したことをもって,原告が,分岐方式でのFTTHサービスの提供が現実的でないことを認識していたことを窺わせる事情であると認定していることについて,このような他事業者との協議状況から,原告が,分岐方式でのFTTHサービスの提供が現実的でないことを認識していたことを窺わせると認定する推認過程は全く理解不能であり,前提事実から推認することができない事実を推認していると主張する。 しかし,本件審決は,その引用に係る審決案の「第4審判官の判断」の1の( )のウに記載のとおり,原告は,原告自身にとって分岐方式では採算 ,,に見合う需要が見込まれないと明確に認識していたと認定した上でこれを原告が分岐方式でのFTTHサービスの提供が現実的でないことを認識していたと言い換えて,上記の2つの事実も,これを窺わせる事情であるとしているのであって,不合理な認定であるということはできないから,原告の上記主張は採用することができない。 ( )原告は,本件審決が,原告は,設備情報を開示すると,他の電気通信事 業者が未使用の加入者光ファイバの存在を知ることができるようになり,これらの事業者が,原告よりも先に加入者光ファイバを押さえてしまうおそれがあるため,当面,設備情報をアウトバウンド営業で活用することとしたと認定したことについて,原告の営業部門は他事業者と同様に設備情報を利用できない立場にあったから,原告が当該情報を他事業者に開示せず自らはア- 67 -ウトバウンド営業で活用するということはなく,明らかに誤った事実認定であると主張する。 しかし,本件証拠中の査第107号証(○○提供エリアの表示方法につ「いて」と題する文書)には,その「当面の対応策」の欄に「●アウトバン,ドを基本とし,支店で販売エリア(町丁目)を策定すると共に,設備の ,本件証拠中の査第107号証(○○提供エリアの表示方法につ「いて」と題する文書)には,その「当面の対応策」の欄に「●アウトバン,ドを基本とし,支店で販売エリア(町丁目)を策定すると共に,設備の即応体制を整える。●販売側は,DF開示されても優位に展開できる集中アウトバウンド販売体制を確立する。●上記を考慮の上,支店として町丁目表示するタイミングを決定する」との記載があり,また,査第105号証(社内。 メール)には「これらのデータは必要で,それを営業で使っていくのは当,(),,然と考えますまぁ本論的にはいけないことですが開示する!となれば我々は同じテンポでダークの開通を迫られます!そのリスクはよろしいのでしょうか!? また,この情報を支店に作らせたという事実がわかった時点で,コウトリあたりにそれが知れれば,開示を求められ,上と同じ憂き目にあうという想像もたやすいです。もっと上手く(旨く?)実施すべきだと考えます」等の記載があり,さらに,査第106号証(町丁名で公表でき。 「ないか」と題する文書)には「光営業部門では,光設備ラインから受けた,設備情報と,営業部門独自で取得した情報をベースに,マーケティングおよび営業コンサルを実施する。この場合,光設備ラインから受ける情報は,他事業者にも開示されることから,他事業者に開示する情報は,営業活動に必要最低限の情報とする」等の記載があり,これらの証拠によれば,本件審。 決が上記のとおりの事実を認定することは不合理とはいえないから,原告の上記主張は採用することができない。 ( )原告は,本件審決が,原告の平成14年4月の接続約款変更の認可申請 について総務省が行った意見募集に対し,P9が「○○P28タイプにつ,いては接続事業者がP4と同一の水準の料金で提供することは困難 告は,本件審決が,原告の平成14年4月の接続約款変更の認可申請 について総務省が行った意見募集に対し,P9が「○○P28タイプにつ,いては接続事業者がP4と同一の水準の料金で提供することは困難なため,ユーザー料金が接続料金を下回っていないか早急に検証し,検討結果を出し- 68 -てもらいたい。このような検証は定期的に実施し,その時点の実績を反映した設備の利用率を考慮して行うべきである」旨の意見を提出し,原告の平。 成15年1月の接続約款変更の認可申請について総務省が行った意見募集に対し,P10株式会社が「P28タイプの接続料と利用者料金の関係につ,いて,反競争的でないかどうか詳細に検証すべきである。○○サービスは,市場が形成途上にあり,熾烈な価格競争が行われており,市場シェアの大幅な変動の可能性があるので,検証すべき優先度が高い」旨の意見を,P6。 が「加入者光ファイバの料金が高価であり,1光ファイバを共用する方法,でユーザー料金を低廉化させることが必要であるが,○○アンバンドルは設備単位,32回線単位での接続料金となっていることから,P27のユーザー料金と同レベルには設定できない。ADSLと同様,回線単位での接続料金を設定すべきである」旨の意見をそれぞれ提出したと認定しながら,情。 報通信審議会が,これらの他事業者の意見のいずれをも採用せず,原告の接続料の設定は適正であると判断したことを認定していないことについて,本件審決は,あえて原告にとって不利な事実のみ恣意的に切り取って,あたかも原告の接続約款ないし接続料に問題があるかのように論じるという極めて悪意に満ちた不公正な認定をしていると主張する。 しかし,本件審決は,前記のとおり,総務省が上記のような意見募集を行った上で,原告の平成14年4月の接続約款変更の認可申請及び平 うに論じるという極めて悪意に満ちた不公正な認定をしていると主張する。 しかし,本件審決は,前記のとおり,総務省が上記のような意見募集を行った上で,原告の平成14年4月の接続約款変更の認可申請及び平成15年1月の接続約款変更の認可申請をいずれも認可したことを認定しているものであり,また,その他に認められる諸事情を考慮して,原告のP28タイプの導入及びその値下げが他の電気通信事業者の事業活動を排除する行為であると認定判断しているものであるから,本件審決が,原告にとって不利な事実のみを認定し,本件行為の評価に関し不公正な認定判断に至っているとい。 ,。 