本件は、被告人の自白に基づく証拠の真実性が争点となった刑事事件である。第一審では、被告人が不正に入手した入荷表に関する証拠が問題視され、弁護人は自白のみでの認定が不当であると主張した。しかし、最高裁判所は、第一審判決が被告人の自白を補強する司法警察員の供述調書などの証拠を挙げており、これにより自白の真実性が裏付けられると判断した。さらに、上告理由として挙げられた他の論点についても、刑事訴訟法の規定に該当しないとされ、全裁判官一致の意見で上告を棄却する結論に至った。この判決は、証拠の評価における自白の役割と補強証拠の重要性を再確認するものである。
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人松下宏の上告趣意第一点について。 第一審判決摘示の所論供出済入荷表の不正入手の点については、同判決は、被告人の自白の外これを補強するA並びにBの各司法警察員に対する供述調書等の諸証拠を挙示しているのであつて、これら諸証拠により、被告人の右自白の真実性を裏付けることができるのであるから、右入荷表不正入手の点について被告人の自白のみでこれを認定したとの非難は当ちない。論旨は理由がない。 同第二点乃至第四点について。 論旨は刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。よつて、刑訴四〇八条に従い、全裁判官一致の意見により主文のとおり判決する。 昭和二六年一一月二日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官谷村唯一郎- 1 -
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