本件は、特許庁が令和5年9月12日に下した審決を巡る訴訟で、原告Aの特許無効審判請求が争われた。被告富士フイルム株式会社が特許権を持つ「撮像装置」に関する特許(特許第6244501号)について、原告は特許無効を主張し、特許庁はその請求を棄却した。主要な争点は、特許請求の範囲に記載された発明の特定事項が適切に開示されているか、及びサポート要件に違反しているかどうかであった。裁判所は、特許庁の判断を支持し、無効理由は認められないと結論付けた。最終的に、原告の請求は棄却され、訴訟費用は原告の負担とされた。
令和7年5月15日判決言渡令和5年(行ケ)第10121号審決取消請求事件口頭弁論終結日令和7年3月18日判決 亡 A 訴訟承継人原告 X 被告富士フイルム株式会社 同訴訟代理人弁護士 𠮷田和彦同高石秀樹同訴訟代理人弁理士長谷山 健主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求特許庁が無効2022-800021号事件について令和5年9月12日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経過等(当事者間に争いがないか、又は当裁判所に顕著である。)(1) 被告は、発明の名称を「撮像装置」とする発明について、平成28年6月22日を国際出願日(優先権主張:平成27年9月30日)とする特許出 願(特願2017-542935号)をし、平成29年11月17日、特許 権の設定登録を受けた(特許第6244501号。請求項の数12。以下、この特許を「本件特許」という。)。 (2) A (以下「A」という。)は、令和4年3月11日、本件特許(請求項1及び6関係)について特許無効審判請求をし、特許庁はこれを無効2022-800021号事件として審理を行った。 (3) 特許庁は、令和5年9月12日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は同月22日Aに送達された。 (4) Aは、令和5年10月23日、本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起した。 (5) Aは、令和6年 との審決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は同月22日Aに送達された。 (4) Aは、令和5年10月23日、本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起した。 (5) Aは、令和6年6月23日に死亡し、原告が本件訴訟におけるAの地位を承継した。 2 本件特許に係る発明の内容(1) 特許請求の範囲の記載本件特許に係る特許請求の範囲の請求項1及び6の記載は、以下のとおり である(以下、本件特許の以下の特許請求の範囲の記載によって特定される発明を「本件発明」といい、その各請求項に係る発明を個別に指すときは、請求項番号に対応して「本件発明1」などという。)。 【請求項1】撮像素子を有する本体と、 前記本体の一面に沿って配置された矩形のディスプレイと、前記ディスプレイを前記本体に可動に連結しているヒンジユニットと、を備え、前記ヒンジユニットは、前記ディスプレイの直交する二辺のうち一辺に沿って延びる第1軸上の一対の第1ヒンジによって前記第1軸まわりに回動 可能に前記本体に連結された支持部を含み、 前記ディスプレイは、前記ディスプレイの直交する二辺のうち他辺に沿って延びる第2軸上の一対の第2ヒンジによって前記第2軸まわりに回動可能に前記支持部に支持されており、前記一対の第1ヒンジの一方は前記一対の第2ヒンジの間に配置されている撮像装置。 【請求項6】撮像素子を有する本体と、前記本体の一面に沿って配置された矩形のディスプレイと、前記ディスプレイを前記本体に可動に連結しているヒンジユニットと、を備え、 前記ヒンジユニットは、前記ディスプレイの直交する二辺のうち一辺に沿って延びる第1軸上の一対の第1ヒンジによって前記第1軸まわりに回動可能に前記本体に連 いるヒンジユニットと、を備え、 前記ヒンジユニットは、前記ディスプレイの直交する二辺のうち一辺に沿って延びる第1軸上の一対の第1ヒンジによって前記第1軸まわりに回動可能に前記本体に連結された第1支持部と、前記第1軸に対して前記第1軸が沿う前記ディスプレイの一辺とは反対側の一辺側に偏倚した前記第1軸と平行な第2軸上の一対の第2ヒンジに よって前記第2軸まわりに回動可能に前記第1支持部に連結された第2支持部と、を含み、前記ディスプレイは、前記ディスプレイの直交する二辺のうち他辺に沿って延びる第3軸上の一対の第3ヒンジによって前記第3軸まわりに回動 可能に前記第2支持部に支持されており、前記一対の第1ヒンジの一方及び前記一対の第2ヒンジの一方の少なくともいずれかは、前記一対の第3ヒンジの間に配置されている撮像装置。 (2) 本件特許に係る明細書及び図面(以下、併せて「本件明細書等」という。)の抜粋を別紙に掲げる。これによれば、本件明細書等には、次のよう な開示があることが認められる。 ア技術分野本発明は、撮像装置に関する(【0001】)。 イ背景技術撮像素子を有する本体の一面に沿って配置されたディスプレイにライブビュー画像が表示される撮像装置として、可動式のディスプレイを備 え、撮影姿勢を変えることなくハイアングル及びローアングルといった種々の撮影アングルでの撮影が可能に構成された撮像装置が知られている(【0002】)。特許文献1に記載されたデジタルカメラは、本体の一面に沿って配置されたディスプレイを本体に可動に連結しているヒンジユニットを備える(【0003】)。 ウ本発明が解決しようとする課題従来のデジタルカメラのヒンジユニットでは、一対の第1ヒンジが て配置されたディスプレイを本体に可動に連結しているヒンジユニットを備える(【0003】)。 ウ本発明が解決しようとする課題従来のデジタルカメラのヒンジユニットでは、一対の第1ヒンジが配置される軸Aは、一対の第2ヒンジの外側で、これら一対の第2ヒンジが設けられる軸Bと交差しており、軸A上の一対の第1ヒンジがディスプレイの外側に突出して配置され、ヒンジユニットがディスプレイより も大きくなっている。一対の第1ヒンジのような機構が、ディスプレイの外側に突出して配置されてデジタルカメラの外観に露呈していると、デジタルカメラの意匠性が損なわれる(【0007】)。本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、ディスプレイを本体に可動に連結するヒンジユニットを小型化できる撮像装置を提供することを目的とする (【0008】)。 エ課題を解決するための手段本発明の一態様の撮像装置は、撮像素子を有する本体と、上記本体の一面に沿って配置された矩形のディスプレイと、上記ディスプレイを上記本体に可動に連結しているヒンジユニットと、を備え、上記ヒンジユ ニットは、上記ディスプレイの直交する二辺のうち一辺に沿って延びる 第1軸上の一対の第1ヒンジによって上記第1軸まわりに回動可能に上記本体に連結された支持部を含み、上記ディスプレイは、上記ディスプレイの直交する二辺のうち他辺に沿って延びる第2軸上の一対の第2ヒンジによって上記第2軸まわりに回動可能に上記支持部に支持されており、上記一対の第1ヒンジの一方は上記一対の第2ヒンジの間に配置さ れている(【0009】)。 また、本発明の一態様の撮像装置は、撮像素子を有する本体と、上記本体の一面に沿って配置された矩形のディスプレイと、上記ディスプレイを上記本体に可 ジの間に配置さ れている(【0009】)。 