うことはできないしたがって原告の上記主張は採用することができない( )以上のとおり,本件審決の事実認定について,事実を立証する実質的な - 69 -証拠がないとする原告の主張(経験則に違反する認定があるとの主張を含。),,,むはいずれも採用することができず本件審決の事実認定については事実を立証する実質的な証拠がないとは認められないから,本件審決について独占禁止法82条1項1号所定の取消事由はないというべきである。 本件審決の法令の解釈適用に関する取消事由(第3の2)について( )他の事業者の事業活動を排除するとの要件について ア本件審決が適法に認定した事実に基づいて検討するに,新規事業者が,原告と同様に芯線直結方式の設備を利用してFTTHサービスを提供する場合に,原告に支払うべき接続料金は,加入者光ファイバ1芯について5074円であり,新規事業者はこれに加え,少なくとも原告の局舎内に設置するメディアコンバータ(MC)及び地域IP網への接続料金を支払う。 ,,(,必要があるそしてメディアコンバータの接続料金は1装置集線型16回線収容)当たり2万 も原告の局舎内に設置するメディアコンバータ(MC)及び地域IP網への接続料金を支払う。 ,,(,必要があるそしてメディアコンバータの接続料金は1装置集線型16回線収容)当たり2万0057円であり,最大限16ユーザーで利用,,することとしても1ユーザー当たり1254円となるから新規事業者は原告に1ユーザーにつき5074円+1254円=6328円及び局舎内のポートごとに地域IP網への接続料金を支払わなければならない。ところが,原告はP28タイプのユーザー料金を5800円と設定していたから,新規事業者は,FTTHサービスのユーザーを獲得するためには,上記接続料金を支払いながら,原告が設定した上記ユーザー料金に対抗するユーザー料金を設定しなければならず,芯線直結方式による接続によって事業を展開するには,接続料金とユーザー料金とに逆ざやが生じて,大幅な赤字を負担せざるを得なくなるのであって,結局のところ,新規事業者が原告に対抗して経済的合理性のある事業の継続を見込むことはできない状況が生じていたと認められる。 したがって,原告の本件行為により,新規事業者は,芯線直結方式で原告の加入者光ファイバ設備に接続してFTTHサービス事業に参入するこ- 70 -とは,事実上著しく困難になったものと認めるのが相当であり,この点に関する本件審決の判断は相当として首肯することができる。 イ原告は,P28タイプはP29タイプとは異なり,分岐方式を前提としたサービスであるから,他事業者が芯線直結方式で参入してP28タイプに対抗できるか否かを問題にしていること自体,比較の対象とならないものを比較するものであり,本件審決のアの点の判断は誤りである旨主張する。 しかし,本件審決の適法に認定した事実によれば,原告は,分岐方式によるサービスの提供を ていること自体,比較の対象とならないものを比較するものであり,本件審決のアの点の判断は誤りである旨主張する。 しかし,本件審決の適法に認定した事実によれば,原告は,分岐方式によるサービスの提供を前提として接続料金の認可を受けるとともにユーザー料金の届出をしながら,実際には芯線直結方式でP28タイプのサービスを提供していたものであり,しかも,P28タイプの導入時から分岐方式によるサービスの提供の具体的な見通しや計画はなかったこと,P28タイプのサービス提供開始後1年以上経った平成15年8月末時点においてみても,そのユーザー数11万8627回線中,実際に分岐方式でサービスを提供していたのは6回線のみで,それも原告関係者をユーザーとして試験的に提供していたにすぎないことが認められるのであって,P28タイプは実際には芯線直結方式で提供されていたものであるから,他事業者が戸建て住宅向けFTTHサービス事業に参入できるか否かの判断は,市場の実態に即し,芯線直結方式によりサービスを提供する場合を比較して検討すべきである。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 ウ原告は,本件行為は,他事業者が戸建て住宅向けFTTHサービス事業に芯線直結方式で参入することを排除していないから,本件審決の独占禁止法の解釈適用は誤っていると主張する。 (ア)原告は,前記のとおり,まず,ユーザー及び他事業者は,P28タイプを分岐方式のサービスとして認識していたから,他事業者は,ユーザ- 71 -ー料金が高くとも,通信速度等の優位性を訴えるなどして,芯線直結方式により戸建て住宅向けFTTHサービスに容易に参入することができたとか,中長期的期間で見ると,被告が主張するような接続料とユーザー料金の逆ざやは生じないから,原告の本件行為は,他事業者の参入を排 式により戸建て住宅向けFTTHサービスに容易に参入することができたとか,中長期的期間で見ると,被告が主張するような接続料とユーザー料金の逆ざやは生じないから,原告の本件行為は,他事業者の参入を排除するものではなかったなどと主張する。 しかし,本件審決の適法に認定した事実によれば,原告は,P28タイプについて,芯線直結方式によりサービスを提供していたものであるところ,P28タイプの広告宣伝に当たっては「最大100Mbps,を複数のお客さまで共有いただくサービスです「複数のご家庭で共」,有いただきます」などと小さく記載するのみで,最大100Mbpsというインターネット速度を強調して広告し,ユーザーに対し,芯線直結方式のP29タイプとP28タイプのサービスの内容の違いについて説明をしていなかったものであり,また,原告は,P28タイプを契約しようとするユーザーに対し,しばらくの間は,分岐方式ではなく芯線直結方式により同サービスを販売し,いずれは分岐方式に移行するために工事が必要となる場合があるということについては一切触れておらず,設備の切替工事を行うために,芯線直結方式でサービスを提供しているユーザーに対し,分岐方式に変えることについて了解を得ることも手間を要するため,いったん芯線直結方式でサービスを提供したユーザーを分岐方式に切り替えることは極力回避することとしていたというのである。