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主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人山本隼雄の上告理由一について。所論指摘の事実関係に関する原審の認定判断は原判決挙示の証拠関係に照らして首肯することができる。そして、原審の確定した事実関係のもとにおいては、被上告人のDが中小企業等協同組合法にいう「従たる事務所」としての実体を有しないとした原審の判断は、正当として是認することができ、所論の登記が存在するとしても、これをもつて、右の「従たる事務所」としての実体があるといわなければならないものではない。原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。同二および三について。およそ、中小企業等協同組合法に基づく協同組合においては、従たる事務所の事業の主任者たることを示す名称を附した者が、原則として、右事務所における業務につき参事と同一の権限を有するものとみなされることは、中小企業等協同組合法四四条二項、商法四二条の定めるところである。そして、右事務所の登記がある場合においては、たとえ当該事務所が中小企業等協同組合法にいう「従たる事務所」の実体を有しないときであつても、商法一四条を類推適用し、同条にいう善意の第三者に対する関係においては、右事務所の事業の主任者たることを示す名称を附した者は、原則として、参事と同一の権限を有するものとみなされることは、当裁判所の判例とするところである(最高裁昭和四二年(オ)第七三九号同四三年一〇月一七日第一小法廷判決民集二二巻一〇号二二〇四頁参照)。ところで、被上告人のDは従たる事務所として登記されており、Eは本件約束手形の振出当時その営業所長であつたことは原審の確定するところであるから、右営業所が従たる事務所たる- 1 -実体を有しないとの一事をもつ 告人のDは従たる事務所として登記されており、Eは本件約束手形の振出当時その営業所長であつたことは原審の確定するところであるから、右営業所が従たる事務所たる- 1 -実体を有しないとの一事をもつて、Eが表見参事とはなりえないとした原審の判断は、違法というべきである。 形の振出当時その営業所長であつたことは原審の確定するところであるから、右営業所が従たる事務所たる- 1 -実体を有しないとの一事をもつ 告人のDは従たる事務所として登記されており、Eは本件約束手形の振出当時その営業所長であつたことは原審の確定するところであるから、右営業所が従たる事務所たる- 1 -実体を有しないとの一事をもつて、Eが表見参事とはなりえないとした原審の判断は、違法というべきである。しかしながら、原審の確定した事実によれば、Eは、被上告人の代理人として約束手形を振り出す権限を与えられていなかつたにもかかわらず、代理資格を冒用して本件約束手形三通をF(第一審判決添附目録ロおよびハの手形)または同人が代表者である有限会社G(同目録イの手形)にあてて振り出し、右イおよびロの手形は、受取人からそれぞれHに裏書譲渡され、同人は、これを原判示の訴外銀行に裏書譲渡したが、満期後、同銀行から戻裏書を受けて再び取得し、更にHが代表者である上告会社に裏書譲渡したものであり、右ハの手形は、FからHが代表者であるI有限会社へ、同会社からHへ、順次裏書譲渡された後、同人は、満期後、上告会社に裏書譲渡したものであるところ、FおよびHはいずれもEが被上告人の代理人として約束手形を振り出す権限がないことを当初から知つていたというのである。右事実関係のもとにおいては、かりにEが上告会社との関係において表見参事であるとしても、被上告人は、上告会社に対し、Eが本件約束手形振出の権限を有しなかつたことをもつて、対抗することができるというべきである。もつとも、中小企業等協同組合法四四条二項、商法三八条三項の定めるところによれば、参事の代理権に加えた制限は善意の第三者に対抗することができず、原審は前記訴外銀行の悪意を認定していないのであるが、このことは、右の結論を左右する理由とすることはできない。すなわち、前示のとおり、Hは、その所持していたイおよびロの手形を同銀行に裏書譲渡したが、その は前記訴外銀行の悪意を認定していないのであるが、このことは、右の結論を左右する理由とすることはできない。すなわち、前示のとおり、Hは、その所持していたイおよびロの手形を同銀行に裏書譲渡したが、その後同銀行から戻裏書を受けて再びこれを取得したのであるから、被上告人はHに対し右裏書前において対抗できた抗弁をもつて、右戻裏書後も同人に対抗できるものというべく(最高裁昭和三九年(オ)第一四六号同四〇年四月九日第二小法廷判決民集一九巻三号六四七頁参照)、したがつて、同人から期限後裏書を受けた同人を代表者とする上告会社に対しても、- 2 -右抗弁をもつて対抗できるからである。 銀行に裏書譲渡したが、その後同銀行から戻裏書を受けて再びこれを取得したのであるから、被上告人はHに対し右裏書前において対抗できた抗弁をもつて、右戻裏書後も同人に対抗できるものというべく(最高裁昭和三九年(オ)第一四六号同四〇年四月九日第二小法廷判決民集一九巻三号六四七頁参照)、したがつて、同人から期限後裏書を受けた同人を代表者とする上告会社に対しても、- 2 -右抗弁をもつて対抗できるからである。以上説示したとおり、本件においてEが表見参事であると認められるとしても、被上告人は上告人に対し本件各約束手形上の振出人として責任を負担しないのであるから、本訴請求を棄却すべきものとした原審の判断は結局相当であり、原判決中の前記違法は、原判決の結論に影響を及ぼさないものというべく、論旨は理由なきに帰する。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官色川幸太郎裁判官村上朝一- 3 -
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