令和5(わ)62 強盗致傷、窃盗、建造物侵入被告事件

裁判年月日・裁判所
令和6年6月4日 和歌山地方裁判所
ファイル
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本件は、被告人が窃盗グループの一員として、自動車盗や店舗侵入盗を繰り返し、特に事後強盗致傷事件に関与した事案である。争点は、被告人の行為の危険性とその責任の重さ、及び量刑の適切性であった。裁判所は、被告人が自ら実行行為を行い、暴行によって被害者に傷害を負わせたことを重視し、また、窃盗グループの一員としての常習性や累犯前科の存在を考慮した。判決では、被告人に懲役7年を言い渡し、未決勾留日数をその刑に算入することを決定した。被告人は反省の意を示し、被害弁償を行った点が量刑に影響を与えたが、全体としては厳しい非難が必要とされる事案であった。

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判決文本文2,658 文字)

- 1 - 主文 被告人を懲役7年に処する。 未決勾留日数中370日をその刑に算入する。 理由 【罪となるべき事実】被告人は、第1 Aと共謀の上、令和4年7月17日午前1時38分頃から同日午前1時41分頃までの間、和歌山県紀の川市(住所省略)所在のBにおいて、同店経営者のC管理に係る普通乗用自動車1台(時価約350万円相当)の運転席に乗り込み、同車を発進させてこれを窃取したが、その状況に気付いた同人(当時56歳)が同車左前部に立ちふさがるなどして同車を制止しようとしたことから、逮捕を免れるため、Aと意を通じることなく、同車を前進させ、同車左前部をCの左足に衝突させるなどして同人を転倒させる暴行を加え、よって、同人に約2週間の加療を要する左中指挫創等の傷害を負わせ、第2 A及びDと共謀の上、令和4年8月23日午前3時39分頃、滋賀県草津市(住所省略)E駐車場において、F管理の普通乗用自動車1台(時価約15万円相当)を窃取し、第3 A及びDと共謀の上、同年9月1日午前3時16分頃、同県守山市(住所省略)東側駐車場において、G管理の普通乗用自動車1台(時価約100万円相当)を窃取し、第4 A、D及びHと共謀の上、金品窃取の目的で、同月8日午前2時26分頃、株式会社I営業推進部長Jが看守する滋賀県近江八幡市(住所省略)ペットショップKに合鍵を使用して従業員出入口の施錠を解いて侵入し、その頃、同所において、同人管理の犬2匹(時価合計約43万円相当)を窃取し、第5 A、D及びHと共謀の上、金品窃取の目的で、同日午前3時48分頃、L株式会社代表取締役社長Mが看守する京都市(住所省略)L株式会社Nサービスステー- 2 - ションにその正面出入口ドアの施錠を外して侵入し、その頃、同所において、同人管理の現金約 48分頃、L株式会社代表取締役社長Mが看守する京都市(住所省略)L株式会社Nサービスステー- 2 - ションにその正面出入口ドアの施錠を外して侵入し、その頃、同所において、同人管理の現金約23万7770円及びレジスター1台等43点(時価合計約40万7000円相当)を窃取し、第6 A、D及びHと共謀の上、金品窃取の目的で、同日午前4時18分頃、O株式会社P店長Qが看守する京都府宇治市(住所省略)同店にその勝手口ドアの施錠を外して侵入し、その頃、同所において、同人管理の現金90万7405円及び耐火金庫1個等103点(時価合計約31万6317円相当)を窃取した。 【証拠の標目】(省略)【累犯前科】(省略)【法令の適用】(省略)【量刑の理由】 1 本件は、店舗への侵入盗やその足として使う車両の窃盗等を繰り返していた窃盗グループがその一環として行った、事後強盗致傷1件、自動車盗2件及び店舗への侵入盗3件の事案である。 2 量刑の中心となる事後強盗致傷事件は、換金目的の自動車盗から発展したもので、被告人は一連の実行行為を自ら行っている。暴行の態様は、前方に立ちふさがった被害者に対し、減速せず車を接近・衝突させて同人を転倒させ、そのすぐそばを走り抜けたもので、発進直後であったことから速度はさほど出ておらず、被告人はなるべく被害者を避けるようハンドル操作を行っているから極めて危険とまではいえないものの、より重い結果が生じることもあり得た相応に危険な態様である。現に被害者に生じた傷害も、重くはないが、決して軽いものではない。被害車両は希少価値のある相当高額なもので、愛車を盗まれた所有者や、客から預かったそのような車を盗まれた上、怪我まで負わされた被害者が被った精神的苦痛も大- 3 - きい。エンジンがかかり被害 害車両は希少価値のある相当高額なもので、愛車を盗まれた所有者や、客から預かったそのような車を盗まれた上、怪我まで負わされた被害者が被った精神的苦痛も大- 3 - きい。エンジンがかかり被害車両を発進させようとしたタイミングで現場の灯りが点き、人が現れるという想定外の事態が生じた中でのとっさの判断とはいえ、他人の生命、身体の安全より、盗んだ車を確保して逃走することを優先し、上記の行動に及んだ意思決定は、相応に厳しい非難に値する。 3 次に、判示第2ないし第6の各事件は、前述のとおり窃盗グループによる常習的かつ職業的な犯行であり、件数、被害総額もかなり多い。被告人は、これらを首謀、主導したものではなく、Aらが企図した犯行に従たる立場で加担し、実行行為以外の役割を担ったにとどまるが、結局のところ自らの利得を目的に犯行に加担し、犯行の準備や実行の足として車を出したり、盗んだ車の保管場所を提供したりするなど、共犯者らの頼みに応じその時々に必要な役割を担い、犯行中は実行役から連絡、要請があればすぐに車を出せる状態で待機するなどして、盗んだ現金については概ね等分の分け前を得ていたのであるから、その刑責の重さは、一連の窃盗等を企図し自ら実行役を担ったAよりは軽いが、格段に軽いとまではいえない。 前記累犯前科で服役し、規範意識を高める機会がありながら、その刑の執行終了後、2年足らずで判示第1の自動車盗に及び、これが強盗致傷事件にまで発展したのに、さらに判示第2以下の5件の事件に相次いで加担している点でも厳しい非難は免れない。 4 次に、一般情状についてみると、事後強盗致傷につき、被害車両が、修理を要する状態ではあったものの発見、還付され、かつ被告人が被害者及び自動車の所有者に各110万円の被害弁償をして被害回復がされていることと、被告人が本件 てみると、事後強盗致傷につき、被害車両が、修理を要する状態ではあったものの発見、還付され、かつ被告人が被害者及び自動車の所有者に各110万円の被害弁償をして被害回復がされていることと、被告人が本件各事実を素直に認めて反省の情を示し、情状証人として出廷してくれた妻ら家族や同じく出廷の上、雇用・監督を申し出てくれた知人の存在を支えにし再犯に及ばないと述べていることは、刑期を減じる方向で考慮すべき事情である。 そこで、同種事犯の量刑傾向も参考に、前述の犯情評価に照らしふさわしいと考えた刑期の幅の中で、軽めの刑である主文の刑が相当と判断した。 (求刑・懲役10年、弁護人の科刑意見・懲役6年6月)- 4 - 令和6年6月4日和歌山地方裁判所刑事部 裁判長裁判官福島恵子 裁判官小林薫 裁判官森谷拓朗

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