これらの事実からすれば,FTTHサービス市場におけるユーザーの大半は,P28タイプを分岐方式のサービスであると認識していたというより,むしろ,芯線直結方式と分岐方式のいずれのサービスを受けるのかの明確な認識はなく,最大100Mbpsの通信速度の光サービスを利用できるという程度の認識しか有していなかったか,仮にP28タイプは分岐方式のサービスであるとの 岐方式のいずれのサービスを受けるのかの明確な認識はなく,最大100Mbpsの通信速度の光サービスを利用できるという程度の認識しか有していなかったか,仮にP28タイプは分岐方式のサービスであるとの認識を持ったものとしても,そ- 72 -れが芯線直結方式のサービスと比較して利便性において目に見えた差があるとの認識は有していなかったと認めるのが相当である。 本件行為当時,戸建て住宅向けFTTHサービス事業ついては,十分な需要を見込めず採算が取れる可能性がないため,他事業者が分岐方式により当該事業に新規参入をすることは,事実上著しく困難な状況にあったことは,後記のとおりであるから,他事業者は,芯線直結方式により当該事業に新規参入する選択しか考えらなかったというべきところ,原告がP28タイプと称して事実上芯線直結方式で戸建て住宅向けFTTHサービスの提供を行っており,ユーザーにおいてもP28タイプのFTTHサービスについて上記認定のような認識しか有していない者が大半を占めていたのであるから,他事業者が,芯線直結方式で当該事業に新規参入するに当たって,原告のP29タイプと同程度のユーザー料金を設定するのでは,原告のP28タイプのFTTHサービスに対抗することはできなかったと認めるのが相当であり,これを覆すに足りる的確な証拠はない。 また,本件審決が適法に認定した事実に基づいて見るに,原告は極めて大規模な企業であり,電気通信事業者としての知名度や事業者ノウハウを有することに加え,本件行為当時,既に多大な加入者光ファイバー設備を有していたものであり,原告は,これらの優位な地位を利用することができたことから,戸建て住宅向けFTTHサービスは一度契約を締結すれば,一定期間他事業者への乗換がおきにくい性質があることに着眼し,当面の損益を無視して,競 告は,これらの優位な地位を利用することができたことから,戸建て住宅向けFTTHサービスは一度契約を締結すれば,一定期間他事業者への乗換がおきにくい性質があることに着眼し,当面の損益を無視して,競争関係にある他事業者に先駆けてユーザーを獲得すべく,本件行為に出ることができたものと考えられる。 これに対し,加入者光ファイバ設備等を有するなど原告と同等の立場にない他事業者は,FTTHサービス事業の需用者の将来の見通しもはっきりしていない当時の状況の下では,原告のユーザー料金に対抗するユ- 73 -ーザー料金を設定して新規参入を図ることは,大幅な赤字を抱えることになって事業の継続も危ぶまれる状況になるおそれがあり,中長期的に見ても著しく困難であったものと認めるほかなく,これを覆すに足りる的確な証拠はない。 したがって,原告の上記各主張はいずれも採用することができない。 (イ)原告は,原告の加入者光ファイバ設備の構築・維持のコストと接続料とは利用数量に応じて同額になるように算定されている以上,原告と原告の設備を利用する他事業者は,同等のコスト負担及び条件で原告の設備を利用することができたものであり,原告は,このように原告の設備の利用に関して競争条件の同等性が確保されている中で,需要点在期において,顧客獲得リスクをとって,P28タイプの提供を開始したのであって,原告の本件行為は排除行為には当たらない,また,原告の加入者光ファイバ設備の利用について,原告と他事業者との間にコスト負担と条件の同等性が存在する以上,他事業者は,原告と同等のコスト負担及び条件で,当初は原告の芯線直結方式の設備を利用し,需要拡大後は原告の分岐方式の設備を利用して,原告のP28タイプと全く同一の内容・ユーザー料金のサービスを提供することができたから,原告の本件行為は排 件で,当初は原告の芯線直結方式の設備を利用し,需要拡大後は原告の分岐方式の設備を利用して,原告のP28タイプと全く同一の内容・ユーザー料金のサービスを提供することができたから,原告の本件行為は排除行為には当たらないと主張する。 ,,,しかし本件審決が適法に確定した事実に基づき検討するに原告はP28タイプの導入時において当分の間分岐方式の設備構成を用いず,芯線直結方式でサービスを提供することにしたものであるが,総務大臣への接続料金の認可申請やユーザー料金の届出に当たってはあくまで分岐方式によりサービスを提供することを前提にしていたものであり,総務大臣に認可申請した接続料金の算定や届け出たユーザー料金の算定には,実際には芯線直結方式でサービスを提供することについては何ら反映されておらず,ユーザーに対してもそのことを何ら公表していなかっ- 74 -たものである。そして,総務大臣は,原告から認可申請を受けたP28タイプの接続料金については,分岐方式の設備を使用する前提で認可したものであり,ユーザー料金についても,分岐方式の設備を使用する前提で算定したものとして,届出を受理したものと認められる。 上記のとおり,原告は,分岐方式の設備を使用してサービスを提供することを前提に接続料金の認可を受けるとともにユーザー料金の届出をしておきながら,実際には芯線直結方式でサービスを提供していたものであり,提供するサービスの内容と接続料金ないしユーザー料金の算定方法に食い違いがあるのであって,このような状況の下で,原告と他の事業者との間で競争条件の同等性は確保されているということは到底できない。本件審決が,接続料金が正しく算定されている限り,他の事業者との間の同等性は確保されているとの原告の主張に対し「接続料金,が正しく計算されているとの前提を欠 保されているということは到底できない。本件審決が,接続料金が正しく算定されている限り,他の事業者との間の同等性は確保されているとの原告の主張に対し「接続料金,が正しく計算されているとの前提を欠く」と判断したのも,上記と同趣旨をいうものと解することができる。 