また、本発明の一態様の撮像装置は、撮像素子を有する本体と、上記本体の一面に沿って配置された矩形のディスプレイと、上記ディスプレイを上記本体に可動に連結しているヒンジユニットと、を備え、上記ヒンジユニットは、上記ディスプレイの直交する二辺のうち一辺に沿って 延びる第1軸上の一対の第1ヒンジによって上記第1軸まわりに回動可能に上記本体に連結された第1支持部と、上記第1軸に対して上記第1軸が沿う上記ディスプレイの一辺とは反対側の一辺側に偏倚した上記第1軸と平行な第2軸上の一対の第2ヒンジによって上記第2軸まわりに回動可能に上記第1支持部に連結された第2支持部と、を含み、上記 ディスプレイは、上記ディスプレイの直交する二辺のうち他辺に沿って延びる第3軸上の一対の第3ヒンジによって上記第3軸まわりに回動可能に上記第2支持部に支持されており、上記一対の第1ヒンジの一方及び上記一対の第2ヒンジの一方の少なくともいずれかは、上記一対の第3ヒンジの間に配置されている(【0010】)。 オ発明の効果本発明によれば、ディスプレイを本体に可動に連結するヒンジユニットを小型化できる(【0011】)。 3 本件審決の理由の要旨本件審決は、A(請求人)が主張する無効理由はいずれも認められないと判 断した。その理由の要旨は以下のとおりである。 (1) 無効理由1(サポート要件違反)についてア本件明細書等の本件特許の発明の詳細な説明には、本件特許に係る特許請求の範囲の請求項1及び6に記載された発明特定事項が全て記載されている。 イ本件発明の課題は、①「一対の第1ヒンジ4のような機構が、ディスプ レイ2の外側に突出して配置されてデジタルカメラの外側に露呈し 求項1及び6に記載された発明特定事項が全て記載されている。 イ本件発明の課題は、①「一対の第1ヒンジ4のような機構が、ディスプ レイ2の外側に突出して配置されてデジタルカメラの外側に露呈していると、デジタルカメラの意匠性が損なわれること」(以下「課題1」という。)と、②「デジタルカメラのヒンジユニット3では、一対の第1ヒンジ4が配置される軸Aは、一対の第2ヒンジ5の外側で、これら一対の第2ヒンジ5が設けられる軸Bと交差しており、軸A上の一対の第1ヒ ンジ4がディスプレイ2の外側に突出して配置され、ヒンジユニット3がディスプレイ2よりも大きくなっているという事情(図31参照)に鑑み、ディスプレイを本体に可動に連結するヒンジユニットを小型化できる撮像装置を提供すること」(以下「課題2」という。)である。 まず、課題1については、特許請求の範囲の請求項1及び6に記載され た発明特定事項には、ヒンジユニットを覆う「カバー16」に相当する記載がないため、特許請求の範囲の請求項1及び6の記載では、当業者が課題1を解決することができると認識することはできない。 もっとも、課題2については、発明の詳細な説明によれば、「ヒンジユニット14では、軸A上の一対の第1ヒンジ23のうち軸B寄りに位置 する一方の第1ヒンジ23が軸B上の一対の第2ヒンジ24の間に配置されている」こと(請求項1)と、「軸B寄りに位置する第1ヒンジ123及び第2ヒンジ124の少なくともいずれか」が「一対の第3ヒンジ125の間に配置されて」いること(請求項6)により、ヒンジユニット14又は114を小型化することができる。 よって、発明の詳細な説明の記載により、当業者が少なくとも当該発明 の課題2を解決できると認識できる範囲のも 6)により、ヒンジユニット14又は114を小型化することができる。 よって、発明の詳細な説明の記載により、当業者が少なくとも当該発明 の課題2を解決できると認識できる範囲のものであるといえるから、特許請求の範囲の記載がサポート要件に違反するということはできない。 (2) 無効理由2(明確性要件違反)について本件特許に係る特許請求の範囲の請求項1及び6の記載について、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確である点はないから、特許請求の範 囲の記載が明確性要件に違反するということはできない。 (3) 無効理由3(実施可能要件違反)について本件発明1及び6のそれぞれにおける各発明特定事項は、明確であり、発明の詳細な説明に記載された各部材の寸法等の具体的な事項を、技術常識も踏まえて決定することは、当業者が適宜なし得ることであり、当該決定し た具体的な事項に基づいて撮像装置を生産することも当業者が普通になし得ることである。 また、使用する際に、例えば、支持部を回動した場合に、本体等と接触することがあれば、当該接触をしないように、各発明特定事項の範囲内で各部材の寸法を調整したり、図7Bのように逃げ溝を設けたりすることは、通 常の微調整の範囲内と考えられる。同様に、ディスプレイを回動した場合に、支持部等と接触することがあれば、当該接触をしないように、各発明特定事項の範囲内で各部材の寸法を調整したりすることも、通常の微調整の範囲内であると考えられるから、当業者が過度の試行錯誤を要することなく行い得ることといえる。 以上のとおりであるから、明細書の発明の詳細な説明の記載が、実施可能要件に違反するということはできない。 (4) その他請求人は、特許法123条1項4号の無効理由があることを る。 以上のとおりであるから、明細書の発明の詳細な説明の記載が、実施可能要件に違反するということはできない。 (4) その他請求人は、特許法123条1項4号の無効理由があることを理由に特許無効審判請求をしているところ、請求人が主張する①特許法70条2項違反、 ②包袋禁反言違反、③均等論、特許侵害及び間接侵害主張及び④進歩性欠如 の点は、同審判請求の無効理由と関係がないことから、採用することができない。 4 原告の主張する本件審決の取消事由(1) 取消事由1(本件発明のサポート要件違反)(2) 取消事由2(本件発明の明確性要件違反) (3) 取消事由3(本件発明の実施可能要件違反)(4) 取消事由4(本件発明の進歩性欠如)第3 当事者の主張 1 取消事由1(本件発明のサポート要件違反)について【原告の主張】 本件発明は、以下の点において、本件明細書等の発明の詳細な説明に記載された発明ではなく、あるいは、発明の詳細な説明の記載により当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲のものとはいえないから、サポート要件違反がある。 (1) 軸の直交の不記載 本件特許に係る特許請求の範囲の請求項1では、第1軸(軸A)と第2軸(軸B)が直交している構成を特許請求しているのに、本件明細書等の発明の詳細な説明では、当該構成は記載されていない。 同様に、請求項6では、第2軸(軸C)と第3軸(軸B)が直交している構成を特許請求しているのに、やはり、発明の詳細な説明に記載がない。 (2) 「ディスプレイの直交する二辺のうち」の記載請求項1及び6には、「ディスプレイの直交する二辺のうち」との記載があるが、ディスプレイのような長方形の二辺が直交するはずはなく、発明の詳細な説 (2) 「ディスプレイの直交する二辺のうち」の記載請求項1及び6には、「ディスプレイの直交する二辺のうち」との記載があるが、ディスプレイのような長方形の二辺が直交するはずはなく、発明の詳細な説明にも何らの記載もない。 (3) 第1ヒンジが第2ヒンジの間にないこと 請求項1では、「前記一対の第1ヒンジの一方は前記一対の第2ヒンジの 間に配置されている撮像装置」とされているものの、本件明細書等の図3、図16A及び図16Bによると、第2軸(軸B)は、支持部21の外側にあり、第1軸(軸A)と交差していない。軸A上の一対の第1ヒンジの両方ともが、軸B上の一対の第2ヒンジの間にはないから、請求項1の同構成について、特許請求の範囲の記載と本件明細書等の図面の内容が全く異なってい る。本件明細書等の図4Aも、上記構成を適切に示したものではない。この点は、請求項6についても同様である。 (4) ディスプレイの取付請求項1では「前記一対の第1ヒンジの一方は前記一対の第2ヒンジの間に配置されている撮像装置。」と、請求項6では「前記一対の第1ヒンジ の一方及び前記一対の第2ヒンジの一方の少なくともいずれかは、前記一対の第3ヒンジの間に配置されている撮像装置。」と、それぞれ記載されているにもかかわらず、実際に配置されているのはディスプレイであって、撮像装置ではないから、取り付けるべき器具を間違えている。 (5) 本件明細書等の図4B等の方法の不開示 本件明細書等の図4Bにおいては、本件発明1について、ディスプレイ13を上方に回動したときに、左側の軸Aが上方に斜めに持ち上がり、第1ヒンジ23もディスプレイ13と一緒に持ち上がっているが、これでは支持部21が外に飛び出した状態になってしまう。このような不都合は、本件 上方に回動したときに、左側の軸Aが上方に斜めに持ち上がり、第1ヒンジ23もディスプレイ13と一緒に持ち上がっているが、これでは支持部21が外に飛び出した状態になってしまう。このような不都合は、本件発明6についての図19Bにおいても同じである。これらのような図における 方法は、本件発明に係る特許請求の範囲の記載においては、実際には何ら開示されていないから、サポート要件違反になる。 (6) 本件発明は小型化に寄与しないこと本件明細書等の図3によれば、本件発明1については、ヒンジブラケット30の長さがディスプレイのカバー16の内部に常に含まれており、この 点は本件発明6についての図18でも同じであるから、本件発明は、先行技 術文献である甲第2号証における発明に比較して、小型化に寄与しない。 (7) 請求項6の「少なくともいずれかは」の曖昧さ請求項6には「前記一対の第1ヒンジの一方及び前記一対の第2ヒンジの一方の少なくともいずれかは、前記一対の第3ヒンジの間に配置されている撮像装置。」とあるが、「少なくともいずれかは」とは非常に曖昧で、片方 が、間にあれば、片方は間になくてもよいかが分からず、これはサポート要件違反となる。 【被告の主張】本件発明は、「ディスプレイを本体に可動に連結するヒンジユニットを小型化できる撮像装置を提供すること」という課題(本件審決で認定された課題2) を解決できるものである。そして、本件審決が課題1として認定したデジタルカメラの意匠性(ヒンジ機構の外観への露呈)は、本件明細書等に記載された発明の普遍的な課題ではない(実施例において特定の構成を有する場合の課題である。)。原告の主張についても、以下のとおり失当であり、本件発明にサポート要件違反は認められない。 (1 載された発明の普遍的な課題ではない(実施例において特定の構成を有する場合の課題である。)。原告の主張についても、以下のとおり失当であり、本件発明にサポート要件違反は認められない。 (1) 軸の直交の不記載との主張について本件発明の請求項1及び6のクレーム文言中の「第1軸」、「第2軸」及び「第3軸」とは、2つずつのヒンジピン(32、35、あるいは132、135、138)を通る仮想軸を意味するところ、これらの仮想軸は「直交」することは明らかである。 (2) 「ディスプレイの直交する二辺のうち」の記載に関する主張について「直交」の語義は「直角に交わること」であり(乙24)であり、「直角」とは「平角の半分。90度。・・・【直角三角形】一つの内角が直角の三角形」という定義であるから(乙24)、直角三角形の内角のように、「直交」とは二辺の端点同士が直角に交わることを意味する語である。ここで、ディスプ レイの二辺とは、それがディスプレイである以上、二辺の端点同士が交わる ことを意味すると解する他なく、各辺が互いを突き抜けて交差することは有り得ないから、「ディスプレイの直交する二辺」とは、矩形のディスプレイの直角に交わる二辺を意味すると解される。 (3) 第1ヒンジが第2ヒンジの間にないとの主張について本件明細書等の図3によると、第1ヒンジ23(ヒンジブラケット30、 ヒンジブラケット31及びヒンジピン32で構成)の一方は、一対の第2ヒンジ24(ヒンジブラケット33、ヒンジブラケット34及びヒンジピン35で構成)の間に配置されていることは明らかである。 (4) ディスプレイの取付に関する主張について本件発明1においては、第2ヒンジの間に配置されているのは第1ヒン ジの片方であり、本件発明 で構成)の間に配置されていることは明らかである。 (4) ディスプレイの取付に関する主張について本件発明1においては、第2ヒンジの間に配置されているのは第1ヒン ジの片方であり、本件発明6では、第3ヒンジの間に配置されているのは、第1 ヒンジの一方及び第2ヒンジの一方の少なくともいずれかであり、原告のクレーム解釈自体が誤っている。 (5) 本件明細書等の図4B等の方法の不開示の主張について本件発明においては、軸Bを中心にディスプレイ13と支持部21(及 び121)が共に旋回することはない。図4B(図19Bも同様)では、ディスプレイ13が回転するときにA軸が共に旋回するように図示されているが、誤記である。このことは、本件明細書等の図3及び図18という全体の回転状況を示す図面から明らかであり、ディスプレイ13と支持部21(及び121)は離れており、ディスプレイ13を回転したときに軸Aが追 従しないことは明らかである。本件発明について、ディスプレイ13を回転したときに軸Aが追従しない構成として理解して生産・使用することができ、課題を解決できることは明らかであり、サポート要件違反などは認められない。 (6) 本件発明が小型化に寄与しないとの主張について 本件発明1は、「前記一対の第1ヒンジの一方は前記一対の第2ヒンジの 間に配置されている」ことにより、一対の第1ヒンジからなる軸が第2ヒンジの内側に隠れるため、ディスプレイが同じサイズであるとすれば、第1ヒンジ間に形成される直方体の空間の分だけ小型化できる。この点は本件発明6についても同様にいえる。よって、サポート要件違反は認められない。 (7) 請求項6の「少なくともいずれかは」の曖昧さの主張について 片方がヒンジの間にあれば、少な る。この点は本件発明6についても同様にいえる。よって、サポート要件違反は認められない。 (7) 請求項6の「少なくともいずれかは」の曖昧さの主張について 片方がヒンジの間にあれば、少なくともそうでない構成と比べて小型化という課題を解決できるのであるから、サポート要件違反はない。 2 取消事由2(本件発明の明確性要件違反)について【原告の主張】上記1【原告の主張】記載のとおり、第1軸(軸A)と第2軸(軸B)が実 際には「直交する」ことはなく((1))、「ディスプレイの直交する二辺のうち」との記載は意味不明で((2))、第1ヒンジが第2ヒンジの間にないにもかかわらず、「前記一対の第1ヒンジの一方は前記一対の第2ヒンジの間に配置されている」とされており((3))、図4Bによる方法は実際にはあり得ない状態であるから((5))、これらの点で本件発明には明確性要件違反がある。 【被告の主張】原告の主張については、上記1【被告の主張】の記載のとおり、当業者は本件発明について明確に理解することができるか((1)~(3))、あるいは、当業者は明確な誤記と理解できるから((5))、明確性要件違反にはならない。 3 取消事由3(本件発明の実施可能要件違反)について 【原告の主張】(1) ディスプレイと支持部の干渉本件発明1に関し、本件明細書等の図4Aに基づいて作製した模型では、ディスプレイ13を回動しようとすると、ディスプレイ13と支持部21とが干渉して回動が不可能となり、作動不能である。この点は、本件発明6の 図19Aについても同様である。よって、本件発明には実施可能要件違反が ある。 (2) 支持部21の旋回が不可能上記1【原告の主張】(5)(本件明細書等の図4B等の方法の不開 図19Aについても同様である。よって、本件発明には実施可能要件違反が ある。 (2) 支持部21の旋回が不可能上記1【原告の主張】(5)(本件明細書等の図4B等の方法の不開示)のとおり、本件発明1に関しては、図4Bによる方法では支持部21が外に飛び出しており、カメラが破損した状態であるから、実施可能要件違反になる。 この点は、本件発明6についての図19Bにおいても同じである。 【被告の主張】(1) ディスプレイと支持部の干渉との主張について本件発明における発明特定事項は明確であり、当業者は、発明の詳細な説明に記載された各部材の寸法等の具体的な事項を技術常識も踏まえて適宜 決定し得る。 