本件は、亡Dの家督相続人を選定するための親族会の決議に関するもので、上告人が被上告人の内縁の夫であるEの利害関係を主張した。主要な争点は、Eが親族会の決議に対して直接的な利害関係を有するかどうかであり、裁判所はEの利害が直接的ではないと判断した。具体的には、Eが被上告人と同居している事実は仮処分によるものであり、Eの居住権は一時的な措置に過ぎないとされ、親族会の決議に対する利害関係を否定した。このため、原判決は正当であり、上告理由は認められず、上告は棄却された。判決は全裁判官一致の意見であり、上告費用は上告人の負担とされた。
主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告理由について。 本件親族会が、亡Dの家督相続人として、被上告人を選定するかどうかの決議をするについては、右は被上告人の利害に関する事項であることは勿論であるけれども、その親族会員たるEは、被上告人の内縁の夫であるとしても、右決議事項が直接に同人の利害に関するものと云うことはできない。又上告人主張のような仮処分によつて、右Eが、所論家屋に居住を許されて被上告人と同居している事実があるとしても、原判決の確定するところによれば、右仮処分は上告人と被上告人との間の右家屋の所有権に関する争について仮の地位を定めたものであつて、右仮処分中、Eの居住に関する部分は同人が被上告人の内縁の夫である結果として一時的な適宜の処置としてなされたものに過ぎないと云うのであるからこれがために右Eが前記親族会の決議について直接利害関係をもつものということはできない。右と同旨の判断を示した原判決は正当であつて所論のごとく民法第九四七条二項の解釈を誤つた違法ありとすることはできない。論旨は理由がない。 よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従つて主文のとおり判決する。 右は全裁判官一致の意見である。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官霜山精一裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎- 1 -
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