また,原告の場合には,加入者光ファイバの接続料金は,既に加入者光ファイバへの投下した資本の配賦計算にすぎず,FTTHサービスの提供に伴い現実の支出を要するものではないから,ユーザー料金が接続料金より低く設定されていたとしても,FTTHサービスの提供に要する総費用から接続料金を控除した営業費等より高く設定されていれば,上記投下資本の回収が進むから,原告が,需要点在期において,ユーザー料金が接続料金より低く逆ざやが生じる状況の下で,顧客獲得リスクをとってP28タイプのサービスの提供を行ったことは意味のある経営判断であったということができる。他方,原告が保有する加入者光ファイバ設備に接続してFTTHサービスを提供するほかない他事業者にとって,接続料金はFTTHサービスの提供に伴って現実の支出を要する経費であり,ユーザー料金が接続料金より低く設定されていれば,サー- 75 -ビスの提供をしても利益が生じず,多額の赤字を抱える結果になることが目に見えているから,需要点在期において,将来の収益を見込んで先行投資するなどの選択は考えられないものであったというべきである。 原告の上記主張は,その前提を誤るものであって,採用することができない。 (ウ)原告は,仮に接続料とユーザー料金の逆ざやによって他事業者の芯線直結方式での参入が困難であったとしても,P1は,原告の芯線直結方式の設備の接続料を下回るユーザー料金で芯線直結方式のサービス提供していたのであるから,P28タイプの提供と他事業者の 他事業者の芯線直結方式での参入が困難であったとしても,P1は,原告の芯線直結方式の設備の接続料を下回るユーザー料金で芯線直結方式のサービス提供していたのであるから,P28タイプの提供と他事業者の参入の困難性との間には条件関係・因果関係がないとも主張する。 しかし,本件審決が適法に確定した事実に基づいて検討するに,P1において既にユーザー料金相当額が6000円程度であったとしても,P1のFTTHサービスは,提供地域が限られており,また,P1は,電気通信事業者としての知名度,事業ノウハウ,事業規模を有するとは認められないのであって,東日本地区におけるその電気通信事業者としての知名度,事業ノウハウ,事業規模等を考慮すると,P1が低価格で,,,サービスを提供しても他の電気通信事業者は価格競争力だけでなく電気通信事業者としての事業ノウハウ等を活用することにより,これに対抗するFTTHサービス事業を展開できる可能性があるから,他の電気通信事業者がこれと同程度のユーザー料金を設定しなければFTTHサービス事業に新規に参入することができなかったとまでは認められないというべきである。 これに対し,原告は,極めて大規模な企業であり,電気通信事業者としての知名度や事業者ノウハウを有することに加え,本件行為当時,既に多大な加入者光ファイバー設備を有していたものであり,これら事情を考慮すれば,原告が他の電気通信事業者では価格上対抗できない低ユ- 76 -ーザー料金を設定する行為は,他の電気通信事業者がFTTHサービス事業に新規参入する障害になるか否かの観点からは,P1が上記のとおりの料金設定を行ったのとは比較にならないほど大きな影響力を有すると見るべきである。のみならず,原告は,自らの加入者光ファイバ設備について,芯線直結方式の接続料金をメディア からは,P1が上記のとおりの料金設定を行ったのとは比較にならないほど大きな影響力を有すると見るべきである。のみならず,原告は,自らの加入者光ファイバ設備について,芯線直結方式の接続料金をメディアコンバータの分を含めて1ユーザーにつき最低6328円であるとしながら,P28タイプのユーザー料金を5800円(平成15年4月以降は4500円)と設定して,これを芯線直結方式で提供したというのであり,これらを併せてみれば,原告の本件行為と他の電気通信事業者の新規参入の困難性との間には,因果関係があるというべきである。 この点に関する本件審決の判断は相当であって,原告の上記主張は採用することができない。 (エ)以上のとおり,原告は,本件行為は,他事業者が戸建て住宅向けFTTHサービス事業に芯線直結方式で参入することを排除していないと主張するが,その主張は採用することができない。 エ次に,原告は,本件行為は,他事業者が戸建て住宅向けFTTHサービス事業に分岐方式で参入することも排除していないから,本件審決の独占禁止法の解釈適用は誤っていると主張する。 (ア)そこで,本件審決が適法に確定した事実に基づいて検討するに,FTTHサービス事業に分岐方式で参入して採算を取るためには,特定の収容局の1芯の光ファイバと接続する場合を考えると,その光ファイバが32分岐する地理的範囲において,分岐方式の接続料金(基本料金が2万0130円であり,ユーザー数が増えるに伴い増加するが,1ユーザー当たりの接続料金は逓減する。仮に,1芯32分岐すべてについてユーザーを得た場合は,1ユーザー当たりの接続料金は,2326円(7万4441円÷32)となる)を上回る収入を得られるよう十分な数。 - 77 -のユーザーを獲得しなければならないが,その地理的範囲としては,例えば ,1ユーザー当たりの接続料金は,2326円(7万4441円÷32)となる)を上回る収入を得られるよう十分な数。 - 77 -のユーザーを獲得しなければならないが,その地理的範囲としては,例えば局外スプリッタからは電柱2本分の範囲に限定される。 ところが,P28タイプ導入時には,原告は,既に戸建て住宅向けFTTHサービスの提供実績を有しており,その提供実績の中で得られた情報を基に同サービスの将来の需要動向につい一定の判断を有していたと考えられるところ,その原告が,分岐方式を前提としたFTTHサービスについては需要者が増加しない限り採算が取れないと判断し,当分の間は,分岐方式の設備を設置しないこととしたものであることからすれば,FTTHサービスの提供実績を何ら有しない他の事業者がFTTHサービス事業に新規に参入した場合,採算が取れるだけのユーザー数を獲得することは事実上不可能であったと認めるのが相当である。このことは,実際に,分岐方式に関心を示した事業者はあったものの,原告に対する問い合わせや試行にとどまっていることからも裏付けられる。 そうすると,本件行為当時,P28タイプが前提とする分岐方式で原告の加入者光ファイバ設備に接続してFTTHサービス事業に参入することも,事実上著しく困難な状況にあったものというほかはない。 