令和6(わ)203 危険運転致死傷被告事件

裁判年月日・裁判所
令和7年6月5日 徳島地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-94184.txt
🤖 AI生成要約2026/3/16

本件は、被告人が飲酒運転により発生させた交通事故に関するものである。被告人は、令和6年9月5日、アルコールの影響下で自動車を運転し、対向車と衝突させ、その結果、86歳の運転手が死亡し、80歳の同乗者が重傷を負った。主要な争点は、被告人の運転時のアルコール濃度と運転の危険性であり、裁判所は、被告人が飲酒運転を繰り返していたこと、運転中のアルコールの影響を認識していたと判断し、厳しい非難が妥当であるとした。判決は、被告人に懲役12年を言い渡し、未決勾留日数150日をその刑に算入することを決定した。被告人は反省の意を示したものの、被害者の命を奪った重大な結果を考慮し、求刑通りの処罰が必要とされた。

キーワード(AI生成)

判決文本文1,909 文字)

主文 被告人を懲役12年に処する。 未決勾留日数中150日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、令和6年9月5日午前8時頃、徳島県海部郡a町b番地c所在の駐車場において、運転開始前に飲んだ酒の影響により、前方注視及び運転操作が困難な状態で、普通乗用自動車(軽四)を発進させて運転を開始し、もってアルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させたことにより、同日午前8 時34分頃、同郡d町e番地先道路をa町(北)方面からf町(南)方面に向かい時速約60㎞で走行中、自車を対向車線に進出させ、折から対向進行してきたA(当時86歳)運転の普通乗用自動車右前部に自車右前部を衝突させ、よって、同人に左鎖骨下動脈損傷等の傷害を負わせ、同月25日午後9時13分頃、同県小松島市g町h番B病院において、同人を前記傷害に基づく急性腎障害による尿毒症に より死亡させるとともに、同人運転車両同乗者C(当時80歳)に全治まで約6か月間を要する多発肋骨骨折等の傷害を負わせたものである。 (量刑の理由)被告人は、本件事故の前日に少なくとも約1.3Lもの日本酒を飲み、本件事故から約40分後の時点でも、基準値の8倍に当たる血液1mL 当たり2.4㎎も の高濃度のアルコールを身体に保有していた。そのような状態で、被告人は、通行量が少なくなく、カーブやトンネルが複数存在する国道を約12.8㎞にわたって、蛇行運転を繰り返すなどしながら走行した挙げ句、最高速度を上回る時速約60㎞で対向車線にはみ出て、対向進行してきた被害車両の右前部に自車右前部を衝突させており、その運転が極めて危険なものであったことは、双方の車両が大破してい ることからも明らかである。本件事故により、何ら落ち度 はみ出て、対向進行してきた被害車両の右前部に自車右前部を衝突させており、その運転が極めて危険なものであったことは、双方の車両が大破してい ることからも明らかである。本件事故により、何ら落ち度のない被害車両の運転手 の命が奪われ、同乗者も重傷を負って、日常生活に支障が生じており、本件の結果が重大であることはいうまでもない。被害者らの娘は、父親の延命治療の中止という苦渋の選択をせざるを得なかったもので、飲酒して危険な運転をした被告人を許すことができないとして悲痛な心情を述べ、被告人に対して最大限の処罰を望んでいるのも当然といえる。また、被告人は、本件事故の前日にも、飲酒運転をした旨 述べている上、翌日に通勤や仕事で自動車を運転することを認識しながら多量の飲酒をしており、このような経緯からは、被告人の交通安全に対する意識の低さが認められる。そうすると、被告人が飲酒後に就寝し、運転開始の直前まで飲酒していたわけではないことを踏まえても、被告人に対しては厳しい非難が妥当する。 なお、被告人は、運転開始時及び運転中、アルコールの影響があることの自覚 はなく、蛇行運転をした記憶もない旨述べているが、被告人の血中アルコール濃度の高さや本件事故までの走行状況等に照らせば、アルコールの影響を感じなかったとか、無意識に蛇行運転を繰り返したとはおよそ考えられず、被告人は、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態であることを認識していたものと認められる。 以上のような犯情に照らすと、本件は、同種事案(危険運転類型がアルコールのもの)の中で、相応に重い部類に属するものといえる。 続いて、一般情状をみると、被告人は、本件について認め、被害者らに対して謝罪の意を示し、今後は自動車を運転せず、断酒会に参加するなどして飲酒をやめるこ の中で、相応に重い部類に属するものといえる。 続いて、一般情状をみると、被告人は、本件について認め、被害者らに対して謝罪の意を示し、今後は自動車を運転せず、断酒会に参加するなどして飲酒をやめることを約束するとともに、社会復帰後は働きながら被害弁償をしていきたい旨述 べて、反省の態度を示している。一方で、被告人は任意保険に加入しておらず、被告人の資産状況等に照らすと、被害弁償の完済が現実的ではないなど、一般情状も全面的に被告人に有利に斟酌できるものばかりではない。 以上によれば、被告人に前科がないことなどの事情を考慮してもなお、被告人に対しては、求刑どおりの刑を科すことはやむを得ないと判断した。 (検察官の求刑:懲役12年、弁護人の科刑意見:重くとも懲役10年) 令和7年6月10日徳島地方裁判所刑事部裁判長裁判官沖敦子 裁判官細包寛敏 裁判官髙橋かれん

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る