本件は、売却許可決定に対する執行抗告却下決定に対する特別抗告が争われた事案である。抗告人は、特別抗告として申立を行ったが、裁判所は民事執行法第10条第8項に基づき、執行抗告を行うことができるため、特別抗告の申立は不適法であると判断した。また、仮に執行抗告として解釈した場合でも、抗告状の提出先が原裁判所でなく当裁判所であったため、民事執行法第10条第2項に違反しているとされた。このように、抗告状は不適法とされ、裁判所は抗告を却下し、抗告費用は抗告人の負担とする旨を決定した。結果として、抗告人の申立は認められず、裁判所は法の趣旨に基づき適切な判断を下した。
主文 本件抗告を却下する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理由 右抗告人は、売却許可決定に対する執行抗告却下決定に対する特別抗告と題する書面を当裁判所に提出したが、右抗告却下決定に対しては民事執行法一〇条八項の規定により更に執行抗告をすることができ、したがつてこれに対し直接特別抗告の申立をすることは許されないのであるから、右の申立は、特別抗告としては不適法とせざるをえない。また、これを民事執行法の前記規定による執行抗告の申立と解するとしても、右規定による執行抗告については同法一〇条二項の規定が適用されるから、抗告状を原裁判所でなく当裁判所に提出してした本件申立は、執行抗告としては、右規定に違反するものというべきであるところ、このように民事執行法一〇条二項の規定に違反してされた執行抗告については、右規定及びその他の同条各項の規定を通じて看取される法の趣旨に照らし、抗告状を受理した裁判所において民訴法三〇条を類推適用して事件を原裁判所に移送すべきではなく、直ちに不適法な申立としてこれを却下すべきものと解するのが相当である。 右の次第であるから、本件抗告は結局不適法としてこれを却下し、抗告費用は抗告人に負担させることとし、主文のとおり決定する。 昭和五七年七月一九日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官本山亭裁判官団藤重光裁判官藤崎萬里裁判官中村治朗- 1 -裁判官谷口正孝- 2 - 裁判官中村治朗 裁判官谷口正孝
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