本件は、捜索差押許可状の適法性が争点となった刑事事件である。上告人は、原判決が刑事訴訟法第102条第2項及び第107条の解釈を誤ったと主張し、捜索令状に記載された住所が不適切であると訴えた。しかし、最高裁は、捜索令状に記載された「京都市a区bc町d、通称AことB方家屋内並附属建物全般」という表現が合理的に解釈可能であり、実際に被告人がその家屋の世帯主であることから、捜索場所が特定されていると判断した。さらに、事実誤認や法令違反の主張についても、上告理由に該当しないとし、記録に基づいて所論を是認できないと結論付けた。したがって、上告は棄却され、原判決が支持される結果となった。
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人表権七の上告趣意第一点について。 所論は、原判決は、刑訴一〇二条二項及び一〇七条の解釈を誤つてこれを適用した違法があると主張するものであり、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。なお所論について考えてみるに、刑訴法所定の差押令状又は捜索令状における押収又は捜索すべき場所の表示は、合理的に解釈してその場所を特定し得る程度に記載することを必要とするとともに、その程度の記載があれば足りと解するを相当とする。本件について、記録により押収にかかる捜索差押許可状(証第二号)の内容をみると、被疑者の氏名として「不詳、年令三十才位の女」と、捜索すべき場所身体又は物として「京都市a区bc町d、通称AことB方家屋内並附属建物全般」と記載してあることは所論のとおりである。しかし記録によつて調べてみるとBは被告人の実母Cの内縁の夫であつて、B夫婦は二階に、被告人夫婦は階下に居住し、いわゆる同居の関係にあつたこと、及びAというのは、右Bの俗称であつて、前記場所によつてAことB方家屋といえば、本件令状記載の家屋を指すこと明らかである。 従つて被告人が本件家屋の世帯主であり、仮りに所論B夫婦が、本件の捜索差押の日から一ケ月前に他に転居していたとしても、本件令状記載の差押又は捜索すべき場所は特定していると認めるのを相当とする。従つて所論刑訴法違反の主張も理由がない。 同第二点について。 所論は、事実誤認、法令違反及び量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお記録によつて調べてみても所論を是認することはできない。)また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。 - 1 -よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお 調べてみても所論を是認することはできない。)また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。 - 1 -よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。 昭和三〇年一一月二二日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官小林俊三裁判官島保裁判官河村又介裁判官本村善太郎裁判官垂水克己- 2 -
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