仮に、ディスプレイを回動した場合に指示部等と接触することがあれば、当該接触をしないように、本件発明の課題を解決する事項の範囲内であって、発明特定事項の範囲内で、各部材の寸法を調整することは通常の微調整の範囲内と考えられるから、当業者は過度の試行錯誤を要することなく行い得る ことである。ディスプレイ13を回動可能とするために、支持部21に窪みを設けるか、直方体のディスプレイ13を少し浮かせて配置して回動させればよいだけである。 また、特許文献中の図面は模式図であり、設計図ではないから、仮に、本件明細書の図面どおりの構造及び寸法で製作した場合に作動不能となるこ とがあっても、通常の微調整の範囲内で調整等を行うことにより作動可能とできるならば、当業者は過度の試行錯誤を要することなくその物を使用できるというべきであり、本件発明についてもヒンジの配置を調整することなどにより、作動可能とすることができる。 (2) 支持部21の旋回が不可能との主張について 上記1【被告の主張】(5)のとおりであり、 あり、本件発明についてもヒンジの配置を調整することなどにより、作動可能とすることができる。 (2) 支持部21の旋回が不可能との主張について 上記1【被告の主張】(5)のとおりであり、当業者は明確な誤記と理解で きるから、実施可能要件違反にはならない。 4 取消事由4(本件発明の進歩性欠如)について【原告の主張】本件発明1は、先行技術文献である甲第2号証における発明と同様の支持部21を有し、これに固定部20を付けただけのものであり、本件発明6も、同 様の支持部を用い、さらに、同号証において開示されたヒンジユニット4の外側に棒状物体を取り付け、その他端をカメラの背面内側に取り付け、一方のディスプレイにヒンジを突き出して取り付ければ容易に出来上がるものである。 本件発明6は公知技術の寄せ集めにすぎない。 よって、本件発明は進歩性が欠如しているから、本件特許は無効である。 【被告の主張】争う。なお、原告の主張する進歩性欠如の無効理由は、本件審決で判断されていないことであり、本訴において主張することはできない。 第4 当裁判所の判断 1 取消事由1(本件発明のサポート要件違反)について (1) 軸の直交について原告は、請求項1において、第1軸(軸A)と第2軸(軸B)が直交している構成を特許請求しているのに、本件明細書等の発明の詳細な説明では、当該構成は記載されていないとして、サポート要件違反を主張する。 しかし、請求項1では、「前記ヒンジユニットは、前記ディスプレイの直 交する二辺のうち一辺に沿って延びる第1軸上の一対の第1ヒンジによって前記第1軸まわりに回動可能に前記本体に連結された支持部」、「前記ディスプレイは、前記ディスプレイの直交する二辺のうち他辺に沿って延びる第2軸上 一辺に沿って延びる第1軸上の一対の第1ヒンジによって前記第1軸まわりに回動可能に前記本体に連結された支持部」、「前記ディスプレイは、前記ディスプレイの直交する二辺のうち他辺に沿って延びる第2軸上の一対の第2ヒンジによって前記第2軸まわりに回動可能に前記支持部に支持されており」と記載されているのであり、これらの「直交する」は、 「ディスプレイの」「二辺」の位置関係に言及していることが明白であり、 原告が主張するように、第1軸(軸A)と第2軸(軸B)の関係を示すものではない。また、上記記載では、「辺に沿って延びる」ものとして第1軸と第2軸の位置関係を定めているのであるから、これらの軸は辺と同じ位置に存在することを要せず、辺と近い距離を保って離れない位置とすることも可能である。そうすると、上記の第1軸と第2軸は、必ずしも直交する位置に あることを意味するものとはいえない。したがって、請求項1において、第1軸(軸A)と第2軸(軸B)が直交している構成を特許請求しているとはいえない。 上記の点は請求項6についても同様であり、「直交する」との記載は、「ディスプレイの」「二辺」の位置関係に言及していることが明白であり、 第2軸(軸C)と第3軸(軸B)の関係を示すものではない。 よって、原告のサポート要件違反に関する上記主張は、その前提を欠き、採用できない。 (2) 「ディスプレイの直交する二辺のうち」の記載について原告は、請求項1及び6に「ディスプレイの直交する二辺のうち」との 記載があるものの、ディスプレイのような長方形の二辺が直交するはずはなく、発明の詳細な説明にも記載はないから、サポート要件違反があると主張する。 しかしながら、「直交」の語義は「直角に交わること」であり、「直交」とは、図形における 長方形の二辺が直交するはずはなく、発明の詳細な説明にも記載はないから、サポート要件違反があると主張する。 しかしながら、「直交」の語義は「直角に交わること」であり、「直交」とは、図形における二辺の端点同士が直角に交わることをも意味する語であ るといえる。そして、上記のとおり、請求項1及び6の「直交する」とは、「ディスプレイの」「二辺」を修飾していると考えるのが相当であり、ディスプレイの各辺である「二辺」は、ディスプレイという長方形の角において直角に交わっているといえ、直交しているといえる。 よって、原告の上記主張も採用できない。 (3) 第1ヒンジが第2ヒンジの間にないとの主張について 原告は、請求項1では、「前記一対の第1ヒンジの一方は前記一対の第2ヒンジの間に配置されている撮像装置」とされているにもかかわらず、本件明細書等の図3、図16A及び図16Bでは、第2軸(軸B)が第1軸(軸A)と交差しておらず、軸A上の一対の第1ヒンジの両方ともが、軸B上の一対の第2ヒンジの間にはないと主張し、この点は請求項6についても同様 であると主張する。 しかし、請求項1の上記構成は、第1ヒンジと第2ヒンジの配置を示したものであり、軸Aと軸Bの配置とは関係がない。そして、本件明細書等の図3によると、第1ヒンジ23(ヒンジブラケット30、ヒンジブラケット31及びヒンジピン32で構成)の一方は一対の第2ヒンジ24(ヒンジブ ラケット33、ヒンジブラケット34及びヒンジピン35で構成)の間に配置されていることは明らかである。また、本件明細書等の図4Aも、一対の第1ヒンジ23の一方が一対の第2ヒンジ24の間に配置されるという構成を適切に示していることは明らかである。この点は、請求項6についても同様にいえるこ かである。また、本件明細書等の図4Aも、一対の第1ヒンジ23の一方が一対の第2ヒンジ24の間に配置されるという構成を適切に示していることは明らかである。この点は、請求項6についても同様にいえることである(図19A)。 よって、原告の上記主張も採用できない。 (4) ディスプレイの取付について原告は、請求項1で「前記一対の第1ヒンジの一方は前記一対の第2ヒンジの間に配置されている撮像装置。」、請求項6で「前記一対の第1ヒンジの一方及び前記一対の第2ヒンジの一方の少なくともいずれかは、前記一対 の第3ヒンジの間に配置されている撮像装置。」とされているにもかかわらず、実際に配置されているのはディスプレイであって、撮像装置ではないと主張する。 しかし、請求項1及び6に記載された「撮像装置」は、請求項1あるいは請求項6でそれぞれに記載された全ての構成を受ける被修飾語であり、単 に原告が主張する上記の構成のみを受けるものではない。本件発明は撮像装 置に関するものであり(本件明細書等段落【0001】)、原告の上記主張は請求項1及び6を正解しないものであって、採用できない。 (5) 本件明細書等の図4B等の方法の不開示の主張について原告は、本件明細書等の図4Bにおいて、ディスプレイ13を上方に回動したときに、左側の軸Aが上方に斜めに持ち上がり、第1ヒンジ23も ディスプレイ13と一緒に持ち上がっており、このような不都合は、本件発明6についての図19Bにおいても同じであるところ、これらのような図における方法は、本件発明に係る特許請求の範囲の記載においては、実際には何ら開示されていないと主張する。 