本件は、上告人らが株式の買収、会社の合併、及び増資に関連する税金逋脱の目的があったかどうかが争点となった事案である。原審では、当事者間に争いがない株式の買収行為が税法上の否認対象となるか否かが主要な争点であり、裁判所は、買収行為が税金逋脱の目的を持つとは認められず、また合併交付金として認定する証拠もないと判断した。さらに、当時の税体系においては、買収代金を課税対象とすることが許されないとした。これにより、原判決は正当と認められ、上告は棄却された。判決の結論としては、上告人らの主張は採用されず、上告費用は上告人らの負担とされた。
主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人らの負担とする。 理由 上告人ら両名指定代理人杉本良吉の上告理由について。 所論の点に関する原判示はいささか明瞭を欠き、また無用の措辞がないでもないが、要するに、本件において当事者間に争のない本件株式の買収、会社の合併、及び増資なる一連行為からしては直ちに所論税金逋脱の目的があるものと認め難いのみならず、本件買収代金を以て合併交付金と認定すべき証拠上の根拠も認められないから、本件株式の買収は所論法条に基づくいわゆる否認の対象となるべき行為ではなかつたと判断した上、更に本件買収代金を所論課税の対象とするが如きは昭和一九年二月法律七号による臨時租税措置法一条の三三の如き特別な規定の施行されていなかつた当時としては税体系上許されないところであるとしているのであつて、以上の原判示は、原判文に掲げられている当事者双方の主張及び原判決が事実認定に供した証拠に照し、当裁判所もこれを正当として是認する。所論はるる論述するが、原判決の叙上判断と相容れない見解に立脚するか或は原判示の無用の措辞を捉えて原判決に所論の違法あるが如く主張するだけのものであつて到底採るを得ない。 よつて、民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官下飯坂潤夫裁判官斎藤悠輔裁判官入江俊郎- 1 - 江俊郎
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