この点に関する本件審決の判断は相当であり,原告の上記主張は採用することができない。 (イ)これに対し,原告は,前記のとおり,分岐方式での参入後直ちに採算が取れるだけのユーザーを獲得することは容易でないとしても,FTTHサービス事業はユーザー数の大幅な増加が期待される市場であり,営業努力により中長期的にユーザーを獲得することは十分可能であったとか,他事業者は,原告のP28タイプは分岐方式であると認識していたから,分岐 ス事業はユーザー数の大幅な増加が期待される市場であり,営業努力により中長期的にユーザーを獲得することは十分可能であったとか,他事業者は,原告のP28タイプは分岐方式であると認識していたから,分岐方式を採用し,原告と同等のコスト負担及び条件で,P28タイプと同程度のユーザー料金を設定して,戸建て住宅向けFTTHサ,,,ービス事業に参入することができたとか以上は平成16年4月以降- 78 -その前後で他事業者の分岐方式による参入の難易を巡る状況には全く有意な変化がないにもかかわらず,P12やP6による分岐方式での新規参入が現実に相次いで発生していることからも裏付けられるなどとして,本件行為は,他事業者が戸建て住宅向けFTTHサービス事業に分岐方式で参入することも排除していないと主張する。 しかし,本件行為当時,新規事業者が,P28タイプが前提とする分岐方式で原告の加入者光ファイバ設備に接続してFTTHサービス事業に参入することは,本件行為と関係なく,事実上著しく困難な状況にあった認めるべきことは,前記(ア)のとおりであり,この認定判断を覆す証拠はなく,原告の上記主張は採用することができない。 また,本件審決が認定するとおり,原告の本件行為は平成16年3月31日をもって終了したところ,P12が戸建て住宅向けFTTHサービス市場に参入したのはその後である平成16年10月であるし,P6が戸建て住宅向けFTTHサービス市場に参入したのはそれより遅れる平成17年1月であるから,これらの新規参入が生じているとの点は,上記認定判断を左右するものではない。 オ原告は,価格の引下げは,物価の抑制及び効率性の向上に寄与するもので,本来的に,競争的に望ましい企業行動であって,本件行為も,価格及び品質の能率競争を促進する正当な競争行動である旨主張する い。 オ原告は,価格の引下げは,物価の抑制及び効率性の向上に寄与するもので,本来的に,競争的に望ましい企業行動であって,本件行為も,価格及び品質の能率競争を促進する正当な競争行動である旨主張する。 しかし,本件審決が適法に認定した事実によれば,原告は,P28タイプのFTTHサービスについて,分岐方式によるFTTHサービスの提供について具体的な見通しや計画がないにもかかかわらず,総務大臣に対しては,分岐方式によりサービスを行うものであり,数年で32分岐のうち60%の需要が見込まれるから,1ユーザー当たりの料金が接続料金を下回ることがないとの説明を行い,これに従って接続料金について認可を受けるとともにユーザー料金の届出をして,そのサービスを分岐方式で提供- 79 -するような形式を装い,実際には,上記説明と違い,芯線直結方式により1ユーザー当たりの料金が接続料金を下回る形でサービスの提供を行い,他事業者のFTTHサービス事業への参入を著しく困難にしておいて,自らはユーザーを獲得するという行為に出たものであることが認められのであって,このような行為は,戸建てFTTHサービスの市場においては許されない反競争的な行為といわざるを得ない。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 カ以上のとおり,他の事業者の事業活動を排除するとの要件に関する本件審決の独占禁止法の解釈適用に誤りはないというべきである。 ( )一定の取引分野における競争を実質的に制限するという要件について ア原告は,本件審決が,原告の本件行為は,東日本地区における戸建て住宅向けFTTHサービスの取引分野における競争を実質的に制限していたものと判断し,独占禁止法2条5項の「一定の取引分野」を「東日本地区における戸建て住宅向けFTTHサービス市場」と捉えているが, 住宅向けFTTHサービスの取引分野における競争を実質的に制限していたものと判断し,独占禁止法2条5項の「一定の取引分野」を「東日本地区における戸建て住宅向けFTTHサービス市場」と捉えているが,本件における「一定の取引分野」は,戸建て住宅向けFTTHサービス市場ではなく,ADSLサービスやCATVインターネットサービス等を含むブロードバンドサービス市場と捉えられるべきであるとした上で,そのブロードバンドサービス市場において,激しい競争が行われていることからすれば,競争の実質的制限が存在しないことは明らかであると主張する。 そこで,本件審決の適法に認定した事実に基づき検討するに,確かに,戸建て住宅向けFTTHサービス,ADSLサービス,CATVインターネットサービス等を含むブロードバンドサービス市場という広い市場での中で競争が行われていることは,原告の指摘するとおりである。しかし,より広い市場において競争が行われていると認められる場合においても,同時に,その市場内において細分化された市場を一定の取引分野として確定することは可能であると解される。FTTHサービスは,ブロードバン- 80 -ドサービスの中でも,サービス提供に係る通信設備の違いから,ADSLやCATVインターネットと比べ,より高速大容量の通信が可能であることに加え,上り下りの通信速度が同じで,接続が安定していること,収容局からの距離にかかわらずサービス提供が可能であるため提供エリアが広く,通信品質が良いことなどの点において,ブロードバンドサービスとして優位な性能を有する一方,ADSLよりもユーザーの利用料金は高いなどの特徴を備えている。そして,このような差異のあるブロードバンドサービスの各サービスについて,各ユーザーは,その通信設備,通信サービスの内容及び料金を比較考 DSLよりもユーザーの利用料金は高いなどの特徴を備えている。そして,このような差異のあるブロードバンドサービスの各サービスについて,各ユーザーは,その通信設備,通信サービスの内容及び料金を比較考量した上で各人のニーズに適合するサービスを選択することになるのであって,上記の各サービスにはサービスの内容及。 ,び料金等に応じた個別のユーザーの需要が存するものと認められる一方各サービスを供給する事業者側からみても,各サービスごとに通信設備が異なり,特に,FTTHサービス事業については,新たに光ファイバ設備を敷設する必要がある点において,既設の電話回線(メタル回線)やテレビ用のネットワークを利用するADSLやCATVインターネットと比べ,サービス提供を開始するための時間及び費用に差異があるものと認められる。ブロードバンドサービスの中のFTTHサービス,ADSL,CATVインターネットは,それぞれのサービスの内容及び料金等に応じて需要者層を異にし,また,通信設備の違い等により各サービスを提供する事業者もそれぞれのサービスごとに異なるものであるといえるから,ブロードバンドサービス市場の中でも,ブロードサービス事業のひとつであるFTTHサービス事業の分野について独立の市場を観念することができるものというべきである。 また,家庭向けFTTHサービスには戸建て住宅向けFTTHサービスと集合住宅向けFTTHサービスがあり,両サービスには加入者光ファイバの設備形態及びネットワークに違いがあり,ユーザーにとっても,FT- 81 -THサービスを提供する事業者にとっても,両サービスの間での代替性は限定されているから,両サービスのそれぞれにおいて一定の市場を確定することができる。 以上の点に関する本件審決の判断は相当であって,原告の主張は,その前提を欠 にとっても,両サービスの間での代替性は限定されているから,両サービスのそれぞれにおいて一定の市場を確定することができる。 以上の点に関する本件審決の判断は相当であって,原告の主張は,その前提を欠くものといわざるを得ない。 ,,,イ原告は本件行為の当時P1やP2という強力な競争事業者が存在し安価なサービス提供を率先して行っており,原告と激しい価格競争が行われ,現に,P1の価格引下げと原告のP28タイプの提供によって価格競争が行われた結果,FTTHサービスの価格が大幅に下がって,ユーザー数が増大したが,このように,価格競争が現に行われ,それが機能していた以上,競争の実質的制限は認められないと主張する。 (ア)独占禁止法2条5項に規定する「一定の取引分野における競争を実質的に制限する」とは,競争自体が減少して,特定の事業者又は事業者団体がその意思で,ある程度自由に,価格,品質,数量,その他各般の条件を左右することによって,市場を支配することができる状態を形成,維持,強化することをいうものと解される。 そこで,本件審決が適法に認定した事実に基づいて,本件行為が上記の意味で一定の取引分野における競争を実質的に制限するものに該当するか否かについてみるに,本件審決の認定事実によれば,①戸建て住宅向けFTTHサービスを提供している事業者としてみるべき者は,原告のほかP1及びP2に限られていたところ,原告は,その基盤となる加入者光ファイバの保有量においても,戸建て住宅向けFTTHサービスの開通件数においても,極めて大きなシェアを占めていた,加えて,②P1等原告以外の事業者の保有する光ファイバ設備は,地域的に限定されており,かつ,原告の保有する光ファイバ設備に比べて接続しにくい状況があった,したがって,③FTTHサービス事業に参入しようとす P1等原告以外の事業者の保有する光ファイバ設備は,地域的に限定されており,かつ,原告の保有する光ファイバ設備に比べて接続しにくい状況があった,したがって,③FTTHサービス事業に参入しようとす- 82 -る事業者にとって,原告の加入者光ファイバに接続することが極めて重要であったから,原告のFTTHサービスの内容,ユーザー料金,接続料金のいかんは,新規事業者との間の競争の在り方に大きな影響を及ぼすものであったと認められる。 ところが,原告は,本件審決が指摘するとおり(前記第2の4の( ) のア,第1種指定電気通信設備である加入者光ファイバの保有者とし)て,FTTHサービスを提供するに当たり,その保有する第1種指定電気通信設備である加入者光ファイバ設備の接続料金と自己の設定するF,,TTHサービスのユーザー料金との関係について公正競争の観点から当該設備に接続することによりFTTHサービス事業に参入しようとする他の電気通信事業者の参入を困難ならしめないよう配慮すべき立場にある(行政指導内容としてのインピュテーションルールや第1種電気通信設備接続会計規則の規定に照らして,このように判断される)にも。 かかわらず,実際には分岐方式によるサービスを当面行うことなく,近い将来これを実施する具体的な計画もないのに,分岐方式によるP28タイプのFTTHサービスを開始するとし,当該サービスの提供に用いる分岐方式の設備との接続料金の認可を受けるとともに,当該サービスのユーザー料金の届出を行いながら,芯線直結方式を用いて,そのユーザー料金を,いずれも他の電気通信事業者が原告の光ファイバ設備に芯線直結方式で接続してFTTHサービスを提供する際に必要となる接続料金を下回る額である,当初月額5800円,平成15年4月1日以降は月額4500円と設定 他の電気通信事業者が原告の光ファイバ設備に芯線直結方式で接続してFTTHサービスを提供する際に必要となる接続料金を下回る額である,当初月額5800円,平成15年4月1日以降は月額4500円と設定して,当該サービスを提供し,他社に先駆けてのユーザーの獲得に出て,FTTHサービス事業における原告の優位性を早期に確立しようとしたものである。 原告の上記のような行為は他の電気通信事業者が東日本地区における戸建て住宅向けFTTHサービス事業に新規に参入することを著しく困- 83 -難にさせ,そのような状況の中で,原告はユーザー数を大幅に増加させたものであって,原告の行った本件行為は,東日本地区での戸建て住宅向けFTTHサービス事業の取引分野における競争を実質的に制限するものに該当するというべきである。 