この点、確かに、本件特許の特許請求の範囲の請求項1においては、ヒ ンジユニットは、ディスプレイを本体に可 発明に係る特許請求の範囲の記載においては、実際には何ら開示されていないと主張する。 この点、確かに、本件特許の特許請求の範囲の請求項1においては、ヒ ンジユニットは、ディスプレイを本体に可動に連結しているものであり(「前記ディスプレイを前記本体に可動に連結しているヒンジユニットと、を備え」)、第1軸(軸A)上の一対の第1ヒンジも本体に連結されているのであるから(「前記ヒンジユニットは、前記ディスプレイの直交する二辺のうち一辺に沿って延びる第1軸上の一対の第1ヒンジによって前記第1軸ま わりに回動可能に前記本体に連結された支持部」)、あたかも軸Aの一端に位置する第1ヒンジ23が持ち上がるかのように記載された本件明細書等の図4Bは誤りであるといえる。この点は、請求項6についての本件明細書等の図19Bについても同様である。 しかしながら、そもそも本件発明に係る特許請求の範囲の記載(請求項 1及び6)には、上記軸Aを動かすことができることについて何ら記載されていないから、これが記載されていることを前提としたサポート要件違反(ないし後記の明確性要件違反及び実施可能要件違反)の主張は、失当といわざるを得ない。 仮に上記の点を措くとしても、本件明細書等の段落【0020】には 「固定部20には、軸A上に配置される一対のヒンジブラケット30が設け られており、支持部21には、軸Aの軸方向にヒンジブラケット30と重ね合わされる一対のヒンジブラケット31が設けられている。」との記載があり、段落【0021】には「ヒンジブラケット30及びヒンジブラケット31並びにヒンジピン32により、軸A上に配置される第1ヒンジ23が構成される。」との記載があり、段落【0024】の「ヒンジユニット14によ れば、ディスプレイ13は ト30及びヒンジブラケット31並びにヒンジピン32により、軸A上に配置される第1ヒンジ23が構成される。」との記載があり、段落【0024】の「ヒンジユニット14によ れば、ディスプレイ13は、ヒンジユニット14の支持部21と一体に軸Aまわりに回動され、また、単独で軸Bまわりに回動される。」との記載がある。これに図3を併せ考慮すると、本件明細書等に接した当業者であれば、ディスプレイ13の回動時に第1ヒンジ23(軸A)は追従しない構成が正しく、図4Bには明らかな誤記があると容易に理解することができるといえ る。この点は、請求項6についての本件明細書等の図19Bについても同様である。 そうすると、本件発明は本件明細書等の発明の詳細な説明に記載されているといえ、原告の上記主張は採用できない。 (6) 本件発明が小型化に寄与しないとの主張について 原告は、本件明細書等の図3及び図18によれば、本件発明については、ヒンジブラケットの長さがディスプレイのカバーの内部に常に含まれており、先行技術文献である甲第2号証における発明に比較して、小型化に寄与しないと主張する。 しかし、本件明細書等の記載によれば、甲第2号証に示された従来技術 では、本体と連結している「第1ヒンジ」(4a)の一方がそれと直交する軸の「第2ヒンジ」(5a)の間に配置されていない構造であったため、「第1ヒンジ」(4a)間の直方体の空間が空いてしまい、ディスプレイが同じサイズであるとすれば、その直方体の空間の分だけ撮像装置が大型化してしまうという課題があったところ(【0007】【0008】【0011】、図3 1)、本件発明は、例えば請求項1において「一対の第1ヒンジの一方は前 記一対の第2ヒンジの間に配置されている」との構成を採用するこ ころ(【0007】【0008】【0011】、図3 1)、本件発明は、例えば請求項1において「一対の第1ヒンジの一方は前 記一対の第2ヒンジの間に配置されている」との構成を採用することにより(請求項6でも同様の構成を採用している)、一対の第1ヒンジからなる軸が第2ヒンジの内側に隠れるため、ヒンジユニットが小型化し、ディスプレイが同じサイズであるとすれば、従来技術の第1ヒンジ間に形成される直方体の空間の分だけ撮像装置を小型化できることは明らかである。 そして、原告が指摘するような、ヒンジブラケットの長さがディスプレイのカバーの内部に常に含まれることは、本件発明によるヒンジユニットの小型化の効果を左右するものではない。 したがって、原告の上記主張は採用できない。 (7) 請求項6の「少なくともいずれかは」の曖昧さの主張について 原告は、請求項6の「前記一対の第1ヒンジの一方及び前記一対の第2ヒンジの一方の少なくともいずれかは、前記一対の第3ヒンジの間に配置されている撮像装置。」の構成について、「少なくともいずれかは」の部分が非常に曖昧であると主張する。 しかし、請求項6の上記文言からすれば、「前記一対の第1ヒンジの一方」 と、「前記一対の第2ヒンジの一方」の少なくともいずれかが、「前記一対の第3ヒンジの間に配置されてい」ればよいと理解することが容易にできるから、原告の上記主張は採用できない。 (8) 小括以上の他にも、原告は取消事由1(サポート要件違反)に関してるる主 張するが、独自の見解に基づくものであり、採用することができない。 原告が主張する取消事由1は認められない。 2 取消事由2(本件発明の明確性要件違反)について(1) 原告は、上記1(1)(軸の直交)、(2)(「デ に基づくものであり、採用することができない。 原告が主張する取消事由1は認められない。 2 取消事由2(本件発明の明確性要件違反)について(1) 原告は、上記1(1)(軸の直交)、(2)(「ディスプレイの直交する二辺のうち」の記載)及び(3)(第1ヒンジが第2ヒンジの間にない)に関し、明 確性要件違反になるとも主張するが、上記のとおり、当業者は、「直交する」 は、軸同士の直交を意味するものではなく、「ディスプレイの」直角に交わる「二辺」の位置関係を述べていること((1)、(2))、一対の第1ヒンジの一方が一対の第2ヒンジの間に配置されるという構成を理解できること((3))というように、本件発明の内容を明確に理解することができるといえる。 (2) また、原告は、上記1(5)(本件明細書等の図4B等の方法の不開示)に関連し、図4Bによる方法は実際にはあり得ない状態であるから、明確性要件違反になると主張する。 しかし、上記のとおり、本件明細書等に接した当業者であれば、ディスプレイ13の回動時に第1ヒンジ23(軸A)は追従しない構成が正しく、 図4Bには、明らかな誤記があると容易に理解することができる。この点は、請求項6についての本件明細書等の図19Bについても同様である。 (3) よって、本件発明が明確であることは明らかであり、原告が主張する取消事由2は認められない。 3 取消事由3(本件発明の実施可能要件違反)について (1) ディスプレイが支持部と干渉するとの主張について原告は、本件明細書等の図4Aに基づいて作製した模型では、ディスプレイ13を回動しようとすると、ディスプレイ13と支持部21とが干渉して回動が不可能となると主張する。 しかし、上記図面は模式図であって、設計図ではないか 図4Aに基づいて作製した模型では、ディスプレイ13を回動しようとすると、ディスプレイ13と支持部21とが干渉して回動が不可能となると主張する。 しかし、上記図面は模式図であって、設計図ではないから、図面どおり に製作すると、ディスプレイ13を回動した場合に、支持部21と接触することがあったとしても、当該接触をしないように、本件発明の発明特定事項の範囲内で各部材の寸法を調整したり、あるいは図7Bのように逃げ溝を設けたりすることは、通常の微調整の範囲内と考えられるから、当業者が過度の試行錯誤を要することなく行い得ることといえる。 したがって、原告の上記主張は採用できない。 (2) 支持部21の旋回が不可能であるとの主張について原告は、上記1(5)(本件明細書等の図4B等の方法の不開示)に関連し、図4B等による方法では支持部が外に飛び出しており、カメラが破損した状態であるから、実施可能要件違反になると主張する。 