本件は、被告人Aが共犯者Bと共謀し、法定の除外事由がないにもかかわらず、販売価格の統制額を超えて煙草を販売したことが争われた事件である。主要な争点は、被告人AがBの共同正犯として物価統制令に違反したかどうかであり、原判決はAがBの利益を知りながら共謀していたことを認定した。裁判所は、Aの行為が物価統制令違反及び賍物牙保罪に該当するとし、原判決には違法性がないと判断した。最終的に、上告は棄却され、原判決が支持された。
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人塩谷栄一の上告趣意は、末尾に添えた書面記載の通りである。 上告趣意第一点について。 原判決は、判示第一(一)において、被告人AがBと共謀して、Bが利益を得る目的であることを知りながら、法定の除外事由がないのに、同人の依頼を受けて、原判示の煙草を販売価格の統制額を超えた原判示の金額で朝鮮人某に販売した事実を認定して、被告人AをBの共同正犯として処断したのである。されば、共犯者たるBに営利の目的があつた以上、被告人Aに対し物価統制令の所論規定を適用したのは当然であつて、原判決には所論のような違法はない。 同第二点について。 原判決が判示第一(二)において認定した事実によると、被告人Aは、Bが利益を得る目的で売るものであることを知りながら同人と共謀して、法定の除外事由がないのに、原判示の煙草を販売価格の統制額を超えた原判示の金額で朝鮮人某に売却したのであり、その売却した煙草が賍物であることをも知つていたのであるから、右売却行為は一面において原判示のように物価統制令の違反であると共に、他面賍物牙保罪であること言うまでもない。されば、原判決には所論のような論理の矛盾はない。また原判決は、被告人AをBの共同正犯として認定したのであるから、刑法の適条において所論のような違法はなく論旨は理由がない。 よつて、本件上告を理由ないものと認め、旧刑訴法第四四六条に従い、主文の通り判決する。 以上は、当小法廷裁判官全員の一致した意見である。 検察官安平政吉関与- 1 -昭和二四年一〇月二五日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登 昭和二四年一〇月二五日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登裁判官島保裁判官河村又介裁判官穂積重遠- 2 -
▼ クリックして全文を表示