本件は、被告人が第一審判決に対して上告を行った事案であり、争点は醪と濁酒の区別に関する証拠の採用とその影響についてである。弁護人は、原判決が採証の法則に違反していると主張したが、最高裁は原判決においてそのような違反は認められず、具体的な判断が示されていないとした。裁判所は、上告理由が適法なものではないと判断し、上告を棄却する結論に至った。これにより、第一審判決は維持され、訴訟費用は被告人の負担とされることとなった。
主文 本件上告を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理由 弁護人石丸勘三郎の上告趣意は、判例違反をいうが、原判決は、所論摘示のごとく、第一審判決には判決に影響を及ぼすような採証の法則違背の廉も虚無の証拠によつて事実を認定したような廉も認められないといつているだけで、醪と濁酒との区別について何等判断を示していない。されば、所論は、原判示に副わない主張であつて、適法な刑訴四〇五条三号所定の上告理由となし難い。 (なお、濁酒と醪との差異につき昭和二八年五月二九日当裁判所第二小法廷決定判例集七巻五号一一四六頁以下参照。)よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。 昭和二八年一一月一九日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官斎藤悠輔裁判官岩松三郎裁判官入江俊郎- 1 -
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