しかし、前示のとおり、本件明細書等に接した当業者であれば、ディス プレイ13の回動時に支持部21(軸A)は追従しない構成が正しく、図4Bには、明らかな誤記があると理解することができる。こうした点は、本件発明6(図19B)についても同様である。 したがって、原告の上記主張も採用できない。 (3) 小括 以上により、原告が主張する取消事由3(実施可能要件違反)についても認められない。 4 取消事由4(本件発明の進歩性欠如)について原告は、本件発明が、甲第2号証を主引用例として容易に想到し得たものであるから、進歩性を欠いて無効であると主張するが、当該無効理由は、本件審 決に係る無効審判手続において審理判断されなかったものであり、本訴において主張できないものであるから失当であ 得たものであるから、進歩性を欠いて無効であると主張するが、当該無効理由は、本件審決に係る無効審判手続において審理判断されなかったものであり、本訴において主張できないものであるから失当である。 結論以上のとおり、本件審決につき、原告主張の取消事由はいずれも採用することができず、原告の請求は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第4部 裁判長裁判官 増田稔 裁判官 本吉弘行 裁判官 岩井直幸 別紙本件明細書等の記載(抜粋) 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】本発明は、撮像装置に関する。 【背景技術】 【0002】撮像素子を有する本体の一面に沿って配置されたディスプレイにライブビュー画像が表示される撮像装置として、可動式のディスプレイを備え、撮影姿勢を変えることなくハイアングル及びローアングルといった種々の撮影アングルでの撮影が可能に構成された撮像装置が知られている。 【0003】特許文献1に記載されたデジタルカメラは、図31、図32A及び図32Bに示すように、本体1の一面に沿って配置さ ングルでの撮影が可能に構成された撮像装置が知られている。 【0003】特許文献1に記載されたデジタルカメラは、図31、図32A及び図32Bに示すよう に、本体1の一面に沿って配置されたディスプレイ2を本体1に可動に連結しているヒンジユニット3を備える。 【先行技術文献】【特許文献】【0006】 【特許文献1】日本国特許第5461738号明細書【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】【0007】特許文献1に記載されたデジタルカメラのヒンジユニット3では、一対の第1ヒンジ4が配 置される軸Aは、一対の第2ヒンジ5の外側で、これら一対の第2ヒンジ5が設けられる軸B と交差しており、軸A上の一対の第1ヒンジ4がディスプレイ2の外側に突出して配置され、ヒンジユニット3がディスプレイ2よりも大きくなっている。一対の第1ヒンジ4のような機構が、ディスプレイ2の外側に突出して配置されてデジタルカメラの外観に露呈していると、デジタルカメラの意匠性が損なわれる。 【0008】 本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、ディスプレイを本体に可動に連結するヒンジユニットを小型化できる撮像装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】【0009】本発明の一態様の撮像装置は、撮像素子を有する本体と、上記本体の一面に沿って配置され た矩形のディスプレイと、上記ディスプレイを上記本体に可動に連結しているヒンジユニットと、を備え、上記ヒンジユニットは、上記ディスプレイの直交する二辺のうち一辺に沿って延びる第1軸上の一対の第1ヒンジによって上記第1軸まわりに回動可能に上記本体に連結された支持部を含み、上記ディスプレイは、上記ディスプレイの直交する二辺のうち他 レイの直交する二辺のうち一辺に沿って延びる第1軸上の一対の第1ヒンジによって上記第1軸まわりに回動可能に上記本体に連結された支持部を含み、上記ディスプレイは、上記ディスプレイの直交する二辺のうち他辺に沿って延びる第2軸上の一対の第2ヒンジによって上記第2軸まわりに回動可能に上記支持部に支持 されており、上記一対の第1ヒンジの一方は上記一対の第2ヒンジの間に配置されている。 【0010】また、本発明の一態様の撮像装置は、撮像素子を有する本体と、上記本体の一面に沿って配置された矩形のディスプレイと、上記ディスプレイを上記本体に可動に連結しているヒンジユニットと、を備え、上記ヒンジユニットは、上記ディスプレイの直交する二辺のうち一辺に 沿って延びる第1軸上の一対の第1ヒンジによって上記第1軸まわりに回動可能に上記本体に連結された第1支持部と、上記第1軸に対して上記第1軸が沿う上記ディスプレイの一辺とは反対側の一辺側に偏倚した上記第1軸と平行な第2軸上の一対の第2ヒンジによって上記第2軸まわりに回動可能に上記第1支持部に連結された第2支持部と、を含み、上記ディスプレイは、上記ディスプレイの直交する二辺のうち他辺に沿って延びる第3軸上の一対の第3ヒンジ によって上記第3軸まわりに回動可能に上記第2支持部に支持されており、上記一対の第1ヒ ンジの一方及び上記一対の第2ヒンジの一方の少なくともいずれかは、上記一対の第3ヒンジの間に配置されている。 【発明の効果】【0011】本発明によれば、ディスプレイを本体に可動に連結するヒンジユニットを小型化できる。 【図面の簡単な説明】【0012】【図1A】本発明の実施形態を説明するための、撮像装置の一例を示す斜視図である。 【図1B】図1Aの撮像装置の裏面 結するヒンジユニットを小型化できる。 【図面の簡単な説明】【0012】【図1A】本発明の実施形態を説明するための、撮像装置の一例を示す斜視図である。 【図1B】図1Aの撮像装置の裏面側の斜視図である。 【図2A】図1Aの撮像装置のディスプレイの動作を示す模式図である。 【図2B】図1Aの撮像装置のディスプレイの動作を示す模式図である。 【図3】図1Aの撮像装置のヒンジユニットの分解斜視図である。 【図4A】図3のヒンジユニットの一対の第1ヒンジ及び一対の第2ヒンジの配置を示す模式図である。 【図4B】図4Aのヒンジユニットが一対の第2ヒンジの軸まわりに回動された際のヒン ジユニットの軌道を示す模式図である。 【図7B】図7Aのヒンジユニットが一対の第2ヒンジの軸まわりに回動された際のヒンジユニットの軌道を示す模式図である。 【図17A】本発明の実施形態を説明するための、撮像装置の他の例の動作を示す模式図である。 【図17B】図17Aの撮像装置の動作を示す模式図である。 【図17C】図17Aの撮像装置の動作を示す模式図である。 【図18】図17Aの撮像装置のヒンジユニットの分解斜視図である。 【図19A】図18のヒンジユニットの一対の第1ヒンジ及び一対の第2ヒンジ並びに一対の第3ヒンジの配置を示す模式図である。 【図19B】図19Aのヒンジユニットが一対の第3ヒンジの軸まわりに回動された際のヒン ジユニットの軌道を示す模式図である。 【図31】従来の撮像装置の一例の分解斜視図である。 【発明を実施するための形態】【0013】図1A及び図1Bは、本発明の実施形態を説明するための、撮像装置の一例を示す。 【0014】図1A及び図1Bに示す撮像装置としてのデ る。 【発明を実施するための形態】【0013】図1A及び図1Bは、本発明の実施形態を説明するための、撮像装置の一例を示す。 【0014】図1A及び図1Bに示す撮像装置としてのデジタルカメラ10は、CCD(ChargeCoupledDevice)イメージセンサ又はCMOS(ComplementalyMetalOxideSemiconductor)イメージセンサなどの撮像素子11を有する本体12と、ディスプレイ13と、ディスプレイ13を本体12に可動に連結しているヒンジユニットとを備える。 