本件は、被告人に対する死刑判決の適法性が争われた事案である。弁護人は、死刑を定めた刑法の規定が憲法第9条、第13条及び第36条に違反すると主張したが、最高裁判所は過去の大法廷判決を引用し、これらの憲法規定に違反しないことを確認した。また、憲法第25条についても、個々の国民が具体的、現実的権利を有しないとの判例に基づき、死刑判決が憲法に反しないと判断した。被告人の上告趣意は事実誤認及び量刑不当に関するものであり、刑事訴訟法405条に基づく上告理由には該当しないとされた。最終的に、裁判官全員一致の意見で上告は棄却され、第一審判決が支持された。
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人丸尾美義の上告趣意について。 死刑を定めた刑法の規定が憲法九条、一三条及び三六条に違反するものでないことは、当裁判所昭和二四年新(れ)第三三五号同二六年四月一八日大法廷判決(刑事判例集五巻五号九二三頁以下)及び昭和二二年(れ)第一一九号同二三年三月一二日大法廷判決(刑事判例集二巻三号一九一頁以下)の示すところであり、又憲法二五条に違反するものでないこともこれらの大法廷判例の趣旨により明らかである。 (なお、憲法二五条一項の法意は、個々の国民が国家に対し具体的、現実的権利を有するものでない旨の大法廷判決判例集二巻一〇号一二三五頁以下参照)されば、被告人を死刑に処した第一審判決を是認した原判決をもつて、所論憲法の各規定に違反するものということはできない。 被告人の上告趣意について。 所論は事実誤認及び量刑不当の主張に帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。 また、記録を調べても、同四一一条二号、三号を適用すべきものとも認められない。 よつて同四一四条、三九六条、一八一条一項但書により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 検察官吉河光貞公判出席昭和三三年四月一〇日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官真野毅裁判官斎藤悠輔裁判官入江俊郎- 1 -裁判官下飯坂潤夫- 2 - 夫
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