確かに,上記の取引分野において,P1やP2との間の競争の存在を否定することはできないが,その競争状態については,加入者光ファイバの保有量や保有地域の広狭,戸建て住宅向けFTTHサービスのシェア等において,原告が極めて優位な立場にあったと認められるから,原告が新規参入を妨げてそのような3社のみによる競争という状態を維持することは,市場支配的状態を維持,強化することにほかならないというべきである。 この点に関する本件審決の判断は相当であって,原告の上記主張は採用することができない。 (イ)原告は,加入者光ファイバの保有量について,P1も原告に比肩できるだけの量を保有しているし,原告が保有する光ファイバについては,P1とは異なり,電気通信事業法の接続約款規制によって他事業者との競争条件の同等性を図らなければならないとの負担があったから,光ファイバの保有量をもって原告の市場支配力を認定することはできないし,また,原告のシェアが高いとしても,FTT 規制によって他事業者との競争条件の同等性を図らなければならないとの負担があったから,光ファイバの保有量をもって原告の市場支配力を認定することはできないし,また,原告のシェアが高いとしても,FTTH市場は新しい市場であり,将来的に需要が大きく拡大することが見込まれ,他事業者が参入して新たな需要者を獲得することは容易に行われ得るから,単にシェアが高いことをもって原告の市場支配力を認定することはできないと主張する。 しかし,本件審決が適法に認定した前記(ア)の①ないし③の事実に照らし,原告の上記主張は採用することができない。 (ウ)原告は,P12やP6の新規参入も現実に発生していること等の他の- 84 -事情に照らしても,戸建て住宅向けFTTHサービス市場において,競争自体が減少して,原告がその意思で,ある程度自由に,価格,品質,数量,その他各般の条件を左右することによって,市場を支配することができる状態ではなかったことは明らかであるとも主張する。 しかし,本件審決が認定するとおり,原告の本件行為は平成16年3月31日をもって終了したところ,P12が戸建て住宅向けFTTHサービス市場に参入したのはその後である平成16年10月であるし,P6が戸建て住宅向けFTTHサービス市場に参入したのはそれより遅れる平成17年1月であるから,原告の上記主張は,その前提を欠くものというべきである。 (エ)以上のとおり,上記(ア)の点に関する本件審決の判断は相当である。 ウ以上のとおり,一定の取引分野における競争を実質的に制限するとの要件に関する本件審決の独占禁止法の解釈適用に誤りはないというべきである。 ( )公共の利益に反してとの要件等について ア原告は,原告のP28タイプの導入やその値下げが,万が一,独占禁止法2条5項の「私的独占」のその 禁止法の解釈適用に誤りはないというべきである。 ( )公共の利益に反してとの要件等について ア原告は,原告のP28タイプの導入やその値下げが,万が一,独占禁止法2条5項の「私的独占」のその他の成立要件を満たすとしても「公共,の利益に反して」との要件を満たしておらず,あるいは,正当化事由ない,。 し違法性阻却事由が認められるべきであるとして以下のとおり主張するイまず,原告は,より広範囲のユーザーが,より安く,より性能の優れたFTTHサービスを利用できるようにするためには,ネットワークの更なる整備が不可欠であるから,事業者が顧客獲得のリスクを負担して先行投資を行うことのインセンティブを確保し,かかる設備ベースの競争を促進,,することは消費者の利益の観点から非常に重要であるというべきであり本件行為が独占禁止法違反とされてしまうと,原告の加入者光ファイバ設備等の敷設に係るインセンティブが失われるから,本件行為は,仮に形式- 85 -的に独占禁止法上の排除行為に該当するとしても,公共の利益に反するものではないと認められるべきであり,また,本件行為には正当化事由ないし違法性阻却事由が認められるべきである旨主張する。 しかし,原告の保有する加入者光ファイバ設備への接続に係る接続料金は,一定期間における光ファイバ設備のコストを予測需要数で割った将来原価に基づくものであるところ,原告が加入者光ファイバ設備の構築のために投下した資本は,原告がユーザーに対してFTTHサービスを提供して得られるユーザー料金及び他事業者が原告の光ファイバ設備に接続してFTTHサービス事業を行うに当たり,原告に支払う接続料金の両方から回収することを予定しているものである。そうすると,原告は,自らがユーザーに対しFTTHサービスを提供するだけでなく,電気通信 してFTTHサービス事業を行うに当たり,原告に支払う接続料金の両方から回収することを予定しているものである。そうすると,原告は,自らがユーザーに対しFTTHサービスを提供するだけでなく,電気通信事業法上の規制やインピュテーションルールに従って他事業者が原告と同等の競争条件で原告の加入者光ファイバ設備に接続してFTTHサービス事業を展開することを促進することによっても,投下資本の回収は可能というべきである。他事業者の戸建て向けFTTHサービスへの新規参入を著しく困難にする本件行為を行うのでなければ,換言すれば,実際に分岐方式によるサービスを提供する段階になってP28タイプを導入したのでは,事業者が顧客獲得のリスクを負担して先行投資を行うインセンティブが確保できないとする合理的な理由は見いだせない。 原告の主張は,その前提を欠くものであり,採用することができない。 ウまた,原告は,P28タイプの導入及びユーザー料金の値下げは,FTTHサービスをより安価でユーザーに提供して普及させたものであり,独占禁止法が保護の対象とする消費者の利益に合致するとも主張する。 しかし,独占禁止法の直接の保護法益である自由競争経済秩序の維持そのものが公共の利益であると解されるところ,原告が戸建て住宅向けFTTHサービスのユーザー料金を低下させたことは認められるしても,その- 86 -ことが戸建て住宅向けFTTHサービス事業の市場への他事業者の新規参入を困難にしたのであって,このように市場が新規参入者に対し閉ざされている状況は公共の利益に反するものというべきである。 