【0015】ディスプレイ13は、液晶又は有機ELなどの表示パネル15と、表示パネル15の表示領域を露出させる窓が形成されたカバー16とを有し、表示パネル15を正面からみて略矩形状に形成されている。本体12の背面には、ディスプレイ13と同じく略矩形状に形成された凹部17が設けられており、ディスプレイ13は、凹部17に収容され、本体12の背面に沿っ て配置されている。 【0016】凹部17は本体12の底面及び本体12の一方の側面にそれぞれ開放されている。ディスプレイ13が凹部17に収容された状態で、ディスプレイ13の四辺の側面のうち、一方の長辺13aの側面及び一方の短辺13bの側面は露出されている。 【0017】図2A及び図2Bに示すように、本例のヒンジユニットは、ディスプレイ13の長辺13aに沿って延びる軸A(第1軸)まわりに回動可能に、また、軸Aと略直交しかつディスプレイ13の短辺13dに沿って延びる軸B(第2軸)まわりに回動可能に、ディスプレイ13を本体12に連結している。なお、軸A及び軸Bがディスプレイ13の辺に「沿う」とは、軸A及 び軸Bがディスプレイ13の辺から離れずに辺と 延びる軸B(第2軸)まわりに回動可能に、ディスプレイ13を本体12に連結している。なお、軸A及び軸Bがディスプレイ13の辺に「沿う」とは、軸A及 び軸Bがディスプレイ13の辺から離れずに辺と並行することを言う。 【0018】図3は、デジタルカメラ10のヒンジユニットの構成を示す。 【0019】ヒンジユニット14は、本体12の凹部17の底面に固定される固定部20と、ディスプレイ13を支持する支持部21とを有する。 【0020】固定部20には、軸A上に配置される一対のヒンジブラケット30が設けられており、支持部21には、軸Aの軸方向にヒンジブラケット30と重ね合わされる一対のヒンジブラケット31が設けられている。重ね合わされたヒンジブラケット30とヒンジブラケット31とはヒンジピン32によって相対回動可能に結合される。 【0021】ヒンジブラケット30及びヒンジブラケット31並びにヒンジピン32により、軸A上に配置される第1ヒンジ23が構成される。支持部21は、軸A上の一対の第1ヒンジ23によって軸Aまわりに回動可能に、固定部20を介して本体12に連結される。 【0022】 支持部21には、軸B上に配置される一対のヒンジブラケット33が設けられており、ディスプレイ13には、軸Bの軸方向にヒンジブラケット33と重ね合される一対のヒンジブラケット34が設けられている。重ね合わされたヒンジブラケット33とヒンジブラケット34とはヒンジピン35によって相対回動可能に結合される。 【0023】 ヒンジブラケット33及びヒンジブラケット34並びにヒンジピン35により、軸B上に配置される第2ヒンジ24が構成される。ディスプレイ13は、軸B上の一対の第2ヒンジ24によって軸Bま 】 ヒンジブラケット33及びヒンジブラケット34並びにヒンジピン35により、軸B上に配置される第2ヒンジ24が構成される。ディスプレイ13は、軸B上の一対の第2ヒンジ24によって軸Bまわりに回動可能に、支持部21に支持される。 【0024】ヒンジユニット14によれば、ディスプレイ13は、ヒンジユニット14の支持部21と一 体に軸Aまわりに回動され、また、単独で軸Bまわりに回動される。 【0025】軸A上の一対の第1ヒンジ23は、軸Aが沿うディスプレイ13の長辺13aの両端部にそれぞれ配置されており、一対の第1ヒンジ23が互いに近接して配置される場合に比べてディスプレイ13の軸Aまわりの回動の安定性が高まる。 【0026】 同様に、軸B上の一対の第2ヒンジ24は、軸Bが沿うディスプレイ13の短辺13dの両端部にそれぞれ配置されており、一対の第2ヒンジ24が互いに近接して配置される場合に比べてディスプレイ13の軸Bまわりの回動の安定性が高まる。 【0027】ディスプレイ13が凹部17に収容されて本体12の背面に沿って配置されている状態で、 ヒンジユニット14は、ディスプレイ13のカバー16によって覆われ、デジタルカメラ10の外観に露出しない。ヒンジユニット14をデジタルカメラ10の外観に露出させないことにより、デジタルカメラ10の意匠性を高めることができる。 【0028】図4Aは、ヒンジユニット14の一対の第1ヒンジ23及び一対の第2ヒンジ24の配置を 模式的に示し、図4Bは、ヒンジユニット14が一対の第2ヒンジ24の軸Bまわりに回動された際のヒンジユニット14の軌道を模式的に示す。 【0029】図4A及び図4Bに示すように、本例のヒンジユニット14では、軸A上 、ヒンジユニット14が一対の第2ヒンジ24の軸Bまわりに回動された際のヒンジユニット14の軌道を模式的に示す。 【0029】図4A及び図4Bに示すように、本例のヒンジユニット14では、軸A上の一対の第1ヒンジ23のうち軸B寄りに位置する一方の第1ヒンジ23が軸B上の一対の第2ヒンジ24の間 に配置されている。図中、二点鎖線の枠は、ディスプレイ13の表示パネル15を正面からみたときのカバー16の外周を示している。 【0033】図7A及び図7Bは、軸B寄りに位置する第1ヒンジ23が、軸Aの軸方向に一対の第2ヒンジ24の間から外れて配置されており、かつ軸Aと軸Bとが一対の第1ヒンジ23の間で交 差する、すなわち軸B寄りに位置する一方の第1ヒンジ23が軸Bを挟んで他方の第1ヒンジ 23とは反対側に配置される場合を示している。この場合に、ヒンジユニット14を覆うカバー16の外周は、図4A及び図4Bに示したカバー16の外周と同等となる。 【0034】しかし、軸B寄りに位置する一方の第1ヒンジ23が軸Bを挟んで他方の第1ヒンジ23とは反対側に配置されることにより、軸B寄りに位置する第1ヒンジ23は、ディスプレイ13 の軸Bまわりの回動に伴い、本体12の凹部17の底面に向けて軸Bまわりに旋回される。そして、軸B寄りに位置する第1ヒンジ23が軸Aの軸方向に一対の第2ヒンジ24の間から外れて配置されることによって旋回半径が大きくなる。そのため、本体12の凹部17の底面には、第1ヒンジ23との干渉を回避するための逃げ溝が必要となる。 【0064】 図15、図16A及び図16Bに示す例は、ディスプレイ13が軸Bまわりに回動された場合に、ディスプレイ1 3 の軸A まわりの回動を阻止するようにしたものである。 となる。 【0064】 図15、図16A及び図16Bに示す例は、ディスプレイ13が軸Bまわりに回動された場合に、ディスプレイ1 3 の軸A まわりの回動を阻止するようにしたものである。 【0065】ディスプレイ13が収容される本体12の凹部17には、係合部材80と、付勢部材81とが設けられている。係合部材80は、軸Bが沿うディスプレイ13の短辺13dの側面を構 成しているカバー16の縁部Eの軸Bまわりの旋回軌道上に配置されており、本体12の背面に沿って配置されているディスプレイ13が本体12の背面から離反する向きに軸Bまわりに回動された際にカバー16の縁部Eによって押圧される。 【0066】係合部材80は、ヒンジユニット14の支持部21と係合することによって支持部21を本 体12に固定するロック位置P1と、支持部21との係合から解放されるアンロック位置P2との間で、押圧方向に移動可能に本体12に支持されている。付勢部材81は、アンロック位置P2に向けて係合部材80を付勢している。 【0067】係合部材80がアンロック位置P2にあってヒンジユニット14の支持部21との係合から 解放されている状態で、ディスプレイ1 3 は軸A 及び軸B の各軸まわりに回動可能である。 本体12の一方の側面に開放されている凹部17によってディスプレイ13の一方の短辺13bの側面が露出されており、例えば露出された短辺13bの側面に指が掛けられた状態で短辺13bの側面が引き上げられ、ディスプレイ13は軸A又は軸Bまわりに回動される。 【0068】ディスプレイ13が軸Bまわりに回動された場合に、係合部材80は、ディスプレイ13 のカバー16の縁部Eによって押圧されてロック位置P1に移動され、 軸Bまわりに回動される。 