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昭和41(オ)269 家屋明渡請求

裁判所

昭和42年10月27日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所 昭和36(ネ)504

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3,091 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人福岡福一の上告理由第一点について。記録により窺われる当事者双方の主張の経過に照らせば、上告人および被上告人間に昭和二〇年六月頃本件建物について売買契約が成立した旨の上告人の主張は、所論使用貸借契約が仮装であると抗争する被上告人においてなすべきものであり、したがつて、上告人の右主張はいわゆる先行的自白にあたるものというを妨げず、その後これと一致する被上告人の主張がなされた以上、上告人としては、真実に反し錯誤に基づくものでないかぎり、右主張を撤回しえないことは当然である。論旨は、これと異なる見解に立つて、原判決を非難するものであつて、採用するに足りない。同第二点について。原審は、所論甲一号証(金員貸借抵当権設定証書)および二号証(約定書)の記載内容を斟酌し、その他その挙示の証拠を綜合して、甲一号証が仮装の契約書であり、真実は上告人および被上告人間に昭和二〇年六月頃本件建物について売買契約が締結されたものであること、ならびに上告人および被上告人が昭和二二年一一月三〇日右売買契約を合意解除してあらためて本件建物につき使用貸借契約を締結したことを認定判断しているのであつて、右証拠関係に照らせば、右認定判断は是認しうるところであり、その過程に所論の違法は認められない。したがつて、論旨は採用しえない。同第三点について。臨時資金調整法四条ノ二、同法施行令六条ノ二に違反した行為は、同法一六条ノ- 1 -二により政府においてその中止を命ずることができ、また同法一七条三号によつて刑罰を科することができたことは、論旨指摘のとおりであるが、同法の立法趣旨に照らせば、同法四条ノ二に違反する行為についてその私法上の効力 においてその中止を命ずることができ、また同法一七条三号によつて刑罰を科することができたことは、論旨指摘のとおりであるが、同法の立法趣旨に照らせば、同法四条ノ二に違反する行為についてその私法上の効力まで失わしめるものであつたとは解されない。 また同法一七条三号によつて刑罰を科することができたことは、論旨指摘のとおりであるが、同法の立法趣旨に照らせば、同法四条ノ二に違反する行為についてその私法上の効力 においてその中止を命ずることができ、また同法一七条三号によつて刑罰を科することができたことは、論旨指摘のとおりであるが、同法の立法趣旨に照らせば、同法四条ノ二に違反する行為についてその私法上の効力まで失わしめるものであつたとは解されない。したがつて、これと同趣旨に出た原審の判断は正当というべく、論旨はこれと異なる見解に立つて、原判決を非難するに帰し、採用するによしない。同第四点について。所論甲二号証(約定書)の第三条の文言を考慮し、原審挙示の証拠関係に照らせば、上告人に対し原判示借受金三〇万円を弁済期限である昭和二五年一一月三〇日以前に弁済する場合においても、本件建物の返還期日は同年一二月一日とすることに確定されていた旨の原審の判断は、首肯するに足りる。論旨は、これと異なる独自の見解に立つて、原判決を非難するに帰し、採用しえない。同第五点について。本件建物売買契約が臨時資金調整法に違反するものであつても、私法上の効力に影響はなく、被上告人は右売買契約に基づき所有者として本件建物を使用収益していた旨の原審の判断が正当であることは、前記第三点に対する判断に説示したところにより明らかである。また、所論鑑定人Dの鑑定の結果によれば、本件建物の屋根の修繕が通常の必要費で賄いうるものではない旨の原審の判断は、是認しえ、この点につき原判決の違法をいう論旨は、ひつきようするに、原審の専権に属する証拠の取捨判断を非難するに帰する。したがつて、論旨は採用しえない。同第六点について。原判決によれば、原審は被上告人が本件建物等について所論修繕義務、善管義務を負担するものではないと判断して、右義務不履行を理由とする上告人の損害賠償請求を排斥していることが明らかである。論旨は、原判決を正解しない結果による- 2 -ものであつて、原判決に所論 善管義務を負担するものではないと判断して、右義務不履行を理由とする上告人の損害賠償請求を排斥していることが明らかである。論旨は、原判決を正解しない結果による- 2 -ものであつて、原判決に所論の違法を認めえないから、所論は採用に値いしない。同第七点について。いわゆる第三者のためにする契約においては、第三者に権利を取得させるだけでなく、それとともに反対給付を課することを妨げないのであり原判示事実関係のもとにおいては、上告人および被上告人間において上告人が第三者たる被上告会社従業員のため本件建物等について賃借権を設定する契約を締結した旨、ならびに右会社従業員が本件建物居住を継続しかつ上告人においてもこれを熟知していたことにより右会社従業員において上告人および被上告人間の前記契約につき黙示の受益の意思表示をしたものである旨の原審の判断は、正当として是認するに足りる。 妨げないのであり原判示事実関係のもとにおいては、上告人および被上告人間において上告人が第三者たる被上告会社従業員のため本件建物等について賃借権を設定する契約を締結した旨、ならびに右会社従業員が本件建物居住を継続しかつ上告人においてもこれを熟知していたことにより右会社従業員において上告人および被上告人間の前記契約につき黙示の受益の意思表示をしたものである旨の原審の判断は、正当として是認するに足りる。そして、右事実関係のもとにおいては、上告人および被上告会社従業員との間に賃料額がいまだ確定されていないからといつて、右両者間における賃貸借関係の存在を否定すべき事由にはならない。したがつて、論旨は採用しえない。同第八点について。原判示第三者のためにする契約が有効であり、したがつてこれに基づく第三者たる被上告会社従業員の本件建物居住もまた適法であることは、前記第七点に対する判断に説示したところにより明らかである。論旨は、るる述べるけれども、いずれも独自の見解に立つて原審の正当になした判断を非難するに帰するものであつて、採用するに足りない。同第九点について。原判示第三者のためにする契約が有効であること、被上告会社従業員の本件建物居住が上告人に対する正当な権原に基づくものであることおよび本件建物の賃料支払義務が右会社従業員において負担すべきものであることは、前記第 のためにする契約が有効であること、被上告会社従業員の本件建物居住が上告人に対する正当な権原に基づくものであることおよび本件建物の賃料支払義務が右会社従業員において負担すべきものであることは、前記第七、八点に対する判断に説示したところにより明らかである。そして、原審の確定した事実関係に照らせば、上告人において本件建物を他に賃して賃料を収取しうる可能性は全く- 3 -なかつた旨の原審の判断は、首肯しうるところであり、したがつて、本件建物の賃料相当の損害を求める上告人の請求を棄却した原審の判断も、相当といわざるをえない。論旨は、これと異なる独自の見解に立つて、原判決を非難するものであつて、採用するによしない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官奥野健一裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官石田和外裁判官色川幸太郎- 4 -

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