既存事業者間で価格競争が行われ,その時点で価格の引き下げが行われること自体は,一般消費者の利益に合致することであるが,将来的にみれば,そのことは,既存事業者のみによる市場の支配の維持につながり, 既存事業者間で価格競争が行われ,その時点で価格の引き下げが行われること自体は,一般消費者の利益に合致することであるが,将来的にみれば,そのことは,既存事業者のみによる市場の支配の維持につながり,本来,新規参入を阻止する行為がなければ新規参入者との間で更なる価格競争やサービス競争が行われ,これによって消費者の利益が増大する可能性を失わせ,ひいては自由競争経済秩序によって確保されるべき一般消費者。 ,の利益が損なわれることにつながるものといわざるを得ないしたがって本件において値下げが行われたことのみをもって,本件行為が一般消費者の利益を確保するとともに,国民経済の民主的で健全な発達を促進するという独占禁止法の究極の目的に実質的に反するものでないと認められる例外的な場合に該当し,公共の利益に反しない又は違法性が阻却されるということはできないというべきである。 エ以上のとおり,公共の利益に反してとの要件に関する本件審決の解釈適用に誤りはなく,また,正当化事由又は違法性阻却事由を認めることはできないというべきである。 ( )独占禁止法の適用除外等について 原告は,電気通信事業法において,接続料及びユーザー料金を公正競争の促進の観点から是正する諸制度が定められている以上,総務大臣による認可等を受けた接続料・ユーザー料金に従った原告の事業活動については,独占禁止法の適用が排除されると解すべきであるし,仮に独占禁止法の適用自体が排除されないとしても,電気通信事業法を所管する官庁であって情報通信政策に関する専門知識を持つ総務省が,認可した原告の接続料について接続料変更認可申請命令を発しておらず,届け出られた原告のユーザー料金につ- 87 -いてユーザー料金変更命令を発していないという事実がある場合には,特段の事情がない限り,当該接続料及 料について接続料変更認可申請命令を発しておらず,届け出られた原告のユーザー料金につ- 87 -いてユーザー料金変更命令を発していないという事実がある場合には,特段の事情がない限り,当該接続料及びユーザー料金による原告のFTTHサービスの提供は競争の実質的制限を満たさないものと考えるべきであるとの前提に立ち,総務省は,P28タイプの提供方法に関する事実関係を調査の上で,これを電気通信事業法上違法と判断せず,料金変更命令を行っていないのであるから,独占禁止法の適用においても特段の事情がない限り適法と判断すべきであると主張する。 しかし,前記のとおり,原告は,P28タイプのFTTHサービスの提供に当たり,当該サービスを分岐方式を用いて提供するとして,当該サービスの提供に用いる分岐方式の設備との接続料金の認可を受けるとともに,当該サービスのユーザー料金の届出を行いながら,実際には分岐方式を用いず,芯線直結方式を用いて,そのユーザー料金を,いずれも他の電気通信事業者が原告の光ファイバ設備に芯線直結方式で接続してFTTHサービスを提供する際に必要となる接続料金を下回る額である,当初月額5800円,平成15年4月1日以降は月額4500円と設定して,当該サービスを提供したものであり(本件審決の認定,原告は,総務大臣による接続料金の認可の)際に申し出たサービスと異なるサービスの提供を行っているのであるから,上記のとおり分岐方式を用いて提供するとして接続料金の認可を受けたことが電気通信事業法上適法であるとしても,そのことをもって原告が実際には分岐方式を用いず,芯線直結方式を用いていたことについて,独占禁止法の適用が当然に除外されると解する余地はないし,独占禁止法の適用において特段の事情がない限り適法であると解する余地もないというべきである。 また いず,芯線直結方式を用いていたことについて,独占禁止法の適用が当然に除外されると解する余地はないし,独占禁止法の適用において特段の事情がない限り適法であると解する余地もないというべきである。 また,本件で独占禁止法違反行為として問題とされているのは,原告が分岐方式によりサービスを提供することを前提として接続料金の認可を受けるとともに接続料金を上回るユーザー料金の届出をしておきながら,実際には分岐方式でなく,芯線直結方式でサービスの提供を行っていたことであり,- 88 -接続料金の認可及びユーザー料金の届出の内容ではないから,総務大臣が接続料金及びユーザー料金について変更命令を出していないとしてしても,そのことは,原告の上記行為が独占禁止法に違反するか否かの判断に影響を与えるものではない。 したがって,原告の主張は失当であり,到底採用することはできない。 ( )原告は,本件審決の独占禁止法の解釈適用は誤っているとして,他にも 縷々主張するが,独占禁止法の解釈に関する独自の見解に立ち又は本件審決を正解しないで,あるいは,本件審決が適法に認定した事実と異なる証拠の裏付けのない事実を前提として,本件審決の認定判断を非難するものにすぎず,いずれも採用することができない。 ( )以上のとおり,本件審決の独占禁止法の解釈適用は誤っているから,本 件審決は,独占禁止法82条1項2号により取り消されるべきであるとの原告の主張は,いずれも採用することができず,本件審決が憲法その他の法令に違反するものと認めることはできないから,本件審決について,独占禁止法82条1項2号所定の取消事由はないといわなければならない。 第5 結論 以上の次第で,本件審決には,独占禁止法82条1項1号及び2号所定の取消事由は認めることができないというべきである。 よって,原 82条1項2号所定の取消事由はないといわなければならない。 第5 結論 以上の次第で,本件審決には,独占禁止法82条1項1号及び2号所定の取消事由は認めることができないというべきである。 よって,原告の本件請求は理由がないから,これを棄却することとし,訴訟費用の負担について,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第3特別部裁判長裁判官青柳馨裁判官辻次郎- 89 -裁判官長久保守夫裁判官小林昭彦裁判官西謙二は転補のため署名押印することができない。 裁判長裁判官青柳馨
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