【0068】ディスプレイ13が軸Bまわりに回動された場合に、係合部材80は、ディスプレイ13 のカバー16の縁部Eによって押圧されてロック位置P1に移動され、ヒンジユニット14の支持部21と係合する。係合部材80と支持部21との係合によって支持部21は本体12に固定され、支持部21の軸Aまわりの回動が阻止され、ディスプレイ13の軸Aまわりの回動もまた阻止される。 【0069】 このように、ディスプレイ13が軸Bまわりに回動された場合に、ディスプレイ13の軸Aまわりの回動を阻止することによってディスプレイ13の無用な回動をなくすことにより、ディスプレイ13の回動操作性を高めることができる。 【0070】図17Aから図17Cは、本発明の実施形態を説明するための、撮像装置の他の例を示す。 なお、上述したデジタルカメラ10と共通する要素には共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。 【0071】図17Aから図17Cに示す撮像装置としてのデジタルカメラ110は、撮像素子を有する本体12と、ディスプレイ13と、ヒンジユニットとを備える。ヒンジユニットは、ディスプ レイ13を本体12に可動に連結している。本例では、ヒンジユニットは、ディスプレイ13の長辺13aに沿って延びる軸A(第1軸)まわりに回動可能に、また、軸Aと略直交しかつディスプレイ13の短辺13dに沿って延びる軸B(第3軸)まわりに回動可能に、更に、軸Aに対してディスプレイ13の長辺13c側に偏倚した軸Aと平行な軸C(第2軸)まわりに回動可能にディスプレイ13を本体12に連結している。 【0072】 図18は、デジタルカメラ110のヒンジユニットの構成を示す。 【0073】ヒンジユニ 軸)まわりに回動可能にディスプレイ13を本体12に連結している。 【0072】 図18は、デジタルカメラ110のヒンジユニットの構成を示す。 【0073】ヒンジユニット114は、本体12の凹部17の底面に固定される固定部120と、ディスプレイ13を支持する第1支持部121及び第2支持部122とを有する。 【0074】 固定部120には、軸A上に配置される一対のヒンジブラケット130が設けられており、第1支持部121には、軸Aの軸方向にヒンジブラケット130と重ね合わされる一対のヒンジブラケット131が設けられている。重ね合わされたヒンジブラケット130とヒンジブラケット131とはヒンジピン132によって相対回動可能に結合される。 【0075】 ヒンジブラケット130及びヒンジブラケット131並びにヒンジピン132により、軸A上に配置される第1ヒンジ123が構成される。第1支持部121は、軸A上の一対の第1ヒンジ123によって軸Aまわりに回動可能に、固定部120を介して本体12に連結される。 【0076】第1支持部121には、軸C上に配置される一対のヒンジブラケット133が設けられてお り、第2支持部122には、軸Cの軸方向にヒンジブラケット133と重ね合される一対のヒンジブラケット134が設けられている。重ね合わされたヒンジブラケット133とヒンジブラケット134とはヒンジピン135によって相対回動可能に結合される。 【0077】ヒンジブラケット133及びヒンジブラケット134並びにヒンジピン135により、軸C 上に配置される第2ヒンジ124が構成される。第2支持部122は、軸C上の一対の第2ヒンジ124によって軸Cまわりに回動可能に、第1支持部121に支持される 並びにヒンジピン135により、軸C 上に配置される第2ヒンジ124が構成される。第2支持部122は、軸C上の一対の第2ヒンジ124によって軸Cまわりに回動可能に、第1支持部121に支持される。 【0078】第2支持部122には、軸B上に配置される一対のヒンジブラケット136が設けられており、ディスプレイ13には、軸Bの軸方向にヒンジブラケット136と重ね合される一対のヒ ンジブラケット137が設けられている。重ね合わされたヒンジブラケット136とヒンジブ ラケット137とはヒンジピン138によって相対回動可能に結合される。 【0079】ヒンジブラケット136及びヒンジブラケット137並びにヒンジピン138により、軸B上に配置される第3ヒンジ125が構成される。ディスプレイ13は、軸B上の一対の第3ヒンジ125によって軸Bまわりに回動可能に、第2支持部122に支持される。 【0080】以上のヒンジユニット114によれば、ディスプレイ13は、ヒンジユニット14の第1支持部121及び第2支持部122と一体に軸Aまわりに回動され、また、第2支持部122と一体に軸Cまわりに回動され、また、単独で軸Bまわりに回動される。 【0081】 ディスプレイ13が凹部17に収容されて本体12の背面に沿って配置されている状態で、ヒンジユニット114は、ディスプレイ13のカバー16によって覆われ、デジタルカメラ10の外観に露出しない。ヒンジユニット114をデジタルカメラ10の外観に露出させないことにより、デジタルカメラ10の意匠性を高めることができる。 【0082】 図19Aは、ヒンジユニット114の一対の第1ヒンジ123及び一対の第2ヒンジ124並びに一対の第3ヒンジ125の配置を模式的に示 カメラ10の意匠性を高めることができる。 【0082】 図19Aは、ヒンジユニット114の一対の第1ヒンジ123及び一対の第2ヒンジ124並びに一対の第3ヒンジ125の配置を模式的に示し、図19Bは、ヒンジユニット114が一対の第3ヒンジ125の軸Bまわりに回動された際のヒンジユニット114の軌道を模式的に示す。 【0083】 図19A及び図19Bに示すように、本例のヒンジユニット114では、軸A上の一対の第1ヒンジ123のうち軸B寄りに位置する一方の第1ヒンジ123及び軸C上の一対の第2ヒンジ124のうち軸B寄りに位置する一方の第2ヒンジ124が軸B上の一対の第3ヒンジ125の間に配置されている。図中、二点鎖線の枠は、ディスプレイ13の表示パネル15を正面からみたときのカバー16の外周を示している。 【0089】 このように、一対の第1ヒンジ123のうち軸B寄りに位置する一方の第1ヒンジ123及び一対の第2ヒンジ124のうち軸B寄りに位置する一方の第2ヒンジ124を一対の第3ヒンジ125の間に配置することにより、ヒンジユニット114を小型化することができる。 【0090】なお、軸B寄りに位置する第1ヒンジ123及び第2ヒンジ124いずれも一対の第3ヒン ジ125の間に配置されているものとして説明したが、軸B寄りに位置する第1ヒンジ123及び第2ヒンジ124の少なくともいずれかが一対の第3ヒンジ125の間に配置されていれば、ヒンジユニット114を小型化することができる。 【符号の説明】【0134】 1 デジタルカメラの本体 2 ディスプレイ 3 ヒンジユニット 4 第1ヒンジ4a 軸受孔 5 第2ヒンジ5a 軸受孔5b 軸部 デジタルカメラの本体 ディスプレイ ヒンジユニット 第1ヒンジ4a 軸受孔 第2ヒンジ5a 軸受孔5b 軸部デジタルカメラ撮像素子 本体 ディスプレイ13a ディスプレイの長辺13b ディスプレイの短辺13c ディスプレイの長辺13d ディスプレイの短辺 ヒンジユニット表示パネル カバー 凹部固定部 支持部 第1ヒンジ 第2ヒンジヒンジブラケット ヒンジブラケット ヒンジピン ヒンジブラケット ヒンジブラケットヒンジピン デジタルカメラ ヒンジユニット 固定部 第1支持部 第2支持部 第1ヒンジ 第2ヒンジ 第3ヒンジ ヒンジブラケット ヒンジブラケット ヒンジピン ヒンジブラケット ヒンジブラケット ヒンジピン 軸 軸 軸 【図2B】 【図3】 【図4A】 【図4B】 【図7B】 【図16A】 【図16B】 【図17A】 【図17B】 【図17C】 【図18】 【図19A】 【図19B】 【図31】
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