昭和31(ツ)10 売掛代金請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和32年5月13日 札幌高等裁判所 破棄差戻
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を札幌地方裁判所に差し戻す。          理    由  上告理由第一点について  原判決が、上告人が昭和二九年四月頃訴外Aから歯科医院

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判決文本文1,441 文字)

主    文      原判決を破棄する。      本件を札幌地方裁判所に差し戻す。          理    由  上告理由第一点について  原判決が、上告人が昭和二九年四月頃訴外Aから歯科医院建物の建築工事を請け 負い、そのうち建具取付工事について、同年五月頃訴外Bとの間に、代金を一三万 余円その支払時期を取付工事完成の時とする旨の下請負契約を締結し、その後追加 工事もあつて結局代金は一四万余円となり、工事は同年一〇月頃完成したこと、右 代金のうち一部は弁済されて残額六八、〇〇〇円が未払であつたところ、訴外B が、未払金債権を九四、五六五円として昭和三〇年九月二〇日これを被上告人に譲 渡し、同月二六日上告人に対しその旨通知したことを認定し、右事実にもとずいて 上告人に対し六八、〇〇〇円およびこれに対する訴状送達の日の翌日である昭和三 〇年一〇月三一日から完済に至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の 支払を命じ、その余の請求を棄却したことは、所論のとおりである。  ところが原判決およびその引用する第一審判決の事実摘示によれば、本訴請求原 因は、訴外Bが昭和二九年一二月一〇日上告人に対し建具を代金九四、五六五円、 同月一五日支払の約定で売り渡し、昭和三〇年九月二〇日右売買代金債権を被上告 人に譲渡し、同月二六日上告人に対しその旨を通知したのであるから、被上告人は 右譲り受けた売買代金債権にもとずいて上告人に対しその支払を求める、というの である。そして記録を調査してみても、被上告人は請求原因として終始売買の主張 を維持しているのであつて、訴を変更して下請負契約を主張した形跡もなければ予 備的に下請負契約を主張した形跡もない。  されば原判決は、被上告人が請求原因として主張しない下請負契約の事実を認定 して、被上告人に有利な判決をしたものであつて、民事訴訟法第一 張した形跡もなければ予 備的に下請負契約を主張した形跡もない。  されば原判決は、被上告人が請求原因として主張しない下請負契約の事実を認定 して、被上告人に有利な判決をしたものであつて、民事訴訟法第一八六条に違背す る。そして右違背が判決に影響を及ぼすことは明かである。論旨は理由がある。  原判決が、九四、五六五円およびこれに対する昭和三〇年一〇月三一日以降完済 に至るまで年五分の割合による金員の支払を求める本訴請求に対して、六八、〇〇 〇円およびこれに対する昭和三〇年一〇月三一日以降完済に至るまで年五分の割合 による金員の支払を命じ、その余の請求は弁済ずみとしてこれを棄却したことは<要 旨>前叙のとおりであり、これに対して上告人はその支払を命ぜられた部分の破棄を 求めるのである。しかしなが</要旨>ら請求棄却の部分と請求認容の部分とはともに 不可分の同一契約すなわち一箇の下請負契約の認定のもとに結論されているのであ つて、右下請負契約そのものが当事者によつて請求原因として主張せられていない 以上は、請求棄却の部分も認容の部分もひとしく本件訴訟物を判断した結果ではな いわけであるから、両者とも破棄の運命を共にすべきものと解するを相当とする。 以上の理由により原判決は、これを全部破棄すべきである。  よつて、その余の上告理由についての判断を省略し、民事訴訟法第四〇七条に従 い主文のとおり判決する。  (裁判長裁判官 猪股薫 裁判官 臼居直道 裁判官 立岡安正)

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